JP2509630Y2 - ステアリングホイ―ル - Google Patents

ステアリングホイ―ル

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JP2509630Y2
JP2509630Y2 JP1989127329U JP12732989U JP2509630Y2 JP 2509630 Y2 JP2509630 Y2 JP 2509630Y2 JP 1989127329 U JP1989127329 U JP 1989127329U JP 12732989 U JP12732989 U JP 12732989U JP 2509630 Y2 JP2509630 Y2 JP 2509630Y2
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coil
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ring
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光宏 菊田
知加久 林
達也 寺山
河合  誠
冨士男 籾山
浩二 原田
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、操舵時の操舵力を感知し、パワーステアリ
ング装置の作動遅れを低減できる車両のステアリングホ
イールに関するものである。
[従来の技術] 従来、車両のパワーステアリング装置では、操舵力セ
ンサや操舵量センサをステアリングシャフトに配置し
て、操舵力や操舵量を感知し、その感知された操舵力や
操舵量で操舵の際の切遅れ補正を図ったものが提案され
ていた。
ところが、前記操舵力センサ及び操舵量センサは、ス
テアリングシャフトの歪や変位を検出するので、ステア
リングホイール自体の慣性に影響され、正確な操舵力や
操舵量を速やかに検出するのに難があった。
そのため、特開昭62-105770号公報に記載されている
ように、ステアリングホイール自体に操舵力センサを配
置させることが提案された。この公報記載のステアリン
グホイールは、ボスから突設された一対のスポークに連
結固定された内部リングと、ボス側に基端が固定された
ベンディングビームと、回転方向においてスポークに相
対移動可能に支持され、かつ前記ベンディングビームの
先端が固定されたスポークカバーと、該スポークカバー
に連結されて前記内部リングに対してリング部回転方向
に相対移動可能に支持された外部リングと、前記ベンデ
ィングビームに取付けられたストレーンゲージとから構
成され、操舵の際、外部リングが内部リングに対して相
対的に移動されるに伴ってスポークカバーがスポークに
対して相対的に移動され、ベンディングビームがスポー
クカバーの相対移動方向に弾性的に曲げられて歪み、ス
トレーンゲージがベンディングビームの曲げ歪みを検出
し、操舵力及びその方向を感知するようになっている。
この構成では、ステアリングシャフト自体に各種センサ
を配置させる場合より、正確に操舵力を感知することが
できる。
[考案が解決しようとする課題] 前記従来公報の構成では、操舵力の検出がベンディン
グビームの曲げ歪みの検出により行われ、曲げ歪みの検
出にはベンディングビームに貼付されたストレーンゲー
ジが使用されていた。ところが、ベンディングビームの
歪量はその長手方向の位置により異なるため、貼付位置
による誤差を防止するためにはストレーンゲージを所定
位置に正確に貼付する必要がある。しかし、ストレーン
ゲージは薄いテープ状のため、貼付作業の自動化が難し
く、貼付作業が手作業となりしかも熟練を要し、量産に
適さないという問題がある。又、ベンディングビームの
歪みに対応してストレーンゲージ自身に応力が直接加わ
るため、繰り返し応力によるストレーンゲージの劣化に
より耐久性が悪くなるとともに、湿気等によってストレ
ーンゲージがベンディングビームから剥離し易くなり、
信頼性が低くなるという問題がある。
本考案は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的はステアリングホイール自身の慣性に影響
されずに操舵力を検出することができ、しかも耐久性に
優れ、量産に適したステアリングホイールを提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本願考案は、ステアリ
ングシャフトに取付けられたボスから放射状に突設され
た複数のスポークに連結された内部リングと、該内部リ
ングの周囲を覆う状態で回転方向において内部リングに
対して相対移動可能に配設された外部リングとからリン
グ部が構成され、外部リングの内部リングに対する相対
移動量が操舵力と比例するように構成されたステアリン
グホイールにおいて、少なくとも一対のコイルを含むブ
リッジ回路と、前記コイルに磁束を発生させるための高
周波発振回路と、前記ブリッジ回路の一方のコイルのイ
ンダクタンス変化を電圧変化に変換する変換回路とを備
えた検出装置本体をスポーク側に設けるとともに、外部
リング側には前記コイルに生じた磁束をコイルとの位置
関係に対応して変化させる磁束密度変化部材をコイルに
近接する位置に設け、前記スポークの内部リング近傍
に、間隙をあけてスポークの周囲を覆うように、外部リ
ングを保持するカバー部材を配置し、前記カバー部材と
前記スポークの上面若しくは下面との間で、前記カバー
部材若しくはスポークに、前記リング部の回転方向に沿
って規制壁を形成し、前記カバー部材と前記スポークの
上下面とのそれぞれの間に、前記カバー部材とスポーク
との一方に固定されて他方に当接し、前記リング部の半
径方向の回転軸にて上下位置規制ローラを回動自在に設
け、前記カバー部材とスポークの上下面との前記規制壁
が設けられていない他方に対して、前記規制壁に当接
し、上下方向の回転軸にて回転自在に設けられる半径方
向位置規制ローラを配置したことをその要旨としてい
る。
[作用] 本考案のステアリングホイールにおいては、操舵時に
外部リングが内部リングに対して相対回動し、その相対
移動量が操舵力と比例する。外部リングが移動すると磁
束変化部材が外部リングとともに移動し、その移動に伴
いスポーク側に設けられた検出装置本体のコイルに生じ
た磁束が変化する。これによりコイルのインダクタンス
が外部リングの移動量に対応して変化し、その変化が電
圧変化に変換されて操舵力が検出される。コイルと磁束
変化部材とは常に非接触状態に保持されるため、検出部
に応力が直接作用することは無く、耐久性が向上する。
又、外部リングが操舵時にリング部半径方向への押圧
力を受けても、その押圧力は、主にカバー部材とスポー
クとの間に配設された半径方向規制ローラが受けること
になる。又、外部リング自体の重力や操舵時に外部リン
グに作用する上下方向の力は、主にカバー部材とスポー
クとの間に配設されている上下位置規制ローラが受け
る。
そして、外部リングが複数の方向から力を受けて内部
リングに対してリング回転方向に相対的に移動する際、
半径方向位置規制ローラと上限位置規制ローラとがそれ
ら複数方向からの力を受けて他方のローラに影響を与え
ずに共に滑ることなく円滑に回動することとなり、外部
リングが内部リングに対して円滑に移動する。
[実施例] 以下、本考案を具体化した一実施例を第1〜9図に従
って説明する。
第2図に示すようにステアリングホイール1は、ステ
アリングシャフトSに取付けられるボス2から三本の金
属製スポーク3が放射状に突設されている。これらのス
ポーク3の先端には、リング部4を構成する金属製で円
環状の内部リング5が連結固定されている。なお、これ
らのボス2、スポーク3及び内部リング5は、各々鋼材
から構成して溶接により連結させたり、あるいは、各部
をアルミダイカストとして一体的に鋳造して形成しても
よい。
リング部4における内部リング5の周囲には、アルミ
ニウム等の軽量な金属材料から形成され、内部リング5
との間に隙間Hを有して外部リング6が配設されてい
る。第3,5図に示すように外部リング6は上下二分割さ
れた上部材6aと下部材6bとから構成され、両部材6a,6b
には各スポーク3と対応する位置にボス2側に突出する
鍔部6cがそれぞれ形成されている。そして、この外部リ
ング6は、上部材6a及び下部材6bの鍔部6cを後述する上
カバー部材7及び下カバー部材8にねじ9で締付け固定
することにより、一体となって内部リング5の周囲に配
置されている。
鍔部6cにおいてねじ止めされた外部リング6を保持す
る上下カバー部材7,8は、各スポーク3におけるリング
部4近傍に、隙間をあけてスポーク3の周囲を覆うよう
に配設されている。両カバー部材7,8はABS、PP等の硬質
合成樹脂から形成され、外部リング6の鍔部6cをねじ止
めするためのねじ孔7a,8aを備えるとともに、それぞれ
両側部位に両カバー部材7,8をねじ10により締付け固定
して一体化するための鍔部7b,8bを備えている。
上下カバー部材7,8にはそれぞれスポーク3の上下面
との対向面に、スポーク3の幅方向に沿って延びる規制
壁としての支持壁11,12が突設されている。これらの支
持壁11,12には、それぞれ一対の支軸13,14がスポーク3
の長手方向に沿って延びる状態で取付けられ、各支軸1
3,14の先端には上下位置規制ローラとしてのローラ15,1
6が各スポーク3の上下面にそれぞれ当接した状態で回
転自在に支持されている。又、スポーク3の上面には前
記支持壁11よりボス2側に支軸17が立設され、支軸17の
先端には半径方向位置規制ローラとしての規制ローラ18
が各支持壁11にそれぞれ当接した状態で回転自在に支持
されている。
又、各上カバー部材7には各スポーク3の両側部と対
応する位置にばね座7cが形成されており、スポーク3の
上面前記ばね座7cと対応する位置の中央部にはばね保持
部材19がねじ20により固定され、ばね座7cとばね保持部
材19との間には圧縮コイルばね21が介装されている。こ
れにより各上下カバー部材7,8が各スポーク3をリング
部4の回転方向の中央部位に配置させるように付勢し、
外部リング6に外力が作用しない時に外部リング6が内
部リング5に対して所定位置に保持されるようになって
いる。この状態で各スポーク3の両側面とカバー部材7,
8の内面との間隙hが、それぞれ約1mmとなるように構成
されている。
ステアリングホイール1の後部側(第2図の下方側)
のスポーク3の下面には、ばね弾性を有するベンディン
グビーム22の基端部がボルト23により締付け固定されて
いる。又、下カバー部材8には、支持壁13のボス2側に
一対の嵌合凸部8cが突設され、該嵌合凸部8c間には前記
ベンディングビーム22の先端が嵌合されている。これに
より外部リング6の回動操作により操舵力がベンディン
グビーム22を介してステアリングシャフトSに伝達さ
れ、外部リング6の内部リング5に対する相対移動量が
操舵力と比例するようになっている。ベンディングビー
ム22は外部リング6に5kgの操舵力が加わったときに、
その先端部の撓み量が1mmとなって上下カバー部材7,8の
内面がスポーク3の側面に当接するようになっている。
又、前記ベンディングビーム22が取付けられたスポー
ク3以外のスポーク3の一方には、外部リング6の内部
リング5に対する相対移動量を検出する検出装置本体24
が設けられている。検出装置本体24は3,4図に示すよう
に、スポーク3の先端寄り下面にビス25で取付けられ、
図示しないパワーステアリングの油圧回路に配置された
可変絞りを制御する油圧コントローラにコネクタ26を介
して電気的に接続されている。
検出装置本体24は第1図の回路図に示すように、一対
のコイルL1,L2を含むブリッジ回路27と、前記コイルL1,
L2に磁束を発生させるための高周波発信回路28と、前記
ブリッジ回路27の一方のコイルL2のインダクタンス変化
を電圧変化に変換する変換回路としての振幅検波部29
と、振幅検波部29の出力を増幅する増幅部30とから構成
されている。ブリッジ回路27の構成素子である前記両コ
イルL1,L2は一端が高周波発信回路28に接続され、他端
がコンデンサC及び抵抗Rの並列回路に接続され、該並
列回路は一端が接地されている。そして、ブリッジ回路
27を構成する一方のコイルL2がスポーク3の長手方向と
直交する状態で前記下カバー部材8の中央部近傍に位置
するように配置されている。一方、下カバー部材8の支
持壁12のボス2側には凸部31が形成され、該凸部31の先
端には磁束変化部材としての磁石32が前記コイルL2と近
接する状態に固定されている。
なお、第2,3,5図に示すように、スポーク3の上下面
やボス2の上方はカバー33で覆われている。又、ステア
リングホイール1の外観を向上させるため、外部リング
6の周囲に図示しない皮革等を巻くことが望ましい。
次に前記のように構成されたステアリングホイール1
の作用を説明する。
さて、リング部4を把持して左右いずれか一方向へ回
転させる操舵力をリング部4に作用させると、操舵力は
まず外部リング6に作用し、外部リング6はベンディン
グビーム22の弾性力に抗してベンディングビーム22を撓
ませ、操舵力に対応した量だけ内部リング5に対して所
定方向に相対移動される。そして、外部リング6が内部
リング5に対して所定量移動された後は、内部リング5
が外部リング6と一体的に回動されてステアリングシャ
フトSが所定方向に回転される。前記のように各上下カ
バー部材7,8とスポーク3の両側面との間には1mmの間隙
hが有り、各上下カバー部材7,8がスポーク3のいずれ
か一方の側面と当接するまでは、外部リング6に加わる
操舵力がベンディングビーム22を介してスポーク3に伝
達され、各上下カバー部材7,8がスポーク3のいずれか
一方の側面と当接した後は、操舵力がベンディングビー
ム22及び上下カバー部材7,8を介してスポーク3に伝達
される。
ステアリングホイール1に加わる操舵力は車両の走行
速度等により異なり、一般に据え切りの際に最も大きく
て5kg程度となる。又、低速走行時より高速走行時の方
が小さく、通常走行時では最大でも2〜3kg程度であ
る。従って、走行中におけるステアリングホイール操作
時にはその操舵力が5kgより小さくなり、ベンディング
ビーム22の先端部の撓み量は1mmより小さく、外部リン
グ6が操舵力により移動されても上下カバー部材7,8は
スポーク3の側面と当接しない。すなわち、外部リング
6が移動した際の原点からの外部リング6の変位量が操
舵力の大きさに対応する。
外部リング6が内部リング5に対して相対移動される
と、下カバー部材8の支持壁12に取付けられた磁石32が
コイルL2に対して相対移動し、磁石32のコイルL2に対す
る位置関係が変化する。検出装置本体24のブリッジ回路
27には高周波発信回路28から高周波が印加されており、
両コイルL1,L2に高周波が印加されることにより両コイ
ルL1,L2に磁束が生じる。一方、磁石32の作用によりコ
イルL2に生じる磁束が減少してそのインダクタンスが減
少する。コイルL2のインダクタンスの値はコイルL2に対
する磁石の位置関係により変化する。
コイルに10kHzの高周波を印加した状態で、磁石の表
面とコイル外周との間隙が0.5mmとなるように磁石コイ
ルの軸心と平行に移動させた場合のモデルによる、コイ
ルのインダクタンス変化の測定結果を第7図に示す。
(なお、測定はコイルの中央と対応する位置から8mm離
れた位置を原点として磁石を移動させた。)同図に示す
ようにコイルのインダクタンスは磁石がコイルの中央部
と対応する位置で最も小さくなり、同位置から離れるに
伴い大きくなる。そして、インダクタンスの変化量が大
きい部分では、上下カバー部材7,8がスポーク3と当接
するまでの外部リング6の移動量に等しい1mmの磁石の
移動で、インダクタンスの変化量が0.4mHより大きくな
る。コイルに一定の周波数及び振幅の高周波を印加する
と、コイル通過後の高周波はコイルのインダクタンスの
変化に伴い振幅が変化するが、前記のようにインダクタ
ンスの変化量が大きいので、振幅の変化を振幅検波した
後、増幅することにより、磁石の小さな移動量も正確に
検出できる。
この実施例ではブリッジ回路27を構成する一方のコイ
ルL2を通過後の高周波は、外部リング6の内部リング5
に対する相対移動に伴う磁石32のコイルL2に対する相対
移動に伴い変化する。又、他方のコイルL1を通過後の高
周波は前記外部リング6の移動に関係なくその振幅は一
定となる。従って、増幅部30のオペアンプ34の非反転入
力端子には一定の電圧V1が、反転入力端子には磁石32の
コイルL2に対する相対移動量に対応した電圧V2がそれぞ
れ入力され、差動増幅回路により両電圧の差(V1−V2)
が増幅されて出力端子から出力される。磁石32の移動量
(変位量)と出力電圧との関係は第9図に示すようにな
る。同図に示すように、外部リング6に操舵力が加えら
れていない状態では増幅部30からの出力電圧が2.0Vに保
持され、外部リング6が内部リング5に対して相対的に
右方向に回動されると出力電圧が2.0Vより大きくなり、
左方向に回動されると出力電圧が2.0Vより小さくなる。
そして、この出力がパワーステアリングの油圧コントロ
ーラに入力され、パワーステアリング装置が始動されて
パワーステアリングが操舵力に対応した最適の力で作動
される。すなわち、ステアリングホイール1のリング部
4に操舵力が加えられて外部リング6が回動されると、
ただちにその操舵力及び回動方向が検出され、パワース
テアリングでの切遅れを小さくすることができる。
ステアリングホイールの温度は車両が屋外に放置され
た場合、夏の炎天下では60℃付近まで上昇し、寒冷地の
冬季には氷点下20℃付近まで下降するので、コイルの周
囲温度の変化も大きい。一方、一般にコイルのインダク
タンスは温度依存性がある。従って、コイルのインダク
タンスの温度依存性が大きな場合には、単にコイルのイ
ンダクタンス変化を電圧変化に変換して磁石32の変位量
を検出すると誤差が大きくなる。前記のコイルについて
インダクタンスの温度依存性を周波数10kHzにおいて測
定した結果を第8図に示す。同図から明らかなようにコ
イルのインダクタンスは周囲温度にほぼ比例して大きく
なり、その変化割合は20℃当たり約0.08mHとなる。この
値は磁石32の変位量の0.2mmに相当し、無視することは
できない。しかし、この考案の検出装置では一対のコイ
ルL1,L2がブリッジ回路27の構成素子として使用されて
いるので、温度変化により両コイルL1,L2のインダクタ
ンスが変動しても、両コイルL1,L2のインダクタンスの
差に基づいて増幅部30での増幅が行われるため、コイル
の温度依存性は変位量の検出結果に殆ど影響を及ぼさな
い。
又、この実施例では外部リング6が各スポーク3を覆
うように配置された上下カバー部材7,8に支持され、各
カバー部材7,8が各スポーク3に対し、各上下カバー部
材7,8の支持壁11,12に設けられスポーク3の上下面に当
接するローラ15,16と、各スポーク3に設けられ上カバ
ー部材7の支持壁11のボス2側の面に当接する規制ロー
ラ18とによって支持されているので、外部リング6に作
用する力が各ローラ15,16,18に分割して担われ、外部リ
ング6が内部リング部5に対して円滑に移動され、操舵
力の検出が確実に行われる。
なお、本考案は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、磁石32をコイルL2の軸心と平行に移動する
構成に代えて、コイルL2の軸心の延長線上を移動するよ
うに構成したり、ブリッジ回路27を構成する他方のコイ
ルL1の近傍にも外部リング6に操舵力が作用していない
状態での磁石32とコイルL2との位置関係と同じ状態で磁
石を配置したり、磁束変化部材として磁石に代えて金属
を使用してもよい。又、前記実施例では、操舵力が作用
しなくなった際に、外部リング6を元の位置に復帰させ
る手段として圧縮コイルばね21を設けたが、ベンディン
グビーム22の弾性力のみで復帰させるようにしてもよ
い。さらには、スポーク3の本数を3本以外にしたり、
内部リング5や外部リング6の支持構造に特開昭62-105
770号公報に開示されたものを採用してもよい。
[考案の効果] 以上詳述したように本考案によれば、操舵力の検出が
外部リングの内部リングに対する相対移動量を検出する
ことにより行われ、その検出部となるコイルと磁束変化
部材とが非接触状態に保持されるので作動による劣化が
なく、ストレーンゲージを使用して操舵力を検出する従
来装置と異なり検出部に応力が直接作用することもな
く、耐久性及び信頼性が向上する。又、コイルのインダ
クタンスは温度依存性があるが一対のコイルを含むブリ
ッジ回路を使用しているのでコイルの温度依存性の影響
が無視できる。さらに、検出装置を構成する各回路の電
子部品は、従来の装着装置により装着可能なため、量産
に適している。
又、この考案のステアリングホイールでは、外部リン
グに種々の方向の力が作用しても、外部リングの内部リ
ングに対する移動抵抗を低減でき、操舵力検出の遅れを
低減することができる。
さらに、外部リングの支持がカバー部材を介してスポ
ークによって行われており、内部リングと外部リングと
の間隙を大きくとることができる。すなわち、従来の外
部リングを内部リング部に支持させる場合、内部リング
と外部リングとを共に全周に亘って寸法精度良く円環状
に製造する必要があり、このため、内部リングと外部リ
ングとの製造に大変手間がかかることとなっていた。こ
の考案では、内部リングと外部リングとの間隙を大きく
とることができることから、内部リングと外部リングと
の精度管理を充分行わなくともよく、容易に内部リング
と外部リングとを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜9図は本考案を具体化した一実施例を示すもので
あって、第1図は変位検出装置の回路図、第2図はステ
アリングホイールの平面図、第3図は第2図のIII-III
線拡大断面図、第4図は第3図の一部破断A矢視図、第
5図は第2図のV-V線拡大断面図、第6図は第5図のVI-
VI線断面図、第7図は磁石の変位量とコイルのインダク
タンスの変化量との関係を示すグラフ、第8図はコイル
のインダクタンスの温度依存性を示すグラフ、第9図は
外部リングの変位量と検出装置の出力電圧との関係を示
すグラフである。 2……ボス、3……スポーク、4……リング部、5……
内部リング、6……外部リング、22……ベンディングビ
ーム、24……検出装置本体、27……ブリッジ回路、28…
…高周波発信回路、29……変換回路としての振幅検波
部、32……磁束変化部材としての磁石、L1,L2……コイ
ル、S……ステアリングシャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 寺山 達也 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)考案者 河合 誠 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)考案者 籾山 冨士男 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (72)考案者 原田 浩二 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−105771(JP,A) 特開 平1−244322(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングシャフト(S)に取付けられ
    たボス(2)から放射状に突設された複数のスポーク
    (3)に連結された内部リング(5)と、該内部リング
    (5)の周囲を覆う状態で回転方向において内部リング
    (5)に対して相対移動可能に配設された外部リング
    (6)とからリング部(4)が構成され、外部リング
    (6)の内部リング(5)に対する相対移動量が操舵力
    と比例するように構成されたステアリングホイールにお
    いて、 少なくとも一対のコイル(L1,L2)を含むブリッジ回路
    (27)と、前記コイル(L1,L2)に磁束を発生させるた
    めの高周波発振回路(28)と、前記ブリッジ回路(27)
    の一方のコイル(L2)のインダクタンス変化を電圧変化
    に変換する変換回路(29)とを備えた検出装置本体(2
    4)をスポーク(3)側に設けるとともに、 外部リング(6)側には前記コイル(L2)に生じた磁束
    をコイル(L2)との位置関係に対応して変化させる磁束
    密度変化部材(32)をコイル(L2)に近接する位置に設
    け、 前記スポーク(3)の内部リング(5)近傍に、間隙を
    あけてスポーク(3)の周囲を覆うように、外部リング
    (6)を保持するカバー部材(7,8)を配置し、 前記カバー部材(7,8)と前記スポーク(3)の上面若
    しくは下面との間で、前記カバー部材(7,8)若しくは
    スポーク(3)に、前記リング部の回転方向に沿って規
    制壁(11)を形成し、 前記カバー部材(7,8)と前記スポーク(3)の上下面
    とのそれぞれの間に、前記カバー部材(7,8)とスポー
    ク(3)との一方に固定されて他方に当接し、前記リン
    グ部の半径方向の回転軸にて上下位置規制ローラ(15,1
    6)を回動自在に設け、 前記カバー部材(7,8)とスポーク(3)の上下面との
    前記規制壁(11)が設けられていない他方に対して、前
    記規制壁(11)に当接し、上下方向の回転軸にて回転自
    在に設けられる半径方向位置規制ローラ(18)を配置し たことを特徴とするステアリングホイール。
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