JP2508392B2

JP2508392B2 - 電気的負荷付き振子装置

Info

Publication number: JP2508392B2
Application number: JP25985990A
Authority: JP
Inventors: 秀嗣池田; 昭一郎熊沢; 悟山内; 功人渡辺
Original assignee: Seikosha KK
Current assignee: Seikosha KK
Priority date: 1990-09-28
Filing date: 1990-09-28
Publication date: 1996-06-19
Anticipated expiration: 2011-06-19
Also published as: JPH04138396A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は電気的負荷付き振子装置に関するものであ
る。

［従来の技術］従来、電磁的駆動装置による振り玉の揺動以外に、振
り玉に装飾的効果をもたせた振子装置がいくつか提案さ
れている。例えば、振り玉を発光させるものとして、実
開昭49−137567号は通光質材の振り玉の下方にこれと対
向可能に光源を設けたものであり、実開昭49−137566号
は透明質の振り玉の背後に光源を設けたものである。そ
して、これらはいずれも振り玉が光源と対向した時にそ
の光を入射して発光するものである。

［解決しようとする課題］上記第１の従来例では、振り玉下方の光源が前方に露
出しないように覆うための部材が必要であり、光を効率
よく振り玉に入射させるのが困難である。また、第２の
従来例では、振り玉の左右に大きく揺動したとき背後の
光源が露出して目障りになる恐れがある。そしていずれ
の従来例においても、振子装置以外に光源が必要であ
り、また振り玉自体は発光しないため十分な明るさを得
るのは困難であるという欠点がある。

そこで本発明の目的は、振子自体に発光素子などの電
気的負荷を設け、振子の揺動運動に影響を及ぼすことな
くこの負荷に電力を効率よく供給する電気的負荷付き振
子装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］本発明に係る振子素子は、電気的負荷を有している振
子が電磁的駆動装置によって駆動されるものであり、振
子には負荷と接続されている可動コイルが設けられてお
り、固定部材には可動コイルと近接対向可能で電力が供
給される固定コイルが固定されている。

また。固定コイルに、振子の揺動運動に同期して瞬間
的に電流が供給されると効果的である。そしてこの場
合、電磁的駆動装置に設けられた検出コイルおよび駆動
コイルに誘起される電圧によって振子の位置が検出さ
れ、固定コイルに電流を流すタイミングが決定されるよ
うに構成される。

［作用］本発明においては、従来の振子装置と同様に電磁駆動
装置によって振子が揺動される。振子が揺動し可能コイ
ルが固定コイルと近接対向する位置では、振子の永久磁
石が振子駆動コイルと近接対向する。そして、振子駆動
コイルには電流が流れる。この状態のときに固定コイル
に電流が流れ、相互誘導作用により電力が固定コイルか
ら可動コイルに供給され、さらに振子に設けられている
電気的負荷に伝達される。

［実施例］本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第1,2図に本発明に係る振子装置が示してある。本実
施例においては、振子１を揺動駆動する電磁駆動装置は
機械体２の内部に設けられている。時計機械体２の上部
には、第１図左方へ突出する突出部３が設けられてお
り、この突出部３には２ヶ所に先端が鋭角で逆Ｖ字状の
支持部4a,4bが設けられている。第１図に示すように、
機械体２には、検出コイル５および駆動コイル６が同軸
的に設けられている。また、機械体２には固定コイル７
が設けられており、電池８が電池ホルダ部2aに装着され
てある。これらの電気的な接続については後述する。

振子１の上端には開口部９と、開口部９内で延伸する
揺動体10が設けられている。揺動体10には、支持部4a,4
bが係合する逆Ｖ字状の溝部10a,10bと、支持部4a,4bの
間隙に緩やかに嵌合する規制部10cとが設けられてい
る。そして、振子１には、駆動コイル６と対向可能に永
久磁石11が設けられており、固定コイル７と対向可能に
可動コイル12が設けられている。振子１の先端の振玉部
1aには、電気的負荷の一例として発光ダイオード（以下
「LED」という。）13a,13bが設けられており、リード線
14により可動コイル12と接続されている。

次に、第３図を参照してこの振子装置の電気的接続に
ついて説明する。

コンデンサ15,16,抵抗17,トランジスタ18,検出コイル
5,駆動コイル６が電池８と接続されて、従来と同様な振
子駆動回路19が構成されている。また、電池８には、水
晶振動子20,抵抗21,インバータ回路22,コンデンサ23,24
からなる高周波発振回路25が接続されている。この振子
回路19はトランジスタ26を介して、発振回路25はインバ
ータ回路27を介して、アンド回路30にそれぞれ接続され
ている。アンド回路30からはトランジスタ31を介して、
固定コイル７に接続されている。なお、これらの回路中
には、電圧調整用の抵抗32,33,34が接続されている。本
実施例においては、以上の回路構成が機械体２の内部に
設けられている。

振子１には、固定コイル７と近接対向可能な可動コイ
ル12が設けられており、固定コイルとの間でトランスが
構成されている。この可動コイル12には、LED13a,13bが
接続されている。

以上のような構成であるため、永久磁石11が検出コイ
ル５の近傍に位置すると、振子回路19の駆動コイル６に
電流が流れる。この電流によって生じる磁束によって永
久磁石11は反発力を受け、振子１は揺動する。また、上
記駆動電流が流れる間トランジスタ26がオンとなり、発
振回路25において発生した高周波信号が、アンド回路30
よりトランジスタ31を経由して、固定コイル７に供給さ
れる。固定コイル７に電流が流れると、相互誘導作用に
より固定コイル７の前方に位置する可動コイル12に瞬間
的に誘起電力が生じる。そして、LED13a,13bに電力が供
給され、LED13a,13bは発光する。

なお、高周波発振回路25は、時計駆動用の発振回路と
共通にすることもできる。

つぎに、第4,5図を参照して本発明の第２の実施例を
説明する。

第４図において点線内が振子駆動回路19である。第４
図のＡ点の電圧波形を第５図（ａ）に、可動コイル12に
流れる電流を第５図（ｂ）に示している。第５図（ａ）
においてＡ点の電圧が０レベルのときに、振子駆動電流
が流れている。このＡ点の電圧が０レベルのとき、Ａ点
から抵抗36を介して接続されているトランジスタ35がオ
ンになり、抵抗37を介してトランジスタ38のベース電流
が流れる。コンデンサ39,抵抗37,40,トランジスタ38,固
定コイル７により公知のブロッキング発振回路が構成さ
れており、上記ベース電流が流れると所定の周波数でブ
ロッキング発振回路は発振する。第１図示と同様に固定
コイル７に対向して可動コイル12が配置してあり、固定
コイル７に交流電流が流れると相互誘導作用により可動
コイル12に電流が流れLED13a,13bが点灯する。また、可
動コイル12に流れる電流は第５図（ｂ）に示すように振
子駆動電流とほぼ同一のタイミングとなる。

つぎに、第６図,7図を参照して本発明の第３の実施例
を説明する。第６図において点線内が振子駆動回路19で
ある。第６図のＡ点に電圧波形を第７図（ａ）に、可動
コイル12が流れる電流を第７図（ｂ）に示している。こ
の実施例では、第６図に示すように、振子駆動回路19と
トランジスタ35との接続をコンデンサ41と抵抗36,42に
よって行なっており、トランジスタ38のベース電流の流
れる時間を短くすることができる。それによって可動コ
イルに流れる電流が短くなる。そして、同一の電力でLE
D13a,13bの輝度を高くすることができる。

第８図に本発明の第４の実施例を示している。第４図
の実施例では、機械体43の軸受43aを貫通して突出する
駆動軸43bにねじり振子44が固着されている。図示しな
いが、機械体43の内部には、テンプ機構など従来と同様
な電磁的駆動装置が構成されており、駆動軸43bが左右
交互に回転駆動されるものである。軸受43aの上部には
固定コイル７が回転不能に固定されている。この固定コ
イル７には、高周波の交流電流が供給される。ねじり振
子44の下端部には、固定コイル７と近接対向する可動コ
イル12が設けられている。そして、ねじり端子44には、
LEDなどの電気的負荷13a,13bが設けられており、リード
線14により可動コイル12と接続されている。

このような構成であるため、駆動軸43bに固着された
ねじり振子44が回転駆動されると同時に、固定コイルに
交流電流が供給されると相互誘導作用により可動コイル
12に誘起電力が生じる。そして、リード線14を介して、
LED13a,13bに電力が供給され、LED13a,13bは発光する。

［効果］以上のように本発明によると、振子自体に設けられた
電気的負荷に非接触で電力が供給できるため、振子の揺
動運動に影響を及ぼす恐れがない。また、振子の動きに
同期して電気的負荷に電力を供給するようにすると、高
い装飾的効果を得ることができ、しかも電力を無駄に消
費することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す側面断面図、第２
図はその正面断面図、第３図はその電気回路図、第４図
は本発明の第２の実施例を示す電気回路図、第５図
（ａ）は第２の実施例におけるＡ点の電圧の波形図、第
５図（ｂ）は第２の実施例における可動コイルに流れる
電流の波形図、第６図は本発明の第３の実施例を示す電
気回路図、第７図（ａ）は第３の実施例におけるＡ点の
電圧の波形図、第７図（ｂ）は第３の実施例における可
動コイルに流れる電流の波形図、第８図は第４の実施例
の一部切欠正面図である。１……振子、２……機械体（電磁的駆動装置）、５……検出コイル、６……駆動コイル、７……固定コイル、 12……可動コイル、 13a,13b……LED（電気的負荷）、 35……機械体（電磁的駆動装置）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者渡辺功人東京都墨田区太平４丁目１番１号株式会社精工舎内 (56)参考文献実開昭57−139891（ＪＰ，Ｕ) 実開昭49−86874（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】電磁的駆動装置によって駆動される振子
と、上記振子に設けられている電気的負荷と、上記振子に設けられており、上記負荷と接続されている
可動コイルと、固定部材に固定され、上記可動コイルと近接対向可能で
あり、電力が供給される固定コイルとを具備していることを特徴とする電気的負荷付き振子装
置。
【請求項２】上記固定コイルは、上記振子の揺動運動に
同期して瞬間的に電流が供給されるものであることを特
徴とする請求項１に記載の電気的負荷付き振子装置。
【請求項３】上記電磁的駆動装置は検出コイルおよび駆
動コイルを有しており、上記検出コイルおよび上記駆動
コイルを誘起される電圧によって上記振子の位置が検出
され、上記固定コイルに電流を流すタイミングが決定さ
れることを特徴とする請求項２に記載の電気的負荷付き
振子装置。