JP2513222Y2 - 新設ケ―ブル用吊架ワイヤ架設のための既設ワイヤ保護カバ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、市街地における電柱に架設した例えば、既
存の電話用幹線ケーブルの上方又は特に斜め上方に、新
設ケーブル例えば、都市型CATVケーブルをこの幹線ケー
ブルにほぼ平行に架設するとき、幹線ケーブルから横方
向に延びている電話引込線を傷付けることなく新設ケー
ブル用の吊架ワイヤを張架することができる既設ワイヤ
保護カバーに関するものである。

〔従来の技術〕

CATVケーブルは、NTTの電話用幹線ケーブルの垂直上
方または斜め上方に30cm以上離して架設することが、義
務付けられている。CATVケーブルを架設する際、先ず互
いに隣接する電柱間において幹線ケーブルから横方向に
延びる複数個の電話引込線の上方にCATVケーブルを支持
する吊架ワイヤを掛け渡しておき、電柱間のスパンに張
力を加えて電話用幹線ケーブルの上方で電柱間に吊架ワ
イヤを架設する。吊架ワイヤを架設した後は、普通の方
法でこの吊架ワイヤに沿って新設のCATVケーブルを取付
ける。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来の作業においては、吊架ワイヤを予め互
いに隣接する電柱間における複数個の電話引込線の上方
に順次張り渡していく作業が必要であり、従って、電柱
間スパンの張り渡しが完了するまでは、吊架ワイヤが電
話引込線を擦ってこれを損傷する事故が発生し、電話の
雑音や、ファックスの乱れを生ずる原因となることがあ
った。

本考案の目的は、電話用幹線ケーブルから横方向の延
びる既設ワイヤ例えば、電話引込線を傷付けることな
く、新設ケーブルを幹線ケーブルの上方に、特に市街地
における都市型CATVケーブルを電話用幹線ケーブルの斜
め上方に架設することができる保護カバーを得るにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案による新設ケーブ
ル用吊架ワイヤ架設のための既設ワイヤ保護カバーは、
絶縁材料によりほぼ円筒形に形成し、この円筒形の側面
に長手方向に延びる挿入開口部を設け、電柱に架設した
幹線ケーブルから横方向に延びる既設ワイヤをこの挿入
開口部から差し入れて収納する中空本体と、前記本体の
一方の端部の頂面に設け、前記幹線ケーブルを保持する
鋼線ワイヤに引っ掛けて前記本体をこの鋼線ワイヤに支
持するフックと、前記本体の頂面に設け、前記幹線ケー
ブルの斜め上方にこの幹線ケーブルとほぼ平行に架設し
ようとする新設ケーブル用吊架ワイヤを一時的に前記本
体から脱落するのを防止する取り外し可能な捕捉手段と
を具えたことを特徴とする。

〔作用〕

本考案によれば、保護カバーのフックを幹線ケーブル
を保持する鋼線ワイヤに引っ掛け、本体を幹線ケーブル
から横方向に延びる既設ワイヤに被せ、ワイヤロール積
載車両から吊架ワイヤを繰り出しつつ本体の頂面と捕捉
手段との間に挿通する。これにより、幹線ケーブルから
横方向に延びる既設ワイヤ例えば、電話引込線に直接接
触することなく、電話引込線の上方又は斜め上方に新設
ケーブル用吊架ワイヤを張架する。

〔実施例〕

次に、図面につき本考案の好適な実施例を説明する。

本考案保護カバー１は、絶縁材料好適には、例えば、
弾性を有する合成樹脂により形成したほぼ円筒形の中空
本体２を有し、この本体の下側面には、長手方向に延び
る挿入開口３を設け、電柱（図示せず）に架設した幹線
ケーブル例えば、電話用幹線ケーブル４から横方向に延
びる既設ワイヤ例えば、電話引込線５をこの挿入開口部
３から中空本体２内に差し入れて収納することができる
ようにする。図示の実施例では、挿入開口部３は１対の
耳状の突片として構成し、平素弾性によりこれら突片が
互いに密着する構成としたが、この構成に限定すること
なく、他の形状の構成とすることもできる。

本体２の一方の端部の頂面にはこの半径方向外方に突
出する支柱６を設け、この支柱６に幹線ケーブルを保持
する鋼線ワイヤ4aに引っ掛けて前記本体をこの鋼線ワイ
ヤ4aに支持するフック部材７を設ける。図示のフック部
材７は、ほぼＵ字状をなし、Ｕ字の各脚にそれぞれフッ
ク7aを設け、Ｕ字のクロス部7bを支柱６に回動自在に連
結する。更に、この支柱６の端部には、幹線ケーブル４
の上方又は斜め上方にこの幹線ケーブルとほぼ平行に架
設しようとする新設ケーブル８を支持する吊架ワイヤ９
を一時的に本体から脱落するのを防止する捕捉手段とし
ての捕捉ワイヤ10の一端を固着する。この捕捉ワイヤ10
の他端は、例えば、ラッチ手段11により本体２の他方の
端部に着脱自在に連結する。このラッチ手段は任意のも
のとすることができる。

本考案によれば、幹線ケーブル４の上方又は特に斜め
上方に新設するケーブル例えば、CATVケーブル８のため
の吊架ワイヤ９のロールを積載したワイヤロール積載車
両（図示せず）を電柱の脇に駐車しておく。この電柱に
隣接する他の電柱に向かって高所作業台により順次に本
考案保護カバー１の本体２を、挿入開口部３を介して幹
線ケーブル４から横方向に延びる既設ワイヤ例えば、電
話引込線５に被せ、幹線ケーブル４を保持する鋼線ワイ
ヤ4aにフック7aで引っ掛けて取り付けるとともに、ワイ
ヤロール積載車両から吊架ワイヤ９を繰り出しつつ本体
２の頂面と捕捉ワイヤ10との間に挿通していく。互いに
隣接する電柱間の電話引込線のすべてをクリアした後、
電柱間のワイヤスパンの両端を幹線ケーブルの斜め上方
で保持し、予張力を吊架ワイヤ９に加えると、保護カバ
ー１の挿入開口部から電話引込線５が外れ、保護カバー
１は吊架ワイヤ９に引っ張られてフック7aで引っ掛かっ
て鋼線ワイヤ4aの周り又は支柱６におけるクロス部7bの
周りに回動する。この後捕捉ワイヤ10を本体２からとり
外す。最終的に吊架ワイヤ９に所定張力を加えて緊張さ
せ、吊架ワイヤ９の両端部をそれぞれ、各電柱の幹線ケ
ーブルの上方に横方向に突出するよう固着した槍出金物
（図示せず）に取付ける。

この後、普通の方法で、CATVケーブル８を吊架ワイヤ
９に沿って吊架し、緊縛ワイヤ12によってCATVケーブル
８を吊架ワイヤ９に縛り付ける。

〔考案の効果〕

本考案保護カバーによれば、電話用幹線ケーブルから
横方向の延びる電話引込線を傷付けることなく、新設ケ
ーブル用吊架ワイヤを幹線ケーブルの上方又は斜め上方
に架設することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による新設ケーブル用吊架ワイヤ架設
のための既設ワイヤ保護カバーの好適な実施例の使用状
態の線図的斜視図である。 １……保護カバー、２……本体 ３……挿入開口部、４……幹線ケーブル 4a……鋼線ワイヤ ５……既設ワイヤ（電話引込線） ６……支柱、７……フック部材 7a……フック、7b……クロス部 ８……新設ケーブル（CATVケーブル） ９……吊線ワイヤ、10……補足ワイヤ 11……ラッチ手段、12……緊縛ワイヤ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁材料によりほぼ円筒形に形成し、この
   円筒形の側面に長手方向に延びる挿入開口部を設け、電
   柱に架設した幹線ケーブルから横方向に延びる既設ワイ
   ヤをこの挿入開口部から差し入れて収納する中空本体
   と、前記本体の一方の端部の頂面に設け、前記幹線ケー
   ブルを保持する鋼線ワイヤに引っ掛けて前記本体をこの
   鋼線ワイヤに支持するフックと、前記本体の頂面に設
   け、前記幹線ケーブルの上方にこの幹線ケーブルとほぼ
   平行に架設しようとする新設ケーブル用の吊架ワイヤを
   一時的に前記本体から脱落するのを防止する取り外し可
   能な捕捉手段とを具えたことを特徴とする新設ケーブル
   用吊架ワイヤ架設のための既設ワイヤ保護カバー。