JP2504991Y2 - マイクロ波増幅器のバイアス回路 - Google Patents

マイクロ波増幅器のバイアス回路

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JP2504991Y2
JP2504991Y2 JP1988035925U JP3592588U JP2504991Y2 JP 2504991 Y2 JP2504991 Y2 JP 2504991Y2 JP 1988035925 U JP1988035925 U JP 1988035925U JP 3592588 U JP3592588 U JP 3592588U JP 2504991 Y2 JP2504991 Y2 JP 2504991Y2
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禎彦 杉浦
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はマイクロ波増幅器のバイアス回路、特にソー
ス接地のGaASショッキトゲート型電界効果トランジスタ
(MESFET)を増幅素子として使用したマイクロ波増幅器
において、利得の温度補償を目的としたゲート側バイア
ス回路に関する。
〔従来の技術〕
第2図は従来のマイクロ波増幅器のバイアス回路図を
示す。図において1はGaAsMESFETであり、Dはドレイン
端子,Gはゲート端子,Sはソース端子である。ドレイン端
子Dにはドレインバイアス電圧Vdとして3〜5Vが供給さ
れる。ソース端子Sは接地される。ゲート端子Gはゲー
トバイアス電圧として0〜2Vが供給されるが、第2図に
示すように負電源−Vgの電圧を抵抗2および3で分圧す
ることにより所望の電圧を得る。
この種のマイクロ波増幅器では、その利得はゲートバ
イアス電圧に依存し、ゲートバイアス電圧が低い程利得
が小さくなる。この性質を利用して増幅器の利得の温度
補償を行うことができる。また、ゲートバイアス電圧が
一定の場合、増幅器の利得は低温程大きくなる。したが
って低温時にゲートバイアス電圧が低くなるようすれば
温度補償が可能となる。温度補償を実施する場合、負電
源−Vgの分圧抵抗2あるいは3の少なくとも一方を温度
可変抵抗にする。この第2図の例では抵抗3を正特性の
温度可変抵抗にしており、低温時に抵抗3の抵抗値が小
さくなるためゲートバイアス電圧が低くなり、温度補償
ができる。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、第2図に示す従来のマイクロ波増幅器
のバイアス回路では温度可変抵抗の変化率に上限がある
ため、利得の温度変化が大きい場合には補償が不充分に
なる欠点があった。
一例として、−Vgが−5V、ゲートバイアス電圧が−1V
の場合を想定する。温度可変抵抗の変化率の上限は室温
(+25℃)から低温(−15℃)に対して抵抗値が約75%
に減少する。
室温でゲートバイアス電圧を−1Vに設定した場合、低
温では−1.25Vとなる。−Vgを−10Vと低くすれば−1.29
Vと若干電圧変化を大きくできるが、大幅には変わらな
い。増幅器の利得変化が大きく、低温時にゲートバイア
ス電圧を−1.29V以下にする必要がある場合には温度補
償が不充分となる。
本考案は上述した問題を解消し、温度補償が充分に行
えるバイアス回路を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本考案のバイアス回路は、GaAsMESFETを使用し、該FE
Tのドレイン端子に正のバイアス電圧を印加し、ソース
端子を接地したマイクロ波増幅器のゲート側バイアス回
路に、正負の2電源を用い、これら正負の電源電圧を抵
抗回路で分圧して該FETのゲートに供給し、かつこの分
圧用の抵抗回路の負電源側を少なくとも1つ以上の正特
性の温度可変抵抗で構成している。
〔作用〕
上述した構成では、ゲートバイアス電圧が正負の2電
源であるために、バイアス電圧の範囲を広げることが可
能となる。
〔実施例〕 次に、本考案を図面を参照して説明する。
第1図は本考案のマイクロ波増幅器のバイアス回路の
回路図を示し、第2図と同一部分には同一符号を付して
ある。図において1はGaAsMESFETであり、Dはドレイン
端子,Gはゲート端子,Sはソース端子である。ドレイン端
子Dにはドレインバイアス電圧Vdとして3〜5Vが供給さ
れる。ソース端子Sは接地される。ゲート端子Gはゲー
トバイアス電圧として0〜−2Vが供給されるが、ここで
は負電源−Vgと、正電源+Vggの2電源の電圧を抵抗2
および3で分圧している。また、ここでは抵抗3を正特
性の温度可変抵抗としており、低温時に抵抗3の抵抗値
が小さくなる。
この回路によれば、低温時に抵抗3の抵抗値が小さく
なるためにゲートバイアス電圧が低くなり、増幅器の利
得を抑制してその温度補償が実現できる。そして、この
場合では、正負の2電源を用いていることにより、温度
補償可能な利得変化を大幅に増加させることができる。
例えば、第2図の例と同様に、室温でのゲートバイア
ス設定値を−1Vとした場合、−Vgを−5V、+Vggを5Vと
すれば低温でのゲートバイアス電圧は−1.67Vとなる。
−Vgが−10V,+Vggが10Vとすれば−2.39Vとなる。した
がって、十分な温度補償が実現できることが判る。
なお、GaAsMESFETではドレインバイアス電圧供給用に
正電源を必要としているため、ゲートバイアス電圧に正
負の2電源を使用することは回路上不利にはならない。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案はゲートバイアス供給用の
電源に正負の2電源を用い、かつ分圧用の抵抗の負電源
側に少なくとも1つ以上の正特性の温度可変抵抗を用い
ることにより、増幅器利得の温度補償範囲を拡大するこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のマイクロ波増幅器のバイアス回路の回
路図、第2図は従来のマイクロ波増幅器のバイアス回路
の回路図である。 1……GaAsMESFET、2……抵抗、3……温度可変抵抗、
D……ドレイン端子、G……ゲート端子、S……ソース
端子、Vd……ドレインバイアス電圧、−Vg……ゲートバ
イアス負電圧、+Vgg……ゲートバイアス正電圧。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAsショットキゲート型電界効果トランジ
    スタを増幅素子として使用し、該トランジスタのドレイ
    ン端子に正のバイアス電圧を印加し、ソース端子を接地
    したマイクロ波増幅器のゲート側バイアス回路におい
    て、該ゲートバイアス電源を正負の2電源で構成し、こ
    の正負の2電源電圧を抵抗回路で分圧してゲートバイア
    ス電圧を得るとともに、この分圧用の抵抗回路の負電源
    側を少なくとも1つ以上の正特性の温度可変抵抗で構成
    したことを特徴とするマイクロ波増幅器のバイアス回
    路。
JP1988035925U 1988-03-18 1988-03-18 マイクロ波増幅器のバイアス回路 Expired - Lifetime JP2504991Y2 (ja)

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