JP2513435B2 - 光受信回路 - Google Patents

光受信回路

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JP2513435B2
JP2513435B2 JP5311607A JP31160793A JP2513435B2 JP 2513435 B2 JP2513435 B2 JP 2513435B2 JP 5311607 A JP5311607 A JP 5311607A JP 31160793 A JP31160793 A JP 31160793A JP 2513435 B2 JP2513435 B2 JP 2513435B2
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俊史 新江
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光受信回路に係り、特に
光通信において使用するアバランシェホトダイオードを
含む光受信回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の光受信回路では、アバランシェ
ホトダイオード(以下、「APD」と略称する)接続さ
れたバイアス回路がフルー自動利得制御(Full−A
GC)回路などで制御され、そのAGC回路からの制御
信号によりAPDのバイアス回路を制御し、APDの電
流増幅率を制御して前置増幅回路に入力される信号を制
御することにより、受信回路のダイナミックレンジを確
保している。
【0003】図3はこのような従来の光受信回路の例を
示したものである。同図において、APD1のアノード
側には前置増幅回路2の入力ポート側が接続され、その
前置増幅回路2の出力ポート側に自動利得制御(AG
C)回路の入力ポ−ト側が接続され、APD1で受光さ
れた光信号を電気信号に変換し、その電気信号を前置増
幅回路2で増幅してAGC回路3に入力する。このとき
AGC回路3では、ピーク電圧が整流されることによ
り、等化振幅が検出される。このAGC回路3の一方の
出力ポート側には、高電圧発生回路4を制御する制御回
路5が接続され、AGC回路3から制御信号200を制
御回路5へ入力することにより、Full−AGC回路
を構成する。また、APC1のカソード側には、高電圧
発生回路4より出力される高電圧のレベルを適宜調整等
する制御回路5が接続される。なお、AGC回路3の他
方の出力側は、次段の図示しない回路部と接続されてい
る。
【0004】このような光受信回路の例としては、図3
に例示したものの他に、小受信電力時にAPDの増幅率
が一定になるように制御して、APDの増幅率変動に起
因する感度の劣化を少なくしたもの(特開平3−276
08号公報)、電源のオン−オフ時や光信号を入力する
際の急激な変動に対して応答を早くできるもの(特開平
1−160345号公報)、受光パワーの強弱に応じて
APDの電流増幅率を変化させるもの(特開昭63−7
0625号公報)、及びトランジスタ及びAPDに流れ
る光電流の総和が一定になる定電流回路を設けて、バイ
アス電圧を変化させ電流増幅率を応答特性が良くなるよ
うに制御したもの(特開昭59−160345号公報)
などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この種の光受信回路で
は、前置増幅回路が飽和しない最大光電流は前置増幅回
路から決定されており、Full−AGC制御回路によ
り電流増幅率の値を小さくしても、最大受信レベルを確
保することができず、受信回路において十分なダイナミ
ックレンジを確保できなくなる虞れがあった。
【0006】また、例えば、特開昭63−70625号
公報などでは、APDバイアス電圧をAGCループを用
いて制御すると、回路が複雑になり、AGCループの時
定数により安定化するまでにかなりの時間を要するか
ら、APDのバイアスとして定電流を供給し、安定性が
向上するようにしたものにすぎなかった。さらに、例え
ば、特開昭59−160345号公報などでは、高電圧
電源出力間に接続するコンデンサを充電させるため時間
がかかり、出力電圧を上昇させる側の回路の応答性が悪
くなるから、高電圧電源の出力電圧を変化させないよう
に、APDと制御トランジスタを並列に接続し、これに
直列に定電流源を接続することにより、制御トランジシ
タの電流を変化させていたが、このときにはAPDの電
流も上昇し、安定性が悪くなるおそれがあった。
【0007】そこで、本発明は、APDの電流増幅率を
制御する際に、Full−AGC回路を用いることな
く、高速性及び安定性を維持しながら光信号を受信でき
るようにした光受信回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、アバランシェホトダイオ
ード(APD)素子,前置増幅回路,前記APD素子を
含むバイアス用高電圧発生回路及びAPDバイアス回路
から構成される光受信回路において、前記APD素子と
高電圧発生回路との間にAPDバイアス回路を接続し、
このAPDバイアス回路は、第1トランジスタと第2ト
ランジスタと第1乃至第4の抵抗からなり、その第1ト
ランジスタのコレクタ電極が前記高電圧発生回路に接続
されると共に、その第1トランジスタのコレクタ電極が
第1抵抗を介して第1トランジスタのベース電極に接続
され、そのべース電極が第2トランジスタのコレクタ電
極に接続され、第1トランジスタのエミッタ電極が第2
抵抗を介してAPD素子のカソード電極に接続され、こ
のAPD素子のカソード電極が第3及び第4抵抗を介し
てアースグランドに接続されて過電流保護回路を構成す
る。
【0009】また請求項2記載の発明は、APDバイア
ス回路は、受光レベルが最小受光レベルの近傍にあると
き光電流を制限せず、受光レベルが所定電流レベルに達
するとき光電流を減少させることができるものである。
【0010】さらに請求項3記載の発明は、APDバイ
アス回路と前記APDを光インターフェース回路に含む
ものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、APDの受光レベルが、例え
ば最小受光レベルにあるときにはダイ1トランジスタが
オン動作し導通するが過電流保護回路が動作せず、光電
流がAPDに入力されるが、そのAPDの受光レベルが
所定電流値になると、その所定電流値を境として、AP
Dバイアス回路の第2のトランジスタを動作させて過電
流をアースグランドに流すことにより、APDのバイア
ス電圧が低下するから、APDに入力される光電流が制
限され減少する。このため、本発明では、APDバイア
ス回路のみで電流増幅率を調整することができるため、
高速性及び安定性を維持しながら光電流を受信すること
ができる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の光受信回路について図面を参
照して説明する。第1図は、本発明光受信回路の一実施
例を示す回路図、図2は本発明光受信回路の一部である
APDバイアス回路部の電圧−電流特性を示す特性図で
ある。なお、図1の説明において、図3の従来の光受信
回路と同一の構成については、同一の符号を付し、ここ
では詳しい説明を省略する。
【0013】APD1のアノ−ド側には前置増幅回路2
の入力ポ−ト側が接続され、その前置増幅回路2の出力
ポ−ト側に自動利得制御(AGC)回路の入力ポ−ト側
が接続され、APD1で受光された光信号は電気信号に
変換し、その電気信号を前置増幅回路2で増幅してAG
C回路3に入力する。このときAGC回路3では、ピ−
ク電圧が整流されることにより、等化振幅が検出され
る。このAGC回路3の一方の出力ポ−ト側には、高電
圧発生回路4を制御する制御回路5が接続され、AGC
回路3から制御信号200を制御回路5へ入力すること
により、Full−AGC回路を構成する。
【0014】また、本実施例では、APC1のカソ−ド
側と高電圧発生回路5との間には、APC1に所定のバ
イアス電圧を印加するAPDバイアス回路が接続されて
いる。このAPDバイアス回路は、第1及び第2トラン
ジスタ7,8、第1乃至第4抵抗9〜12から主に構成
される。
【0015】その第1トランジスタ7のコレクタ電極1
3は、第1抵抗9を介して第1トランジスタ7のベ−ス
電極14に接続され、所定のしきい値電圧が印加される
と、第1トランジスタ7がオン動作して導通する。一
方、この第1トランジスタ7のべ−ス電極14は、第2
トランジスタ8のコレクタ電極15に接続され、前記第
1トランジスタ7のエミッタ電極16が第2抵抗10を
介してAPD1のカソ−ド電極19に接続され、第2ト
ランジスタ8のべ−ス電極17に所定のしきい値電圧が
印加されると、第1トランジスタ7がオン動作して導通
する。
【0016】またAPD1のカソ−ド電極19には、第
3の抵抗11を介して第1トランジスタ7のエミッタ電
極16が接続され、そのAPD1のカソ−ド電極19が
第3抵抗11及び第4抵抗12を介してア−スグランド
20に接続されて過電流保護回路が構成されるようにな
っている。
【0017】次に、本発明の一実施例の動作を図2に基
づいて、図1を参照して説明する。図2のバイアス回路
特性では、縦軸がAPDのカソ−ド電圧であり、横軸が
光電流(フォトカレント)を表すものである。この特性
図において、図1に示すAPD1の受光レベルが、例え
ば最小受光レベルにあるときには、第1トランジシタ7
がオン動作し導通するが、過電流保護回路が動作せず、
一定の光電流がAPD1に入力される。そして、例え
ば、そのAPD1の受光レベルが所定電流値Isになる
と、その所定電流値を境として、APDバイアス回路の
第2のトランジスタ8を動作させて過電流をア−スグラ
ンド20に流すことにより、APD1のバイアス電圧が
低下するから、APD1に入力される光電流が制限され
減少する。このため、本実施例では、APDバイアス回
路のみで電流増幅率を調整することができるため、高速
性及び安定性を維持しながら光電流を受信することがで
きる。
【0018】なお、所定電流値IIsは以下の式で表す
ことができる。
【数1】 Is=VBE/Rs1・〔R2/(R1+R2)〕…(1) (1) 式において、VBEは第2のトランジスタ8のベ−ス
−エミッタ間の電圧、Rs1 は第3抵抗11の抵抗値、
R1 ,R2 は第2抵抗10及び第4抵抗12の抵抗値で
ある。
【0019】一方、最大受光レベルにおける最大受光電
流Ikは、以下の(2) 式のように表すことができる。
【数2】 Ik=Is+(V0/Rs1・R1/R2)…(2) (2) 式において、V0 はAPDカソ−ド電圧で、(1) 式
を(2) 式に代入することにより、最大受光電流Ikを求
めることができる。
【0020】以上の式(1) 及び式(2) に基づいて許容最
大電流Ikを決定することができる。そして、前置増幅
回路2の飽和電流よりも許容最大電流Ikを小さく設定
することにより、前置増幅回路2の飽和を避けることが
できるので、光受信回路のダイナミックレンジを拡大す
ることができる。また、前記バイアス回路と前記APD
を光インタ−フェ−ス回路に実装することにより、光受
信回路の回路構成を平易にすることができる。
【0021】なお、上記実施例においては受光素子とし
てAPDを用いたものについて例示して説明したが、受
光素子としてはAPDに限定されるものではなく、PI
N−PDなどの光受信回路に好適な受光素子であればよ
い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように請求項1から請求項
3の光受信回路によれば、最大受信レベルを改善すうこ
とができるので、実用的な価値を高めることができるな
どの優れた効果を奏することができる。
【0023】特に、請求項1及び請求項2によれば、A
PDバイアス回路のみで電流増幅率を調整することがで
きるため、高速性及び安定性を維持しながら光電流を受
信することができる。
【0024】また請求項3によれば、前記バイアス回路
と前記APDを光インタ−フェ−ス回路に 実装するこ
とにより、光受信回路の回路構成を平易にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光受信回路の一実施例の回路図であ
る。
【図2】本発明の光受信回路の一実施例のAPDバイア
ス回路の回路特性を示す例である。
【図3】従来の光受信回路の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 APD 2 前置増幅回路 3 AGC回路 4 高電圧発生回路 5 制御回路 7 第1トランジスタ 8 第2トランジスタ 9 第1抵抗 10 第2抵抗 11 第3抵抗 12 第4抵抗 19 カソ−ド電極 20 ア−スグランド
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/26 10/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前置増幅回路と受光素子を含むバイアス用
    高電圧発生回路及びバイアス回路から構成される光受信
    回路において、前記受光素子と高電圧発生回路との間に
    バイアス回路を接続し、このバイアス回路は、第1トラ
    ンジスタと第2トランジスタと第1乃至第4の抵抗から
    なり、その第1トランジスタのコレクタ電極が前記高電
    圧発生回路に接続されると共に、その第1トランジスタ
    のコレクタ電極が第1抵抗を介して第1トランジスタの
    ベース電極に接続され、そのべース電極が第2トランジ
    スタのコレクタ電極に接続され、前記第1トランジスタ
    のエミッタ電極が第2抵抗を介して受光素子のカソード
    電極に接続され、この受光素子のカソード電極が第3及
    び第4抵抗を介してアースグランドに接続されて過電流
    保護回路を構成することを特徴とする光受信回路。
  2. 【請求項2】前記バイアス回路は、受光レベルが最小受
    光レベルの近傍にあるとき、光電流を制限せず、受光レ
    ベルが所定電流レベルに達すると光電流を減少させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光受信回路。
  3. 【請求項3】前記バイアス回路と前記受光素子を光イン
    ターフェース回路に含むことを特徴とする請求項1記載
    の光受信回路。
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JP2004128676A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Hitachi Cable Ltd 光受信器
JP2010028340A (ja) 2008-07-17 2010-02-04 Mitsubishi Electric Corp 光受信器

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