JP2509078B2 - ビシクロ[3.3.0]オクタン類の製法 - Google Patents

ビシクロ[3.3.0]オクタン類の製法

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JP2509078B2 JP5272264A JP27226493A JP2509078B2 JP 2509078 B2 JP2509078 B2 JP 2509078B2 JP 5272264 A JP5272264 A JP 5272264A JP 27226493 A JP27226493 A JP 27226493A JP 2509078 B2 JP2509078 B2 JP 2509078B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビシクロ[3.3.0]
オクタン類の新規な製造法に関する。
【0002】更に詳細には本発明は2―アルコキシカル
ボニル―3―置換シクロペンタノン体を原料とし、これ
を分子内環化反応の条件に付すことにより、医薬品とし
て有用なプロスタグランジン類の製造中間体であるビシ
クロ[3.3.0]オクト―6―エン―2―オン類を効
率よく製造する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ビシクロ[3.3.0]オクタン類は、
医薬品として有用なプロスタグランジン類の製造におけ
る有用な中間体である[イー・ジェー・コーリー(E.J.
Corey)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミス
トリー(J. Org. Chem. ),40,2265(197
5)参照]。
【0004】従来、この化合物類を得る方法としては以
下の方法が知られている。
【0005】(i)3―置換シクロペンタノン体を出発
原料としてビニルシクロプロパン体を経由し、熱により
これを異性化環化することによる方法(上記文献を参
照)。
【0006】(ii)ジアゾケトン体を出発原料としてビニ
ルシクロプロパン体を経て得る方法[ティー・フドリッ
キー(T. Hudlicky )ら、ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー(J. Org. Chem.),45,5020
(1980)参照]。
【0007】(iii )塩基で活性化され得るビニルシク
ロプロパン体から得る方法[エス・ダニシェフスキー
(S. Danishefsky)ら、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカ
ル・ソサイエティー、ケミカル・コミュニケーション
(J.C.S. Chem. Comm.) ,(1975)参照]。
【0008】(iv)トリシクロ[4.2.0.
2 ,4 ]オクタン体から加溶媒分解により得る方法
[エル・エー・パクウェッティー(L.A. Paquette )
ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソ
サイエティー(J. Amer. Chem. Soc.),96,4892
(1974)参照]。
【0009】(v)ビシクロ[3.2.0]ヘプタン体
を出発原料としてジアゾメタンを用いる環拡大反応によ
り得る方法[ジェー。ディー・ロバーツ(J.D. Robert
s)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリ
ー(J. Org. Chem.),46,67(1981)、ジェー
・ケー・ホワイトセル(J.K. Whitesell)、テトラヘド
ロン(Tetrahedron ),37,4451(1981)参
照]。
【0010】(vi)2―メトキシカルボニル―3―置換
シクロペンタノン体を出発原料としてビニルシクロプロ
パン体を経由して転位反応により得る方法[池上ら、日
本薬学会第105年会講演要旨集P609(1985)
参照]。
【0011】これらの方法には、製造法としては次の難
点がある。
【0012】すなわち第1の方法は、ビニルシクロプロ
パン体の転位反応において0.2mmHgという高真空
と600℃という高温が条件として要求され、第2の方
法では出発原料に化合物として不安定なジアゾケトン体
を用いなければならない。また、第3の方法では出発原
料が比較的複雑な化合物であるため、これを製取するた
めには多段階の工程を経由しており、第4の方法では出
発原料が化合物として不安定でしかも容易に得にくいと
いう欠点があり、第5の方法ではジアゾメタンを用いる
環拡大反応により、分離が困難な2つの構造異性体の生
成物を与えるという難点がある。さらに第6の方法は
2,3―2置換シクロペンタノン体を出発原料とする特
徴があるものの、3位置換基がシス―2重結合でなけれ
ばならないという化学構造上の制約があるなどのそれぞ
れの難点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記技術
的背景のもとにビシクロ[3.3.0]オクタン類の効
率的な製造法について、容易に入手し得る原料化合物を
用いて効率的に、すなわち短段階で、しかも第6の方法
にあるような2重結合の立体構造に左右されないような
方法でビシクロ[3.3.0]オクタン類を製造する方
法について鋭意研究した。その結果、2―アルコキシカ
ルボニル―3―置換シクロペンタノン体を原料化合物と
して用い、該化合物を分子内環化反応に付することによ
り、3位の置換基の2重結合の立体構造に左右されるこ
となく、一挙にビシクロ[3.3.0]オクタン類を容
易に製造しうることを見出し、本発明に到達したもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
式[I]
【0015】
【化4】
【0016】[式中、Yは炭素数1〜7のアリール基ま
たはアルキル基を表わし、2重結合はE体または任意の
比のE/Z混合物を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル
基または炭素数3〜6の2―アルケニル基を表わす。]
で表わされるシクロペンタノン体をパラジウム化合物と
処理し、下記式[III ]
【0017】
【化5】
【0018】[式中、Rは上記定義に同じ。]で表わさ
れるビシクロ[3.1.0]ヘキサン体とし、これを極
性不活性媒体中ハロゲン化リチウムと加熱処理すること
を特徴とする下記式[II]
【0019】
【化6】
【0020】で表わされるビシクロ[3.3.0]オク
タン類の製法である。
【0021】上記式[I]、[III ]において、Rは炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の2―アルケニ
ル基を表わす。炭素数1〜6のアルキル基としてはメチ
ル、エチル、n―プロピル、イソプロピル、n―ブチ
ル、sec―ブチル、t―ブチル、n―ペンチル、n―
ヘキシル基等を挙げることができる。炭素数3〜6の2
―アルケニル基としては2―プロペニル、2―ブテニ
ル、2―メチル―2―プロペニル、2―ペンテニル、2
―ヘキセニル基等を挙げることができる。これらのう
ち、アルキル基としては特にメチル基またはエチル基
が、2―アルケニル基としては特に2―プロペニル基が
好ましい。
【0022】Yは炭素数1〜7のアリール基またはアル
キル基を表わし、例えばフェニル、p―トリル、m―ト
リル、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル基などが挙げられ、特にフェニル基または
メチル基が好ましい。
【0023】出発原料として用いられる上記式[I]で
示される2―アルコキシカルボニル―3―置換シクロペ
ンタノン体は、以下のようにして容易に得られる。すな
わち、化合物[I]は2―アルコキシカルボニル―2―
シクロペンテノンに、池上らまたはイー・ジェー・コー
リー(E.J. Corey)によって提案されているような有機
アルミニウム化合物または有機銅化合物を共役付加さ
せ、必要に応じて還元後、脱保護し、3位の置換基にあ
る水酸基をカルボニル化することにより化合物[I]を
得ることができる[池上ら、日本薬学会第105年会講
演要旨集P609(1985)およびイー・ジェー・コ
ーリー(E.J. Corey)ら、ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー(J. Org. Chem. ),40,226
5(1975)参照]。
【0024】上記式[I]のシクロペンタノン体はパラ
ジウム化合物と処理することにより上記式[III ]のビ
シクロ[3.1.0]ヘキサン体に導くことができる。
このとき、上記式[I]のシクロペンタノン体では2重
結合はE体またはE体とZ体のいずれの比の混合物であ
ってもよい。
【0025】反応はパラジウム化合物と接触させること
により進行する。用いられるパラジウム化合物としては
例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、
ビスジフェニルホスフィノエタンパラジウム、ビスジフ
ェニルホスフィノプロパンパラジウム、塩化パラジウム
またはパラジウムアセテートとトリフェニルホスフィン
との錯体等があり、特にテトラキストリフェニルホスフ
ィンパラジウムがよい。用いられるパラジウム化合物の
量は触媒量であり、原料に対して0.1〜10%モル当
量、好ましくは0.3〜3%モル当量がよい。
【0026】反応をスムーズに進行させるために不活性
有機媒体を用いてもよい。例えばエチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類が好まし
く用いられる。反応は通常は−20℃〜50℃、好まし
くは−10℃〜25℃で行なわれ、生成物は通常の方法
で単離、精製される。かくして得られた生成物、式[II
I ]のビシクロ[3.1.0]ヘキサン体は、ハロゲン
化リチウム、ジメチルホルムアミドの系と共に加熱処理
することにより目的の生成物、式[II]で表わされるビ
シクロ[3.3.0]オクタン類とすることができる。
【0027】ここで、ハロゲン化リチウムとしては、臭
化リチウムまたはヨウ化リチウムが好ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば前記式[II]で示される
ビシクロ[3.3.0]オクタン類を、出発原料たる式
[I]で表わされる化合物より容易にかつ効率よく製造
することができる。また本発明によれば、3位の2重結
合の立体構造に依存することなく、環化反応を実施する
ことができ、その工業的意義は大きい。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】[実施例1]
【0031】
【化7】
【0032】アルゴン雰囲気下反応管に出発原料(1)
1.0g(3.2mmole)の無水THF60ml溶
液、0.02Mトリフェニルホスフィンの無水THF溶
液2ml(0.04mmole)、テトラキストリフェ
ニルホスフィンパラジウム92mg(0.08mmol
e)の無水THF6ml溶液を順次加えた。反応管を封
じ、10℃で3時間攪拌後反応管を開封し、空気を吹き
つけることにより濃縮した。濃縮後、残渣を有機溶媒
(エーテル:ヘキサン=10:1)50mlに溶解し、
飽和塩化アンモニウム8ml、飽和重曹水8ml、飽和
食塩水8mlで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥後、溶媒を留去(粗生成物820mg)し、シリカゲ
ルBW―820を80g用いてクロマト精製(溶出溶
媒、酢酸エチル:ヘキサン=1:4)した。その結果、
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)でRf値0.
41を示し、アニス処理すると濃青色を呈する黄色油状
物質(2)を0.47g(収率82%)得た。
【0033】このもののスペクトルデータは下記の通り
である。 IR(neat):1745,1725,1260,1
200cm-11 H―NMR(CDCl3 ):δ1.84〜2.48
(5H,m),2.62〜2.88(3/4H,m,C
CH=CH2 ,exo―isomer),2.92〜
3.12(1/4H,m,CCH=CH2 ,endo
―isomer),3.79(3H,s),5.10〜
5.88(3H,m,C=CH2 ). MS m/z:180(M+ ),152,137,12
0,91,79.
【0034】[実施例2]
【0035】
【化8】
【0036】200mlのナスフラスコに水素化リチウ
ム200mg(25mmole)をとり、THF10m
lを加え、アルゴン置換を行い、攪拌しつつ−10℃に
冷却した。そこへ出発原料(3)3.25g(12.5
mmole)をTHF15mlに溶解し、カニューレで
反応液中に移し替えた。4時間後、水素化リチウム10
0mg(12.5mmole)を加え、5℃で18時間
放置した。
【0037】反応液に氷冷下、エーテル100ml、1
0%塩酸7.5mlを加え、有機溶媒(エーテル:ペン
タン=5:1)で2回(250ml、100ml)抽出
した。飽和食塩水50mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、濃縮(粗収量6.7g)した。シリカゲル
BW―820を200g用いたクロマト精製(溶出溶
媒、エーテル:ペンタン=1:2)により、TLC(酢
酸エチル:ヘキサン=1:1)でRf値0.37を示
し、アニス処理すると濃青色を呈する黄色油状物質
(2)を得た。さらに、同様の処方を用いて、塩基、溶
媒、温度、反応時間について種々の条件下で反応を行
い、下記の表に示すような結果を得た。
【0038】
【表1】
【0039】[実施例3]
【0040】
【化9】
【0041】50mlのナスフラスコに出発原料(2)
5g(27.7mmol)をとり、無水DMF23ml
で溶解後、乾燥ヨウ化リチウム(130℃、3時間)
7.4g(55.4mmol)を加え攪拌し、アルゴン
置換下、リービッヒ冷却管を用い、外温110℃で3時
間、更に135℃で4時間半加熱した。
【0042】反応終結確認後、反応液を室温にもどし、
反応液に水20mlを加え、有機溶媒(エーテル:ペン
タン=10:1)で3回抽出(60ml、30ml、2
0ml)した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を常圧蒸
留で留去し(粗収量7g)、シリカゲルBW―200を
100g用いてクロマト精製(溶出溶媒エーテル:ペン
タン=1:10)し、再度溶媒を常圧蒸留で留去した。
その結果、TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で
Rf値0.51を示し、アニス処理し加熱すると、はじ
めは黄色を呈し後に黄緑色を呈する無色透明油状物質
(4)を2.33g(収率69%)得た。
【0043】このもののスペクトルデータは下記の通り
である。 IR(CHCl3 ):1725cm-11 H―NMR(CDCl3 ):δ 1.84〜2.36(4H,m),2.36〜2.80
(3H,m),3.34〜3.68(1H,m),5.
46〜5.84(2H,m). MS m/z:122(M+ ),94,89,66.
【0044】[参考例1]
【0045】
【化10】
【0046】反応管に3―メトキシ―3―メチル―1―
ブチン2.3g(23.4mmole)をとり、アルゴ
ン雰囲気下無水THF10mlに溶解させた。氷冷攪拌
下1.59Mn―ブチルリチウムのヘキサン溶液15.
0ml(23.8mmole)を滴下し10分間攪拌し
た。この溶液を、カニューレを用い氷冷下ヨウ化第一銅
4.5g(23.4mmole)の無水THF10ml
懸濁溶液に攪拌しつつ加え、3―メトキシ―3―メチル
―1―ブチニル銅試薬を調製した。
【0047】反応管に3―テトラヒドロピラニルオキシ
―1―ヨード―1―プロペン5.7g(21.2mmo
le)をとり、アルゴン雰囲気下無水THF15mlに
溶解させた。−78℃攪拌下2.3Mt―ブチルリチウ
ムのペンタン溶液18.4ml(21.3mmole)
を滴下し、1時間攪拌した。この反応液に調製しておい
た3―メトキシ―3―メチル―1―ブチニル銅試薬の溶
液をカニューレを用いて加え、続いて出発原料(5)
2.5g(17.7mmole)の無水THF10ml
溶液を加えた。30分かけて−35℃まで昇温し、この
温度で15分間攪拌した。
【0048】反応液を、氷冷下激しく攪拌したAcOE
t8ml、ヘキサン4ml、飽和塩化アンモニウム水3
0ml、アンモニア水4mlの二層溶液に注ぎ、30分
間攪拌した。有機溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=10:
1)60mlを加え抽出し、飽和塩化アンモニウム水:
アンモニア水=5:1の水溶液30mlで4回、ついで
飽和食塩水30mlで洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
【0049】乾燥後、溶媒を留去(粗収量5.4g)
し、シリカゲルBW―820を250g用いてクロマト
精製(溶出溶媒、AcOEt:ヘキサン=1:3)し
た。その結果、TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:
1)でRf値0.45を示し、アニス処理すると濃青色
を呈する淡黄色油状物質(6)2.2g(収率45%)
を得た。
【0050】このもののスペクトルデータは下記のとお
りであった。 IR(neat):1755,1725,1270,1
200,1115,1025,905,870,815
cm-11 H―NMR(CDCl3 ):δ 1.38〜2.00(7H,m),2.02〜2.62
(3H,m),2.96,3.02(1H,two
d,J=12Hz.COCCOOCH3,cis/t
rans=1/3),3.32〜3.69(1H,m,
CH=),3.76,3.79(3H,two
s,cis/trans=1/3),3.69〜4.4
2(4H,m),4.58〜4.72(1H,br
s,OCO),5.58〜5.94(2H,m,C
=C). MS m/z:282(M+ ),223,198,18
1,149,121.
【0051】[参考例2]
【0052】
【化11】
【0053】ジムロート冷却管を取り付けた50mlの
ナスフラスコに出発原料(6)1.95g(6.9mm
ole)をとり、酢酸:水:THF=3:1:1 10
mlに溶解させ50℃で2日間攪拌した。反応終結確認
後10%NaOH 10mlを加合中和し、有機溶媒
(酢酸エチル:ヘキサン=10:1)70mlで3回抽
出し、飽和食塩水10mlで洗浄後硫酸ナトリウムで乾
燥した。
【0054】乾燥後、溶媒を留去(粗収量1.3g)
し、シリカゲルBW―820を50g用いてクロマト精
製(溶出溶媒、酢酸エチル:ヘキサン=1:1.5)し
た。その結果、TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:
1)でRf値0.15を示しアニス処理すると濃青色を
呈する黄色油状物質(7)を0.88g(収率64%)
得た。
【0055】このもののスペクトルデータは下記の通り
であった。 IR(neat):3425,1755,1725,1
275,1010,983cm-11 H―NMR(CDCl3 ):δ 1.44〜1.96(2H,m),2.04〜2.58
(3H,m),2.99,3.02(1H,two
d,J=12Hz each,COCCOOCH3
cis/trans=1/3),3.52〜3.82
(1H,m,CCH=),3.76,3.78(3
H,two s,cis/trans=1/3),4.
06〜4.36(2H,m,C 2 O),5.32〜
6.0(2H,m,C=C). MS m/z:198(M+ ),180,167,14
8,135,120.
【0056】[参考例3]
【0057】
【化12】
【0058】50mlのナスフラスコに出発原料(7)
を0.85g(4.3mmole)とり、無水ベンゼン
20mlを加え、アルゴン置換を行い、攪拌しつつ5℃
に冷却した。そこへピリジン0.66g(8.4mmo
le)、クロル炭酸フェニル0.99g(6.3mmo
le)を加え10分間放置した。放置後、反応液を氷冷
し、ひとかけらの氷を加え10分間攪拌した。水8ml
を加え、有機溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=10:1)
20mlで抽出し、5%HCl 6ml、飽和重曹水6
ml,飽和食塩水6mlで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾
燥した。
【0059】乾燥後、溶媒を留去(粗生成物1.4g)
し、シリカゲルBW―200を70g用いてクロマト精
製(溶出溶媒、酢酸エチル:ヘキサン=1:5)した。
その結果、TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で
Rf値0.45を示し、アニス処理すると濃青色を呈す
る黄色油状物質(1)を1.2g(収率88%)得た。
【0060】このもののスペクトルデータは下記の通り
であった。 IR(neat):1755,1725,1585,1
240,1205,975,775cm-1 1 H―NMR(CDCl3 ):δ 1.48〜1.92(1H,m),2.02〜2.59
(3H,m),2.99,3.05(1H,two
d,J=12Hz each,COCCOOCH3
cis/trans=1/3),3.45〜3.77
(1H,m,CCH=),3.75,3.77(3
H,two s,cis/trans=1/3),4.
65〜5.15(2H,m,C 2 O),5.47〜
6.07(2H,m,C=C),7.11〜7.5
5(5H,m). MS m/z:181(M+ ―OCOOC6 5 ),1
49,121.
【0061】[参考例4]
【0062】
【化13】
【0063】250mlのナスフラスコに出発物質
(8)を2.5g(12.5mmole)とり、塩化メ
チレン20mlで溶解した。氷冷下、攪拌しつつトリフ
ェニルホスフィン3.67g(14.0mmole)、
四臭化炭素4.65g(14.0mmole)を加え
た。
【0064】30分後、反応液にペンタン100mlを
加え、不要成分を析出(主として淡黄色の粘張性油状物
質)させた後綿せん濾過し、濃縮した。
【0065】濃縮液に有機溶媒(エーテル:ペンタン=
1:5)250mlを加え不要成分(主として白色の固
形成分)を析出させ、綿せん濾過濃縮した。さらにこの
操作を2度繰り返したが、濃縮後の生成物に白濁が認め
られなければ、特に繰り返す必要はない。
【0066】以上の結果、TLC(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:2)でRf値0.7を示し、アニス処理すると
緑色を呈する無色透明油状物質(3)を粗重量6.0g
得た。
【0067】スペクトルデータは下記の通りであった。 IR(CHCl3 ):1750,1720,1200,
720cm-11 H―NMR(CDCl3 ):δ 1.54〜2.02(1H,m),2.20〜2.62
(3H,m),2.97(1H,d,J=12Hz,C
OCCOOCH3 ),3.36〜3.74(1H,
m,CCH=),3.75(3H,s),3.95
(1H,dd,J=10,8Hz,CH=CHCHB
r),4.15(1H,dd,J=10,9Hz,CH
=CHCHBr),5.47(1H,dd,J=1
0,10Hz,H=CHCH2 Br),5.87(1
H,dt,J=10,8Hz,CH=CCH2
r). MS m/z:263,261(M+ ),181,14
9,121.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I] 【化1】 [式中、Yは炭素数1〜7のアリール基またはアルキル
    基を表わし、2重結合はE体または任意の比のE/Z混
    合物を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素
    数3〜6の2―アルケニル基を表わす。] で表わされるシクロペンタノン体をパラジウム化合物と
    処理し、下記式[III ] 【化2】 [式中、Rは上記定義に同じ。] で表わされるビシクロ[3.1.0]ヘキサン体とし、
    これを極性不活性媒体中ハロゲン化リチウムと加熱処理
    することを特徴とする下記式[II] 【化3】 で表わされるビシクロ[3.3.0]オクタン類の製
    法。
  2. 【請求項2】 パラジウム化合物がテトラキストリフェ
    ニルホスフィンパラジウムである請求項1に記載のビシ
    クロ[3.3.0]オクタン類の製法。
  3. 【請求項3】 極性不活性媒体がジメチルホルムアミド
    である請求項1または2に記載のビシクロ[3.3.
    0]オクタン類の製法。
  4. 【請求項4】 加熱処理を80℃以上で行なうことを特
    徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のビシ
    クロ[3.3.0]オクタン類の製法。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化リチウムがヨウ化リチウムま
    たは臭化リチウムである請求項1から4までのいずれか
    1項記載のビシクロ[3.3.0]オクタン類の製法。
  6. 【請求項6】 Rがメチル基またはエチル基である請求
    項1から5までのいずれか1項記載のビシクロ[3.
    3.0]オクタン類の製法。
  7. 【請求項7】 Yがフェニル基である請求項1から6ま
    でのいずれか1項記載のビシクロ[3.3.0]オクタ
    ン類の製法。
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