JP2505458B2 - ガス圧ばねを備えた高さ調節可能な回転椅子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は特許請求の範囲１）の上位概念に記載の回
転椅子に関する。

座と背もたれが揺動運動するように別個に回転可能に
支承されているこの種の椅子では、通常いわゆる「脱
衣」作用が起こる。即ち揺動または傾斜移動の際座点と
背もたれ点との間の間隔が変わり、その結果、椅子に座
っている者の衣服の背中の部分がずれる、たとえばシャ
ツがズボンからはみ出る。

西ドイツ連邦共和国実用新案第8417429号からたとえ
ば「点同期調節装置」が知られている。この装置は前記
欠点を除去しようとするものである。しかしそのために
費用のかかる特に容積の大きい機構を座の下に設けなけ
ればならない。その機構はその他に椅子のデザインを悪
くする。

この発明の基本課題は、比較的簡単で且つ緊密に収納
した揺動・傾斜調節機構により前記の「脱衣作用」を無
くそうとするものである。

この課題は特許請求の範囲１）に記載したａ）及び
ｂ）の構成により解決される。他の有利な構成を特許請
求の範囲２以下に記載し且つ以下の実施例において説明
する。

この発明による回転椅子は可なり前方まで突出させ
た、座と背もたれの揺動軸によって最善の同期運動を可
能にして「脱衣作用」を回避し、何等かのピンチ或いは
せん断箇所を被う折り畳み蛇腹を必要としない全機構の
収納を可能にする場所をとらない且つ全く新規な安定し
たデザインとなる。もっぱら費用の安い鋼管から成る支
持構造はあらゆる目的、即ち秘書の椅子から重し社長用
の椅子に至るまで利用できる基本設計である。

回転椅子の十字脚部１に固定結合された竪管２上に鈍
角湾曲した支持管３の下端を摺動可能且つ回転可能に案
内してあり、竪管２と支持管３との間に案内用で且つ追
加的支持用のプラスチックブシュ４を設けてある。竪管
２はプラスチック製案内スリーブ５の内部にガス圧ばね
６を収容してある。このガス圧ばね竪管２の下部で軸端
スラスト軸受７上に支承されており、上部は円錐状にな
つて円錐ブシュ９の中にある。円錐ブシュは10のところ
で孔を介して支持管３に、11のところで支持管３の下端
部の中に熔接された挿入管12に熔着される。支持管３の
上端部には横管13が固定的に結合されている。その場合
支持管３と横管13は、両方の管3,13の内法横断面積がい
づこでもこの結合によって拘束されることのないように
切り出され且つ相互に熔着されている。横管13は支持管
３に対して垂直であり且つ水平に設けられている。

第１図に示すように、支持管３の上端部に椅子調節用
の全機構を収納してある。ここには支持管３の中に案内
ブロック14がねじ15により固定されている。案内ブロッ
ク14の中には係止部材16が摺動可能に支承されている。
この係止部材は座枠17と背もたれ枠18の傾斜位置を固定
するためにラック19に係合する。ラックは第１図と第２
図の実施例では座枠17の横方向湾曲部材20に固定されて
おり且つ開口部21から支持管３の中に突出している。ラ
ック19は内側の自由端部に長い歯形部22を有する。この
歯形部は係止部材が引っ込んでいるときこの係止部材に
突き当たるので、ラック19は支持管３の開口部21からす
っかり引き出されてしまうことはない。そのために係止
部材16の解除運動は板ばね23によって制限される。この
板ばねは機構を解体するときドライバ等により押し離す
ことができる。

係止部材16は連結棒24を介して軸26のレバー25に連結
されている。前記軸は軸受台27,28中で横管13の左側の
側面中に支承されており、外端部に作動レバー（図示せ
ず）を支持しており、作動レバーは座枠17の下側左前方
にあって手が届く。横管13の右側には更に別の軸受台2
9,30があり、これらの軸受台に軸26と同列の軸31を更に
一本支承してある。この軸は椅子の高さ調節のための作
動機構に属している。軸31の内側端部のレバー32は連結
棒33を介してアングルレバー34と連結しており、アング
ルレバーは案内ブロック14の後端部に支承されており、
座の下の前方右側にあって手が届く作動部材35（第２
図）を操作するときガス圧ばね６の弁のタペット36を押
してガス圧ばねを解放して高さを調節する。

座枠17は両側の前端部に軸受穴37を有する。この軸受
穴は外側の軸受台27,29中にねじ込めるジャーナル38に
回転可能に支承されている。軸受台27〜30中の背もたれ
枠18の回動支承のための軸は二つのねじればね39によっ
て形成され、これらのねじればねはそれぞれの長いばね
脚部40によって背もたれ枠18の下部の付属管中に固定さ
れている。そのためにこれらの管中にブシュ41（第２図
参照）を設けてあり、またばね脚部０は偏平部を有し、
この偏平部に締付ねじ（図示せず）が係合する。

支持管３と横管13の間の連結位置の領域にねじればね
39はより短いばね脚部43を有し、これらのばね脚部は調
節ナットとして構成された停止ブロック44に対して押し
付けられ、停止ブロックはローレット板45により支持管
３の前端部で移動可能で、ねじればね39の弾性が調整さ
れる。座枠17と背もたれ枠18は両側で枢着継板46により
相互に連結されている。

背もたれ枠18の上部の両側の管中には追加のばね要素
47を挿入してある。これらのばね要素の自由な部分には
背もれ枠18の管の直径を補足するたわみ性のプラスチッ
クカバー48を通してある。

第４図に示した実施例は次の点でのみ第１図の実施例
と異なる。即ちラック19がこの例では背もたれ枠18の下
部の横方向湾曲部材49に固定されており、背もたれ枠は
ゴム・金属緩衝器50を介して座枠17と連結している点で
ある。

ねじればね39は特に丸棒から製造されているが、板ば
ね部品からも製造できる。椅子のクッシヨンは図示して
ないが、任意である。というのは前記の椅子台とその機
構は初めに記載したようにどこでも使用できる基本台と
して役立つからである。

第５図は回転椅子の他の実施態様の部分断面図であ
る。係止部材16′は、これをラック19に挿入しようとす
るばね51の力を加えられている。係止部材16′を解除す
るための（ここに図示してない）キーは係止キーとして
構成されている。即ちキーの最初の押しで係止部材16′
がラック19から引き出されて、キーの次の押しでまた解
放される。そのためにばね53の力を受けて二つの平面で
回動可能な爪54が使用される。このつめは電気または電
子機器の係止作用開閉キーに普通に用いられているもの
であり、従って詳細な記載は必要ないものである。爪54
は係止部材16′のピン55と共に作動する。

第６図及び第７図の実施例ではねじればね39′に対し
てより長い長さの有効なばねとしての長さが使用され
る。そのためにねじればね39′の最も外側と端部がスリ
ーブ継手56（第７図及び第８図）を介して管57と摩擦係
合している。前記管はスピンドルナット44′の方向に及
ぶねじれ力より強い。ねじればね39′の平坦な端部58は
スリーブ継手56の対応する偏平孔中に延在している。管
57の内側端部には鈎60が固定されており、この鈎がスピ
ンドルナット44′の鈎状の延長部61に係合する。回しぼ
たん63によりスピンドルナット44′中にある調節スピン
ドル62を移動させることによってねじればね39′の一時
緊張を設定することができる。

第９〜11図はねじればね39′一時緊張のための調節機
構をやや拡大して示している。横方向管13′には前方へ
突出する長方形の箱型の延長部64を固定してある。この
延長部には調節スピンドル62とスピンドルナット44′が
ある。調節スピンドル62には環状帯65があり、この環状
帯にはスラスト玉軸受66が当接しており、スラスト玉軸
受の他の支台部は本質的に長方形の対圧板67にあり、こ
の対圧板は第10図に鎖線で示すようにナット44′による
スピンドルの組込みとねじと工具のないそれ自体の組込
みを可能にしている。というのは対圧板67に拡大孔68を
有するからである。対圧ガス板67は取付けられた状態で
偏平なくぼみ69によりケーシング状６延長部64の切欠部
70の中にある。くぼみ69の丸溝71には玉軸受66のための
レース72があり、レースはスピンドル62に合う孔を有
し、従って調節スピンドル62は対圧板67の拡大孔68と同
心であり、常にねじればね39′の圧力を受けている。

第12図は横管13′のここには図示してない一端に支承
してある作動棒73の配置・構成を示している。即ちレバ
ー74を介して既に第２図の説明に記載した軸31と連結し
ていて回転椅子の高さを調節するための作動機構に属す
る。レバー74はスリット75を通って横管13′から突出し
ており、作動キー73は上に向かってくちばし状の延長部
76を有し、延長部はレバー74が静止位置にあるときスリ
ット75を被って、指を挟まないようになる。

第12図に示すように座枠17は、傾倒運動が係止部材16
によって解放してある場合にも軸77中心の傾倒が制限さ
れている。そのため座枠17は横管13′の前方上縁の前の
ブラケット78に支承されている。

【図面の簡単な説明】 第１図は第一実施例の回転椅子の垂直断面図、第２図は
第１図の回転椅子の一部破断平面図、第３図は第１図の
III−III線に沿う断面図、第４図は第二実施例の一部切
断側面図、第５図は係止部機構を有する支持管の一部分
の断面図、第６図は第三実施例の平面図、第７図はこの
実施例の正面図、第８図は第７図のVIII−VIII線に沿う
部分断面図、第９図はねじればねの一時緊張調節機構の
正面図、第10図は第９図の構造の平面図、第11図はこの
構造の切断側面図、第12図は作動キーの配置・構成の側
面図である。 図中符号 １……十字脚部、２……竪管、３……支持管、６……ガ
ス圧ばね、13……横管、14……案内ブロック、16……係
止部材、17……座枠、18……背もたれ枠、19……ラッ
ク、20……横方向湾曲部材、21……開口部、39……ねじ
ればね、40、43……ばね脚部、44……停止ブロック、46
……枢着継板。

Claims (17)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】座枠と背もたれ枠とが相互に枢着し且つ弾
   力に対して同期して揺動運動可能に連結しており、何箇
   所かで座と背もたれを傾斜させて固定できるガス圧ばね
   を備えた高さ調節可能な回転椅子において、ａ）座枠
   （17）と背もたれ枠（18）の傾斜の解除、調節、固定
   と、高さ調節の解除と揺動弾力の設定に必要な全機構を
   鈍角に湾曲した支持管（３）の中に収容してあり、支持
   管は下端部で十字脚部（１）上にあるガス圧ばね（６）
   を収容している竪管（２）を回転可能且つ摺動可能に囲
   んでおり、上端部では支持管に対して横方向の水平な横
   管（13）と連結しており、この横管中に座枠（17）と背
   もたれ枠（18）との回転軸を入れてあり、ｂ）背もたれ
   枠（18）の回転軸を二個のねじりばね（39）によって形
   成してあり、これらのねじりばねはそれぞれ長い湾曲ば
   ね脚（40）により背もたれ枠（18）の下部の管の中に固
   定してあり、短いばね脚（43）により支持管（３）の上
   端部にある移動可能に構成された停止ブロック（44）に
   当接していることを特徴とする、回転椅子。
2. 【請求項２】座枠（17）と、背もたれ枠（18）の下部と
   を継板（46）を介して椅子の両側で相互に連結してあ
   り、傾斜設定するために座枠（17）の横方向湾曲部材
   （20）にラック（19）を固定してあり、ラツクは開口部
   （21）から支持管（３）の中に入っており、支持管の中
   で案内ブロック（14）中を摺動可能に支承された係止部
   材（16）と共に作用するように構成した、特許請求の範
   囲１）に記載の回転椅子。
3. 【請求項３】ラック（19）を背もたれ枠（18）の下部の
   横方向湾曲部材（49）に固定してあり、座枠（17）と、
   背もたれ枠（18）の下部とをゴム・金属緩衝部材（50）
   を介して相互に連結してある、特許請求の範囲１）また
   は２）に記載の回転椅子。
4. 【請求項４】支持管（３）の両側へ向かって延在する水
   平は横管（13）のアームの中にねじればね（39）及び軸
   （26,31）のための軸受台（27〜30）を配設してあり、
   外端には一側面の揺動機構の係止部材（16）のために、
   そして案内ブロック（14）の後端部に支承された、他の
   側面のガス圧ばね（６）の弁棒（36）を作動させるため
   のアングルレバー（34）のために座の下側で到達可能な
   各一個の作動レバー（たとえば35）を固定してある、特
   許請求の範囲１）〜３）のいずれか一に記載の回転椅
   子。
5. 【請求項５】弁棒（36）を作動させるためのアングルレ
   バー（34）と係止部材（16）とをそれぞれ連結棒（24,3
   3）を介して軸（26,31）に固定されたレバー（25,32）
   に枢着結合してある、特許請求の範囲４）に記載の回転
   椅子。
6. 【請求項６】係止部材（16）の解除運動を制限するため
   に案内ブロック（14）に板ばね（23）を設けてある、特
   許請求の範囲１）〜５）のいずれか一に記載の回転椅
   子。
7. 【請求項７】座枠（17）の前端部に固定された、下方に
   突出する支承穴（37）をそれぞれ外側の軸受台（27,2
   9）に沿ってジャーナル（38）上に回転可能に支承して
   ある、特許請求の範囲１）〜６）のいずれか一に記載の
   回転椅子。
8. 【請求項８】ねじればね（39）は丸鋼棒である、特許請
   求の範囲１）〜７）のいずれか一に記載の回転椅子。
9. 【請求項９】ねじればね（39）は板ばね部品である、特
   許請求の範囲１）〜７）のいずれか一に記載の回転椅
   子。
10. 【請求項１０】竪管（２）を囲む支持管（３）の下端部
    に支持管（３）を案内し且つ追加支持するためのプラス
    チックブシュ（４）を設けてある、特許請求の範囲１）
    〜９）のいずれか一に記載の回転椅子。
11. 【請求項１１】背もたれ枠（18）の上部の側面管中に追
    加のばね要素（47）を挿入してある、特許請求の範囲
    １）〜10）のいずれか一に記載の回転椅子。
12. 【請求項１２】ばね要素（47）が丸鋼棒であって、その
    自由な部分にたわむプラスチックカバー（48）をかけて
    ある、特許請求の範囲11）に記載の回転椅子。
13. 【請求項１３】支持管（３）とこの支持管に対して横方
    向にある水平な横管（13）とが相互に入り込み且つ熔着
    してあって、両方の管（3,13）の内法横断面が自由であ
    る、特許請求の範囲１）〜12）のいずれか一に記載の回
    転椅子。
14. 【請求項１４】横管（13）が角のとれた三角形の横断面
    を有し、その高さがほぼ支持管（３）直径に相当してい
    る、特許請求の範囲13）に記載の回転椅子。
15. 【請求項１５】停止ブロック（44）がスピンドルナット
    （44′）であり、このスピンドルナットに調整スピンド
    ル（62）がかん合する、特許請求の範囲１）〜14）のい
    ずれか一に記載の回転椅子。
16. 【請求項１６】座枠（17）の回転軸を横管（13）上に載
    置してあり、座の傾斜と高さ調整のために作動キーを横
    管（13）の中に組込んであり、これらの作動キーの内
    （52）を揺動機構用に係止キーとして構成してある、特
    許請求の範囲１）に記載の回転椅子。
17. 【請求項１７】横管（13′）内部でねじればね（39′）
    の外端部がこの外端部を緩く囲む管（57）の一端部と非
    摩擦係合しており、囲む管がスピンドルナット（44′）
    の鈎状突起（61）の鈎（60）により他端に係合する、特
    許請求の範囲１）に記載の回転椅子。