JP3057339B2 - 電子時計用ステップモータ装置 - Google Patents

電子時計用ステップモータ装置

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JP3057339B2
JP3057339B2 JP4049914A JP4991492A JP3057339B2 JP 3057339 B2 JP3057339 B2 JP 3057339B2 JP 4049914 A JP4049914 A JP 4049914A JP 4991492 A JP4991492 A JP 4991492A JP 3057339 B2 JP3057339 B2 JP 3057339B2
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昭 高倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子時計用ステップ
モータの逆転駆動を動作安定化するための改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、時計用ステップモータの逆転駆動
装置として、例えば特開昭55−33642号公報に開
示されているような、図3(B)に示す複数の交番パル
スを1組とした逆転駆動パルスをコイルに印加し、ロー
タを逆方向(時計まわりと逆方向)に回転させ、逆転駆
動パルス印加後にコイルの両端に数10KΩの高抵抗を
多周期に渡り接続し、前記高抵抗両端に生じるコイルか
らの誘起電圧の電位差を、一定の電圧と比較することで
ロータの回転状態を検出する装置が知られている。前記
装置は、ある程度多周期での逆転駆動を確実に、かつ安
定して行うことができる。
【0003】また、正転駆動時のロータ回転状態を検出
する装置として、例えば特公昭61−13194号公報
や特公昭61−15380号公報に開示されている、ロ
ータの回転状態を検出するための検出抵抗をモータ駆動
用回路と直列に接続し、前記検出抵抗の両端に生ずる電
圧の変化量を利用した検出装置や、前記検出抵抗の両端
に生ずる電圧を基準とし、それ以降に検出した電圧と比
較する検出装置が知られている。前述の装置は、スイッ
チ素子以外に1つの抵抗素子のみにより、ロータの回転
運動状態を検出可能としたことを特徴とした装置であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭55−
33642号公報に開示されている逆転駆動におけるロ
ータの回転状態を検出する装置は、逆転駆動パルス印加
後に行われる為、モータの逆転方向への早送りにとって
1ステップ当りの逆転駆動に所要する時間が長く、不利
な検出装置である。さらに、ロータの回転検出精度にお
いても、モータに加わる外部からの負荷トルクが増加し
た時に図4(A)のパルスによりロータを逆方向に回転
させると、図4(B)の実線に示すようにロータの減衰
運動がなくなり、検出回路がロータの回転状態を検出す
る前にロータが停止状態になる場合や、P3パルスがロ
ータの回転運動に対し制動をかけるのに充分な電磁エネ
ルギーを供給するパルス幅か、図5(A)に示すように
P3パルス印加終了後、ロータの回転運動に制動をかけ
るのに有利な分割パルス形状である中間電力励磁パルス
を逆転駆動パルスに組み合せることで、図5(B)の実
線に示すように制動区間でのロータの減衰運動がなくな
り、検出区間でロータの回転運動がほぼ停止状態になる
まで制動をかけられた場合や、ステータ穴の磁気的なポ
テンシャルエネルギーの高いノッチ形状を有するステー
タを使用しロータへの制動力を高めた場合には、P3パ
ルスの印加終了以前にロータの減衰振動が停止または停
止に近い状態となり、ロータの減衰振動による誘起電圧
が発生せず誤検出を招くという課題があった。なお図4
と図5の点線は、安定したモータの逆転駆動状態を示す
ものである。
【0005】また、特公昭61−13194号公報に開
示されているロータの回転検出装置は、コイルと直列に
接続された検出抵抗が数KΩのものを使用し回転検出を
行うため、検出時でのコイルに供給される電流値が極端
に低下することによりロータの回転運動が不安定にな
り、特公昭61−13194号公報に開示した検出装置
を逆転駆動の検出装置として使用することができないと
いう課題があった。
【0006】さらに特公昭61−15380号公報に開
示されているロータの回転検出装置は、複数回に渡り検
出された電位差を比較することでロータの回転状態を検
出する装置であるが、基準となる電圧が回転検出によっ
て得られた電圧であるため、モータのできによって不適
性な電圧を検出電圧として自動的に採用することがあ
り、前記不適性な基準電圧によりロータの回転状態を正
しく判断できず誤検出を招くという課題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は従来のこのような
課題を解決するため、経時的なモータへの負荷の増加や
モータ部品の形状の生産上のバラツキや電源電圧の変化
等に応じた実効電力をステップモータに供給し、さらに
モータの回転状態を正確に検出し安定した逆転動作ので
きるステップモータを得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明はステップモータと輪列と表示機能を有す
る電子時計において、ステップモータ駆動信号を記憶す
る手段と、ロータの磁極を記憶する手段と、ステップモ
ータ駆動を制御する駆動回路と、ステップモータの回転
状態を検出する検出回路と、駆動パルスを変更するため
のパルス変更回路とから構成した逆転駆動装置を有し、
ステップモータの経時的なロータへの負荷の増加やモー
タ部品形状の生産上のバラツキや電源電圧の変化等に応
じた実効電力をステップモータに供給し、安定で、高ト
ルクで、低消費電流な逆転動作が図れるようにした。
【0009】
【作用】上記のように構成された電子時計においては、
逆転駆動パルスP3印加中にコイルに流れる電流をサン
プリング検出するための検出区間を設ける。このサンプ
リング区間をロータの回転検出区間と呼ぶ。前記検出区
間でのロータの回転運動により、コイルと鎖交する磁束
量が増減し、コイルに発生する誘起電圧が変化する。前
記誘起電圧の変化はロータの回転状態で異なる。また前
述の検出区間では、検出抵抗がコイルと直列に接続さ
れ、前記検出抵抗の両端に生ずる電位差を検出し、他に
設けた検出判定用基準抵抗から得られる電位差と前記電
位差とを比較することでロータの回転状態を判定する。
【0010】この判定する回路を検出回路と呼び、前記
検出回路からパルスを変更するためのパルス変更信号を
出力する。そして前記信号が出力した時、以降の駆動パ
ルスの印加方向およびパルス幅を変更する逆転駆動パル
ス形成回路で、最適な逆転駆動パルスを駆動回路からス
テップモータに出力する。前記駆動回路から供給する逆
転駆動パルスにより、ステップモータは作動して、安定
し、高トルクで、低消費電流による逆転駆動を図れるこ
ととなる。
【0011】本発明の回転検出区間はP3パルスに設定
したが、逆転パルスにおけるP1パルス、P2パルス等
のP3パルス以外の区間に設定することも考えられる。
また、ロータの回転状態を検出する装置として、前記検
出区間で連続的に電圧変化をサンプリングし、前記サン
プリングした電圧値を積分演算処理回路で積分する。そ
して、比較回路で前記電圧積分データと前回の逆転ステ
ップ駆動で得た電圧積分データとを比較する。この時、
ある定量値以上の電圧積分データ差が生じた場合パルス
変更信号を出力し、ロータの回転状態および位置を検出
する検出回路を設ける装置も考えられるが、本発明の詳
細な効果や実施例は次で述べることとする。
【0012】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図に基づいて説
明する。まず最初に、時計用モータの駆動条件を通常の
正転駆動から逆転駆動に変更し逆転駆動を行った時、本
発明におけるモータ駆動回路、回転検出回路およびパル
ス変更回路等の各回路が行う一連の電気的動作につい
て、図1の本発明における回路構成図の一例と、図2の
本発明における回路上でのパルス変更動作フローチャー
トと、図3(A)を用いて以下で説明する。
【0013】図1において、1は発振回路であり、通常
は32768Hzで発振する水晶振動子が用いられてい
る。2は分周回路で15段のフリップフロップで分周
し、複数のタイミングをパルス波形合成回路4に供給す
る。なお、分周回路はリセット入力端子を保有し、リセ
ット信号が入力されると全ての分周段がリセットされ
る。3は逆転を制御する信号であり、逆転運針を行う信
号が入力されるとパルス波形合成回路4と逆転パルス幅
制御回路8に入力される。パルス波形合成回路4は、分
周段の信号を基準タイミングとし、逆転パルス幅制御回
路8からのパルス形成信号に従って、図3(A)に示す
逆転パルスと逆転駆動の回転検出のための検出パルスも
合成する。
【0014】5は駆動用インバータを構成するMOSゲ
ートを有する駆動回路であり、前記パルス波形合成回路
4で合成された逆転パルスに従って駆動用ゲートをON
・OFFし、モータ6に駆動電圧を印加しモータの逆転
駆動を実現する。モータの逆転駆動時におけるロータの
回転状態は印加される電圧および外部から受ける負荷ト
ルク等の影響に左右され、前述の影響によりコイルに発
生する誘起電圧も変化する。従って、逆転駆動パルス印
加中の駆動電圧は、ロータの駆動状態により異なってく
る。本発明では、前記ロータの回転状態を前記駆動電圧
により検出する手段として、検出用インバータを構成す
るMOSゲートとオペアンプと抵抗等を有する回転検出
回路7を設けた。
【0015】前記検出回路7は、図3(A)に示すよう
に逆転駆動パルス区間の検出区間で、検出用ゲートをO
N・OFFして前記駆動圧を検出し、別途に設けた基
準電圧と前記駆動電圧を比較し、前記比較結果をパルス
変更信号に変換し、逆転パルス幅制御回路8に入力す
る。なお前記検出回路7は、前記パルス変更信号を逆転
パルス幅制御回路8に出力した後にリセットされる。8
は逆転パルスのパルス幅及び駆動ステップ数の制御回路
であり、前記検出回路7からのパルス変更信号と逆転信
号3に応じてパルス形成信号を作成する。6はモータを
示す。
【0016】前節で述べた回路上でのパルス変更動作
を、図2の動作フローチャートを用いて簡単に説明す
る。通常、正転パルスを駆動回路に出力しているパルス
波形合成回路は、逆転信号が入力されると逆転駆動パル
スを出力するように切り換えられ、モータは逆転駆動を
開始する。逆転駆動開始時の逆転パルスは、ある初期設
定パルスに設定され、パルス変更信号φ6は”0”であ
り、前記パルスをモータに印加することで逆転駆動が行
われる。モータの回転状態が安定している時、逆転パル
スP1、P2、P3は図2の経路1に乗っ取り出力さ
れ、毎回P2パルス出力後にロータの回転状態を検出さ
れ、経路4を経て次回の逆転パルスの出力に至る。
【0017】仮にモータの回転状態が変化して、検出回
路がパルス変更を判定した場合、経路3を経てパルス変
更信号φ6が”1”となる。なお、P3パルスは検出回
路の判定にかかわらず出力される。そして次回の逆転パ
ルスのP1パルスは、経路2を経て変更されたP1パル
スをモータに出力し、以降のP2パルス出力、P3パル
ス出力及び回転検出も順次行う。そして、モータは逆転
駆動終了後に正転駆動に戻る。以上が本発明で構成され
る各回路が行う一連の電気的動作についての説明であ
る。
【0018】次に本発明の詳細な説明を行う前に、逆転
駆動の動作原理の一例を図4及び図6を用いて簡単に説
明する。図6(A)は、逆転駆動パルスを印加する前に
ロータが静止している状態を示す。ロータの磁極NS
は、ステータ9のノッチ10、10’によって決まる磁
気的なポテンシャルエネルギーの最小の点に静止する。
この状態で、モータに図4(A)に示すP1パルスを印
加すると、図6(B)のようにステータ9には磁極が生
じ、ロータ11は反発され矢印の方向に回転する(これ
を正転とする)。ロータ11がステータ9のノッチ1
0、10’付近にきた時、今度はP1パルスと逆極性の
電圧P2パルスを印加すると、ロータ11は矢印の方向
に回転(逆転)を始める(図6(C))。
【0019】ロータ11が加速的に逆転し、図6(D)
の位置にきたときに、P2パルスとは逆極性のP3パル
スを印加し、ロータ11をさらに矢印の方向に逆転させ
る。P3パルスは十分長いパルス幅にしておき、図6
(E)のごとく、ロータ11の磁極がステータの磁極に
吸引されて制動が十分にかかるようにする。ロータ11
の振動が停止した時点でP3パルスを遮断すると、ロー
タ11はステータ9のノッチ10、10’により決まる
磁気ポテンシャルの最小の位置に落ちつく(図6
(F))。つまり、ロータ11は図6(A)の位置から
180゜逆転したことになる。
【0020】このような一連の動作をタイミングよく行
えば、安定した逆転動作が得られるのであるが、このタ
イミングを決定しているのが図4(A)に示す各パルス
幅である。そこで、各々のパルスの役割とパルス幅につ
いて次に述べる。図4(A)のP1パルスは、ロータを
正転させる役目を果たすが、このパルス幅が長すぎると
ロータは正転動作をしてしまう。逆に、このパルスが短
すぎるとロータの正回転量が不足し、P2パルスが印加
されたとき、ロータの逆方向への慣性力が小さく、スム
ーズな逆転動作ができなくなる。
【0021】次にP2パルスはロータを逆転させるパル
スであり、このP2パルスはロータの磁極がステータ磁
極位置にくる寸前で、かつ逆方向への慣性力がなくなる
前に遮断する。次にP3パルスは、ロータを図6(D)
の位置からさらに逆転させる役目と、ロータが逆転しす
ぎないように制動をかける役目を果たすが、P2パルス
から得た慣性力によりロータが逆回転し、その回転でコ
イルに逆起電流が発生するため、P3パルスの印加直後
はロータを逆転させる役目を果たしていない。
【0022】そこでP3パルス印加直後のロータの回転
状態を検出し、P3パルスを切ってやれば良い。このP
3パルスを切るタイミングは、パルスが切れた後のロー
タの振動ができるだけ少なくなるようにすることが好ま
しい。そのため、P3パルスは十分長くするか中間電力
励磁パルスを付加して、十分に制動をかけてやれば良
い。また高速逆転をさせる場合には、P3パルスを短く
して単位時間当たりたくさんのパルスを印加してやれば
良い。
【0023】図4(B)の点線には、逆転駆動パルス印
加時に安定した駆動を行うロータの回転角度と時間の関
係を示してある。角度αは、図6(A)に示すロータが
制止している時の角度であり、ロータの磁極とX軸によ
る角度である。P3パルスを十分長くしてやると、ロー
タは−π点で制動をかけられ、P3パルスを切るとロー
タは−(π+α)点に落ち着く。前記一連の逆転動作状
態は、P1パルス、P2パルス、P3パルスの各パルス
幅によって異なるため、モータが正常に逆転駆動する動
作電圧範囲も変化することになる。また、コイル抵抗、
ロータ磁石の磁束密度、ステータの形状などの製造上の
バラツキ、及び外部環境等でも、ロータの逆転動作状態
は変化する。前記ロータの逆転動作状態の変化に対応し
て、逆転駆動パルス中に検出区間を設け逆転駆動パルス
のパルス幅を変化させたのが、本発明である。
【0024】次に、本発明の逆転動作の一例を図7を用
いて説明する。図7は、逆転パルスが入力された場合の
ロータの回転角と時間の関係を示す。本発明の電子時計
に使用する逆転駆動パルスは、まず部品製造上のバラツ
キ、及び環境変化のバラツキのほぼ中央値のもので、モ
ータが安定した駆動を行うように設定しておく(前節で
述べた初期設定パルス)。逆転信号が入力すると、初期
設定パルス上のパルス幅P1、P2、P3がコイルに印
加され、図7(A)、(B)の実線に示す回転運動を行
う。1回目の逆転駆動が行われた後に、P1パルスが切
れるタイミングの適性を検出回路で判断し、図7(A)
に示すようにパルスP1の切れるタイミングが早かった
場合(点線)、次の逆転駆動パルスP1を所定量だけ長
くする。逆に図7(B)に示すようにP1パルスの切れ
るタイミングが遅かった場合(点線)、次の逆転駆動パ
ルスのP1パルスを所定量だけ短くする。以降の逆転パ
ルスも同様にしてパルス幅の調節を行う。
【0025】上記の動作によって、逆転駆動パルスのP
1パルス幅は、ステップモータを構成する部品のバラツ
キや、電源電圧の変化や、その時々の回転状態の変化に
対応して変化させ、常に高速で低消費電流で高トルクで
安定的に逆転できるパルス幅を、検出回路により自動的
に選択して逆転駆動を行う。以上、本発明の動作の概略
を説明したが、次にロータの動作回転検出の原理につい
て説明する。ロータの動作検出の方法としては、機械式
のスイッチや、ホール素子などの外部素子が考えられる
が、電子腕時計のような極めて小容量内に前記各素子を
配置することは困難である。そこで、外部素子を必要と
せずに発振、分周、駆動回路とともに、同一集積回路内
に検出回路を持つ、実現可能なロータの動作検出を以下
に述べる。
【0026】初めに、本発明の検出手段で利用した駆動
電圧波形について述べる。図8(A)、(B)は、ロー
タが安定した状態(実線)と不安定な状態(点線)で回
転している時の電圧波形を、パルス印加方法の違う2種
類の実施例で紹介したものである。図8(A)はコイル
に逆転駆動パルスを印加したとき、電圧波形を検出する
ための数10Ωの検出抵抗を駆動回路中に接続し、その
検出抵抗の両端に発生する電圧波形を示したものであ
り、図8(B)はパルス印加中に駆動パルスを印加しな
い区間(T1とT2)を設け、図8(A)と同様な方法
で検出した電圧波形である。実線は無負荷状態での電圧
波形であり、点線の波形はモータの回転状態が変化し乱
調になる寸前のものである。
【0027】図8(A)、(B)において、P2パルス
印加後の実線と点線の電圧波形ではあきらかに差が有
り、P2パルス印加後に検出区間T3を設け電圧を検出
し、基準電圧VTHより高いか低いかという比較判定をす
ることで、モータの回転状態を検出することが可能とな
る。図9は、前記回転検出原理における駆動回路と検出
回路に流れる電流経路を示した図である。ゲート20、
21、22、23は、従来より用いられている駆動回路
の駆動インバータを構成するMOSゲートである。ゲー
ト24は検出用のMOSゲートで、抵抗25は検出抵抗
であり、それぞれは2端の接点において並列に接続さ
れ、ゲート24はあるタイミングによりスイッチをO
N、OFFする。前記スイッチの切換えは、検出抵抗2
5で消費される電流の浪費を極力減らし、かつコイルと
直列に接続された検出抵抗25の付加により、コイル2
8に供給される電圧の低下を防ぐためである。
【0028】ところで図9の回路に流れる電流の経路
は、ゲート24が通常ON状態でゲート20、21、2
2、23のスイッチの切換えにより経路29または30
を通過し、経路31を通りGNDに流れ込む。しかし図
8の検出区間T3でゲート24をOFF状態とすると、
電流は前記経路29または30を通過し、経路32の検
出抵抗25を経てGNDに流れ込む。このとき検出抵抗
25の両端に電位差が生じる。前記電位差は、経路33
を通過し検出抵抗25の一端と接続された電圧検出器2
6に入力され、そこである基準電圧値VTHと比較され回
転状態を判別される。
【0029】以上でロータの動作検出回路の原理を述べ
たが、次に本発明の実施例について説明する。図10
に、駆動回路及び検出回路の一実施例を示す。入力端子
Sxは逆転信号入力端子、Syは正転信号入力端子であ
り、それぞれRSフリップフロップ101のセットS入
力、リセット入力Rに接続されている。
【0030】まず正転の場合を説明すると、R−Sフリ
ップフロップ101のリセット入力が入ると、R−Sフ
リップフロップ101のQ’出力が”H”(HIGHT) 、Q
出力が”L”(Low) となる。前記のQ出力が”L”とな
ると、ANDゲート102の出力は”L”となる。P
x、Py、Φ1、Φ2、Φ3、Φ4、Ps1、Ps2、
Ps3は、分周回路2によって得られる出力から、所望
のパルスをNANDゲート、NORゲート、ORゲート
等で図11に示すタイムチャートのような波形に合成す
る。この波形合成は、論理的に容易に回路設計が可能で
あるため、回路図は省略する。R−Sフリップフロップ
101のQ’出力は”H”で、ANDゲート103及び
NOTゲート109に入力される。
【0031】ANDゲート103には、正転パルスPy
も接続され、Pyが”H”のときにANDゲート103
の出力は”H”となり、ORゲート104の出力も”
H”となる。正転パルスPyが”H”のときのみ、ステ
ップモータ123に電流が流れる。タイミングパルスΦ
1は、1秒周期のパルスが接続されており、その出力
が”H”になったとき、NOTゲート105の出力は”
L”となり、NORゲート106の第2入力に入力され
る。NORゲート106の第1入力は、R−Sフリップ
フロップ101のQ出力”L”が入力されるので、NO
Rゲート106の出力は”H”となり、ORゲート10
7を介してフリップフロップ111のクロックに入力さ
れる。フリップフロップ111のクロック入力に”H”
が入力される毎に、その出力Q、Q’は反転され、モー
タ123に流れる電流の向きを逆にする。従って、1秒
周期の反転パルスがモータ123に印加されることにな
る。
【0032】一方、R−Sフリップフロップ101のQ
出力”L”はNANDゲート113、115の第2入力
に入力される。また、R−Sフリップフロップ101の
Q’出力”H”がNOTゲート109を介してANDゲ
ート110に入力されるので、正転ではANDゲート1
10の出力も”L”となり、フリップフロップ111の
クロックを制御する信号はΦ1のみとなる。
【0033】次に、逆転の場合について説明する。逆転
信号SxがR−Sフリップフロップ101にセット入力
されると、そのQ出力は”H”、Q’出力は”L”とな
る。Q’出力”L”は、ANDゲート103の第1入力
に接続されているため、ANDゲート103の出力は”
L”となる。
【0034】一方、R−Sフリップフロップ101のQ
出力”H”はANDゲート102の第1入力に接続さ
れ、第2入力には逆転パルスPxが入力されている。逆
転パルスPxが”H”のときのみ、ANDゲート102
の出力は”H”となり、ORゲート104を介してNA
NDゲート112、114のそれぞれ第2入力に”H”
が入力されている。さらにR−Sフリップフロップ10
1のQ出力”H”は、NORゲート106の第1入力と
NANDゲート113、115の第2入力に接続され、
NORゲート106の出力はΦ1信号に関係なく”L”
となり、1秒毎にフリップフロップ111の出力が反転
することはなくなる。
【0035】タイミングパルスΦ2、Φ3、Φ4はOR
ゲート108を介しANDゲート110の第2入力に接
続されている。ANDゲート110の第1入力にはNO
Tゲート109の出力”H”が入力され、第2入力には
ORゲート108の出力が接続され、Φ2、Φ3、Φ4
が”H”になったときのみ、ORゲート108を介し
て”H”信号がANDゲート110に入力され、AND
ゲート110より”H”が出力される。さらに、ORゲ
ート107を介しフリップフロップ111のクロックに
接続され、Φ2、Φ3、Φ4が”H”のときのみクロッ
クに”H”は入力される。これらのΦ2、Φ3、Φ4
は、図12タイムチャートに示すパルスであり、フリッ
プフロップ111のクロックに”H”が入力される毎
に、その出力Q、Q’は反転される。フリップフロップ
111のQ出力は、NANDゲート112、113の第
1入力にそれぞれ接続され、Q’出力はNANDゲート
114、115の第1入力にそれぞれ接続されている。
NANDゲート112の出力は、ANDゲート116の
第1入力及びステップモータ駆動用PMOSFET11
8に入力されている。
【0036】NANDゲート113の出力は、ANDゲ
ート116の第2入力に接続され、ANDゲート116
の出力は、ステップモータ駆動用NMOSFET119
に入力される。NANDゲート114は、ANDゲート
117の第1入力及びステップモータ駆動用PMOSF
ET120に入力されている。NANDゲート115の
出力は、ANDゲート117の第2入力に接続され、A
NDゲート117の出力は、ステップモータ駆動用NM
OSFET121に入力される。
【0037】端子122は+電源入力端子であり、PM
OSFET118、120のソースが接続され、NMO
SFET119、121はそのソース電極を接地されて
いる。PMOSFET118、NMOSFET119の
ドレインはお互いに接続されるとともに、ステップモー
タ123のコイルの出力端子に接続されている。PMO
SFET120、NMOSFET121は、そのドレイ
ンをお互いに接続され、ステップモータ123のコイル
の他端出力端子に接続されている。
【0038】NMOSFET119、NMOSFET1
21はお互いにソース電極を接続され、接点152を介
し検出抵抗131の一端と検出用NMOSFET130
のドレインとオペアンプ146の+入力に接続されてい
る。そして検出用NMOSFET130のソースと検出
抵抗131の他端は接点153で接続され、アースに接
地されている。
【0039】以上が本発明におけるモータの駆動回路の
一例であり、次に検出回路について説明する。検出パル
スPs1はANDゲート132の第1入力に接続され、
検出パルスPs2、Ps3はORゲート134を介し、
ANDゲート132の第2入力に接続されている。そし
て検出パルスPs1と、Ps2もしくはPs3の出力
が”H”となったとき(前記の回転検出区間)、AND
ゲート132は”H”を出力しNOTゲート133でに
反転され、”L”出力がNMOSFET130に入力さ
れる。なお検出パルスは図11に示すようなタイミング
で出力される。この時NMOSFET130はOFF状
態となり、パルス印加中ならばモータ123に流れる駆
動電流は検出抵抗131に流れ込み、検出抵抗131の
両端に電位差が生じる。この電位差はオペアンプ146
の+側に入力される。
【0040】ここで検出パルスPs2、Ps3とAND
ゲート132とNOTゲート133とNMOSFET1
30による回路上の一連の動作を表1に示す。
【0041】
【表1】 前記表1は検出パルスPs1が”H”の時の動作であ
り、もし検出パルスPs1が”L”のとき端子132の
出力は”L”となり表1の3行目の動作状態と同様とな
る。次に前記検出抵抗131の両端に生ずる電位差を増
幅する増幅回路157と、基準電圧を形成する基準電圧
回路158と、前記の2つの回路から得られた電圧を比
較しそれぞれの結果より回転状態を判定するコンパレー
タ145について説明する。
【0042】増幅回路157は、電圧を増幅するために
抵抗素子とオペアンプより構成された差動増幅回路とボ
ルテージホロアーの役目を果たすオペアンプ146から
構成されている。オペアンプ146は、+端子には前記
電位差が入力され、オペアンプの出力は接点154で−
端子と抵抗147の一端とに接続されている。抵抗14
7、148及びオペアンプ149は差動増幅回路を形成
し、オペアンプ146より入力された電位差をこの回路
にて増幅する。いま抵抗147の抵抗値をR1とし抵抗
148の抵抗値をR2とすると、前記差動増幅回路の増
幅度Gは、G=R2/R1で、入力された電位差をE0
とするとオペアンプ149より出される電圧E1は、E
1=E0×R2/R1となり、前記電圧E1はコンパレ
ータ145の+端子に出力される。
【0043】ところで、検出される電位差E0の増幅度
Gは次のように決定すれば良い。部品製造上のバラツキ
および環境の変化のバラツキ等のほぼ中央値のモータを
使用し、電池電源電圧と同等な電圧にてモータを駆動さ
せ、さらにモータへの環境(例えば電圧)を変える。こ
の2つの環境で駆動したモータから検出した電位差が基
準電圧に対して充分判別できる所まで増幅すれば良い。
また検出抵抗の抵抗値RSは、コイル抵抗値Rに対して
充分に低く、RS=R×γで求めることができる。なお
前式のγ値は、モータ駆動用ICの入力電圧に対する出
力電圧によって決定される。
【0044】一方、基準電圧回路158は電源と抵抗と
スイッチ素子から構成される回路で、前記回路より基準
電圧を作成する。前記基準電圧には抵抗142による基
準電圧VTH1と抵抗141による基準電圧VTH2の2種
類があり、コンパレータ145に出力するタイミングは
表2に示すように各検出パルスに準ずる。
【0045】
【表2】 表2のように検出パルスPs2で電圧値を制御される基
準電圧VTH1と、前記VTH1を利用したコンパレータ1
45の出力結果と検出パルスPs3に依存するANDゲ
ート140により電圧値を制御される基準電圧VTH2が
コンパレータ145の−端子側に入力される。なお、本
発明では2種類の検出パルスと基準電圧で回転検出を行
っているが、検出タイミングによっては最低1つの検出
パルスと基準電圧で回転検出できると考えられる。
【0046】前節でコンパレータ145に入力される検
出抵抗から生ずる電圧E1と前記電圧E1と比較するた
めの基準電圧VTH1、VTH2について説明したが、次に
コンパレータ145の電圧判定動作と出力結果の処理に
ついて説明する。コンパレータ145は、前記検出抵抗
から生ずる電圧E1と前記各種基準電圧を比較しデジタ
ル処理でロータの回転状態を判定し、以降でモータに印
加する逆転駆動パルスの各パルス幅を制御するパルス変
更信号の基準となる信号を出力する。そして、コンパレ
ータ145の比較判定動作は基準電圧と前記電圧E1と
比較し、基準電圧>E1の時に”L”を出力し、基準電
圧<E1の時に”H”を出力する。オペアンプ145の
出力はANDゲート135、136を介し、R−Sラッ
チ回路138、139のSET端子に入力されている。
R−Sラッチ回路138、139はそれぞれのリセット
端子に検出パルスPs4が入力され、Ps4が”H”に
なるまでSET端子より入力されたデータを維持し、端
子150、151とANDゲート140に出力する。端
子150、151は逆転パルス幅制御回路に接続され、
端子150、151の出力結果により以降の逆転パルス
を変更する。
【0047】次に各検出パルスの役割と回路の動作につ
いて図12フローチャートを使用して説明する。検出パ
ルスPs2、Ps3は、図11タイミングチャートに示
す通り別々のあるタイミング(検出区間)のみ出力され
る。まずPs2が逆転パルス印加中に出力されると、N
MOSFET143をON状態となり基準電圧VTH1を
コンパレータ145の−端子に入力する。また検出パル
スPs1と同期したときNMOSFET130はOFF
状態となり、電位差E0が検出抵抗131の両端に生
じ、電圧増幅回路を介し電圧E1がコンパレータ145
の+端子に入力され、コンパレータ145の比較結果
が”E1>VTH1”のとき”H”を、”E1<VTH1”
のとき”L”をコンパレータ145は出力する。コンパ
レータ145の出力が”L”のとき、モータの回転状態
が安定しており、ANDゲート140に”L”を入力す
ることで次に出力されるPs3による検出動作を停止
し、端子150、151への出力は、それぞれ”L”と
なる。
【0048】一方、コンパレータ145の出力が”H”
のとき、モータの回転状態が不安定であり、端子150
への出力も”H”となる。またANDゲート140に”
H”を入力することで、次のPs3による検出動作を実
行させる。Ps3が出力されるとNMOSFET144
がON状態となり、基準電圧VTH2がコンパレータ14
5の−端子に入力される。またPs2と同様に検出パル
スPs1と同期したときNMOSFET130はOFF
状態となり、電圧E1がコンパレータ145の+端子に
入力される。そして、コンパレータ145は、比較結果
が”E1>VTH2”のとき”H”を、”E1<VTH2”
のとき”L”を出力し、前記の各条件での出力結果を端
子151に出力する。なお前記端子150で得られる出
力をパルス変更信号φ5と呼び、端子151で得られる
出力をパルス幅信号φ6と呼ぶことにする。
【0049】以上の動作を表にまとめたのが表3であ
る。
【0050】
【表3】 表3に示す通り、パルス変更信号が”L”の時、逆転パ
ルスとモータ駆動の関係が良好であることを示してい
る。一方、パルス変更信号が”H”の時、逆転パルスと
モータ駆動の関係が不安定であり、パルス幅(例えばP
1パルス幅)を変更する必要がある。前記パルス幅の変
更を実施するとき、そのパルス幅の長さを決定するのが
パルス長さ信号である。前記パルス長さ信号が”H”の
時、パルス長さ信号はパルス幅を短くするという信号と
なる。また前記パルス長さ信号が”L”の時、パルス長
さ信号はパルス幅を長くするという信号となる。このパ
ルス変更信号とパルス長さ信号の2ビット信号を次に述
べる逆転パルス幅制御回路に入力することにより、逆転
パルス幅制御回路の動作を管理し、パルス幅の長さを決
定することができる。
【0051】ところで、逆転パルス印加中のモータ回転
状態は極めて不安定であり、かつ逆転駆動中の電圧変動
が複雑である。従って、検出タイミングおよび検出後の
処理がアナログ的になり、逆転駆動の回転検出およびパ
ルス幅の管理は技術的に困難であった。しかし、本発明
により前節で述べた2ビットの処理のみで、簡単かつ正
確にモータの逆転駆動の回転検出およびパルス幅の管理
を実現できた。また、逆転パルス印加中の回転検出を採
用することで、従来の駆動と検出と別々に行わずにす
み、従来以上の早送りができ、モータの逆転駆動が技術
的に向上した。
【0052】以上、図10、図11および図12を用い
て本発明の駆動回路及び検出回路の実施例の一例を説明
した。次に逆転駆動パルス幅制御回路について、図13
を用いて簡単に説明する。逆転駆動パルス制御回路は、
前記で述べたロータの減衰状態を検出する検出回路から
の信号(前記検出回路の端子150、151からの出力
信号)を、パルス当り1回の信号としてパルス幅変更の
有無を処理する情報処理回路200(フリップフロッ
プ、ANDゲート、ORゲート等を有する)と、前記回
路200からの信号によりパルス幅を調節するパルス幅
調節回路201(数段のフリップフロップから構成され
るアップダウンカウンタとバイナリーカウンタを有す
る)と、前記回路201からの信号をある一定のタイミ
ングにて波形作成回路に伝達するパルス幅伝達回路20
2(RSフリップフロップ等を有する)から構成されて
いる。
【0053】この逆転駆動パルス幅制御回路の動作は、
電源ONと同時にPs4が入力され、基準パルスを設定
し、時計の回転状態に応じてパルス幅を変更していく。
前記パルス幅の変更は、検出回路からの変更信号(例え
ば端子145が”H”のとき)が前記回路200に入力
された時のみ行われ、検出回路からの信号は逆転パルス
出力毎に前記回路200に入力される。そして回路20
0のデータは、パルス出力が終了する毎に外部からのリ
セット信号によりリセットされ、検出回路の情報のみで
パルス幅を制御できる。そして、前記回路201のデー
タは、変更信号が入力されない限り現状のデータを保持
する機能をもつ。
【0054】以上が逆転駆動パルス幅制御回路について
の簡単に説明である。ところで前記逆転駆動パルス幅制
御回路は、従来考案されている回路を変更して使用する
ことができるため多数のモータに使用することが可能で
あり、かつ正転補正駆動で用いたパルス制御回路と今回
の逆転駆動パルス幅制御回路を同一回路にて使用するこ
とができるため、モータ駆動用集積回路の占有体積を小
さくすることが可能である。
【0055】次に本発明における他の実施例について以
下に述べる。図14に示すタイミングチャートは駆動パ
ルスと検出パルスの出力タイミングについて説明したも
ので、(A)はP2パルス出力時に、(B)はP1パル
ス出力時に回転検出パルスを出力しロータの回転状態を
検出するタイミングを示している。(C)はP1パルス
出力時とP3パルス出力時に各々回転検出パルスを出力
しロータの回転状態を検出するタイミングである。
【0056】以上、検出パルスの出力タイミングは複数
考えられるが、モータのでき、モータ部品のバラツキ及
びモータ駆動電圧に応じて前記駆動パルスと検出パルス
の出力タイミングを設定することが必要となる。図15
に示す駆動パルスと検出パルスは、図中に示す1回目の
逆転駆動にてモータが正規の逆転1ステップを行えなか
った時、2回目の逆転駆動にて前回のパルス幅より長く
なり、かつパルスの印加方向が前回の逆転パルスと同方
向になったP1パルスとP2及びP3パルスにて、1ス
テップの逆転駆動を行い、さらに補正パルスP4にて1
ステップを行う逆転2ステップを実施し、正規の逆転駆
動を実現する実施例である。前記駆動時の検出動作は1
回目の逆転駆動ではP3パルスにて実施し、2回目の逆
転駆動ではP4パルスにて回転検出を行う。
【0057】そして前記2回目の逆転駆動で正規の逆転
ステップに補正できた時、次の逆転駆動パルス通常の印
加方向及び2回目に出力されたP1、P2、P3パルス
をモータに出力する。前記で説明したパルスの出力方向
やパルス構成を変更し、ロータの回転検出を実施する本
実施例は、モータの逆転駆動時の乱調に対しても正確で
かつ安定したモータの逆転駆動を可能とするのに効果大
である。
【0058】図16は、電源電圧の変動を検出した検出
データを、逆転パルス幅の変更に利用する装置を実現す
る回路図(A)と、前記回路が動作するときのタイミン
グチャート(B)である。抵抗300、301、302
が電源に直列に接続され、さらに抵抗301、302は
検出パルスφA、φBで制御されたNMOSFET30
3、304により抵抗成分を可変され、コンパレータ3
06に入力される電位差を制御する。また前記コンパレ
ータ306には比較電圧として305の電位が入力さ
れ、電源電圧が下降したときのみNOTゲート308
に”H”を出力する。
【0059】さらにコンパレータ306は常時電圧を比
較するのではなく、検出パルスφCでNMOSFET3
07がON・OFFすることにより、コンパレータ30
6が電源電圧を比較検出し低消費電流化を実現してい
る。ところで電源の電位が低くなったとき、コンパレー
タ306より出力される信号は”L”でNOTゲート3
08を介しANDゲート309に入力され、検出パルス
φCが”H”なので端子310には”H”信号が出力さ
れる。前記端子310の出力信号と、図16(B)の検
出パルスで検出されたロータの回転状態を示す信号を使
用して、逆転パルスのパルス幅を制御し安定した高トル
クな逆転駆動を実現したのが本発明である。
【0060】
【発明の効果】この発明は、以上説明したようにモータ
逆転駆動時において、ロータの回転状態を検出するため
の検出回路と、その検出回路からの信号によりパルス幅
及び電圧の印加方向を変更するための逆転鼓動パルス変
更回路と、逆転駆動パルスをモータに供給する駆動回路
の全てをCMOSIC内に内蔵できるという構成要素
と、ロータの回転検出タイミングを逆転パルス出力中に
したことで、部品の製造バラツキや、モータの環境変化
に対して安定で、高速に逆転できるパルス幅を自動的に
設定でき、コストアップの要因もなく、従来と変らない
モータを使用することができるため、ローコスト化、高
速逆転駆動、1モータによる多種多様な時計への汎用性
を追及する腕時計にとって、多大なる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子腕時計の回路構成例を示した説明
図である。
【図2】本発明における回路上でのパルス幅の変更動作
の一例を示したフローチャートである。
【図3】(A)は従来の逆転パルスにおける駆動区間と
検出区間を示したタイミングチャートである。(B)は
本発明の逆転パルスにおける駆動区間と検出区間を示し
たタイミングチャートである。
【図4】(A)、(B)はパルスをモータに印加した
時、モータに対し無負荷の状態と負荷トルクが加わった
ときのロータの回転時間と回転速度の関係を示した図で
ある。
【図5】(A)、(B)は制動区間にパルスをモータに
印加した時としない時の、ロータの回転時間と回転速度
の関係を示した図である。
【図6】(A)〜(F)は逆転駆動時のロータの回転方
向の経時変化状態を示した説明図である。
【図7】(A)はP1パルス幅の違う逆転パルスをモー
タに印加した時の図である。(B)はロータの回転時間
と回転角度の関係をグラフに示した説明図である。
【図8】(A)は連続的に逆転パルスをモータ印加した
ときの電圧波形を示した図である。(B)は間欠的に逆
転パルスをモータ印加したときの電圧波形を示した説明
図である。
【図9】本発明の検出原理における駆動回路と検出回路
に流れる電流経路を示した説明図である。
【図10】本発明における駆動回路と検出回路の一例を
示す回路図である。
【図11】本発明の逆転駆動における各パルスタイミン
グチャート図である。
【図12】本発明における検出回路内にある各電気的素
子の検出動作を示したフローチャートである。
【図13】本発明における逆転駆動パルス制御回路の構
成例を示した説明図である。
【図14】本発明における検出パルスの出力タイミング
に関する他の実施例を示した説明図である。
【図15】本発明における逆転パルスの印加方向とパル
ス構成に関する他の実施例を示した説明図である。
【図16】本発明における逆転パルス幅を変更する制御
データに関する他の実施例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 発振回路 2 分周回路 3 逆転信号 4 パルス波形合成回路 5 駆動回路 6 モータ 7 検出回路 8 逆転パルス幅制御回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3つの交番パルスを1組とし
    た逆転駆動パルスによってロータが逆方向に回転するこ
    とを可能とした時計用ステップモータの逆転駆動装置に
    おいて、前記逆転駆動パルスのうち少なくとも1つのパ
    ルス印加中に、コイルに流れる電流を検出するための検
    出区間を少なくとも1箇所以上設け、ロータの回転運動
    からコイルに発生する誘起電圧の電流変化を利用し、前
    記検出区間で連続的に電圧変化をサンプリングすること
    により、ロータの回転状態および位置を検出する検出回
    路を設け、前記検出回路からの信号により、以降の逆転
    駆動パルスの印加方向およびパルス幅を変化させる逆転
    駆動パルス形成回路を設け、常に最適な逆転駆動パルス
    をステップモータに供給する駆動回路を備えたことを特
    徴とする電子時計用ステップモータ装置。
  2. 【請求項2】 モータ駆動電源の電力消費にともなう電
    圧の変動を検出する回路を有する請求項1記載の電子時
    計用ステップモータ装置。
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