JP2514027B2 - 安定化赤リンおよびその製造法 - Google Patents

安定化赤リンおよびその製造法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、赤リンの粒子表面にジルコニウム−コバル
ト化合物の複合皮膜を被覆してなる安定化赤リン及びそ
の製造法に関する。
本発明にかかる安定化赤リンは、時に合成樹脂の難燃
剤として有用であり、樹脂、塗料おるいは接着剤の分野
に利用することができる。
<従来の技術> 赤リンが合成樹脂に対しすぐれた難燃効果を付与する
ことは周知のことであり、実際にも難燃剤として使用さ
れている。
しかしながら、赤リンはそのまま使用する場合、水分
と反応してホスフィンガスの発生を伴う加水分解反応を
生ぜしめるので、従来より赤リンを有機又は無機の材料
により被覆して改質赤リンとして使用しており、数多く
の赤リン改質が提案されている。
例えば、硫酸アルミニウムと炭素水素ナトリウムを用
いて赤リン表面上に水酸化アルミニウムを沈積させる方
法[グメリン著「ハンドブック デル アノルガニシェ
ン ケミエ」8版(1964年)“ホスホラス"B部、83頁
(Gmelin.「Handbuchder anorganischen Chemie」8th
Edtion(1964),vol Phosphorus,Parts B.Page 8
3)]が報告されている。
しかしながら、この赤リンの改質方法は、赤リンの完
全な安定化のためには大量に水酸化アルミニウムを被覆
しなければならないため、赤リン難燃剤としての効果を
低めるばかりか、用途によっては悪影響を与えることが
ある。
また、赤リンの改質方法の他の例として、水酸化アル
ミニウムと亜鉛又はマグネシウムの水酸化物を複合して
被覆する方法(米国特許第2635953号明細書)、熱硬化
性樹脂で被覆した改質赤リン(特開昭51−105996号公
報)、赤リン表面を金属リン化物した後に熱硬化性樹脂
で被覆した改質赤リン(特開昭52−125489号公報)、赤
リン表面をチタンの水和酸化物により被覆した改質赤リ
ン(米国特許第4421782号明細書)、あるいは赤リン表
面をチタンの水和酸化物により被覆した上、更に熱硬化
性樹脂で被覆した改質赤リン等が提案されている。
<発明が解決しようとする問題点> 前述のとおり、赤リンの改質による安定化は数多くの
提案がなされているが、いずれも一長一短があり、尚い
くつかの重要な問題がある。特に赤リンは、水分の存在
で加水分解され易くホスフィンガスの発生を伴い、極く
少量であっても有臭有毒であるため、このガスの発生を
完全に抑制することは極めて困難であった。
このため発明したホスフィンガスをホスフィンガスと
親和性の高い金属、例えば銅、ニッケル等の重金属を共
存させる事により抑制しようとする提案がなされている
が、重金属の多くは赤リンの加水分解を促進させる欠点
があるため、耐湿性を低下させてホスフィンガスの発生
を促す結果となる。
また、前記特開昭52−125489号公報による改質赤リン
は、いわゆるガルバニック法によるめっき皮膜の一種と
考えることができるが、極く薄くしかも不完全な金属リ
ン化物皮膜である。
本発明は、赤リンの分解に伴うホスフィンガスの発生
を実質的に完全に抑制すべく、種々の安定化方法を探索
して鋭意研究を行ってきたところ、赤リン粒子にジルコ
ニウム−コバルト系複合水和酸化物の皮膜を施したとこ
ろ、驚くべきことに安定な赤リン粉末が得られることを
知見し本発明を完成した。
<問題を解決するための手段>および<作用> すなわち、本発明は赤リンの粒子表面にジルコニウム
−コバルト系複合水和酸化物を沈積被覆してなることを
特徴とする安定化赤リン、およびジルコニウム塩とコバ
ルト塩との混合塩水溶液に分散させた赤リンの水性懸濁
体にアルカリ剤を添加して中和し、生成するジルコニウ
ム−コバルト系複合水和酸化物の微細な沈澱を赤リンの
粒子表面に沈積処理した後、分離回収することを特徴と
する安定化赤リンの製造法に係るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における赤リンの粒子は、大きくとも100μm
以下にあり、かつ平均粒子径としては5〜30μm、好ま
しくは10〜20μmの範囲のものが好適である。また、微
粉末は、粒子の表面積を大きくし、又不安定になり易い
ので約1μm以下の粒径のものは出来るだけカットした
ものがよい。
したがって、本発明における赤リンの粒子は、実質的
に粒径1〜100μmの範囲にあるものが好ましく、また
前記範囲以外の粒径の粒子が含有されていても、粒径1
μm以下および100μm以上のものの含有量が5重量%
以下のものが望ましい。
尚、粒径および平均粒子径はコルターカウンター法に
より測定された値を示す。
本発明に係る安定化赤リンは赤リン粒子の表面にジル
コニウムとコバルトの可溶性塩の加水分解生成物である
ジルコニウム−コバルト系複合水和酸化物が沈積して被
覆形成されたものである。
この沈積物はZrO2・nH2O,CoO・nH2Oと思われるが、共
沈物であることから、これらの単なる水酸化物の混合物
ではないものと推定される。
また、ジルコニウム−コバルト系複合水和酸化物の赤
リン粒子への沈積被覆量は、安定化赤リンの用途等によ
り異なるけれども、多くの場合赤リン粒子に対し全重量
当りZr+Coとして0.5〜10重量%好ましくは1〜6重量
%の範囲にあることが望ましい。
この理由は、0.5重量%未満では、ホスフィンガスの
抑制が不完全であり、10重量%をこえると実用的な見地
からみて不適当である。
また、ジルコニウム−コバルト系複合水和酸化物中に
おけるジルコニウムとコバルトの重量比はZr:Co=1:0.0
1〜0.5の範囲にあるものが好ましい。
本発明にかかる安定化赤リンは、顕微鏡観察により、
沈積被覆が粒子表面に形成されていることを確認でき、
原体の赤リンと比較して容易に識別することができる。
本発明にかかる改質赤リンは、ほぼ完全にホスフィン
ガスの発生を抑制した安定化赤リンであるが、その抑制
機構の詳細については不明である。また、ジルコニウム
−コバルトの組み合わせが何故に良好な結果を示すのか
についても詳らかではない。この組み合わせは数多くの
実験の結果見出されたもので、その一部を、比較例4〜
13に示す様に、他の元素との組み合わせでは到達できな
い特異な効果が、ジルコニウム−コバルトの組み合せに
おいては得ることができる。
次に、本発明に係る安定化赤リンを製造する方法を説
明する。
まず、ジルコニウム塩とコバルト塩との混合塩水溶液
に赤リンを分散させ、得られた赤リン懸濁体に攪拌しな
がらアルカリ剤を添加して中和し、PH6.5〜8.5に調整す
る。中和後、さらに攪拌しながら加熱し、生成するジル
コニウム−コバルト系複合水和酸化物の微細な沈澱を赤
リンの粒子表面に沈積処理した後、分離、回収すること
により工業的に有利に均質で安定な安定化赤リンを製造
することができる。
本発明において、赤リンの水性懸濁体は、重量比で、
赤リンの少なくとも2倍量以上、好ましくは5〜10倍量
の水に所定量のジルコニウム塩およびコバルト塩を溶解
した混合塩水溶液に、攪拌下で赤リン粒子を添加して調
製することにより得ることができる。この場合、混合塩
水溶液の水量が赤リンの2倍量未満では、赤リン濃度が
高くなり過ぎるために攪拌が不可能となる。
また、赤リンの水性懸濁体の他の調製方法として、前
記とは反対に、あらかじめ赤リンを水に分散して調製し
た赤リンスラリーに、ジルコニウム塩およびコバルト塩
の混合塩水溶液を添加するか、或いは所定のジルコニウ
ム塩およびコバルト塩の結晶を添加して溶解することに
より水性懸濁体を得ることができる。但し、赤リンのア
ルカリスラリーにジルコニウム塩およびコバルト塩の混
合塩の水溶液または結晶を添加すると赤リンの加水分解
が行なわれる危険性があるので避けた方がよい。
また、混合塩水溶液の調製に用いられるジルコニウム
塩およびコバルト塩は、特に限定することなく使用する
ことができるが、それ等の中で特に硫酸塩、塩酸塩又は
硝酸塩から選ばれた少なくとも1種以上が好ましい。他
の塩として可溶性有機酸塩、金属アルコラードであって
もよい。
ジルコニウム塩およびコバルト塩の混合塩水溶液の濃
度は、各塩の室温における溶解度以下であれば特に限定
されない。
赤リンの水性懸濁体の調製に使用する装置としては、
赤リン粒子を均質に分散させるものであれば如何なるも
のでも用いることができるが、具体的には適宜所望の手
段、例えば、通常攪拌から高速攪拌、あるいはコロイド
ミルまたはホモジナイザーの如きセン断分散装置等を用
い、赤リンの粒子のアグロメレートをできるだけ除去し
た一次粒子に近い分散状態の懸濁体を調製することが望
ましい。
また、赤リン粒子を分散させるに際し、例えば界面活
性剤やヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤を、必要に応
じて、被覆条件を損なわない程度に少量用いることがで
きる。
赤リンの水性懸濁体中の赤リンの濃度は、特に限定す
る理由はないが、多くの場合50g/〜700g/、好まし
くは100g/〜500g/の範囲が望ましく、50g/未満で
はスラリー濃度が低く沈積被覆濃度が低下するので処理
容量が大となるために経済的でなく、また700g/をこ
えると赤リンの粒子の分散性が悪くなるので好ましくな
い。
また、この水性懸濁体の赤リンの粒子を沈積被覆する
に当り、沈積処理を効果的に実施するために昇温する
が、水性懸濁体の温度を沈積処理前に予め調節してお
き、その後にアルカリ剤を添加して沈積処理を行っても
差し支えはない。
アルカリ剤としてはアンモニアガス、アンモニア水、
苛性ソーダ、苛性カリ、NaHC3、Na2CO3、K2CO3、KHC
O3、Ca(OH)等の無機アルカリ剤、またはエタノール
アミン等の有機アルカリ剤から選ばれた少なくとも1種
以上のものが用いられるが、副生物の洗浄除去が容易な
アンモニアガス、アンモニア水が好ましい。
中和の終点PHとしては、沈積処理終了時に液中にコバ
ルト及びジルコニウムイオンの残存の少ないPHを設定す
る必要がある。このPHは使用するジルコニウム塩、コバ
ルト塩の組み合わせにより異なるが、沈積処理終了後の
液性として、6〜8、好ましくは7.0±0.5の範囲に入る
ことが被覆を完全に行うために望ましい。また、酸性塩
においては加熱によりPHは1〜1.5下がるので、加熱前
にPHを調整する場合には、6.5〜8.5、好ましくは8.0±
0.5の液性とする。
この際、赤リンはアルカリ性において加水分解しやす
いためにPHは9をこえない方がよい。
赤リンの水性懸濁体にアルカリ剤を添加すると、速や
かに沈積反応が始まるが、その際液濃度と共に添加速度
が反応に直接的に影響し、また、これらの要素は赤リン
の物性、特に表面特性に著しく関係するのでこれらの要
素を十分に考慮した上で、沈積皮膜のむらの生じないよ
うアルカリ剤の添加速度を設定して、制御して添加する
ことが必要である。多くの場合徐々に定量的に添加する
方がよい。
この様な攪拌下における中和にともなって常温或いは
加熱のいずれの場合でも、ジルコニウム−コバルト系複
合水和酸化物の微細な沈澱が赤リンの粒子表面に沈積
し、均一かつ強固な沈積皮膜が形成されてゆく。この
際、液中のジルコニウム塩とコバルト塩の存在量に応じ
て沈積皮膜の膜厚が変わるので、これを調節することに
より各種の用途に適応した被覆を設定することができ
る。
なお、沈積する際のスラリー温度は、好ましくは60℃
以上、さらに好ましくは80〜90℃の範囲が望ましい。
沈積処理の終了後は、常法により母液を分離して、ジ
ルコニウム−コバルト系複合水和酸化物を沈積被覆した
赤リンを濾過し、更に要すれば水洗、分離及び乾燥して
回収する。
<実施例> 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1〜6 硫酸ジルコニル溶液(ZrO2)、として28.03wt%のも
の、第一稀元素化学工業製)と硫酸コバルト(試薬、関
東化学社製)を下記の第1表に示す各量を秤量し、50g
の水に溶解した。これに、予め水洗し真空乾燥(100
℃)した粒径3〜44μmで、平均粒子径20μmの赤リン
粉末を5g添加し、攪拌しながら5wt%のアンモニア水溶
液を添加し、PHを8.0に調整した。
次いで、攪拌しながら加熱し、温度を85℃とし、2時
間加熱攪拌をつづけた。冷却後、濾別した。濾滓を脱イ
オン水で濾得の電機伝導度が10μs/cm以下に示すまで洗
浄し、120℃の真空乾燥器中で3時間乾燥して安定化赤
リンを得た。
得られた安定化赤リンのホスフィン発生量を測定した
結果は下記の第2表に示すとおりであった。
ホスフィン発生量の測定 温度30℃、相対湿度83%の恒温恒湿器中に48時間保存
した試料を0.5g採取し、N2ガス中で加熱(150℃、3時
間)する。
発生したPH3量をガスクロマトグラフにより測定し、
サンプル1g当りの発生PH3(μg)に換算した。
比較例1〜3 実施例1〜3において、硫酸ジルコニウム溶液のみを
用いて赤リン粒子を被覆した。その他の条件は実施例1
と同様に行った。硫酸ジルコニルの添加量とホスフィン
発生量の試験結果を下記の第3表に示す。
比較例4〜13 実施例6の硫酸コバルトに代えて下記の第4表に示す
各種の金属塩を用いて、実施例6と同等の操作で赤リン
の被覆を行なった。金属塩の種別と添加量、および得ら
れた金属塩被覆赤リンのホスフィン発生量の試験結果を
下記の第4表に示す。
実施例7 塩化ジルコニル溶液(ZrO2として256g/)1.3ml(赤
リンに対しZrとして5wt%)と硫酸コバルト(CoSO4・7H
2O)0.12g(赤リンに対しCoとして0.5wt%)を水50gに
溶解した。
これに予め水洗し真空乾燥(100℃)した赤リン(粒
径3〜44μm,平均粒子径15μm)5gを添加し、攪拌しな
がら5wt%のNaOH溶液を添加し、PHを8.0に調整した。
次いで、加熱し温度を85℃とし、2時間、加熱攪拌を
つづけた。この時の最終PHは7.0であった。冷却後、濾
別した。濾滓を脱イオン水で洗浄し、120℃の真空乾燥
器中で3時間乾燥して安定化赤リンを得た。
得られた安定化赤リンのホスフィン発生量試験の結果
は不検出であった。
実施例8 塩化ジルコニル溶液(ZrO2として256g/)0.8ml(赤
リンに対しZrとして3wt%)と塩化コバルト(Cocl2・6H
2O)0.07g(赤リンに対しCoとして0.3wt%)を水50gに
溶解した。これに予め水洗し真空乾燥(100℃)した赤
リン(粒径3〜44μm,平均粒子径15μm)5gを添加し、
攪拌しながら5wt%NH4OH溶液を添加し、PHを8.0に調整
した。
次いで、加熱して温度を85℃とし、2時間加熱、攪拌
をつづけた。この時の最終PHは6.8であった。冷却後、
濾別した。濾滓を脱イオン水で洗浄し、120℃の真空乾
燥器中で3時間乾燥して安定化赤リンを得た。
得られた安定化赤リンのホスフィン発生量試験の結果
は不検出であった。
比較例14(従来品の安定化赤リン) 粒径3〜44μm,平均粒子径15μmの赤リン100gを水25
0gに懸濁させ赤リンのスラリーを調製した。次いで。Al
2O3として8wt%を硫酸アルミニウムの水溶液120gを添加
した後、80℃に昇温し、攪拌しながら10wt%のNaOH溶液
を2時間にわたって滴下しPH6.6に調整した。更に、1
時間加熱、攪拌をつづけ、水酸化アルミニウムを赤リン
の粒子表面に沈積させた。
冷却、濾別後、濾滓を濾液の電気伝導度が20μs/cm以
下になるまで洗浄した後、真空乾燥器中で100℃で5時
間乾燥し安定化赤リンを得た。
得られた安定化赤リンのホスフィン発生量試験野結果
は12.2μg/gであった。
安定化赤リンの皮覆の耐熱水試験 還流冷却器付の三角フラスコに、下記の第5表に示す
各実施例および比較例で得られた安定化赤リンのサンプ
ル1gと水180mlを入れ、煮沸状態で8時間加熱した。そ
の上澄液の加熱前、および加熱後のPHおよび電気伝導度
を測定した。その結果を第5表に示す。
<発明の効果> 以上説明した様に、本発明の安定化赤リンは従来考え
られなかった耐熱分解性、耐加水分解性を示すことが見
出された。このジルコニウム−コバルト複合被覆により
赤リンの水分の存在下及び高温下での加水分解反応はほ
ぼ完全に抑制されるので、各種合成樹脂の難熱剤として
極めて有用なものとすることができる。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤リンの粒子表面にジルコニウム−コバル
    ト系複合水和酸化物を沈積被覆してなることを特徴とす
    る安定化赤リン。
  2. 【請求項2】ジルコニウム−コバルト系複合水和酸化物
    は赤リン粒子に対し、全重量当りZr+Coとして0.5〜10
    重量%である特許請求の範囲第1項記載の安定化赤リ
    ン。
  3. 【請求項3】ジルコニウム−コバルト系複合水和酸化物
    はジルコニウムとコバルトの重量比がZr:Co=1:0.01〜
    0.5の範囲である特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の安定化赤リン。
  4. 【請求項4】赤リンは平均粒子径が5〜30μmで、かつ
    粒径が1μm以下および100μm以上のものの含有量が
    5重量%以下である特許請求の範囲第1項記載の安定化
    赤リン。
  5. 【請求項5】ジルコニウム塩とコバルト塩との混合塩水
    溶液に分散させた赤リンの水性懸濁体にアルカリ剤を添
    加して中和し、生成するジルコニウム−コバルト系複合
    水和酸化物の微細な沈澱を赤リンの粒子表面に沈積処理
    した後、分離回収することを特徴とする安定化赤リンの
    製造法。
  6. 【請求項6】赤リンの水性懸濁体はジルコニウム塩およ
    びコバルト塩との混合塩水溶液に赤リン粉末を添加して
    調製する特許請求の範囲第5項記載の安定化赤リンの製
    造法。
  7. 【請求項7】ジルコニウム塩およびコバルト塩は硫酸
    塩、塩酸塩又は硝酸塩から選ばれた少なくとも1種であ
    る特許請求の範囲第5項又は第6項記載の安定化赤リン
    の製造法。
  8. 【請求項8】アルカリ剤はアンモニアガス、アンモニア
    水、苛性ソーダ、苛性カリウムから選ばれた少なくとも
    1種である特許請求の範囲第5項記載の安定化赤リンの
    製造法。
  9. 【請求項9】赤リンの粒子表面への沈積処理は、反応系
    の最終PHが6〜8で、かつ温度60℃以上で行う特許請求
    の範囲第5項記載の安定化赤リンの製造法。
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