JP2512657B2 - ボイラ―のチュ―ブリ―ク検査方法及び検査装置 - Google Patents

ボイラ―のチュ―ブリ―ク検査方法及び検査装置

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JP2512657B2
JP2512657B2 JP4004814A JP481492A JP2512657B2 JP 2512657 B2 JP2512657 B2 JP 2512657B2 JP 4004814 A JP4004814 A JP 4004814A JP 481492 A JP481492 A JP 481492A JP 2512657 B2 JP2512657 B2 JP 2512657B2
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弘之 中島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火力発電所等で用いられ
るボイラーのチューブリーク検査方法及び検査装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電所のボイラ炉棟内では複
数のボイラーチューブが使用されているが、該チューブ
にリークが発生してその発見が遅れた場合、設備損傷の
拡大を招くおそれがある。
【0003】そのため従来は図10に示すように、ボイ
ラー40内のチューブ41にAEセンサー、或いはマイ
クロホン等の音響センサー42を直接、或いは導波棒を
介して取り付け、リーク発生時に生じるリーク音を該セ
ンサー42で検出し、その検出信号をアナログ信号とし
てケーブルで信号処理装置まで送り、該処理装置にてリ
ーク発生を検出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の装
置では、高温蒸気の通るチューブに直接センサー42を
取り付けるため、特別に耐熱設計された高価なセンサー
を用いる必要があると共に、該センサー42の取り付け
工事時にボイラーの運転を停止させる必要があり、非効
率的であるとの問題があった。
【0005】また、検出信号をアナログ信号の状態で処
理していたため、外来ノイズの影響を受け易く測定の精
度を高めることができないと共に、多数のセンサー42
を用いる場合、大量のケーブルが必要となり検査装置全
体のコストが高くなるとの問題があった。
【0006】さらに、外来ノイズや負荷変動等によって
生じる音がリーク音として誤って検出されることがあ
り、確実にリーク音のみを検出し得る方法が望まれてい
た。本発明は振動センサーを炉棟外壁に複数設置し、チ
ューブからの蒸気、熱水等の噴出音に基づく炉壁の振動
を振動センサーにより検出し、該センサーで検出した振
動データを周波数分析し、予め設定したリーク、負荷変
動及びノイズの各メンバシップ関数に基づくファジイ推
論により確実にチューブリークを検出する方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために、 第1に、ボイラー炉棟の外壁に設置された複数の振動セ
ンサーからの振動データをデジタルデータに変換し、上
記デジタルデータを光ファイバーケーブルを介して制御
装置に送出し、かつ上記制御装置内に入力する上記各振
動センサーの上記デジタルデータを周波数分析して全振
動センサーについてのボイラー正常運転時の定常データ
と任意の計測時の計測データとを計測し、さらにこれら
定常データ及び計測データとの高域の特定周波数と低域
の特定周波数との変化分データを計測し、リーク、ノイ
ズ及び負荷変動の3つの判断基準について上記変化分デ
ータの高域レベル差及び低域レベル差のグレードを決定
するためのメンバシップ関数を予め設定し、これらメン
バシップ関数に基づいて上記3つの判断基準について上
記変化分データの高域レベル差及び低域レベル差のグレ
ード値を決定し、各判断基準において決定された高域レ
ベル差及び低域レベル差のグレード値の最小値をとった
後、各判断基準における上記最小値の最大値に基づいて
ボイラーチューブのリークを判定することを特徴とする
ボイラーのチューブリーク検査方法、 第2に、リークであることを判定した後、該リークが所
定時間持続した時点で再度リークの判定を行うことを特
徴とする上記第1に記載のボイラーのチューブリーク検
査方法、 第3に、リークが発生したとの判定をした後、各振動セ
ンサーの変化分データに基づいてリーク発生の場所を検
することを特徴とする上記第1又は2に記載のボイラ
ーのチューブリーク検査方法、 第4に、内部に複数のチューブの配設されたボイラー炉
棟の外壁に複数の振動センサーを設置すると共に、これ
らセンサーからの振動データをデジタルデータに変換す
るAD変換器を上記炉棟に設置し、さらに上記炉棟から
所定間隔離れた場所に制御装置を設置して上記AD変換
器と光ファイバーケーブルを介して接続し、かつ上記制
御装置内に上記光ファイバーケーブルを介して送出され
たデジタルデータを周波数分析する周波数分析回路と、
該周波数分析回路により分析されたデータに基づいて上
記チューブのリークを判定する判定手段とを具備し、上
判定手段は、リークについて上記変化分データの高域
及び低域レベル差のグレード値を決定するためのメンバ
シップ関数を有するリーク判断回路と、負荷変動につい
て上記変化分データの高域及び低域レベル差のグレード
値を決定するためのメンバシップ関数を有する負荷変動
判断回路と、ノイズについて上記変化分データの高域及
び低域レベル差のグレード値を決定するためのメンバシ
ップ関数を有するノイズ判断回路と、上記各判断回路に
おいて決定された高域及び低域レベル差の最小グレード
値を決定する最小値決定回路と、同最小値決定回路で決
定された各判断基準における最小グレード値の最大値を
決定する最大値決定回路とを具備するものであることを
特徴とするボイラーのチューブリーク検査装置、 第5に、上記AD変換器は複数のセンサーに接続され、
制御装置からの指令に基づいて指定された振動センサー
の信号を送出するものであり、上記制御装置は、上記複
数の振動センサー毎の測定データを記憶するメモリ回路
と、該メモリ回路に記憶されたデータ毎に周波数分析す
る周波数分析回路と、該回路で分析された全振動センサ
ーの分析データを記憶する記憶装置とを具備しているこ
とを特徴とする上記第4に記載のボイラーのチューブリ
ーク検査装置、により構成される。
【0008】
【作用】第1に記載の方法によれば、ボイラーが正常に
動作している定常データと、計測時の計測データとを比
較し、これら両データの高域の特定周波数と低域の特定
周波数との変化分を計測しこれら変化分データに基づい
て判定するため、各センサーの感度のばらつきを吸収す
ることができ、センサー毎に感度補正をする必要がな
い。
【0009】さらに、リーク、ノイズ及び負荷変動の各
判断基準について変化分データの高域及び低域レベル差
のグレード値をメンバーシップ関数により決定し、各判
断基準において決定された最小グレード値の最大値に基
づいてリークであるか否かを判断する。例えば、上記最
小グレード値の最大値がリークの判断基準のグレード値
であれば、リークが発生していると判断され、上記最大
値が負荷変動のグレード値であれば、負荷変動であると
判断される。本方法によれば、変化分データの高域レベ
ル差及び低域レベル差に基づいて決定されたグレード値
によりいわゆるファジイ推論を行っているため、各セン
サー毎或いはボイラー毎の細かい判断基準の設定をする
必要がなく、他のボイラー或いは他の装置への転用が容
易である。
【0010】第に記載の方法によれば、リークが所定
時間持続した時に初めて「リーク発生」との判断をする
ことができ、より確実な判定を行うことができる。
【0011】第に記載の方法によれば、各振動センサ
ーの変化分データに基づいて炉棟内のどの位置でリーク
が発生しているかを検出することができる。
【0012】第に記載の装置によれば、ボイラ炉棟に
設置された各振動センサーは炉棟内のチューブから発生
する音に基づく炉壁の振動を検出し、検出された振動デ
ータはAD変換器によりデジタルデータに変換され、光
ファイバーケーブルを介して制御装置に送出され、該制
御装置内の周波数分析回路で周波数分析され、該分析結
果に基づいて判定手段により、現在チューブでリークが
発生しているか否かが判定される。従って、センサーを
チューブに直接設置する必要がなく、かつ振動データは
一旦デジタルデータに変換されるため外来ノイズの影響
を受けることはない。
【0013】第に記載の装置によれば、複数の振動セ
ンサーをAD変換器にまとめて接続できるため、振動セ
ンサーと制御装置との接続ケーブルが少なくて済みコス
ト低減が可能である。また、光ファイバーケーブルで送
られてきた各振動データはメモリ回路に一旦記憶され、
記憶されたデータ毎に周波数分析回路で周波数分析さ
れ、周波数分析された全データは記憶装置に記憶される
ため、記憶された全分析データに基づいて現在チューブ
でリークが発生しているか正確に判定することができ
る。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の1実施例
を詳細に説明する。図1は本発明のチューブリーク検出
装置の設置された火力発電所の全体構成を示すものであ
り、1はボイラー炉棟、2は該炉棟1内のボイラー、3
はボイラーの煙路、4はボイラー熱による高温蒸気を通
すボイラーチューブであり、該ボイラーチューブ4に対
応する上記炉棟1外壁の煙路側所定位置(図1中の位置
A)に複数の振動センサーが設けられる。5は上記炉棟
1より約300m離れた位置に設置された制御室であ
り、内部に上記振動センサーと光ファイバーケーブルで
接続された制御装置を具備しており、該制御装置にて上
記ボイラーチューブのリークを監視できるようになって
いる。
【0015】図2は上記振動センサーの設置位置を示す
ボイラー炉棟1の斜視図であり、該炉棟1の煙路3側の
3つのフロア3a乃至3cの外壁に、1フロア8個づ
つ、計24個の振動センサー6,・・が設置されてい
る。該振動センサー6,・・はプリアンプ内蔵の圧電型
加速度ピックアップを使用しており、図3に示すように
M5タップ7を炉壁の外側からその先端が炉内壁に当接
するまで打ち込み、該タップ7の後端にSMナット8を
介してアダプタ9を螺着し、該アダプタ9の端部に嵌合
固着される。
【0016】図4は本発明の検出装置の全体構成を示す
ブロック図である。同図において10a乃至10cは上
記炉棟1の壁面に設置されたAD変換ターミナルであ
り、上記各フロアの8個づつの振動センサー6,・・が
それぞれAD変換ターミナル10a乃至10cに10m
乃至20mのローノイズケーブルLにより接続されてい
る。これらAD変換ターミナル10a乃至10bは上記
各センサー6,・・からの検出信号(アナログ信号)を
デジタル信号に変換するものであり、具体的には図5に
示すように構成されている。尚、上記AD変換ターミナ
ル10a乃至10cは同一構成であるため、図5には同
ターミナル10aの構成のみを示す。
【0017】同図において、11は8個の上記各センサ
ー6,・・から入力する検出信号を所定値まで増幅する
入力バッファアンプ、12は上記各バッファアンプ11
からの信号が入力され、CPUからの指令に基づいて入
力を選択する入力選択回路、13はボイラ稼働時の不要
な低域周波数を除去すると共にサンプリングに不必要な
高域周波数(48KHz以上)を除去するためのフィル
ター回路、14は該フィルター13からの信号をデジタ
ル信号に変換するデジタルフィルタ内蔵の16bitの
AD変換器、15は上記AD変換器14でデジタル信号
に変換された検出信号をパルス状に変調すると共に光信
号に変換して光ファイバーケーブルFを介して制御装置
18に送出する電光変換器、16は制御装置18内のC
PU23から光ファイバーケーブルFを介して送られて
来たチャンネル指定信号を電気信号に変換する光電変換
器、17は上記指令信号を上記選択回路12に送出する
インターフェイスである。
【0018】18(図4参照)は上記AD変換ターミナ
ル10a乃至10cと光ファイバーケーブルFにより接
続された上記制御室5内の制御装置である。該制御装置
18において、19及び20は上記各AD変換ターミナ
ル10a乃至10cからの3本の光ファイバーケーブル
Fに接続され各ターミナルとの間で必要な光電/電光変
換を行う電光変換器及び光電変換器、21は3Mワード
のメモリを備えたメモリ回路であり、CPU23の指示
に基づいてAD変換ターミナル10a乃至10cから送
られてきた振動センサー6毎の検出データを最大100
KHzのサンプリング周波数で10秒間格納する機能を
有している。
【0019】22は上記メモリ回路21に格納された検
出データをCPU23の指示に基づいてFFT演算によ
り周波数分析する周波数分析回路であり、いわゆるデジ
タルシグナルプロセッサ(DSP)により構成されてい
る。
【0020】23は本案の一連の動作に係る手順を記憶
しているCPU(判定手段)であり、記憶している動作
手順に従って上記各回路に指令を与えると共に、上記周
波数分析回路22で分析されたデータに基づいて予め設
定されたメンバシップ関数によりファジイ推論を行い、
ボイラーチューブ4のリークを検出するものである。
【0021】24は上記周波数分析回路22で周波数分
析された各チャンネルの分析データを記憶するためのデ
ィスクファイル装置、25はボイラーチューブ4の監視
状態及び判定結果を表示するCRT表示装置、26は各
チャンネル毎の周波数分析データを出力するプリンタ装
置である。
【0022】次に本発明の動作を図6乃至図8のフロー
チャートに基づいて説明する。まず、CPU23はボイ
ラーが正常に動作している時の振動センサー6,・・そ
れぞれの定常データを計測するためにチャンネル指定信
号を送出する。該信号は電光変換器20、光ファイバー
ケーブルFを介してAD変換ターミナル10aに送出さ
れる(P1)。
【0023】該指定信号はAD変換ターミナル10aの
光電変換器16により電気信号に変換され復調された
後、インターフェイス17を介して入力選択回路12に
送られる。該回路12は上記指定信号に基づいて、入力
バッファアンプ11に現在入力している振動センサー
6,・・からの信号の内、指定された特定チャンネルの
信号(図6b参照)を指定してフィルター回路13に送
出する。該信号は、ボイラーが正常に動作しているとき
の振動を検出したものである。
【0024】該信号は該回路13で不要周波数をカット
されAD変換器14でデジタルデータに変換された後、
電光変換器15でパルス変調され光信号として光ファイ
バーケーブルFに送出される。この光信号は制御装置1
8で受信され光電変換器19で電気信号に変換され復調
された後、CPU23の指令に基づいてメモリ回路21
内に記憶される(P2)。
【0025】その後、再びCPU23が次のチャンネル
指定信号を送出して同様の動作が行われ、全24チャン
ネルについての振動データが3Mワードのデジタルデー
タとして上記メモリ回路21に記憶される(P3)。
【0026】次にCPU23の指令により上記記憶され
たデータは順次周波数分析回路22に送られ、該回路2
2により周波数分析される(P4)。即ち図6cにおけ
る定常データが計測される。その後、周波数分析された
定常データはディスクファイル装置24に格納される
(P5)。そして、上記手順により計測が全振動センサ
ー6,・・について行われ(P6)、全振動センサー
6,・・から得られた定常データをディスクファイル装
置24に記憶する。
【0027】次にボイラーチューブのリークの計測を行
う(図7参照)。まず、上記定常データ測定時と同様に
CPU23は特定のチャンネルを指定するチャンネル指
定信号をAD変換ターミナル10a乃至10cに送出す
る(P7)。該指令信号はAD変換ターミナル10a乃
至10cに送られ、特定の振動センサー6の計測信号が
デジタル信号に変換された後、光ファイバーケーブルF
を介して制御装置5に送られ上記所定の変調処理を経て
メモリ回路21内に同様に格納され(P8)、かかるデ
ータ取り込みが全24チャンネルについて行われる(P
9)。その後、該計測データは周波数分析回路22にて
順次周波数分析され(P10)、先に計測した同チャン
ネルの定常データと比較される(図6c参照)。
【0028】即ち、低域レベル(10KHz)及び高域
レベル(30KHz)における定常データと計測データ
との変化分x1 及びx2 (比率=計測データ/定常デー
タ)を演算し(P11)、それぞれの変化分データをデ
ィスクファイル装置24に格納する(P12)。尚、上
記変化分は各計測値が[dB]で表現されていることか
ら引き算により求められる。そして、上記変化分の計算
が全振動センサーについて行われ(P13)、全センサ
ーについての変化分データをディスクファイル装置24
に記憶する。
【0029】尚、上記計測データの取り込みは5分毎に
行われ、ディスクファイル装置24には過去数日分の変
化分データを記憶しておくことが可能である。
【0030】次に、上記ファイル装置に記憶した変化分
データに基づいてファジイ処理を行う。上記CPU23
は図9に示すファジイ推論回路を具備している。即ち、
リークに関するリーク判断回路27では、高域レベル差
のメンバシップ関数M1、低域レベル差のメンバシップ
関数M2、持続時間のメンバシップ関数M3により上記
変化分データのグレードの決定を行い、ノイズに関する
ノイズ判断回路28では、高域レベル差のメンバシップ
関数M4、低域レベル差のメンバシップ関数M5により
変化分データのグレードの決定を行い、負荷変動に関す
る負荷変動判断回路29では高域レベル差のメンバシッ
プ関数M6、低域レベル差のメンバシップ関数M7によ
り変化分データのグレードの決定を行う。そして、上記
変化分データの高域レベル差、低域レベル差及びリーク
の持続時間についてこれらの3つの観点から決定したグ
レードに基づいてMINI回路(最小値決定回路)
0,31,32及びMAX回路(最大値決定回路)33
により推論結果を得るように構成されている。
【0031】上記各メンバシップ関数M1乃至M7は、
本発明の発明者等が火力発電所においてリーク、負荷変
動、雑音について実際に測定した結果より、表1に示す
判断基準に基づいて作成されたものである。
【0032】
【表1】
【0033】即ち、リークについては、表1のルールa
に示すように、低域レベル差(10KHz付近)の変化
分がやや大きく、かつ高域レベル差(30KHz付近)
の変化分が大きく、かつ持続時間が長い場合、「リー
ク」であると推論することができる。上記各メンバシッ
プの度合いによってルールb乃至fに示すようにリーク
の種類を推論することができる。
【0034】また、負荷変動については、表1のルール
gに示すように、低い周波数の変化分がやや小さく、か
つ高い周波数の変化分が同等又は小さい場合、「負荷変
動」であると推論することができる。さらに上記各メン
バシップの度合いによってルールh乃至jに示すように
負荷変動の種類を推論することができる。
【0035】また、雑音については、表1のルールkに
示すように低い周波数の変化分が大きく、高い周波数の
変化がない場合、「人工雑音の疑いがある」と推論する
ことができる。
【0036】次に、CPU23による上記ファジイ処理
を図8のフローチャート及び図9に基づいて説明する。
CPU23はディスクファイル装置24から特定チャン
ネルの変化分データを取り出し、これらのデータが例え
ば、高域レベル差が+5dB、低域レベル差が−5dB
であった場合、高域レベル差についてM1,M4,M6
のメンバシップ関数を、低域レベル差についてM2,M
5,M7のメンバシップ関数をあてはめると、リークに
関してはM1,M2のグレードはそれぞれ0.8,0.
6、ノイズに関してはM4,M5のグレードはそれぞれ
0.3,0、さらに負荷変動に関してM6,M7のグレ
ードはそれぞれ0.2,1.0となる(P14)。そし
て、各判断基準についてMINI回路30,31,32
でグレードの最小値を取るとリークについて0.6,ノ
イズについて0、負荷変動について0.2となるから
(P15)、その後MAX回路33でグレードの最大値
を取ると0.6となる(P16)。従ってこのグレード
の最大値の判断基準(リーク)が現在発生している状態
であること、即ち「リークが発生している」と判断され
る。
【0037】この場合、CPU23は内蔵するカウンタ
回路35をプラス1カウントし(P17,18)、持続
時間のメンバシップ関数M3の判断を行う(P20)。
即ち、このカウンタ回路35のカウント値によりリーク
の持続時間を計測している。上記P17でノイズ或いは
負荷変動のグレードが最大であってリークが発生してい
ないと判断された場合は、カウンタを0クリアした後
(P19)持続時間の判断を行う。
【0038】そして、上記持続時間のメンバシップ関数
M3のグレードが1.0であった場合、該グレード値を
含めて上記グレード値と共にMAX回路33にて再評価
を行う(P21、22)。その結果、図9に示すように
リーク判断回路のグレード0.6が最大であった場合、
「リークが発生している」(「異常」)と判断され(P
23)、CRT表示装置25にその旨表示される。ま
た、上記グレードの最大値がノイズ判断回路28のグレ
ード、負荷変動判断回路29のグレードであった場合は
「正常」と判断される。この場合、上記ディスクファイ
ル装置24から所定時間経過後の変化分データを再度取
り込み(P25)、再びP14からのファジイ処理を行
う。
【0039】次に、「異常」と検出された場合、リーク
が発生している場所の判定を行う。上記P23で異常と
判断した後、その時の10KHzの変化分データを全振
動センサー6,・・・に亙って調べ、その変化分データ
の最も大きい値を示している振動センサー(例えば図2
の振動センサー6a)の設置場所を確認する(P2
6)。
【0040】その後、上記振動センサー6aの変化分デ
ータと該センサー6a周辺の振動センサー6,・・・の
変化分データとを比較して、該比較データに基づいて炉
棟内のチューブのどの位置でリークが発生しているの
か、その位置、深さ等を検出する(P27)。これによ
り、炉棟内のどの位置でリークが発生しているかを確認
することができる。この場合10KHzの変化分データ
に基づいてリーク位置を検出するのは、低い周波数の信
号の方が指向性が低く、チューブから噴出する漏れの方
向の影響を受けにくいためである。
【0041】また、上記P23、P24,P27で検出
した各種結果、即ちリークが発生しているか否か、リー
クの発生位置等は、CRT表示装置25に表示すること
ができ、又計測した周波数データ等はプリンター装置2
6で出力することができる。尚、図1中35aは石炭バ
ンカー、35bは空気予熱器、35cは各種集塵器、3
5dはコンベア、35eは石炭である。
【0042】
【効果】以上のように、本発明によればボイラが正常に
動作している定常データと、計測時の計測データとを比
較し、これら両データの高域の特定周波数と低域の特定
周波数との変化分を計測しこれら変化分データに基づい
て判定するため、各センサーの感度のばらつきを吸収す
ることができ、センサー毎に感度補正をする必要がな
い。
【0043】また、リーク、ノイズ及び負荷変動の3つ
の判断基準に基づいてチューブリークを検出するもので
あるから、ノイズや負荷変動をリークであると誤動作す
ることなく、確実にチューブリークを検出することがで
きる。また、リーク、ノイズ及び負荷変動の各判断基準
についての変化分データのグレードをメンバシップ関数
により決定し、決定されたグレード値によりいわゆるフ
ァジイ推論によりリークを判定するものであるから、
置するボイラ設備毎に各センサー間の細かい感度調整の
必要がなく、設置するボイラ設備に対応したルール及び
メンバーシップを設定すればよく、さらに、他のボイラ
或いは他の装置への転用も上記ルール及びメンバーシッ
プの変更で対応することができ、汎用性の高い方法を実
現し得る。 また、リークが所定時間持続したときにリー
クであることを検出する方法であるため、より確実にリ
ークを検出することができ、さらにリーク発生位置も検
出することができる。
【0044】さらに、振動センサーを炉棟の壁面に取り
付ける構成であるため、センサーをチューブに直接設置
する必要がなく耐熱設計された特殊なセンサーを用いる
必要がなく、取付け時にボイラーを停止させる必要もな
く効率的である。また、振動データは一旦デジタルデー
タに変換され、光ファイバーケーブルにより制御装置に
送出されるため外来ノイズの影響を受けることはない。
【0045】さらに、複数の振動センサーをAD変換器
にまとめて接続できるため、振動センサーと制御装置と
の接続ケーブルが少なくて済みコスト低減が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボイラーのチューブリーク検査装置を
適用した火力発電所を示す概略図である。
【図2】振動センサーを設置したボイラー炉棟の斜視図
である。
【図3】振動センサーをボイラー炉棟に設置した状態の
要部側面断面図である。
【図4】チューブリーク検査装置のブロック図である。
【図5】AD変換ターミナルのブロック図である。
【図6a】定常データ測定のフローチャートである。
【図6b】振動センサーで測定された振動データを示す
特性図である。
【図6c】振動データを周波数分析した周波数特性図で
ある。
【図7】計測データ測定のフローチャートである。
【図8】ファジイ処理を示すフローチャートである。
【図9】CPU内のファジイ処理機能を示すブロック図
である。
【図10】従来のチューブリーク検査装置を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 ボイラー炉棟 4 チューブ 6 振動センサー 18 制御装置 21 メモリ回路 22 周波数分析回路 23 CPU 24 ディスクファイル装置 F 光ファイバーケーブル M1乃至M7 メンバシップ関数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 和利 福岡市博多区山王1丁目6−18 九州計 測器株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭61−153539(JP,A) 特公 昭42−12163(JP,B1) 特公 昭42−14401(JP,B1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラー炉棟の外壁に設置された複数の
    振動センサーからの振動データをデジタルデータに変換
    し、上記デジタルデータを光ファイバーケーブルを介し
    て制御装置に送出し、かつ上記制御装置内に入力する上
    記各振動センサーの上記デジタルデータを周波数分析し
    て全振動センサーについてのボイラー正常運転時の定常
    データと任意の計測時の計測データとを計測し、さらに
    これら定常データ及び計測データとの高域の特定周波数
    と低域の特定周波数との変化分データを計測し、リー
    ク、ノイズ及び負荷変動の3つの判断基準について上記
    変化分データの高域レベル差及び低域レベル差のグレー
    ドを決定するためのメンバシップ関数を予め設定し、こ
    れらメンバシップ関数に基づいて上記3つの判断基準に
    ついて上記変化分データの高域レベル差及び低域レベル
    差のグレード値を決定し、各判断基準において決定され
    た高域レベル差及び低域レベル差のグレード値の最小値
    をとった後、各判断基準における上記最小値の最大値に
    基づいてボイラーチューブのリークを判定することを特
    徴とするボイラーのチューブリーク検査方法。
  2. 【請求項2】 リークであることを判定した後、該リー
    クが所定時間持続した時点で再度リークの判定を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載のボイラーのチューブリー
    ク検査方法。
  3. 【請求項3】 リークが発生したとの判定をした後、各
    振動センサーの変化分データに基づいてリーク発生の場
    所を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ボイラーのチューブリーク検査方法。
  4. 【請求項4】 内部に複数のチューブの配設されたボイ
    ラー炉棟の外壁に複数の振動センサーを設置すると共
    に、これらセンサーからの振動データをデジタルデータ
    に変換するAD変換器を上記炉棟に設置し、さらに上記
    炉棟から所定間隔離れた場所に制御装置を設置して上記
    AD変換器と光ファイバーケーブルを介して接続し、か
    つ上記制御装置内に上記光ファイバーケーブルを介して
    送出されたデジタルデータを周波数分析する周波数分析
    回路と、該周波数分析回路により分析されたデータに基
    づいて上記チューブのリークを判定する判定手段とを具
    備し、 上記判定手段は、リークについて上記変化分データの高
    域及び低域レベル差のグレード値を決定するためのメン
    バシップ関数を有するリーク判断回路と、負荷変動につ
    いて上記変化分データの高域及び低域レベル差のグレー
    ド値を決定するためのメンバシップ関数を有する負荷変
    動判断回路と、ノイズについて上記変化分データの高域
    及び低域レベル差のグレード値を決定するためのメンバ
    シップ関数を有するノイズ判断回路と、上記各判断回路
    において決定された高域及び低域レベル差の最小グレー
    ド値を決定する最小値決定回路と、同最小値決定回路で
    決定された各判断基準における最小グレード値の最大値
    を決定する最大値決定回路とを具備するものであること
    を特徴とするボイラーのチューブリーク検査装置
  5. 【請求項5】 上記AD変換器は複数のセンサーに接続
    され、制御装置からの指令に基づいて指定された振動セ
    ンサーの信号を送出するものであり、上記制御装置は、
    上記複数の振動センサー毎の測定データを記憶するメモ
    リ回路と、該メモリ回路に記憶されたデータ毎に周波数
    分析する周波数分析回路と、該回路で分析された全振動
    センサーの分析データを記憶する記憶装置とを具備して
    いることを特徴とする請求項4記載のボイラーのチュー
    ブリーク検査装置。
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