JP2512236Y2 - プラスチツク成形における材料供給系及びこの系に使用される切換弁機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、プラスチツク成形品
の製造に際して、材料の節減を図るべく、再生材料の混
入を自動化した材料供給系と、この系に使用される切換
弁機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】プラスチツクの成形、トランスフア−成
形等において、成形金型のキヤビテイに溶融材料を送り
込むための通路となるスプル−、ランナ−、ゲ−ト、バ
リ等の内部で硬化した材料は、成形後成形品から切除さ
れ、その量は成形方法によつて違いはあるが、プラスチ
ツクの全使用量において可成りのパ−センテ−ジを占め
ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このように切除された
材料を廃棄してしまうことは、資源節約及び材料費軽減
の点からも好ましくないので、その再利用を図ることが
求められている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】ここにおいてこの考案
は、タイマ（１１）によつて設定された時間間隔で切換
作動される三方切換弁（１）の弁体（２）に形成される
２つの通路（３，４）を、新規材料（１３）の貯槽（１
４）からの配管（１２）に連なるポート（６）と、再生
材料（１６）の貯槽（１７）からの配管（１５）に連な
るポート（８）と、搬送手段（１８）を介して成形機
（２０）に至る配管（１９）に連なるポート（７）とに
対して、前記弁体（２）の切換動作により前記ポート
（７）がポート（６）又はポート（８）に選択的に接続
させるように構成してなるプラツチツク成形における材
料供給系を提案し、かつその実施に当つて、３つのポー
ト（６，７，８）を開口させた本体（５）と、この本体
（５）内に回動可能に支承される支軸（９）を備えかつ
前記３つのポート（６，７，８）のいずれか２つを選択
的に連通する２つの通路（３，４）を有する弁体（２）
と、前記本体（５）外へ突出する前記支軸（９）の端部
に駆動的に結合され前記ポート（６，７，８）の切り換
えを行なう駆動体（１０）とからなる請求項１記載の材
料供給系に使用される切換弁機構の使用を提案するもの
である。

【０００５】

【作用】上記構成からなる請求項１の材料供給系におい
て、新規材料が挿入された貯槽と、再生材料が装入され
た貯槽との内部の材料の堆積状況や、成形品の性質等に
応じて、前記切換弁の切換動作のタイミングを設定し、
適宜時間間隔をもつて、新規材料と再生材料とを搬送手
段で成形機に送り込むのであり、その際請求項２に記載
の切換弁機構を使用するものである。

【０００６】

【実施例】図１はこの考案の材料供給系の一実施例を示
し、１は三方切換弁であつて、この三方切換弁１の弁体
２に形成される２つの通路３，４のうち、通路３は前記
弁体２を収容する本体５に設けた３つのポ−ト６，７，
８の、ポ−ト６と７を連通させるものであり、また通路
４はポ−ト８とポ−ト７とを連通させるものである。

【０００７】前記弁体２から突出する支軸９は、駆動体
としてのロ−タ−１０に結合され、所定角度範囲の回動
を行なうこのロ−タ−１０の作動により、前記通路３に
よるポ−ト６と７の連通と、通路４によるポ−ト８と７
の連通とを、選択的に行なうのであり、前記ロ−タ−１
０の回動動作は、タイマ１１によつて設定された時間間
隔で行なうものとする。

【０００８】前記ポ−ト６は、配管１２を介して、新規
材料１３が装入された貯槽１４に連通し、一方前記ポ−
ト８は、配管１５を介して、再生材料１６が装入された
貯槽１７に連通される。ここに言う再生材料１６とは、
プラスチツク成形作業において、スプル−、ランナ−、
ゲ−ト、バリ等の内部で硬化し、成形後成形品から切除
された材料を所定の粒度にまで粉砕した材料である。

【０００９】前記ポ−ト７は、搬送手段としてのホツパ
−ロ−ダ−１８を介在させた配管１９を介して、成形装
置２０に連通しており、前記ホツパ−ロ−ダ−１８によ
つて吸引された新規材料１３又は再生材料１６は、前記
成形装置へ送られて、所定の加熱溶融、成形金型キヤビ
テイへの圧入成形作業に供されるが、この段階の作業は
この考案には関係がないので、説明を割愛する。

【００１０】図２及び図３は前記三方切換弁１の具体例
を示すものであつて、その本体５は六角体をなす主部２
１と、この主部２１内に形成した貫通口２２を両側から
閉塞する蓋部２３，２４とから成り、前記貫通口２２に
はこれら蓋部２３，２４に面する開口部に拡径部２５，
２６を設け、これら拡径部２５，２６にそれぞれ収容し
た軸受２７，２８によつて、支軸９が回動可能に支承さ
れる。

【００１１】この支軸９には前記弁体２が構成されてお
り、この弁体２に形成した通路３，４にそれぞれ前記所
定の関係で連通するポ−ト６，７，８が、本体５の主部
２１に穿設されている。そしてこれらポ−ト６，７，８
はそれぞれ、前記管路１２，１５，１９を接続すべく、
前記主部２１に結合された短管２９，３０，３１に連通
される。

【００１２】前記弁体２の支軸９の一端は、蓋部２４を
貫通して外部へ突出され、その端部には駆動体としての
モ−タ３２が結合される。

【００１３】上記構成において、新規材料１３と再生材
料１６との、それぞれの貯槽１４，１７内の堆積量に応
じて、ロ−タ−１０の回動パタ−ンをタイマ１１で設定
しておき、成形作業を開始すると、所定の時間間隔で、
ポ−ト６とポ−ト７、ポ−ト８とポ−ト７の切り換えが
行なわれ、新規材料１３と再生材料１６が、交互に成形
機２０に送り込まれて、成形作業に供せられるのであ
る。

【００１４】

【考案の効果】この考案の材料供給系と、この系に使用
される切換弁機構によれば、新規材料と再生材料とが予
め設定された割合で成形機に供給され、かつこの間にこ
れら材料が系外へこぼれ出すおそれがないので、再生材
料を活用することによる材料の節減と相俟つて、環境へ
の悪影響を排除しうるものであつて、その実用上の効果
は著大なものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の材料供給系の系統図である。

【図２】上記系に使用される切換弁機構の断面図であ
る。

【図３】図２に示す機構の斜視図である。

【符号の説明】

１ 三方切換弁 ２ 弁体 ３，４ 通路 ５ 本体 ６，７，８ ポート ９ 支軸 １０ 駆動体（ローター） １１ タイマ（エアー装置） １２ 配管 １３ 新規材料 １４ 貯槽 １５ 配管 １６ 再生材料 １７ 貯槽 １８ 搬送手段（ホツパーローダー） １９ 配管 ２０ 成形機

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイマ（１１）によつて設定された時間
   間隔で切換作動される三方切換弁（１）の弁体（２）に
   形成される２つの通路（３，４）を、新規材料（１３）
   の貯槽（１４）からの配管（１２）に連なるポート
   （６）と、再生材料（１６）の貯槽（１７）からの配管
   （１５）に連なるポート（８）と、搬送手段（１８）を
   介して成形機（２０）に至る配管（１９）に連なるポー
   ト（７）とに対して、前記弁体（２）の切換動作により
   前記ポート（７）がポート（６）又はポート（８）に選
   択的に接続させるように構成してなるプラツチツク成形
   における材料供給系。
2. 【請求項２】 ３つのポート（６，７，８）を開口させ
   た本体（５）と、この本体（５）内に回動可能に支承さ
   れる支軸（９）を備えかつ前記３つのポート（６，７，
   ８）のいずれか２つを選択的に連通する２つの通路
   （３，４）を有する弁体（２）と、前記本体（５）外へ
   突出する前記支軸（９）の端部に駆動的に結合され前記
   ポート（６，７，８）の切り換えを行なう駆動体（１
   ０）とからなる請求項１記載の材料供給系に使用される
   切換弁機構。