JP2512119Y2 - 照明器具の引紐調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、照明器具の電源の接
続を行うスイッチと一体に連結される引紐の連結構造の
改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、照明器具の電源の接続を行うため
にスイッチと一体に連結される引紐の連結においては、
照明器具内に内蔵されるスイッチ本体に対して直接使用
者がスイッチの接続を行う引紐を連結するものが一般的
であるが、照明器具外に垂下する引紐の長さが、引紐自
体の有する公差やスイッチの取付位置の関係により異な
り、外観性の低下や使用者の不便等が発生したため、引
紐を分割して、その途中に引輪板を配置して引紐全体の
長さを等長に調整し、かつ一体に連結してなるものがあ
った。

【０００３】しかし、上記従来のものにおいて、引紐を
分割してその途中に引輪板を配置して、この引輪板への
引紐の結び付けによって引紐の長さを調節してなるもの
の場合には、構造も簡単であって、そのコストも安価で
済むものであり、更に、引紐の誤差も一定の範囲である
ならば照明器具の外観を損ねることなく調節することも
可能であるが、この引紐の調整すべき誤差が大きくなっ
た場合には、引輪板に結び付ける引紐の長さが大きくな
って、結び付けた引紐が照明器具外に垂下してしまい、
照明器具の外観を損ねることがあり、また複数の引紐の
長さを一定に調整するにあたっては、引輪板に対して繰
り返し引紐の結び付けを行わなければならなくなり、非
常に煩雑である上に、この引紐の調整作業にかかる作業
時間が膨大なものとなり、作業効率の低下が発生すると
いう欠点があった。

【０００４】そこで、スイッチから直接引き出される紐
体の先端に一体に取り付けられる係止体を、一端に引紐
を連結する孔を有し、他端には引張方向のみ係合可能な
係止歯部を有する脚部からなる調整装置本体の脚部間に
押嵌し、ストッパーによって保持、固定することで、こ
のストッパーのスライド移動によって調整装置の位置を
可変とすることにより、引紐の長さを調整することがで
きる引紐調整装置が提案された。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ものにおいては、調整装置本体の脚部間に係止体を押嵌
して、それをストッパーによって保持、固定することか
ら、係止体と脚部の間隔及び係止歯部とストッパーの各
寸法を適正に調整しないと、係止体の固定が不安定とな
ったり、あるいはストッパーのスライド移動が困難にな
るなどの障害が発生するため、上記考案の引紐調整装置
を構成する各構成部分の製作には正確性が要求され、コ
ストの増加を招来するという欠点があった。又、上記考
案の引紐調整装置を使用する際には、係止歯部やストッ
パーが外部に露出していることから、照明器具の外観を
損ねるという欠点があった。

【０００６】そこで、この考案は上記従来のものの有す
る欠点を改善するものであり、簡単な構造により引紐調
整装置の製造コストを低減し、しかも照明器具全体の美
観を向上させるものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そのために、一端におい
て、照明器具のスイッチより直接引出される紐体と接続
し、その内部において、複数の同形の係合溝を長手方向
に等間隔に配置した調整装置本体及びその本体を覆う蓋
体と、上記係合溝間に係合自在となる突起部を有する係
止体により構成し、上記調整装置本体内部の任意の係合
溝間に、照明器具外に垂下するスイッチ用引紐の末端に
取り付けられる係止体の突起部とを係合した上、スイッ
チ用引紐を調整装置本体外に垂下して、蓋体を調整装置
本体に係止することにより、上記係止体頂面を押さえつ
けスイッチと引紐を一体に連結し、調整装置内でみだり
にスイッチ用引紐が移動しないようにしてなるものであ
る。

【０００８】

【作用】上記構成を具えるので、照明器具外に垂下する
スイッチ用引紐の長さを調整するにあたって、スイッチ
用引紐が長い場合には、照明器具外に垂下するスイッチ
用引紐の末端に取り付けられる係止体を、その突起部と
調整装置本体内部に設けられる、前後を凸部により形成
される係合溝の内の上部側に存する係合溝間に係合させ
た上、スイッチ用引紐を調整装置本体下部より外部に垂
下させ、調整装置本体に蓋体を係合させることにより固
定することができ、スイッチ用引紐は係止体とともに調
整装置本体上方へ引き上げられることとなり、照明器具
外に垂下するスイッチ用引紐の長さを短くすることがで
き、一方、スイッチ用引紐が短い場合には、係止体を、
その突起部と調整装置本体内部に設けられる係合溝の内
の下部側に存する係合溝間に係合させた上、前記と同様
に調整装置本体に蓋体を係合させることにより調整装置
内でスイッチ用引紐の係止体が移動しないように固定す
ることができ、スイッチ用引紐は係止体とともに調整装
置本体下方へ引き下げられることとなり、照明器具外に
垂下するスイッチ用引紐の長さを長くすることができ
る。

【０００９】しかも、調整装置本体に蓋体を係合させる
ことによって、調整装置本体と係合している係止体を固
定することから、調整装置本体と係止体との係合部分の
取り合いには厳密さを要さず、かつ、当該係合部分を蓋
体により被覆することから、照明器具全体としての美観
をも向上させることができる。

【００１０】

【実施例】この考案を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）はこの考案の実施例を具える照明器具であ
り、この照明器具（１）は、パネル板（３）によって構
成される照明器具本体（２）内に、光源となるランプ
（４）のＯＮ、ＯＦＦを行うスイッチ（５）を内装して
なるものであり、このスイッチ（５）のＯＮ、ＯＦＦを
行うために、このスイッチ（５）に連結し、この考案の
実施例である照明器具の引紐調整装置（７）を介して、
照明器具本体（２）外に垂下するスイッチ用引紐（６）
を設けてなるものである。

【００１１】そして、スイッチ（５）と照明器具本体
（２）外に垂下するスイッチ用引紐（６）とを一体に連
結する照明器具の引紐調整装置（７）を構成する引紐調
整装置本体（８）は、照明器具（１）のスイッチ（５）
より直接引き出される紐体（９）を接続する連結孔（１
０）をその上端に有し、又、その内部には、引紐調整装
置本体（８）の有する厚さより薄手で、且つ、引紐調整
装置本体（８）の中心線に向かって相対向する長方体の
同形の係合溝を形成する凸部（１９）が、長手方向に設
けられる長溝内にあって長手方向に等間隔に設けられ係
止溝（１１）をそれぞれ形成している。そして、引紐調
整装置本体（８）下端には、スイッチ用引紐（６）を引
紐調整装置本体（８）外に垂下させる孔（１２）が設け
られ、又、引紐調整装置本体（８）左右の縁部（１４）
には複数の係止孔（１３）が設けられている。この孔
（１２）を設けたためにスイッチ用引紐（６）を点灯の
ため引張っても、後述の係止体（１５）が係合溝（１
１）より外れ、蓋体（１７）を押上げ、外に飛出すこと
がない。一方、スイッチ用引紐（６）の末端には係止体
（１５）が取り付けられ、この係止体（１５）の一面に
は、引紐調整装置本体（８）内部に設けられた前後を凸
部（１９）により形成する係合溝（１１）の相対向する
それぞれに係合する、十文字状の突起部（１６）が設け
られている。尚、この突起部（１６）を含めた係止体
（１５）の厚さは、引紐調整装置本体（８）の有する厚
さより薄手であり、又、その幅は引紐調整装置本体
（８）内部の幅よりも狭くなっている。（１７）は蓋体
であって、その有する係止突起（１８）を引紐調整装置
本体（８）に設けられた係止孔（１３）に係合させるこ
とにより、引紐調整装置本体（８）を覆い係合溝（１
１）内に嵌合する係止体（１５）は頂部を蓋体（１７）
により押さえて係止体（１５）の移動を阻止するもので
ある。

【００１２】この考案は以上の構成を具えるので、照明
器具（１）外に垂下するスイッチ用引紐（６）の長さを
調整するにあたって、スイッチ用引紐（６）が長い場合
には、照明器具（１）外に垂下するスイッチ用引紐
（６）の末端に取り付けられる係止体（１５）を、その
有する突起部（１６）により、引紐調整装置本体（８）
内部に設けられている凸部（１９）により形成される係
合溝（１１）の内の引紐調整装置本体（８）上部側に位
置する相対向し、且つ、相隣接する任意の４個の凸部
（１９）間の係合溝（１１）に係合させ、スイッチ用引
紐（６）を引紐調整装置本体（８）下端に設けられた孔
（１２）を介して引紐調整装置本体（８）外に垂下させ
た上、蓋体（１７）に設けられた係止突起（１８）と引
紐調整装置本体（８）縁部（１４）に設けられた係止孔
（１３）とを係合させて、引紐調整装置本体（８）を蓋
体（１７）により被覆し、同時に、引紐調整装置本体
（８）内に配置された係止体（１５）を固定する。この
ように、係止体（１５）が引紐調整装置本体（８）内の
上部において４個の凸部（１９）間の係合溝（１１）及
び蓋体（１７）により係合、固定されることから、同時
にスイッチ用引紐（６）も照明器具（１）側に引き上げ
られることとなり、照明器具（１）外に垂下するスイッ
チ用引紐（６）の長さを短くすることができる。

【００１３】また、一方スイッチ用引紐（６）が短い場
合には、照明器具（１）外に垂下するスイッチ用引紐
（６）の末端に取り付けられる係止体（１５）を、その
有する突起部（１６）により、引紐調整装置本体（８）
内部に設けられている凸部（１９）間の係合溝（１１）
の内の引紐調整装置本体（８）下部側に位置する相対向
し、且つ、相隣接する任意の４個の凸部（１９）間の係
合溝（１１）に係合させ、以下、前述した通りに引紐調
整装置本体（８）を蓋体（１７）により被覆することに
より、引紐調整装置本体（８）内に配置された係止体
（１５）は固定される。これにより、スイッチ用引紐
（６）は照明器具（１）側より引き下げられることとな
り、照明器具（１）外に垂下するスイッチ用引紐（６）
の長さを長くすることができる。

【００１４】

【考案の効果】以上の通り、この調整装置はスイッチか
ら直接引き出される紐体と、このスイッチを操作するた
めに照明器具外に垂下する引紐とを一体に連結するの
で、本体より引出される紐体の長さのバラツキを係合溝
により微調整できるとともに、より簡易な構成で調整装
置を製造でき、調整装置の製造コストを低減することが
できるとともに、調整装置本体が蓋体によって被覆され
ることから、係合する係止体を移動しないように係合溝
に押さえつけ、かつ係止体と係合溝とが係合する係合機
構自体が外部に露出することなく照明器具全体としての
外観性をも向上させることができるという優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を具える照明器具の部分断面
図である。

【図２】照明器具の引紐調整装置の分解斜視図である。

【図３】照明器具の引紐調整装置の取付状態を示す部分
平面図である。

【図４】調整装置本体の平面図である。

【図５】図４の側面図である。

【符号の説明】

１ 照明器具 ２ 照明器具本体 ３ パネル板 ４ ランプ ５ スイッチ ６ スイッチ用引紐 ７ 引紐調整装置 ８ 調整装置本体 ９ 紐体 １０ 連結孔 １１ 係合溝 １２ 孔 １３ 係止孔 １４ 縁部 １５ 係止体 １６ 突起部 １７ 蓋体 １８ 係止突起１９ 凸部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端において、照明器具のスイッチより
   直接引出される紐体と接続し、その内部において、複数
   の同形の係合溝を長手方向に等間隔に配置した調整装置
   本体及びその本体を覆う蓋体と、上記係合溝間に係合自
   在となる突起部を有する係止体により構成し、上記調整
   装置本体内部の任意の係合溝間に、照明器具外に垂下す
   るスイッチ用引紐の末端に取り付けられる係止体の突起
   部を係合し、蓋体により係止体を抑えてスイッチと引紐
   を一体に連結してなる照明器具の引紐調整装置。