JP2510264B2 - ハイラン製剤および動物組織からの回収方法 - Google Patents

ハイラン製剤および動物組織からの回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は、新規な化学的、物理化学的およびレオロ
ジー的性質を特徴とする化学的に修飾して改良したヒア
ルロナン製剤[ハイラン(Hylan)]ならびにその製剤
を得る新規な方法に関する。
(ロ) 従来の技術と課題 以下に時にはヒアルロン酸(HA)と呼称されるヒアル
ロナン(Hyaluronan)は、β→3グルコシド結合で連結
された、D−グルクロン酸とN−アセチルグルコサミノ
−2−アセトアミド−2−デスオキシ−D−グルコース
との二糖類の繰り返し単位を有する天然の高分子量のグ
ルコサミノグリカンである。この二糖類は連結して、β
1→4グリコシド結合によって、分岐がなく架橋してい
ない多糖類の連鎖を形成している。
HAは、臍帯、ガラス体、滑液、雄鶏およびひな鶏のと
かさ、皮膚などのような動物の組織に見出される。精製
HAの分子量は、その起源、単離法および分子量測定法に
左右されるが50,000〜8,000,000の範囲であると文献に
は報告されている[バラジ.イー.エイ(Balazs E.
A.),Fed.Proceed.,17巻,1086-1093頁(1958年)]。
動物組織および細菌培養物からHAを回収し精製する方
法が、いくつも示唆されている。これらの方法のなか
に、次のようなものがある。
蛋白質類の酸素による消化法: イー.ディー.ティ.アトキンス(E.D.T.Atkins),
シィ.エフ.フェルプス(C.F.Phelps)およびジェイ.
ケィ.シーハン(J.K.Sheehan),Biochem.J.,128巻,125
5〜1263頁(1972年);アール.バルマ(R.Varma),ア
ール.エス.バルマ(R.S.Varma),グブリユ.エス.
アルテン(W.S.Alten)およびエイ.エイチ.ワーディ
(A.H.Wardi),Carbohydr.Res.,32巻,386〜395頁(1974
年); イオン交換樹脂にって処理する方法: ティ.シィ.ローレント(T.C.Laurent),J.Biol.Che
m.,216巻,253-271頁(1955年);イー・アール.バーマ
ン(E.R.Berman),Biochim.Biophys.Acta,58巻,120〜12
2頁(1962年); カチオン界面活性剤による沈澱法: ティ.シィ.ローレント,エム.ライアン(M.Ryan)
およびエイ.ピェトルスキビッチ(A.Pietruszkiewic
z),Biochem.Biophys.Acta,42巻,476-485頁,(1960
年) 三塩化酢酸によって処理する方法: エイチ.ホフマンズ(H.Hofmans),オー.シュマッ
ト(O.Schmut),エイチ.スターク(H.Sterk)および
エイチ.クープ(H.Koop),Naturforsch.34c巻、508〜5
11頁(1979年);ディ.シュマット(D.Schmut)および
エイチ.ホフマンズ,Biochim Biophys.Acta,673巻,192
〜196頁(1981年); 分離用密度勾配沈降法: ピィ.シルパナータ(P.Silpanata),ジェイ.アー
ル.ダンストン(J.R.Dunstone)およびエイ.ジィ.オ
グストン(A.G.Ogston),Biochem.J.,109巻,43-50頁(1
968頁);および 電着法: エス.ローズマン(S.Roseman),ディ.アール.ワ
トソン(D.R.Watson),ジェイ.エフ.ダフ(J.F.Duf
f)およびグブリユ.ディ.ロビンソン(W.D.Robinso
n),Annals Rheumatic Diseases,15巻,67-68頁(1955
年)。
またいくつかの異なる処理法を含む方法を利用するこ
とができ、例えば酵素による消化法と塩化セチルピリジ
ニウムによる沈澱法とによる方法[ジェイ.イー.スコ
ット(J.E.Scott),Biochem.J.,62巻、31頁(1956
年)]がある。
生物学上のソースからHAを回収する際に遭遇する主な
問題は、HAとともに組織から抽出される蛋白質などの生
物学的ポリマーからポリマー(HA)を分離することであ
る。原料に左右されるが、好ましくないポリマーの量
は、非常に多量で、HAの量の何倍ものときがある。上記
のHAの回収法は、すべて実験室でのHAの製造に使われる
が、各方法に固有の種々の欠点があるため、HAの大規模
生産に利用することはほとんどできない。
工業規模のHAの回収・精製の最新の方法は、米国特許
第4,141,973号[イー.エイ.バラズ(E.A.Balazs)]
に記載されている。この方法によれば、蛋白質含量が0.
5重量%より少なく、1,200,000以上の分子量を有する超
純粋のHAが、雄鶏のとさかまたはヒトの臍帯から水抽出
法によって得られる。蛋白質などの物質は、pH値を変え
ながら何度もクロロホルムで抽出して除去される。水抽
出物をクロロホルム抽出すると、界面層が形成され、こ
れには変性蛋白質などの物質が集められる。いくつかの
物質、例えば脂肪類は、おそらくクロロホルム層に可溶
化される。またこの方法には、蛋白質分解酵素、例えば
プロナーゼによる処理が含まれる。いくつもの全く手の
こんだ処理法を組合わせることによって発熱性物質を含
有せずかつ非炎症性のHA画分が得られる方法が開発され
ている。この製品は、現在、登録商標ヒアロン(Healo
n)で、1%溶液として市販されており、これが、機械
的損傷に対して組織を保護し、スペースを与え、手術中
の組織の手による処理を可能にするビスコサージェリー
(Viscosurgery)に用いられている[イー.エイ.バラ
ズ.ヒアロン(Healon),J.Wiley and Son,ニューヨー
ク,1983年5〜28頁]. (ハ) 課題を解決するための手段 この発明は、一つの態様として、親出願(米国特許願
第710929号の優先権を主張する特願昭61-45134号)に記
載の発明に加えて、HAを組織から抽出する前に、動物組
織内のHAをそのままその場で化学的に修飾する新規な方
法を提供するものである。
別の態様として、この発明は、親出願に記載の発明に
加えて化学的に修飾されたHAを動物組織から回収および
精製する新規な方法を提供するものである。
さらに別の態様として、この発明は、新規な超純粋
の、発熱性物質を含有しない、非炎症性の化学的に修飾
されたHA、すなわち、ヒアルロナンポリマー鎖に共有結
合したアルデヒドの架橋基を約0.0002〜0.05重量%含有
するハイラン(Hylan)を提供するものである。
この発明は、HAを、水性媒体中で蛋白質やHAと反応す
る物質で動物組織を処理することにより組織から抽出す
る前に、その場で化学的に修飾できるという発見に基づ
くものである。これらの物質にはホルムアルデヒド,グ
ルタルアルデヒド,グリオキサール等が含まれる。この
その場での化学的修飾はHA高分子の最初の構造、分子の
大きさ、分子間及び分子内相互作用を、ひいては修飾さ
れた生成物から作られた溶液のレオロジー的性質を実質
的に変えてします事が判った。それ故にこの化学的修飾
されたHAは新しい名称で呼ばれるのが相当である。この
発明の発明者らはこの物質を「ハイラン(Hylan)」と
呼ぶことにした(以下HYと呼称する)。HAが動物組織か
ら抽出される際、通常はHAと一緒に大量の蛋白質が溶出
して来る。この蛋白質の量は動物組織の性質や抽出法の
パラメータに実質上依存して変り得る。雄鶏のとさかか
らHAを抽出する場合、HA対蛋白質の重量比は1:0.5から
1:4まで変り得る(イー・エイ・バラズの米国特許第4,3
03,676号)。結局動物組織からの純HAの回収における第
一の問題は蛋白質の除去である。この発明の発明者らは
動物組織の前記予備処理によって、その処理を行わない
場合よりも実質的に低い蛋白質含有のHAの水抽出物が得
られることを見出したのである。
この組織の処理の間に起こる化学的な現象の正確な処
は充分に判らないので、この発明は特定の化学反応によ
って限定されてはならない。組織中の蛋白質と処理混合
物中の試薬との間に化学反応の結果として、蛋白質は変
性され、組織中に固定され、それ故次の水抽出操作に於
いて不溶性になるものと考えられる。
この発明の目的のためには含水媒体中で蛋白質と反応
するいずれの物質も用いることができる。その最も有利
な物質はホルムアルデヒドであることが判った。その他
のアルデヒド例えばグルタルアルデヒド又はグリオキサ
ールもこの発明の方法に使用できる。
組織の処理は試薬の水溶液中で行うことができる。し
かしこれを行った場合は「ハイラン」が水に良く溶ける
ために実質的にロスが起こる。そのため組織の処理は水
と水混和性有機溶媒との混合物中で行うのが良い。その
溶媒は蛋白質固定化に用いる試薬と反応するものであっ
てはならない。これらの溶媒の例としてはアセトン或い
はメチルエチルケトンの如き低級ケトン、エタノール或
いはイソプロパノールの如きアルコール、ジメチルホル
ムアミド,ジメチルアセトアミド,或いはジメチルスル
ホキシドの如き非プロトン性溶媒などがある。このよう
な溶媒は通常80〜90重量%以上の大量の水を含んでいる
組織と混合すると水−溶媒混合物が形成される。その混
合物中の水−溶媒の比は溶媒/組織の比を変え或いはそ
の混合物に水を加えることによって所望のレベルに調節
できる。好ましい水/溶媒比はHYが組織の処理に用いる
該混合物に溶解してはならないという意味に於いてHYの
溶解性によって決められる。HYの溶解性は用いる溶媒の
種類、水/溶媒比、混合物中の電解質の存在及び濃度、
及び混合物のpHに依存する。HYの溶解性は混合物中に電
解質を加えると実質的に減少することがある。水−溶媒
混合物に可溶で、混合物に所望のpHを与えるいずれの電
解質も使用できる。例えばアセトンを溶媒に使用した際
には酢酸ナトリウムを可溶性電解質として好都合に使う
ことができる。
組織処理用混合物の組成は組織の性状、使用する溶媒
の種類、電解質の種類などによって広範囲に変えること
ができる。上述の如く、組織からのHYは処理用混合物に
溶解してはならないが、処理混合物は試薬と組織高分子
物との反応を容易ならしめるため組織を膨潤させるこの
に充分な水を含有していなければならない。この発明の
発明者らはHYの原料として雄鶏のとさかを用いた場合、
処理混合物の組成は鶏冠からの水を考慮に入れて下記の
範囲の重量%でよいことを見出した。すなわち水:10〜5
0、溶媒40〜85、電解質0〜20、試薬0.2〜10である。所
望によりいくつかの異なる溶剤を同じ処理混合物に使用
できる。この発明の発明者らは処理混合物中にクロロホ
ルムの如き水と不混和性の溶媒の少量を使用するのが有
利であることを見出した。前記混合物のこのような溶媒
の含有量は0.5〜10重量%であってもよい。
処理混合物のpHは試薬の性状、該混合物の組成、処理
温度及び時間によって変えることができる。この発明に
よる動物組織からHYを回収する際、次の事を考慮するこ
とが非常に重要である。いくつかの試薬、例えばホルム
アルデヒドはHA高分子物のヒドロキシル基と低いpHで反
応して水不溶性の架橋したポリマーを生成することがで
きる。比較的高いpHの媒体中で長時間処理するとHYの分
解を招き、低分子量のポリマーしか回収できないことが
ある。この発明にしたがってアルデヒド型の試薬を使う
際、pHは中性附近例えば4〜10の範囲で行うのが最も良
い結果が得られることが見出された。
処理混合物の組織に対する比は広い範囲内で変えるこ
とができる。通常下限は、組織が(雄鶏のとさかの場合
著しくかさだかであるが)、処理混合物で少なくとも充
分に覆われねばならないということを条件にして決めら
れる。上限は経済的観点から選ばれる。この発明による
雄鶏のとさかの処理に於いては処理混合物と組織の比は
組織の乾燥重量基準で通常10:1以上である。
温度はこの発明による処理の効率に影響する。しか
し、HYは高温で加水分解しやすいため、高分子量の生成
物を得るためには室温又はそれ以下で処理するのが好ま
しい。
処理を完了するために必要な時間は処理混合物の組
成、組織の性状、温度など多くの因子に依存する。処理
の制限要因は組織の薄片中への試薬の拡散であろうと思
われる。その故に組織薄片の大きさは一つの重要なパラ
メータである。この発明の発明者らは1〜3mm厚の小片
にスライスされた雄鶏のとさかの処理に於いて、処理時
間4〜24時間の範囲にできることを見出した。
以上の処理を経た組織は次いで溶媒又は溶媒/水混和
物で洗浄し、組織から過剰の処理混合物を除去する。組
織処理用の混合物中で使われたのと同じ溶媒を使用する
のが便利である。洗浄回数は任意であるが、1回の洗浄
で満足な結果が得られた。
次いで洗浄した組織は直接水で抽出してHYを回収す
る。抽出の効率は水/組織の比率、抽出媒体のpH、温度
及び時間に依存することを見出した。又処理済組織の抽
出効率は、処理済組織を最初に乾燥させて処理及び洗浄
工程で使われた溶媒を除去することによって実質的に増
加させることができることも見出された。組織を元の重
量の1/4から1/2まで乾燥させると最高の結果が得られ
る。
抽出工程での水/組織の比率はいくつかの考慮を行っ
て選択される。先ず第一に、抽出中組織を覆うに充分な
液相が存在すべきである。一方水の量は、次の工程での
沈澱剤の量を減らせるよう抽出液中のHYの濃度を出来る
だけ高く維持するために、あまり多くてはならない。雄
鶏のとさかの場合について、水の組織に対する比率は未
処理とさかの重量基準で2〜5であるのが好ましい事を
見出した。
抽出媒体のpHは最終生成物の希望品質によって中性,
酸性,アルカリ性のいずれかに保つことができる。超高
分子量の生成物を得るためには抽出媒体のpHは6〜8.5
の範囲にすべきであることが見出された。高いpHにすれ
ば抽出液中のHY濃度は増大するが同時に生成物の分子量
を低下させ、かつ後に詳述する如くポリマーの他の性質
を変化させることになる。いずれにしても、抽出工程中
でpHを調節することによって最終生成物の性質を希望す
る方向へ都合よく規制することができる。
HYの高温での分解がポリマーの分子量を実質的に低下
させるので、25℃以下の温度で処理済組織の抽出を行う
のが好ましい。
処理済組織からHYを最大限に抽出するのに必要な時間
は、pH,液/組織比,撹拌強度の如き他の抽出パラメー
タによって実質的に変化する。雄鶏のとさかからの水に
よる抽出に於いて処理済とさかを6時間から数日間まで
の間で抽出する時に良い結果が得られることを見出し
た。
処理済組織と抽出媒体との混合物は抽出の間撹拌する
ことが出来るし或いは何らの撹拌もせずに放置すること
もできる。明らかに撹拌はHY分子が組織から抽出液への
拡散速度を増大させる。一方激しい撹拌はHYの分解とそ
れによる分子量の低下を招来する。加うるに激しい撹拌
は組織の崩壊を招き抽出液から組織を分離するのを困難
ならしめることが明らかになった。従って抽出工程は撹
拌しないか、極めて遅いゆるやかな撹拌の下で行うのが
好ましい。
抽出後組織は濾過,遠心分離,傾瀉等を含む各種の通
常の方法によって抽出液から分離される。最も簡単で経
済的な方法は濾過であることが分かった。出発物質とし
て用いた組織の種類によっては二段濾過を用いるのが好
ましい場合がある。従って雄鶏のとさかの場合、組織の
大きな切片はナイロンメッシュで容易に濾過分離でき、
例えばセルロース質の緻密な濾過材で濾過すれば抽出液
の良好な精製ができる。
抽出液中のHY濃度は抽出中のpH,時間,液/組織比,
撹拌の強さといった多くの因子に依存している。このHY
濃度は通常0.3〜3.0mg/mlの範囲であるが時にはこれよ
り高くなる。ある場合には、抽出液中のHY濃度が低いと
きに、第二回目の組織の抽出を行うのが望ましいことが
分かった。又第二回目の抽出液から沈澱した生成物は通
常第一回目の抽出液からのHYに比して高分子量であるこ
とも判明した。これは、HYの低分子量画分は組織から抽
出液に拡散し易く、第一回目の抽出液から沈澱させた生
成物には、これらの低分子量画分を多く含んでいるとい
う事実で説明できる。
出来る限り高い収率を得るために二回以上の抽出を行
うことができるが、抽出を繰返す毎に抽出液中のHY濃度
は低下する。
HYは前記濾液から公知の方法で回収できる。最も都合
の良い方法は水混和性溶媒例えばアセトン,エタノー
ル,イソプロパノール等を加えて沈澱さす方法である。
この沈澱法は酸例えば塩酸,硫酸,リン酸などの存在下
か或いは中性電解質例えば酢酸ナトリウム,塩酸ナトリ
ウム及びそれらの塩類の存在下で行うことができる。HY
及びその塩類は通常白色の繊維状又は粉状の物質として
沈澱する。この沈澱物は沈澱させるのに使用したのと同
じ溶媒又は生成物を溶解しない他の溶媒混合物、例えば
エーテルで洗浄できる。洗浄済生成物は通常の手段で乾
燥でき、或いは溶媒例えばアセトン,エタノールなどの
層中で貯蔵することができる。又濾液を凍結乾燥するこ
ともできる。
従来技術として知られHA精製に用いられている工程が
本発明の方法にその範囲を限定することなく附加されて
もよいことは明らかである。例えば発熱性物質、炎症性
物質を除去するために、HYは溶解せず脂肪蛋白質、糖脂
質もしくは糖脂肪蛋白質(glycolipoprotein)が可溶か
或いは分離出来る良く知られた溶媒例えばクロロホルム
による抽出法を用いることができる。
この発明による方法によれば広範囲に変化した性質を
もったHY生成物が得られる。後述の性質が測定された。
引用した方法は本発明によって得られた生成物を特徴づ
けるのに使用された。
溶液中のHY濃度は自動化されたカルバゾール法を用い
たヘキスロン酸検定法[イー・エイ・バラズ,ケイ・オ
ー・ベルンツエン,ジェイ.カロツサおよびデイ・エイ
・スワン(E.A.Balazs,K.O.Berntsen,J.Karossa and D.
A.Swann)、Analyt.Biochem.,12巻,547-558頁(1965
年)]で測定した。ヘキソサミン含量は自動化比色定量
法[デイ・エイ・スワンおよびイー・エイ・バラズ(D.
A.Swan and E.A.Balaze),Biochem.Biophys.,Acta,130
巻,112-129頁(1966年)]で測定した。HY溶液の蛋白質
含量はフェノール試薬法[ロウリーら(Lowry et al),
J.Biol.Chem.,193巻,265-275頁,(1951年)]で測定し
た。生成物中のホルムアルデヒド含量は約0.1gの試料を
10%硫酸水溶液10ml中で2時間煮沸し、次いで得られた
溶液を水蒸気蒸留して遊離のホルムアルデヒドを除去
し、溜出物中のホルムアルデヒドをクロモトロプ酸を用
いた比色定量法で測定した[エム・ジエイ・ボイドおよ
びエム・エイ・ローガン(M.J.Boyd and M.A.Logan),
J.Biol.Chem.,146巻,279頁(1942年)]。
極限粘度数(極限粘度)は1im(n/no−1)/Cで定義
される。但しn及びnoは夫々溶液及び溶媒の粘度であ
り、Cはg/ccで表したHYの濃度である。測定は0.20モル
濃度食塩水溶液中でウベロード毛管型稀薄溶液粘度計で
行った。粘度平均分子量は式[η]=0.0228M0.81で計
算する[アール・シイ.クリーランド、ジエイ・エル・
ワンダ(R.C.Cleland and T.L.Wang),Biopolymers,9
巻,799頁(1970年)]。
重量平均分子量は632.8nmにセットされたヘリウム−
ネオンレーザーを備えた「クロマテイックス(Chromati
x)KMX−6」装置を用いて小角レーザー光散乱法(low
angle laser light scattering method)により測定さ
れる。重量平均分子量はその外にも分析的超遠心法によ
って測定される沈降常数及び拡散常数からも計算され
る。
動的光散乱法は比較的高濃度のHY溶液中での分子の凝
集度を測定するのに使われる。この方法によって、溶液
中の相当球直径(ESD)の分布が判る。
レオロジー的性質はボーリン レオメーターシステム
(Bohlin Rheometer System)で測定される。同システ
ムはコンピュータ化されたレオメーターであって粘度、
振動、緩和の3つのモードで動作できる。HY溶液につい
て次のパラメータ、すなわち広範囲の剪断速度下の粘
度、並びに種々の振動周波数及び緩和時間に於ける動的
粘度、動的貯蔵弾性率及び動的損失弾性率が測定され
る。
上述の如くこの発明の生成物(HY)はHAとホルムアル
デヒドの如き架橋剤とその場での化学反応の結果得られ
た新規な高分子物である。HYの化学分析の結果、ホルム
アルデヒド含有混合物で処理した雄鶏のとさかから得ら
れる生成物中の結合ホルムアルデヒドの含有量は処理の
各種のパラメータに依存するがHYポリマーの重量基準で
0.005〜0.02重量%の範囲内であることが明らかになっ
た。
生成物中の結合ホルムアルデヒドの存在は放射性同位
元素でラベルされたホルムアルデヒド(14CH2O)を使
用した処理の実験によっても証明された(後記参考例12
を参照)。実験の結果は本発明によって得られた生成物
が繰返し沈澱をしても、もしくはポリマー溶液の徹底的
透析(exhaustive dialysis)によっても除去し得ない
結合ホルムアルデヒドを含んでいることを示している。
これは生成物のポリマー分子にホルムアルデヒドが、共
有結合で結合していることを証明する有力な証拠であ
る。ホルムアルデヒドが明確にHAと結合しているか否か
を知るために、HAを、細菌もしくはリーチ(leech)の
ヒアルロニダーゼ、特にHAを分解する酵素類で処理し
た。この処理の結果はホルムアルデヒドの顕著な量がHY
高分子物に直接共有結合で結合していることを示した。
この発明によって得られる生成物中の蛋白質含量は乾
燥ポリマーの重量基準で通常0.5%を越えることなく、
0.1%程度に少なくしたりさらに少なくすることができ
る。
HA高分子に架橋剤を共有結合的に結合させることによ
るHAの化学的修飾、換言すれば該ポリマーの元々の構造
の変化は、分子量や分子の大きさのごとき物理化学的パ
ラメータ、さらに分子間相互作用およびポリマー溶液の
レオロジー的性質に実質的に影響を与える。
この発明により得られたHYは極めて高い分子量を有す
る。従って極限粘度数は7,000cc/g以上すなわち粘度平
均分子量にして約6×106に達する。光散乱法による重
量平均分子量は13×106にも達する。この重量平均分子
量と粘度平均分子量との不一致は後述する如く極めて大
きな意味をもっていることが明らかになった。例えば1
×106或いはそれ以下の如き実質的に低い分子量のポリ
マーも所望によりこの発明の方法によって容易に作るこ
とができると理解されるべきである。同様にHYを、回収
および精製の任意の工程でそのポリサツカライド鎖のグ
ルコシド結合を切断することが知られている試薬に曝露
させれば、いずれの所望の分子量のポリマーも得ること
ができる。上記公知の切断剤とはヒアルロニダーゼの如
き特定の酵素、フリーラジカル発生系,剪断力,熱,強
アルカリ,強酸などである。
HYの溶液中での部分比容積(psv)(partial specifi
c volume)は溶液のイオン強度に依存する。それは0.15
モル食塩含有の水によるHY溶液(濃度ゼロから0.5mg/m
l)のデンシトメトリイ(densitometry)で測定され、
0.627cc/gであることが判った。
0.15モル食塩水に溶解したHYの1%溶液の試料につい
ての相当球直径(ESD)の分布を第4図に示した。その
データによると、HYは極めて高度に凝集した形態で存在
し、しかもその凝集体は安定で沈降することはないこと
は明らかである。
この発明により作られた典型的な超高分子量生成物の
レオロジー的性質は第1〜3図に示してある。この生成
物は顕著な粘弾性的性質を有する溶液(0.5重量%及び
それ以上)を作ることが分かった。
下記のパラメータが該ポリマー溶液の弾性的性質を最
も良く表す。すなわち動的貯蔵弾性率(G′)、クロス
オーバー点(cross-over point)(動的貯蔵弾性率G′
が動的損失弾性率G″より大きくなる点)の周波数、位
相角、緩和時間である。
HYは、水もしくは電解質水溶液による極めて粘稠な溶
液を作る。溶液の粘度はポリマーの濃度、電解質含量、
温度に依存し、剪断速度によって減少する、すなわちHY
溶液はかなりの凝似可塑性(pseudoplasticity)をもっ
ている。
HY溶液のレオロジー的性質を考える場合、これらの性
質が他のポリマーの場合と同様に生成物の分子量に大き
く依存することを理解しておくべきである。上述の如く
HYは広範囲の分子量のものが得られ、レオロジー的性質
もそれに従って変わる。かくして超高分子量生成物(極
限粘度数4500cc/g以上)については0.15モル食塩水によ
る1重量%溶液の粘度は剪断速度0.055s-1で1000Pa.s以
上に達するが、一方極限粘度数が約1000cc/gのポリマー
の1重量%溶液は約2Pa.s.にすぎないことが分かった。
HA溶液の弾性的性質もポリマーの分子量に依存すること
が分かった。その故に超高分子量HYの0.15モル食塩水の
1重量%溶液の動的貯蔵弾性率G′は周波数0.01ヘルツ
で約40Paであるが、一方極限粘度数が約1000cc/gのHY溶
液では約0.2Paにすぎない。ポリマー溶液の弾性的性質
と粘性的性質との比を極めてうまく特徴づける“クロス
オーバー点”の周波数は、ポリマーの分子量がほぼ1.5
×1.06から8×106の範囲及びそれ以上の場合、HAの0.1
5モル食塩水による1重量%溶液について25℃で通常0.0
25ヘルツ以下である。
HY試料及び溶液の物理化学的及び粘弾性的性質を公知
の方法で得られたHA生成物の同じ性質と比較して第1表
及び第4図と5図に示した。比較に用いた生成物は雄鶏
のとさかから水抽出し、次いで数回のクロロホルム抽出
を行う所謂セバク(Sevag)法[ジイ・ブリツクス,オ
オ・シエルマン.(G.Blix,O.Shellman),Arkiv for Ke
mi,Mineral Geol.),19A巻,1頁(1945年)]で脱蛋白質
して回収したHAである。
第1表及び第4図のデータはHYとHAとの明瞭な差異を
示している。先ず第一に公知の生成物では粘度平均分子
量と重量平均分子量とは殆ど同じ値であるが(重量平均
分子量の方がわずかに低い)、この発明の生成物は重量
平均分子量が粘度平均分子量の約4倍と大きい。第二
に、HY溶液の部分比容積(PSV)の値がHAと比べて大き
いということは、HYポリマーの方がより大きな大きさを
有することを証明している。第三にHYポリマーは溶液中
で凝集してHA溶液と比較して実質的により大きい凝集体
を与え、このことはHY高分子がより大きな大きさを有す
るだけでなく、より強い分子間相互作用を有することを
示している。最後にHY溶液は実質的に、HAの同濃度溶液
より粘稠で弾力性である。その大きな粘度は高い粘度平
均分子量によるとしても、測定された劇的ともいえる弾
力性の増加は同じ理由で説明するのは困難である。
これらの観察の結果、組織からの抽出に先立ってその
場でのヒアルロン酸の化学的修飾はポリマーの化学的組
成をほんの僅かに変えるだけであるが、同時に物理化学
的パラメータ及びレオロジー的性質にいくつかの劇的変
化を与えるという結論が得られた。この変化は化学的組
成の変化が高分子構造の何らかの重要な変化に相当する
際に起こるだけである。
溶液中のHA高分子の形態は種々の方法で研究されてお
り、この問題についての文献も多数にのぼる。これらの
研究は溶液中のポリマー濃度が比較的低い(例えば0.1
%)場合ポリマー分子は伸びたランダムコイル形態で相
互に絡み合っていることを示している。高濃度では溶液
は高分子鎖の三次元連続網状構造を含んでいると信じら
れる。HA高分子中のグルコシド結合は相当のスティフネ
スをもっていることが見出された。溶媒と溶質との相互
作用、多くのHA製剤中に存在する少量の蛋白質との相互
作用及び連鎖内相互作用の如き各種の機構がこれらの現
象を説明するのに提案されている[例えばイイ・エイ・
バラズ,ヒアルロン酸の物理化学,Fed,Proceed.、17巻,
1086〜1093頁(1958年)参照]。幾人かの著者はHA高分
子に二重らせん構造を提唱し、二重らせんセグメントが
HA溶液の異常なレオロジー的性質を与える架橋結合の役
割を演ずることができると示唆した[シイ・エム・デイ
ア,アール・ムアーハウス,デイ・デイ.リース,エ
ス.アルノツト,ジエイ・エム・ガスおよびイイ・エ
イ.バラズ,C.M.Dea,R.Moorhous,D.D.Rees,S.Arnott,J.
M.Guss and E.A.Balazs),Science,179巻,560-562頁(1
972年);エス・アルノツト,エイ・アール・ミトラお
よびエス・ラグナタン(S.Arnott,A.R.Mitra and S.Rag
hunatan),J.Mol.Biol.,169巻,861〜872頁,(1983
年)] これらの研究及び考察について考えてみて、この発明
の発明者らはこの発明による生成物(HY)は、蛋白質架
橋固定剤で組織を処理する間に導入された追加の架橋結
合を含有できるという仮説に到達した。この発明で使用
する反応剤例えばホルムアルデヒドは種々の化学基に対
して著しく反応性であり、その反応性はpH,温度,濃度
などの反応条件に実質的に依存する。ヒアルロン酸のヒ
ドロキシル基は前記処理条件下ではこれらの試薬と明ら
かに反応しない。何故ならば処理して得られた生成物は
常に水溶性であり、それ故かなりの架橋度のポリマーを
含んでいないからである。処理中に、ポリマーに導入さ
れる追加の架橋結合の量は多分、ポリマーを不溶化する
のには不充分な少ない量であるが、高分子間の相互作用
とそれによって起こるポリマー溶液の弾性を顕著に増加
させるに充分なものである。処理剤とのかかる反応のい
くつかの候補はヒアルロン酸のアセタミド基、HA中に少
量存在し得るアセチル化されていないアミノ基、並びに
処理中に組織の細胞間マトリックス中に存在する蛋白質
のアミト基、アミノ基などの活性基である。HAのアセタ
ミド基自身が分子間架橋を形成するということはほとん
ど考えられない。蛋白質とホルムアルデヒドとの反応の
研究に於いて[例えばジエイ・エフ・ウオーカー(J.F.
Walker),ホルムアルデヒド,ラインホルド出版社,ニ
ューヨーク,1953年,312-317頁を参照]、蛋白質のアミ
ノ基自身は架橋を形成できず、架橋形成の可能性の最も
高い反応の一つはホルムアルデヒドとアミノ基とが反応
してN−メチロールアミノ基を与え、これが次いでアミ
ド基と反応する反応であることが見出された。
したがってHA高分子中に限定された数の架橋を導入で
きる機構として2つ考えられる。第一の機構にはホルム
アルデヒドの如き架橋剤とHA中に存在する可能性の高い
アセトアミド基や遊離のアミノ基との反応が含まれる
[イイ・エイ・バラズ,Fed.Proceed.,25頁1817-1822頁
(1966年)]。
第二の可能がある機構は、架橋反応への蛋白質又はポ
リペプチドの関与を示唆している。文献には、蛋白質又
はポリペプチドはHA分子に共有結合で結合している[ユ
ーコ、ミクム−タカガキおよびビイ・ピイ・ツール(Yu
ko Mikum-Takagaki and B.P.Toole),J.Biol.Chem.,256
巻,(16),8463-8469頁(1981年)]とか、或いは別の
しかたでHA分子と会合することができるという報告が続
いている。この場合、架橋結合は、一つのHA高分子と、
ひとつの蛋白質成分および別のHA高分子との間に形成さ
れるか、或いは2つのHA高分子に共有結合で結合した蛋
白質間に形成することができる。
これらの機構のいずれもこの発明を限定するとみなさ
れべきではない。この発明の生成物中に共有結合による
架橋結合を少量導入する他の機構があり得ることは理解
されるべきである。
いずれにせよ、この発明の本質的な特徴は、おそら
く、HA高分子中に少数の架橋結合を導入することによっ
て、HA回収工程中に、組織内のHAを化学的に修飾するこ
とであり、その化学的修飾の程度は、HAの有利な性質例
えば水性媒体中で高粘度の溶液を与える性能、生物的適
合性などに悪影響を与えることなくポリマー溶液の弾性
的特性を実質的に増大させるのに充分なものである。
この発明により製造される化学的に修飾されたヒアル
ロン酸すなわちHYは医学の分野や化粧品の多くの用途、
例えばビスコ外科の道具、各種の素材の生物的適合性を
改善するたのコーティング、各種医薬製剤の一成分、肌
の手入れ用製品などに利用できる。このポリマーの改良
された性質例えば増大された弾力性はHYの使用時に大き
な利益をもたらす。
又、HYは、慣用的な架橋剤による架橋反応の如き化学
的修飾法を更に附加することによって得られる新規生成
物の出発物質として使用できる。この発明による化学的
に修飾されたHAおよびその溶液の特別な性質はいくつか
の珍しい性質を持った上記の附加的に化学的修飾された
生成物を得る機会を与えてくれることが判った。かくし
てこの発明による生成物をアルカリ性溶液中ジビニルス
ルホンで架橋することによって水不溶性のゼリー状物質
が得られることが判った。この物質は高度に膨潤したゲ
ルある。このゲル中のポリマーの濃度は水或いは電解質
の如き種々の低分子量物質の水溶液であってもよい液相
の組成に依存する。生理食塩水(0.15モル食塩水溶液)
の場合、ポリマー濃度は0.15〜0.40重量%にできる。こ
の物質は第5,6および7図に示す非常に興味あるレオロ
ジー的性質をもっている。すなわち全試験周波数につい
て、複素動的弾性率(G′)の弾性成分は損失弾性率
(G″)より大きい。同時にこの物質は低い剪断速度下
で凝似可塑物の如き挙動を示す。すなわち粘度は剪断速
度によってかなり低下する。またこの物質は緩和時間が
著しく永いという特徴を有する。この事はこの発明によ
り得られたHYの溶液の特異な構造であって、それが特別
のレオロジー的性質をもった上記のゼリー状生成物を得
ることを可能にしたものと確信している。換言すれば、
この発明の回収法で起こるHAの化学的変化がHYの構造及
び性質に影響するばかりか、それから得られる生成物の
性質までも影響を及ぼすのである。従って、その技術分
野で知られている方法すなわちクロロホルム抽出で蛋白
質を除去することによって得られたHAをジビニルスルホ
ンでの架橋の出発物質として使った場合、この発明の生
成物より実質的に劣るレオロジー的性質をもつ不溶性物
質が得られた。
本発明によって得られた生成物の附加的修飾によって
多くの他の変成物質例えば強く架橋したゲル,不溶性フ
イルム,コーティングなどが得られるということは理解
されるべきである。
この発明の発明者らは、抽出媒体のpHがハイランの収
率に強く影響し、つまりpHがアルカリ性状態にむかって
上昇すると収率は増大するが、同時に、ハイランが分解
するために分子量の低下をまねくということを、前記親
出願においてすでに述べた。この発明の発明者らは、抽
出時の温度を、実質的に常温(すなわち20℃)以下、好
ましくは15℃以下、さらに好ましくは5℃以下に保持す
ると、ハイランの収率を増大させることができ、またハ
イランの分子量を実質的に高レベルに保つことができる
ことを見出したのである。抽出時間は、所望の収率とポ
リマーの分子量およびアルカリの濃度と温度によって、
数時間から数日まで変えることができる。また発明者ら
はpHを9.5〜14に変えることができることを見出した。
抽出時のアルカリ性条件は、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウムまた
炭酸カリウムのような無機のアルカリ、または、トリエ
チルアミン、トリエタノールアミンなどのような有機の
アルカリを含む、種々のアルカリ物質を用いることによ
って作製することができる。この発明の発明者らは、い
くつかの場合に、水酸化ナトリウムと水酸化アンモニウ
ムの混合物のようなアルカリ物質の混合物を用いるのが
好ましいことを見出した。
また、滅菌性かつ非炎症性で特に発熱性物質を含まな
い製品が、この発明の方法を用いて容易に得られること
が見出された。この発明の発明者らは、この種の製品
が、洗浄した雄もしくは雌の鶏のとさか全体を、アルカ
リ性溶液で比較的短時間処理すると一層容易に得られる
ことを見出した。親出願に記載したのと同様に最初に洗
浄した後で、上記の特別の工程が行われる。最高の結果
が得られるのは、無機のアルカリ、例えば水酸化ナトリ
ウムの濃度は、0.05M〜4Mであり、好ましくは0.1M〜1
M、最も好ましくは0.15〜0.25Mの時である。処理時間
は、アルカリの濃度によってきまり、5minから数時間ま
で変えることができ、好ましいのは10min〜1hrである。
有機および無機の塩基を含むいずれのタイプのアルカリ
物質でも、処理溶液のpHを12より高くすることができる
ものであれば使用できることは理解されるべきである。
また、アルカリの水溶液または水と水混和性の溶媒例え
ばアセトン、エタノール、イソプロパノールなどとの混
合物も使用できる。処理されたとさかは、水で洗うかま
たは希酸溶液と水とで洗って、アルカリを洗い落とすこ
とができる。このようにして処理したとさかを次に、前
記親出願に記載した手順にしたがってアルデヒド混合物
で処理する。
この発明の発明者らは、この発明によって得られたハ
イラン製品の結合ホルムアルデヒドの含量が、前記親出
願に述べたハイランよりかなり小さい場合があることを
見出した。発明者らがいくつかの試料で検出できた最低
のレベルは、約0.0002重量%である。
ハイラン生成の化学に関する情報をさらに得るため
に、放射能で標識したホルムアルデヒドによる第2の実
験(実施例8)を行った。この実験は、いくつかの点で
前記親出願に記載された実験とは異なる。これら二つの
実験結果から、下記結論を得た。
1. 少量のホルムアルデヒドが、ハイラン高分子に強力
に共有結合していると考えられる。このホルムアルデヒ
ドは、沈澱法、溶媒による洗浄、乾燥もしくは透析を繰
返しても除去できない。
2. この結合されたホルムアルデヒドのかなりな量が、
ハイランの多糖部分をヒアルロナンおよび硫酸コンドロ
イチンを分解するとヒアルロニダーゼで消化した後透析
することによって除去することができる。恐らくこのホ
ルアルデヒドは、透析可能な、ペプチド類またはペプチ
ドと少糖類との結合物と結合していると考えられる。こ
のホルムアルデヒドのいくらかは、凍結乾燥によって除
去されるが、これはホルムアルデヒドがゆるく結合して
いることを示している。
3. ホルムアルデヒドとハイランの蛋白質部分との反応
の有力な証拠がオートラジオグラフィ法で得られた。ホ
ルムアルデヒドの最も有意な取り込みが、ハイラン試料
内に常に存在し、かつハイランの電気泳動パターンにお
ける主要バンドである蛋白質バンド内に観察された。
この発明の他の基本的に新しい態様は、沈澱および再
溶解の工程なしでこの発明の方法の濾過段階で得られる
ハイラン溶液を直接使用することである。この方法は、
通常大量の有機溶媒をともなう沈澱工程がなくなるの
で、得られる製品は、通常製造されるハイランよりかな
り安価である。濾液中のハイランの濃度、したがって収
量は、中性pHでの抽出に比べてかなり高いので、アルカ
リ性抽出を行う方法を用いるのが有利である。製品中の
過剰のアルカリは、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸;
酢酸、クエン酸、p−アミノ安息香酸、ステアリン酸な
どのような有機酸;またはポリアクリル酸、ポリビニル
スルホン酸のようなポリマー酸で中和できる。酸の選択
は、製品の最終用途によってきまる。このようにハイラ
ン溶液は、化粧品の製剤に使用されるときは、ポリアク
リル酸を使用するとゲルが得られるが、ステアリン酸を
用いるのは化粧品用エマルジョン(クリーム剤、ローシ
ョンなど)を製造するのに便利でり、p−アミノ安息香
酸の使用することによって日焼けどめ性を有する製剤が
えられる。しかし、特定の酸を選択しても、この発明の
上記態様を特別に限定するものではない。
(ニ) 実施例 この発明を下記の参考例と実施例によって説明するが
この発明を限定するものではない。
参考例1 雄鶏のとさかをセチルピリジニウムクロライドの1%
水溶液で良く洗い、次いで脱イオン水で洗って最後に冷
凍した。冷凍とさかを約1〜2mmの厚みにスイラサーで
薄切りした。アセトン1000g、37%ホルマリン100gおよ
び酢酸ナトリウム50gの混合物を作り、薄切りとさか100
0gを加えた。とさかと処理液との混合物(pH6.7)をゆ
るく撹拌しつつ約20℃で24時間保持した。ナイロン網で
濾過して液をとさかから分離した。次いでこの処理済と
さかをアセトン500gで洗浄し、最終500gになるまで空気
中で乾燥した。乾燥とさかを脱イオン水2.5lと混合し、
ゆるい撹拌下約20℃で72時間抽出を行った。ナイロン網
布で濾過して抽出液からとさかを分離し、抽出液は更に
繊維素系濾材[「ミクロ−メデイア(Micro-media )M
70」エルテル エンジニヤリング社(Ertel Engineerin
g Co.)]で濾過した。この第1抽出液中のHA濃度は0.9
2mg/mlであった。2lの抽出液をアセトン4lおよび酢酸ナ
トリウム20gと混合した。白色繊維状沈澱が得られ、こ
れを集めアセトンで洗浄し、35℃の真空乾燥機中で乾燥
し、1.75gの生成物を得た。生成物のヘキソサミン/ヘ
キスロン酸比は1±0.05であった。生成物中のホルムア
ルデヒド含量は0.0150%であるとこが判った。生成物は
ハイランと同定された。生成物中の蛋白質含量は0.35%
で極限粘度数は4,320cc/gであった。
第1抽出後のとさかを脱イオン水2.5lと混合し常温で
48時間抽出を行った。上述の如くとさかを抽出液から分
離した。第2抽出液中のHA濃度は0.65mg/mlであった。
上述の沈澱法で抽出液から回収した生成物は1.26gであ
った。この画分は又ホルムアルデヒド含量0.014%の化
学的に修飾されたヒアルロン酸ナトリウムとして特徴づ
けられるものであった。その蛋白質含量は0.27%、極限
粘度数は4,729cc/gであった。0.15モル食塩水中の1重
量%溶液のロオロジー的性質を測定し第1表に示した。
このとさかの第3回目の水抽出を上と同様に行った。
第3抽出液中のHA濃度は0.33mg/mlで、この抽出液から
0.60gのHAを回収した。蛋白質含量は0.20%,極限粘度
数は4,830cc/g、ホルムアルデヒド含量は0.0115%であ
った。
1kgの雄鶏のとさかから化学的に修飾したHAナトリウ
ムを合計3.61g得た。
参考例2 参考例1と同様にして薄切りした雄鶏のとさか1kg
を、アセトン1kgとグルタルアルデヒドの40%水溶液150
gとの混合物に混合した。該混合物のpHは6.9であった。
該混合物をゆるく撹拌しつつ(約1rpm)常温(約20℃)
で16時間保持した。とさかを液から分離し、アセトンで
洗浄し、元の重量の半分になるまで風乾した。乾燥とさ
かを脱イオン水3lにて約20℃で96時間抽出した。抽出液
を参考例1と同様にしてとさかから分離して濾過した。
抽出液中のHA含量は1.4mg/mlであった。実施例1と同様
にしてアセトンで沈澱した生成物は蛋白質含量が0.42
%、極限粘度数が3,700cc/gであった。
参考例3 グルタルアルデヒド溶液の代わりに同量のグリオキサ
ール40重量%水溶液を用いた以外は参考例2と同様にし
た。抽出液中のHA含量は0.92mg/mlであった。生成物の
蛋白質含量は0.5%、極限粘度数は3,930cc/gであった。
参考例4 参考例1と同様にして雄鶏のとさかを洗浄し、冷凍
し、スライスし、アセトン−ホルムアルデヒド混合物で
処理した。とさかを元の重量の半分になるまで乾燥した
後、0.05モル水酸化ナトリウム水溶液(pHは11以上)2.
5lで約20℃,120時間抽出した。抽出液は参考例1と同様
にして分離し、濾液した。抽出液中のHA濃度は3.6mg/ml
であった。アセトンと酢酸ナトリウムとの混合物で沈澱
して白色の生成物を得、アセトンで洗浄し乾燥した。蛋
白質含量0.2%、極限粘度数1,310cc/gの生成物7.5gを回
収した。
参考例5 雄鶏のとさかを洗浄,冷凍,スライスし、とさか1kg
をイソプロパノール1kg、37%ホルマリン100g、酢酸ナ
トリウム50gおよびクロロホルム100gの混合物と混合し
た。処理はゆっくり撹拌しつつ約20℃で16時間行った。
参考例1と同様に抽出,沈澱を行った。抽出液中のHA濃
度は0.68mg/mlであった。生成物中の蛋白質含量は0.46
%、極限粘度数は4,900cc/gであった。
参考例6 雄鶏のとさかを参考例1と同様に洗滌し、冷凍し、ス
ライスし、アセトン−ホルムアルデヒド混合物で処理
し、アセトンで洗滌し、乾燥し、水で抽出した。抽出液
をアセトン2lとクロロホルム1との混合物と混合し
た。蛋白質含量0.05%、極限粘度数4,400cc/gの白色繊
維状生成物1.9gを得た。
参考例7 参考例1と同様にして作られた薄切りとさか1kgを、
アセトン1kgと37%ホルマリン50gと酢酸ナトリウム50g
との混合物でゆるく撹拌しつつ約20℃で24時間処理し
た。抽出液を参考例1と同様に分離し、濾過し、生成物
を沈澱させた。蛋白質含量0.45%、極限粘度数5,300cc/
g、結合ホルムアルデヒド含量0.008%の白色生成物1.6g
を得た。
参考例8 アセトン−ホルムアルデヒド処理後にとさかを元の重
量の1/3まで乾燥し、水による第1回抽出を96時間行う
以外は参考例1と同様の操作を行った。
第1回抽出液中のHA濃度は1.05mg/mlであった。この
抽出液からの沈澱生成物は蛋白質含量0.25%、極限粘度
数4,930cc/gであった。この生成物の0.15モル食塩水に
よる1重量%溶液の振動試験では0.020のヘルツの周波
数の「クロスオーバー点」を有していた。
第2回抽出液中のHA濃度は0.58mg/mlであった。この
抽出液からの画分(フラクション)は蛋白質含量0.19
%、極限粘度数7,300cc/gであった。結合ホルムアルデ
ヒド含量は0.01%であった。振動試験による「クロスオ
ーバー点」の周波数は0.005ヘルツであった。
一連の3回連続抽出で回収された化学的に修飾された
HAの合計は3.5gであった。
参考例9 雄鶏のとさかを洗滌し、冷凍し、スライスし、スライ
スしたもの1kgを、アセトン1kg、37%ホルマリン200gお
よびクロロホルム100gと混合した。混合物のpHは塩酸を
加えて4.0に調整した。第1回抽出液のHA濃度は0.58mg/
mlであった。抽出液から参考例1と同様にアセトン−酢
酸ナトリウムで沈澱させて生成物を回収した。生成物の
蛋白質含量は0.12%で極限粘度数は4,025cc/gであっ
た。生成物中の結合ホルムアルデヒド含量は0.02%であ
った。0.15モル食塩水による生成物1重量%溶液の振動
試験に於ける「クロスオーバー点」周波数は0.006ヘル
ツであった。
参考例10 雄鶏のとさかを洗滌、冷凍、スライスし、スライスし
たもの1kgを、混合物のpHを水酸化ナトリウムで11.0に
調整した以外は参考例1と同様にしてアセトン−ホルム
アルデヒド混合物で処理した。とさかを参考例1と同様
に乾燥し、水で抽出した。抽出液のHA濃度は0.69mg/ml
であった。アセトンの代わりにイソプロパノールを使用
した以外は参考例1と同様にして抽出液から生成物を沈
澱させた。蛋白質含量0.45%、極限粘度数5,050cc/g、
ホルムアルデヒド含量0.012%の白色繊維状物質1.3gを
得た。この生成物の0.15モル食塩水中1重量%溶液の振
動試験に於ける「クロスオーバー点」周波数は0.012ヘ
ルツであった。
参考例11 この参考例は「ハイラン」からのゼリー状物質の製造
を示す。参考例1の第2回抽出液から得た沈澱生成物0.
88gを0.05規定水酸化ナトリウム水溶液28.3gと混合し、
混合物を室温で60分間撹拌した。得られた粘稠溶液にジ
ビニルスルホン0.26gと0.5規定水酸化ナトリウム水溶液
1.0gとを加えた。得られた混合物を10分間撹拌し次いで
室温で50分間放置した。弾力性のある無色透明のゲルを
得た。ゲルを0.5lの0.15モル食塩水中に入れ一夜放置し
た。次いで高度に膨潤したゲルから過剰の液体を除去
し、新しい食塩水0.5lをゲルに加え振盪機上で24時間放
置した。膨潤した不溶性物質から過剰の液体を傾瀉して
除いてゼリー状の透明物質を得た。この生成物中のHA濃
度は0.275重量%と測定した。この物質のレオロジー的
性質は第5,6及び7図に示した。
参考例12(14CH2Oによる雄鶏とさかの処理) 放射性同位元素で標識されたパラホルムアルデヒド(
14CH2O)[比放射能500mCi/g(12CNレイディオケミカ
ルズ,12CN Radiochemicals)]を、1規定水酸化ナトリ
ウム水溶液0.1mlを加えた37重量%ホルムアルデヒド水
溶液1.0mlに5.0mCiに相当する量加えた。混合物をきっ
ちりと栓をした容器に入れ60℃に加温しパラホルムアル
デヒドを溶解した。次いで混合物を0℃に冷却し1規定
の酢酸水溶液0.1mlで中和した。得られた溶液の放射能
は、10mlの「ハイドロフルアー(HydroflourR)」液状
シンチレーション計数媒体(liquid scintillation cou
nting medium)(ナショナル・ダイアグノスチック)
(National Diagnostic)中で、外部標準法に基づく効
率の補正をコンピュータで行うサーレ・アイソキャップ
300液体シンチレイション・カウンター(Searle Isocap
300 Liquid Scintilation Counter)を用いて測定し
た。ホルムアルデヒド濃度はクロモトロープ酸による比
色法で測定した。得られた溶液の比放射能(specific a
tivity)は0.555mCi/ミリモルCH2Oであった。この標識
されたホルムアルデヒド溶液をアセトン7.5g、クロロホ
ルム1g、酢酸ナトリウム0.5gと混合した。薄切りした雄
鶏のとさか7.5gをこの溶液と混合し約20℃で18時間処理
した。とさかを液から分離し、数回アセトンで洗滌し元
の重量の1/2になるまで風乾した。2回反復して蒸留水1
5mlをとさかに加え約20℃で96時間抽出を進めた。抽出
液はとさかから分離し濾紙[ホワットマン(WhatmanR
No.1]を数枚重ねて濾過した。同じ操作を繰返してとさ
かの第2抽出液を得た。HYは抽出液に酢酸ナトリウムを
1重量%溶液になる量と、95%エタノールを4倍量加え
て白色繊維状物として沈澱した。繊維状物を分離し、ア
セトンで丁寧に洗い、乾燥し再びHY濃度が約1mg/mlにな
るように水に再溶解した。HYをその溶液から上記と同様
にして再沈澱し、再度アセトンで徹底的に洗い乾燥し
た。乾燥物質を今一度蒸留水に溶解してHYを0.84mg/ml
含有する溶液を得た。この溶液の比放射能を測定した処
194dpm/μg HAであった。この溶液の放射能は、0.15モ
ルの食塩を含みpH7.5の0.05モルリン酸緩衝液への完全
透析(exhaustive dialysis)によって103dpm/μg HYに
減少した。この溶液の放射能は4モル濃度グアニジン塩
酸塩に対する完全透析によって101dpm/μg HYにまで減
少した。このことは蛋白質が解離する条件下での溶液の
処理後でもホルムアルデヒドは生成物中に残留している
ことを示しいる。生成物について測定された放射能並び
に出発物質のホルムアルデヒド溶液の比放射能に基づ
き、HYに関するホルムアルデヒド含有量は約0.2重量%
と算出された。放射性同位元素で標識されストレプトマ
イセスヒアルロニダーゼによる酵素的分解を受け易いHY
と結合したホルムアルデヒドがどれくらいかを評価する
ため、HY0.8mg/mlを含み1,250dpm/(10μl溶液)の放
射能を持つ別の溶液を作った。この溶液2mlにストレプ
トマイセス・ヒアルロニダーゼ33TRU[マイルス ラボ
ラトリー社(Miles Laboratories Inc.],比活性度2,0
00TRU/mg HA、蛋白質加水分解活性度が5×1014単位/TR
U以下]を含んだクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.6)0.1m
lを加えた。同じ溶液の別の2mlに酵素を含まない前記緩
衝液を0.1ml加えた。両方共20時間かけて1,000倍量のク
エン酸−りん酸緩衝液へ透析した。透析後の上記2試料
の容積は同じであった。酵素処理しなかった試料はHY濃
度が0.76mg/mlで放射能は552dpm/10μlであった。酵素
処理した試料のHY濃度は検出レベル(10μg/ml)以下に
減少し、放射能は414dpm/10μl溶液であった。ヒアル
ロニダーゼに敏感な放射能は20dpm/10μg HYでこれは酵
素的に消化し得るHYに結合したホルムアルデヒド0.049
重量%に相当する。生成物のそのように標識された試料
をゲル パーミエーション クロマトグラフィーで分析
した。このクロマトグラフィーはグリセール−CPG3000
(孔の大きさ2869±8.3%)(エレクトロヌクレオニッ
クス社(Electronucleonics,Inc.)を充填した1.6×90c
mのガラスカラムを使用した。0.15モル食塩を含む脱気
した0.02モルほう酸塩緩衝液(pH7.5)を溶離(elutio
n)に使用した。カラムの排除容積(excluded volume)
(Vo)を分子量4×106のHY試料で測定し、カラムの全
容積(Vt)をスクロースで測定した。溶離は6℃で10ml
/時間の流速で行った。5mlずつの画分を集めHY濃度と放
射能を分析した。放射能が気孔容積(void volume)のH
Yと共に共溶離し(coelute)及び酵素的消化が、HYとそ
の放射能との両方を気孔容積の画分から除去することが
明らかになった。計算すると、気孔容積のHYと結合した
比放射能は14.6dpm/μg HYで、これはポリマー中のホル
ムアルデヒド0.036重量%に対応することを示した。こ
の数字は透析実験で得た数値とよく一致する。
実施例1 この実施例は、超高分子量で滅菌された発熱性物質を
含有せず非炎症性ハイランが得られた例である。
ひな鶏のとさかを、まず0.15M塩化ナトリウム水溶液
による1%セチルピリジニウムクロリド溶液で次に脱イ
オン水で充分洗浄、最後に1%水酸化ナトリウム水溶液
内に室温で15分間保持した。このとさかを脱イオン水で
洗い凍結させた。凍結されたとさかをスライサーで約1
〜2mm厚の切片に切断した。このようにして作製したと
さか1kgと、2.5lのイソプロパノール、0.1のクロロホ
ルム、0.07lの30%ホルマリンおよび0.05lの酢酸ナトリ
ウム50%水溶液を含有する処理溶液とを、ガラス容器に
入れて混合し、オートクレーブで滅菌し200℃で4hr加熱
して発熱性物質を除去した。この実験で用いた器具はす
べて、同様に滅菌と発熱性物質の除去を行った。上記溶
液によるとさかの処理は、ゆるやかに撹拌しながら、約
20℃の温度で24hr行った。次いで、濾過補助具をなにも
使わずにブッナー漏斗で濾過することによって、とさか
から液体を分離した。次に処理されたとさかを2lのイソ
プロパノールで洗浄し、前記したのと同様にして溶媒を
除去し、底部にステンレス鋼のスクリーンを取付けたガ
ラスカラム内に入れた。前記および以下の手順はすべ
て、細菌による汚染を防止するため層流フード内で行っ
た。0.2mmの膜で濾過した低速の窒素流を、カラムを約4
hr通過させてとさかから残留溶媒を除いて乾燥した。次
いで得られたとさかを、ガラスビーカー内で、滅菌され
発熱性物質を含有しない水2.5lと混合し、16℃を超えな
い温度で24hr抽出した。この抽出工程のpHは、必要なと
きに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して10.5に保持し
た。ブッフナー漏斗で濾過することによってとさかを抽
出液から分離した。抽出液をさらに、オートクレーブで
滅菌した、セルロースタイプのフイルター材“マイクロ
メディア"M70(“Micro-media"M70)(エルテル・エン
ジニアリング カンパニィ)で濾過した。濾液中のハイ
ランの濃度は0.45mg/mlであった。20gの酢酸ナトリウム
を50mlの水に溶解し、上記濾液2lに添加した。ゆるやか
に撹拌しながら、この濾液を、4lのイソプロパノールと
混合したところ白色繊維状沈澱が形成した。上記繊維状
沈澱を液体から分離し、1の新しいイソプロパノール
で24hr洗浄し、次に液体から分離し、コールドトラップ
を備えた真空オーブンを用いて、50ミリトールを超えな
い残留圧力下、常温で72hr乾燥した。
第1回の抽出液のとさかを、抽出時間が96hrである以
外同様にして第2回の抽出を行った。第2回の抽出を行
った抽出物を前記と同様に濾過した。得られた濾液のハ
イランの濃度は0.83mg/mlであった。前記したのと同様
にして、繊維状生成物を第2濾液から分離して乾燥し
た。各抽出操作での生成物の収率と、下記性質:ヘキソ
サミン/ヘキスロン酸比、蛋白質含量、結合ホルムアル
デヒド含量、極限粘度数、無菌性、発熱性物質性(pyro
genicity)およびレオロジー的性質とを評価した。用い
た手順は、前記と同様で、すなわち前記親出願と同様で
ある。ホルムアルデヒド測定の感度を上げるために、手
順を次のように修正した。すなわち、繊維状生成物を、
水に溶解して約1重量%の濃度とし、凍結乾燥して泡状
の軽い物質を形成させ、次にこれを圧縮して非常に緻密
な錠剤とした。この錠剤を、さらに約100ミリトールの
残留圧下、80℃で4hr乾燥して、ホルムアルデヒド測定
用の試料として用いた。試料の重量は、約2gであった
が、測定法の感度が、元の方法に比べて約10倍になっ
た。二つの製品の性質を第II表に示す。
低剪断速度領域における、粘度の剪断速度に対する依
存性を第11図に示す。
生成物の“生物学的純度”を評価するために、滅菌さ
れた、発熱性物質を含有しない0.15M塩化ナトリウム水
溶液による1重量%溶液を作製した。溶液の無菌性をUS
P(米国薬局法)XXI標準法で測定したが、上記の両溶液
とともに無菌であった。発熱性物質の含量を、LAL(Lim
ulus Amebocytae Lysate)試験法によりUSPXXIにしたが
って測定し、EU(エンドトキシン単位)/mlで示した。
両溶液について、測定結果は6EU/mlより低かった。
さらに、得られた溶液の炎症性活性を、米国特許第4,
141,973号(1979年2月27日)に記載のオウル・モンキ
イ・アイ試験法(Owl Monkey Eye Test)を用いて試験
したが、両溶液とともに、本質的に非炎症性であること
が分かった。
このように、親出願に比べて結合ホルムアルデヒド量
が著しく少ない、超高分子量で、滅菌され、発熱性物質
を含有しない非炎症性ハイランが得られた。
実施例2 この実施例は、高分子量のハイランを、高収量で得ら
れることを例示するものである。
鶏のとさかを、まず1%セチルピリジニウムクロリド
水溶液で洗浄し次に脱イオン水で洗い、最後に凍結させ
た。凍結したとさかを1〜2mm厚の切片にスライスし
た。スライスしたとさか500gを、600mlのイソプロパノ
ール、50mlの37重量%ホルマリンおよび25gの酢酸ナト
リウムの混合物中に入れ、この混合物を24hr、25℃を超
えない温度に保持した。次いでとさかを液体から分離
し、空気中で約2hr乾燥させた。このように乾燥したと
さかを、予め約4℃に冷却した1.2lの水酸化ナトリウム
0.04規定水溶液と混合した。混合物のpHは約12であっ
た。抽出を、5日間、約4〜6℃で行った。次いでとさ
かを抽出液から分離し、抽出液をセルロースフィルター
メディアM−70で濾過した。この濾液のハイランの濃度
は3.2mg/mlであった。10gの酢酸アセテートを、前記濾
液の1に溶解し、得られた溶液を2lのアセトンにゆっ
くり注ぎ入れた。上記溶液から沈澱した白色の繊維状物
質を集めて新しいアセトンで洗浄し、コールドトラップ
を備えた真空オーブンを用い、常温で72hr残留圧力約50
ミリトール下で乾燥した。乾燥繊維物質3.05gを得た。
この物質は、極限粘度数が6200cc/g、蛋白質含量0.55重
量%、結合ホルムアルデヒド含量0.00035重量%であ
り、ハイランと同定された。
実施例3 この実施例は、水酸化ナトリウム溶液の濃度と抽出時
間のハイランの特性に対する影響を例示するものであ
る。
とさかの調整、処理および後処理乾燥工程を前記実施
例に記載したのと同様に行った。乾燥されたとさかを、
予め4℃に冷却した0.2規定水酸化ナトリウム水溶液1.2
lに入れた。混合物のpHは14より高かった。4℃で42hr
抽出後、抽出液の約1/2を採取した。そのハイランの濃
度は4.2mg/mlであった。抽出液を濾過し、前記実施例に
記載したのと同様にしてハイランを沈澱させた。白色の
繊維状物が得られ、0.15M塩化ナトリウム水溶液(25
℃)中での極限粘度数は3200cc/gおよび蛋白質含量は0.
4重量%であった。4℃で合計140時間抽出した後、残り
の抽出液をとさかから分離して、前記したのと同様に処
理した。2.2gの白色繊維状物が、この抽出液分から回収
され、極限粘度数が2300cc/gで蛋白質含量が0.85重量%
であった。上記の二つの各生成物の結合ホルムアルデヒ
ド含量は約0.003重量%であった。
このように、低温での抽出であっても、抽出工程にお
けるアルカリの濃度が比較的高い場合、常温での抽出に
比べてかなり高い極限粘度数をもった生成物が得られ
る。抽出時間が増すと、生成物の極限粘度数が低下す
る。
実施例4 この実施例は、抽出工程で、揮発性塩基を使用する例
である。とさかは、上記実施例に記載したのと同様にし
て調整し処理した。得られたとさかを0.25重量%アンモ
ニヤ水溶液の12lで、25℃で96時間抽出した。前記実施
例と同様にして、抽出液をとさかから分離し、濾過し、
沈澱させた。得られた繊維状物質のハイランは、極限粘
度数が4500cc/gで蛋白質含量が0.55重量%であった。
実施例5 この実施例は、抽出時の温度の、最終製品の性質に対
する効果を例示するものである。
500gの雄鶏のとさかを洗浄し、前記実施例と同様にス
ライスして処理した。次に得られたとさかを1/2づつに
区分した。片方の部分を、0.2%のアンモニアを含有す
る0.2規定水酸化ナトリウム水溶液600mlを用い25℃で96
hr抽出した。抽出液を濾過し(濾液中のハイランの濃度
は5.3mg/mlであった)、前記と同様にして沈澱させた。
生成物の極限粘度数は1900cc/gで蛋白質含量は1.7重量
%であった。とさかの残りの部分を予め4℃に冷却した
同じ溶液600mlと混合し、4℃で96hr抽出を行った。濾
液のハイラン濃度は4.5mg/mlで、生成物の極限粘度数は
2700cc/gであり、蛋白質含量は0.52重量%であった。
このように、抽出工程の温度が低下すると、高分子量
と低蛋白質含量になることが分かる。
実施例6 この実施例は、処理済のとさかを、低濃度のアルカリ
混合物で抽出した例である。
500gのとさかを予め洗浄し、スライスして、実施例2
に記載したのと同じ混合物を含有するホルムアルデヒド
で処理した。得られたとさかを、0.2%のアンモニア含
有の0.1M水酸化ナトリウム溶液を予め4℃に冷却したも
の1.2l中に入れた。抽出を、4℃で96hr行った。
得られた抽出物を分離し濾過し、次いで生成物を前記
実施例に記載したのと同様に、沈澱させた。抽出液のハ
イランの濃度は4.9mg/mlであった。4.5gの繊維状物が得
られた。生成物の極限粘度数は3900cc/gで蛋白質含量は
0.25重量%であった。
とさかを上記と同様にして2回目の抽出を行った。抽
出液のハイランの濃度は4.0mg/mlであった。3.4gの繊維
状物を得られたが、極限粘度数は4400cc/gで蛋白質含量
は0.65重量%であった。
実施例7 この実施例は濾液からハイランを回収するために第四
級アンモニウム化合物を使った例を示す。500gのとさか
を、前記実施例と同様に洗浄し、凍結させ、スライスし
た。得られたとさかを、600mlのイソプロパノール、50m
lの37重量%ホルマリンおよび25gの酢酸ナトリウムを含
有する混合物で、24hr 4℃で処理した。処理後のとさか
を液体から分離し常温で空気中で乾燥し、次いで25mlの
25%アンモニヤ溶液25mlを添加した1.2lの0.1規定水酸
化ナトリウムで抽出した。抽出は4℃で48hr行った。抽
出液をとさかから分離し、濃塩酸で中和した。抽出液の
ハイラン濃度は2.86mg/mlであった。濾過済の抽出液の5
00mlを、沈澱剤としてイソプロパノールを用いる前記実
施例に記載したのと同様にして沈澱させた。1.35gの生
成物を得たが、極限粘度数は3900cc/gで蛋白質含量は、
0.5重量%であった(生成物A)。濾過された抽出液の
別の500mlを、セチルピリジウムクロリド(CPC)の1重
量%水溶液275mlと混合した。樹脂状の沈澱が形成し、
上澄液を除き、50℃の水500mlで2回洗浄し、次いで20
℃の水500ccで1回洗浄し、最後に0.3M塩化ナトリウム
水溶液に溶解した。0.7gの酢酸ナトリウムを上記の溶液
に溶解し、次にその溶液を60mlのイソプロパノールに徐
々に注入した。繊維状白色の沈澱が形成され、50mlの1:
1水−イソプロパノール混合物で2度洗浄し、最後に50m
lのイソプロパノールで洗い、次いで減圧乾燥した。1.4
1gの生成物が得られ、極限粘度数は4000cc/gで蛋白質含
量は0.6重量%であった(生成物B)。生成物のCPC含量
は25ppmであった。上記2生成物の、0.15M食塩水による
0.5重量%溶液のレオロジー特性は次のとおりであっ
た。
このように、濾液からのハイランの回収に対してCPC
を用いることによって、イソプロパノールで沈澱させて
得た生成物と比べて本質的に同じ性質を有する生成物が
得られた。
実施例8 この実施例では、放射能で標識をしたホルムアルデヒ
ドを用いた、追加の実験について述べる。
放射能で標識した14CH2Oの水溶液(比活性57mCi/mmo
l)[ニュー・イングランド・ヌクレアー(New England
Nuclear)]を、37重量%ホルマリン1.0mlと、2mCi
(0.104ml)に相当する量で混合した。混合物の比活性
は0.15mCi/mmolであった。このホルムアルデヒド溶液を
0.5gの酢酸ナトリウムを含有する12.5mlのイソプロパノ
ールに添加し、得られた混合物を栓付フラスコに入れ、
これに10gのスライスした雄鶏のとさかを入れた。とさ
かの処理を常温(約20℃)で18時間行った。とさかを液
体から分離し、10mlのイソプロパノールで2回洗浄し、
もとの重量の1/2まで風乾した。25mlの蒸留水をとさか
に加えて、抽出を4℃で48hr行った。この第1抽出液
(pH7.0)をとさかから分離し、ナイロン布地で濾過
し、次いで4層のワットマン(Whatman)#1濾紙で濾
過した。とさかからの第2の抽出液を作製し、本質的に
同じ方法で処理した。酢酸ナトリウムを、両濾液加えて
1重量%溶液にした。濾液を2倍容量のイソプロパノー
ルに注いで、両濾液から白色繊維状物を沈澱させた。ハ
イラン繊維状物を集め、イソプロパノールで充分洗い
(3回)、常温の真空オーブンで乾燥した。次いで水に
再溶解し、ハイラン濃度が約1mg/mlの溶液を得た。ハイ
ラン繊維状物を上記と同様にして再び沈澱させ、イソプ
ロパノールで洗い、真空オーブンで乾燥した。得られた
乾燥繊維状物を蒸留水に再溶解して、第1抽出液と第2
抽出液それぞれの製品として、ハイランをそれぞれ0.98
mg/mlおよび1.65mg/ml含有する溶液を得た。これらの溶
液の蛋白質含量はそれぞれ5.98μg/mlと12.0μg/μlで
あった。この2溶液を、まず塩水−リン酸緩衝液(pH7.
5)に対して透析し、次にクエン酸−リン酸緩衝液(pH
5.6)に対して透析したが、比活性が、第1抽出液と第
2抽出液の製品としてのハイランについて、それぞれ13
30dpm/mgと2515dpm/mgであることが見出された。これ
は、ハイラン中の結合した透析できないホルムアルデヒ
ドの含量、すなわち上記2製品についてそれぞれ0.0128
重量%と0.0227重量%に相当する。蛋白質含量に関する
比活性は、それぞれ222dpm/μg蛋白質および210dpm/μ
g蛋白質であった。
この二つの溶液を、ヒアルロナンと硫酸コンドロイチ
ンを消化する睾丸性ヒアルロニダーゼを2μg/mlの酵素
濃度で用い、37℃で48hr酵素消化反応に付した。透析さ
れた溶液のいくつかのアリコートを採取して、ゲル電気
泳動法とオートラジオグラフ法で分析した。残りの試料
を、酢酸−EDTA緩衝液(pH6.0)に対して徹底的に透析
した。透析された酵素消化物のハイラン濃度は、検出可
能なレベル(10μg/ml)より低く、放射能のレベルは、
第1製品と第2製品に対してそれぞれ260dpm/mlと330dp
m/mlでありまたは元の蛋白質含量について計算すると、
43dpm/μg蛋白質と28dpm/μg蛋白質であった。このよ
うに、この実験においては、放射能のかなりな部分が、
ハイラン高分子のヒアルロナン部分を酵素分解した時、
透析可能になった。
透析可能な放射能量を測定するために、第1抽出液製
品によるこの実験で得られた透析可能なグリコサミノグ
リカンの一部を凍結乾燥した。放射能の約80%(1070dp
m)が、その物質を乾燥後除去されたことが見出され
た。
ヒアルロニダーゼで消化されたハイラン試料のオート
ラジオグラフ(第9図)が、分子量が14,000, 21,000,
22,000, 24,000および66,000の蛋白質ゲルの放射能で標
識されたバンドを示している。特に分子量66,000のバン
ドに最大の取込みがみとめられる(バンドの強度からみ
て)。66,000のバンドが、ハイランに見出された蛋白質
の電気泳動パターン中の主要なバンドの一つであること
が分かる(第10図)。
実施例9 この実施例は、ハイランの繊維状物質を沈澱させるこ
となく溶液を化粧用製剤に用いた例である。
とさかの処理、抽出および濾過を、実施例2に記載し
たのと同様にして行った。濾液のハイラン濃度は、3.05
mg/mlであり、ハイラン濃度で計算した蛋白質含量は0.8
重量%、極限粘度数は5700cc/gであった。
0.28gの乾燥ポリアクリル酸[カーボポール940(Carb
opol),ビー・エフ・グッドリッチ社]を、50mlの蒸留
水に撹拌しながら添加して分散させた。次いで、4gのグ
リセロール、4mlの5重量%のポリビニルピロリドン水
溶液(分子量約360,000、アルドリッヒ ケミカル カ
ンパニイ社)、および10mlのポリエチレンオキシド[ポ
リオクス(Polyox)、凝固剤、ユニオン カーバイド
社]の1重量%水溶液を上記の分散液に添加した。上記
のハイラン濾液100mlを、上記の混合物に撹拌しながら
徐々に加え、次に混合物の全容積を、蒸留水によって20
0mlにした。湿潤用ハンドゲルとして利用できる透明な
ソフトゲルを得た。このゲルの最終組成は次のとおりで
あった。
カーボポール 940 0.14 重量% ポリビニルピロリドン 0.10 〃 ポリオクス凝固剤 0.025 〃 ハイラン 0.16 〃 グリセロール 2.00 〃 防腐剤 0.30 〃 水 97.275 〃 実施例10 この実施例は、ハイラン濾液を化粧用製剤に直接用い
た別の例である。
10gのステアリン酸[ダー・ケム14(Der-Chem14)、
ダーリング アンド カンパニイ(Darling & C
o.)]を、前記実施例に記載したのと同様にして作製し
たハイラン濾液50mlと混合し、この混合物に、ラノキシ
ド52(Lanoxide 52)[PEG-40ステアレート、ラネテッ
クス プロダクツ インコーポレーテッド(Lanaetex P
roducts Inc.)]の0.8gを混合し、次いで撹拌しながら
約80℃まで加温し、直ちに室温まで冷却した。得られた
混合物を、最終製剤のA部分を構成する。
カーボポール940の1重量%水分散液10ml、ポリビニ
ルピロリドンの5重量%水溶液2.5mlおよび水酸化ナト
リウム4%水溶液1.4mlを混合してB部分を作製した。
C部分を、下記成分を混合して作製した。
ペトロラタム[ケセポロー・ポンズ インコーポレー
テッド(Cheseborough-Ponds,Inc)] 1.0g セチルアルコール(アルドリッヒ ケミカル カンパ
ニイ) 1.0g クロダモル PMP(Crodamol PMP)[クロダ インコ
ーポレーテッド(Croda,Inc.)] 0.5g ボルポ3[Volpo 3](クロダ インコーポレーテッ
ド) 0.25g やし油[アクメーハーデスティ カンパニー インコ
ーポレーテッド(Acme-Hardesty Co.,Inc.)] 1.0g PEG-350(アルドリッヒ ケミカル カンパニイ) 0.3g プロピレングリコール(アルドリッヒ ケミカル カ
ンパニイ) 1.0g シリコーンF−754(SWS シリコーンズ カンパニ
イ) 1.5g 香料 0.25g フェノニップ(Phenonip)[ニパ(Nipa)] 0.3g 上記3部分全体をはげしく撹拌しながら混合し、全容
量を水によって100gにした。皮膚に塗布した場合真珠状
の外観と柔らかな感触の柔らかなクリームが得られた。
この発明は、勿論、この発明の思想と範囲から逸膜せ
ず変形と改善ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はハイラン(HY)の0.15モル濃度食塩水溶液(1
重量%)の粘度の剪断速度依存性を示すグラフ(Vは粘
度、Sは剪断応力)、第2図はHYの0.15モル濃度食塩水
溶液(1重量%)の振動試験の結果を示すグラフ(Vは
粘度、Fは位相角(phase angle)、G′は動的貯蔵弾
性率(dynamic storage moduli)、G″は損失弾性率
(loss moduli))、第3図はHYの0.15モル温度食塩水
溶液(1重量%)の緩和曲線を示すグラフ、第4図はHY
(極限粘度数4,300cc/g)の0.15モル濃度食塩水溶液
(1重量%)の相当球直径の分布を示すグラフ、第5図
はHA(極限粘度数3,562cc/g)の0.15モル濃度食塩水溶
液(1重量%)の相当球直径の分布を示すグラフ、第6
図は本発明によるゼリー状生成物の粘度対剪断速度依存
性を示すグラフ、第7図は本発明によるゼリー状生成物
の振動試験の結果を示すグラフ(Vは粘度、Fは位相
角、G′は動的貯蔵弾性率、G″は損失弾性率)、第8
図は本発明によるゼリー状生成物の緩和曲線を示すグラ
フ、第9図は、ヒアルロニダーゼで消化されたハイラン
のオートラジオグラフを示す図、第10図はハイラン中に
見出された蛋白質の電気泳動を示す図、第11図はHYの低
剪断速度領域における粘度の剪断速度依存性を示すグラ
フである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/735 ABL A61K 31/735 ABL 35/12 7431−4C 35/12 (72)発明者 アデリヤ・レシヒナー アメリカ、ニュージャージィ 07022、 フェアビュー、プロスペクト・アベニュ ー 623 (72)発明者 ナンシイ・イー・ラーセン アメリカ、ニューヨーク 10975、サウ スフィールド、サミット・アベニュー 1301 (72)発明者 フィリップ・バンド アメリカ、ニューヨーク、ブルックリ ン、ウエスト・5 ストリート 2765 (56)参考文献 特開 昭61−207401(JP,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒアルロン酸ポリマー鎖に共有結合したア
    ルデヒド架橋基が約0.0002〜0.003重量%存在すること
    を特徴とする化学的に修飾されたヒアルロン酸。
  2. 【請求項2】殺菌され、非炎症性で、発熱性物質が存在
    しない請求項1記載のヒアルロン酸。
  3. 【請求項3】(a) ヒアルロン酸を含有したままの動
    物組織を、アルデヒドを含有する水性処理混合物で処理
    して、組織に含有されているヒアルロン酸の化学的修飾
    を行い、 (b) 過剰の処理混合物を反応混合物から除去し、 (c) 前記の化学的に修飾されたヒアルロン酸の、処
    理された動物組織からの抽出を、約16℃より低い温度で
    かつ8〜14のアルカリ性pHで水を用いて、約6時間〜数
    日間にわたって、上記水と処理された組織との比率を処
    理される組織の重量基準で約2〜5:1で行い、 (d) 化学的に修飾されたヒアルロン酸を含有する抽
    出液を処理された動物組織から分離し、および (e) ヒアルロン酸ポリマー鎖に共有結合したアルデ
    ヒド架橋基が約0.0002〜0.003重量%存在する化学的に
    修飾されたヒアルロン酸を抽出液から回収することを特
    徴とする化学的に修飾されたヒアルロン酸を得る方法。
  4. 【請求項4】温度が約5℃より低い請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】アルカリ性pHが、無機塩基、有機塩基また
    はその混合物を用いて達成される請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】アルデヒドがホルムアルデヒド、グルタル
    アルデヒドまたはグリオキサールである請求項3記載の
    方法。
  7. 【請求項7】水性処理混合物が、アルデヒドと反応しな
    い水混和性溶媒を含有する請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】水性処理混合物が、任意に、電解質と水不
    溶性有機溶媒を含有する請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】処理混合物中の、水と水混和性溶媒との重
    量比率が1〜5:4〜8.5で、水とアルデヒドとの重量比率
    が1〜5:0.02〜1である請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】処理混合物が、水10〜50重量部、水混和
    性溶媒40〜85重量部、アルデヒド0.2〜10重量部、水不
    溶性溶媒0.5〜10重量部、および電解質0〜20重量部か
    らなる請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】処理混合物と処理すべき組織との重量比
    が少なくとも10:1であり、処理が約4〜24時間行われる
    請求項3記載の方法。
  12. 【請求項12】動物の組織が、雄鶏、ひな鶏または雌鶏
    のとさかであり、とさかは約1〜3mm厚のスライスに切
    断される請求項3記載の方法。
  13. 【請求項13】過剰の処理混合物が、処理された組織を
    溶媒もしくは溶媒と水の混合物で洗浄することによっ
    て、反応混合物から除去される請求項3記載の方法。
  14. 【請求項14】処理された組織が、抽出工程の前に、処
    理された際の重量の約25〜50%まで乾燥される請求項3
    記載の方法。
  15. 【請求項15】回収を、第四アンモニウム化合物で沈殿
    させることによって行う請求項3記載の方法。
  16. 【請求項16】抽出液が、濾過、遠心分離またはデカン
    テーションによって、動物組織から分離される請求項3
    記載の方法。
  17. 【請求項17】化学的に修飾されたヒアルロン酸を、抽
    出液から、溶媒で沈殿させ、次に、得られた、沈殿した
    化学的に修飾されたヒアルロン酸を洗浄し乾燥すること
    によって回収する請求項3記載の方法。
  18. 【請求項18】化学的に修飾されたヒアルロン酸が抽出
    液から、凍結乾燥によって取出される請求項3記載の方
    法。
  19. 【請求項19】さらに、未切断状態の前記動物組織を、
    水性処理混合物で処理する前に、pH12以上にするのに充
    分な量と濃度の無機のアルカリで、約5分間〜数時間洗
    浄することからなる請求項3記載の方法。
  20. 【請求項20】さらに、抽出工程で用いた過剰のアルカ
    リを酸を添加して中和して、実質的に中性のpHを要す
    る、製品の用途に適切な製剤とすることからなる請求項
    3記載の方法。
  21. 【請求項21】ヒアルロン酸ポリマー鎖に共有結合した
    アルデヒド架橋基が約0.0002〜0.003重量%存在する化
    学的に修飾されたヒアルロン酸を含有してなる化粧用製
    剤。
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