JP2513269B2 - 架橋されたエラストマ―の製造方法 - Google Patents

架橋されたエラストマ―の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は過酸化物加硫可能な未加硫エラストマー(以
下単に「未加硫エラストマー」と称する。)を過酸化物
を混合し練り合わせることを特徴とする架橋されたエラ
ストマーの製造方法に関するものである。
本発明の製造方法においては、加硫時に急激な反応が
起こらないため、スコーチ発生現象或いは発泡現象が回
避され、更に均一な加硫反応をもたらすために圧縮残留
歪みが小さく、かつ引張強度と伸びとのバランスがよい
架橋されたエラストマーを常用の加熱下の加硫方法によ
り得ることができるものである。
〔従来の技術〕
従来、未加硫エラストマーに直接過酸化物を添加し、
混練りして加硫する方法が知られているが、この場合は
過酸化物が均一に分散する以前に急激な加硫現象を生じ
るため、スコーチ発生や発泡現象等を起こしていた。
これを改良するため、過酸化物を不活性油に溶解又は
分散させたり、或いは炭酸カルシウム、シリカ微粉末、
カーボンブラック等に吸着させて添加する方法がなされ
ていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしこの方法では、過酸化物による急激な加硫反応
を制御することはできなかった。
更にこの方法で用いる過酸化物を溶解、分散又は吸着
させたものの形態は、粘性の大きな液体、ペースト状又
は粉状であり、他の原料との混合が難しく取扱い上支障
があった。
更に過酸化物と共に多大な不活性液体又は固体が常に
存在するため、このままでは反応系に不純分として残存
することになり反応上好ましくなかった。
(ロ)発明の構成 〔課題を解決するためのための手段〕 本発明者等は、この課題を解決すべく鋭意検討した結
果、過酸化物そのものの代わりに、カプセル化された過
酸化物の採用を考えつき、更にカプセル化の方法につい
て検討した結果、芯材が過酸化物で、膜材が尿素樹脂又
はメラミン樹脂からなるカプセル体(以下単に「カプセ
ル体」と称する。)を作り出し、これを未加硫エラスト
マーと混練りすると急激な加硫反応が抑えられることを
見出し本発明を完成するに至った。
以前よりゼラチン被覆の有機過酸化物は知られている
が、このカプセルは皮膜含有率(=100×皮膜の重量/
カプセル体の総重量)を10重量%以上にすることが困難
であり、又ゼラチンは耐水性が悪いため、このカプセル
体は安定性に欠けるという欠点を有していた。
更にゼラチンによるカプセル化では、微細なカプセル
体を得ることができないため、生成したカプセル体を未
加硫エラストマーに添加した場合には均一な反応が起こ
り難いという欠点も有していた。
本発明の架橋されたエラストマーの代表的製造方法
は、次の段階的諸工程及び技術的要素から構成されてい
る。
(1)カプセル体の合成 (1−1)メチロール態プレポリマーの合成 尿素樹脂の場合には、ホルムアルデヒドの尿素に対す
るモル比を1.0〜2.5にし、一方メラミン樹脂の場合はホ
ルムアルデヒドのメラミンに対する比を2.5〜7にし
て、両者を水溶液となし、回転機を付帯する容器に仕込
み、pH7.5〜9、60〜80℃にて、1〜3時間反応させ
て、透明な水溶液状をなすプレポリマー(以下「メチロ
ール態プレポリマー」と称する。)を得る。
この際、尿素又はメラミンの一部を相互に代替するこ
とが可能であり、更に30重量%以下程度を他の縮合反応
をなす化合物、例えばグアナミジン或いはp−トルエン
スルホンアミド等で置き換えることにより皮膜を耐水性
を改良することができる。
反応系のpHを高めるために、苛性ソーダ水溶液、アン
モニア水或いはトリエタノールアミン等を使用できる
が、副反応を制御し易い点から、トリエタノールアミン
の使用が好ましい。
(1−2)メチロール態プレポリマー中への過酸化物の
分散 この段階において当該分散を容易にするために、ノニ
オン系或いはアニオン系の界面活性剤或いは懸濁剤を反
応系に添加してもよい。
又メチロール態プレポリマーの一部を縮合させて、メ
チレン基を有する尿素樹脂又はメラミン樹脂(以下「メ
チレン態樹脂」と称する。)を若干量生成せしめてか
ら、過酸化物を投入して分散させる方法もあり、この方
が稠密な皮膜を形成し易く好ましい。
具体的にはメチロール態プレポリマーをホモジナイザ
ーで回転数3000〜8000rpmにて攪拌を行い、pH1.5〜4に
調整する。
このpH調整には、1N程度の塩酸又は硫酸或いは10〜30
重量%水溶液のクエン酸等を用いることができる。
プレポリマーは水溶性であるのに対してメチレン態樹
脂は不溶性であり、該樹脂が生成し始めると系が白濁
し、次第にコロイド状になるので、その生成が確認でき
る。更にこれを濾過することで生成量を確認することが
できる。
反応系の白濁化によりメチレン態樹脂の生成が確認さ
れたら、微粉末状又は液状の有機過酸化物を仕込み、攪
拌して30分〜1時間程度分散を行う。
過酸化物の仕込みがなされる前のメチレン態樹脂の存
在量は極少量であればよいが、当該有機過酸化物の使用
量を100重量部とすると0.1〜20重量部が好ましい。
メチレン態樹脂が存在しない状態ないし0.1重量部未
満で系に過酸化物を投入すると、過酸化物微粒子間で凝
集が起こり、液面上に空気を巻き込んだ状態で浮遊する
か又は塊状に凝集し、均一なカプセル化反応が不可能と
なる恐れがある。更に従ってメチレン態樹脂は有機過酸
化物を投入する前に水性媒体中に存在していることが好
ましい。
一方20重量部を超える多量のメチレン態樹脂の存在下
で有機化酸化物を投入した場合は、芯材を含まないメチ
レン態樹脂が生成し、且つコストの上昇をきたし好まし
くない。
本発明で用いる過酸化物は、10時間の半減期を示す温
度が50℃以上であることが好ましく、更に好ましくは50
〜180℃である。
50℃未満の場合は、衝撃を受けなくても常温で分解し
易く、上記のカプセル化反応をすることが困難である。
本発明で用いる過酸化物の内、有機過酸化物の具体例
としては、ケトンパーオキサイドとしてはメチルエチル
ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド或いはメチルシクロヘキサノンパーオキサイド等;パ
ーオキシケタールとしては1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、n−ブ
チル4,4−ビス(t−ブチルパーキシ)パレート或いは
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等;ハイド
ロパーオキサイドとしてはt−ブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド或いはp−メンタン
ハイドロパーオキサイド等;ジアルキルパーオキサイド
としてはジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド或いは、1,
3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン;ジアシルパーオキサイドとしてはアセチルパーオキ
サイド、プロピオニルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド或いはp−トル
オイルパーオキサイド等;パーオキシエステルとしては
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート或いはt−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート等が挙げられる。
又、上記の有機過酸化物の他に無機過酸化物も使用可
能であり、例えば過酸化鉛等が挙げられる。
これらの過酸化物の内では、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、或いは1,3ビス(t−ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが加硫効果が大
きく、かつ10時間の半減期を示す温度が50℃以上であり
好ましい。
(1−3)過酸化物のカプセル化反応 上記の工程の後、有機過酸化物の場合は10時間の半減
期を示す温度に対して30〜40℃程度低い温度に維持し、
3〜30時間攪拌を続けることによって、スラリー状のカ
プセル化された微粒子が得られる。
30℃未満では有機過酸化物が分割する恐れがあり、又
40℃を超える温度ではカプセル化に要する時間が長く、
各々好ましくない。
又攪拌数はカプセル化反応が6時間以上経過したら、
低下せしめた方が反応器内壁面のスケールの付着が少な
く且つカプセル化が進み易く好ましい。
メチロール態プレポリマーのメチレン態重合体への転
換率は、40〜70重量%にすることが好ましく、又カプセ
ル体の皮膜含有率は30〜95重量%にすることが望まし
い。
30重量%未満ではカプセル体の保管時の安定性が低下
し、他方95重量%を超えると使用時に低い圧力下では破
壊され難く各々好ましくない。
他方、無機過酸化物の場合はpHが低いと加水分解を起
こし易いので、pH4〜5においてメラミン樹脂プレポリ
マーによるカプセル化反応をすることが好ましい。
(1−4)スラリー状カプセル生成品の洗浄、脱水及び
乾燥 生成したスラリーを1N苛性ソーダ水溶液で中和後、純
水で充分に洗浄し、次いで遠心分離機で脱水し、更に流
動乾燥機又は棚段乾燥機に通すことによって、微粉末状
のカプセル体を得ることができる。
(2)架橋されたエラストマーの製造方法 本発明の架橋されたエラストマーの製造方法は、上記
工程で得られたカプセル体と未加硫エラストマー性を均
一に混合し練り合わせることにより得られる。
代表的方法としては、未加硫エラストマーを素練りし
た後、20℃前後においてカプセル体を加え混練りする方
法がある。
この場合、未加硫エラストマー100重量部に対してカ
プセル体は0.1〜50重量部の添加が好ましい。
0.1重量部に満たない場合は加硫反応の効果が認めら
れず、50重量部を超える場合は過大な加硫反応により得
られる架橋されたエラストマーの伸びが著しく悪く各々
不適当である。
本発明に使用される未加硫エラストマーの具体例とし
ては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレ
ン−プロピレン共重合体、弗化物系合成ゴム、ケイ素ゴ
ム或いはアクリルゴム等が挙げられ、特に不飽和結合部
の少ない未加硫エラストマーに対しては、硫黄を主体と
する一般の加硫方法に比べて均一な加硫反応を来たし本
発明の効果が極めて大である。
本工程において未加硫エラストマー及びカプセル体以
外に使用し得る添加物としては、カプセル体以外の加硫
促進剤、老化防止剤、軟化剤或いは他の充填剤等があ
り、これらの使用量は未加硫エラストマー100重量部に
対して50重量部以下が好ましい。
又、加硫反応条件としては、カプセル体中の過酸化物
の10時間おける半減期の示す温度が50〜180℃の場合は1
00〜150℃で20〜100分間程度が好ましい。
〔作用〕
本発明で使用される過酸化物は、耐熱性、耐水性及び
耐油性に優れた尿素樹脂又はメラミン樹脂からなる膜材
で皮膜されているため、加硫反応においても急激な反応
を起こさず、緩やかでしかも均一な反応を起こすもので
ある。
更にこの皮膜も単なる不純物として未加硫エラストマ
ーに混入されるのではなく、過酸化物の存在下では加硫
促進剤としての性質も有しているものと考えられる。
〔実施例及び比較例〕
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明する。
尚、各実施例及び比較例における各試験は次の条件で
行ったものである。
引張強度及び伸び: JIS K6301に従い、テンシロン引張試験機により、23
℃、毎分500mmに引張速度にて、破断時の強度を示す応
力と伸びの長さを測定した。
圧縮残留歪: JIS K6301に従い、100℃にて70時間の加熱処理を行
い、荷重を取り去った後23℃に30分間放置して次の式か
ら計算する。
圧縮残留歪(%)=〔(t0−t1)/(t0−tS)〕×100 ここで、t0、t1は試験前後の厚み、tSは歪を与えたス
ペーサーの厚みである。
落つい感度試験はJIS K 4810の試験方法を準用し
た。
実施例1 (カプセル体の合成) 還流冷却器付き1フラスコに37重量%濃度のホルマ
リン水溶液700g、尿素262g及びトリエタノールアミン3.
4gを仕込み、300rpm、70℃にて2時間攪拌して反応さ
せ、pH8.1である尿素−ホルムアルデヒド樹脂のプレポ
リマー水溶液を得た。
次いで2ビーカーに前記のプレポリマー水溶液525g
と純水525gを仕込み、ホモジナイザーにて5000rpmの攪
拌下で、1Nの硫酸水溶液15ccの添加により、pHを2.0と
し、且つ反応温度を37℃にしたところ、1分後に白濁が
生じた。
白濁が生じてから、10時間の半減期を示す温度が77℃
であるベンゾイルパーオキサイドの微粉末(平均粒径10
μm)12.8gを仕込み1時間攪拌を続けた後、40℃に昇
温し5000rpm攪拌下にて、6時間反応を維持した。
ここに更に純水300gを仕込み、ホモジナイザーを外
し、櫂型攪拌機に切り換えて、300rpmにて更に15時間反
応を続けてスラリーを得た。
このスラリーを1N苛性ソーダ水溶液で中和後、純水及
びメタノールで洗浄し、遠心分離を行い、40℃で流動乾
燥した結果、粒径分布巾の狭い平均粒径30μmのカプセ
ル体微粒子100gを得た。
(架橋されたエラストマーの製造方法) 未加硫エラストマーとして、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム JSR−N231L(日本合成ゴム(株)製)100g
を20℃に保持した解放ロール上に投入し、10分間素練り
後、上記で得たカプセル体30g(ベンゾイルパーオキサ
イドとして3.9g含有)を投入した。
次に80℃に昇温し、この温度で20分間混練りを続け
た。この間ロール上のシートに発泡やスコーチの発生は
なかった。
更に140℃で80分間プレス加硫した。
得られた架橋されたエラストマーの引張強度は190kgf
/cm2で、伸びは250%であり、又100℃で70時間放置後の
圧縮残留歪は20%であった。
比較例1 実施例1におけるカプセル体の代わりに、カプセル化
されていないベンゾイルパーオキサイド3.9gとジオクチ
ルフタレート3.9gの混合物を用いた。
実施例1と同じ未加硫エラストマー100gを20℃に保持
した解放ロール上に投入し、10分間素練り後、上記混合
物を投入した。
投入後、80℃に昇温し、この温度で20分間混練りを続
けたところ発泡はないが、開始後3分でロール上のシー
トにスコーチが発生した。
更に140℃で80分間プレス加硫した。
得られた架橋されたエラストマーの引張強度は90kgf/
cm2で、伸びは150%であり、又100℃で70時間放置後の
圧縮残留歪は35%であった。
実施例2 実施例1のカプセル体の合成において、過酸化物のカ
プセル化時のpHを3.0に保持した以外は、実施例1と同
じ条件でカプセル体を合成した。
未加硫エラストマーは実施例1と同じものを用い、こ
のカプセル体2g(ベンゾイルパーオキサイドとして1.0g
を含有)を、実施例1と同一の条件でエラストマーのシ
ートを製造した。
得られたシートの引張強度は150kgf/cm2で、伸びは30
0%であり、又100℃で70時間放置後の圧縮残留歪は25%
であった。
実施例3 カプセル体として実施例2で得たカプセル体7.5g(ベ
ンゾイルパーオキサイドとして3.9g含有)、未加硫エラ
ストマーとしてヨウ素価が15.0であるEPDMゴム JSR−E
P57C(日本合成ゴム(株)製)100gを用いた。
未加硫エラストマーを20℃に保持した解放ロール上に
投入し、10分間素練り後、上記のカプセル体を投入し
た。
次に80℃に昇温し、この温度で30分間混練りを続け
た。この間ロール上のシートに発泡やスコーチの発生は
なかった。
更に140℃で30分間プレス加硫した。
得られた架橋されたエラストマーの引張強度は180kgf
/cm2で、伸びは350%であり、又100℃で70時間放置後の
圧縮残留歪は18%であった。
比較例2 実施例3におけるカプセル体の代わりに、カプセル化
されていないベンゾイルパーオキサイド3.9gとジオクチ
ルフタレート3.9gの混合物及びエラストマー性重合体を
用いた以外は実施例3と同じ条件で架橋されたエラスト
マーのシートを作成した。
シートに発泡やスコーチの発生は見られなかったが、
得られたシートの引張強度は110kgf/cm2で、伸びは300
%であり、又100℃で70時間放置後の圧縮残留歪は28%
であった。
実施例4 カプセル体として実施例2で得たカプセル体0.96g
(ベンゾイルパーオキサイドとして0.5g含有)、未加硫
エラストマーとして重量平均分子量が50万であるジメチ
ルポリシロキサンを含むケイ素ゴム配合物 KE−870
(信越化学(株)製)100gを用いた。
上記未加硫エラストマーを50℃に保持した解放ロール
上に投入し、10分間素練り後、上記のカプセル体を投入
した。
次に120℃に昇温し、この温度で10分間混練りを続け
た。この間ロール上のシートに発泡やスコーチの発生は
なかった。
更に120℃で10分間プレス加硫した。
得られたエラストマーのシートの引張強度は150kgf/c
m2で、伸びは380%であり、又100℃で7時間放置後の圧
縮残留歪は15%であった。
比較例3 実施例4におけるカプセル体の代わりに、カプセル化
されていないベンゾイルパーオキサイド0.5gとジオクチ
ルフタレート0.5gの混合物を用いた以外は、実施例4と
同じ条件でエラストマーのシートを作成した。
シートに発泡やスコーチの発生は見られなかったが、
得られたシートの引張強度は100kgf/cm2で、伸びは320
%であり、又100℃で7時間放置後の圧縮残留歪は21%
であった。
実施例5 (カプセル体の合成) 還流冷却器付き1フラスコに37重量%濃度のホルマ
リン水溶液700g、メラミン132g及びトリエタノールアミ
ン3.4gを仕込み、300rpm、75℃にて2時間攪拌して反応
させ、pH8.5であるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の
プレポリマー水溶液を得た。
次いで2ビーカーに前記のプレポリマー水溶液609g
と純水441gを仕込み、ホモジナイザーにて5000rpmの攪
拌下で、1Nの硫酸水溶液3ccの添加により、pHを4.5と
し、且つ反応温度を40℃にしたところ、2分後に白濁が
生じた。
白濁が生じてから、1,3ビス(ターシャリイブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン29.8gとメタノール200
gの混合物を仕込み1時間攪拌を続けた後、50℃に昇温
し5000rpm攪拌下にて、3時間反応を維持した。ここに
更に純水300gを仕込み、ホモジナイザーを外し、櫂型攪
拌機に切り換えて、300rpm、にて更に4時間反応を続け
てスラリーを得た。
このスラリーを1N苛性ソーダ水溶液で中和後、純水及
びメタノールで洗浄し、遠心分離を行い、60℃で1時間
流動乾燥した結果、粒径分布巾の狭い平均粒径20μmの
カプセル体微粒子62gを得た。
このカプセル体は皮膜含有率が52重量%であった。
(架橋されたエラストマーの製造方法) 未加硫エラストマーとして、アクリロニトリル20重量
%、アクリル酸ブチル50重量%、アクリル酸メトキシエ
チルエステル28重量%及びクロル酢酸ビニル2重量%を
モノマー組成とする重量平均分子量20万のアクリルゴム
100gを用いた。
上記ゴムを50℃に保持した解放ロール上に投入し、10
分間素練り後、上記のカプセル体10g(1,3ビス(ターシ
ャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンとして
4.8gを含有)を投入した。
次に120℃に昇温して、この温度で20分間混練りを続
けた。この間ロール上のシートに発泡やスコーチの発生
はなかった。
得られたシートを150℃で30分間プレス加硫した。
得られた架橋されたエラストマーのシートの引張強度
は130kgf/cm2で、伸びは200%であり、又100℃で70時間
放置後の圧縮残留歪は30%であった。
比較例4 実施例5におけるカプセル体の代わりに、カプセル化
されていない1,3ビス(ターシャリイブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン4.8g及びエラストマー性重合体
を用いた。
実施例5と同じ未加硫エラストマー100gを50℃に保持
した解放ロール上に投入し、10分間素練り後、上記混合
物を投入した。
投入後、120℃に昇温し、この温度で20分間混練りを
続けたところ発泡はなかったが、開始後8分でロール上
のシートにスコーチが発生した。
更に150℃で30分間プレス加硫した。
得られた架橋されたエラストマーの引張強度は90kgf/
cm2で、伸びは180%であり、又100℃で70時間放置後の
圧縮残留歪は40%であった。
実施例6 (カプセル体の合成) 実施例5における1,3ビス(ターシャリイブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼンの代わりにジクミルパー
オキサイド29.8gを使用して、他の条件は実施例5と全
く同じ条件にしてカプセル化したところ、粒径分布巾の
狭い平均粒径30μmのカプセル体微粒子50gを得た。
このカプセル体は皮膜含有率が40重量%であった。
(架橋されたエラストマーの製造方法) 未加硫エラストマーとして、塩素含有量が1.3重量%
であるハロゲン化ブチルゴム JSRクロロブチル−1066
(日本合成ゴム(株)製)100gを用いた。
上記ゴムを125℃に保持した解放ロール上に投入し、1
0分間素練り後、上記のカプセル体8.3g(ジクミルパー
オキサイドとして5.0gを含有)を投入した。
次に80℃に温度を下げて、この温度で20分間混練りを
続けた。この間ロール上のシートに発泡やスコーチの発
生はなかった。
得られたシートを140℃で20分間プレス加硫した。
得られた架橋されたエラストマーのシートの引張強度
は250kgf/cm2で、伸びは600%であり、又100℃で70時間
放置後の圧縮残留歪は25%であった。
比較例5 実施例におけるカプセル体の代わりに、カプセル化さ
れていないジクミルパーオキサイド5.0gを用いて、他の
条件は実施例6と全く同じにして加硫反応を行ったとこ
ろ、スコーチの発生はなかったが、発泡現象が見られ
た。
又、得られたシートの引張強度は50kgf/cm2であり殆
ど加硫反応が進行していなかった。
比較参考例1 実施例1で得られたカプセル体を60g使用した以外は
実施例1と同じ条件で架橋されたエラストマーのシート
を得た。
得られたシートの引張強度は310kgf/cm2で、伸びは80
%であり、又100℃で70時間放置後の圧縮残留歪は40%
であった。
(ハ)発明の効果 即ち本発明で用いる過酸化物は、尿素樹脂又はメラミ
ン樹脂で緻密に被覆され、且つ均一な微細状の粉末の形
態を有しているため、他の原料との混合等取扱いが容易
であり、かつ未加硫エラストマーと共に混練りし、加硫
反応を行う場合でもかかる反応が急激に進行せず、スコ
ーチ発生現象或いは発泡現象を回避することができ、更
にエラストマー弾性の優れた成形品を効率よく生産する
ことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過酸化物加硫可能な未加硫エラストマーと
    芯材が過酸化物で膜材が尿素樹脂又はメラミン樹脂から
    なるカプセル体を混練りすることを特徴とする架橋され
    たエラストマーの製造方法。
JP10914688A 1988-05-06 1988-05-06 架橋されたエラストマ―の製造方法 Expired - Fee Related JP2513269B2 (ja)

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