JP2512134B2

JP2512134B2 - マットレスの選択装置

Info

Publication number: JP2512134B2
Application number: JP1052873A
Authority: JP
Inventors: 輝雄増田
Original assignee: France Bed Co Ltd
Current assignee: France Bed Co Ltd
Priority date: 1989-03-07
Filing date: 1989-03-07
Publication date: 1996-07-03
Anticipated expiration: 2011-07-03
Also published as: JPH02232007A

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）この発明は利用者の体重や体格などに適した硬さのマ
ットレスを選択するためのマットレスの選択装置に関す
る。

（従来の技術）一般に、ベッドはベッドフレームにマットレスを載置
して構成されるのだが、このベッドの性能の良否はマッ
トレスの硬さが利用する人の体重や体格に合っているか
どうかによって大きく左右される。

すなわち、人間の睡眠状態を見たときに仰臥姿勢で背
骨である程度真直ぐに伸ばして寝たときに眠りがいちば
ん深く、また身体をマットレスに仰臥させたとき胸部と
臀部の背面の接線に対して腰部を２〜3cmの一定の高さ
に収まるように寝たときが快適である。

これに対して胸部と臀部とが極端に落込み、相対的に
腰部が突上げられるような姿勢になるマットレスは苦痛
を感じて安眠できないことが生理学や人間工学などから
認められている。したがって、胸部と臀部との落込みを
少なくするためには硬いマットレスがよい。しかしなが
ら、マットレスが硬過ぎると、胸部と臀部との落込みは
少ないが、これらの部位だけによって人体を支えるよう
な状態になるため、胸部と臀部とに圧力が集中してやは
り寝心地が悪くなる。

ところで寝心地によいマットレスを選択するため、単
に硬いマットレス、やわらかいマットレスというような
判断でマットレスを選択しても、このマットレスを利用
する人の体重や体格によって胸部と臀部の落込み量が異
なってくる。したがって、マットレスの良否は、そのマ
ットレスが硬いかやわらかいかということだけでなく、
マットレスの硬さがこのマットレスを利用する人の体重
や体格に適合しているか否かによって決まるから、この
ような基準でマットレスを選択する必要がある。

そこで、本件出願人は特開昭62−183716号公報に示さ
れるマットレスの選択方法を提案した。この先行技術
は、利用者が測定用のマットレス上に横臥したとき、こ
のマットレスの弾性変形量に応じてアーム状の複数の変
位体を回動させ、これら変位体の回動にそれぞれ連動し
て上下動する連動杆の上端に索状体を連結する。そし
て、その索状体によって描かれる折れ線グラフで上記マ
ットレスの変形状態を知り、利用者に適したマットレス
を選択できるようにしている。

しかしながら、この先行技術によると、マットレスの
弾性変形状態を折れ線グラフとして表示するのに、上記
マットレスの弾性変形を変位体の回動運動と連動杆の上
下運動に変換して機能的に伝達するようにしていた。そ
のため、その伝達にロスが発生し、しかもマットレスの
変形量を測定する各部におけるロスにばらつきが生じる
から、上記各連動杆の上端に連結された索状体によって
描かれる折れ線グラフにも誤差が生じ、マットレスの変
形を正確に表示できないということがある。

また、マットレスの変形量を機械的に伝達する構造で
あるため、部品点数の増大や構造の複雑化を招くばかり
か、衝撃や摩擦などによって早期に損傷し易いなどのこ
とがあった。

（発明が解決しようとする課題）このように、従来の装置は、マットレスの弾性変形量
を機械的に伝達して表示する構造であったので、正確な
表示が行なえなかったり、部品点数の増大や構造の複雑
化を招くばかりか、損傷し易いなどのことがあった。

この発明は上記事情にもとづきなされたもので、その
目的とするところは、測定用マットレスに加わる圧力の
分布状態を電気的に検出し、この検出信号によって測定
用マットレスの変形状態を表示することで、その表示に
誤差が生じないようにするとともに、構造の簡略化を計
り、しかも損傷しずらく、さらには上記測定用マットレ
スの最適な変形状態も併せて表示することで、利用者に
適した硬さのマットレスを選択できるようにした選択装
置を提供することにある。

［発明の構成］（課題を解決するための手段及び作用）上記課題を解決するためにこの発明は、コイルスプリ
ングを行列状に配置したスプリングユニットを有しその
上面に利用者が横たわる測定用マットレスと、上記スプ
リングユニットの長手方向に沿う複数のコイルスプリン
グの上端面あるいは下端面に一対のプレートに挟持され
て設けられ上記測定用マットレスに利用者が横たわった
ときの上記測定用マットレスに加わる圧力の分布状態を
電気的に検出する複数の検出素子と、上記測定用マット
レスの利用者に対する最適な変形状態および上記検出素
子からの検出信号による上記測定用マットレスの変形状
態をそれぞれ同一画面に折れ線グラフで表示する表示部
とを具備する。

それによって、測定用マットレスの各部に加わる圧力
の分布状態を電気的に検出し、その検出信号によって変
形状態を表示することができる。

（実施例）以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。第１図に示すマットレスの選択装置はベッドフレー
ム１を備えている。このベッドフレーム１は載置板２が
脚体３によってほぼ水平に支持されてなる。上記載置板
２上には測定用マットレス４が設けられている。この測
定用マットレス４は、上記載置板２上に多数のコイルス
プリング５を行列状に配置してスプリングユニット６を
形成し、このスプリングユニット６の上面に合成樹脂製
のネット10を介してウレタンフォームなどの弾性材７を
接合し、この弾性材７を外装地８で被覆して構成されて
いる。

測定用マットレス４の幅方向中央部分に位置する長手
方向１列の両端を除く各コイルスプリング５の上端面と
ネット10との間にはそれぞれ測定用マットレス４の上面
に加わる圧力を検出する圧力センサからなる検出素子11
が一対の比較的硬質な上下プレート12に挟持されて設け
られている。上記検出素子11は圧力検出値を電気信号に
変換して出力するもので、たとえば電気抵抗変化形、静
電容量形、電磁誘導形あるいは自己発電形などいずれの
タイプであってもよい。

各検出素子11にはそれぞれリード線13の一端が接続さ
れている。これらリード線13の他端は上記載置板２の下
面側に設けられた中継ボックス14を介して制御装置15に
接続されている。この制御装置15には、図示しないが上
記各検出素子11からの信号をデジタル信号に変換するA/
D変換器と、そのデジタル信号に応じた映像と音声とを
出力するROMカセットを備えたCPUとが内蔵されている。
上記A/D変換器で変換されたデジタル信号はCPUに入力さ
れ、このCPUから表示部としてのCRT16に伝送される。そ
れによって、CRT16には各検出素子11によって検出され
た圧力の差、つまり各検出素子11が検出する測定用マッ
トレス４の各部の変形状態（変形量）が第１の折れ線グ
ラフG₁として表示されるようになっている。

なお、CRT16には測定用マットレス４の理想的な変形
状態を示す第２の折れ線グラフG₂が予め写し出されるよ
うになっている。

つまり、制御装置15には種々の身長、体重の人が仰臥
したときに、それぞれの人の胸部と臀部との背面の接線
に対して腰部が２〜3cmの高さに収まるマットレスの変
形状態のデータが予め記憶されている。

そして、利用者Ｕが自分の身長を制御装置15に入力し
てから測定用マットレス４上に仰臥すると、検出素子11
が利用者Ｕの体重を検出する。

したがって、検出素子11が検出した体重と、予め入力
された身長に基づいて胸部と臀部との背面の接線に対し
て腰部が２〜3cmの高さに収まる変形状態が演算され、
その演算によって理想的な変形状態を示す。上記第２の
折れ線グラフG₂がCRT16に表示されるようになってい
る。

このように構成されたマットレスの選択装置を利用し
て利用者Ｕが自分に適したマットレスを選択するには、
第１図に示すように利用者Ｕが測定用マットレス４上に
仰臥する。すると、測定用マットレス４の上面には、利
用者Ｕの体重や体格に応じた荷重が加わり、その荷重が
スプリングユニット６の各コイルスプリング５に加わ
る。

各コイルスプリング５の上端面には検出素子11が設け
られているから、これらコイルスプリング５に加わる圧
力に応じた強さの電気信号が各検出素子11から出力され
る。すなわち、各検出素子11によって測定用マットレス
４の上面の圧力の分布状態が検出されるようになってい
る。

各検出素子11からの電気信号はA/D変換器によってデ
ジタル信号に変換されて制御装置15に入力される。する
と、各検出素子11からの検出値の差に応じた第１の折れ
線グラフG₁がCRT16に表示される。したがって、その第
１の折れ線グラフG₁をCRT16に予め表示された測定用マ
ットレスの理想的な変形状態を示す第２の折れ線グラフ
G₂と比較することによって利用者Ｕに適したマットレス
を選択することができる。

たとえば、測定用マットレス４の変形量が理想的な変
形量に比べて大きければ、その測定用マットレスよりも
硬いマットレスがよく、変形量が小さければやわらかな
マットレスがよいことになる。また、測定用マットレス
４の変形がほぼ理想的な変形状態であるが、部分的に大
きかったり、あるいは逆に小さいような場合には、その
部分のコイルスプリング５をその変形に応じた硬さにす
れば、利用者Ｕに適したマットレスとすることができ
る。

また、第１の折れ線グラフG₁は各検出素子11が検出す
る測定用マットレス４の上面の圧力分布状態に応じて描
かれる。上記各検出素子11がたとえば圧電ゴムなどのよ
うに測定用マットレス４の上面に加わる圧力を直接的に
検出する、たとえば電気抵抗変化形のタイプなどであれ
ば、スプリングユニット６を構成する各コイルスプリン
グ５の弾性力のばらつきに影響を受けることなく測定用
マットレス４の上面の圧力分布状態を検出する。したが
って、各検出素子11によって描かれる第１の折れ線グラ
フG₁は、各コイルスプリング５の荷重に対する変形量に
ばらつきがあっても、それに影響されることなく、正確
に描かれることになるから、利用者Ｕに適したマットレ
スの選択も確実に行なえる。

なお、上記一実施例では検出素子としての圧力センサ
をコイルスプリングの上端面に設けるようにしたが、下
端面に設けるようにしてもよい。

［発明の効果］以上述べたようにこの発明は、コイルスプリングを行
列状に配置したスプリングユニットを有しその上面に利
用者が横たわる測定用マットレスと、上記スプリングの
長手方向に沿う複数のコイルスプリングの上端面あるい
は下端面に一対のプレートに挟持されて設けられ上記測
定用マットレスに利用者が横たわったときの上記測定用
マットレスに加わる圧力の分布状態を電気的に検出する
複数の検出素子と、上記測定用マットレスの利用者に対
する最適な変形状態および上記検出素子からの検出信号
による上記測定用マットレスの利用者に対する最適な変
形状態および上記検出素子からの検出信号による上記測
定用マットレスの変形状態をそれぞれ同一画面に折れ線
グラフで表示する表示部とを具備したことを特徴とする
マットレスの選択装置にある。

したがって、このような構成により、機械的に表示し
ていた従来に比べて簡単な構造で正確に測定用マットレ
スの変形状態を表示することができる。しかも、利用者
が仰臥したときの変形状態と最適な変形状態とがそれぞ
れ同一の画面に折れ線グラフで表示されることで、その
比較を簡単かつ確実に行なうことができるから、利用者
に適した硬さのマットレスの選択も容易かつ確実に行な
える。

また、上記検出素子を測定用マットレスのスプリング
ユニットのコイルスプリングの上端面あるいは下端面に
一対のプレートで挟持して設けるようにした。そのた
め、測定用マットレスに荷重が加わることで、コイルス
プリングが圧縮変形すると、その変形による反力が上記
プレートを介して上記検出素子に確実に伝達されるか
ら、検出素子により測定用マットレスに加わる荷重を精
度よく検出することができる等の顕著な作用効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は測定用マッ
トレスを断面した装置全体の概略図、第２図は測定用マ
ットレスの一部分の拡大断面図である。４……測定用マットレス、５……コイルスプリング、６
……スプリングユニット、11……検出素子、15……制御
装置、16……CRT（表示部）。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】コイルスプリングを行列状に配置したスプ
リングユニットを有しその上面に利用者が横たわる測定
用マットレスと、上記スプリングユニットの長手方向に
沿う複数のコイルスプリングの上端面あるいは下端面に
一対のプレートに挟持されて設けられ上記測定用マット
レスに利用者が横たわったときの上記測定用マットレス
に加わる圧力の分布状態を電気的に検出する複数の検出
素子と、上記測定用マットレスの利用者に対する最適な
変形状態および上記検出素子からの検出信号による上記
測定用マットレスの変形状態をそれぞれ同一画面に折れ
線グラフで表示する表示部とを具備したことを特徴とす
るマットレスの選択装置。