JP2504695B2 - ベンジル化反応物の製造法 - Google Patents

ベンジル化反応物の製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンジル化反応物の製
造法に関し、より詳しくは天然リグノセルロースを含む
原料をマーセル化し、次にベンジル化してベンジル化リ
グノセルロースを生成する製造法に関するものである。
このベンジル化リグノセルロースを製造する技術は、第
2次世界大戦中においてドイツで盛んに研究され、一部
実用化がされたがその後において石油産業の発達ととも
に取り残された。しかし、最近において地球環境問題が
クローズアップされ出してから再評価されつつある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のベンジル化反応物の製造
法においては、マーセル化反応が固体の天然リグノセル
ロースを含む原料と液体のアルカリ液との親水性の反応
であり、またベンジル化反応が固体のアルカリリグノセ
ルロースと液体の塩化ベンジル液との疎水性の反応であ
るために別々の反応であると考えられて個別に処理され
て、具体的には次のように処理されている。
【0003】まず、天然リグノセルロースを含む原料を
粉砕乾燥して、この粉砕乾燥後に第1の反応容器内にお
いて理論量の10倍以上のカセイソーダ液などの強アル
カリ液中に攪拌しながら浸漬処理してマーセル化反応を
行わせる。こうして、余剰のカセイソーダ液を含む膨潤
したアルカリリグノセルロースを生成させ、この余剰の
カセイソーダ液を遠心分離機、瀘過機などによって除去
する。
【0004】次に、第1の反応容器とは別の第2の反応
容器内において、余剰のカセイソーダ液が除去された膨
潤したアルカリリグノセルロースに理論量の数倍以上の
塩化ベンジル液を加えて加温し、数時間に亘ってベンジ
ル化反応を行わせる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述された
ものにおいては、第1の反応容器内でマーセル化反応、
また第2の反応容器内でベンジル化反応を行わせて個々
の反応が同一反応容器内で一連に行われないために操作
面で面倒であるという問題点がある。また、個々の反応
が異なる反応容器内で個別に行われるために理論量の1
0倍以上若しくは数倍以上のカセイソーダ液および塩化
ベンジル液を必要として経済的ではないという問題があ
る。さらに、理論量の10倍以上若しくは数倍以上のカ
セイソーダ液および塩化ベンジル液を用いるがために、
アルカリリグノセルロースに付随した余剰のカセイソー
ダ液と余剰の塩化ベンジル液とが反応するようになって
副反応生成物であるベンジルアルコール、ベンジルエー
テルなどが多量に生成され、更にはそれら一連の反応生
成物である食塩も多量に生成されるという問題点があ
る。
【0006】本発明は、このような問題点を解消するこ
とを目的として、操作面において容易であるとともに、
アルカリ液および塩化ベンジル液の使用を理論量の近く
まで減少させることが可能なベンジル化反応物の製造法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題点を克服する方法について種々に研究した結果、
(a)マーセル化反応は常温または常温より低い温度で
反応が進行する天然リグノセルロースを含む原料とマー
セル化剤であるアルカリ液との反応であり、(b)ベン
ジル化反応は常温を超える高い温度で反応がし易く、ま
たベンジル化剤である塩化ベンジル液が疎水性であって
天然リグノセルロースを含む原料とは直接には反応しに
くく、一方マーセル化反応による生成物であるアルカリ
リグノセルロースとはアルコキシル基とのイオン反応で
進行する、という知見を得、本発明を完成するに至った
のである。
【0008】本発明によるベンジル化反応物の製造法
は、同一反応容器内において天然リグノセルロースを含
む原料に対してマーセル化剤およびベンジル化剤が混入
された状態とし、この混入状態においてまず反応温度を
常温または常温より低く保持して主としてマーセル化反
応を行わせ、続いて反応温度を上昇させて常温を超える
高い反応温度としてベンジル化反応を行わせてベンジル
化リグノセルロースを生成させることである。
【0009】実際の操作で説明すると、例えば冷却・加
熱が可能なジャケットを有する反応容器内に、粉体また
は小片状の天然リグノセルロースを含む原料とマーセル
化剤であるアルカリ液、例えばカセイソーダ液,水酸化
カリウム液または水酸化カルシウム液とベンジル化剤で
ある塩化ベンジル液とを入れ、ジャケットにブライン冷
媒などの冷却媒体を供給して常温または常温より低い温
度に保持させながら攪拌混合が十分に行い得る状態にす
る。この攪拌混合状態において、まず親水性の天然のリ
グノセルロースを含む原料とアルカリ液とのマーセル化
反応が起こり、アルカリリグノセルロースが生成され
る。
【0010】従来においては、マーセル化反応後の余剰
のアルカリ液を遠心分離機、瀘過機などによって除去し
て塩化ベンジル液を加えベンジル化反応を行わせたが、
本発明法においてはアルカリ液を除去せずにそのままジ
ャケットにスチームなどの加熱媒体を供給して加温す
る。この加温により温度が上昇するにつれてアルカリリ
グノセルロースと塩化ベンジル液とのベンジル化反応が
促進されて、加温しながら反応の最適温度を保持すると
ベンジル化生成物を多く含むものが得られる。このベン
ジル化反応物から溶剤および洗浄水によって副反応生成
物を除去して乾燥すると、ベンジル化リグノセルロース
が得られる。
【0011】この一連の反応において、例えばジャケッ
トに冷却媒体を供給することによりマーセル化反応時の
アルカリセルロース生成反応熱を除去して温度を35℃
以下に保持しながらマーセル化反応時間を90分以内で
終了させ、次に例えばジャケットに加熱媒体を供給する
ことによりベンジル化反応を90〜120℃で少なくと
も3時間に亘って行わせて最終製品のベンジル化リグノ
セルロースを得るならば、よりじん性のあるものが得ら
れることがわかった。この理由は、アルカリセルロース
生成時に、低い温度では副反応であるアルカリ液と塩化
ベンジル液との反応が起こりにくくなってマーセル化反
応が優位に進行し、またアルカリ液による天然リグノセ
ルロースを含む原料の構成成分の分解・低分子化なども
抑えられて、後のベンジル化反応への条件をよくしてい
るためではないかと推定される。また、このような一連
の操作の中で同一反応容器内における反応の場合には、
マーセル化反応時に攪拌混合および冷却が十分に行ない
得ると、アルカリ液と塩化ベンジル液との使用量を理論
量の近くまで減少させてもリグノセルロースのベンジル
化反応物が得られることが解明された。
【0012】前述のようにして得られたベンジル化反応
物を従来法によって得られたベンジル化反応物と比較す
るために、天然リグノセルロースを含む原料に対するベ
ンジル化反応物の収量を、次のようにして得た。
【0013】ベンジル化反応物に対してメタノールの5
0倍溶液と、水とで交互に各5回に亘って反応物を十分
に洗浄し、次に水中において24時間に亘って攪拌洗浄
したものをグラスフィルタで瀘過し、48時間に亘って
真空乾燥機内において乾燥後に重量測定した。また、ベ
ンジル化反応物の物性は、フローテスターによる軟化点
や流動化点など、ヤング率、引張り強度およびFTIR
分析により測定して従来法によるベンジル化反応物と同
様のものであるとの判定の資料とし、次表1のような結
果が得られた。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明におけるベンジル化反応物の製造
法によれば、マーセル化反応およびベンジル化反応が同
一反応容器内で一連に行われるために操作面において容
易である。また、マーセル化反応時に攪拌混合および冷
却が十分に行い得るとアルカリ液と塩化ベンジル液との
使用量を理論量の近くまで減少させ得て経済的であると
ともに、副反応生成物なども減少され得、更にその副反
応生成物などを洗浄除去するのに多量の溶剤、洗浄水を
必要としない。
【0016】
【実施例】次に、本発明によるベンジル化反応物の製造
法の実施例により具体的に比較例とともに説明する。天
然リグノセルロースを含む原料を粗砕して温風乾燥器内
において60〜70℃の温度で48時間に亘って乾燥
し、この乾燥後に乾燥空気により冷却してハンマークラ
ッシャーにて粉砕する。次に、この粉砕された原料を5
0メッシュのふるいにかけ、ふるい目を通過した乾燥粉
末状の原料を得る。
【0017】こうして、この乾燥粉末状の原料の60g
と所定量の40%のカセイソーダ液並びに所定量の10
0%の塩化ベンジル液とを冷却・加熱が可能なジャケッ
トを有するチタン製イカリ型攪拌機付密閉可能容器内に
入れ、このジャケットにブライン冷媒を供給して内容物
を十分に攪拌する。このときに、密閉可能容器内を温度
測定して容器内温度が所定温度に保持されるようにブラ
イン冷媒量をコントロールし、この状態を所定時間に亘
って保ってマーセル化反応を行わせる。次に、ジャケッ
トにブライン冷媒をスチームに切替えて供給して加温
し、温度を上昇させて所定温度にまで上げ、この所定温
度に保持されるようにスチーム量をコントロールし、こ
の状態を所定時間に亘って保ってベンジル化反応を行わ
せる。
【0018】このベンジル化反応の終了後に、再びジャ
ケットにブライン冷媒を供給して60℃以下にまで冷却
し、反応停止剤として100ccのメタノールを密閉可能
容器内に入れる。この後に、餅状のものとなる反応物を
密閉可能容器から破砕可能な攪拌機を有する他の容器内
に移して各500ccのメタノール並びに蒸留水で交互に
5回に亘って各30分間だけ洗浄する。次に、蒸留水に
より24時間に亘って浸漬し、この浸漬後にグラスフィ
ルタで瀘過して水分を除去し、この水分の除去後に温風
乾燥器内において60〜70℃の温度で48時間に亘っ
て乾燥してベンジル化反応物を得る。
【0019】表2は、本発明法による前述のようにして
各天然リグノセルロースを含む原料に対するマーセル化
条件(カセイソーダ液の量;容器内保持温度,時間)お
よびベンジル化条件(塩化ベンジル液の量;容器内保持
温度,時間)によるベンジル化反応物の収量、更には収
率(収量g/原料g)、フローテスターによる温度特
性、材料強度のヤング率および引張り強度が示してい
る。
【0020】
【表2】
【0021】また、表3は比較例として従来の技術にお
いて述べたようにして40%のカセイソーダ液および1
00%の塩化ベンジル液を用いて前述のように得られる
各60gの乾燥粉末状の天然リグノセルロースを含む原
料に対するマーセル化条件(カセイソーダ液の量;容器
内保持温度,時間)およびベンジル化条件(塩化ベンジ
ル液の量;容器内保持温度,時間)によるベンジル化反
応物の収量、更には同様に収率(収量g/原料g)、フ
ローテスターによる軟化点や流動化点、材料強度のヤン
グ率および引張り強度が示している。
【0022】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法によるフローテスターによる温度特性例
【図2】本発明法によるフローテスターによる温度特性
例図
【図3】従来法によるFTIR分析値例図
【図4】本発明法によるFTIR分析値例図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見 泰博 大阪市淀川区加島4丁目6番23号 日本 化学機械製造株式会社内 (72)発明者 都宮 孝彦 大阪市淀川区加島4丁目6番23号 日本 化学機械製造株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一反応容器内において天然リグノセル
    ロースを含む原料に対してマーセル化剤およびベルジル
    化剤が混入された状態とし、この混入状態においてまず
    反応温度を常温または常温より低く保持して主としてマ
    ーセル化反応を行わせ、続いて反応温度を上昇させて常
    温を超える高い反応温度として主としてベンジル化反応
    を行わせてベンジル化リグノセルロースを生成すること
    を特徴とするベンジル化反応物の製造法。
  2. 【請求項2】 前記常温または常温より低い反応温度と
    は35℃以下であるとともに、前記常温を超える高い反
    応温度とは90〜120℃であることを特徴とする請求
    項1に記載のベンジル化反応物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2990209B2 (ja) 1994-07-06 1999-12-13 日本化学機械製造株式会社 木質系樹脂の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2990209B2 (ja) 1994-07-06 1999-12-13 日本化学機械製造株式会社 木質系樹脂の製造法

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