JP2513990Y2 - ソレノイド式遮断弁における対ダスト構造 - Google Patents

ソレノイド式遮断弁における対ダスト構造

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JP2513990Y2
JP2513990Y2 JP10085387U JP10085387U JP2513990Y2 JP 2513990 Y2 JP2513990 Y2 JP 2513990Y2 JP 10085387 U JP10085387 U JP 10085387U JP 10085387 U JP10085387 U JP 10085387U JP 2513990 Y2 JP2513990 Y2 JP 2513990Y2
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寛 森田
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Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、ソレノイド式遮断弁において、プランジ
ャとソレノイドとの隙間にダストが進入しにくい構造と
したソレノイド式遮断弁における対ダスト構造に関す
る。
《従来の技術》 例えば、羽根車式の流量計にあっては、測定レンジに
よって羽根車に供給するノズルの口径を変えなければな
らない。この種の流量計では、小径ノズルと大径ノズル
の二つを配置し、積算計算用のワンチップマイクロコン
ピュータからの司令により、流量変化に応じてそれぞれ
のノズルに設けられたソレノイド式遮断弁を切替えてノ
ズル口径を変えるようにしており、その駆動電力の全て
を流量計に内蔵したリチウム電池などの長期安定形の電
池から受けている。
したがって、この種の制御系およびこれによって駆動
されるソレノイド式遮断弁は極めて省消費電力形のもの
が要求され、軽動作形のソレノイドを用いることが必要
であり、特にこのような遮断弁では、ソレノイドの作動
力は必然的に小さくなるため、なるべく余分な力を必要
とせず、必要最小限の作動力によって確実、かつ長期に
亘って安定した開閉動作を行なえる構造としなければな
らない。
《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、流量計内に供給されるガス中には粉塵
や、磁性粉などが混入しており、これがプランジャとソ
レノイドとの隙間に侵入すると、磁性によって固着し、
プランジャに対する大きな摺動抵抗をもたらす原因とな
る。
したがって、従来では供給ポートにフィルターを設置
してこれら粉塵の除去を行っていたが、除去し切れない
微細粉もあり、これらが混入した場合には、大きな負荷
抵抗を生じ、特に軽動作形ソレノイドでは動作しなくな
る場合が生じる惧れがあるほか、長期に亘る作動にに影
響を与え、電池寿命を短縮させる惧れがあった。
この考案は以上の背景に基づきなされたものであり、
その目的とするところは、プランジャとソレノイド間の
隙間を粉塵の侵入しにくい構造とすることによって、粉
塵の侵入に伴なう負荷抵抗に与える影響を除去し、長期
間安定した作動状態を得るようにしたソレノイド式遮断
弁における対ダスト構造を提供するものである。
《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この考案は、ノズズ部(19
b)に対向するように設けた弁体(5)と、この弁体
(5)に同軸状に設けたプランジャ(4)と、このプラ
ンジャ(4)を軸方向に駆動することによって、前記弁
体(5)をノズル部(19b)に離接させる前記ソレノイ
ド(3)とを備えたソレノイド式遮断弁における対ダス
ト構造であって、前記ソレノイド(3)には、前記プラ
ンジャ(4)の外周面を案内し、かつソレノイド(3)
から前記弁体(5)側に突出する筒状のガイドスリーブ
(17)を設け、前記弁体(5)には、同弁体(5)から
前記プランジャ(4)及びガイドスリーブ(17)の外周
面を覆うように延在し、同ガイドスリーブ(17)の外周
面に近接して、粉塵等のダストがガイドスリーブ(17)
とプランジャ(4)との間に侵入するのを防止する筒部
(5b)を設け、前記弁体(5)とソレノイド(3)との
間には、弁体(5)をノズル部(19b)側へ付勢すると
ともに、前記筒部(5b)及びガイドスリーブ(17)の外
側を囲み、粉塵等のダストが筒部(5b)とガイドスリー
ブ(17)との間に入るのを防止するコイルスプリング
(6)を設けていることを特徴としている。
前記筒部(5b)は、前記弁体(5)及びソレノイド
(3)に当接し、弁体(5)の移動とともに伸縮する蛇
腹状の防塵シート(30)で構成してもよい。
《作用》 この考案においては、筒部(5b)の外周側にコイルス
プリング(6)があるから、このコイルスプリング
(6)が一種の目の粗いフィルタとなって、大きな粉塵
が筒部(5b)側に侵入するのを防止しることができる。
このため、大きな粉塵が筒部(5b)とガイドスリーブ
(17)との互いに相対移動する部分に噛み込まれるのを
防止することができる。また、筒部(5b)とガイドスリ
ーブ(17)との隙間、及びガイドスリーブ(17)とプラ
ンジャ(4)との隙間が迷路状に屈曲して長くなるの
で、微細な粉塵がプランジャ(4)側に侵入しにくくな
る。さらに、プランジャ(4)側を防塵するために高価
なダイヤフラムを用いているわけではないから、防塵の
ために要する費用としては最小限のものですむ。
一方、筒部(5b)として防塵シート(30)を用いたも
のにおいては、防塵シート(30)でプランジャ(4)側
を完全に仕切ることができるから、プランジャ(4)側
への粉塵の侵入を完全に防止することができる。ただ
し、防塵シート(30)の圧縮時に、蛇腹の凹部に嵌まっ
た大きな粉塵によって防塵シート(30)が破損する危険
があるが、上記のようにコイルスプリング(6)を防塵
シート(30)の外側に設けているから、大きな粉塵が蛇
腹の凹部に付着することがなく、防塵シート(30)の破
損を防止することができる。しかも、防塵シート(30)
の伸縮に際して弾性的な抵抗を生じ、この抵抗はわずか
ではあるが常に弁体(5)をノズル部(19b)側に付勢
するようになるから、その分コイルスプリング(6)の
バネ力を小さくすることができ、これによってコストの
低減を図ることができる。
《実施例》 以下、この考案の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
第1図および第2図(a),(b)はこの考案をソレ
ノイド式遮断弁ユニットに適用した場合の第一実施例を
示す。
図において、遮断弁ユニット1は、フランジ2と、こ
のフランジ2の背部に固定されるソレノイド3と、フラ
ンジ2の表面側に突出し、かつ前記ソレノイド3のプラ
ンジャ4に連結した弁体と、この弁体5とフランジ2間
に介在された圧縮コイルスプリング6と、弁体5の周縁
部にあって、一端を前記フランジ2に結合した三本のス
ペーサロッド7と、各スペーサロッド7の他端側に固定
され、かつ前記弁体5に対向するノズル8から概略構成
されている。
前記フランジ2は弁ハウジング9の外側部に開口形成
された取付穴10にガスケット11を介して固定される。
前記ソレノイド3は双方向ソレノイドであって、その
内部構造は、前記フランジ2に結合するヨーク12と、ヨ
ーク12の内周であって、ボビン13の外周に巻回されたコ
イル14と、ボビン13の上部側に同軸上に配置された永久
磁石15と、ボビン13の中心下部に固定配置されて前記プ
ランジャ4を受けるアンビル16と、ボビン13の中心穴に
嵌合され、かつ上部に突出配置された金属製のガイドス
リーブ17からなっている。
そして、外部に引き出されたリード線14aを通じてコ
イル14に流れる正逆の電流により、前記永久磁石15によ
って形成される磁界の打ち消しまたは強化を行い、前記
スプリング6のばね圧によるプランジャ4の突出動作
と、ばね圧に抗した引込み動作の双方を行えるようにし
ている。
前記プランジャ4の頂部には雄ネジ部4aが切られ、こ
の雄ネジ部4aを前記弁体5の下部に一体化した弁軸5aに
ネジ結合している。
このようにプランジャ4と弁軸5aを分割したのは、弁
体5および弁軸5aを非磁性体からなる材料としてプラン
ジャ4と結合することによって、磁束が弁軸5aおよび弁
体5側に流れることを防止し、漏洩磁束によるロスを極
力少なくするためである。
そして、前記弁軸5aの周縁には弁体5の下部に同心上
に形成された筒部5bが一体に突出形成され、この筒部5b
は前記ガイドスリーブ17の外周を覆っており、該ガイド
スリーブ17との間に小さな迷路状空間を形成し、弁体5
の開放状態および閉鎖状態の二つのいずれの位置でもガ
イドスリーブ17とプランジャ4との間に形成された微小
空間を覆っている。
なお、前記ガイドスリーブ17は前記プランジャ4とボ
ビン13間の隙間を極めて小さく設定するためのガイド用
治具を兼用した非磁性金属からなっており、これによっ
てプランジャ4に作用する磁界を極力大きくするととも
に、外部から侵入する磁性体からなる粉塵の吸着を防止
している。
次に、前記ノズル8は、中心に流通孔19aを開口した
筒状部19と、筒状部19の外周に嵌合されるO−リング20
と、筒状部19の下部周縁に一体に形成され、かつ前記各
スペーサロッド7の上端を受けるフランジ部21と、フラ
ンジ部21の下面に一体的に結合されるリング状の遮磁板
22とからなっており、かつ前記流通孔19aの下部周縁に
は前記弁体5の上面に貼り合わされた弁ゴム5cに当接す
る楔状断面のノズル部19bが一体に突出している。
前記弁ハウジング9の内部に形成されて流体を上流側
と下流側に仕切る隔壁23には前記フランジ2の取付穴10
と対向してノズル嵌合穴24が開口形成され、この嵌合穴
24に前記筒状部19を挿通することによって筒状部19と嵌
合穴24間に介在されたO−リング20によって嵌合部を気
密にシールされ、前記フランジ部21によって挿通位置を
規制されるようにしている。
なお、図中符号25は、前記ソレノイド3のヨーク12に
L字形の取付板26を介して固定されたソレノイド3の作
動検出用のセンサーであって、ソレノイド3の作動状態
に伴なう磁束の変化を検出し、リード線25aを通じて図
示しない制御系に検知信号を送出するようになってい
る。
以上の如く構成された遮断弁ユニット1を弁ハウジン
グ9に取付けた状態では第2図(a),(b)に示すよ
うに、前記ノズル8に対する弁体5のストロークはスペ
ーサロッド7の長さの精度によって決定付けられ、ハウ
ジング9の製作精度によらず常に一定となる。したがっ
て、同図(a)に示すノズル8の解放状態から(b)に
示す閉止状態、あるいはその逆の変化を最少の出力で確
実に行うことができる。
そして、弁体5がいずれの位置に位置している場合で
あっても、プランジャ4とガイドスリーブ17間の隙間を
弁体5側の筒部5bが覆い被さるようにして保護している
ので、弁ハウジング9内に侵入した粉塵はこの小さな迷
路状空間を通じてしかプランジャ4とガイドスリーブ17
間に入り込めず、したがって、これら粉塵の侵入する確
率は極めて低く、ソレノイド3の内部は長期にわたって
清浄な状態に保たれ、初期の動作荷重を維持できるので
ある。
また、筒部5bの外周側にコイルスプリング6があっ
て、このコイルスプリング6が一種の目の粗いフィルタ
となっているから、大きな粉塵が筒部5b側に侵入するの
を防止することができる。このため、大きな粉塵が筒部
5bとガイドスリーブ17との間に噛み込まれるのを防止す
ることができる。
第3図はこの考案の第二実施例を示すもので、前記筒
部5bの先端部外周は蛇腹状に形成された可撓性の防塵シ
ート30で覆われている。
この防塵シート30の下縁は必ずしもフランジ2上に固
着する必要はないが、防塵シート30は弁体5の上下動と
ともに伸縮してガイドスリーブ17の周縁を完全に覆う。
この実施例によれば、ほぼ完全にガイドスリーブ17の
外周を覆うことができるので、前記第一実施例よりも防
塵効果が高い。また前記防塵シート30の伸縮による負荷
抵抗分、すなわち弾性力がわずかではあるが、常に弁体
5をノズル8側に付勢するようになるから、その分コイ
ルスプリング6のバネ力を小さくすることができ、これ
によってコストの低減を図ることができる。
《効果》 以上実施例によって詳細に説明したように、この考案
によれば、 (イ) 筒部とガイドスリーブとの間の隙間がガイドス
リーブとプランジャとの間の隙間に対して、迷路状に屈
曲した状態になるので、微細な粉塵等のダストが筒部と
ガイドスリーブとの間から、ガイドスリーブとプランジ
ャとの間に侵入するのを防止することができる。
(ロ) しかも、コイルスプリングが筒部及びガイドス
リーブの外側に位置しているから、筒部をガイドスリー
ブの外周面に近接させることができ、したがって微細な
粉塵等のダストが筒部とガイドスリーブとの間から、ガ
イドスリーブとプランジャとの間に侵入するのをさらに
確実に防止することができる。
(ハ) さらに、コイルスプリングが筒部及びガイドス
リーブの外側を囲むように設けられているから、このコ
イルスプリングが一種の目の粗いフィルタとして作用
し、比較的大きな粉塵等のダストが筒部とガイドスリー
ブとの間に侵入して、これらの間に噛み込むのを防止す
ることができる。すなわち、比較的大きなダストが筒部
とガイドスリーブとの間に噛み込んで、プランジャの動
きが停止してしまうのを防止することができる。
(ニ) プランジャ側にダストが侵入するのを高価なダ
イヤフラム等を用いて防止しているわけではないから、
防塵に要する費用の増加を抑えることができる。
以上の結果、微細なダストの侵入に伴うプランジャの
負荷抵抗の増加を抑えることができるとともに、比較的
大きなダストの噛み込みによりプランジャの動きが停止
してしまうのを防止することができるから、長期間安定
した状態でノズルの開閉を行うことができ、しかも防塵
に要する費用の増加を抑えることができるという顕著な
作用効果を奏する。
一方、筒部として防塵シートを用いたものによれば、
防塵シートでプランジャ側を完全に仕切ることができる
から、プランジャ側への粉塵の侵入を完全に防止するこ
とができる。ただし、防塵シートの圧縮時に、蛇腹の凹
部に嵌まった大きな粉塵によって防塵シートが破損する
危険があるが、上記のようにコイルスプリングを防塵シ
ートの外側に設けているから、大きな粉塵が蛇腹の凹部
に付着することがなく、防塵シートの破損を防止するこ
とができる。しかも、防塵シートの伸縮に際して弾性的
な抵抗を生じ、この抵抗がわすかではあるが常に弁体を
ノズル部側に付勢するようになるから、その分コイルス
プリングのバネ力を小さくすることができ、これによっ
てコストの低減を図ることができる。
したがって、この考案にあっては、粉塵の侵入に伴な
う負荷抵抗に与える影響を極力除去し、長期間安定した
作動状態を得るため、例えば羽根車式流量計などのよう
に限られた電源の電力で長期間遮断弁を安定的に作動さ
せるための対ダスト構造として好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図(a),(b)はこの考案に係るソ
レノイド式遮断弁における対ダスト構造を適用したソレ
ノイド式遮断弁ユニットを示し、第1図は同ユニットの
分解斜視図、第2図(a),(b)は同ユニットを弁ハ
ウジングに固定した状態における作動説明図、第3図は
この考案の第二実施例を示す部分断面説明図である。 1……ソレノイド式遮断弁ユニット、2……フランジ 3……ソレノイド、4……プランジャ 5……弁体、5a……弁軸 5b……筒部、17……ガイドスリーブ 30……防塵シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)実用新案権者 999999999 矢崎総業株式会社 東京都港区三田1丁目4番28号 (72)考案者 小島 輝久 神奈川県川崎市多摩区堰407番地 (72)考案者 小牧 正之 東京都稲城市押立1188番地 (72)考案者 森田 寛 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大阪瓦斯株式会社内 (72)考案者 村上 貴敏 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大阪瓦斯株式会社内 (72)考案者 佐藤 泰生 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 東邦瓦斯株式会社内 (72)考案者 纐纈 保男 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 東邦瓦斯株式会社内 (72)考案者 松島 哲彦 静岡県天竜市二俣町南鹿島23 (72)考案者 鈴木 和夫 静岡県天竜市二俣町南鹿島23 (56)参考文献 特開 昭58−121381(JP,A) 実開 昭57−54775(JP,U) 実開 昭55−71866(JP,U) 実開 昭57−10568(JP,U) 実開 昭61−133179(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル部に対向するように設けた弁体と、
    この弁体に同軸状に設けたプランジャと、このプランジ
    ャを軸方向に駆動することによって、前記弁体をノズル
    部に離接させるソレノイドとを備えたソレノイド式遮断
    弁における対ダスト構造であって、 前記ソレノイドには、前記プランジャの外周面を案内
    し、かつソレノイドから前記弁体側に突出する筒状のガ
    イドスリーブを設け、 前記弁体には、同弁体から前記プランジャ及びガイドス
    リーブの外周面を覆うように延在し、同ガイドスリーブ
    の外周面に近接して、粉塵等のダストがガイドスリーブ
    とプランジャとの間に侵入するのを防止する筒部を設
    け、 前記弁体とソレノイドとの間には、弁体をノズル部側へ
    付勢するとともに、前記筒部及びガイドスリーブの外側
    を囲み、粉塵等のダストが筒部とガイドスリーブとの間
    に入るのを防止するコイルスプリングを設けていること
    を特徴とするソレノイド式遮断弁における対ダスト構
    造。
  2. 【請求項2】前記筒部は、前記弁体及びソレノイドに当
    接し、弁体の移動とともに伸縮する蛇腹状の防塵シート
    であることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項
    に記載のソレノイド式遮断弁における対ダスト構造。
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