JP2510454B2 - オリゴサッカライド及びその誘導体並びにそれらの用途 - Google Patents

オリゴサッカライド及びその誘導体並びにそれらの用途

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JP2510454B2
JP2510454B2 JP4115407A JP11540792A JP2510454B2 JP 2510454 B2 JP2510454 B2 JP 2510454B2 JP 4115407 A JP4115407 A JP 4115407A JP 11540792 A JP11540792 A JP 11540792A JP 2510454 B2 JP2510454 B2 JP 2510454B2
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  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、酸性ムコ多糖類の断片を構成す
る、またはそれからなる少糖類(オリゴサッカライド)
の有機合成方法に関するものである。さらに、本発明は
これら少糖類の誘導体の合成に関するものである。
【0002】さらに、本発明は、特に薬物として興味あ
る生物学的性質および/または、たとえば実験試薬とし
て有用な生物学的性質を有する上記した種類の新規な少
糖類およびその誘導体に関するものである。
【0003】さらに、本発明はそれらの用途、特に生物
学的および生化学的用途に向けられる。
【0004】「酸性ムコ多糖類、(酸性ムコポリサッカ
ライド)」という用語は、現在グリコサミノ−グリクロ
ノグリカンとも呼ばれる誘導体を意味する。これは、た
とえばヘパリン、ヘパラン−サルフェートの誘導体のよ
うな生物学的活性誘導体の連鎖中に特に見られる少糖類
および多糖類(ポリサッカライド)に関するものであ
る。
【0005】天然物において、当該ムコ多糖類は実質的
に交互のアミノ糖−ウロン酸単位、またはその逆から構
成される。これらの単位において、で下記に示すアミ
ノ糖より詳細にはD−グルコサミン構造を有する。
呼ばれるウロン酸は、より詳細にはD−グルクロン酸ま
たはL−イズロン酸構造を有する。
【0006】に対する基本構造は、下式aに対応し、
または下式bおよびcに対応する:
【0007】
【化24】 当該天然物において、これら種々の単位は
【0008】
【化25】 結合によって立体特異的に互いに結合される。
【0009】たとえば、ヘパリンにおいては
【0010】
【化26】 の型(cとaとの間、aとbとの間およびaとcとの
間)ならびに
【0011】
【化27】 の型(bとaとの間)の結合が見られる。
【0012】さらに、天然物を参照して、上記の単位は
特定の置換基、すなわち所定位置における或る種の置換
基を含むことに注目される。たとえば、天然物の連鎖は
−O−置換単位、2−O−サルフェート−L−イズロン
酸、3−O−サルフェート−D−グルコサミン、3,6
−ジ−O−サルフェート−D−グルコサミン、6−O−
サルフェート−D−グルコサミンおよび非−O−置換単
位、たとえばD−グルクロン酸、L−イズロン酸、D−
グルコサミン単位を含有する。さらに、単位aはN−ア
セチルおよび/または−N−サルフェート基で2位がN
−置換されている。
【0013】上記酸性ムコ多糖類の治療学的用途の重要
性は、特に凝血および血管壁部の障害の予防および処置
について知られており、特に血栓症およびアテローム性
動脈硬化症および動脈硬化症の予防および処置について
知られている。
【0014】さらに、AT IIIに対する高親和性の断片
およびヘパリン鎖からの生物学的活性断片を得るための
本出願人による多くの研究が知られている。これら研究
に基づいて開発された本発明は種々の特許出願の主題で
あり、それらのうちヨーロッパ特許出願第80401425.6号
(1980年10月 6日)およびフランス特許出願第8108604
号(1981年 4月29日)がある。
【0015】ヨーロッパ特許出願においては、特に極め
て興味ある抗血栓特性を有するABCDEFGHと呼ばれる八糖
類(オクタサッカライド)が記載されており、これは次
の構造に相当する:
【0016】
【化28】 この式において、RはSO3 - 基または水素原子を示
す。
【0017】本出願人の上記フランス特許出願におい
て、構造 C′DEFGH の均一な六糖類(ヘキササッカライ
ド)組成物が記載されており、これも高度の抗血栓特性
を有する。この構造は式:
【0018】
【化29】 [式中RはSO3 - 基または水素原子を示す]に相当す
る。
【0019】この種の生成物を得るため今日まで提案さ
れている方法は、ヘパリンからのまたはヘパリンの製造
の際得られる生成物からの抽出技術或いは化学薬品もし
くは酵素剤の作用におけるヘパリン鎖の解重合技術に続
く特にアフィニティクロマトグラフィーによる特異的分
画の技術である。
【0020】この分野における本出願人の研究の結果、
この種の生成物を得る新規な手段をもたらし、さらに詳
細にはそれらを合成的に得る可能性の追及を可能にし
た。
【0021】この面において、この種の合成により生ず
る多くの問題につき対処するのが適当である。事実、一
方においてこれら生成物はその連鎖中に数種類のおよ
単位を含有し、他方においてこれら単位間の結合は
所定の立体化学に相当しかつ1,4型のものであって、
その生産は特に困難であることが周知されている。さら
に、各単位は、当該生産物の種類に応じて1個もしくは
数個の特定置換基を含んである。また、天然物における
グルコサミン単位は互いに異なる2個の含窒素基(窒素
含有基)すなわちN−アセチル基および−N−サルフェ
ート基を含むことも考慮すべきである。
【0022】その結果、この種の合成は特にL−イズロ
ン酸については今日まで化学文献中に実際上記載されて
いない。
【0023】これらの要素は全て、一般的方法および合
成方法の開発に含まれる困難性を容易に評価する限定的
要件を強調する。
【0024】この種の化合物を開発するのに適するオサ
イド合成の条件を検討することにより、本出願人は使用
物質に対する或る特定種類の保護を選択することによる
方法を開発した。
【0025】行なった研究が示すところでは、この種の
保護された物質を用いれば立体特異的連鎖の生成をもた
らし、次いで所望に応じ形成された配列中へその所定位
置に所定の置換基を導入することができた。
【0026】その重要性が示される興味ある一面によれ
ば、開発された方法は著しい融通性を有する。たとえ
ば、特に合成法に関する特異性および純度に関し有利
に、天然物に見られる特定置換基または異なる置換基お
よび/または異なる立体配置を有する同様な構造の単位
さえ含む多くの少糖類誘導体に到達することができる。
【0027】この方法により、本出願人は、特に極めて
価値ある医学的性質、より詳細には高い抗血栓活性を有
する少糖類を得た。さらに、本発明の方法は特に生物学
的試薬および/または構造研究のための比較化合物とし
て特に有益な多数の少糖類を得ることができる。
【0028】したがって、本発明の目的は、酸性ムコ多
糖類の断片を含むまたはそれに相当する少糖類およびそ
の誘導体などを合成的に製造する方法を提供することで
ある。
【0029】さらに本発明の目的は、との単位間
に所望の立体特異性においてグリコシド結合を確立させ
うる手段を提供することである。
【0030】さらに本発明の目的は、グリコシド鎖の単
位中に所定の官能基、特にたとえば生物学上活性な分子
の連鎖、特にヘパリン、ヘパラン−サルフェートの連鎖
に見られるような特定置換基を導入しうる手段を提供す
ることである。
【0031】さらに本発明の目的は、置換基および/ま
たは糖類の化学特性および/またはグリコシド間結合の
位置および立体配置および/または単糖類の立体配置お
よび/または連鎖(エンチエインメント、enchainment
)、の順序が天然物のものとは異なる、上記したよう
な少糖類の製造を可能にする手段を提供することであ
る。
【0032】他の面によれば本発明の目的は、当該合成
法の中間生産物を構成する新規な少糖類を提供すること
であり、ここで種々の単位のOH基は全て保護基により
封鎖(ブロック)され、且つ恐らく官能基の前駆体が存
在し、必要に応じこれらの官能基自身も保護される。さ
らに別の面によれば、本発明は上記天然物の構造を有す
る新規な少糖類ならびにこれら生産物の断片に相当する
少糖類を提供することを目的とする。
【0033】さらに本発明の目的は、天然物の特定置換
基を有する新規な少糖類を提供することである。
【0034】さらに本発明の目的は、当該特定置換基と
は異なる置換基を有しおよび/または上記天然物とは異
なる単位を含む新規な少糖類を提供することである。
【0035】本発明は、特に活性医薬物質、実験試薬ま
たは特にこの種の構造を含む化合物の研究に対する比較
物質としてのこれら少糖類の生物学的用途に関するもの
である。
【0036】本発明の合成方法は次の2種の化合物の反
応を行なうことを特徴とする:クルコサミン構造の
位によりそれぞれ構成されもしくは終端する化合物、特
にD−グルコサミンおよびグルクロン酸構造の単位、
特にD−グルクロン酸もしくはイズロン酸、特にL−イ
ズロン酸;単位もしくはの一方はアルコールであ
り、このアルコールのOH基は単位の場合には位置
3,4もしくは6のいずれかを占め、また単位の場合
には2,3もしくは4のいずれかを占め、他方の単位は
活性アノマー炭素を有し、すなわちアルコールのOH基
と共に所望のグリコシル化(ダリコシレーション)−O
−結合を所望の立体化学において確立し、−A−Uもし
くは−U−A配列を形成しうる反応基(反応性基)を含
む。
【0037】およびの反応基はこれら単位に存在す
る保護基および/または官能基と相容性であり;アノマ
ー炭素が活性化されているもの以外のおよびの位置
は全てOH基、アミノ基もしくはカルボキシ基またはこ
の種の基の先駆体(前駆体)を有し、これらの基は存在
する場合1種もしくは有利には数種の保護基により封鎖
され、これら種々の基は相互におよび上記の先駆体に対
し相容性であり、これらの保護基および先駆体はグルコ
シル化反応に対し不活性であって、前記反応性基と共
に、後の操作の過程で種々の位置における所定の置換基
の位置決定を可能にさせ、および場合によりこれを引き
続き行ない、出発物質を反応させる使用条件は、これら
物質の単位の構造および存在する各種置換基の性質を変
化させないように選択され、ただしグリコシド間の結合
の確立は[2−N−サルフェートもしくは(2−N−ア
セチル)−6−O−サルフェート−D−グルコサミン]
−[メチル−D−グルクロン酸]構造を有する二糖類ジ
サッカライド)の生成を伴なわないものとする。
【0038】上記の考慮により、構造との単位間
に共有結合を形成することができ、この結合は、この種
の連鎖結合(エンチエインメント)が既に考慮された生
物学的活性分子内で示す立体化学において形成される。
【0039】本発明の手段により、所望の連鎖形成を所
定の順序でおよび/または所定の立体特異性を持って形
成することができる。
【0040】したがって、本発明により提案される手段
は、特にD−グルコサミン単位とD−グルクロン酸もし
くはL−イズロン酸との間の
【0041】
【化30】 型結合、D−グルクロン酸単位とD−グルコサミン単位
との間の
【0042】
【化31】 型結合およびL−イズロン酸単位とD−グルコサミン単
位との間の
【0043】
【化32】 型結合の確立を可能にする。
【0044】この合成におけるモノ中間体もしくは少糖
類は半分開いた(semi-open )または開いた(open)生
成物である。化合物は、そのアノマー炭素において活性
化されまたは潜在的に活性化しうる化合物であって単糖
類もしくは少糖類の非還元性末端に移動(結合)させう
る場合、右側において半分開いていると呼ばれる。「左
側で半分開いた化合物」という表現は、単一の遊離もし
くは潜在的に遊離のOHを有し、特異的グルコシル化を
可能にする単糖類もしくは少糖類を意味する。例とし
て、下記式1に左側が半分開いた化合物の例を示し、式
2に右側が半分開いた化合物の例を示す:
【0045】
【化33】 したがって誘導体は上記定義において右側および左側の
両者が半分開いた誘導体である場合開いていると呼ば
れ、この種の誘導体は両方向に連鎖の延長を可能にす
る。この種の誘導体はたとえば下記式3に対応する:
【0046】
【化34】 閉鎖誘導体については、それらの置換基の性質によりそ
の単位が連鎖延長を生じえない物質である。
【0047】前記工程において形成されたA−Uもしく
はU−A配列へ単位を付加しうる他の特徴によれば、形
成される配列のおよび単位は一時的な(暫定)保護
基を含まねばならず、すなわち新たなグリコシル化反応
に関与する目的のもしくは単位の位置を選択的に封
鎖しうる基を含まねばならない。これらの基は出発物質
の単位における他の基の存在下にアルコールを生成しつ
つ除去することができ、これによりグルシド骨格のグリ
コシレーションによる延長(伸長)の前記工程を反復す
ることができる。
【0048】したがって、本発明はαもしくはβ立体特
異性および/またはaとbおよび/またはcとの間の連
鎖順序とに関し種々異なる連鎖を有する少糖類の合成方
法を提供し、ここで延長は所望のままに再現することが
できる。
【0049】さらに本発明による方法の他の特徴によれ
ば、生成したグルシド鎖を1種もしくは数種の化学反応
にかけて所定の種類の官能基または順次に数種の基を導
入し、次いで所望に応じてこれら官能基の誘導体を形成
させる。
【0050】この官能化工程は、或る種の(いくつか
の)保護基および/またはアミノ誘導体の或る種の(い
くつかの)先駆体基のみまたは保護基および/または先
駆体基の全体を除去し、その部位に所定種類の置換基も
しくは順次に異なる置換基を導入し、次いで所望に応じ
まだ封鎖されているOH基の一部もしくは全部を遊離さ
せて行なうことができる。
【0051】連鎖単位に存在する各種の基は、各工程で
導入された置換基と相容性であることが理解される。
【0052】官能化工程の際に使用される1種もしくは
それ以上の化学反応は、連鎖構造および所要に応じ維持
することが望ましい基および/または既に導入されてい
る基を変化させないように行なわれる。
【0053】上記した特定置換基を有する少糖類を得る
ための本発明の好適具体例によれば、有利には数種の保
護基、すなわち(1) 1種もしくは数種の半永久基および
(2)1種もしくは数種の永久基を有する出発物質が使用
される。
【0054】半永久基とは、グルシド骨格が多数の所望
単位を含む場合グリコシル化反応の後に、存在する他の
基の除去もしくは変化を伴わずに除去することができ、
次いでそれらの占めた位置に所望の官能基を導入しうる
基を意味する。
【0055】永久基とは半永久基の代りに官能基を導入
する際OH基を保護し続けうる基である。
【0056】これらの基は、半永久基の除去後に導入さ
れる官能基と相容性であるものから選択される。さら
に、これらはこれら官能基の位置決定のため行なわれる
反応に関し不活性な基であって、官能基が変化されるこ
となく除去しうる基である。
【0057】有利には、これら工程の実施は、および
単位が選択的に置換されたグルシド鎖の生成を可能に
する。
【0058】特に上記の生物学的活性分子のおよび/
または単位を含有する少糖類を製造するには、有利に
は、たとえばアシル基、置換されていてもよいアルキル
基またはアリール基のような保護基に頼らねばならな
い。使用される生成物の単位はその2位に窒素基(窒
素含有基)を含み、この窒素基によりこの方法で行なわ
れる操作の際窒素機能(nitrogen function )の存在を
維持することができる。この窒素基は有利にはたとえば
−N3 もしくは−NHCOO−CH2 −C6 5のよう
な基、またはアミン機能(官能基)もしくはアミン誘導
体の先駆体を構成するその他任意の基、特に−NHSO
3 - もしくは−NH−アシル、特に−NH−COCH3
によって構成される。
【0059】単位のカルボキシル基については、保護
基の置換の際用いられる反応に関し不活性であり、かつ
合成の終りに除去して塩形成の目的でカルボキシル基を
遊離しうる基によって封鎖される。カルボキシル機能の
これら保護基は有利にはアルキル基またはアリール基か
ら選択される。
【0060】グリコシル化反応の際使用される化合物の
構造は、所望のグルシド骨格の単位ならびに所望の置換
基に応じて選択される。
【0061】たとえば、−U−A−型の二糖類を生成さ
せるには、それぞれウロン酸構造とアミノ糖構造とを有
し、さらに上記の定義に相当する2種の化合物を使用す
る。
【0062】連鎖を延長させるには、当該二糖類を生成
させるために使用されるこれら化合物は、さらに新たな
(後続の)グリコシル化反応に関与させる目的の位置に
一時的な基(暫定基)を含有する。U−A二糖類を左側
へ延長化するには、この一時的な基を単位に存在さ
せ、右側に延長化させるには単位に存在させる。
【0063】かくして、特に連鎖Uw x y z を得
ることができ、ここで添字の合計は2〜12であり、w お
よびy は同時には0でない。通常の連鎖はU(A
U)n 、(AU)n A、(UA)n もしくは(AU)n
であり、ここでn は1〜6である。
【0064】本発明の方法の変法によれば、天然物の構
造に見られるA−UもしくはU−A型の変化は1種もし
くは数種のもしくは単位の代りにもしくは単位
と同等な構造を構成する糖、たとえば中性糖またはデス
オキシ糖、或いはその他のウロン酸単位または異なる配
置を有するアミノ糖もしくはAを使用して改変するこ
とができる。
【0065】本発明の方法の好適具体例においては、上
記アルコールをたとえばハロゲン化物、イミデートもし
くはオルトエステルのような反応性誘導体と反応させ
る。これらの縮合は無水条件下で行なわれる。
【0066】ハロゲン化物とアルコールとの間の縮合反
応は、有利にはケーニッヒ−クノール型(Koenigs-Knor
r type)のものである。ハロゲン化物は、有利には製造
の容易性の理由で臭化物もしくは塩化物で構成される。
【0067】操作は溶媒中、特に有機溶媒中、より好ま
しくはジクロルメタンもしくはジクロルエタン中で行な
われる。
【0068】有利には触媒を使用し、一般に銀もしくは
水銀塩、たとえばトリフルオロメタンスルホン酸銀(一
般に銀トリフレート(triflate)と呼ばれる)、炭酸
銀、酸化銀、臭化第二水銀もしくはシアン化第二水銀が
使用される。さらに、たとえばsym −コリジンのような
プロトン受容体を、恐らく存在する水および/または生
成されるハロゲン化水素酸に対する抽出剤と同様に使用
し、この抽出剤はたとえば4オングストロームのモレキ
ュラーシーブである。
【0069】反応条件の研究が示すところでは、室温ま
たは0℃もしくはそれ以下にも達しうる低温度にて、た
とえば窒素もしくはアルゴンのような不活性気体の雰囲
気中で操作するのが適している。
【0070】これらの条件は、構造aおよびbもしくは
c(またはその逆)の単位を所望の立体化学において縮
合させることができる。さらに、これらは中性の糖もし
くはデスオキシ糖との共有結合の確立を可能にする。
【0071】触媒として第二水銀誘導体、特にシアン化
第二水銀および/または臭化第二水銀を使用する変法
は、各種構造のアルコールとc構造単位のL−イドース
先駆体(L−イズロン酸)との間の共有結合を形成する
のに適することが判った。この変法においても4オング
ストロームのモレキュラーシーブが使用される。有機溶
媒はアルコールの反応性に応じて選択させる。たとえば
有利には、縮合が 100℃より高い温度を必要とする場
合、ニトロベンゼン型の溶剤が使用される。それより低
い温度については、たとえばベンゼンもしくはジクロル
メタンのような溶剤が使用される。縮合反応を行なうに
は溶剤の混合物も適している。
【0072】型の単位、特にc 単位については、有利
には反応基としてオルトエステルを使用する。次いで、
反応は好ましくは 100℃より高い温度で行なわれる。
【0073】溶媒はクロルベンゼン型のもの或いは 100
℃を越える沸点を有するその他任意の溶媒である、有利
には 100〜150 ℃の沸点を有するものである。反応を促
進するには、たとえば2,6−ジメチルピリジニウム過
塩素酸塩のような触媒を使用する。
【0074】この縮合工程の例は、構造c(L−イズロ
ン酸)の単位と構造a(D−グルコサミン)の単位との
間のグリコシド間結合を形成させるのに極めて興味ある
ことが判明した。
【0075】オルトエステル基の使用は特に二重の利点
を有する。
【0076】一方では、これはc単位のアノマー炭素に
グリコシル化反応に必要な反応性を付与することができ
る。他方では、この基の開裂はc単位の2位置に選択的
に除去しうる保護基を位置付けることができ、それによ
りその位置に特定置換基を導入することができる。
【0077】c単位の1,2−O−メトキシ−エチリデ
ン基とa単位のOH基との反応により、同時に2種の使
用化合物間のグリコシド間結合を確立しうると同時に所
定の官能基たとえば−SO3 - の導入の目的で選択的に
除去しうる−OAc 基(Acはアセチル基を示す)をc
単位の2位置に持たせることができる。この特徴は、c
単位の4位置を処理するための完全な機会を与えること
ができる。
【0078】これらの特に有利な利点は、たとえばヘパ
リン連鎖に存在するような2−O−サルフェート−L−
イズロン酸単位を提供しうることである。
【0079】イミドイル基を反応基として使用する場
合、低温度、特に約0℃以下もしくは等しい温度にて、
たとえばジクロルメタンのような溶媒中で4オングスト
ロームのモレキュラーシーブの存在下に、かつたとえば
三弗化硼素エーテル化物(エテレート)のような触媒の
存在下で操作するのが適していると判明した。
【0080】出発アルコールにおいて、遊離のOH基は
グリコシル化結合に関与することが望ましい位置を占め
る。
【0081】アルコールを適当に選択することにより、
1−2、1−3、1−4、もしくは1−6型の結合を形
成させることができる。
【0082】縮合反応の終りに形成される配列から、グ
リコシル化反応工程を反復することにより所望数の単位
を含む連鎖が生成される。
【0083】既に構成されたグルシド配列に含まれる単
もしくはの一方のアルコール機能を、次いでその
一時的保護基から遊離させるのが有利である。この基の
選択は、グルシド鎖に存在する他の基の性質に応じて当
業者により容易に決定される。
【0084】使用しうる各種の基のうちアリル基が挙げ
られ、これはたとえば先ずPd,RhおよびIr誘導体
のような異性化剤、特にTris−トリフェニルホスフィン
塩化ロジウム(I) またはカリウムt−ブトキシドで処理
し、次いで酸性条件下で特に酸化第二水銀と塩化第二水
銀との混合物で処理することにより、容易にそれが占め
た位置にアルコールを再生させることができる。
【0085】同様にして、−O−アシル基、特に−O−
アセチルもしくはO−クロルアセチル基から鹸化により
OH基を得ることができる。
【0086】これらの基は溶媒中で有利には80℃より高
い温度、好ましくは 100℃程度の温度にてチオ尿素を用
いることにより除去して、OH機能を遊離させることが
できる。
【0087】上記の処理は、選択的にA−UもしくはU
−A単位を有するグルシド鎖の生成を可能にする。
【0088】この通常の方法は、グリコシル化反応に適
当な物質を用いて改変することができる。たとえば
しくは以外の単位、特に中性の糖もしくはデスオキシ
糖を組込んだ不規則な構造を形成させることもできる。
その他の種類の不規則な構造は、数個の連続する単位
もしくは単位を2つの−UもしくはU−A構造単位
の間に加えて得ることができる。
【0089】および単位に関する本発明の各種の処
理をたとえば中性の糖もしくはデスオキシ糖のようなグ
ルシド鎖を含みうる他の単位に同様に適応しうることが
理解されよう。
【0090】上記したように、および単位に存在す
る各種の基は、これらの基に充分な反応性を付与して当
該グリコシド結合を生成させるように選択される。
【0091】上記の一時的な基とは別のOH基の保護基
は、一般にアシル基(特にアセチル、アルキル、置換ア
ルキル、たとえばベンジル)よりなる群から選択され、
2つの隣接する位置についてはアセタール基もしくはケ
タールのうち、たとえばベンジリデンが選択される。他
の型の保護は、エポキシドまたは1,6−無水架橋の形
に2つの−OH基の封鎖(ブロッキング)を行なうこと
からなっている。
【0092】有利にはグリコシル化反応で使用される化
合物は、数種の保護基を含有し、これらの基は官能化工
程の過程で1個もしくは数個の官能基の順次の導入およ
び所望に応じ1個もしくは数個のOH基の遊離を可能に
する。
【0093】一般に、保護基はグリコシル化反応で使用
される化合物の所定位置を前以って占めることができ
る。
【0094】さらに、これらはグルシド骨格が構成され
た後、他の基から導入することもできる。この変法は、
たとえば2位と3位とにおけるOH基および1位と6位
におけるOH基とが、それぞれ2,3−エポキシドおよ
び1,6−アンヒドロの無水型として封鎖された物質
をグリコシル化に使用することからなっている。この封
鎖により、グルシド骨格の生成の際、潜在的に単位を
構成するが、合成に用いられる反応を阻害しない要素を
使用することができる。この処理は、他の単位の基につ
き所望の反応を行なう巾広い自由を与えるという利点を
有する。
【0095】さらに、この場合ナトリウムアシドによる
エポキシド機能の開裂は、2位置におけるN3 基の導入
を可能にし、これはアミン機能の先駆体を構成する。
【0096】好ましくは、官能化工程の過程で1種もし
くは数種の置換基特に上記の特定置換基を順次に導入し
うるグルシド鎖を得るためには、数種の保護基すなわち
上記に定義した半永久基および永久基を含む化合物を使
用する。
【0097】上記のように、単位の2位置におけるも
のとは、別に天然物の置換基は実質的にサルフェート基
によって構成される。
【0098】適当な硫酸化(サルフェート化)条件を完
結するための本出願人の研究が示すところによれば、硫
酸化反応はベンジル基の存在下で行なうことができ、か
つ有利でさえある。この分野で認められた理論に対し、
−O−サルフェート基の存在下におけるベンジル永久基
の除去を行なうことができる。
【0099】好ましくは、硫酸化する目的の出発物質の
OH基を次いでアシル基、特にアセチル基によって保護
し、合成の終りに遊離させる目的のOH基をたとえばベ
ンジル基のような永久基によって保護する。
【0100】本発明の方法の高度な融通性により、生成
されたグルシド鎖の全てを所定の化学反応にかけて特定
種類の置換基を導入することができる。
【0101】この処理は、たとえば適当な試薬を用いる
エステル化、或いは特に硫酸化よりなっており、これは
オサイド構造を変化させない条件下で行なわれる。この
硫酸化は、特定はしないが、必要に応じ完全に保護され
たグリコシドについて行なうことができる。
【0102】本発明の好適具体例において、官能化工程
は連鎖に対し順次に数種の置換基を導入し、次いで或る
OH基を遊離させるように選択的に行なわれる。
【0103】特に有利な条件により、単位の所定位置に
サルフェート基を導入して他の位置におけるOH基を遊
離させて単位の2位置にアミノ誘導体を生成させ、か
単位の6位置に酸誘導体を生成させるが、この時使
用される単位は次の特性を有する。
【0104】これら単位の半永久基は、硫酸化する目的
の位置を占めかつ−O−アセチル基によって構成され
る。
【0105】遊離させる目的のOH基に対応する位置に
ついては、これらはベンジル基により構成される半永久
基によって占められる。
【0106】単位の2位は、たとえばN3 もしくはN
H−COO−CH2 −C6 5 のような基によって置換
され、単位の6位置はアルキル基、特にメチル基によ
り保護されたカルボキシル基によって占められる。
【0107】この条件の組合せは、たとえば次のような
官能化工程を実現化させうる。
【0108】第1に−O−アセチル封鎖基が除去された
後、サリフェート基を選択的に導入する。この反応は、
存在するベンジル基ならびに窒素含有基およびカルボキ
シル基に影響を与えないように行なわれる。
【0109】この面で有利には、たとえばソーダのよう
な強塩基を用いて鹸化反応が行われる。
【0110】この反応は、好ましくは室温以下の温度、
特に0℃に近い温度で行なわれる。
【0111】加水分解から生ずる生成物をアルキル化試
薬の作用にかけて、加水分解の際除去されることが判っ
た保護アルキル基をカルボキシル基に導入する。
【0112】硫酸化試薬との反応により、加水分解で遊
離され、かつアルキル化試薬の作用の後に遊離された位
置に硫酸基が導入される。
【0113】硫酸化に対し満足しうる反応条件は、たと
えばトリメチルアミン/SO3 - 錯体のような硫酸化試
薬を使用することである。この反応は、有利には溶媒
中、特にたとえばジメチルホルムアミドのような溶媒中
で行なわれる。好ましくは、操作は室温より高い温度、
一般に50℃近辺で行なわれ、これは約12時間の反応時間
に相当する。
【0114】アルコール機能に対し硫酸基を導入した
後、ベンジル基により封鎖されたOH基の遊離が行なわ
れる。
【0115】ベンジル基の除去は、有利にはサルフェー
ト基の維持と含窒素基からアミノ基への変換とに適合す
る条件下で接触水素化によって行なわれる。
【0116】好ましくは、操作は水素圧(hydrogen pre
ssure )の下でPd/c型の触媒の存在下で行なわれ
る。
【0117】この反応は、有利には水を補充した有機溶
媒、特にアルコール性媒体中で行なわれる。
【0118】先駆体含窒素基の水素化とOH基からの保
護基の除去とを得るには、反応を約3〜4日間行なうの
が有利である。
【0119】上記したように、アミノ官能基は生物学上
活性な分子におけるN−アセチルもしくはN−サルフェ
ート型の誘導体の型である。
【0120】N−アセチル基を生成するには、水素化反
応から生ずる生成物をアセチル化試薬にかける。この点
において、無水酢酸が特に適する試薬である。
【0121】単位上に存在する他の置換基に影響を与え
ることなくこの選択的アセチル化反応を行なうには、特
に塩基性pH、特に8に近いpHで水性媒体中で操作す
るのが適している。
【0122】さらに、N−サルフェート基を生成させる
ことが望ましく、これは上記の種類の硫酸化試薬を用い
て行なうことができる。硫酸化には、9より高いpH、
有利には9〜10のpHが使用される。
【0123】硫酸化反応の後、強酸基の添加によりカル
ボキシル基の遊離を行なうことができる。
【0124】生成された生成物は交換樹脂により適当な
カチオンで容易に塩形成させることができる。天然物に
おいて、カチオンは特にナトリウムである。したがっ
て、ナトリウム陽イオンを有する交換樹脂が有利に使用
される。
【0125】さらに、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウムの塩を形成させることもできる。
【0126】プロトン交換樹脂を使用し、次いで生成さ
れた酸をカチオンの塩基によって中和する。
【0127】さらに本発明は、上記合成法の各工程にお
ける中間体を構成する少糖類にも向けられる。
【0128】1つの種類において、これらの少糖類は少
なくとも1種の二成分A−UおよびU−A単位を包含
し、これは完全に保護されかつ還元末端の単位のアノマ
ー炭素上に反応基を有するか、或いは非還元末端の単位
上に単一の遊離OH基を有し、このOH基は単位の場
合には3,4または6位置を占め、単位の場合には
2,3または4位置を占める。
【0129】他の種類において、少糖類はたとえばグリ
コシル化工程の終りに得られるような完全保護された単
位により構成される。他の種類は、1個もしくは数個の
OH基が遊離されている生成物からなっている。
【0130】これら種々の少糖類は、構造(A−U)n
もしくは(U−A)n [式中、nは1〜6の数である]
の二成分単位に基づく連鎖から構成される。
【0131】これら少糖類はa−b、a−cの連鎖に相
当する。
【0132】本発明の中間体少糖類の1群において、グ
リコシド鎖はこれら二成分連鎖の単一種類によって構成
される。
【0133】他の群において、これら種類の数種が存在
する。
【0134】対応する少糖類はそれらの連鎖中にa−b
およびa−c単位を包含する。
【0135】1種もしくは数種の二成分単位における上
記の連鎖の順序は、本発明により逆転しうることが理解
される。
【0136】一変法によれば、上記の中間体少糖類は1
種もしくは数種の連続したaもしくはbまたはc単位を
含有する。
【0137】他の変法によれば、中間体少糖類は、それ
ら構造中に、中性の糖の1個もしくは数個の単位および
/または数個のデスオキシ糖を含有する。これら糖の種
々の保護基は、上記のおよび単位に対する定義に相
当する。
【0138】これら少糖類において、構成単位は1−
2,1−3,1−4もしくは1−6型の結合によりグリ
コシル化工程に使用されるアルコールの性質に応じて、
互いに結合される。
【0139】ヘパリンまたはヘパリン−サルフェート断
片の構造を有する少糖類は、
【0140】
【化35】 の結合を含む。
【0141】好適少糖類の1群は、
【0142】
【化36】 の構造を有する少なくとも1種の二成分単位を含有し、
すなわち
【0143】
【化37】 であり、これは式I:
【0144】
【化38】 [式中R1 は同一でも異なってもよく、必要に応じRと
一緒になって保護基特に半永久基spもしくは永久基p
を示し、Tは一時的の基tまたは永久基pまたは水素原
子を示し、Nは含窒素基、アミンまたはアミン誘導体先
駆体であり、Rは脂肪族もしくは芳香族基、特に1〜4
個の炭素原子を有するアルキル基であり、ここでORは
たとえばハロゲン化物のような反応基を示し、さらにR
はアルキル基であり、Mは酸機能を封鎖する基であり、
これら各種の記号は上記に示した意味を有する]に相当
する。
【0145】上記の種類のサブグループにおいて、基
R、R1 およびTの全ては同一であって、pまたはsp
基を示す。
【0146】他の群において、基R1 は互いに異なるも
のであり、少なくとも1つはsp型の基を示し、できれ
ばRと一緒になって1つもしくはそれ以上の他の基、R
1 はp基を示す。
【0147】式Iの記号の一般的意味は下記する種々の
群の式にも適応されることが注目される。同様にして、
これら群のそれぞれにも特に上記の下位群(サブグルー
プ)が見出される。
【0148】好適な少糖類は式(II)、(III )もしくは
(IV)に相当する:
【0149】
【化39】 上記式中、各記号は上記の意味を有する。
【0150】好ましくは、式(II)〜(IV)において、示し
た記号はそれぞれ個々に、または組合せて次の意味を有
する:Mは水素原子またはアルキル基、特にメチルを示
し、spはアシル基、特にアセチルを示し、pは置換ア
ルキル基、特にベンジルを示し、Rはαもしくはβにお
けるアシル基、特にアセチル基、アルキル基、特にメチ
ル或いは置換アルキル、特にベンジルを示し、またはO
Rはハロゲン特に臭素基もしくはイミドイル基を示し、
Nはアジド基を示し、Tはアシル基、特にアセチル、ハ
ロゲン化アシル基、特にモノクロルもしくはトリクロル
アセチル基を示す基tまたは置換アルキル基、特にベン
ジル基、場合によってはパラメトキシもしくは水素原子
を示す基pである。
【0151】少糖類の他の好適な群は、a1→4b型の
少なくとも1種の単位を包含し、すなわち[D−グルコ
サミン]1→4[グルクロン酸]であってこれは式(V)
に相当する:
【0152】
【化40】 好適な少糖類は次の式(VI)または(VII) に相当する:
【0153】
【化41】 これらの式(VI)および(VII) において記号M,N,s
p,pは好ましくは式(II)〜(IV)に関し上記した特定の
意味を有し、Rはさらに好ましくはプロペニル、アリ
ル、イミドイル基もしくは−Hを示し、ここでNはさら
に詳細には−NH−アセチル基を示す。
【0154】単位の連鎖形成の順序は逆転しうることが
思い出されるであろう。
【0155】他の好適な群において、少糖類は
【0156】
【化42】 型の少なくとも1種の二成分単位を含有し、すなわち
【0157】
【化43】 であって、式(VIII)に相当する:
【0158】
【化44】 好適な少糖類は式(IX)および(X) に相当する:
【0159】
【化45】 好適具体例において、これらの式(IX)および(X) に示し
た記号は次の意味を有する:種々のspおよびp基は同
一であってもよく、アシル基、特にアセチル基を示し、
或いは異なるものであってアシル基、特にアセチルもし
くはベンゾイルおよびアリールもしくは置換アルキル基
から選択され、Nは先駆体含窒素基、できれば(I) 〜
(V) の化合物に存在するものとは異なるものであり、特
にNHCOO−(置換アルキル基)、特に−NH−CO
O−CH2 −C6 5 基を示し、これは含窒素基を異な
る処理にかけることを可能にし、かつ単位の2位置に
おける異なるアミノ誘導体を形成することができ、Tは
アセチル、ハロゲン化アシル基、特にモノクロルもしく
はトリクロルアセチル、p−メトキシベンゾイルを示
し、記号p,MおよびRは有利には式(II)〜(IV)に関し
て上記した好適な意味を有する。
【0160】好適少糖類の二成分単位の他の種類は
【0161】
【化46】 の構造を有し、すなわち
【0162】
【化47】 であって、これは次の式(XI)に相当する:
【0163】
【化48】 特に少糖類は式(XII) および(XIII)に相当する:
【0164】
【化49】 [式中、記号の好適な意味は式(II)〜(IV)につき上記し
た意味を有する]。
【0165】本発明の範囲内に入る中間体少糖類の他の
好適種類は、合成の過程で保護基が部分的に除去されて
いる生成物に対応する。特に、この種の生成物はsp基
の代りに−OH基を含んでいる。
【0166】好適な中間体生成物は、上記した完全な八
糖類(ABCDEFGH)もしくは六糖類(C′DEF
GH)配列、(sequence)の構造を有する少糖類に対応す
る。
【0167】好ましくは、これら二糖類AB,BC,C
Dなど、三糖類ABC,BCDなど、四糖類ABCD,
BCDEなど、五糖類ABCDEなど、六糖類ABCD
EFなど、七糖類ABCDEFGもしくはBCDEFG
Hまたは八糖類自体である。
【0168】これら少糖類のうち、特に構造BC,D
E,DEF,EF,GH,FGH,EFG,EFGH,
DEFGHおよびCDEFGHを挙げることができる。
【0169】好適な中間体二糖類は式(I)〜(XIII)の
二成分単位に対応する。
【0170】中間体三糖類の好適な群は構造DEFを有
し、式(XVIII) 〜(XXI) のいずれかに対応する。
【0171】
【化50】 好ましくは、N1 及びN2 は同一もしくは互いに異なる
ものであって、アジドもしくは−NH−アシル基、特に
−NH−アセチル基を示す。
【0172】他の好適な三糖類は式:
【0173】
【化51】 のFGH型の構造を有し、上記式中、各記号は上記に示
した意味を有し、構造FおよびHの2つのグルコサミン
単位の2つの置換基N1 およびN2 は同一であるかまた
は有利には異なるものであり、天然生産物の場合と同様
であってアジドまたは−NH−COO−アシル基、特に
−NH−COO−アセチルもしくは−NH−COO−C
2 −C65 基から選択される。
【0174】他の好適な中間体少糖類は、四糖類によっ
て構成される。さらに詳細には、有利な四糖類は構造E
FGHを有し、次の式に対応する。
【0175】
【化52】 式中、異なる記号の好適な意味は式(XXII)に示したもの
対応する。
【0176】中間体少糖類の他の種類は、五糖類特に次
の式の構造DEFGHによって構成されている。
【0177】
【化53】 [式中、各記号は上記の好適な意味を有し、N1
2 ,N3 は同一もしくは互いに異なるものであって、
上記した意味から選択される。]二成分単位につき上記
したように、本発明はさらにOH基の1個、数個または
場合により全部が合成の過程で遊離される上記の少糖類
にも関するものである。
【0178】さらに、本発明は新規な化合物としてそれ
ぞれ上記の各定義に対応するが1個もしくは数個の官能
基を有する少糖類に向けられ、ただし2糖類[2−N−
サルフェート(または2−N−アセチル)−6−O−サ
ルフェート−D−グルコサミン]−メチル−D−グルク
ロン酸を除く。
【0179】これらの官能基は、好ましくはエステルに
よって構成され、より詳細には無機アニオンの形態で存
在する。
【0180】ヘパリン又はヘパラン−サルフェート型の
生物学上活性な分子に存在するため特に好適なエステル
は、硫酸エステルにより構成される。
【0181】他の有利なエステルは燐酸エステルに相当
する。
【0182】これらの官能基は、1種もしくは数種の一
級アルコールおよび/または二級アルコールおよび/ま
たは一級アミン機能によって担持される。
【0183】本発明の少糖類の好適な種類は、たとえば
上記したようなアニオンを6および/または3位置に有
するa単位を包含する。
【0184】特に好適な種類は、エステル特にサルフェ
ート基を6位置および3位置に有するa単位を含有す
る。
【0185】この種類の少糖類は、単位aの2位置に有
利にはサルフェートにより或いは他の置換基により置換
された一級アミン官能基を有する。
【0186】少なくとも2個の単位aを含有する本発明
の少糖類において、2位置におけるアミン官能基は同一
の基または異なる基によって置換することができる。
【0187】当該種類の少糖類の好適な群は、二級アル
コール、特に一級アルコール官能基上にサルフェート基
を含む単位aを包含する。
【0188】この群の好適な少糖類は、これら単位の2
位置に−NHSO3 - 基を有する。他の少糖類は−NH
−アシル基、特に−NH−アセチルを有する。
【0189】好ましくは、下記のエステルは無機もしく
は有機カチオン、特に金属カチオン(特にアルカリカチ
オン)もしくは含窒素有機塩基から生ずるカチオンたと
えばトリエチルアンモニウムとの塩として存在する。
【0190】使用するカチオンは、ナトリウムによって
構成される。他のカチオンたとえばカリウム、マグネシ
ウムまたはカルシウムカチオンのようなものも適してい
る。
【0191】本発明における他の好適な種類の少糖類に
おいて、単位bまたはcのカルボキシル基は遊離である
か、または好ましくはたとえば上記したような有機もし
くは無機カチオンとの塩の形である。これらは上記した
ように保護されていてもよい。
【0192】好適な化合物は2位置にサルフェート基を
含む単位cを含有する。
【0193】他の好適な化合物はb単位上にサルフェー
トを含有する。
【0194】これら種類の少糖類において、ピラン環の
ヒドロキシル基は遊離であるか、或いはアルキル型特に
メチル基の永久基によって保護される。
【0195】これら種々の種類の好適化合物は、上記特
性に対応する単位およびを組合せて含有する。
【0196】上記生物学上活性な分子、特に八糖類AB
CDEFGHまたは六糖類C′DEFGHにおける存在
を考慮して、好適な少糖類は上記式(I)〜(XIII)お
よび(XVIII)〜(XXIV)の化合物に対応するが、ここでs
p基はアニオンによって置換される。好適な化合物は上
記化合物の塩に対応する。
【0197】他の好適な少糖類は、a単位のN基の他に
NH−アシル基、特に−NHCOCH3 、−NHSO3
- を含む。
【0198】この種の好適な二糖類はBC,DE,EF
もしくはGH型の構造を有し、それぞれ次の式 (XXV)〜
(XXVIII)に対応する:
【0199】
【化54】 本発明の他の好適な少糖類は、次の式(XXIX)および(XX
X) を有する構造DEFまたはFGHの連鎖を含み、或
いはそれによって構成される:
【0200】
【化55】 他の好適な少糖類は次の式(XXXI)に対応する構造EFG
Hの四糖類含み、或いはそれによって構成される:
【0201】
【化56】 特に好適な他の少糖類は、次の式(XXXII) の五糖類を含
み、またはそれによって構成される。
【0202】
【化57】 特に好適である本発明の少糖類は、次の式(XXXIII)に対
応する構造CDEFGHの六糖類を含み、或いはそれに
よって構成される。
【0203】
【化58】 その他の少糖類は上記式 (XXV)〜(XXXIII)のいずれかに
対応するが、−Op基本の代りに遊離のOH基を有す
る。これらの化合物は次いで完全に「保護解除(deprote
cted) 」される。
【0204】遊離のOH基を有するものの例としては、
【0205】
【化59】 のペンタサッカライドが挙げられる。
【0206】他の少糖類において、−OSO3 - 基の部
分はOH基によって置換することができる。
【0207】好ましくは、本発明の少糖類は上記アニオ
ンと上記カチオンとの塩、好ましくは複塩を含む。その
構造により、本発明の化合物(product) は極めて興味あ
る合成中間体を構成し、生物学上活性な分子の所定の断
片または断片の誘導体の製造を可能にする。
【0208】これらは、特に構造研究のための比較化合
物を構成する。
【0209】本発明の少糖類の薬理学的研究から、或る
種のこれらの化合物が、血液凝固における或る種の段階
を特異的に抑制することができる生物学的活性を有する
ことが知見された。興味ある化合物は、たとえば硫酸化
されかつ脱保護された式(XXIX)の三糖類によって構成さ
れ、特に実施例13Aの誘導体である。
【0210】特記すべきは、硫酸化されかつ脱保護され
た式(XXXIII)の五糖類、特に誘導体50はATIII に対す
る高度の親和性が特に付与され、さらに血液の活性化X
ファクタまたはXaファクタの極めて高度な選択的抑制
活性を示す。
【0211】したがって、本発明はさらに実験室におい
て、特にXaファクタの抑制および抗トロンビンIII の
測定のレベルにおいて抗凝固活性を試験することが望ま
しい他の物質を研究するための比較要素として、有用な
生物学的試薬の成分として使用することに関するもので
ある。
【0212】D単位がN−サルフェート基を含む構造D
EFを有する式(XXIX)の三糖類は、たとえばYin-Wessle
r 試験により測定して7u/mgの程度の抗Xa活性を有
する。
【0213】実施例9の五糖類40は、ヘパリンよりも明
らかに高い(Yin-Wessler) タイターを特徴とする。
【0214】特に、この五糖類は2000u/mgに等しいま
たはそれより大きい抗Xa活性(Yin-Wessler) とATII
I に対する高度の親和性とを有する。
【0215】色原体基質を有する試験において、この活
性は4000抗Xaの単位/mgであった(TEIEN A.
M.の方法およびLIE変法:Thrombosis Research 第
10号、1977、第 388〜410 頁)この試験は、STGMA
カンパニー社により生理学的血清中の8u/mlの溶液と
して市販されているXaファクタを使用することからな
り、基質の濃度は1.33mMである。
【0216】この試験を行なうには、次のように行なう
ことができる。定量すべき溶液の10μl とトリスマレイ
ン酸塩緩衝液0.02Mで希釈されたヒト血漿の 300μl
(pH5)とを混合する。
【0217】それを37℃において1分間培養する。
【0218】上記のXaファクタ(8u/ml)の 100μ
l を加え、そして1分後に得られた溶液を基質中に注入
する。
【0219】この生成物の全抗凝固活性は、APTT試
験において極めて低く4u/mgである。
【0220】この性質は、血液凝固における或る段階に
特にチェックすることができる。
【0221】この化合物を検討すれば、強力な抗血栓活
性を発揮しうることが示される。さらに、本発明による
誘導体は血管壁部の障害、(アテローム性硬化圧および
動脈硬化症)を克服するのに極めて興味がある。
【0222】さらに、これらは赤血球凝集に対する活性
効果を持たず、かつ血小板減少症をもたらさないという
利点を有する。さらに、これは出血時間に対する作用を
実質上欠如するという利点をも有し、これにより出血の
危険性が除去される。これら2つの性質は医療用途にお
いて極めて重要である。
【0223】さらに、皮下経路によって長期にわたる薬
理学的反応が観察され、これはさらにこの化合物におけ
る著しい興味を示す。
【0224】本発明の少糖類は、さらに毒性がないので
有利である。
【0225】したがって、これらの化合物は、特に血栓
症を防止しかつ処置するのに特に有用な薬剤を開発する
のに有用である。
【0226】したがって、本発明は、さらに高度の抗X
a活性を有する前記少糖類、特に上記した五糖類を含有
する医薬組成物にも関するものである。
【0227】特に本発明は、有効量の活性成分を医薬補
助剤と共に含有する、発熱性物質を含まない医薬組成物
に関するものである。
【0228】さらに本発明は、経口投与に適する医薬ベ
ヒクルを含む組成物に関するものである。経口投与に適
する本発明の投与形態は、有利には耐胃性カプセル、ペ
レットもしくは錠剤、丸薬とすることができ、或いはリ
ポソーム型で提供することもできる。
【0229】他の医薬組成物は、これら少糖類を経腸投
与に適する補助剤と組合せて構成される。対応する投与
形態は座薬である。
【0230】本発明の他の投与形態は、エアロゾルもし
くはポマードである。
【0231】さらに本発明は、静脈内、筋肉内または皮
下内で投与するのに適する無菌もしくは殺菌しうる注射
用医薬組成物にも関するものである。
【0232】これらの溶液は、有利には少糖類1ml当り
1000〜100000u(Yin-Wessler)、好ましくは5000〜5000
0 たとえば25000 u/mlを含有し、この場合これら溶液
は皮下注射を目的とする。さらに、これらは静脈内注射
または灌流を目的とする場合は、たとえば少糖類1ml当
り 500〜10000 u特に5000uを含有することができる。
【0233】有利には、この種の医薬組成物は、使い捨
て注射器で使用しうる形態で提供される。
【0234】さらに本発明は、前記少糖類をたとえばジ
ヒドロエルゴタミン、ニコチン酸塩のような血管調整剤
またはウロキナーゼのような血栓分解剤などの血栓症の
予防および治療に対し特に有用な他の活性成分と組合せ
て含有する医薬組成物にも関するものである。
【0235】本発明の医薬組成物は、ヒトおよび動物に
おける血液凝固の或る種の段階を抑制(予防もしくは治
療)に特に適しており、患者が外科手術、アテローム過
程(process) 、腫瘍の発生および細菌性もしくは酵素性
活性物質などによる血液凝固の障害などから特に生ずる
過度凝固性の危険にさらにされた場合、特に適してい
る。
【0236】本発明を説明するため、下記にヒトにおい
て使用しうる薬量学の例を示し、この薬量学はたとえば
患者の過度凝固性もしくは血栓状態の危険レベルに応じ
て1日1〜3回1000〜25000 u(Yin-Wessler) を患者に
投与することからなり、或いは1000〜25000 u/24時間
を一定間隔で静脈内不連続投与することからなり、或い
は灌流により連続投与することからなり、或いは1000〜
25000 u(毎週3回)を筋肉内もしくは皮下内に投与す
ることからなっている(これらのタイターはYin-Wessle
r 単位として表わす)。これらの投与量は、勿論、得ら
れる結果および予め行なわれる血液分析、患者が罹患し
ている障害の性質、および一般的に健康上位に応じて、
各患者につき調整することができる。
【0237】少糖類をそのまま含有する医薬組成物の
他、本発明はさらに上記した少なくとも1種の少糖類共
有結合により可溶性支持体もしくは不溶性支持体に対し
有利には還元性末端糖により結合して含有する医薬組成
物をも目的とする。
【0238】好適な可溶性支持体に固定される結合体(c
onjugate) は、ATIII と結合した少糖類である。
【0239】五糖類49を包含するこの種の結合体が特に
好適である。この種の生産物は、ATIII の欠乏の場
合、血栓症の予防において特に興味ある薬剤となる。
【0240】可溶性支持体との他の好適な結合体は、た
とえば蛋白質、特にポリリジンもしくは牛血清アルブミ
ンのようなベヒクルに固定された少糖類から生成され
る。
【0241】これらの生成物は、正体内で生産される循
環性抗体または適当な技術により試験官内でクローン化
されるモノクローン抗体の免疫源として有用である。
【0242】その他の好適結合体におて、本発明の少糖
類は不溶性の支持体に結合される。有利には慣用の支持
体が使用される。
【0243】これらの結合体は、たとえばATIII の高
特異性の精製に対しおよびその推定に対し或いは生物適
合性重合体に対する固定による新規な血栓性の血液適合
性重合体の発現に対し、免疫吸収剤として有用である。
【0244】さらに本発明は、当該少糖類を核医療にお
ける放射線医療品として使用することにも関するもので
ある。これらの生産物は、この分野で現在使用されてい
るものから選択されるトレーサ、特にテクネチウム99m
によって標識される。
【0245】この目的で、市販の発生器から得られたテ
クネチウム99mを非反応性7価のペルテクネチン酸ナト
リウムとして4価まで還元されたテクネチウムに変換
し、この4価のものはテクネチウムの中で最も反応性の
大きいものであろう。この変換は、或る種の錫塩(塩化
第一錫)、鉄塩(硫酸第一鉄)およびチタン酸(三塩化
チタン)などの塩から得られる還元系によって行なわれ
る。
【0246】テクネチウムを当該分子へ固定されるに
は、大抵の場合テクネチウムのこの簡単な還元を所定の
pH条件下で行なえば充分である。
【0247】一方において、支持体を構成する本発明の
生産物は 100〜100 u(Yin-Wessler) の程度の投与量に
て使用することができる。
【0248】これらの放射線医薬品を得るには、P.
V.KULKARNI等の「The Journal of Nuclear M
edicine 」第21巻、第2号、第 117〜121 頁の方法にし
たがって操作することができる。
【0249】血栓症および血栓症状態の検出および長期
診断のため、このように標識された生産物が生体内試験
におて有利に使用される。
【0250】さらに本発明の少糖類は、グリコサミノグ
ルクロノグリカンの代謝に関与する多くの酵素の特異性
を測定するためにも使用することができる。
【0251】本発明のその他の有利な特性は、上記合成
に使用される化合物を例示する第1〜33図を参照して、
以下の実施例から明らかとなるであろう。
【0252】実施例1 誘導体13すなわち次式(プロプ−1′−エニル−2,3
−ジ−O−ベンジル−α−D−グリコピラノシド)ウロ
ン酸メチルの合成
【0253】
【化60】 次の段階a)〜j)に従って、グルコースからこの合成をお
こなう。
【0254】a) アリル誘導体の製造段階; b) アリル誘導体の4位および6位のベンジリデン基に
よる保護段階; c) 2位および3位へのベンジル基の導入段階; d) ベンジリデン基の除去による4位および6位の保護
基をはずす段階; e) 6位へのトリチル基の導入、続いて4位のアセチル
化反応の段階; f) 6位のトリチル基の除去段階; g) 6位の一級アルコールグループの酸化段階; h) 6位のカルボキシル基のメチル化段階; i) 1位へのプロペニル基の導入段階; j) 4位のアセチル基の除去段階; これらの段階は、以下のようにおこなった(第1図およ
び第2図参照)。
【0255】a) アリルα−D−グリコピラノシド(化
合物1)の製造 気体塩化水素酸(18g)をアリルアルコール(600ml )
に溶解した溶液を70℃に次に無水グルコース(300g) を
加えて、3時間この温度に維持する。
【0256】反応はメタノールクロロホルム(1/4,v/v)
溶媒中の薄層クロマトグラフィー(t.l.c.)で追跡し得
る。3時間後に得られる褐色溶液を真空中で乾燥濃縮さ
せ、濃アンモニア溶液(50ml)で中和し、改めて乾燥濃
縮させる。得られた残留物にアセトン(500ml) を加え、
沸騰させて全量が溶解するまでこの状態を維持する。冷
却後、この液体をデカントする。残留物に改めて同じ処
理を行う。抽出物のt.l.c.残留物が無くなるか、又は不
純物によって非常強度に汚染された抽出物が確認される
まで前記処理を行う。
【0257】抽出された第一の画分の一部分(12g)を
シリカクロマトグラフィにかける。アセトン/エーテル
混合物中で晶出し得る誘導体1を回収する(6.5g;M.P.
95−99℃)。生成物の残余は同じ過程で精製し得る。
【0258】b) アリル4,6−O−ベンジリデン−α
−D−グリコピラノシド(化合物2)を導くアリル誘導
体の4位および6位の保護 化合物1(37g)をジメチルホルムアミド(200ml)に溶
解させる。次にジメトキシトルエン(41g)を加え、続
いて水和したパラトルエンスルホン酸(130mg)を加え
る。
【0259】真空且つ還流下2時間加熱(水浴中)後、
反応が終了する(t.l.c.メタノール/クロロホルム、2/
25,v/v)。溶媒を蒸発させる。シロップをメタノール
(最小量)に溶解させる。この溶液を重炭酸ナトリウム
水溶液(水 320ml中 6.3g)中に滴下させる。得られた
沈殿物をエタノール中で再結晶させる(21g;M.P. 120
−121 ℃)。母液は更に生成物2を与える。全収率(37
g;71.4%)。
【0260】c) アリル2,3−ジ−O−ベンジル−
4,6−O−ベンジリデン−α−D−グリコピラノシド
(化合物3)を導くベンジル基の導入 化合物2(45g)を無水DMF(500ml)中に溶解させ
た。水素化ナトリウム(油中50%分散物28g)を加え
る。
【0261】30分後、混合物を0℃に冷却してから臭化
ベンジル(52ml)を滴下させて加えた。反応はt.l.c.
(エーテル/ヘキサン、1/1,v/v )で追跡する。次にメ
タノール(150ml)をゆっくりと加え、蒸発乾固させてか
らクロロホルムで再び取り出する。クロロホルム相を水
で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒の蒸発
後、残留物をエーテル/ヘキサン混合物中で結晶化させ
る(36.5g;M.P.83−84℃)。
【0262】この生成物はt.l.c.(エーテル/ヘキサ
ン、1/1,v/v)においてより高く移動する不純物によって
わずかに汚染されている。
【0263】d) アリル2,3−ジ−O−ベンジル−α
−D−グリコピラノシド(化合物4)を導くベンジリデ
ン基の除去 化合物3(56g)のメタノール(1l)溶液に水(450m
l) を加えてから、水和したパラトルエンスルホン酸(1
7g)を加える。
【0264】80℃で2時間経過後、前記混合物を放冷
し、溶媒を蒸発させてから残留物をクロロホルム(1
l)で再び取り出す。クロロホルム溶液はpHが中性にな
るまで水洗いしてから、硫酸ナトリウムで乾燥させる。
【0265】このようにして淡黄色のシロップ(48g)
を得る。このシロップを次の段階(化合物5の合成)に
使用する。
【0266】e) アリル2,3−ジ−O−ベンジル−6
−O−トリチル−α−D−グリコピラノシド(化 合物
5)及びその4−O− アセチル類似体(化合物6 a)を
連続的に導く6位へのトリチル基の導入、続いて4位の
アセチル化反応 得られた誘導体4(48g)をピリジン(250ml) に溶解さ
せて、塩化トリチル(38.5g)を加える。 100℃で1時
間後、反応を終了させる(t.l.c.エーテル/ヘキサン、
1/1,v/v )。先の溶液に無水酢酸(200ml)を加える。翌
朝、反応を完了させる(t.l.c., エーテル/ヘキサン、
1/2,v/v )。蒸発乾固させ、残留物をクロロホルム(500
ml) で再び取り出し、クロロホルム相を10%酸性硫酸カ
リウム溶液で洗浄し、水で洗浄してから、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させる。
【0267】クロロホルムを蒸発させる。このようにし
て化合物6aを得る。これをそのまま化合物7aの製造
反応に使用する。
【0268】f) アリル4−O−アセチル−2,3−ジ
−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシド(化合物7
a)を導くトリチル基の除去 得られた誘導体6aをクロロホルム(500ml) に溶解させ
る。この溶液を0℃に冷却させて、これに三フッ化ホウ
素のメタノール溶液(20%,120ml )を攪拌しながら滴
下して加える。この反応はt.l.c.(トルエン/アセト
ン、10/2,v/v)で追跡する。
【0269】反応混合物を分液ロートでデカントする。
クロロホルム相を水で洗浄し(100ml ,2回)、重炭酸
ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、次にpHが中性になるま
で水で洗浄する。乾燥及び蒸発後、得られた残留物をト
ルエン中で平衡化したシリカゲル(500g) のカラムに導
入する。重水なトルエンによって不純物の大部分を溶離
後、生成物をトルエン/アセトン混合物(10/2,v/v)によ
って溶離する。このようにして化合物7aを48g得る。
これを直接、化合物8aの合成に使用する。
【0270】化合物7aの一部分は純粋な形で得られ
る。[α]D 20=+11°(クロロホルム)。このI.R.及
びN.M.R.スペクトルによって、元素分析によると同様
に、構造を確認する。
【0271】g) (アリル−4−O−アセチル−2,3
−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシド)ウロ
ン酸(化合物8a)を導く6位の一級アルコールグルー
プの酸化 化合物7a(48g)のアセトン(800ml) 溶液を−5℃に
冷却する。次に三酸化クロム(30g)の硫酸(3.5M;12
5ml)溶液を滴下して加える。混合物を放置して室温に戻
す。反応物をt.l.c.(メタノール/クロロホルム、1/1
0,v/v)で検査する。反応終了時に反応混合物を水(500m
l) 中にあける。生成物をクロロホルムで抽出する(3
回,250ml )。クロロホルム相をpHが中性になるまで水
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて乾燥濃縮させ
る。
【0272】得られたシロップ(83g)はそのまま化合
物9aの製造に使用する。
【0273】h) (アリル−4−O−アセチル−2,3
−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシド)ウロ
ン酸メチル(化合物9a)を導く6位のカルボキシル基
のメチル化 化合物8aの製造段階で得たシロップをエーテル(300m
l)に溶解させる。ジアゾメタンのエーテル溶液を化合
物8aが消滅するまで加える(t.l.c.エーテル/ヘキサ
ン、1/1,v/v )。酢酸による酸性化の後、溶媒を蒸発さ
せる。
【0274】得られた残留物(53g)を熱エタノールに
溶解させる。誘導体9aは冷却時に晶出する。再結晶
後、純粋なこの化合物9a(18.4g)M.P.85−86℃,
[α]D 20=+12°(1,2クロロホルム)を得る。
【0275】この生成物をそのIRスペクトル、N.
M.R.スペクトル及びその元素分析によって特徴づけ
る。
【0276】再結晶濾液からもまた化合物9aを 7.6g
得る。
【0277】化合物2からの化合物9aの全収率は38%
である。
【0278】i) (プロプ−1′−エニル−4−O−ア
セチル−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピ
ラノシド)ウロン酸メチル(化合物10a)を 導く1位へ
のプロペニル基の導入 誘導体9a(4g)をエタノール(119ml) とベンゼン
(51ml)と水(17ml)との混合物に溶解させる。次にジ
アザビシクロオクタン(170mg) を加えて還流させる。沸
騰溶液に塩化トリス(トリフェニルホスフィン)−ロジ
ウム(I)(550mg) を加える。沸騰を4時間続行させる
(t.l.c., エーテル/ヘキサン、1/1,v/v)。
【0279】反応終了時に、溶液を濾過して溶媒を除去
する。残留物を酢酸エチル/クロロホルム(1/50,v/v)混
合物中でシリカゲル(150g) によるクロマトグラフィを
おこなう。化合物10aを得る(3.25g;81%)。この化
合物10aはエタノール中に晶出する。[α]D 20=+12
°(1,クロロホルム)。M.P.90℃。構造は元素分析並
びにN.M.R.及びIRスペクトルによって確認す
る。
【0280】j) (プロプ−1′−エニル−2,3−ジ
−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシド)ウロン酸
メチル(化合物13)を導く4位のアセチル基 の除去 誘導体10a(350mg) をメタノール(5ml)中に溶解させ
る。ナトリウムメタノレート(0.2ml,2M)を加える。
周囲温度で1時間後、ダウエックス50−H+ 樹脂(dowex
resin 50 −H+ )を加えて反応を停止させる。濾過
後、生成物13を得る。生成物13はα−β脱離の結果生じ
る少量の生成物によって汚染されている。
【0281】アセチル化反応を行なう代わりにベンゾイ
ル化反応を行なう段階e)の変更により、アリル−4−O
−ベンゾイル−2,3−ジ−O−ベンジル−6−O−ト
リチル−α−D−グルコピラノシド(化合物6b)を導
く。次いでトリチル基をはずし、アリル−4−O−ベン
ゾイル−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピ
ラノシド(化合物7b)を得る。
【0282】これらの反応は以下のように行なう。
【0283】化合物6b及び7bの 製造:化合物5のピ
リジン溶液に、次に塩化ベンゾイル(1.5当量) を加え
て、反応はt.l.c.(酢酸エチル/ベンゼン、1/20,v/v)
で追跡する。過剰な塩化ベンゾイルは過剰なメタノール
を加えることによって破壊させる。蒸発乾固後、残留物
クロロホルムで再び取り出し、10%のKHSO4 の溶液
で洗浄し、水で洗浄し、乾燥させて濃縮乾燥させる。得
られたシロップはそのまま化合物7bの合成に使用す
る。このシロップ(105g、化合物3を30g使用して得
た)をクロロホルム(300ml)に溶解させる。パラトルエ
ンスルホン酸(メタノール100ml 中の一水化物76g)を
加える。翌朝、反応を終了させる(t.l.c., 酢酸エチル
/クロロホルム、1/20,v/v)。クロロホルム相をpHが中
性になるまで水で洗浄し、乾燥させ、乾燥濃縮をさせ
る。得られたシロップ(98g)をシリカゲル(1.2kg) の
カラムでクロマトグラフィにかけ、クロロホルム(0.6
l) で溶離し、次に酢酸エチル/クロロホルム(1/20,v/
v)の混合物で溶離する。このようにして純粋な誘導体7
b(30g)を得る。この誘導体7bをそのまま化合物8
bの製造段階に使用する。化合物7bから、6位の−C
2 OH基を酸化し、次いで得られたカルボキシル基に
メチル基を導入し、連続的に(アリル−4−O−ベンゾ
イル−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピラ
ノシド)ウロン酸(化合物8b)及び対応するメチルエ
ステル(化合物9b)を得る。
【0284】これらの誘導体は、以下のように製造す
る。
【0285】化合物8b及びそのエ ステル9bの製造
化合物7b(27g)を、8aの製造における7aの処理
について説明した如く処理する。処理の最後に得られた
シロップは、化合物8aで説明した如くジアゾメタンで
メチル化された化合物8bを含有する。
【0286】メチル化の最後に得られた残留物を、シリ
カゲル( 200g;エーテル/ヘキサン、1/1 )で精製す
る。このようにして化合物9bを得る(21g;77.5
%)。このIR及びNMRスペクトルによって、構造を
確認する。
【0287】化合物9bから、10aに対する取扱い方法
により対応するプロペニル誘導体10bを製造する。
【0288】誘導体13は、10aに対する場合と同じ反応
により化合物10bから得られる。
【0289】他の変更により、(アリル−2,3−ジ−
O−ベンジル−α−D−グルコピラノシド)ウロン酸及
び(2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピラノ
シド)ウロン酸メチル(化合物11及び12)を製造する。
【0290】化合物8b(1.9g) をメタノール(40ml)
中に溶解させる。次にソーダ(5N)をソーダの1Mの
濃度を有するのに十分な量だけ加える。反応はt.l.c.
(メタノール/クロロホルム、1/4,v/v )で追跡する。
反応を終了させる時、水(100ml) を加える。エーテルで
洗浄し、酸性化させてからエーテルで生成物を抽出す
る。酸性のエーテル相をpHが中性になるまで水で洗浄す
る。誘導体11は単離されていない。誘導体11をジアゾメ
タンのエーテル溶液によってメチル化して化合物12を得
る(900mg ;56%)。この化合物12をシリカゲルのカラ
ム(エーテル/ヘキサン、1/1,v/v )で精製する。
[α]D 20=+35.2°(1.3 ,クロロホルム)。そのI
R及びN.M.R.スペクトル並びに元素分析によって
構造を確認する。同様の方法で、化合物9a乃至化合物
9bから誘導体11を、更に誘導体12を得ることが可能で
ある。
【0291】化合物13は、化合物12から以下の方法によ
り得られる。
【0292】誘導体12を、化合物9aについて説明した
如く、ロジウムの錯塩によって処理する。化合物13を収
率90%で得る。この化合物13はそのIR及びN.M.
R.スペクトルによって特徴づけられている。更に、無
水酢酸(180mg の化合物9aに対して1ml)で処理して
化合物10aを得る。
【0293】他の変更により誘導体13は化合物9a又は
9bから化合物11について説明した方法で化合物10a又
は10bから得ることが可能である。
【0294】実施例2 二糖20すなわち次式のメチル(1−ブロモ−3,6−ジ
−O−アセチル−2−アジド−4−O−(2,3−ジ−
O−ベンジル−4−O−クロロアセチル−β−D−グル
コピラノシル)ウロネート−β−D−グルコピラノース
の合成
【0295】
【化61】 この合成は、以下の段階(第3図及び第4図参照)を含
む。
【0296】A) 実施例1の誘導体13からの単糖16すな
わち(1−ブロモ−2,3−ジ−O−ベンジル−4−O
−クロロアセチル−α−D−グルコピラノシド)ウロン
酸メチルの製造; B) 二糖18を導く単糖17と化合物16の縮合; C) 二糖19を導く化合物18の加酢酸分解; D) 二糖20を与えるブロモ化。
【0297】A) 単糖16の製造 この合成は、単糖13すなわち(プロプ−1′−エニル−
2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシ
ド)ウロン酸メチルから次の3段階で行なわれる: 1:化合物13のクロロアセチル化; 2:アノメリック炭素の脱ブロック(unblocking); 3:アノメリック炭素のブロモ化1:化合物14すなわち(プロプ−1′−エニル−2,3
−ジ−O−ベンジル−4−O−クロロアセチル−α−D
−グルコピラノシド)ウロン酸メチルを導く化合物13の
クロロアセチル 化合物13(2.8g) をピリジン30ml(6.56mmol)中に溶解
させる。0℃に冷却後塩化クロロアセチル2mlのジクロ
ロメタン(20ml)溶液10mlを滴下して加える。30分後、
蒸発乾固し、残留物をクロロホルム 200mlで取り出し、
KHSO4 の10%溶液、水の順で洗浄し、乾燥し、濃縮
する。得られたシロップをシリカゲル(200 g;溶離液
AcOEt/ヘキサン;1/3;v/v )のクロマトグラフに
かける。このようにして 2.7gの純粋な化合物14がシロ
ップの形状で得られる(収率80%);[α]D 20=+2
°(c=1.5 ;クロロホルム)。元素分析及びN.M.
R.スペクトルにより所望の構造が確認される。
【0298】2:化合物15すなわち(2,3−ジ−O−
ベンジル−4−O−クロロアセチル−D−グルコピラノ
シド)ウロン酸メチルを導くアノメリック炭素の脱ブロ
ック 2.7g(5.3mmol) 誘導体14をアセトン/水(5/1;v/v) 混
合物80ml中に溶解させる。酸化第二水銀(3.1g) を加
え、続いて塩化第二水銀(3.9g) のアセトン(27ml)溶
液を加える。5分後、塩を濾過により除去する。濃縮乾
固後、残留物を再びクロロホルムで取り出す。クロロホ
ルム相を10%のKI溶液、水の順で洗浄する。蒸発後、
生成物を酢酸メチル/ヘキサン混合物中で結晶化させ
る。M.P. 105−107 ℃;[α]D 20= 4.7°(当量、1
クロロホルム)の固体2gを得る。元素分析及びNMR
スペクトルにより構造が確認される(収率80%)。
【0299】3:化合物16すなわち(1−ブロモ−2,
3−ジ−O−ベンジル−4−O−クロロアセチル −α−
D−グルコピラノシ ド)ウロン酸メチルを導く アノメリ
ック炭素のブロモ化 2g(43.3mmol)の化合物15をジクロロメタン50mlに溶
解させる。 sym−コリジン 4.8ml(34.4mmol)を0℃で
添加後HEPBURN D.R.及びHUDSON H.R.,J.Chem.Soc.Perki
n I (1976) 745−757 に従って製造されたブロモメチ
レンジメチルアンモニウム臭化物(17mmol)を加える。
【0300】4時間反応後、混合物をジクロロメタン 1
00mlで希釈し、次に氷水中に注ぐ。氷水で洗浄後、溶媒
を蒸発させる。シリカゲル(20g;溶離液ヘキサン/酢
酸エチル、2/1;v/v )のクロマトグラフにかけると、2.
06gのシロップの形状で化合物16が得られる(収率90
%)。[α]D 20=+82.5°(c=1.5 ;クロロホル
ム)。元素分析及びN.M.R.分析により構造が確認
される。
【0301】B) 二糖18すなわち3−O−アセチル−
1,6−アンヒドロ−2−アジド−4−O−(2,3−
ジ−O−ベンジル−4−O−クロロアセチル−β−D−
グルコピラノシル)メチルウロネートβ−D−グルコピ
ラノースの製造 この合成は、単糖16と870mg (3.8mmol)の17の縮合に基
づく。
【0302】870mg (3.8mmol) の化合物17のジクロロメ
タン溶液にドリエライト(drierite)(1g)と、粉末状
の4オングストロームモレキュラーシーブ(0.5g) と、
新たに製造された炭酸銀(0.525g) を加える。2時間攪
拌後、0℃で、化合物16を670mg (1.3mmol) 滴下して加
える。6日後、固体を濾過により除去する。濃縮後得ら
れたシロップをシリカゲル(50g;溶離液:クロロホル
ム/酢酸エチル;4/1,v/v )のクロマトグラフにかけ
る。二糖18をフォーム(foam)の形状で得る(421mg;50
%)。[α]D 20=−17°(c=1,クロロホルム)。
元素分析により構造が確認される。NMR分析により糖
間結合の立体配置が確認される。
【0303】C) 二糖18の加酢酸分解による構造19の二
糖の製造 二糖19は、二糖18を以下の如き加酢酸分解して製造され
る。
【0304】300mgの化合物18を無水酢酸4mlと新たに
蒸留されたトリフルオロ酢酸 0.5mlとの混合物中に溶解
させる。反応混合物を10時間18℃で攪拌し、次いで蒸発
乾固させ、トルエンと共に蒸発させる。残留物をシリカ
ゲル(15g)のカラムクロマトグラフにかける。ジクロ
ロメチンと酢酸エチルの混合物(19:1,v/v)により溶離に
より、構造19のアノメリック酢酸塩の混合物 282mgが無
色のシロップの形状で得られる(収率86%)。NMR分
析により決定した型から型への定量は4/1 である。
【0305】NMRスペクトルにより、所望の構造が確
認される。
【0306】D) 二糖19のブロモ化による二糖20の製造 構造19の酢酸塩の混合物にTiBr4 を作用させる。ジ
クロロメタン3mlと酢酸エチル 0.3mlの混合液中の19の
酢酸塩の混合物 140mgを、17〜18℃、乾燥したアルゴン
雰囲気下、TiBr 140mg(2当量)の存在下で20時
間攪拌する。0℃に冷却し、ジクロロメタン30mlで希釈
後、混合物を氷水、次いで5%臭化カリウム水溶液、水
で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、さらに濾過し、
蒸発させる。残留物を、シリカゲルカラム(10g)を用
いたクロマトグラフにかける。酢酸エチル/ジクロロメ
タン(19/1,v/v)混合物の溶離により、次の溶離の順で回
収される。
【0307】−無色のシロップの形状で不安定な(直
ちに次の反応をさせる)臭化物20(74mg;収率50%)。
NMRスペクトルにより所望の構造が確認される。
【0308】−未反応の出発物質に対応する画分(28
mg;収率20%)。
【0309】−部分的O−脱ベンジル化した化合物に
対応するほとんど移動しない画分。
【0310】実施例3 単糖22すなわち次式のベンジル−6−O−アセチル−3
−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシドの合成
【0311】
【化62】 この誘導体は、ベンジル−3−O−ベンジル−2−ベン
ジルオキシ−カルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D
−グルコピラノシド(誘導体21)から以下の方法(第5
図参照)により製造される。
【0312】P.C.WYSS, J.KISS, Helv.Chim.Acta, 58,
1833〜1847(1975)に従い製造された化合物21(987mg
,2mmol)の懸濁液を、無水1,2−ジクロロエタン
(15ml)中でN−アセチル−イミダゾール(新たに製造
した 2.5mmol)の存在下で30時間還流する。冷却し、ク
ロロホルム(50ml)で希釈後、有機相を1M塩素酸溶
液、水、炭酸水素塩の飽和水溶液、水で洗浄し、乾燥
(硫酸ナトリウム)し、さらに濾過、蒸留させる。残留
物をシリカゲル(50g)のカラムを用いてクロマトグラ
フにかける。ジクロロメタン/アセトン混合物(15/1,v/
v)を用いた溶離により、シロップの形状で誘導体22が得
られ、酢酸エチル/ヘキサンの混合物中で結晶化させる
(759mg ;71%)M.P. 114〜115 ℃;[α]D =+88°
(c=1,クロロホルム)。
【0313】実施例4 次式の単糖33の合成
【0314】
【化63】 合成は化合物23から次の段階でおこなう(第6図参
照)。
【0315】1) 5位のベンゾイル基の導入段階 2) 6位のカルボキシル基のメチル化段階 3) 5位のOH基の異性化段階 4) ピラン環の形成段階 1) ベンゾイル化反応 3−O−ベンジル−1,2−O−イソプロピリデン−α
−D−グルコフラノシド(化合物23)63gを無水ピリジ
ン 500ml中に溶解させる。塩化トリチル85gを加えて1
時間80℃に加熱する。このようにして化合物24を得る。
【0316】旋光度:[α]D 20=−34.7°、クロロホ
ルム。
【0317】この化合物の構造を赤外及びN.M.R.
スペクトル、元素分析によって確認した。
【0318】混合物を次に0℃に冷却し、塩化ベンゾイ
ル45mlを加える。翌朝、メタノール300mlを加えて過剰
の試薬を分解させる。得られた混合物を、蒸発乾固し、
クロロホルムで取り出す。クロロホルム相を水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮する。このように
して化合物25を得る。
【0319】得られたシロップをクロロホルム 400ml中
に溶解させる。5Mパラトルエンスルホン酸メタノール
溶液 100mlを加えた後、溶液を4℃で翌朝まで放置す
る。有機相を水で洗浄後、 215gの混合物を得る。この
混合物をシリカゲル(エーテル/ヘキサン,2/1(v/v)溶
媒)によるクロマトグラフにかける。このようにして化
合物26を36g得る。旋光度:[α]D 20=65.3°、クロ
ロホルム。化合物26の構造は赤外及びN.M.R.スペ
クトルによって確認した。
【0320】2) 6位のカルボキシル基のメチル化 化合物26(1.88g)をアセトン(20ml)に溶解させる。
CrO3 (13g)の 3.5MH2 SO4 (29ml)溶液 3.5
mlを50℃で滴下して加える。放置して温度を上昇させ、
この状態で1時間放置する。次に反応混合物を氷中に注
ぎ、生成物をクロロホルムで抽出する。水洗、乾燥後、
蒸発乾固させると、化合物27が得られる。
【0321】得られた混合物をメタノール(20ml)中に
溶解させ、次に10mlの1Nソーダを加え、翌朝まで室温
で放置する。反応混合物を、あらかじめメタノールで水
洗したH+ 形のダウエックス50樹脂のカラム(25ml)に
通す。生成物を溶出液の濃縮によって得る。このように
して化合物28を得る。
【0322】この化合物をエーテルに溶解させて、従来
の方法でジアゾメタンによってメチル化する。蒸発後、
化合物29(1.08g;70.4%)を得る。旋光度[α]D 20
=−27°,クロロホルム。
【0323】元素分析、赤外及びN.M.R.スペクト
ルによって化合物29の構造を確認する。
【0324】3) 5位の−OH基の異性化 無水トリフル(triflic anhydride) (0.8ml) のジクロロ
メタン(16ml)溶液を−20℃に冷却して、これにピリジ
ン(0.8ml) のジクロロメタン(8ml)溶液を滴下して加
える。次に−10℃において、ジクロロメタン(8ml)に
溶解させた化合物29 (800mg)を滴下して加える。−50℃
で1時間後、反応混合物を、重炭酸ナトリウム 160mgを
含有する水及び氷の混合物(8ml)中に注ぐ。有機相と
水相とが分離するまで攪拌する。有機相を3%HCl
と、H2 Oと、NaCl飽和溶液とによって洗浄し、乾
燥させ、濃縮させる。このようにして化合物30を得る。
【0325】シロップをDMF(10ml)で再び取り出
す。トリフルオロ酢酸ナトリウム(1.6g) を加えて、3
時間80℃に加熱する。このようにして化合物31を得る。
蒸発後、ジクロロメタンで再び抽出し、水洗し、乾燥さ
せ、残留物をメタノールで取り出し、次に溶媒を1時間
蒸発させる。エーテル/ヘキサン(2/1)を溶媒とす
るカラムクロマトグラフにかけると、化合物32が得られ
る(450mg:56.2%)。旋光度:[α]D 20=−33°,ク
ロロホルム。
【0326】化合物32の構造を赤外及びN.M.R.ス
ペクトル元素分析で確認する。
【0327】4) ピラン環の形成 この合成は化合物32から行う。化合物32(200mg) をトリ
フルオロ酢酸/水(9/1)の混合物に溶解させる。15
分後、溶媒を蒸発させる。残留物を酢酸エチル/ヘキサ
ン中に晶出させる。このようにして化合物33を 110mg得
る。
【0328】この誘導体の特徴は次の如くである。
【0329】赤外スペクトル:CHCl3 中cm-1単位の
γ:3450(OH),3080,3060,3030(CH2 :ベンジ
ル)及び1740(COOCH3 ) N.M.R.スペクトル:TMSを標準としてppm単
位のδ:3.75(S,3H+ ,COOMe),4.98(1H
+ ),7.30(S,5H+ ,C6 5 ) 旋光度:[α]D 20=+13°、メタノール 元素分析 C14187 理論値 実測値 C……… 56.37 56.17 H……… 6.08 5.85 M.P.…… 125−126 ℃実施例5 次式で示される誘導体38即ち3−O−ベンジル−4−O
−クロロアセチル−1,2−O−三級ブトキシエチリデ
ン−β−L−メチルイドピラヌロネートの合成
【0330】
【化64】 誘導体33とイズロン酸構造とから、以下のステップに従
って合成した(第7図参照)。
【0331】α) 誘導体33をアセチル化する; β) 得られたアノマー型アセテート34及び35の混合物
にブロム化剤(brominating agent) を作用させてアノマ
ー炭素上に臭素原子を導入する; γ) 1−及び2位でオルトエステルを形成する; δ) オルトエステルの4位でモノクロロアセチル化を
実施する。
【0332】α) 1,2,4−ト リ−O−アセチル−
3−O −ベンジル−α又はβ−L−メチルイドピ ラヌロ
ネート(誘導体34及び35)へのアセチル化反応 化合物33(3g)の無水ピリジン(20ml)と無水酢酸
(10ml)との混合溶液を、湿気を遮断して0℃で5時間
攪拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、トルエン(4×
20ml)で蒸発させ、真空乾燥させる。残渣をシリカゲル
カラム(150g) のクロマトグラフにかける。トルエン:
酢酸エチル(容量比4:1)の混合物で溶出させると、
下記の物質が順次得られる。
【0333】−フラン誘導体から成る第一画分、− 化合物34(αアノマー)、シロップ(170mg、4
%)、[α]D =−43°;(:1,クロロホルム),
N.M.R.(CDCl3 ):δ:6.23(s,1H,H
−1)。
【0334】−化合物35(βアノマー)、エーテル−
ヘキサン混合物に晶出、(2.688g,63%),M.P.: 112
−113 ℃,[α]D =+9°(:1,クロロホル
ム),N.M.R.(CDCl3 ):δ:6.08(d,1
H,H−1,J1.2 : 1.5Hz)。
【0335】上記の合成プロセスで処理するαアノマー
34とβアノマー35とは分離しない。混合物をそのままシ
ロップの形状で以後の反応に使用する。
【0336】β) 化合物36即ち2,4−ジ−O−アセ
チル−3−O−ベンジル−α−L−メチルイドピラヌロ
ニルブロミドへのブロム化反応 アセテート34及び35の混合物(212mg,0.5mM)を無水ジク
ロロメタン(5ml)と無水酢酸エチル(0.5ml) とに溶解
させる。四臭化チタン(250mg,0.7mM)を一度添加し、反
応混合物を湿気を遮断して室温で24時間攪拌する。0℃
に冷却しジクロロメタンで希釈後、有機相を氷水で(3
回)洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾燥し、濾過し蒸発
して、単色シロップ状の誘導体36(217mg,96%)を得
る。N.M.R.(CDCl3 ):δ:6.41(s,1
H,H−1)である。この化合物は極めて不安定であ
り、以後の反応に直ちに使用する。
【0337】γ) 4−O−アセチ ル−3−O−ベンジ
ル−1 ,2−O−三級ブトキシエチリデン−β−L−メ
チルイドピラヌロネートのオルトエステルの製造 (アセテート34及び35の混合物 2.122g,5mMから新し
く製造した)臭化物36の無水ジクロロメタン(20ml)溶
液を、乾燥アルゴン雰囲気下で室温で攪拌する。 sym−
コリジン(2.65ml,20mM)及び無水三級ブタノール(3
ml,30mM)を順次添加し、前記条件下で反応混合物を15
時間攪拌する。ジクロロメタン(50ml)で希釈後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を順次用いて有機相を
洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾燥し、濾過及び蒸発す
る。残渣をシリカゲルカラム(120g) のクロマトグラフ
にかける。(0.5%のトリエチルアミンを含む容量比2:
1の)ヘキサン:酢酸エチル混合物で溶出させると、化
合物37が純シロップ(1.542g,化合物34+35の70%)の
形状で得られる。
【0338】[α]D =−23°(:1,クロロホル
ム),N.M.R.(CDCl3 ):δ:5.48(d,1
H,H−1,J1.2 : 2.5Hz)。
【0339】δ) オルトエステル 37のモノクロロアセ
チル化 オルトエステル37(220mg,0.5mM)の無水メタノール(10
ml)溶液を乾燥アルゴン雰囲気中攪拌下で−20℃に冷却
する。無水炭酸カリウム(40mg)を添加し前記条件下で
反応混合物を5時間攪拌する。固体を脱水し、濾液を蒸
発させ、残渣をクロロホルム(50ml)に入れる。有機相
を速やかに氷水で(3回)洗浄し(硫酸ナトリウム)乾
燥し、濾過し蒸発させる。残渣を直ちに無水ピリジン
(4ml)と無水ジクロロメタン(2ml)とに溶解させ
る。乾燥アルゴン雰囲気下で−20℃に冷却後、(新しく
蒸留した 0.1ml,1.24mMの)塩化クロロアセチルの無水
ジクロロメタン(1ml)溶液を滴下する。前記条件下で
反応混合物を30分間攪拌し、次に水−氷混合物(100ml)
注ぐ。15分間攪拌後、混合物をクロロホルム(3×20m
l)で抽出する。氷水,2%炭酸水素ナトリウム水溶液
及び水を順次用いて有機相を洗浄し、(硫酸ナトリウム
で)乾燥し、濾過し蒸発させる。残渣を速やかにシリカ
ゲルカラム(12g)のクロマトグラフにかける( 0.2%
のトリエチルアミンを含む容量比5:2の)ヘキサン:
酢酸エチル混合物で溶出させると以下の物質が順次得ら
れる。
【0340】−不飽和化合物39(15mg,8%),− オルトエステル38シロップ(145mg,化合物12の61
%),[α]D =+19°(:1,クロロホルム),
N.M.R.(CDCl3 ):δ:5.45(d,1H,H
−1,J1.2 : 2.5Hz),5.24(d.d.,1H,H
−4,J3.4 : 2.5Hz,J4.5 : 1.5Hz),4.00
(s,2H,Cl−CH2 −COO−)。
【0341】実施例6 次式41で示される二糖即ちベンジル−6−O−アセチル
−3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−2−デオキシ−4−O−(2−O−アセチル−3
−O−ベンジル−α−L−メチルイドピラヌロニル)−
α−D−グルコピラノシドの合成
【0342】
【化65】 ステップα)に従って単糖38及び22の縮合により二糖40
を製造し、次いでステップβで4位のモノクロロアセチ
ル基を除去して所望の二糖41を得る(第8図参照)。
【0343】ステップα:二糖40即ちベンジル−6−O
−アセチル−3−O−ベンジル−2−ベンジルオ キシカ
ルボニルアミノ−2 −デオキシ−4−O−(2 −O−ア
セチル−3−O−ベンジル−4−O−クロロアセチル−
α−L−メチルイドピラヌロニル)−α−D−グルコピ
ラノシドの製造 オルトエステル38(284mg,0.6mM)とアルコール22(214m
g,0.4mM)との無水クロロベンゼン(12ml)溶液を、若
干の乾燥アルゴン流の存在下で攪拌しつつ 140℃に加熱
する。10mlの溶媒がゆっくりと蒸留した後に、(新しく
製造された 0.006mMの)2,6−ジメチルピリジニウム
過塩素酸塩のクロロベンゼン(4ml)溶液を30分間に亘
って滴下する。滴下と同時に(4mlの)溶媒を蒸留す
る。次に4mlに等しい一定の反応容量が維持されるよう
に新しい溶媒(10ml)の添加と蒸留とを同時に行ないつ
つ反応混合物を1時間攪拌する。冷却しクロロホルムで
希釈後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び水で
順次洗浄し、(硫酸ナトリウム)乾燥し、濾過し蒸発さ
せる。残渣をシリカゲルカラム(40g)のクロマトグラ
フにかける。(容量比4:3の)ヘキサン:酢酸エチル
混合物で溶出させると、下記の物質が順次得られる。
【0344】−生成物22(120mg,56%),− 二糖40,エーテル−ヘキサン混合物に晶出(112mg,
30%),MP: 144−145℃,[α]D 20=+35°(c:
1,クロロホルム),NMR(CDCl3 ):所望の構
造に一致。
【0345】ステップβ:モノクロ ロアセチル基の除去 二糖40(56mg,0.06mM)およびチオウレア(7mg,0.1m
M )を含むピリジン(2.5ml) と無水エタノール(0.5ml)
との溶液を、 100℃で30分間攪拌する。冷却後、反応混
合物を蒸発乾固し、残渣を水−クロロホルム混合物(40
ml,容量比1:1)にいれる。有機相を水洗し、(硫酸
ナトリウムで)乾燥し、濾過し蒸発させる。残渣をシリ
カゲルカラム(2g)のクロマトグラフにかける。酢酸
エチル−ヘキサン混合物(容量比2:1)で溶出させる
と、二糖41が得られる。エーテル晶出(46mg,30%),
M.P.: 146−147 ℃,[α]D =44°(c:1,クロロ
ホルム),NMR(CDCl3 ):所望の構造に一致実施例7
【0346】
【化66】 で示される四糖43の合成 四糖43は次のステップで製造される(第9図参照)。
【0347】a)実施例2及び6で合成された二糖の20及
び41の縮合、 b)形成された四糖42の4位に於ける選択的−O−デモノ
クロロアセチル化。
【0348】a)縮合反応 新しく製造した臭化物20(64mg, 80μM )化合物41(51
mg, 60μM )及びモレキュラーシーブ4オングストロー
ム(粉末,80mg)を含む無水ジクロロエタン(1.5ml )
溶液を、乾燥アルゴン雰囲気下、室温で30分間攪拌す
る。反応混合物を−20℃に冷却し、sym −コリジン(20
ml, 150μM )及び銀トリフラート(31mg, 120μM )
を順次添加する。反応混合物を1時間−20℃で攪拌し15
時間で室温に昇温させる。ジクロロメタン(50ml)で希
釈し、固体を脱水し濾液を1MのHCl冷水溶液、水
(2回)で洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾燥し濾過し
蒸発させる。
【0349】残渣をシリカゲルカラム(8g, 230-400メ
ッシュのゲル)のクロマトグラフにかける。ヘキサン−
酢酸エチル混合物(容量比4:3)で溶出させると四糖
42を無色ガラス(39%)の形状で回収し得る。[α]D
20=56°(c=0.6 ;CHCl3 )、NMRスペクトル
は所望構造に一致する。
【0350】カラムを酢酸エチル−ヘキサン混合物(容
量比2:1)で溶出させると、出発物質41が回収される
(23mg, 44%)。
【0351】b)−O−デクロロアセチル化反応 四糖42を含むピリジン1.25mlと無水エタノール0.25mlと
の混合溶液をチオウレア(7mg, 100μM )の存在下
で、 100℃で20分間加熱する。冷却、蒸発乾固後、固体
残渣を水20mlに入れ、クロロホルム(5×5ml)で抽出
する。有機相を10%硫酸水素ナトリウム水溶液、水で順
次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し蒸発させ
る。残渣をシリカゲルカラム(3g)のクロマトグラフ
にかける。酢酸エチル−ヘキサン混合物(容量比3:
2)で溶出させると、誘導体43が無色ガラス状で得られ
る(27mg, 80%)。[α]D 20=+61°(c=0.8, ク
ロロホルム);NMRスペクトル(第31図参照)は所望
構造に一致する。
【0352】実施例8 (第10図参照)
【0353】
【化67】 で示される五糖45の合成 四糖43と単糖44とで縮合反応を実施して、五糖45を得
る。
【0354】H. PAULSEN and W. STENZEL, Chem. Ber,
111(1978)2334-2347に従って製造された臭化物44(27m
g, 54μM ),四糖43(26mg, 18μM )及びモレキュラ
ーシーブ4オングストローム(粉末、50mg)のジクロロ
エタン(0.8ml )溶液を乾燥アルゴン雰囲気下、室温で
30分間攪拌後、−20℃に冷却する。sym −コリジン(16
ml, 120 μM )及び銀トリフラート(26mg, 100 μM )
を順次添加する。反応混合物を18時間攪拌すると、温度
が徐々に室温に昇温する。ジクロロメタン(50ml)で希
釈し固体を脱水し濾液を1MのHCl冷水溶液、水(2
回)で順次洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾燥し濾過し
蒸発させる。
【0355】残渣をシリカゲルカラム(8g, 230-400
メッシュのゲル)のクロマトグラフにかける。ヘキサン
−酢酸エチル混合物(容量比4:3)で溶出させると、
五糖45を無色ガラス(30mg, 90%)の形状で回収し得
る。[α]D 20=+67°(c=1;CHCl3 );NM
Rスペクトルは所望構造に一致する。特に、グルコサミ
ン単位のアノマープロトン(anomeric Protons)に対
し、5.36及び5.52ppm の転位(δ,TMS)が各々H,
F,Dに属するプロトンに対することが判明した。
【0356】実施例9 五糖50の製造 (第10図及び第11図参照) この構造は、次のステップで行なわれる。
【0357】(a) アセチル基の除去(五糖46),(b) こ
うして遊離された−OH基の硫酸化(五糖47),(c) 水
素化して、ベンジル基で保護された−OH基を遊離し且
つ−N3 基を−NH2 基に変換する(五糖48),(d) N
2 基を硫酸化し(五糖49)、次いで6位の−COOM
e をケン化する(五糖50)これらのステップは以下の如
く行なわれる。
【0358】a)誘導体45のアセ チル基の除去 五糖45(28mg)の1,2−ジメトキシエタン(2.5ml )
及びメタノール(0.8ml )溶液を攪拌し乍ら0℃に冷却
する。1Mソーダ溶液1mlを10分間で滴下する。反応混
合物を0℃で1時間攪拌し、次いで室温で12時間攪拌す
る。0℃に冷却後、1M塩酸(3ml)を添加し、ミルク
状混合物を直ちにクロロホルム(5×5ml)で抽出す
る。有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し
蒸発させる。残渣をメタノール(2ml)に入れ、ジアゾ
メタンのエーテル溶液で30分間処理する(過剰のジアゾ
メタン存在による黄色が持続するまで)。
【0359】蒸発乾固後、残渣をシリカゲルカラム(2
g, 230-400メッシュゲル)のクロマトグラフにかける。
ジクロロメタン−メタノール混合物(容量比15:1)に
より溶出させると、五糖46が無色のガラス状で回収され
る(18mg, 72%)。[α]D 20=+57°(c=1;クロ
ロホルム)。
【0360】NMRスペクトルで所望の構造が確認され
る。
【0361】b)−OH基の硫酸化 化合物46(22mg)のジエチルホルムアミド(0.5ml )溶
液に、トリエチルアミン/SO3 錯体(22mg, 2.5 当量
/OH)を添加する。反応混合物を50℃に約14時間加熱
する。次いでトリエチルアミン/SO3 錯体(10mg)を
添加し反応を24時間実施する。反応混合物にメタノール
(0.5ml )及びクロロホルム(0.5ml )を添加する。C
HCl3 /CH3 OH(容量比1:1)で平衡化させた
セファデックスLH20カラムの上端に溶液を導入する。
硫酸化生成物を含有する画分を集め、溶媒を蒸発させ
る。このようにしてガラス状物質が得られる(30mg)。
この物質をシリカゲル(10g )のクロマトグラフにかけ
る。溶出液として、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水
(容量比6:2:0.6 :1)の混合物3部と酢酸エチル
/ピリジン/酢酸/水(容量比5:5:1:3)の混合
物2部とから成る溶媒を用いる。
【0362】所望の生成物を含有する画分を集め、濃縮
する。溶媒を蒸発後、得られた残渣を水を含むメタノー
ルに溶解させ、メタノール/水混合物(容量比50:50)
で平衡化された Dowex 50W×4 ,Na+ カラムを通す。
こうして、化合物47のナトリウム塩が得られる。
【0363】c)水素化 上記で得られた生成物を水(0.3ml )を含むメタノール
(3.7ml )に溶解させる。
【0364】この溶液に触媒(Pd/C,5%,40mg)
を添加し、水素雰囲気下で5日間攪拌する。触媒を濾過
により除去後、得られた溶液をU.V.スペクトル分析
すると、ベンジル基に由来する吸収ピークが消失してい
ることが認められる。更に溶媒を蒸発させると、残渣即
ち化合物48が残る。
【0365】d)−NH 2 基の硫酸化後カルボキシル基の
ケン化 化合物48を水(4ml)に溶解させる。pHを9.5 に調整
し、溶液にトリメチルアミン/SO3 錯体(54mg)を添
加する。0.1 Nソーダの添加により反応の間pHを9.5
に維持する。
【0366】一晩経過後、更に硫酸化剤(27mg)を添加
する。最後の添加を24時間後行なう。
【0367】48時間後、ソーダ(3M,34ml)を形成さ
れた化合物に添加する。溶液を室温で3時間攪拌する
と、ウロン酸型単位のメチルエステルが加水分解され
る。次いで、反応混合物を中和し、約2mlの容量迄濃縮
する。こうして得られた溶液をセファデックスG25カラ
ム(100ml )の上端に導入し、水で溶離させる。収集し
た画分の分析をUV吸収(206nm )及びポーラロメトリ
ー(265nm )により行なう。光学活性を有する画分を集
め、溶媒を除去し、残渣を約2mlの水に入れ凍結乾燥さ
せる。
【0368】このようにして、誘導体50が白色粉末の形
状で得られる(5.6mg, 生成物45の25%)。
【0369】NMRスペクトルで所望の構造が確認され
る。特に、グルコサミン単位のアノマープロトンに対し
て、5.36, 5.45及び5.52ppm の転位(δ,TMS)が各
々H,F及びDに属するプロトンに対するものであるこ
とが認められる。
【0370】実施例10
【0371】
【化68】 で示される二糖51、即ちメチル1−プロプ−1′−エニ
ル−2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−[2− アジド
−3,4−ジ−O− ベンジル−6−O−アセチ ル−α−
D−グルコピラノシド]ウロネートの合成(第12図参
照) 単糖13(0.215g、0.5m mole )のジクロロメタン(3m
l)溶液に、単糖44(0.49g 、1m mole)のジクロロメ
タン(3ml)溶液及びモレキュラーシーブ4オングスト
ローム(粉末)を順次添加する。混合物を0℃に冷却
後、 sym−コリジン(0.16ml)及び銀トリフラート(0.
3g)を添加する。1時間後、混合物をジクロロメタン
(50ml)で希釈する。固体を脱水し、溶液を五%炭酸水
素ナトリウム溶液、水、10%硫酸水素カリウム、水で順
次洗浄する。こうして蒸発後残渣 591mgが得られる。ト
ルエン/アセトン混合物(容量比30:1)を用いてシリ
カ上で精製すると、純粋な二糖51が回収される(211mg
)。
【0372】この生成物が元素分析により確認される。
【0373】実施例11
【0374】
【化69】 で示される二糖54、即ちメチル(1−トリクロロアセチ
ミジル−2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−[2−ア
セチルアミド−2−デオキシ−3,4−ジ−O−ベンジ
ル−6−O−アセチル−α−D−グルコピラノシド]ウ
ロネートの合成(第12図参照) 二糖51(180mg )のアセトン/水混合物(容量比5:
1,6ml)溶液に、酸化水銀(232mg )及び塩化水銀の
アセトン/水混合物溶液(292mg /2ml)を順次添加す
る。
【0375】濾過、蒸発後クロロホルムに取り、10%ヨ
ウ化カリウム溶液、水で順次洗浄すると、二糖52が得ら
れる。(140mg )。
【0376】二糖52(100mg )をメタノール0.6ml に溶
解させる。この溶液に、ギ酸アンモニウム(160mg )及
び10%Pd/C触媒(100mg )を添加する。5分後、触
媒を除去し、無水酢酸(10滴)を添加する。蒸発後、得
られた生成物を、トルエン/アセトン混合物(容量比
4:1)を用いてシリカ上で精製する。こうして、二糖
53(61mg)が得られる。
【0377】二糖53が、二種の溶媒を用いたシリカプレ
ート(Merck, reference 5719 )のRfにより確認され
た。溶媒はクロロホルム/酢酸エチル(容量比3:2)
Rf=0.40とトルエン/アセトン(容量比4:1)Rf
=0.20である。
【0378】誘導体53(60mg)をジクロロメタン(1.5m
l )に溶解する。次いでトリクロロアセトニトリル(75
μml)及び水素化ナトリウム(1.5mg )を添加する。15
分後、誘導体53が消失し、誘導体54が優勢となる。濾過
及び蒸発後54が得られる(67mg)。クロロホルム/酢酸
エチル(容量比2:1;Rf=0.59)を用いたシリカプ
レート(Merck, reference 5719 )のRfにより、誘導
体54が確認される(化合物53のRf=0.37である)。
【0379】実施例12
【0380】
【化70】 で示される誘導体57、即ちメチル1,6−アンヒドロ−
2,3−エポキシ−4−O−[2,3−ジ−O−ベンジ
ル−4−O−アセチル−ウロネート]−α−D−グルコ
ピラノシドの合成 この合成は誘導体55及び56から行なう(第13図参照)。
【0381】a)メチル(ブロモ−2,3−ジ−O−ベン
ジル−4−O−アセチル−D−グルコピラノシド)ウロ
ネート−化合物55−の製造(第13a 図参照)化合物1dの合成 化合物1a(32g, 85.5m mole )のピリジン(250ml )
溶液に塩化トリチル(28.6g, 1.2eq)を添加し、80℃に
加熱する。更に塩化トリチル(4.6g, 0.2eq )を反応3
時間後添加する。1bが完全に形成された後(t.l.c.シ
リカ;メタノール/クロロホルム、容量比1:20)、溶
液を0℃に冷却し、塩化ベンゾイル(15ml, 1.5eq )を
添加する。一晩後、1cが定量的に形成される。メタノ
ール(1.5ml )を反応混合物に滴下後、濃縮乾固させ
る。得られた残渣をパラトルエンスルホン酸(95g )含
有のメタノール(500ml )に取る。反応2時間後、反応
混合物を氷水(12l )を含む分液ロートに移す。生成物
1dをクロロホルムで抽出後、以下のステップにそのま
ま使用する。
【0382】この生成物の一部を精製し、IRスペクト
ル分析で構造を確認する。生成物は無色のガム状であ
る。[α]D 20=−61°(クロロホルム)。
【0383】化合物1kの合成 前記ステップで得られた生成物(95g )をアセトン(1
l )に溶解させ、この溶液を0℃に冷却後、酸化クロム
(52g )の3.5 M硫酸(220ml )溶液を滴下する。反応
2時間後、反応混合物を氷水(1l )に注ぐ。生成物1
eをクロロホルム(5×200ml )で抽出する。クロロホ
ルム相をpH中性まで洗浄し、乾燥し、濃縮乾固させ
る。
【0384】得られた残渣をメタノール(650ml )に溶
解させ、ソーダ水溶液(20g /50ml)を滴下し、混合物
を50℃に加熱する。一晩後、得られた溶液を部分的に濃
縮し、水(1.5l)に注ぐ。水相をエーテルで洗浄し、塩
酸で酸性化後、生成物1fをエーテルで抽出する。エー
テル相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固させると、
1eを含む黄色の固り(50g )が得られる。
【0385】この残渣(50g )を酢酸/トリフロロ酢酸
混合物(容量比15:1,615ml )に溶解させる。この
溶液を 100℃で攪拌し、水(160ml )を添加する。
【0386】一晩経過後、蒸発乾固させ微量の酢酸を除
去し、トルエンを蒸発させる。未加水分解の1f及び1
gから一部形成された残渣をエーテル(400ml )に溶解
する。
【0387】完全にメチル化される迄、この溶液に0℃
でジアゾメタンのエーテル溶液を添加する(t.l.c.シリ
カ、エーテル/ヘキサン、容量比2:1)。次いで、過
剰のジアゾメタンを酢酸で分解し、反応混合物を濃縮乾
固させる。
【0388】残渣をシリカゲルカラム(200g)で精製す
る。カラムにはまず純粋なクロロホルム、次いでクロロ
ホルム/エーテル混合物(容量比3:1)を流す。こう
して1kが得られる(8.6g, 22.2m mole, 1aの26
%)。
【0389】誘導体1kを晶出させる。m.p.122-123
℃、元素分析、NMRスペクトルによりその構造が確認
される。
【0390】化合物1lの合成 1k(3.9g, 10m mole)のピリジン(50ml)溶液に、無
水酢酸、(4ml, 42mmole)を添加する。2時間後、反
応混合物を蒸発乾固させる。こうして1lが得られる
(4.62g, 98 %)。
【0391】化合物55の合成 1l(1.4g)のジクロロメタン(30ml)及び酢酸エチル
(3ml)溶液に、四臭化チタン(1.5g)を添加する。溶
液を一晩室温で攪拌する。ジクロロメタンで希釈後、反
応混合物を氷水に注ぐ。有機相を5%重炭酸ナトリウム
水溶液で洗浄し、乾燥し、濃縮させる。残渣をシリカ
(50g, エーテル/ヘキサン,容量比1:1)のクロマ
トグラフにかける。
【0392】こうして化合物55が無色のシロップ状で得
られる(920mg, 62 %)。[α]D 20=+97.5(c=
1,クロロホルム)。元素分析及びNMRスペクトルで
構造が確認される。
【0393】b)誘導体56(432mg, 3m mole)のジクロ
ロメタン(10ml)溶液を、4オングストロームモレキュ
ラーシーブ(0.5g),ドリエライト(drierite, 1g )
及び新しく製造した炭酸銀(0.42g )の存在下、0℃で
攪拌する。0℃に冷却後、化合物55(490mg, 1m mol
e)のジクロロメタン(6ml)溶液を滴下する。反応を
2時間続ける。その後反応混合物を濾過する。蒸発乾固
し、残渣をシルカゲルのクロマトグラフにかけると(溶
媒:酢酸エチル/クロロホルム、容量比1:6)、誘導
体57が得られる(285mg ;51%)。
【0394】誘導体57の構造が、元素分析及びNMRス
ペクトルにより確認される。[α]D 20=39°(クロロ
ホルム);MP= 156−159 ℃。
【0395】実施例13
【0396】
【化71】 で示される誘導体59の合成 三糖59を、以下の如く操作して(実施例12の化合物57の
4位のアセチル基を除去して得られた)二糖58と単糖44
とを反応させて製造する(第13図参照)。
【0397】化合物57の脱アセチル化反応:二糖57(26
0mg )のメタノール(25ml)溶液に、0℃で1Nソーダ
溶液(25ml)を添加する。1時間後、混合物を1N塩酸
(30ml)の添加により酸性化する。生成物をクロロホル
ムで抽出する。蒸発後、残渣を酢酸エチル/ヘキサン混
合物に晶出させる。誘導体58が得られる(167mg, 70
%)。
【0398】[α]D 20=−31°(クロロホルム)、M
P=169-170 ℃。
【0399】誘導体58の構造が更にNMRスペクトルで
確認される。
【0400】二糖58と単糖44 との縮合:化合物44(300m
g )と58(155mg )のジクロロメタン(5ml)溶液に、
4オングストロームシーブ(粉末,500mg ),コリジン
(100 μl )及び銀トリフラートを順次添加する。15分
後、溶液をジクロロメタン(50ml)で希釈し、濾過し、
水、10%硫酸水素カリウム溶液、水で順次洗浄する。乾
燥し濃縮後、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフ
にかけ、酢酸エチル/クロロホルム混合物(容量比1:
10)を通す。こうして誘導体59が白色フォーム状で得ら
れる。
【0401】誘導体59の構造を元素分析、NMRスペク
トル、旋光度([α]D 20=+25°;クロロホルム)で
確認する。
【0402】実施例13A
【0403】
【化72】 で示される三糖の合成 二糖20を、上記した四糖EFGHの合成と同じ条件下で
メタノールと反応させた。こうしてβ−メチルグリコシ
ドが得られる。MCA基を都合良く除去し、次いで二糖
に五糖の製造と同じ条件下で単糖44を作用させる。
【0404】得られた三糖を保護及び機能化の目的で通
常の反応を行う。構造をNMRスペクトルで確認する。
【0405】実施例14
【0406】
【化73】 で示される三糖62の合成 この三糖62を a)グルコサミン単位の2位のN3 基の−NHAc 基への
変換, b)還元末端のある単位の2,3−エポキシ架橋の開放, c)同単位のアンハイドロ−1,6架橋の開放,ステップ
により製造する(第14図参照)。
【0407】a)−N 3 から−NHA c への変換:誘導体
59(10mg)のDMF/エタノール混合物(1/1,1m
l)溶液に、触媒Pd/CaCO3 (5%,5mg)を添
加する。懸濁液を1気圧の水素圧力下で96時間攪拌す
る。
【0408】触媒を濾過し蒸発後、残渣をメタノールに
溶解させ、無水酢酸を1滴添加してアセチル化する。誘
導体60が定量的に得られる。
【0409】誘導体60の構造がNMRスペクトル、元素
分析、旋光度([α]D 20=+35.5°;クロロホルム)
で確認される。MP=147-149 ℃。
【0410】b)エポキシ架橋の開裂:誘導体58の合成と
同様にして誘導体60をケン化して、非還元末端単位の6
位にあるアシル基と中間単位の5位にあるメチルエステ
ル基を除去する。
【0411】抽出後、残渣をDMFに溶解させ、ナトリ
ウムアジドの存在下で 120℃に48時間加熱する。蒸発
後、クロロホルムで抽出し、0.1 N−HCl、水で順次
洗浄し、乾燥させ次いで溶媒を蒸発すると、残渣が得ら
れる。この残渣をジアゾメタンで処理し、(ピリジン−
無水酢酸)でアセチル化すると化合物61が得られる。
【0412】c)アンハイドロ架橋の開裂:化合物61を−
20℃、通常の条件下(無水酢酸、硫酸)で酸化分解す
る。反応混合物を処理後誘導体62が得られる。
【0413】実施例15
【0414】
【化74】 で示される誘導体63の合成(第14図参照) 実施例14で得られた誘導体62を、四臭化チタンのジクロ
ロメタン及び酢酸エチル溶液で処理すると、ハロゲン化
物63が得られる。その構造がNMRスペクトルにより確
認される。元素分析値は理論通りである。
【0415】実施例16
【0416】
【化75】 で示される単糖68、即ちメチル2−アセトアミド−3,
6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコ
ピラノシドの合成 この合成は、Journal of Chemical Society 1941, page
s 50-51 に収載されているA. Neubergerの方法により製
造させた単糖64から、以下の4ステップで行う(第15図
参照)。
【0417】1)3位の−OH基のベンジル化, 2)ベンジリデン基を除去して4及び6位の−OH基を遊
離する、 3)6位の−OH基のトシル化, 4)6位の−OTs 基のベンジレートによる置換。
【0418】ステップ1:ベンジル化反応 化合物64(6.5g, 20.10mM)のジメチルホルムアミド
(120ml )溶液に、水酸化バリウム8水和物(3.6g)及
び酸化バリウム(166g)を添加した。10分後室温で攪拌
し、臭化ベンジル(4.5ml )を滴下する。反応を1晩継
続する。クロロホルム(100ml )で希釈後、反応混合物
をセリット(Celite)を用いて濾過する。濾液を濃縮乾
固させる。こうして白色残渣が得られる。この残渣を薄
層クロマトグラフ分析すると単一の物質即ち誘導体65を
含有していることが認められる。誘導体65を以下のステ
ップでそのまま使用する。
【0419】ステップ2:ベンジリデン基の除去 前ステップで得られた残渣をメタノール(370ml )と水
(130ml )の混合物に溶解させる。この溶液に、パラト
ルエンスルホン酸1水和物(3g )を添加し、混合物を
一晩還流させる。冷却後、メタノールの大部分を蒸発さ
せ、水(250ml)を添加する。少量のクロロホルム(100
ml )で洗浄後、水相を以下の如く処理する。
【0420】1)バリウム塩の硫酸により沈殿、 2)形成された硫酸バリウムの濾過、 3)IRA樹脂45(OH- )による過剰の酸の除去。
【0421】樹脂を除去し濃縮すると、淡黄色の残渣即
ち誘導体66が得られる(5.7g)。この誘導体をそのまま
化合物67の製造に使用する。
【0422】ステップ3:トシル化反応 この誘導体66をジクロロメタン(150ml )及びDMF
(10ml)の混合物に溶解させる。この溶液に、塩化トシ
ル(5.6g, 30mM)、ジメチルアミノピリジン(121mg )
及びトリエチルアミン(5ml)を順次添加する。湿気を
遮断し、乾燥窒素流下で反応を行う。
【0423】18時間反応後、氷水を添加し、混合物を約
14時間攪拌する。
【0424】反応混合物をジクロロメタンで希釈し、シ
クロロメタン相を2M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムの
順で洗浄し、次いでpHが中性となる迄水洗する。硫酸
ナトリウムで乾燥し濾過後、溶媒を蒸発させる。得られ
た残渣をシリカゲルカラム(200g, 酢酸エチル−ヘキサ
ン混合物(容量比4:1)で溶離)を用いて精製する。
【0425】誘導体67を含有する画分を集める。溶媒を
除去すると固体残渣が得られる(4.6g)。この残渣をそ
のまま化合物68の合成に使用する。
【0426】ステップ4:ベンジル化反応 前ステップで得られた誘導体67を無水ジメチルホルムア
ミド(50ml)に溶解する。この溶液に、ベンジル化ナト
リウムのベンジルアルコール(30ml)1モル溶液を添加
する。混合物を90℃に1時間加熱する。室温に冷却後、
混合物を乾燥濃縮する。クロロホルム(400ml )に取
り、クロロホルム相を水及び飽和塩化ナトリウムで洗浄
し、乾燥し、濃縮乾固する。
【0427】残渣をシリカゲルカラム(200g, クロロホ
ルム/酢酸エチル,容量比1:1)のクロマトグラフに
かける。
【0428】こうして誘導体68が得られる(2.3g)。収
率は化合物64の27.6%である。
【0429】化合物68は結晶性である。MP=149-150
℃、[α]D 20=87°(c=1,クロロホルム)。赤外
スペクトル及び元素分析により生成物68が所望の構造を
有することが確認される。
【0430】実施例17 二糖73の合成 (第15図参照) この合成は、 1)誘導体68及び69を縮合して二糖70を得るステップ; 2)ベンジル基を除去して誘導体71を得るステップ; 3)誘導体71の−OH基を硫酸化して誘導体72を得、更に
アニオン性基を塩化し且つアセチル基を除去するステッ
プ;を含む。
【0431】1)二糖70の合成 この合成は単糖68及び69から行なわれる。
【0432】ハロゲン化物をJournal of American Chem
ical Society, 77 (1955), p.3312.に収載のG. N. Boll
enbackの方法により製造する。
【0433】単糖68(450mg, 1.1mM)のジクロロメタン
(30ml)溶液に、臭化水銀(400mg,1.1mM)を添加す
る。約10mlのジクロロエタンで希釈後、モレキュラーシ
ーブ4オングストローム(粉末)を反応混合物に添加す
る。
【0434】ハロゲン化物69(1.1g, 2.75mM)のジクロ
ロエタン(10ml)溶液を更に添加する。ジクロロエタン
10mlで希釈後、反応混合物を90-100℃の温度で約14時間
還流する。冷却後、反応混合物をジクロロメタン(100m
l )で希釈し、固体をひだ付き濾紙で濾過して除去す
る。有機相を10%ヨウ化カリウム溶液(2×25ml)、5
%炭酸水素ナトリウム溶液(2×25ml)で順次洗浄し、
pHが中性になる迄水洗する。硫酸ナトリウムで乾燥、
濾過、濃縮後、残渣をシリカゲルカラム(150g)を用い
て精製する。前記カラムには、3種のアセトン−エーテ
ル混合物(容量比1:5,1:4,1:2)を順次流
す。
【0435】こうして二糖70が純粋な結晶の形状で得ら
れる(390mg )。MP=189-190 ℃, [α]D 20=+60
(c=0.4, クロロホルム)。赤外スペクトル、NMR
スペクトル及び元素分析で所望の構造が確認される。
【0436】2)二糖71の合成 誘導体70(100mg )のメタノール(20ml)溶液に、触媒
(Pd/C,5%,100mg )を添加する。こうして得ら
れた懸濁液を水素流下で3日間攪拌する。
【0437】触媒を濾過により回収する。蒸発させる
と、二糖71から成る残渣が得られる(73mg, 97%)。N
MRスペクトルで化合物の所望の構造が確認される。
【0438】二糖71がヘパラン−サルフェートの基本単
位の前駆物質であることに注目されたい。前記二糖は、
誘導体72から誘導体73を製造するために以下に記載する
如きケン化反応を行うべく十分に脱保護されている。
【0439】3)二糖73の合成 化合物71(70mg)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液
に、硫酸化剤(トリメチルアミド−硫黄−トリオキサイ
ド錯体、75mg)を添加する。一晩経過後、更に錯体(35
mg)を添加する。6時間後、反応を停止し、混合物を蒸
発乾固させ、クロロホルムに取り、トリエチルアミンで
中和後蒸発させる。
【0440】シリカゲルカラム(20g, メタノール/ク
ロロホルム,容量比1:2)のクロマトグラフにより、
白色粉末の形状の純粋な硫酸化誘導体72が単離される。
この誘導体は脱保護された二糖73の合成に直接使用され
る。
【0441】誘導体72(71mg)のメタノール(9ml)溶
液に水(4ml)を添加し、次いで1Mソーダ溶液(1m
l)を滴下する。4時間室温で攪拌後、反応混合物をAmb
erlite IR 120H+ カラム上を通す。こうして得られた
溶液を中和し、塩を水で希釈したSehadex G25カラム上
を通して除去する。硫酸化二糖を含有する画分を集め
る。
【0442】凍結乾燥すると、誘導体73が白色粉末の形
状で得られる(46mg)。[α]D 20=34.5°(C=1,
水)。
【0443】この誘導体に対する導電率分析法の結果、
サルフェート/カルボキシル比=2である。元素分析、
13のNMR分析でこの生成物の所望の構造が確認され
る。
【0444】実施例18 D−グルコサミン構造を有 する化合物75、76及び77の合
(第16図参照) 化合物75:メチル−3−O−ベンジル−4,6−O−ベ
ンジリデン−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−デオキシ−α−D−グルコピラノシド (ZU YONG KYI, Sci Sinica (Peking), 5(1956) 461-46
7,CA52(1958)3694に従って製造した)化合物74(415mg,
1mM)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)
溶液を、無水バライト(613mg ),水酸化バリウム8水
和物(158mg )及び臭化ベンジル(0.15ml)の存在下、
湿気を遮断して室温で5時間攪拌する。次いで反応混合
物をクロロホルム(50ml)で希釈し、有機相を50%の氷
冷した酢酸、水で順次洗浄し、(硫酸ナトリウム)で乾
燥、濾過、蒸発させる。固体残渣をエタノールで再結晶
する(461mg, 91 %);Mp:202-203 ℃;[α]D
+46°(C:1,クロロホルム)化合物76 :メチル−3−O−ベンジル−2−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコ
ピラノシド 化合物75(300mg )の60%酢酸(10ml)懸濁液を 100℃
で30分間攪拌する。次いで溶液を冷却し、蒸発乾固し、
水(4×10ml)を加えて蒸発させる。固体残渣を真空下
に乾燥し、2−プロパノール中で再結晶させて化合物76
(220mg, 89 %)を得る。MP: 151〜152 ℃, [α]
D =+94°(C:1,メタノール)。
【0445】化合物77:メチル 6−O−ベンゾイル−
3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボ−カルボ
ニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド 無水ピリジン(5ml)及びジキロロメタン(12ml)の混
合物に化合物76(835mg, 2mM)を溶解させた溶液を、
湿気を遮断しベンゾイルシアニド(400mg, 3mM)の存
在下に室温で5時間攪拌する。試薬の余剰分をメタノー
ル(5ml)の添加によって分解し、30分間攪拌する。反
応混合物を蒸発乾固し、トルエンを加えて蒸発させ、真
空下に乾燥する。固体残渣を酢酸エチル−ヘキサン混合
物で再結晶させて化合物77(935mg, 90 %),MP: 1
54〜155 ℃,[α]D =+74°(C:1,クロロホル
ム)を得る。
【0446】実施例19 L−イズロン酸構造を有す る化合物78及び79の合成 (第
16図参照)化合物78 :4−O−アセチル−3−O−ベンジル−1,
2−O−メトキシエチリデン−β−L−メチルイドピラ
ヌロネート 実施例5のステップβによって得られる臭化物36(酢酸
塩34及び35の混合物0.425g, 1mMから新たに製造)の無
水ジクロロメタン(10ml)溶液を、乾燥アルゴン雰囲気
下に室温で攪拌する。sym −コリジン(0.66ml, 5mM)
及び無水メタノール(0.40ml, 10mM)を続けて添加し、
反応混合物を上記条件下に20時間攪拌する。ジクロロメ
タン(50ml)による希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液及び水を順次用いて有機相を洗浄し、(硫酸ナトリ
ウムで)乾燥し、濾過し、蒸発させる。残渣をシリカゲ
ルカラム(20g )のクロマトグラフに掛ける。ヘキサ
ン:酢酸エチル混合物(容量比3:2,トリエチルアミ
ン0.5 %含有)で溶出させると、純シロップの形態の化
合物78(302mg, 酢酸塩34及び35の76%)が得られる。
[α]D =−21°(:1,クロロホルム),NMR
(CDCl3 ):δ:5.52(d,1H,H−1,
1.2 :3Hz )。
【0447】化合物79:3−O−ベンジル−1,2−O
−tert−ブトキシエチリデン−β−L−メチルイド
ピラヌロネート 実施例5のステップγで得られたオルトエステル37(48
4mg, 1.1mM)の無水メタノール(15ml)溶液を乾燥アル
ゴン雰囲気中攪拌下で−20℃に冷却する。無水炭酸カリ
ウム(60mg)を添加し、前記条件下で反応混合物を5時
間攪拌する。固体を脱水し、濾液を蒸発させ残渣を再び
クロロホルム(50ml)で処理する。有機相を氷水で(3
回)洗浄し、(硫酸ナトリウム)で乾燥し、濾過し蒸発
させる。残渣を速かにシリカゲルカラム(25g )のクロ
マトグラフにかける。(0.5 %のトリエチルアミンを含
む容量比2:1の)ヘキサン:酢酸エチル混合物で溶出
させると、以下の物質が順次得られる。
【0448】−不飽和化合物39(31mg, 7%)シロッ
プ,[α]D =+103 °(:1,クロロホルム),N
MR(CDCl3 ):δ:6.27(d.d.,1H,H−
4,J3.4 :5Hz ,J2.4 :1Hz ),5.67(d,1
H,H−1,J1.2 :4Hz )。
【0449】−主画分(271mg, 62 %)。この画分はヘ
キサン−エーテル混合物に晶出し化合物79を生成する
(123mg, 28 %),MP:68-69 ℃;[α]D =−19°
:1,クロロホルム),NMR(CDCl3 ):
δ:5.41 シリカゲルカラムによるクロマトグラフ処理中及び化合
物79の晶出処理中に、化合物79よりやや高いRfを有す
る新しい化合物が生成される。化合物79の晶出母液をシ
リカゲルクロマトグラフにかけると、この新しい化合物
80の純粋な画分がいくつか単離され得る(41mg, 11
%)。シロップ,[α]D =+21°(:1,クロロホ
ルム),NMR(CDCl3 ):δ:5.83(d,1H,
H−1,J1.2 :4.5 Hz )。
【0450】本発明の合成プロセスに於いては化合物80
の形成を阻止するために、粗シロップ37をクロマトグラ
フにかけず直接に以後の反応に使用する。
【0451】実施例20 二糖81,82 及び8 3の製造 (第17図参照)化合物81 :メチル−6−O−ベンゾイル−3−O−ベン
ジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオ
キシ−4−O−(2,4−ジ−O−アセチル−3−O−
ベンジル−α−L−メチルイドピラヌロニル)−α−D
−グルコピラノシド 実施例19で得られたオルトエステル78(80mg, 0.2mM )
と実施例18で得られたアルコール77(52mg, 0.1mM )と
の無水クロロベンゼン(8ml)溶液を、若干の乾燥アル
ゴン流の存在下で攪拌しつつ 140℃に加熱する。6mlの
溶媒をゆっくりと蒸留した後に、(N.K.KOCHETKOV, A.
F.BOCHKOV, T.A.SOKOLOVSKAIA and V.J.SNIATKOVA, Car
bonhdr. Res.,16(1971) 17-27に従って新しく製造され
た0.002mMの)2,6−ジメチルピリジニウム過塩素酸
塩のクロロベンゼン(2ml)溶液を15分間に亘って滴下
する。滴下と同時に(2mlの)溶媒を蒸留する。次に前
記条件で、2mlに等しい一定の反応容量が維持されるよ
うに新しい溶媒(10ml)の添加と蒸留とを同時に行ない
つつ反応混合物を1時間攪拌する。冷却しクロロホルム
で希釈後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び水
で順次洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾燥し、濾過し蒸
発させる。残渣をシリカゲルカラム(15g )のクロマト
グラフにかける。(容量比4:3の)ヘキサン:酢酸エ
チル混合物で溶出させると、下記の物質が順次得られ
る。
【0452】−出発物質77(20mg, 38%)、 −薄層クロマトグラフィで均質な画分(54mg)。NMR
スペクトルによればこの画分は、複数個のO−メチルシ
グナル(δ:3.35-3.50 )を有しており、これらのシグ
ナルは、オルトエステル78の転位によって生じたメチル
グリコシドに由るものである。この画分はエタノール−
水混合物に晶出し、酢酸エチル−ヘキサン混合物に再晶
出して化合物81(44mg, 50%)を生成する。MP:120-
121 ℃,[α]D =+17°(:1,クロロホルム),
NMR(CDCl3 ):所望の構造に一致。
【0453】化合物82:メチル 6−O−ベンゾイル−
3−O−ベンゾイル−2−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−2−デオキシ−4−O−(2−O−アセチル−3
−O−ベンジル−4−O−クロロアセチル−α−L−メ
チルイドピラヌロニル)−α−D−グルコピラノシド 実施例5で得られたオルトエステル38(120mg, 0.25mM
)とアルコール77(66mg, 0.125mM )との無水クロロ
ベンゼン(8ml)溶液を、僅かな乾燥アルゴン流下に攪
拌しつつ 140℃まで加熱する。溶媒6mlをゆっくり蒸留
した後、2,6−ジメチルピリジニウムの過塩素酸塩
(0.0025mM)のクロロベンゼン溶液を、溶媒(2ml)を
同時に蒸留しながら15分間にわたって滴下する。反応混
合物を1時間攪拌後、81の製造に関して述べた条件下で
処理する。残渣をシリカゲルカラム(15g )のクロマト
グラフにかける。ヘキサン:酢酸エチル(容量比7:
4)の混合物で溶離すると、下記の物質が順次得られ
る。
【0454】−生成物77(40mg, 60%) −二糖82、エーテル−ヘキサン混合物中に晶出する(26
mg, 30%),MP: 143〜144 ℃,[α]D =+
:1,クロロホルム),NMR(CDCl3 ):所
望の構造に一致。
【0455】化合物83:二糖82のO−デクロロアセチル
化及びアセチル化 二糖82(12mg)とチオウレア(5mg)とをピリジン(1.
2ml )及び無水エタノール(0.3ml )中に混合した混合
物を、 100℃で30分間攪拌する。冷却後、反応混合物を
蒸発乾固し、残渣を水−クロロホルム混合物(容量比
1:1,20ml)に再び取る。有機相を水洗し、(硫酸ナ
トリウムで)乾燥し、濾過し、蒸発させる。残渣をシリ
カゲルカラム(1g )上で洗浄する。酢酸エチル:ヘキ
サン(容量比1:1)の混合物で溶離すると、純シロッ
プの形態の二糖83(3mg)が得られ、この二糖は分析せ
ず直ちにアセチル化した(容量比2:1のピリジン:無
水酢酸,1.5ml )。15時間後周囲温度で反応混合物を蒸
発乾固し、残渣をシリカゲリカラム(0.5g)に用いる。
酢酸エチル:ヘキサン(容量比1:1)の混合物で溶離
すると二糖81(7mg)が得られる。エーテル−ヘキサン
混合物中に晶出する、MP:120 −120.5 ℃、81を含む
混合物のMPは120 〜121 ℃である。
【0456】実施例21 三糖85の合成 (第18図参照) 臭化物84(H.PAULSEN & W. STENZEL, C hem. Ber., 111
(1978), 2334〜2347に従って製造、110mg, 0.25mM )と
アルコール41(実施例6に従って製造、113mg,0.13mM
)との無水ジクロロメタン(2.5ml )溶液を、光を遮
断し乾燥アルゴン雰囲気下に、モレキュラーシーブ4オ
ングストローム(粉末100mg )の存在下の30分間攪拌す
る。20℃に冷却後、 sym−コリジン(70μl, 0.55mM )
及び銀トリフラート(78mg, 0.30mM)を順次添加し、上
記条件下に攪拌を2時間継続する。次いで反応混合物を
ジクロロメタン(50ml)で希釈し、固体を脱水し、濾液
を0.1 Mの氷冷した塩酸溶液、水、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、水で順次洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾
燥し、濾過し、蒸発させる。
【0457】残渣をシリカゲルカラム(18g )のクロマ
トグラフに掛ける。ヘキサン:酢酸エチル(容量比4:
3)の混合物で溶離すると晶出不可能な、無色ガラスの
形態の三糖85(139mg, 88 %)が得られる。[α]D
83°(:1,クロロホルム);NMRスペクトル(90
MHz ,CDCl3 ):δ:7.25(m, 25H, 5Ph. );
5.44(d.d.,1H,H3 ″,J2 ″,3 ″:10.5H
z ,J3 ″,4 ″:9Hz );5.26(d,1H,
1 ″,J1 ″,2 3 ″:3.5 Hz );3.59(s,3
H,COOMe);3.06(d.d.,1H,H2 ″,J
1 ″,2 ″:3.5 Hz ,J2 3 ″:10.5Hz );2.1
2, 2.08, 2.01及び1.97(4s,12H,4OA)。
【0458】実施例22三糖89の合成(第18図参照) この合成は、次の4ステップによる。
【0459】a) アセチル基の除去、 b) 硫酸化、 c) 水素添加、 d) アミノ官能基の硫酸化。
【0460】a) メチル基の除去による三糖89の製造 三糖85(122mg )を1,2−ジメトキシエタン(6ml)
とメタノール(2ml)との混合物中に溶解させた溶液を
0℃で攪拌する。ソーダの1M水溶液(2ml)を10分間
にわたって滴下し加え、反応混合物を10℃で6時間攪
拌する。次に1M塩酸を、pH=0となる(白色沈殿物
の出現)まで滴下し加える。混合物を氷水(100ml )へ
注ぎ、クロロホルムで抽出する(10mlで5回)。有機相
を氷水で洗浄し、(硫酸ナトリウムで)乾燥し、濾過
し、蒸発させる。シロップ状の残渣をメタノール(2m
l)中に溶解させ、持続的に黄色を低するまでジアゾメ
タンのエーテル溶液で処理する。30分後、反応混合物を
蒸発乾固する。残渣をシリカゲルカラム(10g )のクロ
マトグラフに掛ける。酢酸エチル:ヘキサン(容量比
2:1)の混合物で溶離すると晶出不可能な、無色の泡
の形態の三糖86(85mg, 81%)が得られる。[α]D
+77°(c:1,クロロホルム),NMRスペクトル
(90MHz ,CDCl3 ):OAcシグナル無し(δ=
2ppm へ向かって)。元素分析:所望の構造に一致。
【0461】b) 硫酸化による三糖87の製造 誘導体86(41mg)のDMF(2ml)溶液に、トリメチル
アミン/三酸化硫黄錯体(TMA/SO3 ;60mg;OH
当たり2.5 等量)を添加する。50℃で一晩放置し、反応
を完了させる。メタノール(0.5ml )を添加後、溶液
を、クロロホルム/メタノール混合物(容量比1:1)
中で平衡化されたセファデックスLH−20カラム(1.5
×25cm)に導入する。同じ混合物で溶離すると、試薬の
余剰分及び反応溶媒から反応生成物を分離し得る。得ら
れた残渣をシリカゲルカラム(10g)のクロマトグラフ
に掛け、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水(容量比98:
56:13:32)の混合物で溶離する。得られた純生成物を
メタノールに溶解後、Dowex50W×4 ,Na+ (5ml)
樹脂カラムを通過させる。蒸発及び乾燥後、誘導体87
(58mg, 100 %)が得られる。この誘導体は、tlc
(容量比5:5:1:3の酢酸エチル/ピリジン/酢酸
/水及び容量比7:3:0.1 の酢酸エチル/メタノール
/酢酸)で均質であることが確認される。[α]D 20
+55°(メタノール)。NMRスペクトルは所望の構造
に一致。
【0462】c) 水素添加による三糖88の製造 化合物87(20mg)をメタノール(2ml)と水(0.5ml )
との混合物に溶解させた溶液を5%のPd/C(20mg)
の存在下に、0.2 バールの水素圧において96時間攪拌す
る。次に濾過によって触媒を除去する。紫外線分析によ
り、芳香族環の不在を確認する。蒸発後、生成物を三糖
89の合成に用いる。
【0463】d) 硫酸化による三糖89の製造 前ステップで得られた誘導体88を、水(2ml)に溶解す
る。溶液のpHを9.5に調整し、pH−スタット(sta
t)を用いてこの値を維持する。TMA/SO3錯体(14
mg;5eq. /NH2 )を添加する。一晩の後、同量の錯
体を添加する。48時間後、2Mのソーダを用いてpHを
12とし、この値を2時間維持する。塩酸で中和した後、
反応混合物をセファデックスG−25カラムのクロマトグ
ラフに掛け、水で溶離する。ウロン酸に特徴的な、カル
バゾールによる呈色反応によって、化合物89を検出する
(Bitter & Muir, Ana l. Biochem., 4(1962), 330〜33
4)。89を含有する画分を一緒に集め、ダウエックス樹脂
カラム50W×4,Na+ を通過させ、水で溶離する。凍
結乾燥後、89(4.5mg )が得られる。
【0464】糖質成分の比色分析によると、グルコース
アミン5.15モル当たり2.55モルのウロン酸が存在する
(比率1/2)。
【0465】この生成物のNMRスペクトルによって構
造(連鎖、アノマー形結合、硫酸塩による置換)が確認
される。
【0466】実施例23
【0467】
【化76】 の二糖92の合成(第19図参照) ジクロロメタン(50ml)に溶解している生成物91(1g
)をドリエライト(6g )及び新たに製造した炭酸銀
(4.5g)の存在下に、アルゴン雰囲気中で1時間攪拌す
る。次にジクロロメタン(10ml)に溶解されたハロゲン
化物90(2.8g)を添加し、1時間半後2.8gのハロゲン化
物90を再び添加する。一晩の後固体を濾過によって除去
し、溶媒蒸発後に得られた残渣を、溶媒として酢酸エチ
ル/クロロホルム(容量比1/30)を用いてシリカゲル
カラムにおいて精製する。
【0468】このようにして、生成物92(866mg, 収量
42%)を得る。この生成物は、ヘキサン/酢酸エチル混
合物中に晶出する。MP:104 〜106 ℃;[α]D 20
0°(c=1;クロロホルム)。
【0469】元素分析及びNMRスペクトルは所望の構
造に一致する。
【0470】実施例24
【0471】
【化77】 の誘導体94の合成(第19図及び第20図参照) 誘導体92(1.5g)を、クロロホルムとメタノールとの混
合物(容量比1/1)に溶解する。次に2mlのナトリウ
ムメタノラード(メタノール中に2M)を添加する。20
分後、溶液をダウエックス50樹脂の添加によって中和
し、それによって、単離されない誘導体93を得る。濾過
及び蒸発後エーテル中のジアゾメタンによる通常のメチ
ル化によって、遊離し得るカルボン酸の画分を再びエス
テル化し得る。蒸発後残渣を、ピリジン(20ml)と無水
酢酸(2ml)との混合物で一晩にわたり処理する。蒸発
後残渣を酢酸エチル/ヘキサン中に晶出させ、生成物94
(1.125g;収量81.6%)を得る。MP:103 〜105 ℃;
[α]D 20=+5.2 °(c=1;クロロホルム)。
【0472】元素分析及びNMRスペクトルは所望の構
造に一致する。
【0473】また、誘導体94は、誘導体91の替わりに誘
導体95を用いて上述と同様の操作により製造される。
【0474】実施例25 誘導体97の合成 (第20図参照) 第一のステップにおいて無水物ブリッジの開裂を行な
い、次のステップで臭素化反応を実施する。
【0475】a) 1,6−アンハイドロ ブリッジの開
化合物94(1g )を無水酢酸(10ml)に溶解し、アルゴ
ン下で−20℃に冷却する。冷溶液に濃硫酸( 100μl )
を添加する。30分後反応混合物をクロロホルム(150ml
)で希釈し、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml
に26.5g )へ注ぐ。気体放出後、クロロホルム相をN
aClの飽和溶液で2回洗浄し、乾燥して濃縮する。酢
酸エチルとクロロホルムとの混合物(容量比1/20)を
用いるシリカゲル(50g )のクロマトグラフに掛ける
と、化合物96(995mg ;収量86.7%)が得られる。
【0476】この化合物は、白色の泡状である。
【0477】スペクトル及び元素分析によって、所望の
構造の製造が確認される。
【0478】b) 臭素化 誘導体96(0.2g)のジクロロメタン/酢酸エチル(容量
比9/1,4ml)溶液を四臭化チタン(213mg )に添加
する。一晩にわたって攪拌し、続いてジクロロメタンで
希釈した後、水と氷との混合物(50ml)へ注ぎ、50mlの
氷水で2回洗浄する。乾燥及び蒸発後得られたシロップ
を、酢酸エチル/クロロホルム(容量比1/20)中でシ
リカゲルのクロマトグラフに掛ける。このようにして誘
導体97を、収量25〜50%で得る。
【0479】NMRスペクトル:(ppm, CDC
3 ):2.04;2.11:3プロトン2−OAcのシングレ
ット;3.7 :1、プロトンCOOMeのシグレット;6.
33:プロトンH1 のタブレット;J1.2 =3.5 Hz
【0480】実施例26 四糖98の合成 (第20図参照) 臭化物97(50mg, 60μM )と実施例6によって製造され
たアルコール41(43mg, 50μM )との無水ジクロロメタ
ン(1ml)溶液を、光を遮断し乾燥アルゴン雰囲気中
で、モレキュラーシーブ4オングストローム(粉末、10
0mg )の存在下に15分間攪拌する。−10℃に冷却後、sy
m −コリジン(11μl ,80μM )及び銀トリフルオロメ
タンスルホネート(Agトリフラート,18mg,70μM )を
連続して添加し、上記条件下に攪拌を3時間継続する。
次に反応混合物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、固
体を脱水し、濾液を 0.1Mの氷冷した塩酸溶液、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、(硫酸
ナトリウムで)乾燥し、濾過し、蒸発させる。
【0481】残渣をシリカゲルカラム(7g )のクロマ
トグラフに掛ける。ヘキサン−酢酸エチル(容量比4:
3)の混合物で溶離すると晶出不可能な、四糖98が無色
のガラスの形態で得られる(56mg, 収率70%)。
【0482】NMRスペクトル(270 MHz ,CDCl
3 )の特性:S:7.25(m,35H,7Ph);5.35
(d.d.,1H, H3 ″J2 ″,3 ″:Hz
3 ″,4 ″OHz );5.27(d,.1H,H1
1 ″,2 ″:3.5 H);5.31(d.,1H,H1 ″′
1 ″′2 ″′:7.5 Hz );3.68(s,3H,COO
Me IDO);3.59(s,3H,COOMe gluc
o);3.37(d.d.,1H,H2 ″′
1 ″′,2 ″′: 7.5Hz ,J2 ″′,3″′: 9.5
z );3.18(d.d.,1H,H2 ″,
1 ″,2 ″: 3.5HZ ,J2 ″,3 ″:11Hz );2.
06及び1.97(2s,9及び3H,4OAc)。
【0483】このスペクトルを第33図に示す。
【0484】実施例27 四糖99の合成 (第21図参照) 四糖98(28mg)の無水メタノール(3ml)溶液を、乾燥
アルゴン雰囲気下で−15℃に冷却する。無水炭酸カリウ
ム(12mg)を添加し、混合物を上記条件下に6時間攪拌
する。次に固体を脱水し、濾液を蒸発させ、残渣をクロ
ロホルム(15ml)で再び処理する。有機相を飽和塩化ナ
トリウム水溶液、水で順次洗浄し、(硫酸ナトリウム
で)乾燥し、濾過し、蒸発させる。
【0485】残渣をシリカゲルカラム(2g )のクロマ
トグラフに掛ける。酢酸エチル/ヘキサン(容量比3:
2)で溶離すると、無色ガラスの形態の四糖99(22mg,
85%)が得られる。
【0486】NMRスペクトル(270 MHz ,CDCl
3 );δ:7.30(m,35H,7Ph);5.37(d,1
H,H1 ″,J1 ″,2 ″:3.5 Hz );5.29(d.
d.,1H,H3 ″,J2 ″,3 ″:10Hz ,J3 ″,
4 ″:8.5 Hz );5.09(d, 1H,H1 ,J1 2
3.5 Hz );3.57(s,3H,COOMe ido);3.43
(s,3H,COOMe gluco);2.06(s,3H,O
Ac)。
【0487】この化合物99は四糖100 の、(第二ユニッ
トの3位において)モノ−O−アセチル化された誘導体
であり、第二ユニットの3位において硫酸化されないで
あろうこの四糖の、類似体の合成における中間体であ
る。
【0488】実施例28 四糖103 の合成(第21図参照) この合成は次のステップによる。
【0489】a) アセチル基の除去、 b) 硫酸化、 c) 水素添加、 d) アミノ基の硫酸化。
【0490】a) アセチル基の除去による誘導体100
製造 四糖98(40mg)を1,2−ジメトキシエタン(3ml)と
メタノール(1ml)との混合物に溶解させた溶液を−15
℃に冷却する。ソーダの1M水溶液(1ml)を10分間に
わたって滴下し加え、反応混合物を0℃で5時間撹拌す
る。次に1Mの塩酸をpH=0となるまで滴下し加え、混
合物を氷水(50ml)へ注ぐ。クロロホルムで抽出(5ml
で5回)後、有機相を水洗し、(硫酸ナトリウムで)乾
燥し、濾過し、蒸発させる。
【0491】残渣をメタノール(1ml)に溶解し、持続
的に黄色を呈するまでジアゾメタンのエーテル溶液で処
理する。30分後、反応混合物を蒸発乾固する。残渣をシ
リカゲルカラム(3g)のクロマトグラフに掛ける。酢
酸エチル/ヘキサン(容量比2:1)の混合物で溶離す
ると、四糖100 (27mg,75%)が得られる。MP:126
〜127 ℃(エタノール);[α]D =+55°(c;1,
クロロホルム);NMRスペクトル(90MHz,CDC
3 ):信号Ocは全体として存在せず(δ=2へ向
かって)。
【0492】元素分析:所望の構造に一致。
【0493】b) 硫酸化による誘導体101 の製造 誘導体100 (2.4mg) のDMF(1ml)溶液に、TMA/
SO3 錯体(24mg)を添加する。50℃で一晩放置する
と、硫酸化反応が完了する。
【0494】メタノール(0.5ml) を反応混合物に添加
し、次いでこの混合物をクロロホルム−メタノール(容
量比1:1)で平衡化されたセファデックスLH−20カ
ラムに導入する。101 を含有する画分を収集する。蒸発
乾固の後、残渣を酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水(容
量比 160:77:19:42)の混合物を用いてシリカゲル
(10g)のクロマトグラフに掛ける。純粋な画分を集め
る。濃縮乾固後残渣に、ダウェックス50W×4,Na+
カラムを通過させ、水で溶離する。得られた生成物(30
mg)は上記溶媒による薄層クロマトグラフで均質であ
る。そのNMRスペクトルによって、構造が確認され
る。[α]D 20=+39°(c=1,メタノール)。
【0495】c) 水素添加による誘導体102 の製造 誘導体101 (10mg)をメタノール(1.8ml) と水(0.2ml)
との混合物に溶解させた溶液を5%のPd/C(10mg)
の存在下で、0.2 バールの水素圧下に攪拌する。96時間
後、濾過によって触媒を除去する。蒸発後、誘導体102
が誘導体103 の製造用にそのまま使用される。
【0496】d) 硫酸化による誘導体103 の製造 前ステップで得られた誘導体102 を水(2ml)に溶解す
る。この溶液のpHを9.5 に調整し、この値を硫酸化の間
中維持する。TMA/SO3 錯体(14mg)を添加する。
24時間後に再び添加(14mg)を行なう。48時間後pHを12
とし、次いで更に2時間後には7とする。反応混合物を
セファデックスG−25カラム(50ml)のクロマトグラフ
に掛ける。誘導体103 を含有する画分(ウロン酸の呈色
反応により検出)を集め、ダウエックス50W×4Na+
樹脂カラムを通過後凍結乾燥する。このようにして、四
糖103 (2mg)を得る。
【0497】誘導体103 の成分の比色分析の結果、ウロ
ン酸2.06モルにつき1.84モルのグルコースアミンが存在
している。
【0498】誘導体103 の構造(連鎖、アノマー形、硫
酸塩基の位置)は、NMRスペクトル(270MHz,TM
S)によって確認され、このスペクトル(δ)は、第
一,第二,第三及び第四の単位の各々のアノマープロト
ンに関し4.72;5.30;5.50;及び5.67である。
【0499】実施例29 単糖115 の合成 (第22図参照) この合成は、次のステップ1〜7によって実施される。
【0500】ステップ1単糖105 の合成 この化合物は、カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミ
ストリィCanadian Journal of Chemistry, 51(1973), 3
357 ページに収載のN. L. Holder及びB.Fraser-Reid の
方法により得られた化合物104 から製造される。化合物
104 (1g,12.67 mM)のジクロロメタン(20ml)溶
液に、塩化トシル(0.55g),ジメチルアミノピリジン
(16mg)及びトリエチルアミン(0.7ml) を順次添加す
る。湿気を遮断して窒素流下で約14時間攪拌後、氷及び
水を添加して反応を停止させる。反応混合物をジクロロ
メタン(50ml)で希釈後、ジクロロメタン相を2M塩酸
及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液で順次洗浄し、最後に
pHが中性になる迄水洗する。乾燥及び蒸発後に残渣即ち
誘導体105 (1.4g,97%)を得る。この誘導体をそのま
ま使用して誘導体106 を合成する。
【0501】ステップ2誘導体106 の合成 単糖105 (31.8g)とヨウ化ナトリウム(39g)とをア
セトニトリル(250ml)に溶解させ、溶液を3時間還流さ
せる。反応混合物の冷却後、形成された白色沈殿物を濾
過する。濾液を濃縮し、残渣を再びクロロホルムで処理
し、次にクロロホルム相を水洗して中性pHにし、硫酸ナ
トリウムで乾燥し、濃縮乾固する。シリカゲルカラム(2
00g,エーテル−ヘキサン容量比1/1)のクロマトグ
ラフにかけてシロップを得る。これによりヨウ素化誘導
体(27.4g,71.5%)が得られる。[α]D 20=24°
(1,クロロホルム)。
【0502】赤外スペクトル,NMRスペクトル及び元
素分析により化合物106 の構造が確認される。
【0503】ステップ3誘導体107 の合成 誘導体106 の無水ピリジン(200ml) 溶液に無水酢酸(43
ml)を添加する。約14時間の攪拌後に反応が終了する。
反応混合物を濃縮乾固し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサ
ン(容量比/6)を溶媒として用いた圧力下のシリカゲ
ルカラムで精製する。複数の純粋な画分を一つに集め
る。これにより生成物107 (16.4g,70%)を得る。こ
の生成物はシロップ状である。[α]20 D =+4.5 °
(1.3 ,クロロホルム)。元素分析及び赤外スペクトル
分析によって構造が確認される。
【0504】ステップ4誘導体108 の合成 0℃に冷却した誘導体107 (4g)のピリジン(100ml)
溶液にフッ化銀(AgF, 6.9g)を添加する。2時間
半経過後、クロロホルム及びエーテルを含む混合物(容
量比1/4,1l)へ反応混合物を注ぐ。得られた懸濁
液をヒダ付きフィルタに通す。濾液を濃縮乾固し、残渣
を再びクロロホルム(500ml) で処理する。クロロホルム
相を10%硫酸カリウム水溶液で洗浄し、次に中性pHにな
るまで水洗する。硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮乾固して
得られた残渣(2.7g)をシリカゲルカラム(200g)のク
ロマトグラフにかける(溶出剤:容量比1:4の酢酸エ
チル−ヘキサン)。生成物108 を含有する複数の画分を
一つに集め、溶媒を蒸発させると結晶性物質(1.62g,
54%)が得られるMP:81〜82℃,[α]D 25=−20°
(1,クロロホルム)。赤外スペクトルの分析、元素分
析及びNMRスペクトルの分析により化合物108 の構造
が確認される。
【0505】ステップ5誘導体109 の合成 生成物108 (2g)をメタノール(20ml)とクロロホル
ム(20ml)とに溶解する。この溶液にナトリウムメタノ
ラート(2M,2ml)を添加する。 1.5時間経過後、脱
アセチル化反応が終了する。反応混合物をクロロホルム
で希釈する。クロロホルム相を中性pHになるまで水洗
し、乾燥し、蒸発乾固する。これにより、残渣として化
合物108 (1.8g, 100%)を得る。この残渣を直ちにテ
トラヒドロフラン(50ml)に溶解し、次に水素化ホウ素
(BH3 ,1M)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を
添加する。1時間の反応後、余剰の水素化ホウ素をエタ
ノール添加により分解する。ガス発生の終了後、テトラ
ヒドロフラン(100ml) を添加して反応混合物を希釈す
る。次に、3M水酸化ナトリウム(ソーダ、12ml)及び
(120倍容の)過酸化水素(8ml)を順次添加する。50℃
で2時間加熱後反応を停止する。溶液をクロロホルム(5
00ml) に注ぎ、得られた有機相を水洗し、次に2M塩酸
で洗浄し、最後に中性pHになるまで水洗する。この結
果、極度に白濁したクロロホルム相が得られる。この相
は硫酸ナトリウムで乾燥するうちに透明になる。濾過後
にクロロホルムを蒸発させ、得られた残渣をシリカゲル
(200g)クロマトグラフにかける(クロロホルム−メタ
ノール、容量比30:1)。
【0506】前記のプロセスでイドース誘導体109 (1.
05g,55%)を得る。この生成物はシロップ状である。
[α]D 20=+85.5°(1,クロロホルム)。元素分析
及びNMR分析により所望の構造が確認される。
【0507】ステップ6誘導体112 の合成 この合成は、(中間体110 及び111 を単離しないで)誘
導体109 から一つのステップで行なわれる。誘導体109
(2.25g,6mM)のジクロロメタン(50ml)溶液に、
ジメチルアミノピリジン(60mg,0.24mM),トリエチ
ルアミン(1.7ml,12mM)及び塩化トリチル(2.5g,9
mM)を順次添加する。約14時間後に反応が終了する。
これにより誘導体110 が溶液中に得られる。ここで反応
混合物に、ジメチルアミノピリジン(150mg),トリエチ
ルアミン(17ml )及び塩化ベンゾイル(1.05ml)を添加
する。6日後、窒素流を通してジクロロメタンを除去
し、ジメチルホルムアミド(40ml)と入れ換える。反応
混合物を70℃に加熱して一晩維持する。ここで塩化ベン
ゾイル(1ml)とトリエチルアミン(1.7ml) とを再度添
加し、70℃に加熱して2日間維持する。次にジメチルホ
ルムアミドを蒸発させ、残渣を再びクロロホルムで処理
し、クロロホルム相を、水,飽和炭酸水素ナトリウム溶
液,2M塩酸溶液で順次洗浄し、最後に中性pHになるま
で水洗する。乾燥後、クロロホルムを蒸発させると化合
物111 が得られる。
【0508】この化合物からトリチル基を除去すべく直
ちに反応させて誘導体112 を得る。誘導体111 を含む残
渣を25mlのクロロホルムに溶解し、該溶液にパラトルエ
ンスルホン酸−水和物のメタノール(1M)溶液10mlを
添加する。室温で4時間反応後に反応が終了する。ここ
で反応混合物をクロロホルムで希釈し、水洗,乾燥し蒸
発乾固させる。得られた残渣をシリカゲル(200g,エー
テル−ヘキサン、容量比3:1)のクロマトグラフにか
ける。このプロセスで純粋な状態の誘導体112(1.5g;5
2%)が得られる。この誘導体はシロップ状である。
[α]D 20=−8°(1,クロロホルム)。
【0509】赤外スペクトル及びNMRスペクトルの分
析により所望生成物の構造が確認される。
【0510】ステップ7化合物115 の合成 この合成は、中間体113 及び114 を単離しないで誘導体
112 から直接行なわれる。化合物112 (1.2g) のアセト
ン(20ml) 溶液を0℃に冷却後、酸化クロム(Cr
3 ;1.17g)の 3.5M硫酸(5ml)溶液(2.9ml) を滴
下する。0℃で30分間攪拌後、室温に戻する。反応が3
時間持続する。次に、氷水(100ml) を入れた分液ロート
に反応混合物を注ぐ。形成された生成物をクロロホルム
(3×50ml)で抽出する。クロロホルム相を中性pHにな
るまで水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮
乾固する。得られた残渣(化合物113 )をメタノール(1
30ml)に溶解する。この溶液に3M水酸化ナトリウム
(ソーダ)溶液(17ml)を添加し混合物を攪拌下で約14
時間維持する。硫酸により酸性にし、化合物114 をエー
テルで抽出し、次いで従来の方法によりジアゾメタンで
直ちにメチル化して化合物115 を得る。エーテルの蒸発
後、シリカゲル(50g,エーテル−ヘキサン;容量比4
/1)のクロマトグラフにかけて純粋な化合物115 を得
る。誘導体115 を含有する複数の純粋画分を一つに集め
て溶媒を除去する。このプロセスでイズロン酸誘導体11
5 (587mg,誘導体112 の59%)が得られる。この生成物
はシロップ状である[α]D 25=+98°(2.65,クロロ
ホルム)。
【0511】NMR分析,赤外分析及び元素分析により
所望の構造が確認される。
【0512】実施例30 二糖117 の合成 (第22図及び第23図参照) この合成は、前記の如く製造された単糖115 とchemisch
e Berichte 111(1978)2234−2247に収載のH.Paulsen 及
びW.Stenzel の方法により製造された単糖44とを用いて
行なわれる。
【0513】化合物115 (200mg, 0.5mM)のジクロロ
メタン(10ml)溶液に、化合物44(0.450g), sym−コ
リジン(150ml) 及び銀トリフラート(260mg) を順次添加
する。
【0514】湿気及び光を遮断し窒素流下で反応混合物
を攪拌下0℃で3時間維持する。
【0515】次に反応混合物をジクロロエタン(100ml)
で希釈し、ヒダ付きフィルタで濾過して固体を除去す
る。得られた溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液,水
及び2M硫酸で順次洗浄し、最後に中性pHになるまで再
度水洗する。
【0516】硫酸ナトリウムで乾燥し、ジクロロメタン
を蒸発させて得られた残渣をシリカゲル(50g,クロロ
ホルム/酢酸エチル;容量比15/1)のクロマトグラフ
にかける。
【0517】このプロセスで純粋な誘導体117 (327mg,
82%)が得られる。生成物はシロップ状である。[α]
20 D =+57°(1,クロロホルム)。
【0518】NMR分析及び元素分析により二糖117 の
構造及びアノマー形が確認される。
【0519】実施例31 二糖122 の合成(第23図参
照) この合成は次のステップによる。
【0520】a) アセチル基の除去、 b) 硫酸化、 c) 水素添加、 d) 第一アミン基の硫酸化。
【0521】a) Me基の−COOH基からの除去によ
る化合物118 の製造 二糖117 (260mg) をメタノール(5ml)に溶解し、1M
ソーダ(1ml)を滴下し加える。反応終了後、反応混合
物をHT型のダウエックス50樹脂カラム(5ml)の頂部
へ導く。流出液を濃縮乾固し、再びメタノールに取り、
更に誘導体117の齢化終了後に得られる遊離酸生成物を
ジアゾメタンの添加によってメチル化する。このように
して誘導体118 を得、次いでシリカゲルカラム(20g;
容量比8/1のエーテル/ヘキサン)を用いて精製す
る。化合物118 の収量は92mgである。この生成物は直接
誘導体119 の合成に用いられる。
【0522】b) 硫酸化による二糖119 の製造 上記のようにして得られた生成物118 (92mg)をジメチ
ルホルムアミド(5ml)に溶解し、トリメチルアミン/
三酸化硫黄の錯体(25mg)を添加する。溶液を約14時間
で50℃とする。蒸発乾固後、残渣を再びクロロホルムに
取り、次いでクロロホルム相を水洗し、乾燥し、濃縮乾
固する。得れた固体をシリガルカラム(15g;溶出剤:
容量比1/4のメタノール/クロロホルム)で精製す
る。純粋画分の蒸発後、硫酸化された二糖119 (58mg;
55.6%)を得る。
【0523】c) 水素添加による二糖120 の製造 二糖119 (58mg)を、メタノール−水(15ml+2ml)の
混合物に溶解する。次に触媒(5%のPd/C;60mg)を添
加し、この懸濁液を水素雰囲気下に48時間攪拌する。こ
の工程において、誘導体119 から生じるベンジル基が完
全に消滅し、同様に誘導体119 のアジト基がアミノ基へ
と還元される。触媒は濾過によって除去し、次いで反応
混合物を濃縮乾固する。
【0524】こうして二糖120 が得られ、この二糖は生
成物 121及び122 を得るべく直ちに処理される。
【0525】d) −NH 2 基の硫酸化による二糖122
製造 二糖120 を水(6ml)に溶解する。この溶液にトリメチ
ルアミン/三酸化硫黄錯体(25mg)を添加する一方、ソ
ーダ( 0.1N)の添加によって溶液のpHを9.5に維持す
る。45時間の反応の後、1Nソーダを添加してpHを12と
する。その後1時間、この値を維持する。121 の溶液を
1Nで塩酸で中和してから、Na+ 型のダウエックス50
カラム(5ml)に通す。このカラムからの溶出液をカラ
ムG1×2(16ml, 1.6×8cm )へ通す。カラムの溶離
液を0〜3Mの勾配を有する塩化ナトリウムとする。ナ
トリウム塩状の誘導体122 を含有する画分を収集して濃
縮した後、水を溶離液としてセファデックスG25カラム
(50ml)を通過させることによって生成物を脱塩する。
このようにして二糖122 (27mg,68%)を得る。凍結乾
燥すると、生成物は白色の粉末状となる。[α]D 20
+95.5°(1.3 ;水)。
【0526】炭素13のNMR分析によって、生成物122
の所望の構造が確認される。
【0527】実施例32 2−0−(α−L−インド ピラノシル)−D−ガラク
ース(化合物128 )の製造 (第24図参照) この合成は、次の4ステップa)〜d)によって実施され
る。
【0528】a) 2,3,4,6−テトラ−0−アセチ
ル−α−L−イドピラノシルプロミド(化合物124 )の
製造 5gのペンター−0−アセチル−α−L−イドピラノー
ス(化合物123 ;P.PERCHEMLIDES, T.OSAWA, E.A.DAVID
SON & R.W.JEANLOZ, Carbohydr.Res.,3 (1967), 463 に
従って製造)の無水ジクロロメタン(100ml )溶液に0
℃で、臭化水素ガスを飽和させる。室温で2時間経過
後、反応媒体を氷へ注ぎ、クロロホルムで抽出する。有
機相を水洗し、(塩化カルシムで)乾燥し、蒸発させ
る。残渣をジクロロエタン−エーテル−ペンタン混合物
中に晶出させると、臭化物124 (5g,95%)が得られ
る。MP: 126〜127 ℃,[α]D =− 120°(c;0.
75,クロロホルム)。
【0529】b) ベンジル−3,4,6−トリ−O−ベ
ンジル−2−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−L−イドピラノシル)−β−D−ガラクトピ
ラノシド(化合物126 )の製造 ベンジル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−
ガラクトピラノシド(Tetrahedron ,32巻、1963頁、19
76年に記載されたJ.C.JACQUINET 及びP.SINAYの方法に
よって製造された化合物125 ) 200mgの無水ジクロロメ
タン(10ml)溶液を、モレキュラーシーブ4オングスト
ローム(300mg )と臭化第二水銀(80mg)の存在下、90
℃で乾燥窒素の下で、容積が半分に減少するまで攪拌し
た。臭化物124 (300mg )のグクロロエタン(10ml)溶
液を3時間に亘って添加し、反応混合物の容積がジクロ
ロエタンの連続的流出によって一定に保持された。この
添加の終了後3時間目に、反応媒質を周囲温度まで冷却
し、クロロホルム(100ml)で稀釈し、濾過し、10%沃
化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウムの稀薄水溶液、
水の順で連続して洗滌し、乾燥(硫酸ナトリウム)し
て、蒸発させた。酢酸エチル−ヘキサン(1:1、V/
V)混合物を用いて、シリカゲルカラム(30g)のクロ
マトグラフィーに残留物をかけることにより精製して、
シロップ状の二糖126 (290mg 、90%;[α]D 20=−
57°(;1.1 クロロホルム))を得た。
【0530】C485415に対する理論値:C,66.20
;H,6.25;O,27.55 , 実測値:C,65.98 H,6.13;O,27.35 % c) ベンジル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−2−
O−(α−L−イドピラノシル)−β−D−ガラクトピ
ラノシド(化合物127 )の製造 二糖126 (200mg )を無水メタノール(100ml )に溶解
し、ナトリウムメチラートの無水メタノール(0.2ml )
1M溶液を添加した。1時間後Dowex 50(H+)樹脂に
よって反応媒質を中和し、濾過して、蒸発させた。
【0531】ジクロロエタン−アセトン(7:3,V/
V)混合物を用いて、シリカゲルカラム(10g)のクロ
マトグラフィーにかけることによって、残留物を精製し
て、二糖127 (154mg 、95%)を純粋な状態で得た
([α]D 20=−43°(c:1.4クロロホルム))。
【0532】C404611に対する理論値:C,68.36
;H,6.60;O,25.04 , 実測値:C,68.38 ;H,6.64;O,25.27 %。
【0533】d) 2−O−(α−L−イドピラノシル)
−D−ガラクトース(化合物128 )の製造 木炭(charcoal)(50mg)上の10%パラジウムの存在下、
酢酸(0.1ml )を含むエタノール(10ml)中で二糖127
(200mg )を48時間水素化した。メタノール−クロロホ
ルム(4:1、V/V)混合物を用いて、シリカゲルカ
ラム(15g)のクロマトグラフィーにかけて生成物を精
製して、吸湿性白色粉末状の遊離の二糖128 を得た(9
7.5mg、 100%;[α]D 20=+28°(C:1.2 ;メタ
ノール)+15°(10分)→+93°(2時間)(:1.2
,水)。
【0534】C122211に対する理論値:C,42.10
;H,6.48、 実測値:C、41.71 ;H,6.48%。
【0535】実施例331,2:3,4−ジ−O−イ
ソプロピリデン−6−O−(α−L−イドピラノシル)
−α−D−ガラクトピラノース(化合物131 )の合成 最初に1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン−6
−O−(2,3,4,6−テトラ−D−アセチル−α−
L−イドピラノシル)=α−D−ガラクトピラノース
(化合物130 )が製造された。J.Am.Chem.Soc., 63巻、
2516頁、1941年のR.C.HOCKETT, H.G.Fletcher 及びJ.B.
AMESに従って製造された1,2:3,4−ジ−O−イソ
プロピリデン−α−D−ガラクトピラノース(化合物12
9)の 300mgの無水ジクロロエタン(20ml)の溶液を、モ
レキュラーシーブ4オングストローム(500mg )と臭化
第二水銀(300mg )の存在下、90℃で、乾燥窒素下で、
容積が半分に減少するまで攪拌した。臭化物124 (550m
g )のジクロロエタン(10ml)溶液を加え、24時間後、
臭化物124 (125mg )のジクロロエタン(2ml)溶液を
更に加えた。後者の添加後24時間目に、二糖126 の製造
について既に述べたように反応媒質を処理した。ジクロ
ロエタン−アセトン(9:1,V/V)混合物を用い
て、シリカゲルカラム(50g)のクロマトグラフィーに
かけることによって精製して、二糖130 を得た。この二
糖をジクロロエタン/ペンタン混合物中で再結晶した
(650mg 、95%、M.P. 160〜161 ℃、[α]D 20=−86
°(:1,クロロホルム))。
【0536】C263815に対する理論値:C,52.88
;H,6.48;O,40.64 、 実測値:C,52.89 ;H,6.41;O,40.63 %。
【0537】次に、下記の手順に従って、誘導体130 を
1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン−6−O−
(α−L−イドピラノシル)−α−D−ガラクトピラノ
ース(化合物131 )の製造に使用した。二糖類の製造に
ついて前述した技術によって二糖類130 (300mg )の脱
アセチル化した。メタノール−クロロホルム(4:1,
V/V)混合物を用いて、シリカゲルカラム(15mg)の
クロマトグラフィーにかけて精製して、無定型吸湿性粉
末状で得られる二糖類131 に到達した(204mg、95%;
[α]D 20=−63°(C;0.7 、メタノール))。
【0538】C183011に対する理論値:C,51.18
;H,7.16;O,41.66 、 実測値:C,50.86 (第24図及び第25図参照)。
【0539】実施例34ベンジル−2,3,4−トリ
−O−ベンジル−6−O−(α−L−イドピラノシル)
−β−D−ガラクトピラノシド(化合物134 )の製造 最初に、ベンジル−2,3,4−トリ−O−ベンジル−
6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α
−L−イドピラノシル)−β−D−ガラクトピラノシド
(化合物133 )が製造された。ベンジル−2,3,4,
−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシド
(K.MIYAT よおびR.W.JEANLOZ のCarbohydr.Res., 21
巻、45頁、1972年に従って製造された化合物132 ) 200
mgの無水ジクロロエタン(15ml)溶液を4オングストロ
ームモレキュラーシーブ(300mg )及び臭化第二水銀
(80mg)の存在下、90℃で、乾燥窒素下で、容積が5ml
になるまで攪拌した。臭化物124 (160mg )のジクロロ
エタン(10ml)溶液を添加し、反応媒質を90℃で24時間
攪拌した。二糖126 の製造について前述したと類似の処
理を行って、残留物を得た。この残留物を、ジクロロエ
タン−アセトン(12:1,V/V)混合物を用いて、シ
リカゲルカラム(30g)のクロマトグラフィーにかけて
精製して、二糖133 を得た(227mg ;70%;[α]D 20
=−30°(C:1,クロロホルム))。
【0540】C485415に対する理論値:C,66.20
;H,6.25;O,27.55 , 実測値:C;65.96 ;H,6.23;O,27.66 %。
【0541】次に、下記の手順に従って、ベンジル−
2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−O=(α−L−
イドピラノシル)−β−D−ガラクトピラノシド(化合
物134)の製造に化合物133 を使用した。二糖127 の製
造について前述した技術によって二糖133 (200mg )を
脱アセチル化した。クロロホルム−メタノール(9:
1,V/V)混合物を用いて、シリカゲル(10g)カラ
ムのクロマトグラフィーにかけて精製して、無定形で得
られる二糖類134 に到達した(147mg 、90%;[α]D
20=−88°(C:0.8 ,クロロホルム))。
【0542】C404611に対する理論値:C,68.36
;H,6.60;O,25.04 、 実測値:C,68.74 ;H,6.68;O,25.37 %(第25図
参照)。
【0543】実施例352−アセタミド−1,3,6
−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テ
トラ−O−アセチル−α−L−イドピラノシル−2−デ
スオキシ−β−D−グルコピラノース(化合物138 )の
製造(第26図) この化合物の製造は、下記のステップa)〜c)によって行
われた。
【0544】a) 2−アセタアミド−3−O−アセチル
−1,6−アンヒドロ−2−デスオキシ−4−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−L−イ
ドピラノシル−β−D−グルコピラノース(化合物136
)の製造 2−アセタミド−3−O−アセチル−1,6−アンヒド
ロ−2−デスオキシ−β−D−グルコピラノース(F.SC
HEMITT及びP.SINAY のCarbohydr.Res., 29巻、99頁(19
73年)に従って製造した化合物135 )1gの無水ニトロ
ベンゼン(40ml)溶液を、 250℃で48時間前もって活性
化した粉末状の4オングストロームモレキュラーシーブ
(1g)の存在下 130℃で2時間攪拌した。臭化物124
(1.43g)のジクロロエタン(10ml)溶液を加え、反応
媒質を 130℃に10時間保持した。その後、臭化物124
( 0.7g)のジクロロエタン(5ml)溶液を更に加え、
24時間反応を継続させた。二糖類126 の製造について述
べたと同様の処理を行って、二糖類136 に到達した。酢
酸エチル−エーテル(5:1、V/V)混合物を用い
て、この化合物をシリカゲルカラム( 200g)のクロマ
トグラフィーにかけることによって精製して、二糖類13
6 ( 1.8g、85%;[α]D 20=70.6°(C:1,クロ
ロホルム))を得た。
【0545】C243314Nに対する理論値:C,51.5
2 ;H,5.94;N,2.50;O,40.03、 実測値:C,51.35 ;H,5.89;N,2.51;O,40.05
%。
【0546】b) 2−アセタミド−1,6−アンヒドロ
−2−デスオキシ−4−O−(α−L−イドピラノシ
ル)−β−D−グルコピラノース(化合物137 )の製造 二糖類127 の製造について既に述べた技術によって、二
糖類136 (500mg )を脱アセチル化した。酢酸エチル−
メタノール(2:1,V/V)混合物を用いて、シリカ
ゲルカラム(40g)のクロマトグラフィーにかけること
によって精製して、二糖類137 (300mg 、90%;[α]
D 20=−65.0°(C:1.6 ,メタノール))を得た。
【0547】C142310N・ 0.5H2 Oに対する理論
値:C,44.92 ;H,6.46;N,3.74、 実測値:C,44.95 ;H,6.61;N,4.27%。
【0548】c) 2−アセタミド−1,3,6−トリ−
O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O
−アセチル−α−L−イドピラノシル)−2−デスオキ
シ−β−D−グルコピラノース(化合物138 )の製造 無水酢酸、酢酸及び濃硫酸(7:3: 0.1,V/V)の
混合物(5ml)の存在下で、二糖136 (150mg )を周囲
温度、12時間で加酢酸分解した。次に反応媒質を氷水中
に注ぎ、4時間攪拌し、その後クロロホルム(100ml )
で抽出した。クロロホルム相を炭酸水素ナトリウムの稀
薄水溶液、水で洗滌し、乾燥(硫酸ナトリウム)して、
蒸発させた。酢酸エチル−エーテル混合物(5:1,V
/V)を用いて、残留物をシリカゲルカラム(10g)の
クロマトグラフィーにかけて精製して、二糖138 を得、
これを酢酸エチル−ペンタン混合物中で再結晶した(12
0mg 、64%;M.P. 120℃;[α]D 20=40°(C:1,
クロロホルム))。
【0549】元素分析: C283919Nに対する理論値:C,49.63 ;H,5.8
0;O,42.50 ;N,2.07、 実測値:C,49.68 ;H,5.91;O,42.16 ;N,2.12
%。
【0550】実施例362−アセタミド−2−デスオ
キシ−4−O−(α−L−イドピラノシル)−D−グル
コピラノース(化合物139 )の製造(第26図) 二糖139 を製造するために、前述の技術によって二糖13
8 (100mg )を脱アセチル化した。メタノール−クロロ
ホルム(3:2,V/V)混合物を用いてシリカゲルカ
ラム(5g)のクロマトグラフィーにかけることによっ
て精製して、二糖139 を得た。この二糖類を水性エタノ
ール中で再結晶させた(48mg;85%、MP 143〜145
℃、[α]D 20=−20°〜31°[C:0.8 、水−メタノ
ール(19:1,v/v)、14時間後]。
【0551】元素分析:C1425NO11・ 0.5H2 Oに
対する理論値:C,42.86 ;H,6.68;N,3.57、 実測値:C,42.83 ;H,6.68;N,3.59%。
【0552】実施例37ステップ1〜6による化合物
138 製造の変形(第27図参照) 1:ベンジル2−アセタミド−3,6−ジ−O−ベンジ
ル−2−デスオキシ−4−O−(6−O−トシル−β−
D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシド
(化合物140 ) の製造 化合物139 ( 0.2g)のピリジン(5ml)溶液を0℃ま
で冷却した。次に、ピリジン(2ml)に溶解した塩化ト
シル(0.07g)を加えた。室温で反応を24時間継続し
た。数滴の水を添加した後、混合物を30分間攪拌して氷
の上に注いだ。再びクロロホルム( 0.2l)で抽出した
後、クロロホルム相を10%KHSO4 水溶液、水、飽和
NaHCO3 溶液及び水で継続して洗滌した。硫酸ナト
リウム上で乾燥し、濃縮乾固した後、残留物を酢酸エチ
ル/メタノール混合物(15/1 ,V/V)を用いてシリ
カゲル(20g)のクロマトグラフィーにかけた。このよ
うにして、純粋な化合物140 (150mg ;60%、[α]D
20=+74°(C:1.1 、クロロホルム))を得た。
【0553】元素分析: C424913NS(807.912 )に対する理論値:C,6
2.40 ;H,6.11;N,1.73;O,25.74 ;S,3.97、 実測値:C,62.77 ;H,6.13;N,1.73;O,24.98
;S,3.48、 NMRスペクトルは所期の構造と一致した。
【0554】2:ベンジル2−アセタミド−3,6−ジ
−O−ベンジル−2−デスオキシ−4−O−(2,3,
4−トリ−O−アセチル−6−O−トシル−β−D−グ
ルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシド(化合物
141 )の製 化合物140 (200mg )のピリジン(5ml)溶液に無水酢
酸(5ml)を添加した。室温で一晩放置した後、反応混
合物を濃縮乾固した。酢酸エチル/ヘキサン(3/1,
V/V)混合物を用いて、残留物をシリカゲルカラム
(25g)のクロマトグラフィーにかけた。このようにし
て、シロップ状の化合物141 (208mg 、90%;[α]D
20=+70°(C:1,クロロホルム))を得た。
【0555】元素分析: C4855HSO16(934.023 )に対する理論値:C,6
1.78 ;H,5.94;N,1.5 ;O,27.41 ;S,3.43、 実測値:C,61.58 ;H,5.91;N,1.27;S,3.23、 NMRスペクトルは所期の構造と一致した。
【0556】3:ベンジル2−アセタミド−3,6−ジ
−O−ベンジル−2−デスオキシ−4−O−(2,3,
4−トリ−O−アセチル−6−デスオキシ−6−イオド
−β−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノ
シド(化合物142 )の製造 1) 化合物141 からの製造 化合物141 (150mg )のアセトン(5ml)溶液に沃化ナ
トリウム(150mg )を加えた。この混合物を封管中で70
℃に7時間加熱した。乾燥するまで蒸発させた後、残留
物を再度水とクロロホルムで抽出した。クロロホルム相
を水で洗滌し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。蒸発乾固
した後、残留物をクロロホルム/ペンタン混合物中で再
結晶させた(102mg 、70%;m.p. 173〜174 ℃、[α]
D 20=+78.5°(C:1.2 ,クロロホルム)。
【0557】元素分析: C414813NI(889.733 )に対する理論値:C,5
5.34 ;H,5.44;N,1.57;O,23.38 ;I,14.28
、 実測値:C,54.98 ;H,5.52;N,1.45; O,23.57
;I,14.10 、 NMRスペクトルは所期の構造に該当した。
【0558】2) 化合物139 から出発して化合物143 を
経由する製造 化合物139 (1g)とN−イオドースクシンイミド(1
g)のDMF(50ml)溶液を0℃で30分間攪拌した。次
に、トリフェニルホスフィン( 1.2g)を1時間の間に
徐々に添加した。50℃で1時間加熱後、メタノール(1
ml)を加え、次に反応混合物を濃縮乾固した。生成物を
クロロホルムで抽出した。クロロホルム相を水、チオ硫
酸ナトリウム溶液の順で洗滌し、次に再び水で洗滌し
た。乾燥し、クロロホルムを蒸発させた後、残留物をシ
リカゲルカラム(50g)上に置いた。トリフェニルホス
フィンで汚染された化合物143 を酢酸エチル−メタノー
ル混合物(15/1 ,V/V)によって溶出した。
【0559】クロマトグラフィ用溶媒を蒸発させて乾燥
した後、誘導体143 をピリジン(10ml)中に溶解し、次
に無水酢酸(10ml)を用いてアセチル化した。通常の方
法で処理した後、誘導体142 をクロロホルム/ペンタン
混合物中で再結晶させた。化合物139 に関する収率は85
%であった。この化合物は、あらゆる点で化合物141か
ら得た化合物と類似していた。
【0560】4:ベンジル2−アセタミド−3,6−ジ
−O−ベンジル−2−デスオキシ−4−O−(2,3,
4−トリ−O−アセチル−6−デスオキシ−β−D−キ
シロ−ヘキシ−5−(エノピラノシル)−α−D−グル
コピラノシド−2(化合物144 )の製 化合物142 (400mg )の無水ピリジン(5ml)溶液にフ
ッ化銀(400mg )を添加した。懸濁液を暗所で48時間攪
拌した。次に、この混合物をエーテル(200ml)に攪拌
しながら注いだ。濾過後、エーテル相を10%NaHSO
4 溶液で洗滌し、次に10%NaHCO3 溶液、最後に水
で洗滌した。乾燥し、乾燥状態まで濃縮した後、残留物
をクロロホルム/エーテル混合物中で再結晶した(206m
g 、60%;m.p. 184〜185 ℃;[α]D 20=+70°
(C:1.4 ;クロロホルム))。
【0561】元素分析: C4147NO13(761.821 )に対する理論値:C,64.6
9 ;H,6.22;N,1.84、 実測値:C,64.5;H,5.96;N,1.79、 NMRスペクトルは所期の構造と一致した。
【0562】5:ベンジル2−アセタミド−3,6−ジ
−O−ベンジル−2−デスオキシ−4−O−(α−L−
イドピラノシル−α−D−グルコピラノシド(化合物14
5 )の製造 化合物144 (380mg )を新しく蒸留したテトラヒドロフ
ラン(8ml)中に溶解した。窒素雰囲気中で0℃に冷却
した後、水素化硼素(BH3 ,THF中1M、1ml)を
加え、次に温度を再び室温まで上げた。1時間反応させ
た後、水素化物(1ml)を更に添加した。30分後、エタ
ノールを滴下添加した。ガス放出が止った際に、この混
合物をTHF(10ml)で稀釈した。ソーダ(3M、1.2m
l )を加え、次いで過酸化水素(120 容;0.8ml )を加
えた。50℃に2時間保持した後、溶液をクロロホルム中
に注いだ。クロロホルム相を塩酸水溶液( 0.1N)で洗
滌し、次に水で洗滌した。乾燥(Na2 SO4 )し、濃
縮乾固した後、酢酸エチル/メタノール混合物(15/4
;V/V)を用いて残留物をシリカゲルカラム(45
g)のクロマトグラフィーにかけた。誘導体145 が最初
に溶出(63mg;15%)し、次いで誘導体139 (225mg ;
54%)が溶出した。誘導体145 を酢酸エチル/メタノー
ル混合物中で再結晶させた(m.p. 191℃;[α]D 20
+64.4°(C:1、メタノール))。
【0563】元素分析: C3543NO11・H2 Oに対する理論値:C,62.57 ;
H,6.75;N,2.08、 実測値:C,62.42 ;H,6.55;N,1.88、 6:2−アセタミド−1,3,6−トリ−O−アセチル
−2−デスオキシ−4−O−(2,3,4,6−テトラ
−O−アセチル−α−イドピラノシル)−D−グルコピ
ラノース(化合物138 )の製造 誘導体145 (35mg)のメタノール(10ml)溶液に触媒
(Pd/C、5%;25mg)を存在させて、水素雰囲気中で48
時間攪拌した。濾過し、蒸発させた後、残留物(17mg)
をピリジン/無水酢酸混合物(2ml/1ml)を用いてア
セチル化した。通常の処理を行った後、残留物をシリカ
ゲルカラム(10g)のクロマトグラフィーにかけて酢酸
エチルで溶出した。晶出させた後、化合物138 を得た
(14mg、32%;m.p. 191℃;[α]D 20=+8°(C:
0.6 、クロロホルム))。
【0564】実施例38下記一般式を有する二糖149
合成
【0565】
【化78】 この合成は3つのステップで行われる(第28図参照)。
先づ、L−イズロン酸誘導体のオルトエステルのグリコ
シル化が行われる。次に、選択的にモノクロロアセチル
基を、その後形成されたアルコールの1つを、二糖と反
応させる。
【0566】1) ベンジルアルコールによるオルトエス
テル3 8のグリコシル化 実施例5によって得られたオルトエステル38(118mg 、
0.25mM)とベンジルアルコール(0.15ml、15mM、新しく
蒸留した)の無水クロロベンゼン(10ml)溶液を湿気を
遮断して 140℃に加熱した。溶媒8mlを徐々に残留した
後、2,6−ジメチルピリジニウムパークロレート(
2.5μM )のクロロベンゼン(2ml)溶液を30分の間に
滴下添加すると同時に溶媒(2ml)を留出させた。次
に、新しい溶媒を滴下すると同時に、反応容積が約2ml
の一定容積のままでいるように、溶媒を留出させ乍ら、
これらの条件下で反応混合物を30分間攪拌した。冷却
後、クロロホルム(50ml)で稀釈し、有機相を5%の炭
酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗滌し、乾燥(硫酸
ナトリウム)し、濾過して、蒸発させた。
【0567】残留物をシリカゲルカラム(8g)のクロ
マトグラフィーにかけた。ヘキサン−酢酸エチル(2:
1,V/V)で溶出すると、グリコシド混合物146 を含
む画分を得ることができた。この混合物はこの段階では
分離されなかった[102mg 、81%;N.M.R.(90M
Hz,CDCl3 )δ:7.30(m,10H,2ph)、3.98
(s,2H,Cl−CH2 −CO),3.74(s,3H,
COOMe)、3.08及び2.03(2s、全体として3H、
β型及びα型のOAc;β2:1)]。
【0568】2) 選択的O−脱モノクロロアセチル化 前述の混合物146 (102mg )のピリジン(5ml)−無水
エタノール(1ml)溶解をチオ尿素(25mg)の存在下で
100℃まで20分間加熱した。冷却後、反応混合物を蒸発
乾固し、残留物を水−クロロホルム混合物(1:1、V
/V、50ml)で再度抽出した。有機相を水で洗滌し、乾
燥(硫酸ナトリウム)し、濾過して、蒸発させた。
【0569】残留物をシリカゲルカラム(10g)のクロ
マトグラフィーにかけた。酢酸エチル−ヘキサン混合物
(4:3,V/V)で溶出して、グリコシド148 とグリ
コシド147 、(の溶出順序で)の単離を行った。
【0570】グリコシド148 (26mg、25%):無色のシ
ロップ;[α]D 20=+79°(:1,クロロホル
ム);N.M.R.(90MHz、CDCl3 ):δ:7.
30(m,10H,2pH)、5.05(m,1H, 2 )、4.90
(d,1H, 1 , 1.2J=2Hz),3.78(s,3
H,COOMe)、3.12(1H,D2 Oで交換されたO
)、2.05(s,3H,OAc)。
【0571】α−グリコシド147 (54mg、化合物38から
50%):無色のシロップ、[α]D 20=−65°(
1、クロロホルム);N.M.R.(90MHz、CDC
3 ):δ:7.30(m,10H,2ph)、5.05(2H,
1 及びH2 ,J1.2 ≦1Hzに対する極めて弱い結合定
数)、3.78(s,3H,COOMe)、2.80(1H,D
2 Oで交換されたO)、2.06(s,3H,OAc)。
【0572】3) 二糖97によるアルコール147 のグリ
シル化 アルコール147 (22mg、50mM)と実施例6によって得ら
れた臭化物97(57mg、70mM)の無水ジクロロメタン(1.
5ml )溶液を4オングストロームモレキュラーシーブ
(粉末、50mg)の存在下で光と水分から保護して攪拌し
た。反応混合物を−20℃まで冷却し、 sym−コリジン
(110ml )とシルバートリフレート(26mg、100mM )を
連続的に添加した。反応混合物をこれらの条件下で2時
間攪拌し、ジクロロメタン(50ml)で稀釈し、固体を徐
々に脱水させ、濾液を氷冷した 0.1MHCl水溶液、
水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗滌し、
乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過して、蒸発させた。
【0573】残留物をシリカゲルカラム(8g、ゲル 2
30〜400 メッシュ)のクロマトグラフィーにかけた。ト
ルエン−酢酸エチル(5:1,V/V)で溶出して、無
色シロップ状の三糖149 (50mg,86%)の単離を行っ
た。
【0574】N.M.R.スペクトル( 270MHz,C
DCl3 )は所期の構造と一致していた。このスペクト
ルを第32図に示す。
【0575】実施例39BSA上への四糖類の固定
【0576】
【化79】 ウシ血清アルブミン(BSA:7mg; 0.1μple )と四
糖類(15mg;10μM )の燐酸緩衝液(0.15M;pH 7.0;
2.5ml )溶液に水素化シアノ硼素ナトリウム(1.3mg ;
200μM )を加え、この溶液を37℃で5日間放置した。
次に、この反応混合物をセファデックスG−50(1×10
0cm )カラムのクロマトグラフィーにかけ、蛋白質−オ
リゴ糖配合体に固定されなかった五糖類と塩類を分離す
るために水で溶出した。これらの条件下で、BSA1モ
ル当り12モルの四糖類を固定することができた。
【0577】2−アミノエチル−ポリアクリルアミド又
は2−アミノエチル−セルロース等の不溶性保持体、又
は第一級アミン官能基を含む任意の他の保持体上で同一
の反応を行うことができた。
【0578】同様にして、抗トロンビンIII (BSAの
代りに)の存在下、既に規定した条件下で操作すること
によって、抗トロンビンIII 上にオリゴ糖を固定し、こ
れを介して永久的に活性化された抗トロンビンIII を得
た(BJORK 等、FEBS Letters, 143巻、96〜100 頁、19
82年)。
【0579】二糖類163 の合成 化合物( 5.6g)とシアン化第二水銀( 3.5g)のジ
クロロメタン(40ml)溶液に、溶媒約1mlを留去した
後、4オングストロームモレキュラーシーブ(1g)を
加え、次に化合物(3.44g;8.82mM)を加えた。1晩
攪拌した後、固体を濾過によって除去し、次にジクロロ
メタンで洗滌した。後者を溶液と一緒にし、次に得られ
た有機相を飽和沃化カリウム溶液で洗滌し、次いで水で
洗滌した。乾燥し、濃縮乾固した後、得られたシロップ
(10g)をメタノール(20ml)中でナトリウムメタノラ
ート(2M、1ml)の存在のもとで脱アセチル化した。
シリカゲル(50g;クロロホルム/メタノール;20/1
;V/V)のクロマトグラフィにかけた後に得られた
化合物163 はシロップ([α]D 20=−12°(C:1.
1,クロロホルム))であった。このシロップは化合物
5の合成にそのままで使用される。
【0580】化合物164 の合成 二糖類163 ( 2.7g)を無水DMF(27ml)に溶解し、
次にこの溶液に塩化トリチル(4.42g)、ジメチルアミ
ノピリジン(135mg )を加え、次にトリエチルアミン
(2.7ml )を加えた。室温で2日後、反応混合物を真空
下で濃縮した。残留物をシリカゲル(50g;ヘキサン、
次にヘキサン/酢酸エチル;2/1次に1/1;V/
V)のクロマトグラフィーにかけた。このようにして、
化合物164 を得た(2.6 g)。化合物164 はシロップ
([α]D 20=−16.3°(C:1.3 ,クロロホルム))
であった。
【0581】二糖類166 の合成 化合物164 の製造の終りに得られたシロップ( 2.4g)
をDMF(40ml)中に溶解した。次に水酸化バリウム8
水和物(1.64g)、酸化バリウム(7.08g)、最後に臭
化ベンジル(2ml)を加えた。4時間反応させた後、メ
タノールを加え、次にクロロホルム(100ml )を加え
た。固体を流出させ、次にクロロホルム相を濃縮乾固し
た。この段階で得られた二糖類165 を直接化合物166 に
転化した。このために、残留物をジクロロメタン(20m
l)中に再び抽出し、次に湿気から保護して、0℃でB
3 のメタノール溶液(2ml)を加えた。4時間反応さ
せた後、反応混合物をジクロロメタンで稀釈し、次に炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗滌した。乾燥濃縮後、残留
物をシリカゲルカラム( 100g;ヘキサン/酢酸エチ
ル;4/1次に1/1;V/V)のクロマトグラフィー
にかけた。このようにして、化合物166 が得られた
([α]D 20=−2°(C:0.7 ,クロロホルム))。
【0582】化合物168 の合成 誘導体166 をアセトン(20ml)中に溶解した。次に、酸
化クロム(VI)(670mg )の 3.5M硫酸(3ml)溶液を
0℃で加えた。 1.5時間後、反応混合物に氷と水を加
え、次に酸化生成物をクロロホルムで抽出した。クロロ
ホルム相を水で洗滌し、乾燥して、乾燥状態まで濃縮し
た。ジアゾメタンを加えることによって、エーテル中に
溶解した残留物をメチル化して、化合物168 を得た。こ
の化合物をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル;4/
1,次に1/1;V/V)上で精製した。精製された化
合物はシロップ([α]D 20=−8.5 °(C:1,クロ
ロホルム))であった。元素分析と1Rスペクトルは化
合物168 に対する所期の構造と一致した。
【0583】備考:実施例25(化合物94から化合物97ま
で)に記載した方法で、化合物168 を加酢酸分解してハ
ロゲン化物に転化しうる。
【0584】実施例40 メチル−O−(2−デオキ シ−2−スルファミド−6
O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1--4)
−O−(β−D− グルコピラノシルウロン酸 )−(1--
4)−O−(2 −デオキシ−2−スルホア ミノ−3,6
−ジ−O−ス ルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1
--4)−O −(α−L−イドピラノシ ルウロン酸)−
(1--4) −2−デオキシ−2−スル ホアミノ−α−D
−グルコ ピラノシドの合成 段階I 単糖169:メチル−6−O−アセチル−3−O−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D−
グルコピラノシドの合成 メチル−3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド
(Jacquinet 他、Carbohydr. Res. 130 (1984)221〜241
)を出発物質とし22と同様の手順で調製する;m.p.
124℃;[α]D =+64° 段階II 二糖170:メチル−6−O−アセチル−3−O−ベン
ジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオ
キシ−4−O−(メチル−2−O−アセチル−3−O−
ベンジル−4−O−クロロアセチル−α−L−イドピラ
ノシルウロネート)−α−D−グルコピラノシドの合成 オルトエステル38とアルコール169とを40に記載
の条件下で反応させることによって調製する;m.p.13
5〜137℃;[α]D =+12° 段階III 二糖171:メチル−6−O−アセチル−3−O−ベン
ジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオ
キシ−4−O−(メチル−2−O−アセチル−3−O−
ベンジル−α−L−イドピラノシルウロネート)−α−
D−グルコピラノシドの合成 41と同様の手順で調製する;m.p.144〜146℃;
[α]D =+25° 段階IV 四糖172:メチル−O−(メチル−2,3−ジ−O−
ベンジル−4−O−クロロアセチル−β−D−グルコピ
ラノシルウロネート)−(1--4)−O−(3,6−ジ
−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−α−D−
グルコピラノシル)−(1--4)−O−(メチル−2−
O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノ
シルウロネート)−(1--4)−6−O−アセチル−3
−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシドの合成 二糖20と171とを42と同様の手順で反応させるこ
とによって調製する;[α]D =+49° 段階V 四糖173:メチル−O−(メチル−2,3−ジ−O−
ベンジル−β−D−グルコピラノシルウロネート)−
(1--4)−O−(3,6−ジ−O−アセチル−2−ア
ジド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−
(1--4)−O−メチル−2−O−アセチル−3−O−
ベンジル−α−L−イドピラノシルウロネート)−(1
--4)−6−O−アセチル−3−O−ベンジル−2−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D
−グルコピラノシドの合成 173を出発物質として43と同様の手順で調製する;
[α]D =+53° 段階VI 五糖174:メチル−O−(6−O−アセチル−2−ア
ジド−3,4−ジ−O−O−ベンジル−2−デオキシ−
α−D−グルコピラノシル)−(1--4)−O−(メチ
ル−2,3−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノ
シルウロネート)−(1--4)−O−(3,6−ジ−O
−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−α−D−グル
コピラノシル)−(1--4)−O−(メチル−2−O−
アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシル
ウロネート)−(1--4)−6−O−アセチル−3−O
−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−デオキシ−α−D−グルコピラノシドの合成 単糖44と四糖173とを45に記載の条件下で反応さ
せることによって調製する;[α]D =+60°;ユニ
ットD、E、F、G、Hのアノマープロトンの1H N
MR:5.55、4.72、5.12、5.29、4.70 ppm(TMS中) 段階VII 五糖175:メチル−O−(2−アジド−3,4−ジ−
O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グリコピラノシ
ル)−(1--4)−O−(2,3−ジ−O−ベンジル−
β−D−グルコピラノシルウロネート)−(1--4)−
O−(2−アジド−2−デオキシ−α−D−グルコピラ
ノシル)−(1--4)−O−(3−O−ベンジル−α−
L−イドピラノシルウロネート)−(1--4)−3−O
−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−デオキシ−α−D−グルコピラノシドの合成 174を出発物質とし、46の合成に用いた方法からジ
アゾメタン処理を削除した鹸化処理によって調製する;
[α]D =+41° 段階VIII 五糖176:メチル−O−(2−アジド−3,4−ジ−
O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−スルホ−α−D
−グルコピラノシル)−(1--4)−O−(2,3−ジ
−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシルウロネー
ト)−(1--4)−O−(2−アジド−2−デオキシ−
3,6−ジ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)
−(1--4)−O−(3−O−ベンジル−α−L−イド
ピラノシルウロネート)−(1--4)−3−O−ベンジ
ル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキ
シ−2−O−スルホ−α−グルコピラノシドの合成 175を出発物質とし、47の合成と同様の手順で調製
する;[α]D =+29° 段階IX 五糖177:メチル−O−(2−アミノ−2−デオキシ
−6−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1
--4)−O−(β−D−グルコピラノシルウロネート)
−(1--4)−O−(2−アジド−2−デオキシ−3,
6−ジ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−
(1--4)−O−(α−L−イドピラノシルウロネー
ト)−(1--4)−2−アミノ−2−デオキシ−α−D
−グルコピラノシドの合成 176を出発物質とし、48の合成と同様の手順で調製
する。
【0585】段階X 五糖178:メチル−O−(2−デオキシ−2−スルフ
ァミド−6−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)
−(1--4)−O−(β−D−グルコピラノシルウロン
酸)−(1--4)−O−(2−デオキシ−2−スルホア
ミノ−3,6−ジ−O−スルホ−α−D−グルコピラノ
シル)−(1--4)−O−(α−L−イドピラノシルウ
ロン酸)−(1--4)−2−デオキシ−2−スルホアミ
ノ−α−D−グルコピラノシドの合成 177を出発物質とし、49の合成と同様の手順で調製
する。溶出のために塩化ナトリウム勾配を用いた Q-sep
haroseクロマトグラフィーで精製する。ユニットD、
E、F、G及びHのアノマープロトンの 1H−NMR;
5.60、4.62、5.52、5.18、5.02 ppm(TMS中)実施例40の生成物の薬理 学的特性 この五糖は3000U/mgの抗Xa(Yin-Wessler )活
性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化合物の製造工程図である。
【図2】本発明化合物の製造工程図である。
【図3】本発明化合物の製造工程図である。
【図4】本発明化合物の製造工程図である。
【図5】本発明化合物の製造工程図である。
【図6】本発明化合物の製造工程図である。
【図7】本発明化合物の製造工程図である。
【図8】本発明化合物の製造工程図である。
【図9】本発明化合物の製造工程図である。
【図10】本発明化合物の製造工程図である。
【図11】本発明化合物の製造工程図である。
【図12】本発明化合物の製造工程図である。
【図13a】本発明化合物の製造工程図である。
【図13b】本発明化合物の製造工程図である。
【図14】本発明化合物の製造工程図である。
【図15】本発明化合物の製造工程図である。
【図16】本発明化合物の製造工程図である。
【図17】本発明化合物の製造工程図である。
【図18】本発明化合物の製造工程図である。
【図19】本発明化合物の製造工程図である。
【図20】本発明化合物の製造工程図である。
【図21】本発明化合物の製造工程図である。
【図22】本発明化合物の製造工程図である。
【図23】本発明化合物の製造工程図である。
【図24】本発明化合物の製造工程図である。
【図25】本発明化合物の製造工程図である。
【図26】本発明化合物の製造工程図である。
【図27】本発明化合物の製造工程図である。
【図28】本発明化合物の製造工程図である。
【図29】本発明化合物の製造工程図である。
【図30】本発明化合物の製造工程図である。
【図31】本発明化合物43のNMRスペクトルであ
る。
【図32】本発明化合物149のNMRスペクトルであ
る。
【図33a】本発明化合物の製造工程図である。
【図33b】本発明化合物の製造工程図である。
【符号の説明】
Ac アセチル基 Me メチル基 Bn ベンジル基 Bz ベンゾイル基 MCAO モノクロルアセチル基 Tr トリチル基 but ブチル基 S SO
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 15/18 C07H 15/18 C08B 37/00 7433−4C C08B 37/00 H (31)優先権主張番号 8210891 (32)優先日 1982年6月22日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (31)優先権主張番号 8210892 (32)優先日 1982年6月22日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (31)優先権主張番号 8211679 (32)優先日 1982年7月2日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (31)優先権主張番号 8213804 (32)優先日 1982年8月6日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (31)優先権主張番号 8215803 (32)優先日 1982年9月20日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (31)優先権主張番号 8215804 (32)優先日 1982年9月20日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (31)優先権主張番号 8218003 (32)優先日 1982年10月27日 (33)優先権主張国 フランス(FR) (72)発明者 ジヤン・ショアイ フランス国、75007・パリ、リユ・サン −ギヨーム、21 (72)発明者 ジヤン−クロード・ロルモ フランス国、76150・マロム、リユ・ジ ヨゼフ・ドラトル、1 (72)発明者 マームード・ナースル エジプト国、アレクサンドリア、アレク サンドリア・ユニヴアーシテイ、フアカ ルテイ・オブ・サイエンスイズ、ケミス トリイ・デパートメント(番地なし) (56)参考文献 特表 昭56−501320(JP,A) 特表 昭56−500066(JP,A) 特表 昭58−500564(JP,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連鎖a−b、a−c又はこの逆に相当す
    る構造(A−U)n又は(U−A)n (式中、a、b及
    びcは、夫々、 【化1】 の構造を有し、A単位はD−グルコサミン構造であり、
    U単位はD−グルクロン酸又はL−イズロン酸構造であ
    り、連鎖が、 【化2】 から選択され、 nは1乃至6の整数である)の二成分単位に基づく鎖か
    ら成るオリゴサッカライドであって、前記二成分単位
    は、 (a) 還元末端単位のアノマー炭素上にハロゲン化物、イ
    ミデート及びオルトエステルから選択された反応性残基
    を有するか又は非還元末端単位に単一の遊離OH基を有
    しており、この−OH基はA単位の場合は3,4又は6
    −位を占め且つU単位の場合は2,3又は4−位を占め
    ており、存在する場合には、アミノ及びカルボキシル基
    はアミノ及びカルボキシル官能基の保護基によりそれぞ
    れブロックされており、他の−OH基は永久保護基
    (p)及び半永久保護基(sp)及び場合により暫定保
    護基(t)によりブロックされており、各タイプの保護
    基は異なる条件で除去可能であり、該永久及び半永久保
    護基はアルキル、置換アルキル、アシル、アセタール
    基、隣り合う2つのOH基間のエポキシド及び1、6−
    無水架橋から選択され、該暫定保護基はアリル及びアシ
    ル基から選択される、又は、 (b) グリコシレーションステップの終了時に得られるよ
    うな完全に保護された単位によって構成されているか、
    又は、 (c) 1個又は数個の−OH基が遊離している生成物から
    成っているが、ただし、構造[2−N−サルフェート又
    は2−N−アセチル−6−O−サルフェート−D−グル
    コサミン]−[メチル−D−グルクロン酸]を有する
    1、4−二糖類を除くオリゴサッカライド。
  2. 【請求項2】 式I 【化3】 [式中、R1 は、同一又は互いに異なり、必要に応じて
    Rと連結して、請求項1で定義した半永久基sp、即
    ち、グルシド骨格が多数の単位を含む場合グリコシル化
    反応の後に、存在する他の基の除去もしくは変化を伴わ
    ずに除去することができる基、又は、請求項1で定義し
    永久基p、即ち、半永久基の代わりに官能基を導入す
    る際OHを保護し続け得る基を示し、 Tは請求項1で定義した暫定基t、即ち、新たなグリコ
    シル化反応に関与する目的のAもしくはU単位の位置を
    選択的に封鎖し得る基、永久基p又は水素原子を示し、
    Nは窒素含有基即ちアミン又はアミン誘導体前駆基を示
    し、Rは脂肪族又は芳香族の基を示しORは反応性残基
    を示し、Mは酸官能性をブロックする残基を示す]の連
    鎖 【化4】 を少なくとも1個含有することを特徴とする請求項1に
    記載のオリゴサッカライド。
  3. 【請求項3】 式(II)、(III )又は(IV) 【化5】 [式中、Mは水素原子又はアルキル基を示し、spはア
    シル基を示し、pは置換アルキル基を示し、 Rはα又はβのアシル基、アルキル基、又は置換アルキ
    ルを示し、又は、−ORはハロゲン又はイミドイル基を
    示し、 Nはアジド基を示し、 Tはアシル基、ハロゲン化アシル基、又は置換アルキル
    基を示し、更に場合によっては前記単位の鎖形成を逆に
    する際にはパラメトキシ又は水素原子を示す]の 【化6】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  4. 【請求項4】 式(V) 【化7】 [式中、記号は式(I)に対して定義した個々の意味を
    有する]の 【化8】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  5. 【請求項5】 式(VI)又は(VII ) 【化9】 [式中、種々の記号は式(II)乃至(IV)に対して定義
    した個々の意味を有し、式(VI)又は(VII )中Rは、
    更に、プロペニル、アリル、イミドイル基又は−Hを示
    す]の 【化10】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  6. 【請求項6】 式(VIII) 【化11】 [式中、記号は式(I)に対して定義した意味を有す
    る]の 【化12】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  7. 【請求項7】 式(IX)及び(X) 【化13】 [式中、種々の基sp及びpは、同一でアシル基を示す
    か、又は、異なっておりアシル基、アリール基又は置換
    アルキル基から選択されており、 Nは、式(I)乃至(V)の化合物に存在するものとは
    異なっていてもよい窒素含有前駆基であり、これにより
    窒素含有基に異なる処理を施し得、且つA単位の2−位
    に異なるアミノ誘導体を形成し得、Tはアセチル、ハロ
    ゲン化アシル基又は p−メトキシベンゾイル基を示し、
    記号p、M及びRは式(II)乃至(IV)に対して定義し
    た意味を有する]の 【化14】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  8. 【請求項8】 式(XI) 【化15】 [式中、記号は式(I)に対して定義した意味を有す
    る]の 【化16】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  9. 【請求項9】 式(XII )又は(XIII) 【化17】 [式中、置換基は式(II)乃至(IV)に対して定義した
    意味を有する]の 【化18】 タイプの構造を有する単位を少なくとも1個含有するこ
    とを特徴とする請求項に記載のオリゴサッカライド。
  10. 【請求項10】 保護基が合成の過程で部分的に除去さ
    れており、基spの代わりに−OH基を含有している生
    成物に対応することを特徴とする請求項に記載のオリ
    ゴサッカライド。
  11. 【請求項11】 式(XVIII )乃至(XXI ) 【化19】 [式中、記号は上記で定義した意味を有し、N1 及びN
    2 は、同一でも互いに異なっていてもよく、アジド又は
    −NH−アシル基を示す]のいずれかに対応するトリサ
    ッカライド構造、又は式(XXII) 【化20】 [式中、記号は上記に定義した意味を有し、2種のグル
    コサミン単位の2種の置換基N1 及びN2 は、天然物と
    同様に、同一でも異なっていてもよく、アジド、−NH
    −COO−アシル基又は−NH−COO−CH2 −C6
    5 から選択される]のトリサッカライド構造、式(XX
    III ) 【化21】 [式中、記号は式(XXII)に対して定義した意味を有す
    る]に対応するテトラサッカライド構造、又は、式(XX
    IV) 【化22】 [式中、記号は上記の意味を有し、N1 ,N2 及びN3
    は、同一か又は互いに異なり、上記に定義した意味のも
    のから選択される]に対応するペンタサッカライド構造
    を含有することを特徴とする請求項に記載のオリゴサ
    ッカライド。
  12. 【請求項12】 連鎖a−b、a−c又はこの逆に相当
    する構造(A−U) n 又は(U−A) n (式中、a、b
    及びcは、夫々、 【化23】 の構造を有し、A単位はD−グルコサミン構造であり、
    U単位はD−グルクロン酸又はL−イズロン酸構造であ
    り、連鎖が、 【化24】 から選択され、nは1乃至6の整数である)の二成分単
    位に基づく鎖から成っており、前記二成分単位は、 (a) 還元末端単位のアノマー炭素上にハロゲン化物、イ
    ミデート及びオルトエステルから選択された反応性残基
    を有するか又は非還元末端単位に単一の遊離OH基を有
    しており、この−OH基はA単位の場合は3,4又は6
    −位を占め且つU単位の場合は2,3又は4−位を占め
    ており、存在する場合には、アミノ及びカルボキシル基
    はアミノ及びカルボキシル官能基の保護基によりそれぞ
    れブロックされており、他の−OH基は永久保護基
    (p)及び半永久保護基(sp)及び場合により暫定保
    護基(t)によりブロックされており、各タイプの保護
    基は異なる条件で除去可能であり、該永久及び半永久保
    護基はアルキル、置換アルキル、アシル、アセタール
    基、隣り合う2つのOH基間のエポキシド及び1、6−
    無水架橋から選択され、該暫定保護基はアリル及びアシ
    ル基から選択される、又は、 (b) グリコシレーションステップの終了時に得られるよ
    うな完全に保護された単位によって構成されているか、
    又は、 (c) 1個又は数個の−OH基が遊離している生成物から
    なるオリゴサッカライド であって、1個、数個又は全て
    の−OH基が合成過程で遊離されており、及び/又は1
    個又は数個の官能基を含有しており、この官能基はサル
    フェートエステル又はホスフェートエステルの形態で存
    在しており、これらの官能基は1個又は数個の第一級ア
    ルコール及び/又は第二級アルコール及び/又は第一級
    アミン官能基から得られ、但しジサッカライド[ 2−N
    −サルフェート(又は 2−N−アセチル)-6−O−サル
    フェート−D−グルコサミン]−[メチル−D−グルク
    ロン酸]を除く該オリゴサッカライド。
  13. 【請求項13】 6−位及び/又は3−位がエステルに
    よって置換されているか、又は、無機若しくは有機カチ
    オンとの塩の形態にあり、更に2−位に第一級アミノ官
    能基、又はサルフェート若しくはアシル基によって置換
    されている第一級アミノ官能基を有しているa単位を含
    有し、遊離状態又は有機若しくは無機カチオンとの塩の
    形態にあり、又は保護されているカルボキシル基を有す
    るb単位又はc単位を含有し、2−位にサルフェート基
    を有するc単位を含有し及び/又はb単位上にサルフェ
    ート基を含有し、前記単位a,b又はcのピラン環のヒ
    ドロキシル官能基は遊離であるか又はアルキルタイプの
    永久基により保護されていることを特徴とする請求項
    に記載のオリゴサッカライド。
  14. 【請求項14】 式I 【化25】 [式中、R 1 は、同一又は互いに異なり、必要に応じて
    Rと連結して、請求項12で定義した半永久基sp、即
    ち、グルシド骨格が多数の単位を含む場合グリコシル化
    反応の後に、存在する他の基の除去もしくは変化を伴わ
    ずに除去することができる基、又は、請求項12で定義し
    た永久基p、即ち、半永久基の代わりに官能基を導入す
    る際OHを保護し続け得る基を示し、 Tは請求項12で定義した暫定基t、即ち、新たなグリコ
    シル化反応に関与する目的のAもしくはU単位の位置を
    選択的に封鎖し得る基、永久基p又は水素原子を示し、
    Nは窒素含有基即ちアミン又はアミン誘導体前駆基を示
    し、Rは脂肪族又は芳香族の基を示しORは反応性残基
    を示し、Mは酸官能性をブロックする残基を示し、基s
    pはアニオンで置換されている]の連鎖 【化26】 を少なくとも1個含有するオリゴサッカライドに対応
    し、a単位上にNH−アシル基又はNHSO3 - 基を含
    有することを特徴とする請求項12又は13に記載のオ
    リゴサッカライド。
  15. 【請求項15】式(XXV )乃至(XXVIII) 【化27】 に夫々対応する構造を有するジサッカライド連鎖、 式(XXIX)及び(XXX ) 【化28】 に夫々対応する構造のトリサッカライド連鎖、 式(XXXI) 【化29】 に対応する構造のテトラサッカライド連鎖、 式(XXXII ) 【化30】 の構造を有するペンタサッカライドを含有するか又は前
    記ペンタサッカライドから構成されるペンタサッカライ
    ド連鎖、及び/又は、 式(XXXIII) 【化31】 に対応するヘキササッカライド連鎖を含有することを特
    徴とする請求項14に記載のオリゴサッカライド。
  16. 【請求項16】 式(XXV )乃至(XXXIII)のいずれか
    に対応し、−Op基の代わりに遊離の−OH基を含有
    し、且つ場合により一部の−OSO3 - 基が−OH基で
    置換されていることを特徴とする請求項15に記載のオ
    リゴサッカライド。
  17. 【請求項17】 【化32】 の構造を有することを特徴とする請求項15に記載のペ
    ンタオリゴサッカライド。
  18. 【請求項18】 生物学的に活性な、連鎖a−b、a−
    c又はこの逆に相当する構造(A−U) n 又は(U−
    A) n (式中、a、b及びcは、夫々、 【化33】 の構造を有し、A単位はD−グルコサミン構造であり、
    U単位はD−グルクロン酸又はL−イズロン酸構造であ
    り、連鎖が、 【化34】 から選択され、 nは1乃至6の整数である)の二成分単位に基づく鎖か
    ら成っており、前記二成 分単位は、 (a) 還元末端単位のアノマー炭素上にハロゲン化物、イ
    ミデート及びオルトエステルから選択された反応性残基
    を有するか又は非還元末端単位に単一の遊離OH基を有
    しており、この−OH基はA単位の場合は3,4又は6
    −位を占め且つU単位の場合は2,3又は4−位を占め
    ており、存在する場合には、アミノ及びカルボキシル基
    はアミノ及びカルボキシル官能基の保護基によりそれぞ
    れブロックされており、他の−OH基は永久保護基
    (p)及び半永久保護基(sp)及び場合により暫定保
    護基(t)によりブロックされており、各タイプの保護
    基は異なる条件で除去可能であり、該永久及び半永久保
    護基はアルキル、置換アルキル、アシル、アセタール
    基、隣り合う2つのOH基間のエポキシド及び1、6−
    無水架橋から選択され、該暫定保護基はアリル及びアシ
    ル基から選択される、又は、 (b) グリコシレーションステップの終了時に得られるよ
    うな完全に保護された単位によって構成されているか、
    又は、 (c) 1個又は数個の−OH基が遊離している生成物から
    なるオリゴサッカライドであって、1個、数個又は全て
    の−OH基が合成過程で遊離されており、及び/又は1
    個又は数個の官能基を含有しており、この官能基はサル
    フェートエステル又はホスフェートエステルの形態で存
    在しており、これらの官能基は1個又は数個の第一級ア
    ルコール及び/又は第二級アルコール及び/又は第一級
    アミン官能基から得られ、但しジサッカライド[ 2−N
    −サルフェート(又は 2−N−アセチル)-6−O−サル
    フェート−D−グルコサミン]−[メチル−D−グルク
    ロン酸]を除く オリゴサッカライドの有効量を不活性キ
    ャリヤーとともに含有する抗血栓剤。
  19. 【請求項19】 オリゴサッカライドがサルフェート化
    され且つ脱保護された式(XXXIII)のオリゴサッカライ
    ドである請求項18に記載の抗血栓剤。
  20. 【請求項20】 オリゴサッカライドが誘導体50である
    請求項18に記載の抗血栓剤。
  21. 【請求項21】 オリゴサッカライドが式 【化35】 の構造を有する請求項18に記載の抗血栓剤。
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