JP2507201B2 - 船舶用舵 - Google Patents

船舶用舵

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JP2507201B2
JP2507201B2 JP3193324A JP19332491A JP2507201B2 JP 2507201 B2 JP2507201 B2 JP 2507201B2 JP 3193324 A JP3193324 A JP 3193324A JP 19332491 A JP19332491 A JP 19332491A JP 2507201 B2 JP2507201 B2 JP 2507201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶用舵に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、船速がそれほど大きくなく、舵の
抵抗の全推進抵抗に占める割合が相対的に小さいような
船舶においては、舵として、懸吊型の舵に比べて舵軸の
直径が小さくなり、舵を支承する軸受部の船殻構造物が
軽量になるなどの理由で、マリナー型の舵が使用されて
いる。そして、近年においては、船舶の操縦性と保針性
および針路安定性を向上させるために、舵に角度を与え
たときに高い揚力を発生し、かつ船舶の直進中、即ち舵
の中立位置において層流剥離が起こりにくいような舵の
要求が高くなっている。特に、マリナー型の舵が一般に
装備されている比較的大型の船舶においては、太洋航行
中には保針性および針路安定性を向上させて燃料消費量
の節減ができるとともに、港内や狭水路においては、船
体の旋回性を向上させて衝突の危険を容易に回避できる
ような舵の要求が高くなっている。
【0003】従来のマリナー型の舵は、たとえば図13
に示すようなものであり、舵板50は舵板50の頂部を
支持する舵軸51と、船尾船殻52から舵板50のほぼ
中央あたりまで下方に突出した軸受構造物53によって
回転自在に支承されており、舵板50と軸受構造物53
との間にはピントル54が設けられている。また、板5
0の水平断面は、通常の翼断面、即ち全体として凸面流
線形となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のマリナ
ー型の舵は、その水平断面輪郭が翼断面、即ち全体とし
て凸面流線形となっているために、船体を旋回させるモ
ーメントを発生させるのに、舵面に垂直に作用する水圧
力を利用できるに過ぎず、また、船舶の直進中、即ち舵
の中立位置のとき、舵の後縁部において層流剥離を生じ
易いものであった。つまり、太洋航行中において船体に
何らかの外力が作用して、船舶が所定の針路から外れよ
うとするとき、舵によって直ちに所定の針路に復せしめ
て、船舶が直進するようにする能力が低く、また、層流
剥離に起因して船体の直進性能が低く、さらに港内や狭
水路において衝突の危険が生じたとき船体を急角度に旋
回させる能力が低いという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題を解決して、高い揚力
特性が得られ、保針性と針路安定性および旋回性に優れ
たマリナー型の船舶用舵を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の船舶用舵は、舵板を、頂部を支持する舵軸
と船尾船殻から舵板の中央近辺まで下方に突出した軸受
構造物とによって回転自在に支承し、舵板の上部舵板を
前縁が前記軸受構造物の後縁の後方に位置するように形
成し、前記舵板の下部舵板を前縁が前記軸受構造物の前
縁と同一線上に位置するとともに、後縁が前記上部舵板
の後縁と同一線上に位置するように形成した船舶用舵に
おいて、舵板は、プロペラ後流の領域幅に相応する上下
方向の長さを有し、舵の中立状態における軸受構造物と
その後方に位置する舵板の上部舵板とを含む水平断面に
おいて、軸受構造物の前縁部が半円形をなすとともに、
前縁部に連続する軸受構造物の中間部および上部舵板が
船首尾方向後方に向って断面幅を徐々に増大して最大幅
に達し、その後に徐々に断面幅を減じて最小幅に達し、
その後に舵板の後縁に至る船首尾方向の比較的短い間に
わたって断面幅を徐々に増大する形状をなし、舵板の下
部舵板の水平断面において、下部舵板の前縁部が半円形
をなすとともに、前縁部に連続する中間部が船首尾方向
後方に向って断面幅を徐々に増大して最大幅に達し、そ
の後に徐々に断面幅を減じて最小幅に達し、その後に舵
板の後縁に至る船首尾方向の比較的短い間にわたって断
面幅を徐々に増大する形状に形成し、
【0007】下部舵板の底面と上部舵板の頂面のそれぞ
れに、舵板の船首尾方向全長にわたって両舷側に張り出
す底端板および頂端板を設け、かつ頂端板は前部が舵板
の回転によって軸受構造物と干渉しない形状をなす構成
としたものである。
【0008】また、下部舵板に、船首尾方向全長にわた
って舵板の側面と垂直に両舷方向に張り出す中間板を軸
受構造物の最下端面直下に位置して設けた構成としたも
のである。
【0009】また、軸受構造物に、船首尾方向全長にわ
たって軸受構造物の側面と垂直に両舷方向に張り出す整
流板を、舵板の頂端板と同一もしくはほぼ同一レベルの
水平面上に位置して設け、かつ整流板は後部が舵板の回
転によって舵板の頂端板と干渉しないように形成した構
成としたものである。
【0010】
【作用】上記構成により、船舶の直進中に舵が中立位置
にあるときに、プロペラ後流は、後流の上半円部分が軸
受構造物から上部舵板にかけての左右両表面に沿って流
れ、後流の下半円部分が下部舵板の左右両表面に沿って
流れる。軸受構造物および舵板の左右両表面に作用する
力が、左右で均衡するように操船しているが、舵の後縁
部において層流剥離が生じると、船舶を直進させる能力
がおちる。
【0011】また、船舶の直進中に船体に何らかの外力
が作用し、船体が所定の針路から外れようとするときに
は、自動パイロット装置等により、その外れを修正する
方向に舵に小角度が与えられる。
【0012】この場合、従来の舵においては、プロペラ
後流により舵板の左右両面に働く水圧力に差を生じて、
これが船体を旋回させるモーメントとなるだけである。
これに対して本発明の舵では、軸受構造物と舵板とにわ
たり連続して形成された舵板表面の凹面に沿ってプロペ
ラ後流が偏流させられ、このことによる反力も舵板に作
用するので大きな船体旋回モーメントが生じ、船体を速
やかに所定の針路に復元させる効果を発揮する。
【0013】また、船舶の直進中、即ち舵の中立位置に
おいて、プロペラ後流は、舵の前記凹面に沿って流れる
ため層流剥離を生じ難く、船舶の直進性を向上させる効
果を発揮する。即ち、船体をジグザグ進行させることな
く、直線的に進行させることにより、燃料消費が減少す
る。
【0014】また、船舶が港内や狭水路を航行中に衝突
の危険が生じた場合には、舵に大きな角度を与えて旋回
することになるが、従来の舵では舵板の左右両表面に作
用する水圧力の差のみに依存するために、さらに水圧力
差を利用できる舵の角度に限界があって大きな舵角をと
っても効果がないために、大きな船体旋回モーメントを
得ることができず、船体の旋回円を小さくすることがで
きない。
【0015】これに対して本発明の舵では、前述の水圧
差による作用、および舵板表面に形成された凹面に沿っ
てプロペラ後流が偏流することによる反力がより効果的
に作用し、しかも反力が作用することによって舵の角度
の限界は従来の舵よりも大きくすることができる。この
組み合わせ効果により、本発明の舵は大きな船体旋回モ
ーメントを発生して船体の旋回円の直径を極めて小さく
することができ、衝突の危険が生じても容易に回避する
ことができる。
【0016】そして、プロペラ後流が舵板表面に沿って
流れるに際し、頂部および底部において水流が舵板の外
方に逸流することを頂・底端板が防ぐので、プロペラ後
流を頂端板と底端板の間に封じ込めるので、層流剥離を
より生じ難くし、また、プロペラ後流の水力を舵板に有
効に作用させることができる。
【0017】また、マリナー型の舵においては、軸受構
造物が固定構造物であるのに対して、舵板が回転構造物
であるために、舵に角度を与えたときに上部舵板部分と
下部舵板部分とではプロペラ後流が表面に沿って流れる
態様が異なる。このため、上部舵板と下部舵板の境界部
分に中間板を設けることによって、水流は軸受構造物か
ら上部舵板に沿って流れるものと下部舵板に沿って流れ
るものとに分離され、前者の水流は頂端板と中間板との
間に、また後者の水流は底端板と中間板との間にそれぞ
れきちんと封じ込められるから、境界部分の水流の乱れ
がなくなってプロペラ後流の水力をより有効に舵板に作
用させることができ、層流剥離をより生じ難くすること
ができる。
【0018】また、軸受構造物に整流板を設けることに
よって、プロペラ後流が上部舵板に流入することをより
効果的にすることができる。即ち、上部舵板に流入すべ
きプロペラ後流は軸受構造物の前縁において整流板に規
制されて整流板の下に封じ込められるので、プロペラ後
流の水力をより有効に上部舵板に作用させることがで
き、層流剥離をより生じ難くすることができる。
【0019】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図5において、舵板1は頂部を舵軸2に支
持されており、舵軸2は船体内の操舵装置(図示せず)
に連動している。また、舵板1の上下方向の中ほどには
ピントル3が設けられており、ピントル3は軸受構造物
4に回転自在に支承されている。このため、舵板1は舵
軸2の回転駆動によって舵軸2とピントル3の軸心回り
に回転する。
【0020】そして、軸受構造物4は船尾船殻5から舵
板1の中央近辺まで下方に突出した形状をなし、軸受構
造物4の後縁の後方に舵板1の上部舵板1aの前縁が位
置している。また、舵板1の下部舵板1bは、その前縁
が軸受構造物4の前縁と同一線上に位置するとともに、
後縁が上部舵板1aの後縁と同一線上に位置するように
形成されている。
【0021】さらに、図4〜図5に示すように、舵板1
は、舵の中立状態における軸受構造物4とその後方に位
置する舵板1の上部舵板1aとを含む水平断面におい
て、軸受構造物4の前縁部が半円形をなすとともに、前
縁部に連続する軸受構造物4の中間部および上部舵板1
aが船首尾方向後方に向って断面幅を徐々に増大して最
大幅に達し、その後に徐々に断面幅を減じて最小幅に達
し、その後に舵板1の後縁に至る船首尾方向の比較的短
い間にわたって断面幅を徐々に増大する形状をなしてい
る。また、舵板1は、舵板1の下部舵板1bの水平断面
において、下部舵板1bの前縁部が半円形をなすととも
に、前縁部に連続する中間部が船首尾方向後方に向って
断面幅を徐々に増大して最大幅に達し、その後に徐々に
断面幅を減じて最小幅に達し、その後に舵板1の後縁に
至る船首尾方向の比較的短い間にわたって断面幅を徐々
に増大する形状をなしている。
【0022】そして、図1〜図3に示すように、舵板1
には上部舵板1aの頂面と下部舵板1bの底面とのそれ
ぞれに、舵板1の船首尾方向全長にわたって両舷側に張
り出す頂端板6および底端板7が設けられており、かつ
頂端板6は前部が舵板1の回転によって軸受構造物4と
干渉しないように形成されている。
【0023】以下上記構成における作用を説明する。船
舶の直進中に舵が中立位置にあるときに、図5に示すよ
うに、プロペラ8の回転によって生じるプロペラ後流A
は、プロペラ後流Aの上半円部分が軸受構造物4から上
部舵板1aにかけての左右両表面に沿って流れ、プロペ
ラ後流Aの下半円部分が下部舵板1bの左右両表面に沿
って流れる。
【0024】このとき、船舶の直進中に船体に何らかの
外力が作用し、あるいは、船体に固有の針路安定性によ
って船体が所定の針路から外れようとするときには、自
動パイロット装置等により、その外れを修正する方向に
舵に小角度が与えられる。
【0025】この場合、従来の舵においては、プロペラ
後流により舵板の左右両面に働く水圧力に差を生じて、
これが船体を旋回させるモーメントとなるだけである。
これに対して本実施例の舵では、図6に示すように、軸
受構造物4と舵板1とにわたり連続して形成された舵板
表面の凹面Bに沿ってプロペラ後流Aが偏流させられ、
このことによる反力も舵板1に作用するので大きな船体
旋回モーメントが生じ、船体を速やかに所定の針路に復
元させる効果を発揮する。また、船舶の直進中、即ち舵
の中立位置において、プロペラ後流は、舵の凹面Bに沿
って流れるため、層流剥離を生じ難く、従って船舶を直
進させる効果を発揮し、船体をジグザグ進行させること
なく、直線的に進行させることにより、燃料消費が減少
する。
【0026】また、船舶が港内や狭水路を航行中に衝突
の危険が生じた場合には、舵に大きな角度を与えて旋回
することになるが、従来の舵では舵板の左右両表面に作
用する水圧力の差のみに依存するために、さらに水圧力
差を利用できる舵の角度に限界があって大きな舵角をと
っても効果がないために、大きな船体旋回モーメントを
得ることができず、船体の旋回円を小さくすることがで
きない。
【0027】これに対して本実施例の舵では、前述の水
圧差による作用のほか、図4に示すように、舵板表面に
形成された凹面Bに沿ってプロペラ後流Aが偏流するこ
とによる反力がより効果的に作用し、しかも反力が作用
することによって舵の角度の限界は従来の舵よりも大き
くすることができる。この組み合わせ効果により、本実
施例の舵は大きな船体旋回モーメントを発生して船体の
旋回円の直径を極めて小さくすることができ、衝突の危
険が生じても容易に回避することができる。
【0028】そして、頂端板6および底端板7は舵板表
面に沿って流れるプロペラ後流Aが舵板1の外方に逸流
することを防止し、プロペラ後流Aを頂端板6と底端板
7の間に封じ込めてプロペラ後流Aの水力を舵板1に有
効に作用させるので、より大きな船体旋回モーメントを
発生させることができる。また、この封じ込めにより、
層流剥離をより生じ難くするので、船舶の直進性がいっ
そう向上する。
【0029】図7〜図8は本発明の他の実施例を示すも
のであり、先の実施例と同様の作用を行う部材について
は同一番号を付して説明を省略する。図7において、下
部舵板1bには中間板11が設けられており、中間板1
1は軸受構造物4の最下端面直下に位置し、船首尾方向
全長にわたって舵板1の側面と垂直に両舷方向に張り出
している。
【0030】この構成においては、舵に角度を与えたと
きに、プロペラ後流Aは軸受構造物4から上部舵板1a
に沿って流れる上半分部分と下部舵板1bに沿って流れ
る下半分部分とに分離されて異なる態様で流れることに
対し、前者の水流を頂端板6と中間板11との間に、ま
た後者の水流を底端板7と中間板11との間にそれぞれ
きちんと封じ込めることができ、境界部分の水流の乱れ
がなくなってプロペラ後流Aの水力をより有効に舵板1
に作用させることができる。他の作用効果は先の実施例
と同様である。
【0031】図9〜図10は本発明のさらに他の実施例
を示すものであり、先の実施例と同様の作用を行う部材
については同一番号を付して説明を省略する。図9〜図
10において、軸受構造物4には整流板21が設けられ
ており、整流板21は舵板1の頂端板6と同一レベルの
水平面上に位置し、船首尾方向全長にわたって軸受構造
物4の側面と垂直に両舷方向に張り出している。また、
整流板21は後部が舵板1の回転によって舵板1の頂端
板6と干渉しないように形成されている。
【0032】この構成においては、上部舵板1aに流入
すべきプロペラ後流Aが軸受構造物4の前縁において整
流板21に規制されて整流板21の下に封じ込められる
ので、プロペラ後流Aが上部舵板1aに流入することを
より効果的なものとすることができ、プロペラ後流Aの
水力をより有効に上部舵板1aに作用させることがで
き、また、層流剥離をより生じ難くすることができる。
【0033】尚、整流板21は図11〜図12に示すよ
うに、舵板1の頂端板6の上面の直上に設けて、舵角を
とったときに相互に干渉しないようにしてもよい。この
構成では、図12(a)に示すように、舵の中立位置に
おいても頂端板6と整流板21との間に間隙を生じるこ
とがないので、プロペラ後流が一旦整流板21の下に封
じ込められると、そのまま連続して頂端板6によって封
じ込めが行われる。従って、プロペラ後流が上部舵板1
aに流入することをさらにより効果的にすることができ
る。また、この構成において、中間板11を設けること
も可能である。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、舵に
角度を与えたとき、プロペラ後流が舵板表面に形成され
た凹面に沿って偏流することによる反力が効果的に作用
して大きな船体旋回モーメントを発生させるので、船舶
の直進中には船体をジグザグ進行させることなく直線的
に針路を保持させことにより、また船舶の直進中、即ち
舵の中立位置においてプロペラ後流は舵の前記凹面に沿
って流れるので層流剥離を生じ難く、従って船舶を直線
的に進行させることにより、燃料消費を減少させること
ができ、しかも大きな舵角をとれば急角度に船体を旋回
させ得るので衝突の危険を容易に回避することができる
という効果がある。
【0035】また、プロペラ後流が舵板表面に沿って流
れるに際し、頂部および底部において水流が舵板の外方
に逸流することを頂端板および底端板で防いで、プロペ
ラ後流を頂端板と底端板の間に封じ込めてプロペラ後流
の水力を舵板により有効に作用させることができ、ま
た、この封じ込めにより層流剥離をより生じ難くするこ
とができ、上記の効果がより一層大きくなる。
【0036】また、プロペラ後流を頂端板と中間板との
間および底端板と中間板との間にそれぞれきちんと封じ
込めることにより、境界部分の水流の乱れをなくしてプ
ロペラ後流の水力をより有効に舵板に作用させ、また、
層流剥離をより生じ難くすることができ、上記の効果が
より一層大きくなる。
【0037】また、上部舵板に流入すべきプロペラ後流
を軸受構造物の前縁において整流板で規制して整流板の
下に封じ込めることにより、プロペラ後流の水力をより
有効に上部舵板に作用させ、また、層流剥離をより生じ
難くすることができ、上記の効果がより一層大きくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す船舶用舵の全体側面図
である。
【図2】(a)(b)はそれぞれ図1における舵板のm
−m矢視平面図であり、中立位置および舵角の大きい場
合を示すものである。
【図3】図1における舵板のn−n矢視平面図である。
【図4】(a)(b)はそれぞれ図1における舵角が大
きい場合の舵板の断面図であり、m’−m’矢視および
p’−p’矢視を示すものである。
【図5】(a)(b)はそれぞれ図1における舵が中立
位置の場合の舵板の断面図であり、m’−m’矢視およ
びp’−p’矢視を示すものである。
【図6】(a)(b)はそれぞれ図1における舵角が小
さい場合の舵板の断面図であり、m’−m’矢視および
p’−p’矢視を示すものである。
【図7】本発明の他の実施例を示す船舶用舵の全体側面
図である。
【図8】図7における舵板のp−p矢視断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例を示す船舶用舵の全
体側面図である。
【図10】図9におけるm−m矢視平面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例を示す船舶用舵の
全体側面図である。
【図12】(a)(b)は各々図11におけるm−m矢
視平面図であり、中立位置および舵角の大きい場合を示
すものである。
【図13】従来の船舶用舵の全体側面図である。
【符号の説明】
1 舵板 2 舵軸 3 ピントル 4 軸受構造物 6 頂端板 7 底端板 11 中間板 21 整流板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵板を、頂部を支持する舵軸と船尾船殻
    から舵板の中央近辺まで下方に突出した軸受構造物とに
    よって回転自在に支承し、舵板の上部舵板を前縁が前記
    軸受構造物の後縁の後方に位置するように形成し、前記
    舵板の下部舵板を前縁が前記軸受構造物の前縁と同一線
    上に位置するとともに、後縁が前記上部舵板の後縁と同
    一線上に位置するように形成した船舶用舵において、 舵板は、プロペラ後流の領域幅に相応する上下方向の長
    さを有し、舵の中立状態における軸受構造物とその後方
    に位置する舵板の上部舵板とを含む水平断面において、
    軸受構造物の前縁部が半円形をなすとともに、前縁部に
    連続する軸受構造物の中間部および上部舵板が船首尾方
    向後方に向って断面幅を徐々に増大して最大幅に達し、
    その後に徐々に断面幅を減じて最小幅に達し、その後に
    舵板の後縁に至る船首尾方向の比較的短い間にわたって
    断面幅を徐々に増大する形状をなし、舵板の下部舵板の
    水平断面において、下部舵板の前縁部が半円形をなすと
    ともに、前縁部に連続する中間部が船首尾方向後方に向
    って断面幅を徐々に増大して最大幅に達し、その後に徐
    々に断面幅を減じて最小幅に達し、その後に舵板の後縁
    に至る船首尾方向の比較的短い間にわたって断面幅を徐
    々に増大する形状に形成し、 下部舵板の底面と上部舵板の頂面のそれぞれに、舵板の
    船首尾方向全長にわたって両舷側に張り出す底端板およ
    び頂端板を設け、かつ頂端板は前部が舵板の回転によっ
    て軸受構造物と干渉しない形状をなす ことを特徴とする
    船舶用舵。
  2. 【請求項2】 下部舵板に、船首尾方向全長にわたって
    舵板の側面と垂直に両舷方向に張り出す中間板を軸受構
    造物の最下端面直下に位置して設けたことを特徴とする
    請求項1に記載の船舶用舵。
  3. 【請求項3】 軸受構造物に、船首尾方向全長にわたっ
    て軸受構造物の側面と垂直に両舷方向に張り出す整流板
    を、舵板の頂端板と同一もしくはほぼ同一レベルの水平
    面上に位置して設け、かつ整流板は後部が舵板の回転に
    よって舵板の頂端板と干渉しないように形成したことを
    特徴とする請求項1、または請求項2に記載の船舶用
    舵。
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