JP2510441B2 - 合成樹脂成形品の射出成形方法 - Google Patents
合成樹脂成形品の射出成形方法Info
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Description
形方法、特に自動車用バックパネル等の大型のパネル状
合成樹脂成形品の製造に適する射出成形方法に関する。
へ溶融樹脂を射出充填し、ゲート部が冷却固化するまで
保圧することによって、スプルやランナの溶融樹脂を介
してキャビティ内に圧力を付加して金型の形状を転写
し、同時に樹脂が逆流しないようにせしめ、ゲートが固
化した後は金型内の樹脂が持つ熱量を金型へ伝熱して逃
がすことによって冷却固化させて成形品を得る方法が通
常行われている。
・保圧工程では、溶融樹脂の流動抵抗および樹脂の冷却
などによりキャビティ内に圧力分布が生じるために、不
均一な収縮が起こり易く、成形品の変形、ヒケまたはク
ラックが発生するという問題がある。特に、大型パネル
状成形品である車両用バックパネル等の射出成形におい
ては、成形品のコーナー部分、端部等では冷却速度が速
いためキャビティ内に充填された溶融樹脂が急冷されて
体積収縮し、一方成形品の該コーナー部分の内側や端部
の内側周辺部分では冷却速度が相対的に遅いため、成形
品にヒケを発生しやすいという問題がある。
型パネル状成形品では樹脂の流動長が長いため、流動方
向で流動抵抗および樹脂の冷却などにより圧力分布およ
び温度分布を生じ、流動末端部でヒケや不均一な収縮が
起こり易く、成形品の変形、反りまたはクラックが発生
するという問題がある。更に、バックパネルの場合は、
バックパネル成形品の強度向上、車体への取り付け、車
体とバックパネル成形品との間の防水シール等の点か
ら、バックパネル成形品のリブ補強部分、取り付け部
分、シール部分等の肉厚を厚くすることがあり、これに
より偏肉部分にヒケが発生しやすいという欠点がある。
変更等が色々行われているが、その対応は十分ではな
い。例えばヒケをなくすために射出圧力を増加させると
いう方法がとられることがあるが、この方法ではゲート
付近で過充填による歪が発生し、このため成形品の耐久
性や耐溶剤性が低下する。また、この方法で曲面を有す
る成形品を製造する場合は、キャビティ内の流動方向の
圧力分布により不均一な収縮が生じて型キャビティの曲
面形状を正確に転写できず、曲率が小さくなってしまう
等の変形やヒケの問題点があった。そして、上記のよう
な現象は特に大型長物成形品において顕著である。
距離を短くしてキャビティ内の圧力分布および温度分布
を小さくしようとする方法も知られているが、この方法
による場合は、キャビティ内の樹脂流動が分岐している
ために、流動してきた樹脂の合流点でウエルドマークが
発生し、ウエルド部分での強度低下を生じたり、外観を
損なうという欠点がある。しかも、ゲートの位置によっ
てはキャビティ内への樹脂の充填が均一に行われないた
めに、成形品に変形や反りを生ずる等の問題があった。
射出圧縮成形方法が知られており、この射出圧縮成形方
法には、圧縮のしかたや、圧縮代の設定のしかたにより
種々の方法が提案されている。その一つは金型がパーテ
ィングラインでわずかに開くまで金型内に樹脂をオーバ
ーパックする方法であり、具体例としては、金型の開き
量を制御する方法(特開昭50−39351号)、オー
バーパックしやすいような型キャビティにする方法[Ro
linx 法:“ New concept in injection molding Rolin
xprocess extended application of plastics”Plastic
s, 30, 330, Apr.(1965)]等がある。
射出圧力を要すると共に、射出の開始時から成形品の冷
却固化時まで一定の高い型締力で高圧縮状態をそのまま
維持するため、冷却中の比容が減少した溶融樹脂に外部
応力が作用して、冷却されて流動性が低下した状態で樹
脂に圧力が付加され、その結果成形品に歪みが残るとい
う問題があった。
弾性的に変形または移動するキャビティ形成駒を金型内
に設け、射出時には該駒の弾性変形または移動によりキ
ャビティの内容積を増大させ、冷却時には駒の弾性変形
または移動に基づく復元力により金型内の成形品に圧縮
力を与える金型成形法(特開昭57−205126号)
が提案されている。しかしこの方法も、上記方法と同様
に、樹脂の流動性が低下した状態で樹脂に圧力が付加さ
れるために成形品に歪みを生ずるという欠点がある。そ
れを回避するために、溶融樹脂の収縮を見込んで金型キ
ャビティを予め大きく設計することも試みられている
が、肉厚成形品または偏肉成形品等の場合は収縮の予測
が事実上不可能であり、試行錯誤が避けられないのが実
情である。
ことができる小さな油圧シリンダを金型内に埋め込んで
おくか、またはエジェクタ用シリンダを利用してキャビ
ティ容積を積極的に大きくした状態で樹脂をキャビティ
内に射出し、充填完了後に油圧シリンダを前進さえてキ
ャビティを小さくして、所定の厚さの成形品を製造する
方法が提案されており、この方法は、マイクロモルダー
法として知られている[H. Holt:“New techiques in
shrinkage control” SPE J. p519, Jun.(1964)]。
このマイクロモルダー法の場合は、比較的小さな成形品
の成形が主であり、この方法により大型成形品を製造し
ようとすると移動コアも必然的に大きくなり、重量の大
きな大型の移動コアを精度よく動かすことが難しく、コ
ア摺動面のかじりが発生し易いという欠点があり、大型
成形品の製造には適さなかった。しかも、金型キャビテ
ィ内の成形品の収縮に伴ってシリンダラムの前進が生ず
るため、移動コア側の製品面の精度は良いものの、対面
の精度が充分でないという問題点があった。
射出圧縮成形法がENGEL社により提案されており
(LUDWING ENGEL KGMACHINEN FABRIK, A-4311 SCHWERE
TBERGAUSTRIA)、この方法はトグル式の型締力を圧縮力
として用いて、射出工程ではトグルを完全に伸ばしきら
ない状態で保持し、圧縮工程で伸ばしきるというもので
ある。しかしながら、トグルによる圧縮方法では、圧縮
圧の制御が出来ないという欠点がある。
ローク分だけ開けておき、キャビティ内へ溶融樹脂を射
出充填した直後に型締する方法もあるが、この方法は金
型を開放しているので充填過程でバリを生じやすく、バ
リを出さない程度の型開きとすると充分な圧縮代を設け
ることができない。しかも、充分な圧縮代を設けるため
には特殊な金型構造とする必要があるといった問題点が
あった。
の問題点があり、特に大型のパネル状成形品の製造には
適さない。更に、パネル形状のキャビティが射出圧縮し
にくい理由として、(1)圧縮方向に垂直な方向ではキ
ャビティ容積が可変なため圧縮力がかかりやすいが、圧
縮方向に平行な方向または角度の付いた立ち壁、リブ部
分等には圧縮力がかかりにくいこと、(2)成形品の外
観上、キャビティ面の内側にダイレクトゲートまたはホ
ットランナーを設けることができずゲート設置位置に制
限がある場合には、一般にサイドゲートまたはファンゲ
ートが採用されているが、サイドゲートまたはファンゲ
ートを設けた金型を使用して金型を開かせる射出圧縮を
行うとバリを発生しやすいこと、(3)成形品形状が自
動車用バックパネルなどの大型長物外装部品等である場
合には、流動長が長いため圧力分布および温度分布が大
きく、しかも金型が重量物となるためキャビティ内の成
形品の全面に均一に圧縮力をかけることが困難であるこ
とが挙げられる。
近の高温度に設定できるレンズ成形等の場合と異なり、
例えば自動車用バックパネルの成形では、成形サイクル
短縮のために比較的低金型温度で成形を行うため、充填
途中で溶融樹脂が冷却され、特にキャビティのコーナー
部分や端部等で急冷されて樹脂の粘度が高くなり更に固
化してしまって圧縮がかけられない等の欠点がある。こ
のような理由から、従来の射出圧縮成形方法は、レン
ズ、光ディスク等の比較的小物の成形に実施され成果を
あげているが、大型長物箱型形状をも含むパネル状合成
樹脂成形品の成形では実施されていないのが現状であ
る。
来技術は、成形品の冷却状態での圧縮力による型内樹脂
圧力の制御について配慮されておらず、高密度充填や圧
縮により成形品に歪みが生じ、このため成形品のクラッ
ク発生、耐久性や耐溶剤性の低下等の問題があった。し
たがって、本発明の目的は、金型キャビティ内の樹脂の
不均一な収縮を抑制して、成形品の変形、ヒケまたはク
ラック等の発生を低減させ、更に成形品の耐久性および
耐溶剤性を向上させる方法を提供することである。
課題を解決することを目的として研究を行ってきたとこ
ろ、型締力により型内樹脂圧力を制御する射出圧縮法に
おいて、充填開始から冷却完了までに少なくとも2段階
に型締力を所定のタイミングで所定の圧力に切り替える
とよいことを見出した。そして、樹脂の充填開始から冷
却完了までに少なくとも2段階に型締力を所定の圧力に
切り替えることができる射出圧縮成形機を使用して更に
研究を進めたところ、充填・保圧時に型内圧力と型締力
をバランスさせて金型を成形品の厚さ方向(板厚方向)
に開くことにより成形収縮に見合う樹脂量を型キャビテ
ィ内に得た後、ゲートを機械的にまたは冷却して速やか
にシールして金型キャビティ内への樹脂の供給を遮断す
ると、樹脂の更なる供給がなくなるため型締力が型内圧
力よりも大きくなって樹脂が溶融状態で圧縮されてキャ
ビティ内の圧力分布が均一化されること、そしてこの圧
縮状態を経て金型形状転写後に保圧または冷却途中で型
締力を低下させて圧縮成形すると、歪みの発生がほとん
どなく、しかも耐久性および耐溶剤性の良好な成形品が
得られることを見出して、本発明を完成した。
ティ内に高圧型締め状態で合成樹脂を射出充填し、金型
内樹脂圧力により金型キャビティを厚さ方向にわずかに
解放せしめたのち、金型のゲートを機械的にまたは冷却
してシールし、前記の高圧型締め状態での保圧・型締め
下における金型キャビティ内の合成樹脂の圧縮状態を経
て、保圧または冷却途中で型締力を低下させて圧縮成形
することを特徴とする合成樹脂成形品の射出成形方法で
ある。
使用する成形機は、充填開始から冷却完了までに少なく
とも2段階に型締力を所定のタイミングで所定の圧力に
切り替えできる射出圧縮成形機である。その制御方法と
しては、例えば型締シリンダの油圧を電磁リリーフ弁で
制御する方法があり、型締シリンダ内の油圧を検出し、
サーボ弁のフィードバック制御を行うクローズドループ
制御が応答性、精度および安定性の点で好ましい。
く、一般の射出成形で用いられる金型構造のものであれ
ば使用可能である。大型の成形品用の金型としては、ゲ
ート部を形成する固定型と移動型の構造が成形機の型開
型閉方向に摺動でき、バリの発生しないゲートを有する
金型が好ましい。この大型成形品用の金型は、サイドゲ
ートを有し、そのキャビティ形状も同様に金型が開閉し
てもパーティン面のクリアランスが変動しにくい構造で
あるのが好ましい。具体的には、大型成形品用の金型は
印籠構造であるかまたは成形機の型開型閉方向に対して
角度を有するパーティング面を有する構造であるのが好
ましい。
うなものであってもよく限定されず、例えば板状、円板
状、レンズ状、パネル状、箱型状、球状等の成形品を製
造することができる。成形品の大きさについても特に限
定されない。本発明で製造される成形品は、例えば、そ
の断面が半球状、円弧状、矩形状等またはそれに類似し
た大型のパネル状成形品で、立ち壁部分やリブ部分等が
あってもよく、具体例としては、ルーバー、箱体、偏肉
箱型形状の各種カバー、フロントグリル、自動車用バッ
クパネル等の大型樹脂成形品を挙げることができる。こ
れらのうちで、本発明は、偏肉箱型状を有する自動車用
バックパネルの製造に特に適している。
脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に制限はなく、ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好ましく用い
られる。それらのうちでも、透明性、耐候性などの点で
ポリメチルメタクリレートが特に好ましい。
接合面が閉じていて高速充填ができるので、金型キャビ
ティ内に合成樹脂を射出充填する速度は、従来の射出成
形に比べて高速であるのが好ましい。バリ、ヤケまたは
ジェッテング等の成形不良が出ない限り、充填中に溶融
樹脂の温度低下を生じないように出来る限り高速で充填
するのが望ましく、例えばアクリル樹脂の成形では約1
00〜400cc/秒の充填速度、好ましくは成形の安
定性を考慮して約200〜350cc/秒の充填速度が
用いられる。そして、ゲート肉厚を成形品の肉厚以上に
厚くして圧力損失を小さくすることができ且つ高速充填
しやすいという点から、機械式ゲートシール機構を備え
たゲートを採用するのが望ましい。
設定は、型開によるキャビティ容積の増加量が、成形品
全体の冷却による体積収縮に見合うように樹脂圧力と型
締力をバランスさせ得る型開量となるように行う。例え
ば箱型形状のキャビティの場合には、成形品天面部分の
型開によるキャビティ増加分が、天面および側面の成形
品全体の冷却収縮に見合うように型開させる。
樹脂の溶融状態で圧縮するために、合成樹脂を充填した
後の保圧時間は、できる限り短時間であることが望まし
い。高速充填され保圧された型キャビティ内の溶融樹脂
は、金型形状を転写しつつ表層に固化層を生成するの
で、型内圧力と型締力をバランスさせ、型開させる過程
でバリを生ずることなく充分な圧縮代を得ることができ
る。更に、その際に、特に機械式ゲートシールを採用す
ると、ゲートが冷却固化するまで待つ必要がなく、直ち
にゲートシールを行うことができるので、上記充填後の
保圧時間を一層短時間とすることができ望ましい。しか
しながら、本発明においては、各々の状況に応じて、冷
却によるゲートシールも勿論採用可能である。
は、機械的にまたは冷却固化により行うことができる
が、冷却固化によるゲートシールではゲート部にある樹
脂が冷却固化するまで圧縮できず保圧時間を短くするこ
とができないことが多いので、成形品の形状や大きさ等
によっては、コーナー部等の冷却速度の速い部分に固化
を生じて圧縮不能等となる場合がある。したがって、そ
の場合には、機械的にゲートシールを行うのがよく、ゲ
ートを形成する固定型と移動型の構造が成形機の型開型
閉方向に摺動できる印籠構造のものが好ましく用いられ
る。
で設定された時間で速やかにゲートシールを行うのが望
ましい。また、充填直後の樹脂が溶融している状態でゲ
ートシールすることにより、ゲート切断面がきれいにな
りゲート部の仕上げが不要になり、且つ低圧力での切断
ができる。例えば、金型内に設けられた油圧シリンダに
連結された金型内で摺動する部材をゲートシール時にゲ
ート内に前進させてシールすることができる。これによ
り樹脂を逆流させないで所定量の樹脂を金型キャビティ
内に充填することが可能となる。
ャビティ全面に均一な圧縮力が加わるようにするもので
あり、更に保圧途中または冷却途中で圧縮力を低圧に切
り替えて更に圧縮する方法である。低圧への切り替え
は、1段階で行っても、状況に応じて2段階以上で行っ
ても、または徐々に低下させてもよい。
閉じた金型キャビティ内に高圧型締め状態で合成樹脂を
射出充填し、金型内樹脂圧力により該キャビティを厚さ
方向にわずかに解放させたのち、金型のゲートを機械的
にまたは冷却してシールし、前記の射出充填の終了時お
よびゲートシール時に保たれている高い保圧・型締力
(すなわち上記の高圧型締め状態での保圧・型締力)に
よって、金型の形状の転写、圧縮による金型キャビティ
容積の低下、型内圧力の高圧保持、それによる金型キャ
ビティ内の圧力分布の均一化をはかり、そしてその保圧
または冷却途中で型締力を低下させて所定の低い圧縮力
に切り替えて、樹脂温度の低下に伴う流動性の低下によ
る歪の発生を防止する方法である。そして、この本発明
の方法によるときは、成形品の表層部における歪がほと
んどないか、または極めて少なくすることができ、しか
も反りや変形のない成形品を得ることができ、かかる優
れた効果はパネル状の成形品を製造する場合に特に顕著
である。
を射出時から成形品の冷却固化時まで一定とする従来の
方法または保圧・冷却の途中で型締力を更に増加する方
法により成形品を製造した場合には、成形品の反りや変
形が大きくなり、好ましい結果が得られない。そして、
上記した本発明の方法によって、例えばアクリル樹脂の
パネル状成形品を製造する場合には、一般に型内圧を当
初300〜700kg/cm2の高圧縮状態に保持した
後、100〜250kg/cm2の低圧力状態にして圧
縮成形を行うと、良好なパネル状成形品を得ることがで
きる。
る。なお、実施例における射出圧縮成形、金型および物
性の測定は次の装置、条件または方法により行った。
構成を示す。図1において、固定ダイプレート1と固定
プレート3とは、複数本のタイバー4を介して連結され
ている。前記タイバー4には型締ラム7に連結された往
復動自在な移動ダイプレート2が設けられている。ま
た、固定ダイプレート1には固定金型6が、移動ダイプ
レート2には移動金型5が各々取り付けられている。射
出圧縮成形機の型締シリンダ8は電磁リリーフ弁11に
油圧的に接続されており、この電磁リリーフ弁11によ
り型締力の制御がなされる。型締力は制御部12のタイ
マーにより4段に切り替えられるシーケンス機能を有す
る。
13を通じて非晶性または結晶性の合成樹脂が固定金型
と移動金型によって形成されるキャビティ14内に充填
されるように構成され、パーティング面は型開型閉方向
に垂直であり、キャビティ形状は直径300mmで肉厚
2.0mmの円板形状である。ゲート部は、図1に示す
ように、移動金型内に組み込まれたシリンダ15、ピス
トン16に連結される部材(ポンチ等)17により、射
出開始から任意のタイミングでゲート肉厚方向に前進し
ゲートシールを行う。金型パーティング面の開き量の検
出は、固定金型および移動金型ブロック18を金型の開
閉方向に垂直となるように固定し、ブロック間の距離を
ダイヤルゲージ19で検出する。
mm、肉厚2.5mmの長物平板形状であり、長辺の中
央に幅40mm、肉厚2.5mmのサイドゲートを設け
た1個取りの金型である点以外は上記(i)の金型と同
じである。
プル13を通じて合成樹脂が固定金型と移動金型により
形成されるパネル形状のキャビティ14内に充填される
ように構成され、パーティング面は印籠構造である。キ
ャビティ形状は、長さ60mm、幅700mm、高さ2
5mmで肉厚3.0mmの箱型形状で、天面部が曲率R
7000mmである。ゲート部は、これを形成する固定
金型と移動金型の構造が成形機の型開型閉方向に摺動で
きる印籠構造を有し、長辺の中央に設けられたサイドゲ
ートである。ゲートシールは、図1、図2および図3に
示すように、移動金型内に組み込まれたシリンダ15、
ピストン16に連結される部材17により、射出開始か
ら任意のタイミングでゲート肉厚方向に前進してゲート
シールを行う。金型パーティング面の開き量の検出は、
固定金型および移動金型ブロック18を金型の開閉方向
に垂直となるように固定し、ブロック間の距離をダイヤ
ルゲージ19で検出した。
0mm、高さがゲート側が30mmで反ゲート側が10
mm、肉厚3.0mmの箱型形状であり、長辺の中央に
幅10mm、肉厚2.5mmのサイドゲートを有する1
個取りの金型である点以外は上記(iii)の金型と同じ
である。
プル13を通じて合成樹脂が固定金型と移動金型により
形成されるパネル形状のキャビティ14内に充填される
ように構成され、パーティング面は型開型閉に垂直であ
る平面からなり、キャビティに対するパーティング面の
位置は成形品末端に設定されている。キャビティ形状
は、長さ60mm、幅700mm、高さ25mmで肉厚
3.0mmの箱型形状で、天面部が曲率R7000mm
である。ゲート部は、これを形成する固定金型と移動金
型の構造が成形機の型開型閉方向に摺動できる印籠構造
を有し、長辺の中央に設けられたサイドゲートである。
ゲートシールは、図1、図2および図3に示すように、
移動金型内に組み込まれたシリンダ15、ピストン16
に連結される部材17により、射出開始から任意のタイ
ミングでゲート肉厚方向に前進してゲートシールを行
う。金型パーティング面の開き量の検出は、固定金型お
よび移動金型ブロック18を金型の開閉方向に垂直とな
るように固定し、ブロック間の距離をダイヤルゲージ1
9で検出した。
(株)クラレ製のパラペットHR−1000Lを使用し
た。
示すように成形品20を定盤21の上に静置し、また箱
型形状の成形品の場合は、図5に示すように成形品20
を定盤21の上に成形品の固定金型側表面が上になるよ
うに静置して、定盤21と成形品の隙間Lを隙間ゲージ
で測定して金型の形状からの誤差を求めた。
成形品が円板状のものでは中央部から外周方向に沿っ
て、また成形品が方形状のものでは成形品の長辺の中央
部分を短辺に平行に、成形品から幅4.5mmの短冊を
切り出し、両切断面を#2000のサンドペーパーおよ
び金属研磨剤で研磨して鏡面状にして試験片とした。得
られた試験片について、バビネ補正型精密歪計(東芝硝
子社製:SVP−30II)によりNa光源を用いて倍率
5倍で表層部のリターデーションRを測定し、次式によ
り表層部歪を算出した。 表層部歪(応力)=R/(3.8×T) R:表層部リターデーション T:リターデーション測定部の基板の厚さ(cm) 3.8:ポリメチルメタクリレートの光弾性常数[(nm/c
m)/(kg/cm2)]
置して、その時点での成形品の外観を目視により評価し
て、下記の評価基準にしたがって、クラックのランク付
けを行った。 ランク1:クラック発生数 0個 ランク2:クラックの長さが1mm未満で発生数が10
0個未満 ランク3:クラックの長さが1mm以上で発生数が10
0個未満 ランク4:クラックの発生数が100個以上
の(イ)の射出圧縮成形機および上記の金型(i)を使
用して、シリンダ温度260℃、金型温度55℃、充填
時間1.2秒、保圧時間3.0秒、保圧力600kg/
cm2、ゲートシールタイミングは保圧完了と同時に機
械的にシールし、保圧完了から0.1秒後に型締力を各
々下記の表1に示す値に切り替え、冷却時間20秒で成
形を行って、円板形状の成形品を製造した。各々で得ら
れた成形品の変形量および表層部歪を上記の方法で測定
すると共に、その外観を目視により観察した。その結果
を下記の表1に示す。
させて、すなわち保圧後に型締力を低下させて成形を行
っている本発明の実施例1〜4では、得られた成形品の
変形および表層部歪が無いかまたは極めて少なく、外観
も良好な成形品が得られるのに対して、保圧後に型締力
を低下させずに同じ型締力を使用しているか又は保圧後
に型締力を高くしている比較例1〜3では、得られた成
形品の変形および表層部歪の両方が大きく、良好な成形
品が得られないことがわかる。
の(イ)の射出圧縮成形機および上記の金型(ii)を使
用して、シリンダ温度260℃、金型温度55℃、充填
時間1.0秒、保圧時間5.0秒、保圧力750kg/
cm2である他は実施例1と同様にして成形を行って、
長物平板形状の成形品を製造した。各々で得られた成形
品の変形量および表層部歪を上記の方法で測定すると共
に、その外観を目視により観察した。その結果を下記の
表2に示す。
の(イ)の射出圧縮成形機および上記の金型(iii)を
使用して、実施例1におけるのと同じ成形条件を採用し
て、箱型形状の成形品を製造した。各々で得られた成形
品の変形量、表層部歪および耐溶剤性を上記の方法で測
定すると共に、その外観を目視により観察した。その結
果を下記の表3に示す。
させて保圧後に型締力を低めて成形を行っている本発明
の実施例7〜9では、得られた成形品の変形および表層
部歪が無いかまたは極めて少なく、且つ耐溶剤性の優れ
ている良好な成形品が得られるのに対して、保圧後に型
締力を低下させずに同じ型締力を使用しているか又は保
圧後に型締力を高くしている比較例6〜7の成形品は、
変形および表層部歪が大きく、しかも耐溶剤性が劣り、
良好な成形品が得られないことがわかる。
0》前述の(イ)の射出圧縮成形機および上記の金型
(iv)を使用して、シリンダ温度240℃、金型温度5
0℃、充填時間1.0秒、保圧時間2.0秒、保圧力7
00kg/cm2である以外は、実施例7と同様にして
成形を行って、箱型形状の成形品を製造した。各々で得
られた成形品の変形量、表層部歪および耐溶剤性を上記
の方法で測定すると共に、その外観を目視により観察し
た。その結果を下記の表4に示す。
3》前述の(イ)の射出圧縮成形機および上記の金型
(v)を使用して、実施例1におけるのと同様の条件下
で、且つ下記の表5に示す充填前および保圧時の金型開
き量で成形を行って、箱型形状の成形品を製造した。各
々で得られた成形品の変形量を上記の方法で測定すると
共に、その外観を目視により観察した。その結果を下記
の表5に示す。
は、得られる成形品は歪がほとんどないか極めて少ない
ので、反りや変形がない。そのため、組み込み部品等に
おいて通常使用されている矯正治具が不要になり、該治
具の着脱作業が不要になる。また、従来の射出成形品で
は、成形品におけるゲート部クラック防止、耐溶剤性向
上、耐久性向上のために、成形品を長時間アニール処理
することが必要であったが、本発明では射出成形自体に
よって、変形、歪み、反り等がなく、耐溶剤性の良好な
成形品が直接得られるので、該長時間のアニール処理が
不要となり、作業工程の短縮およびコストの低減を図る
ことができ、極めて有用である。更に、本発明の射出成
形方法によるときは、射出圧縮成形において発生しやす
い流動末端クラックがなく、初期型締力圧縮によるヒケ
のない外観品質の優れた合成樹脂成形品を得ることがで
きる。
出圧縮成形機の概略図を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 閉じた金型キャビティ内に高圧型締め状
態で合成樹脂を射出充填し、金型内樹脂圧力により金型
キャビティを厚さ方向にわずかに解放せしめたのち、金
型のゲートを機械的にまたは冷却してシールし、前記の
高圧型締め状態での保圧・型締め下における金型キャビ
ティ内の合成樹脂の圧縮状態を経て、保圧または冷却途
中で型締力を低下させて圧縮成形することを特徴とする
合成樹脂成形品の射出成形方法。 - 【請求項2】 ゲート部を形成する固定型と移動型の構
造が成形機の型開型閉方向に摺動できる印籠構造である
金型を用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形
方法。 - 【請求項3】 合成樹脂成形品が、自動車用バックパネ
ルである請求項1または請求項2の射出成形方法。 - 【請求項4】 合成樹脂が、ポリメチルメタクリレート
である請求項1〜3のいずれか1項の射出成形方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3276129A JP2510441B2 (ja) | 1990-11-08 | 1991-09-30 | 合成樹脂成形品の射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (5)
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JP30491190 | 1990-11-08 | ||
JP2-304911 | 1990-11-21 | ||
JP31936190 | 1990-11-21 | ||
JP2-319361 | 1990-11-21 | ||
JP3276129A JP2510441B2 (ja) | 1990-11-08 | 1991-09-30 | 合成樹脂成形品の射出成形方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0531774A JPH0531774A (ja) | 1993-02-09 |
JP2510441B2 true JP2510441B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=27336317
Family Applications (1)
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JP3276129A Expired - Lifetime JP2510441B2 (ja) | 1990-11-08 | 1991-09-30 | 合成樹脂成形品の射出成形方法 |
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KR102467655B1 (ko) * | 2021-04-29 | 2022-11-18 | 송혜선 | 드럼 세탁기 도어용 투영부재의 제조방법 |
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JPS61205112A (ja) * | 1985-03-08 | 1986-09-11 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 射出圧縮成形方法 |
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-
1991
- 1991-09-30 JP JP3276129A patent/JP2510441B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「プラスチックス」Vol.37,No.5(株式会社工業調査会、1986年5月発行)第17〜32及び70頁 |
Also Published As
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---|---|
JPH0531774A (ja) | 1993-02-09 |
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