JP2507609Y2 - 油圧式圧縮工具 - Google Patents

油圧式圧縮工具

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JP2507609Y2
JP2507609Y2 JP8824390U JP8824390U JP2507609Y2 JP 2507609 Y2 JP2507609 Y2 JP 2507609Y2 JP 8824390 U JP8824390 U JP 8824390U JP 8824390 U JP8824390 U JP 8824390U JP 2507609 Y2 JP2507609 Y2 JP 2507609Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、電線等の圧縮作業に使用する油圧式圧縮
工具に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の油圧式圧縮工具Dには、例えば第6図に示すも
のがある。この油圧式圧縮工具Dは、主にスタンド50の
上部に設けられたシリンダ51と、そのシリンダ51上部に
着脱自在に取り付けられるダイス保持部52と、前記シリ
ンダ51内に上下に摺動自在に嵌装されるピストン53と、
そのピストン53を下方向に付勢させ前記シリンダ51下部
に取り付けられる付勢部材54と、前記シリンダ51の下部
に穿設される圧油供給口55と、その圧油供給口55から前
記シリンダ51内に圧油を供給する圧油供給室56とから構
成されている。
そして、ダイス保持部52の先端部と前記ピストン53の
先端部とにそれぞれ図示しないダイスを装着し、圧油供
給室56からシリンダ51内に圧油を供給してピストン53を
上昇させ、ダイス間に挿入した電線(圧縮用スリーブ)
等を圧縮していた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の油圧式圧縮工具Dではピストン
53の過度の上昇を阻止する手段が採られていないので、
ダイス保持部52やピストン53にダイスを装着していない
状態で誤って作動させてしまうと、ダイス保持部52の先
端部とピストン53の先端部とが接触し(空押し)、相互
の接触面を傷めてしまうという問題点があった。
また、ダイス保持部52を取り付けていない状態で誤っ
て作動させてしまうと、ピストン53がさらに上昇して、
シリンダ51から外れてしまい、油漏れ等を生じてしまう
という問題点もあった。
この考案は前記問題点に鑑みてなされたものであり、
ピストンの過度の上昇を阻止して、空押しを防止するこ
とができる油圧式圧縮工具を提供することを課題とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
この考案に係る油圧式圧縮工具は、上記課題を解決す
るため、シリンダと、そのシリンダ上部に着脱自在に取
り付けられるダイス保持部と、前記シリンダ内に上下に
摺動自在に嵌装されるピストンと、そのピストンを下方
向に付勢させ前記シリンダ下部に取り付けられる付勢部
材と、前記シリンダの下部に穿設される圧油供給口と、
その圧油供給口から前記シリンダ内に圧油を供給する圧
油供給室とからなり、前記ダイス保持部の先端部と前記
ピストンの先端部とにそれぞれダイスを装着し、そのダ
イス間に挿入した電線等を前記ピストンの上昇により圧
縮接続する油圧式圧縮工具において、前記圧油供給室内
に、前記ピストンの下部に連結されたプッシュピンと、
そのプッシュピンの下端部に当接され前記ピストンの先
端部が前記ダイス保持部の先端部近傍まで上昇したとき
に前記圧油供給口を閉じるボールと、そのボールを支持
するボール受けと、そのボール受けと圧油供給室の下部
の間に取り付けられ前記ボール受けを上方向に付勢する
バネとからなる空押し防止弁を設けて構成されている。
〔作用〕
この考案に係る油圧式圧縮工具によれば、圧油供給室
内に、ピストンの先端部がダイス保持部の先端部近傍ま
で上昇したときに前記圧油供給口を閉じる空押し防止弁
を設けているので、ピストン先端部がダイス保持部の先
端部近傍の位置までくると、空押し防止弁により圧油の
供給が停止され、ピストンの上昇が停止するので、ダイ
ス未装着時における空押しを防止することができる。
〔実施例〕
以下、この考案に係る油圧式圧縮工具Aの実施例を図
面に基づいて説明する。第1図はこの考案の構成を示す
一部破断正面図、第2図はこの考案の構成を示す一部破
断側面図、第3図はダイス保持部を取り外した状態を示
す一部破断正面図、第4図(a)(b)はこの考案のダ
イス装着時の作動を示す説明図、第5図はこの考案のダ
イス未装着時の作動を示す説明図である。
まず、この考案に係る油圧式圧縮工具Aの構成につい
て説明する。
1はスタンド2の上部に設けられたシリンダである。
3はシリンダ1上部に着脱自在に取り付けられるダイ
ス保持部である。このダイス保持部3は、シリンダ1側
面に取り付けられた取手ボルト4とワイヤ5を介して結
ばれているハンドル6と、シリンダ1上部に着脱自在に
嵌着されるキャップ7と、先端部にダイスを取り付ける
ダイホルダ8とをボルト3a(第1図),ボルト3b(第2
図)によって一体に取り付けられて構成されている。9
はダイホルダ8にダイスを固定するためのバネ10付きの
ダイス固定板である。11はダイホルダ8先端部に設けら
れたリテーナである。12はハンドル6側部に取り付けら
れた引き金であり、一端部がバネ12aによって付勢され
たピン12bに取り付けられている。そして、ダイス保持
部3のキャップ7をシリンダ1上部に嵌着したときに、
引き金12の他端部をシリンダ1上端部に形成された面取
り部1aに当接させ、ダイス保持部3のキャップ7の回動
を防止している。
13はシリンダ1内に上下に摺動自在に嵌装されるピス
トンである。14はピストン13先端部にダイスを固定する
ためのバネ14a付きのダイス固定板である。15はピスト
ン13の先端部に設けられたピストンガイドである。
16,16はピストン13を下方向に付勢させピストン13下
降時にすばやくもとの状態に戻すためのバネ(付勢部
材)である。このバネ16は、ピストン13及びシリンダ1
の下部にそれぞれ固定ネジ17,17によって取り付けられ
たバネ支え18の間に取り付けられている。
19はシリンダ1の下部に穿設された圧油供給口であ
り、20はその圧油供給口19からシリンダ1内に圧油を供
給する圧油供給室である。この圧油供給室20内には、ピ
ストン13の先端部がダイス保持部3の先端部近傍まで上
昇したときに圧油供給口19を閉じる空押し防止弁21を設
けている。
この空押し防止弁21は、プッシュピン22、ボール23、
ボール23を支持するボール受け24、バネ25とから構成さ
れている。プッシュピン22の上端のネジ部22aはピスト
ン13下部に螺着され、下端部はボール23に当接されてい
る。ボール23はピストン13の最大上昇時に前記圧油供給
口19を閉じて圧油の供給を停止させて、ピストン13によ
る空押しを防止するものである。バネ25はボール受け24
と圧油供給室20の下部の間に取り付けられボール受け24
を上方向に付勢して、ボール23の動きをピストン13の動
きに対応させている。
26は圧油供給室20に圧油を供給するためのカップラで
あり、27はニップル(管継手)である。
28は油圧式圧縮工具Aを持ち運びするためのグリップ
であり、29はロープ等に引っ掛けるための取手であり、
30は取手29を回動自在に取り付けた取手受台であり、シ
リンダ1の下部にボルト30aによって取り付けられてい
る。
なお、31は溝付ピン、32(第2図)は平行ピン、33は
六角穴付きボルト、34は六角穴付き皿ボルト、35はバネ
座金、36はOリング、37はバックアップリングである。
次に、この考案に係る油圧式圧縮工具Aの作動につい
て説明する。
まず、ダイス保持部3をシリンダ1から取り外して
(第3図)、そのダイス保持部3のダイホルダ8の先端
部及びピストン13の先端部にそれぞれ電線等を圧縮する
ダイスB,B′を取り付ける。そして、電線を取り付けた
スリーブCをダイスB,B′間に挿入した後に、ダイス保
持部3のキャップ7をシリンダ1の上部に嵌着する(第
4図(a))。
次に、圧縮工具Aを作動させてカップラ26を介して、
圧油供給室20,シリンダ1内に圧油を供給して、ピスト
ン13を上昇させ、ダイスB,B′間に挿入したスリーブC
を断面正六角形に圧縮する(第4図(b))。
ところで、ダイス保持部3のダイホルダ8にダイスを
取り外した状態で、誤って油圧式圧縮工具Aを作動させ
た場合でも、ピストン13先端部がダイス保持部3のダイ
ホルダ8の先端部近傍(数mm以内)の位置までくると、
空押し防止弁21のボール23によって圧油供給口19を閉じ
て圧油の供給が停止されるので、ピストン13の上昇が停
止し、ピストン13とダイス保持部3との空押しを防止す
ることができる。従って、ピストン13先端部とダイス保
持部3の先端部との接触面を傷めてしまうことはない。
また、ダイス保持部3自体を取り外した状態で、誤っ
て油圧式圧縮工具Aを作動させた場合でも、ピストン13
が過度に上昇してシリンダ1から外れてしまうこともな
く、油漏れ等が生じることを防止できる。
スリーブCの圧縮後は、圧油の供給を停止し、付勢部
材16の付勢力によってピストン13を元の状態に戻す。
この考案は前記述べた実施例に限定されるものではな
く、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的事項の
範囲内において、種種の変更が可能である。
なお、この油圧式圧縮工具Aを使用するときは、スタ
ンド2を作業台等の上に置いて行うか、又は取手29をロ
ープ等に引っ掛けて行うことになる。
〔考案の効果〕
この考案によれば、以下に述べるような優れた効果を
発揮する。
(1)圧油供給室内に、ピストンの先端部がダイス保持
部の先端部近傍まで上昇したときに前記圧油供給口を閉
じる空押し防止弁を設けているので、ピストン先端部が
ダイス保持部の先端部近傍の位置までくると、空押し防
止弁により圧油の供給が停止され、ピストンの上昇が停
止し、ダイス未装着時におけるピストン先端部とダイス
保持部の先端部との空押しを防止することができる。従
って、ダイス保持部にダイスを取り外した状態で、誤っ
て油圧式圧縮工具を作動した場合でも、ピストン先端部
とダイス保持部の先端部とが接触することはなく、ピス
トン先端部とダイス保持部の先端部との接触面を傷めて
しまうことはない。
(2)ダイス保持部自体を取り外した状態で、誤って油
圧式圧縮工具を作動した場合でも、ピストンが過度に上
昇してシリンダから外れてしまうことを未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの考案の実施例に係り、第1図はこの考案の構
成を示す一部破断正面図、第2図はこの考案の構成を示
す一部破断側面図、第3図はダイス保持部を取り外した
状態を示す一部破断正面図、第4図(a)(b)はこの
考案のダイス装着時の作動を示す説明図、第5図はこの
考案のダイス未装着時の作動を示す説明図、第6図は従
来の油圧式圧縮工具の構成を示す一部破断正面図であ
る。 A……油圧式圧縮工具、B,B′……ダイス C……スリーブ 1……シリンダ、3……ダイス保持部 13……ピストン、16……付勢部材 19……圧油供給口、20……圧油供給室 21……空押し防止弁 22……プッシュピン、23……ボール 24……ボール受け、25……バネ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダと、そのシリンダ上部に着脱自在
    に取り付けられるダイス保持部と、前記シリンダ内に上
    下に摺動自在に嵌装されるピストンと、そのピストンを
    下方向に付勢させ前記シリンダ下部に取り付けられる付
    勢部材と、前記シリンダの下部に穿設される圧油供給口
    と、その圧油供給口から前記シリンダ内に圧油を供給す
    る圧油供給室とからなり、前記ダイス保持部の先端部と
    前記ピストンの先端部とにそれぞれダイスを装着し、そ
    のダイス間に挿入した電線等を前記ピストンの上昇によ
    り圧縮接続する油圧式圧縮工具において、 前記圧油供給室内に、前記ピストンの下部に連結された
    プッシュピンと、そのプッシュピンの下端部に当接され
    前記ピストンの先端部が前記ダイス保持部の先端部近傍
    まで上昇したときに前記圧油供給口を閉じるボールと、
    そのボールを支持するボール受けと、そのボール受けと
    圧油供給室の下部の間に取り付けられ前記ボール受けを
    上方向に付勢するバネとからなる空押し防止弁を設けた
    ことを特徴とする油圧式圧縮工具。
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