JP2505718B2 - 建築物の床構造 - Google Patents

建築物の床構造

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  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Floor Finish (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床パネルの上方の室の
防臭および散水洗浄による清掃が容易に行われるように
した建築物の床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】散水洗浄(水洗浄)を必要とする建築物
の床は多くの場合、コンクリート床スラブ上へのならし
モルタルの塗布→アスフアルト塗布→押えモルタル層の
形成→シンダーコンクリート層の形成(石炭殻を含むコ
ンクリート層の形成)→タイル下地モルタルの塗布→タ
イル仕上げという一連の工程を経て形成される。この方
法は伝統的のもので、現在広く採用されている。
【0003】上記一連の工程を経て形成される床構造は
良好な防水性をもつ。この点は上記工法の大きな利点で
あるが、施工に必要とする時間が極めて長く、それが工
期遅れの大きな原因となつている。このため、施工時間
の長い上記方法の採用を回避しつつしかも散水洗浄を行
い得る床構造の開発が試みられているが現在に至るまで
に提案された方法による床構造は水密状態を長く保たせ
難く、床に破損が生じると修復が著しく困難となり修理
に必要とする経費が嵩む。床の形式を、散水洗浄を行い
得る形式のものと、床の清掃を拭き掃除に依存させる形
式のものとに分け、前者を散水洗浄可能型、後者を拭き
取り清掃型と呼ぶこととすれば、前記一連の工程を経て
作られる床構造は散水洗浄可能型である。
【0004】組み立て床に防水性をもたせつつ多数の床
パネルを組み立て、床を散水洗浄可能型のものとするこ
とは、清掃能率を高めると共に清掃の仕上がりを良くす
る上において極めて望ましいことであるが、現在までに
提案されている組み立て方式の床構造は、拭き取り清掃
型の域を脱することがてきないものである。
【0005】以上において説明したように従来最も普通
に採用される方法により作られる散水清掃可能の床構造
は施工に必要とする期間が極めて長く、しかも破損箇所
ができたときにその修復に必要とする経費が嵩む欠点が
ある。一方、従来提案されている組み立て方式の床構造
は拭き取り形式のもので、清掃作業を能率的に進捗させ
難いばかりでなく、往々にして清掃を終えた床に悪臭を
残す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上において
説明した従来の床構造の施工上の欠点を回避し、施工に
必要とする時間が短く、床の清掃が容易且つ迅速に行わ
れ、しかも床の上方の室内の空気が清浄な状態に保たれ
るようにする建築物の床構造の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題の解決
を意図するもので、本発明による建築物の床構造は、中
空の大引き材を床の下方の定位置に配置し、樋状の横断
面形をもち下端が大引き材により位置決めされていると
共に、上端の近傍により床パネルの支持を行う一連の根
太材を設け、根太材の内部空間への洗浄水の流入を許容
するスリツト,格子等の洗浄水導入手段を根太材の上端
の近傍に介在させ、これらの根太材の内部空間を経由し
て床パネルの上方の室に流入しようとする臭気の流れを
遮断するリツプ弁を各根太材に内蔵させ、根太材の位置
決めを行う上記大引き材の内部空間を経由して床パネル
の上方の室の換気を行う排気装置および上記根太材を経
由して上記大引き材の内部空間に流入した洗浄水を排出
する排水管を設けたことを特徴とする。
【0008】上記本発明による建築物の床構造における
大引き材は、和風建築の大引き材と同様に根太材を受け
る要素であるが、本発明によるものにおける大引き材
は、以下実施例に関連して説明するごとく、根太材によ
り受けられる床パネルの位置決めと、床上の室の防臭
と、床の洗浄水を受ける作用と、床の洗浄に使用された
洗浄水の排出とに利用される多目的の要素である。
【0009】
【実施例】図1は本発明による建築物の床構造の1例を
示す図で、図1に示されるものにおいて設けられている
リツプ弁およびその近傍の構造は図2に示されている。
【0010】図1において、1は大引き材、2は床パネ
ル、3は根太材である。多くの場合、大引き材1および
根太材3はステンレス鋼等の耐食材料製とされる。大引
き材1は床面XーXの下方における定位置に設けられて
いて根太材3を介して床パネル2の位置決めを行う。大
引き材1は図示されていないコンクリート床スラブ上に
直接または間接に固定されている。大引き材1と、根太
材3と、床パネル2との間には、「大引き材1が根太材
3の位置決めを行い」、「大引き材1により位置決めさ
れた根太材3が床パネル2の位置決めを行う」という関
係があり、根太材3と床パネル2とは、大引き材1が定
位置にあることよりして空間内においてのそれらの位置
が決定されている。
【0011】4は根太材3内に設けられたリツプ弁で、
リツプ弁4およびリツプ弁4の近傍の部位はそれを取り
出して図2に示されている。リツプ弁4はゴムまたはゴ
ムに類する合成樹脂製の1対のリツプ片4a,4bより
成る。リツプ片4a,4bはそれらの外方の端部4aー
1,4bー1を静止部材に固定されていると共に、内方
の端部4aー2,4bー2を衝合させられている。図示
のものの場合、上記静止部材は相隣る床パネル2a,2
b間に介在された長い目皿5である。リツプ弁4は特殊
の逆止弁で、目皿5を通して流下する洗浄水の大引き材
1への流入を許容する作用と、大引き材1内の空間内の
悪臭ガスが床パネルの上方の空間内に侵入するのを阻止
する作用とを行う。
【0012】床パネル2の洗浄清掃に使用された洗浄水
は、目皿5及び根太材3を経て大引き材1の内部空間6
内に至り、次いで排水管7に至る。排水管7はコンクリ
ート床スラブの一部として設けることができる。なお、
リツプ弁4は根太材3内の複数箇所に設けることもでき
る。
【0013】大引き材1はコンクリート床スラブ上に植
立された束材により支持され、その場合、束材上には床
パネル2の平坦度を加減するターンバツクル装置等のリ
ンク機構が付設される。
【0014】Bは大引き材1の内部空間6内の空気を屋
外に排出するブロワで、ブロワBは床パネル2の上方の
空間(室内空間C)の換気を目皿5,リツプ弁4,根太
材3および大引き材1を経由して行う。すなわち、ブロ
ワBは室内空間Cを防臭状態に保つ作用を行う要素であ
る。
【0015】
【発明の効果】先に指摘したように、散水洗浄(水洗
浄)を必要とする建築物の床は、多くの場合、コンクリ
ート床スラブ上へのならしモルタルの塗布→アスフアル
ト塗布→押えモルタル層の形成→シンダーコンクリート
層の形成(石炭殻を含むコンクリート層の形成)→タイ
ル下地モルタルの塗布→タイル仕上という一連の工程を
経て形成されるのを普通とし、それが往々にして建築物
築造工事を遅らせていたのであるが、本発明はそのよう
な不都合を解消させると共に散水清掃が可能でしかも補
修の容易な床構造を施工させ得るようにするものであ
る。床パネル上の室の換気が絶えず行われる点も本発明
による床構造の大きな利点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による床構造の1例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1に示すものにおいて設けられているリツプ
弁およびその近傍の構造を示す部分図である。
【符号の説明】
1 大引き材 2 床パネル 2a,2b 相隣る床パネル 3 根太材 4 リツプ弁 4a リツプ片 4b リツプ片 4aー1 リツプ片4aの外方の端部 4aー2 リツプ片4aの内方の端部 4bー1 リツプ片4bの外方の端部 4bー2 リツプ片4bの内方の端部 5 目皿 6 大引き材の内部空間 7 排水管 XーX 床面 B ブロワ C 室内空間

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の大引き材を床の下方の定位置に配
    置し、樋状の横断面形をもち下端が大引き材により位置
    決めされていると共に、上端の近傍により床パネルの支
    持を行う一連の中空の根太材を設け、上記中空の根太材
    の内部空間への洗浄水の流入を許容するスリツト,格子
    等の洗浄水導入手段を該根太材の上端の近傍に介在さ
    せ、これらの根太材の内部空間を経て床パネルの上方の
    室内に流入しようとする臭気の流れを遮断するリツプ弁
    を各根太材に内蔵させ、根太材の位置決めを行う上記大
    引き材の内部空間を経て床パネルの上方の室の換気を行
    う換気装置および上記根太材を経て上記大引き材内に流
    入した洗浄水を排出する排水装置を設けたことを特徴と
    する、建築物の床構造。
  2. 【請求項2】 根太材に内蔵されるリツプ弁が根太材内
    の複数箇所に設けられている、請求項1の建築物の床構
    造。
  3. 【請求項3】 根太材に内蔵されるリツプ弁が根太材の
    樋状横断面形の長手方向の全長に亘る長さをもち、該リ
    ツプ弁が対向しあう弾性に富むゴムまたはゴムに類する
    弾性材料製の1対のリツプ片により構成されている請求
    項1の建築物の床構造。
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