JP2510247Y2 - 可変圧縮比内燃エンジンの制御装置 - Google Patents

可変圧縮比内燃エンジンの制御装置

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JP2510247Y2
JP2510247Y2 JP1696190U JP1696190U JP2510247Y2 JP 2510247 Y2 JP2510247 Y2 JP 2510247Y2 JP 1696190 U JP1696190 U JP 1696190U JP 1696190 U JP1696190 U JP 1696190U JP 2510247 Y2 JP2510247 Y2 JP 2510247Y2
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combustion engine
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克紀 田島
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は可変圧縮比機構を有する内燃エンジンの燃料
供給量、点火進角量等のエンジン制御量を圧縮比に応じ
て制御する装置に関する。
(従来の技術) 一般に内燃エンジンにおいて、圧縮比が高い場合、燃
焼効率が向上し燃料消費率が改善されると共に出力を高
くすることができるが、一方ノッキングが発生し易くな
る。
従来、こうした事情を考慮に入れてエンジン運転状態
に応じて圧縮比を変化させる装置が、例えば特開昭64−
45965号公報にて公知である。
当該従来装置によれば、圧縮比に応じて点火時期を変
えるようにすると共に、圧縮比を切換える指令信号を圧
縮比切換機構に出力してから実際に圧縮比が切換わるま
での遅延時間を予め算出し、該遅延時間の経過中は指令
信号出力前の圧縮比に応じて点火時期を決定し、該遅延
時間の経過後初めて切換後の圧縮比に応じて点火時期を
決定するようにしている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来装置においては遅延時間の経
過中は指令信号出力前の圧縮比に応じて点火時期を決定
するようにしているため、例えば指令信号出力前の点火
時期が低圧縮比に応じた点火時期であった場合、即ち高
圧縮比用の点火時期に比べノッキングの発生を抑止する
力が弱い設定となった点火時期であった場合には、ノッ
キングが発生し易い高圧縮比への変更過渡期間である遅
延時間の経過中はノッキングの発生の虞がある。特に多
気筒エンジンにおいて全気筒の圧縮比の変更が完了する
までを遅延時間として設定した装置であって、前記同様
に指令信号出力前の点火時期が低圧縮比用の点火時期で
あった場合には該遅延時間の後半部で既にある気筒の圧
縮比がノッキングを起し易い高圧縮比に切換ってしまっ
ているので、この切換ってしまった気筒では低圧縮比用
の点火時期のままではノッキング発生の可能性が高い。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、圧縮比
切換え過渡時にノッキングの発生を抑止できるようにし
た可変圧縮比内燃エンジンの制御装置を提供することを
目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本考案によれば、内燃エン
ジンの圧縮比を高圧縮比側の圧縮比及び低圧縮比側の圧
縮比のいずれか一方に切換える圧縮比制御機構を有した
内燃エンジンの制御装置において、前記エンジンの運転
状態に応じて前記エンジンの圧縮比を前記高圧縮比側の
圧縮比及び前記低圧縮比側の圧縮比のいずれか一方に切
換える圧縮比変更指令信号を前記圧縮比制御機構に出力
する変更指令手段と、内燃エンジンの圧縮比に応じて前
記内燃エンジンの点火時期及び前記内燃エンジンへの供
給燃料量の少なくともいずれか一方を決定する制御量決
定手段と、前記変更指令手段から前記圧縮比変更指令信
号が出力されてから前記圧縮比制御機構において実際に
圧縮比が変更されるまでの過渡状態を検出する過渡検出
手段と、該過渡検出手段が前記過渡状態を検出したとき
は前記制御量決定手段が前記高圧縮比側の圧縮比に応じ
て前記内燃エンジンの点火時期及び前記内燃エンジンへ
の供給燃料量の少なくともいずれか一方を決定するよう
にさせる過渡時制御量決定手段とから成ることを特徴と
する可変圧縮比内燃エンジンの制御装置が提供される。
好ましくは、前記過渡検出手段が過渡状態を検出した
ときは、前記変更指令手段の作動を禁止する作動禁止手
段とから成る。
(作用) エンジン運転状態に応じて変更指令手段から圧縮比制
御機構に圧縮比変更指令信号が出力されてから実際に圧
縮比が変更されるまでの過渡状態を検出し、該過渡状態
が検出されたときにはエンジン制御量が高圧縮比に応じ
た値に決定される。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は可変圧縮比内燃エンジンの制御装置の全体の
構成図であり、符号1は例えば4気筒の車両用内燃エン
ジンを示し、エンジン1には吸気管2が接続され、吸気
管2の途中にはスロットル弁3が設けられている。スロ
ットル弁3にはスロットル弁開度センサ4が連結されて
スロットル弁の弁開度を電気的信号に変換し電子コント
ロールユニット(以下「ECU」という)5に送るように
されている。
吸気管2のエンジン1とスロットル弁3間には燃料噴
射弁6が設けられている。この燃料噴射弁6は吸気管2
の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒ごとに設けら
れており、各噴射弁は図示しない燃料噴射ポンプに接続
されていると共にECU5に電気的に接続されて、ECU5から
の信号によって燃料噴射の開弁時間が制御される。
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には管7を介して絶
対圧センサ8が設けられており、この絶対圧センサ8に
よって電気的信号に変換された絶対圧(PB)信号は前記
ECU5に送られる。また、その下流には吸気温センサ9が
設けられており、この吸気温センサ9によって電気的信
号に変換された吸気温(TA)信号が前記ECU5に送られ
る。
エンジン本体1にはエンジン水温センサ10が設けら
れ、このセンサ10はサーミスタ等から成り、冷却水が充
満したエンジン気筒周壁内に挿着されて、その検出水温
(TW)信号をECU5に供給する。
エンジン回転数センサ(以下「Neセンサ」という)11
および気筒判別センサ12がエンジンの図示しないカム軸
周囲又はクランク軸周囲に取り付けられており、前者11
はTDC信号即ちエンジンのクランク軸の180°回転毎に所
定のクランク角度位置で、後者12は特定の気筒の所定の
クランク角度位置でそれぞれ1パルスを出力するもので
あり、これらのパルスはECU5に送られる。
エンジン1の排気管13には三元触媒14が配置され排気
ガス中のHC,CO,NOx成分の浄化作用を行なう。この三元
触媒14の上流側にはO2センサ15が排気管13に挿着されこ
のセンサ15は排気中の酸素濃度を検出しその検出値信号
をECU5に供給する。
また、ECU5には、大気の湿度を検出するセンサ16及び
大気圧力を検出するセンサ20が接続されており、ECU5は
これらセンサ16,20からの検出湿度(HA)信号及び大気
圧(PA)信号を供給される。
更にエンジン1の本体には各気筒毎に点火装置17が設
けられる。各点火装置はECU5に電気的に接続され、該EC
U5からの点火時期制御信号に応じて図示しない点火回
路、イグニッションコイル、分配器を介して発生した点
火出力により順次点火される。
エンジン1の本体には各気筒毎に圧縮比切換機構18及
び圧縮比センサ19が設けられると共に夫々ECU5に接続さ
れる。圧縮比切換機構18はECU5からの駆動信号により駆
動され、また圧縮比センサ19は気筒内の圧縮比(ε)を
間接的に検出し、ECU5に検出された圧縮比信号を供給す
る。
当該圧縮比切換機構18及び圧縮比センサ19について第
2図乃至第4図を参照して詳述する。
圧縮比切換機構18は、第2図に示すように構成され、
エンジン1のシリンダーライナ壁(図示せず)内を往復
動するピストン21とコネクティングロッド22の小端部22
aとの間には、偏心ピストンピン(回動偏心部材)23が
ピストン21及びコネクティングロッド22に対して回動自
在に介装されている。この偏心ピストンピン23は、ピス
トンピン孔21aに挿通される両端部23a,23aの中心軸23y
(ピストンピン孔23aの中心軸23bと一致)に対し、偏心
ピストンピン23の中央部に形成され、ピストンピン孔22
bに挿通される偏膨出部23bの中心軸23x(ピストンピン
孔22bの中心軸22cと一致)がオフセットしたものであ
る。
ここで、偏膨出部23bが反クランク軸側にあるとき
(第2図に示す状態)は、燃焼室容積がピストンの上死
点で増大するため低圧縮比状態が得られ、偏膨出部23b
がクランク軸側にあるときには、燃焼室容積がピストン
の上死点で減少するため高圧縮比状態が得られる。
更に第3図及び第4図に示すように回動偏心部材とし
ての偏心ピストンピン23の外面側には、ロックピン案内
溝24が形成され、前記コネクティングロッド22には該案
内溝24と相対した異なる位置で対向する一対の摺動溝2
5,26が夫々形成されている。そして、このコネクティン
グロッド22には前記両摺動溝25,26の溝長方向各一端
に、摺動溝25,26と夫々縦列する二つの収納穴27,28が形
成され、両収納穴27,28にはロックピン29,30が夫々埋没
する。
前記両収納穴27,28の下端はコネクティングロッド22
内に形成された第1及び第2固定用油路31,32と夫々連
通し、摺動溝25,26の上端は第1及び第2固定解除用油
路33,34と連通している。この第1固定用油路32と第2
固定解除用油路34とは第1共通油路35に連通し、第1固
定解除用油路33と第2固定用油路32とは第2共通油路36
に連通しており、両共通油路35,36の下端はスプール37
を介してクランクピン等に供給される潤滑油を導く主油
路38に連通している。
ここで、スプール37は、第2図に示すように中央部に
環状油溝37aを形成していると共に、両端に夫々永久磁
石39,40を取付けており、第1電磁石41及び第2電磁石4
2から成り、ECU5からの駆動信号でいずれか一方の電磁
石が励磁される駆動手段の働きにより、環状油溝37aを
介しての主油路38と第1共通油路35又は第2共通油路36
との選択的連通を図るべくコネクティングロッド22の軸
線方向とは直交する方向、すなわち偏心ピストンピン23
の軸線方向と平行な方向に移動自在である。偏心ピスト
ンピン23の両端部23aの外周及び偏膨出部23bの外周には
耐摩耗性の軸受メタル43,44が夫々嵌着されている。
圧縮比切換機構18はこのように構成されているので、
例えばECU5からの駆動信号により第3図に示す低圧縮比
状態から高圧縮比状態を得るときは、駆動手段が働いて
スプール37が矢印A方向に移動し(第4図参照)、主油
路38と第1共通油路35との連通が断たれ、主油路38と第
2共通油路36とが連通する。これにより、第1ロックピ
ン29は収納穴27内に埋没して偏心ピストンピン23の回転
が始まるが、第2ロックピン30の先端は偏心ピストンピ
ン23の外周に接したままであり、第2ロックピン30は移
動しない。
そして、第4図に示すように、偏心ピストンピン23が
第3図に示す状態から略半回転すると、案内溝24が摺動
溝26と正対し、第2ロックピン30は案内溝24及び摺動溝
26と収納穴28との間に架け渡される。これによって偏心
ピストンピン23の回転は停止する。つまり、偏膨出部23
bがクランク軸側に位置し、高圧縮比状態を得ることと
なる。
圧縮比センサ19は、第2図に示すようにピストン21の
クランク軸側と第2電磁石42との間の位置に、更に詳し
くは高圧縮比の時のピストン21の下死点位置と低圧縮比
の時のピストン21の下死点位置との間に設けられる近接
スイッチである。即ち、ピストン21の位置に基づき圧縮
比の高低2段階の実際の値を検出するものである。当該
圧縮比センサ19は、こうしたピストン位置センサに限ら
れるものではなく、燃焼圧力を直接検出するセンサであ
ってもよい。
第1図に戻って、ECU5は上記各種センサからの検出信
号の波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、
アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を
有する入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」と
いう)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム及び
演算結果等を記憶する記憶手段5c、及び前記燃料噴射弁
6、点火装置17及び圧縮比切換機構18に駆動信号を供給
する出力回路8d等から構成されている。
ECU5は上記各種センサからのエンジンパラメータ信号
等に基づいて高圧縮比及び低圧縮比のいずれにすべきエ
ンジン運転状態であるかを判別し、該判別結果に従い圧
縮比切換機構18の駆動手段へ指令信号を供給する。
また、ECU5は前記各種センサからのエンジン運転パラ
メータ信号値等に基づいてエンジンの運転状態を検知
し、燃料供給制御プログラムに従って前記TDC信号の入
力毎に燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを次式(1)に
従って算出する。
TOUT=Ti×K1+K2 ……(1) ここにTiはTDC信号パルス間隔に基づいて算出される
エンジン回転数Ne、吸気管内絶対圧PB及び圧縮比εに応
じて記憶手段5cに格納されたマップより決定される基本
噴射時間、K1及びK2はエンジンパラメータ信号に基づい
て決定される他の補正係数及び補正変数であり、燃費、
運転性等のエンジンの諸特性が最良となるような値に夫
々設定される。
ECU5は、上述のようにして求めた燃料噴射時間TOUT
基づいて燃料噴射弁6を開弁させる駆動信号を燃料噴射
弁6に供給する。
更にECU5は次式(2)で与えられる点火装置17の点火
進角θIGを演算する。
θIG=θMAP+θIGCR ……(2) ここに点火進角θIGは基準クランク角度位置からのク
ランク角度で表わされ、θMAPは基本点火進角であり、
その値はエンジン回転数Ne、エンジン負荷を表わすパラ
メータ、例えば吸気管内絶対圧PB及び圧縮比εに応じて
記憶手段5cに格納されたマップより決定される。θIGCR
は他の進遅角補正量であり、エンジン冷却水温Tw、吸気
温度TA等によって決定される。
ECU5は、上述のようにして求めた点火進角θIGに基づ
いて点火装置17を作動させる制御信号を点火装置17に供
給する。
第5図は、ECU5で実行される圧縮比εの決定及び圧縮
比εに応じた基本燃料噴射時間Ti及び基本点火進角θ
MAPの決定のための制御プログラムのフローチャートを
示す。
まずステップ501で、圧縮比が高圧縮比(以下「高
ε」という)から低圧縮比(以下「低ε」という)へ切
換わる過渡状態を1で表わすフラグfが1であるか否か
を判別する。該フラグfはECU5の電源投入時に0に初期
化されている。又ステップ502で、圧縮比が低εから高
εへ切換わる過渡状態を1で表わすフラグgが1である
か否かを判別する。該フラグgも0に初期化されてい
る。なお、上記両過渡状態とは、圧縮比切換の指令信号
が出力されてから全気筒において一方の圧縮比から他方
の圧縮比に実際に切換わるまでの状態を指す。
ステップ501及び502の答がいずれも否定(No)、即ち
圧縮比の切換過渡状態でないならば、ステップ503乃至
ステップ513において目盛圧縮比を決定するための吸気
管内絶対圧PBの判別値である設定切替値DPBを算出す
る。
即ち、エンジン回転数Neを読み込み(ステップ50
3)、該エンジン回転数Neに応じてNe対切替PBマップよ
り設定切替DPBを決定する(ステップ504)。次にエンジ
ン水温TWを読み込み(ステップ505)、該水温Twに応じ
てTw対切替PB値補正量マップより補正量(ΔPB)1を決定
し(ステップ506)、同様に吸気温度TAを読み込み(ス
テップ507)、該吸気温度TAに応じてTA対切替PB値補正
量マップより補正量(ΔPB)2を決定し(ステップ50
8)、大気圧PAを読み込み(ステップ509)、該大気圧PA
に応じてPA対切替PB値補正量マップより補正量(ΔPB)3
を決定し(ステップ510)、そして大気湿度HAを読み込
み(ステップ511)、該湿度HAに応じてHA対切替PB値補
正量マップより補正量(ΔPB)4を決定する(ステップ51
2)。上記各マップは記憶手段5cに予め格納されてい
る。
以上のようにして決定された設定切替値DPB及び各補
正量(ΔPB)1〜(ΔPB)4を用いて下記式(3)に基づき
設定切替値DPBを補正する(ステップ513)。
DPB=DPB+(ΔPB)1+(ΔPB)2+(ΔPB)3+(ΔPB)4 ……(3) このようにして決定された設定切替値DPBが後述のス
テップ516,524において目標圧縮比決定のための判別値
として用いられる。
次のステップ514では吸気管内絶対圧PBが読み込まれ
る。
ステップ515では、実際の圧縮比の状態を示すフラグ
eが1であるか否かを判別する。該フラグeは、各気筒
毎に設けられた圧縮比センサ19の出力に基づき、全気筒
の実際の圧縮比が高εならば1、低εならば0に別のサ
ブルーチンで設定されるものである。
ステップ515の答が否定(No)、即ち実際の圧縮比が
低εならばステップ516へ進み、ステップ514で読み込ん
だ吸気管内絶対圧PBがステップ513で決定された設定切
替値DPBより小さいか否かを判別する。このステップ516
の答が否定(No)、即ちPBがDPB以上で、低εであるべ
きエンジン運転状態であるならば、基本燃料噴射時間Ti
及び基本点火進角θMAPを決定するマップは低ε用のマ
ップを使用することを指示する信号を出力して(ステッ
プ517)本プログラムを終了する。
ステップ516の答が肯定(Yes)、即ちPBがDPBより小
さく、高εであるべきエンジン運転状態であるならば圧
縮比を低εから高εへ切換える指令信号を出力し(ステ
ップ518)、前記フラグgを1に設定する(ステップ51
9)。これにより各気筒毎の圧縮比切換機構18の第2電
磁石42が励磁され、スプール37が第4図に示す位置に切
換わる。この切換指令信号が出力されてから各気筒で偏
心ピストンピン23が第4図に示す位置まで回転し、高ε
状態になるまでには約100msec(3サイクル強、クラン
ク軸6回転強)を必要とする。
次のステップ520では、各気筒の圧縮比センサ19の出
力に基づき全気筒が高εならばフラグeを1に設定し、
全気筒が低εならばフラグeを0に設定する。そしてス
テップ521でフラグeが1であるか否かを判別する。
前述したように切換指令信号が出力されてからすぐに
は高εにはならないので、ステップ521の答は当初は否
定(No)となり、ステップ522へ進む。ステップ522では
基本燃料噴射時間Ti及び基本点火進角θMAPを決定する
マップに高ε用のマップを使用することを指示する信号
を出力して本プログラムを終了する。即ち、フラグgが
1でフラグeが0の、低εから筒をへの過渡状態では、
各気筒において低εと高εとの中間状態である可能性が
あり、また、ある気筒は既に高ε状態になってしまって
いても、ある気筒では未だ低ε状態である可能性もあ
る。従って、この過渡状態のときにはノッキングの発生
を抑止する力が強い設定となった高ε用Ti及びθMAP
ップを使用することによって、従前の低ε用Ti及びθ
MAPマップをそのまま使用することによるノッキング発
生の危険性を回避すると共に、ノッキング発生の抑止力
に余裕をもたせるようにしている。
次回に本プログラムが実行されたときにはステップ50
2の答が肯定(Yes)となるのですぐにステップ520,521
が実行される。即ちエンジン運転状態が高ε及び低εの
いずれの圧縮比にすべき状態かの判断を行なわない。こ
れは、圧縮比の切換過渡状態のときには全気筒が切換え
を完了するまでは次の切換えを避けたいためである。
ステップ521の答が肯定(Yes)、即ち全気筒の圧縮比
が実際に高εに転じると、フラグgを0に設定して(ス
テップ523)、ステップ522を実行して本プログラムを完
了する。
ステップ515に戻って、このステップの答が肯定(Ye
s)、即ち実際の圧縮比が高εならばステップ524へ進
み、吸気管内絶対圧PBが設定切替値DPB以上であるか否
かを判別する。このステップ524の答が否定(No)、即
ちPBがDPBよりも小さく、高εであるべきエンジン運転
状態であるならば、基本燃料噴射時間Ti及び基本点火進
角θMAPを決定するマップは高ε用のマップを使用する
ことを指示する信号を出力して(ステップ525)本プロ
グラムを終了する。
ステップ524の答が肯定(Yes)、即ちPBがDPB以上で
あり、低εであるべきエンジン運転状態であるならば、
圧縮比を高εから低εへ切換える指令信号を出力し(ス
テップ526)、前記フラグfを1に設定する(ステップ5
27)。これにより各気筒毎の圧縮比切換機構18の第1電
磁石41が励磁され、スプール37が第3図に示す位置に切
換わる。
次のステップ528では、前記ステップ520と同様にフラ
グeの設定が行なわれ、ステップ529でフラグeが0で
あるか否かを判別する。
ステップ529の答えはステップ521と同様に、当初は否
定(No)となり、基本燃料噴射時間Ti及び基本点火進角
θMAPを決定するマップに高ε用のマップを使用するこ
とを指示する信号を出力して(ステップ530)本プログ
ラムを終了する。
次回に本プログラムが実行されたときにはステップ50
1の答が肯定(Yes)となるのですぐにステップ528,529
が実行される。即ち、前述のステップ502からステップ5
20へ進む場合と同様に、エンジン運転状態が高ε及び低
εのいずれの圧縮比にすべき状態であるかの判断を行な
わない。
ステップ529の答が肯定(Yes)、即ち全気筒の圧縮比
が実際に低εに転じると、Tiマップ及びθMAPマップに
低ε用のマップを使用する信号を出力し(ステップ53
1)、フラグfを0に設定して(ステップ532)本プログ
ラムを終了する。
以上の実施例においては、圧縮比を高低2段階に切換
える構成となっているが、本考案はこれに限られること
はなく、3以上の段階に切換える構成としてもよい。
(考案の効果) 以上詳述したように本考案は、内燃エンジンの圧縮比
を高圧縮比側の圧縮比及び低圧縮比側の圧縮比のいずれ
か一方に切換える圧縮比制御機構を有した内燃エンジン
の制御装置において、前記エンジンの運転状態に応じて
前記エンジンの圧縮比を前記高圧縮比側の圧縮比及び前
記低圧縮比側の圧縮比のいずれか一方に切換える圧縮比
変更指令信号を前記圧縮比制御機構に出力する変更指令
手段と、内燃エンジンの圧縮比に応じて前記内燃エンジ
ンの点火時期及び前記内燃エンジンへの供給燃料量の少
なくともいずれか一方を決定する制御量決定手段と、前
記変更指令手段から前記圧縮比変更指令信号が出力され
てから前記圧縮比制御機構において実際に圧縮比が変更
されるまでの過渡状態を検出する過渡検出手段と、該過
渡検出手段が前記過渡状態を検出したときは前記制御量
決定手段が前記高圧縮比側の圧縮比に応じて前記内燃エ
ンジンの点火時期及び前記内燃エンジンへの供給燃料量
の少なくともいずれか一方を決定するようにさせる過渡
時制御量決定手段とから成るので、圧縮比の切換え過渡
時にノッキングの発生を抑制できると共に、ノッキング
発生の抑止力に余裕を持たせることができる。
また、請求項2に記載のように前記過渡検出手段が過
渡状態を検出したときは、前記変更指令手段の作動を禁
止する作動禁止手段とから成るので、圧縮比の切換過渡
時に全気筒が圧縮比を切換え完了するまでは該切換えを
回避することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る可変圧縮比内燃エンジンの制御
装置の全体構成図、第2図は圧縮比切換機構18の垂直断
面図、第3図は低圧縮時の圧縮比切換機構18の斜視図、
第4図は高圧縮時の圧縮比切換機構18の斜視図、第5図
はECU5で実行される制御プログラムのフローチャートで
ある。 1……内燃エンジン、5……電子コントロールユニット
(ECU)、6……燃料噴射弁、17……点火装置、18……
圧縮比切換機構、19……圧縮比センサ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 5/152 F02P 5/15 D 5/153

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジンの圧縮比を高圧縮比側の圧縮
    比及び低圧縮比側の圧縮比のいずれか一方に切換える圧
    縮比制御機構を有した内燃エンジンの制御装置におい
    て、前記エンジンの運転状態に応じて前記エンジンの圧
    縮比を前記高圧縮比側の圧縮比及び前記低圧縮比側の圧
    縮比のいずれか一方に切換える圧縮比変更指令信号を前
    記圧縮比制御機構に出力する変更指令手段と、内燃エン
    ジンの圧縮比に応じて前記内燃エンジンの点火時期及び
    前記内燃エンジンへの供給燃料量の少なくともいずれか
    一方を決定する制御量決定手段と、前記変更指令手段か
    ら前記圧縮比変更指令信号が出力されてから前記圧縮比
    制御機構において実際に圧縮比が変更されるまでの過渡
    状態を検出する過渡検出手段と、該過渡検出手段が前記
    過渡状態を検出したときは前記制御量決定手段が前記高
    圧縮比側の圧縮比に応じて前記内燃エンジンの点火時期
    及び前記内燃エンジンへの供給燃料量の少なくともいず
    れか一方を決定するようにさせる過渡時制御量決定手段
    とから成ることを特徴とする可変圧縮比内燃エンジンの
    制御装置。
  2. 【請求項2】更に、前記過渡検出手段が過渡状態を検出
    したときは、前記変更指令手段の作動を禁止する作動禁
    止手段とから成る請求項1記載の可変圧縮比内燃エンジ
    ンの制御装置。
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