JP2510766Y2 - タッピング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、タップを移動自在に案内し、材料面のタッ
ピング位置決めが容易で、タッピングが確実に行われる
タッピング装置に関する。

（従来の技術） 従来、タッピング装置には、材料が送り装置により送
られて、金型によりプレスして下穴加工された後、タッ
ピング加工を順送りに行うというこれらの一連の駆動装
置とタップ保持案内装置とが一体化されたものがあっ
た。

また、駆動装置とタップ保持案内装置とが分離され、
撓み継手により駆動装置の動力がタップ保持案内装置に
伝達され、テンプレートを使用してタッピングを実施す
るテンプレート方式であった。

（考案が解決しようとする課題） ところで、このようなタッピング装置には、次のよう
な問題点が指摘されていた。

前者には、 下穴の位置に合せて、装置全体を移動しなければなら
ない。

下穴とタップとの芯合せが困難である。

複数のネジ穴を同時加工する際に、製品に合せてタッ
プの保持装置を交換しなければならない。

タップの保持装置を移動可能にすることは可能である
が、その自由度が低い。

等があった。

後者には、 テンプレートは製品毎に変える必要があった。

位置決めが簡単でない。

タップの前工程である金型による下穴加工において、
材料に変形が生じた際に、テンプレートの補正が必要で
ある。

等があった。

本考案の目的は、上記問題点を改善するために、製品
の大きさ、ネジ穴の位置等の形状が変化しても、部品交
換することなく、その位置合せが簡単で、高精度なタッ
ピング装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、所定位
置に位置決めされる板状の材料に加工した下穴に係合可
能のピンを備えた位置決め治具と前記下穴にタッピング
加工を行うタップを備えたタッピングヘッドとを着脱交
換可能に支持する第１ガイドブロックを設け、前記材料
の上方位置に水平に配置した第１ガイドバーに沿って前
記第１ガイドブロックを任意の位置へ位置調節固定自在
に設け、前記第１ガイドバーを支持した第２ガイドブロ
ック41を、前記第１ガイドバーに対して直交して水平に
設けた第２ガイドバーに沿って任意の位置へ位置調節固
定自在に設けてなるものである。

（作用） 上記構成により、第１ガイドブロックに対して位置決
め治具とタッピングヘッドとが着脱交換可能であり、所
定位置に位置決めされる材料の下穴に、上記位置決め治
具に備えたピンを係合して上記第１ガイドブロックを位
置決め固定した後、上記位置決め治具に代えたタッピン
グヘッドを前記第１ガイドブロックに装着してタッピン
グ加工を行うことにより、前記下穴に正確にタッピング
加工を行うことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第９図に示すようにプレス機械１は、主として機械プ
レス3,タッピング装置5,ベッド７および機械プレス３と
タッピング装置５との駆動部11が収容されたフレーム９
から構成される一体型プレス機械である。機械プレス３
は、主として駆動部11により上下にスライドされるスラ
イド部13,このスライド部13に取付けられた上部金型15,
ベッド７上のテーブル17に載置された下部金型19および
パスライン23に沿って材料を送る送材装置21からなって
いる。

また、タッピング装置５は、主としてタッピングヘッ
ド25,駆動部11の回転をタッピングヘッド25に伝達する
ユニバーサルジョイント27,タッピングヘッド25が保持
されたガイド装置31および材料ガイド29からなってい
る。

第10図に示すようにコイル状に巻取られた材料33は、
送材装置21により送り出され、機械プレス３の金型15,1
9により下穴Ｈが加工され、タッピング装置５によりタ
ッピングされて次の工程へと搬送される。

次に、第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
第１図の平面図、第３図は第１図に示すタッピングヘッ
ドの要部断面図、第４図は位置決め治具の正面図を示
す。

ガイド装置31はタッピングヘッド25を収容する第１ガ
イドブロック35と、コの字状に形成されテーブル17（第
９図）上に設けられたブラケット37と、第１ガイドブロ
ック35を矢印方向ｐ−ｐに摺動自在に案内する第１ガイ
ドバー39と、このガイドバー39の両端を支持固定する第
２ガイドブロック41および第２ガイドブロック41を第１
ガイドバー39と直角な矢印方向ｑ−ｑに摺動自在に案内
し、両端がブラケット37に固定される第２ガイドバー43
とから構成されている。

なお、符号45,47は第１ガイドブロック35および第２
ガイドブロック41に設けられ、タッピング装置が決定し
た後に、第１および第２ガイドブロック35,41をそれぞ
れ第１および第２ガイドバー39,43に固定し位置決めす
る固定ネジである。

また、第３図に示すようにタッピングヘッド25は、主
としてスピンドル49と、タップ51と、マスター雄ネジ53
と、マスター雌ネジ55と、ホルダー57およびキャップ59
とから構成されている。

スピンドル49は、先端部にタップ51を保持するため
に、チャック61を備え、胴部にはマスター雄ネジ53が図
示されない回り止めピンおよびナットにて回り止めさ
れ、固定され、かつ回り止めピンおよび固定ネジの取り
外しにより着脱自在である。

マスター雄ネジ53は、マスター雌ネジ55に螺合され、
スピンドル49が回転されると、そのピッチに従って上下
動作を行い、スピンドル49の動作範囲を決め、タップ51
の送り量の基準となる。なお、マスター雌ネジ55は、図
示されない回り止めピンにてホルダー57に回り止めさ
れ、キャップ59にて固定される。

第４図に示すように位置決め治具63は、ボディ65と、
このボディ65内に収容されたピン67およびピン67の損傷
を防止する伸縮自在なスプリング69とからなっている。
タッピングヘッド25を第１ガイドブロック35から取外
し、位置決め治具63と交換しまたは位置目治具63を取外
し、タッピングヘッド25と交換することは容易である。

従って、ガイド装置31は、第１ガイドブロック35に取
付けられた位置決め治具63を案内して、矢印方向ｐ−p,
q−ｑに移動自在で、材料ガイド29上に送られる材料33
の下穴Ｈにピン67を挿入することによって、タッピング
位置を容易に選定できる。この選定の後、固定ネジ45,4
7により第１および第２ガイドブロック35,41をそれぞれ
固定する。

このように選定され固定されたタッピング位置は、製
品の大きさ、ネジ穴の位置等の形状の変化に拘らず、部
品交換することもなく、その位置合せが簡単で、高精度
が維持される。

次に、第５図は本考案の他の実施例の斜視面を示す。
ガイド装置71は、タッピングヘッド25または位置決め治
具63を交換自在に取付けられる取付け部73と長溝75とが
設けられた第１ガイドブロック77と、長溝79が設けられ
た２本の第２ガイドブロック81およびこの第1,第２ガイ
ドブロック77,81を連結するボルト83,ナット85,ワッシ
ャ87とからなる。

第１ガイドブロック77は、第２ガイドブロック81上に
載置され、長溝75により矢印方向ｐ−ｐに移動自在であ
る。また、第１ガイドブロック77は、第２ガイドブロッ
ク81の長溝79により、矢印方向ｑ−ｑに移動自在であ
る。このようにして、取付け部73に取付けられた位置決
め治具63により、材料33の下穴Ｈの位置を選定した後、
ボルト83,ナット85,ワッシャ87により第１および第２ガ
イドブロック77,81が固定される。

その後、位置決め治具63はタッピングヘッド25に交換
され、タッピングが実施される。なお、符号89は第２ガ
イドブロック81の長溝79内で移動可能な雌ネジ部材で、
ナット85,ワッシャ87の１枚を省略することが可能であ
る。

第６図は本考案のさらに他の実施例の斜視面を示す。
ガイド装置91は、タッピングヘッド25または位置決め治
具63を交換自在に取付けられる取付け穴93を有する取付
けブロック95と、このブロック95が載置された第１ガイ
ドブロック97と、このガイドブロック97が載置されテー
ブル17上に固定された２本の第２ガイドブロック99およ
びこの取付けブロック、第1,第２ガイドブロック95,97,
99を連結するボルト101とからなっている。

取付けブロック95は２本の長溝103を設け、第１ガイ
ドブロック97は中央部に１本の長溝105と２本の長溝107
および並列する多数の貫通穴109を設け、第２ガイドブ
ロック99はそれぞれ多数の長手方向に多数のネジ穴111
を設ける。このような長溝103,107,貫通穴109およびネ
ジ穴111により、取付けブロック95に取り付けられた位
置決め治具63が矢印方向ｐ−p,q−ｑに移動自在とな
り、材料33の下穴Ｈの位置が選定される。その後、ボル
ト101により取付けブロック95,第１および第２ガイドブ
ロック97,99がそれぞれ固定される。さらに、位置決め
治具63はタッピングヘッド25に交換され、タッピングが
実施される。

次に、第７図は本考案の参考例の斜視面を示す。ガイ
ド装置113は、先端にタッピングヘッド25または位置決
め治具63を脱着自在とする取付け部115を有する取り付
けアーム117と、先端に取り付けアーム117の他端を回転
自在に軸支する軸支部119を有する回転アーム121と、回
転アーム121の他端が回転自在に軸支される軸支部123を
有し、テーブル17上に固定された軸支台125とから構成
される。固定ネジ127,129は軸支部191,123に設けられ、
取付けアーム117,回転アーム121の回転によるタッピン
グ位置が選定された後、位置決めのために固定するもの
である。

次に、第８図は本考案の参考例の斜視図を示す。ガイ
ド装置131は、先端にタッピングヘッド25または位置決
め治具63を着脱自在とする取付け部133を有する取付け
アーム135と、この取付けアーム135のアーム部137を伸
縮自在に出入れ可能な回転支持台139とから構成され
る。従って、取付けアーム135の回転と伸縮により、タ
ッピング装置が選定された後、位置決めのための回転支
持台139に設けられた図示されない固定ネジにて固定さ
れるものとする。

なお、本考案は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、適宜の設計的変更を行うことにより、その他の態
様においても実施し得るものである。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、所定位置に位置決めされる板状の材料
（33）に加工した下穴（Ｈ）に係合可能のピン（67）を
備えた位置決め治具（63）と前記下穴（Ｈ）にタッピン
グ加工を行うタップ（51）を備えたタッピングヘッド
（25）とを着脱交換可能に支持する第１ガイドブロック
（35）を設け、前記材料（33）の上方位置に水平に配置
した第１ガイドバー（39）に沿って前記第１ガイドブロ
ック（35）を任意の位置へ位置調節固定自在に設け、前
記第１ガイドバー（39）を支持した第２ガイドブロック
41を、前記第１ガイドバー（39）に対して直交して水平
に設けた第２ガイドバー（43）に沿って任意の位置へ位
置調節固定自在に設けてなるものである。

上記構成により明らかなように、本考案においては、
第１ガイドブロック35に対して位置決め治具63とタッピ
ングヘッド25とが着脱交換可能であるから、所定位置に
位置決めされる材料33の下穴Ｈに、上記位置決め治具63
に備えたピン67を係合して上記第１ガイドブロック35を
位置決め固定した後、上記位置決め治具63に代えてタッ
ピングヘッド25を前記第１ガイドブロック35に装着して
タッピング加工を行うことにより、前記下穴Ｈに正確に
タッピング加工を行うことができるものである。

特に本考案においては、第１ガイドブロック35は第１
ガイドバー39に沿って任意の位置へ調節位置固定自在で
あり、第１ガイドバー39を支持した第２ガイドブロック
41は第１ガイドバー39に対し直交する第２ガイドバー43
に沿って任意の位置へ位置調節固定自在であるから、前
記第１ガイドブロック35に前記位置決め治具63を装着
し、当該位置決め治具63に備えたピン67を材料33の下穴
Ｈに係合して位置決めするとき、第１ガイドブロック35
の２次元的な移動を容易に行うことができ、かつ正確に
位置決めすることができるものである。

すなわち、材料33に設ける下穴Ｈの位置が２次元的に
種々変化する場合であっても容易に対応し得るものであ
り、前記下穴Ｈにタッピング加工を正確に行うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は第１図の
平面図、第３図は第１図に示すタッピングヘッドの要部
断面図、第４図は位置決め治具の正面図、第５図は本考
案の他の実施例の斜視図、第６図は本考案のさらに他の
実施例の斜視面、第７図，第８図は参考例の斜視図であ
る。第９図は本考案が実施されたプレス機械の概略構成
図、第10図は第９図における材料の順送り加工の動作説
明図である。 １…プレス機械、３…機械プレス ５…タッピング装置、11…駆動部 21…送材装置、25…タッピングヘッド 31…ガイド装置、33…材料 35…第１ガイドブロック、39…第１ガイドバー 41…第２ガイドブロック、43…第２ガイドバー 57…ホルダー、63…位置決め治具 71,91,113,131…ガイド装置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定位置に位置決めされる板状の材料（3
   3）に加工した下穴（Ｈ）に係合可能のピン（67）を備
   えた位置決め治具（63）と前記下穴（Ｈ）にタッピング
   加工を行うタップ（51）を備えたタッピングヘッド（2
   5）とを着脱交換可能に支持する第１ガイドブロック（3
   5）を設け、前記材料（33）の上方位置に水平に配置し
   た第１ガイドバー（39）に沿って前記第１ガイドブロッ
   ク（35）を任意の位置へ位置調節固定自在に設け、前記
   第１ガイドバー（39）を支持した第２ガイドブロック41
   を、前記第１ガイドバー（39）に対して直交して水平に
   設けた第２ガイドバー（43）に沿って任意の位置へ位置
   調節固定自在に設けてなることを特徴とするタッピング
   装置。