JP2503643Y2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は複写機、レーザ記録プリンタ等の画像形成
装置の現像装置に関し、特に現像装置内のトナーが不足
しているか否かを検知するトナー残量検知センサの設置
位置に自由度をもたせることができる現像装置に関す
る。

（従来の技術） 複写機、レーザ記録プリンタ等の画像形成装置は、周
知のように、像担持体（感光ドラム）上の静電像を可視
化する現像装置を有している。

この現像装置１は、一般に、第４図に示されているよ
うに、トナー貯蔵室２、現像室３、トナー残量検知セン
サ５、搬送攪拌アジテータ６、現像ロール７およびトリ
マブレード８から構成されており、該現像装置１内にト
ナー４が残っているかどうかはトナー貯蔵室２の出口近
傍に配置された前記トナー残量検知センサ５によって検
出される。

第５図の斜視図に示されているように、搬送攪拌アジ
テータ６は、アジテータクランクシャフト6aと搬送攪拌
ブレード6bから構成されている。そして、該搬送攪拌ア
ジテータ６は第４図から明らかなように、時計方向に回
動され、この時搬送攪拌ブレード6bの先端がトナー貯蔵
室２の内壁を摺動することにより、トナーの搬送と攪拌
をする。

トナー４は搬送攪拌アジテータ６によって、トナー貯
蔵室２から現像室３に送られ、現像ロール７によって所
定量、図示されていない像担持体（感光ドラム）上に運
ばれる。像担持体に付着しなかったトナーはトリマブレ
ード８によって掻き落とされ、現像室３内に戻される。

（考案が解決しようとする課題） トナー貯蔵室２および現像室３は図示のような形状を
しており、また搬送攪拌アジテータ６は前記のような構
成をしているため、トナー４はトナー貯蔵室２から現像
室３に向かって搬送されるので、トナー残量検知センサ
５の設置位置はトナー貯蔵室２の出口近傍が好適であ
る。また、トナー４が磁性トナーの場合には、該トナー
残量検知センサ５として、磁気センサが使用される。

磁気センサはよく知られているように、その軸方向の
約5mmの範囲内に磁性、導電性物質が存在すると、これ
を検知する。複写機、レーザ記録プリンタ等の画像形成
装置においては、通常現像装置１の下側に板金で作られ
た紙送りのガイドが配置されており、このガイドが前記
トナー残量検知センサ５の近傍に配置されると、トナー
残量検知センサ５はこれによって動作し、トナー４の残
量検知ができなくなる。

したがって、従来の現像装置のように、トナー残量検
知センサ５がトナー貯蔵室２の出口近傍に配置される
と、紙送りのガイドを現像装置１から離して設置しなけ
ればならず、小型、軽量化の点で不利であるという問題
があった。逆に、紙送りのガイドの位置を優先すると、
現像装置１のトナー貯蔵室２の容量を減じたり、あるい
はトナー残量検知センサ５のトナー貯蔵室２への取付け
位置を変えたりしなければならず、別の課題が発生する
という問題があった。

本考案の目的は、前記した従来装置の問題点を除去
し、現像装置のトナー貯蔵室の容量を減じずに紙送りガ
イドを現像室の近傍に配置でき、かつトナーの残量を有
効に検知できる現像装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段および作用） 前記目的を達成するために、この考案は、現像装置の
トナー貯蔵室内に設けられた一方向に回動し、トナーの
搬送、攪拌およびすくい取りを行う搬送攪拌兼すくい取
りアジテータと、トナー搬送方向とは逆のトナー貯蔵室
後方の斜め下部に配置されたトナー残量検知センサとを
具備し、前記搬送攪拌兼すくい取りアジテータは断面が
円形の前記トナー貯蔵室の半径方向に延び、該トナー貯
蔵室の内壁を摺動してトナーを該トナー貯蔵室から現像
室へ搬送する搬送攪拌ブレードと、該搬送攪拌ブレード
のホルダから該搬送攪拌ブレードに対して直角またはこ
れに近い角度で前記回動方向に延びるへらを少なくとも
有するようにした点に特徴がある。

この考案によれば、前記アジテータを、トナー貯蔵室
内において、例えば時計方向に回動させることにより、
トナーは前記搬送攪拌ブレードにより現像室に搬送され
る。この時、残存トナーは搬送攪拌ブレードと前記へら
との間に保持されてトナー貯蔵室内をさらに回動し、該
アジテータが鉛直上方の位置からさらに回動すると、前
記へらの上に保持されたトナーが前記トナー残量検知セ
ンサ上に落下する。

このようにして、トナー貯蔵室後方に配置されたトナ
ー残量検知センサにより、トナー貯蔵室内にトナーが残
存しているか否かを判別することができる。

（実施例） 以下に、図面を参照して、本考案を詳細に説明する。

第１図は本考案の現像装置の一実施例の断面図を示
す。図において、９は本考案の主要部である搬送攪拌兼
すくい取りアジテータ（以下、単にアジテータと呼ぶ）
であり、該アジテータは、クランクシャフト9aと搬送攪
拌ブレード9bとへら10aを有している。また、５はトナ
ー残量検知センサであり、図示されているように、トナ
ー貯蔵室２のトナー搬送方向の後方に配置されている。
このトナー残量検知センサ５は現像装置１内のトナーが
磁性トナーの場合には例えば差動トランス型磁気センサ
等の磁気センサが用いられるが、非磁性トナーの場合に
は、圧電式振動検知センサ等が用いられる。

11は前記アジテータ９によって回帰されたトナーを示
し、他の符号は第４図と同一または同等物を示す。

第２図に、前記アジテータ９の一具体例を示す。図は
アジテータ９の分解斜視図である。

図示されているように、アジテータ９はクランクシャ
フト9a（同図（ａ））と、へら10a、ブレードホルダ10b
（同図（ｂ））と、ゴムやプラスチック等で作られた搬
送攪拌ブレード9b（同図（ｃ））とから構成されてい
る。前記ブレードホルダ10bには、一体にへら10aとかし
め部10c1〜10c4が形成されている。へら10aはブレード
ホルダ10bの面に対してほぼ垂直になるように張り出さ
れている。また、搬送攪拌ブレード9bは、該ブレードホ
ルダ10bの面と平行に延びるように、該面に接着または
固着される。

第３図（ａ）はこれらの構成要素を組立てて作られた
アジテータ９の斜視図を示し、同図（ｂ）はそのＡ−Ａ
線断面図を示す。なお、前記クランクシャフト9a、ブレ
ードホルダ10bおよびへら10aは合成樹脂等により一体成
型してもよい。

次に、本実施例の動作を第１図を参照して説明する。

アジテータ９が時計方向に回動され、点線で示されて
いる時計の７時近辺の位置に来ると、搬送攪拌ブレード
9bはトナー貯蔵室２中のトナー４を現像室３へ搬送す
る。アジテータ９がさらに回動し、時計の９時の位置を
まわると、残存トナーは搬送攪拌ブレード9bとへら10a
との間に保持され、12時の位置に近ずくにつれてトナー
はへら10aに保持されるようになり、２時の位置あたり
に来ると、該残存トナーはへら10aの上を滑ってトナー
残量検知センサ５の上に落ちる。トナー残量検知センサ
５はその上にトナーが乗ると、トナーがトナー貯蔵室２
の中に残存していることを示すトナー検知信号を出力す
る。

このトナー検知信号はトナー貯蔵室２内の残存トナー
が多い時には、常に検知信号を出力しているが、所定量
以下になり、搬送攪拌ブレード9bがトナー残量検知セン
サ５の上を通る毎にセンサ５上のトナーを全部現像室３
の方へ搬送するようになると、センサ５の検知信号はア
ジテータ９の回転周期でパルス的に発生されるようにな
る。トナー残量検知センサ５の検知信号は図示されてい
ないマイクロコンピュータ等の制御装置に送られ、この
制御装置はトナー残量を監視する。

トナー貯蔵室２内のトナー量が減り、トナー残量検知
センサ５からの検知信号の波高値が所定値以下になる
と、あるいは該検知信号が出力されなくなると、前記制
御装置はトナーを補給する旨の信号を例えば表示装置に
送る。

以上のように、本実施例によれば、トナー残量検知セ
ンサ５をトナー貯蔵室２のトナー搬送方向の後方に配置
することができる。このため、現像装置１の直下に板金
等の磁性金属で作成された紙のガイドを置くことができ
るようになり、複写機、レーザ記録プリンタ等の画像形
成装置の設計が容易になるという効果を期待することが
できる。

なお、へら10aの長さを調節することにより、トナー
残量検知センサ５の位置を左右にずらすことができる。

へら10aは前記のようにブレードホルダ10bの一部から
形成してもよいし、PETフイルム状のものを該ホルダ10b
に固着してもよい。へら10aの形状は、前記実施例のよ
うな平らな板状に限定されず、搬送攪拌ブレード9bに向
く面を凹状またはスプーン状にしてもよい。へら10aの
材質はトナー残量検知センサ５が前記のように磁気セン
サの場合は非磁性絶縁性体で形成する必要があるが、圧
電式センサの場合には、磁性、導電性であってもあるい
は非磁性絶縁性体であっても良い。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ア
ジテータにへらを設けたので、トナー貯蔵室の前方に搬
送したトナーの一部を、トナーの搬送方向とは逆の位置
である後方位置に回帰することができる。したがって、
残存トナーを検知するトナー残量検知センサを、トナー
貯蔵室の前記後方位置に配置することができるようにな
り、板金等でできた紙のガイドを現像装置の直下に置け
るようになり、複写機、レーザ記録プリンタ等の画像形
成装置の設計が容易になるという効果、該画像形成装置
を小形化、低価格化できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図はアジテー
タの分解斜視図、第３図はそれを組み立てた斜視図、第
４図は従来の現像装置の断面図、第５図は従来のアジテ
ータの斜視図である。 １……現像装置、２……トナー貯蔵室、３……現像室、
４……トナー、５……トナー残量検知センサ、９……ア
ジテータ、9b……搬送攪拌ブレード、10a……へら、11
……トナー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】像担持体上に静電潜像を形成し、現像剤に
   て可視化する画像形成装置の現像装置において、 該現像装置のトナー貯蔵室内に設けられ、その中心軸の
   周りに一方向に回動してトナーの搬送、攪拌およびすく
   い取りを行う搬送攪拌兼すくい取りアジテータと、 トナー搬送方向とは逆のトナー貯蔵室後方の斜め下部に
   配置されたトナー残量検知センサとを具備し、 前記搬送攪拌兼すくい取りアジテータは、断面円形の前
   記トナー貯蔵室の半径方向に延び、その先端が該トナー
   貯蔵室の内壁を摺動してトナーを該トナー貯蔵室から現
   像室へ搬送する搬送攪拌ブレードと、該搬送攪拌ブレー
   ドの先端よりも中心軸寄りの位置から、その回動方向前
   方に向かって延び出し、該搬送攪拌ブレードがトナーを
   搬送し終わってさらに回動するとき、前記ブレードと共
   同してこのブレードとの間に残存トナーを保持し、前記
   トナー残量検知センサの上に落下させるへらとを少なく
   とも含むことを特徴とする現像装置。