JP2507859B2 - 治療装置 - Google Patents
治療装置Info
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Description
粉症の諸症状緩和あるいは除去に用いて好適な治療装置
に関する。
状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり等であり、これらの諸
症状はスギ花粉、ダスト、ダニ等のアレルゲンが鼻腔内
粘膜に付着することによって発症する。上記諸症状が顕
著に発症すると、患者に極めて多大な苦痛や不快感を与
えるために、従来から、上記諸症状の緩和あるいは除去
を行う各種の手法が用いられている。
の一つとして、セラミック入りマスクや活性炭入りマス
ク等を用いる方法が知られている。この方法によれば、
こうしたマスクで鼻を覆うことにより、鼻腔内へアレル
ゲンが侵入するのを物理的に阻止するものである。ま
た、これ以外の手法として、上記諸症状を抑制する薬剤
を服用したり、液状の薬剤を噴霧して鼻腔内の粘膜に塗
布する等の治療手法がある。
ラミック入りマスクや活性炭入りマスクを用いた方法で
は、アレルゲンの一部がこれらのマスクを容易に通過
し、通過したアレルゲンに起因する諸症状を緩和または
除去することができないという欠点があった。また、薬
剤を服用する方法では、服用した薬剤が効果を発揮する
効用期間においては上記諸症状が軽減されるが、効用期
間を過ぎると諸症状が再現するため、定期的に服用を継
続する必要があるという問題があった。さらに、服用す
る薬剤の副作用により、患者が「眠気」や「だるさ」を
感じたり、患者の意識がもうろうとすることさえあり、
継続的に服用しても満足のいく解決には至らないという
問題があった。
る方法もあるが、この場合、鼻腔内粘膜から分泌される
鼻水等により、塗布された薬剤が流し落とされてしま
い、諸症状を緩和するという効果を得ることは困難であ
った。また、近年では減感作療法と呼ばれる免疫療法も
考えられているが、現状では患者が満足するものではな
い。本発明は、上述した背景に鑑みて為されたもので、
副作用を伴うことなく、アレルギー性鼻炎や花粉症の諸
症状を緩和あるいは除去することができる治療装置を提
供することを目的とする。
は、着用者の外鼻を含む顔面に装着され、鼻腔および副
鼻腔、または鼻腔および篩骨洞に対応する位置の表皮を
保温または加温する保温 性を有するシート状の被覆物
と、前記被覆物を前記顔面に保持する装着具とを具備す
ることを特徴としている。
温性を有するシート状の被覆物を装着させることによ
り、鼻腔および副鼻腔、または鼻腔および篩骨洞に対応
する位置の表皮が保温または加温されるために、副作用
を伴うことなく、アレルギー性鼻炎や花粉症の諸症状が
緩和あるいは除去される。
明の基本となる思想をサーモグラフを用いた実験に基づ
いて説明する。この実験に用いたサーモグラフは、測定
対象を、その表面の赤外線輻射の量に対応した色彩でデ
ィスプレイに表示するものである。例えば、測定対象が
低温である場合には、当該測定対象から放射される赤外
線の量が少量であるために、ディスプレイに表示される
測定対象は緑がかって見える。逆に、測定対象が高温で
ある場合には、当該測定対象から放射される赤外線の量
が増加し、ディスプレイに表示される測定対象の色は赤
方に変位する。
花粉症患者である被験者A,Bと花粉症の症状を呈して
いない被験者Cの顔面の温度分布を比較することにより
行われた。なお、この実験が行われた日は1993年4
月12日(月曜日)であり、被験者A,Bともに花粉症
の症状を呈している時節である。また、この日の天候は
曇であった。
面の温度分布を色彩表示させた結果、被験者Cは顔面全
体がだいだい色で表示されたのに対し、被験者A,Bの
顔面においては、図2に示す中心部分Lが緑色がかって
表示され、他の部分はだいだい色で表示された。すなわ
ち、花粉症患者である被験者A,Bの中心部分Lの温度
は、被験者A,Bの他の部分および健康な被験者Cの中
心部分の温度よりも低いことが確認された。
Lが低温となると、中心部分Lにおける血行障害等によ
り各細胞が酸素不足または栄養障害に陥ったり、各細胞
の機能が低下したりして代謝が不活発になる等して、鼻
腔内粘膜が本来有する自然生体生理メカニズムの不利な
変化が引き起こされる。その結果、鼻腔内粘膜が、アレ
ルゲンの付着等の刺激に対して極めて過敏な状態となる
ことが、アレルギー性鼻炎や花粉症の大きな原因である
と推測される。
ように、鼻腔M(図3参照)と、鼻腔Mに連通する副鼻
腔(以後、副鼻腔Sと称す)内の粘膜を保温または加温
することにより、アレルギー性鼻炎や花粉症の諸症状を
緩和または除去することができる。なお、副鼻腔Sは、
図3に示す篩骨洞S1および上顎洞S2からなる。
実施例を、以下、図面を参照して説明する。なお、図1
〜図11において、共通する部分には同一の符号を付け
ている。まず、本発明の第1の実施例について図1を参
照して説明する。図1は第1の実施例である治療装置1
の概略構成を示す図である。この図に示すように、装置
1は外鼻を覆うように着用者2の顔面に装着されるもの
であり、保温性を有するシート状の被覆物3と被覆物の
周縁裏面に取り付けられる粘着材(図示略)とからな
る。被覆物3は厚さ5mmの脱脂綿を略凸字状に成形
し、その脱脂綿を例えばガーゼ等で被覆したものであ
る。この被覆物3は、着用者2の外鼻に密着させた状
態、すなわち、鼻腔M(図3参照)および副鼻腔S上の
表皮に接触するように、粘着材によって着用者2の顔面
に貼り付けられる。
用者2の鼻腔Mおよび副鼻腔S上の表皮に密着支持され
るために、当該表皮に外気が直接触れることがなく、当
該表皮の温度が低下しない。また、表皮により暖められ
た空気を保持するために、表皮の温度を速やかに上昇さ
せる効果もある。これにより、鼻腔Mおよび副鼻腔S内
の粘膜が保温または加温されて当該粘膜の血行が良くな
るとともに、当該粘膜を構成する各細胞の機能が活性化
する。すなわち、鼻腔内粘膜が本来有する自然生体生理
メカニズムが正常に機能するから、着用者2の花粉症に
よる諸症状が緩和または除去される。
用いた実験結果を図4〜図6に示す。この実験は、スギ
花粉症である発明者自身を被験者とし、上記装置1を装
着した場合(以後、装着時と称す)としなかった場合
(以後、未装着時と称す)の諸症状の重さを3日間に亘
って測定することにより行われた。なお、この実験にお
ける諸症状の重さは、被験者が1時間のうちに鼻水をか
んだ回数で表される。
7日(土曜日)に埼玉県飯能市の被験者の自宅の屋内お
よび屋外で測定したものであり、この日の天候は晴れで
あった。図4において、例えば、未装着時の6時〜9時
では、1時間当たりの鼻水をかんだ回数(以後、平均回
数という)は約37.3回であるのに対して、装着時の
9時〜12時では、平均回数は約2.3回である。ま
た、未装着時の12時〜15時では平均回数が約11.
7回であるのに対して、装着時の15時〜18時では平
均回数は約1.3回である。これらの結果から、装置1
は、屋内および屋外において十分な効果を得られること
が確認できる。
4月18日(日曜日)に測定したものであり、この日の
天候は晴れであった。図5において、例えば、未装着時
の6時〜7時および11時〜18時の平均回数は約2
4.6回であるのに対して、装着時の7時〜11時の平
均回数は1.5回である。さらに、装着時の9時〜11
時においては、平均回数が0回となり、著しい効果を得
られることが確認できる。
4月20日(火曜日)に測定したものであり、この日の
天候は曇であり、風が強かった。このような強風時に
は、大気中を浮遊するスギ花粉の量が増大するために、
図6に示すように、未装着時の平均回数は極めて多くな
った。特に東京都豊島区池袋屋外ではスギ花粉が大量に
浮遊し、未装着時の11時〜13時および15時〜17
時の平均回数は67回であった。これに対し、同じ池袋
屋外でも、装着時の13時〜15時および17時〜19
時の平均回数は1.5回と極めて少ない。このことか
ら、強風時等の悪環境でも、十分な効果を得られること
が確認できる。
施例によれば、屋内、屋外、強風時等の環境に依存せず
に、花粉症の諸症状を緩和あるいは除去することができ
る。また、装着後、速やかに鼻腔Mおよび副鼻腔Sの温
度を上昇させるので、花粉症の諸症状が発症している際
に用いても、迅速に諸症状を緩和あるいは除去できる。
なお、本実施例では被覆物3を粘着材で顔面に固定する
例を示したが、図7に示すように、伸縮自在な紐5を両
耳に架けて被覆物3を固定するようにしてもよい。
施例について説明する。図8は本発明の第2の実施例に
よる治療装置6の概略構成を示す図であり、この図に示
す装置6において、7は鼻腔Mおよび篩骨洞S1(図3
参照)を覆う形状に成形された保温性を有するシート状
の被覆物であり、その材質は図1に示す被覆物3と同一
である。被覆物7は鼻腔Mおよび篩骨洞S1上の表皮に
接触するように、紐5により着用者の両耳に掛止され
る。
腔Mおよび篩骨洞S1上の表皮に接触しているために、
鼻腔Mおよび篩骨洞S1内の粘膜が保温または加温され
る。これにより、鼻腔内粘膜が本来有する自然生体生理
メカニズムが正常に機能し、着用者2の花粉症による諸
症状が緩和または除去される。また、被覆物7を鼻腔M
および篩骨洞S1上の表皮のみを覆う形状としたため
に、被覆物7の顔面に占める面積が小となり、装着によ
る不快感が軽減される。
え穴9を設け、この押さえ穴9に挿入されるメガネ10
の押さえ11に被覆物7を粘着、または何らかの手段に
より固定させる等して取り付けるようにしてもよい。も
ちろん、被覆物7の材質や形状等を変更し、メガネ10
と一体形成するようにしてもよい。
実施例について説明する。図10は本発明の第3の実施
例による治療装置12の概略構成を示す図であり、この
図に示す装置12において、13は図1に示す被覆物3
と同一形状の保温性を有するシート状の被覆物であり、
この被覆物13内部には高抵抗の電熱線14が張り巡ら
されている。15は一部が紐5に沿って取り付けられる
対をなす導線であり、これらの導線15の一端は電熱線
14に取り付けられ、他端は後述する制御装置16に取
り付けられている。制御装置16には、電源(図示略)
と温度調節器17が設けられ、この温度調節器17の可
動部の位置に応じた電流を導線15に供給する。なお、
この温度調節器17は、可動部が図中右端に位置する際
にオフ状態となる。
可動部を着用者2が摺動させると、当該可動部の位置に
応じた電流が導体15を介して、電熱線14に供給され
る。すると、電熱線14が発熱し、この熱が周囲の被覆
物13に伝導され、被覆物13が接触している表皮(鼻
腔Mおよび副鼻腔S上の表皮)が加温される。これによ
り、鼻腔内粘膜が本来有する自然生体生理メカニズムが
正常に機能し、着用者2の花粉症による諸症状が緩和ま
たは除去される。もちろん、被覆物13を鼻腔Mおよび
篩骨洞S1のみを覆う形状にしてもよいし、紐5以外の
支持手段を用いてもよい。
実施例について説明する。図11は本発明の第4の実施
例による治療装置18の概略構成を示す図であり、この
図に示す装置18において、19は内面がアルミニウム
合金等で覆われた略箱状の反射体であり、その周縁部に
は所定の粘着力の粘着材(図示略)が取り付けられてい
る。20は反射体19の略中央部内側に取り付けられる
赤外線光源であり、当該赤外線光源20には対をなす導
線21の一端が取り付けられている。
皮に粘着固定させ、着用者2が制御装置16の温度調節
器17の可動部を摺動させると、当該可動部の位置に応
じた大きさの電流が、導体21を介して、赤外線光源2
0に供給される。これにより赤外線光源20から電流に
応じた強度の赤外線が放射され、この赤外線が顔面表皮
および反射体19の内面に到達する。反射体19の内面
はアルミニウム合金等で覆われているため、赤外線は反
射され、顔面表皮に到達する。こうして、赤外線が到達
した表皮(鼻腔Mおよび篩骨洞S1上の表皮)および鼻
腔Mおよび篩骨洞S1内の粘膜の温度が上昇する。する
と、鼻腔内粘膜が本来有する自然生体生理メカニズムが
正常に機能し、着用者2の花粉症による諸症状が緩和ま
たは除去される。
ム合金である必要はなく、赤外線を反射するものであれ
ばよい。また、反射体19の形状を鼻腔M(図3参照)
および副鼻腔Sを覆う形状としてもよい。以上、説明し
たように、本発明による第1〜第4の実施例によれば、
鼻腔内粘膜が本来有する自然生体生理メカニズムを正常
に機能させ、花粉症による諸症状を緩和または除去する
ことができる。
症に対する例を示したが、アレルギー性鼻炎に用いても
同様の効果を得ることができる。また、各被覆物3,
7,13は、鼻腔Mまたは副鼻腔S上の表皮を覆い、保
温または加温効果があるものであれば良く、その大き
さ、形状、構造、材質および色彩等を問わない。同様
に、反射体19は、赤外線を反射して鼻腔Mまたは副鼻
腔S上の皮膚に当該赤外線を照射するものであれば良
い。
装着具を用いて着用者の顔面に保温性を有するシート状
の被覆物を装着させることにより、鼻腔および副鼻腔、
または鼻腔および篩骨洞に対応する位置の表皮が保温ま
たは加温されるために、副作用を伴うことなく、アレル
ギー性鼻炎や花粉症の諸症状を緩和あるいは除去するこ
とができるという効果がある。
を示す図である。
断面図である。
る。
る。
る。
適用を示す図である。
を示す図である。
適用を示す図である。
構成を示す図である。
構成を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 着用者の外鼻を含む顔面に装着され、鼻
腔および副鼻腔に対応する位置の表皮を保温または加温
する保温性を有するシート状の被覆物と、前記被覆物を
前記顔面に保持する装着具とを具備することを特徴とす
る治療装置。 - 【請求項2】 着用者の外鼻を含む顔面に装着され、鼻
腔および篩骨洞に対応する位置の表皮を保温または加温
する保温性を有するシート状の被覆物と、前記被覆物を
前記顔面に保持する装着具とを具備することを特徴とす
る治療装置。 - 【請求項3】 前記被覆物は脱脂綿をガーゼで被覆して
なることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載
の治療装置。 - 【請求項4】 前記被覆物は電熱線を有し、当該電熱線
が導通して発熱することを特徴とする請求項1または2
いずれかに記載の治療装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5137980A JP2507859B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 治療装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5137980A JP2507859B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 治療装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06343657A JPH06343657A (ja) | 1994-12-20 |
JP2507859B2 true JP2507859B2 (ja) | 1996-06-19 |
Family
ID=15211244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5137980A Expired - Fee Related JP2507859B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 治療装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2507859B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0316673Y2 (ja) * | 1987-08-31 | 1991-04-10 |
-
1993
- 1993-06-08 JP JP5137980A patent/JP2507859B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06343657A (ja) | 1994-12-20 |
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