JP2503285B2 - 熱可逆性表示媒体及びこれを用いた画像記録装置 - Google Patents

熱可逆性表示媒体及びこれを用いた画像記録装置

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JP2503285B2 JP1344064A JP34406489A JP2503285B2 JP 2503285 B2 JP2503285 B2 JP 2503285B2 JP 1344064 A JP1344064 A JP 1344064A JP 34406489 A JP34406489 A JP 34406489A JP 2503285 B2 JP2503285 B2 JP 2503285B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、熱的手段により可逆的に画像の形成及び
消去を繰り返し行なうことが出来る熱可逆性表示媒体及
びこれを用いた画像記録装置に関するものである。
(従来の技術) ある種の材料は、熱履歴により当該材料の透明度(こ
こでは、可視光に対する透明度につき論じる。以下、同
様)が変化する特性を有する。従って、この材料で記録
層を構成しこの記録層に熱を与える際に記録層の所定部
分の熱履歴を他の部分とは異ならせて両部分の透明度に
差をつけることによって、画像を形成出来る。
このような材料(以下、記録材料と称することもあ
る。)の従来例としては、例えば特開昭55−154198号公
報に開示されているものがあった。
この公報に開示の記録材料は、ポリエステルをはじめ
とするポリマーまたは樹脂から成るマトリクス材にベヘ
ン酸をはじめとする有機低分子物質を分散させて構成さ
れていた。
第8図は、この従来の記録材料の、温度に対する透明
度変化のヒステリシス曲線を、縦軸に透過率および横軸
に温度をとって示した図である。以下、第8図を参照し
て従来の記録材料の特性につき説明する。
先ず、この従来の記録材料は、室温(RT)付近におい
て、過去の熱履歴に応じて第8図中の(A)の透過率
(不透明状態)または(D)の透過率(透明状態)のい
ずれかの特性を示す。
そして、この記録材料を、温度T0を越え温度T1まで熱
すると、(A)または(D)であった透過率は、(B)
に変化する。その後、これを室温まで冷却すると、いず
れの場合でも(B)であった透過率は(D)となり、こ
の記録材料は透明状態(D)に固定される。
これに対し、室温付近において透過率が(A)または
(D)であった記録材料を、T0およびT1を越え温度T2
上に熱すると、(A)または(D)であった透過率は
(B)を経て(C)に変化する。すなわち、透明状態
(D)よりやや透明度が低下した状態になる。その後、
これを室温まで冷却すると、いずれの場合であっても
(C)であった透過率は(A)となり、この記録材料は
不透明状態(A)に固定される。
上述の特性の具体例として、特開昭55−154198号公報
には、以下のような実施例が記載されている。
:芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールをベー
スにした高分子直鎖コポリエステルと、ドコサン酸とを
含む記録材料は、72℃に加熱して冷却すると安定した透
明性を示した。これは、77℃以上の温度に再加熱するこ
とによってのみ不透明状態に戻すことができた。
:塩化ビニリデンおよびアクリロニトリロの共重合
体と、ドコサン酸と、流動性改善のためのフルオラッド
潤滑剤とを含む記録材料は、63℃にまで加熱して冷却す
ると安定した透明性を示した。これは、74℃以上の温度
に再加熱することによってのみ不透明状態に戻すことが
できた。
:塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体と、ドコ
サノールとを含む記録材料は、68℃にまで加熱して冷却
すると安定した透明性を示した。これは、70℃以上の温
度に再加熱することによってのみ不透明状態に戻すこと
ができた。
:ポリエステルと、ドコサン酸とを含む記録材料
は、72℃にまで加熱して冷却すると安定した透明性を示
す。これは、77℃以上の温度に再加熱することによって
のみ不透明状態に戻すことができた。
また、上述のような記録材料から成る記録層を着色支
持体上に設けて構成された熱可逆性表示媒体の例は、例
えば特開昭62−257883号公報に開示されている。
この公報に開示の熱可逆性表示媒体においては、着色
支持体は、黒色又は赤色のもので表面平滑度300sec以上
のものが用いられていた。また、この熱可逆性表示媒体
の記録層は、第8図に示す特性と同様な温度−透過率変
化特性を示すものであるため、この熱可逆性表示媒体で
の画像記録及び消去は次の又はの方法でなされる。
…この熱可逆性表示媒体を68℃の温度で熱乾燥して
作製することにより記録層を透明状態とし、この媒体の
色を着色支持体の色と同じ黒色(赤色)にする。次に、
この状態で、この熱可逆性表示媒体に対し76℃以上の温
度とされた例えばサーマルヘッドで印字を行なう。この
方法によれば、印字部は白濁状態(不透明状態)となり
この部分では着色支持体が見えなくなるので、背景部が
黒(赤)及び印字部が白の画像が得られる。
…また、上記の方法とは逆に、この熱可逆性表示
媒体を76℃以上の温度で熱乾燥して作製することにより
記録層を白濁状態とし、この媒体の色を白色にする。次
に、この状態で、この熱可逆性表示媒体に対し68℃の温
度とされた熱ペンにより書き込みを行なう。この方法に
よれば、書き込み部(印字部)は透明となりこの部分の
み着色支持体が見えるので、印字部が黒(赤)及び背景
部が白の画像が得られる。
以下、説明の都合上、上記のように記録層の印字部
を白濁させて画像を形成する方法を白濁記録法と称し、
上記のように記録層の印字部を透明化させて記録する
方法を透明記録法と称することにする。
また、熱履歴により透明度が変化する材料を用い構成
された表示体と、この表示体に画像を形成するための記
録部と、この表示体に形成された画像を消去するための
消去部とを具えた画像記録装置の例は、例えば特開昭57
−92370号公報、特開昭57−89992号公報に開示されてい
る。
特開昭57−92370号公報に開示の画像記録装置におい
ては、表示体は第8図に示した温度−透過率変化特性と
同様な特性を有する記録材料でから成る記録層を具えた
構成とされ、記録部は記録用の熱ヘッドを用いた筆記用
具で構成され、消去部は加熱摺接面を有する消去用具で
構成されていた。
この装置においては、人が筆記用具を持ちその熱ヘッ
ドを表示体に接触させることで画像が形成され、その画
像上に消去用具の加熱摺接面を接しさせることで画像の
消去がされる。そして、この画像記録装置を用い白濁記
録法により画像形成する場合は、筆記用具の温度はT2
上の温度に設定され、消去用具の温度はT0〜T1の範囲内
の温度に設定される。また、透明記録法により画像形成
する場合は筆記用具の温度はT0〜T1の範囲内の温度に設
定され、消去用具の温度はT2以上の温度に設定される。
また、特開昭57−89992号公報に開示の画像記録装置
においては、表示体は第8図に示すような温度−透過率
変化特性と同様な特性を有する記録材料から成る記録層
を具えた構成とされ、記録部は複数個の抵抗発熱体から
成るヘッドを具えた構成とされ、消去部は温度制御可能
な液浴を具えた構成とされていた。さらに表示体は無端
状(ループ状)とされておりローラー等の駆動手段によ
り記録部及び消去部領域を含む一定領域を走行する。そ
して、この装置においては、複数個の抵抗発熱体から成
るヘッドを表示体に接触させることで画像が形成され、
その画像は表示体を液浴に浸漬することで消去される。
具体的には透明記録法による画像形成例が述べられてお
り、その際の記録部の温度は65〜70℃の範囲内の温度に
設定され、液浴の温度は80℃以上の温度に設定されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の熱可逆性表示媒体(上記従来の
画像記録装置に用いられていた表示体も含む)は、これ
をT2以上の温度に熱しその後冷却すると白濁状態にまた
T1〜T2間の温度に熱しその後冷却すると透明状態になる
特性を有するものであり、然も透明状態を得るための温
度範囲T1〜T2が、特開昭55−154198号公報の記録材料の
例で云えば上記のものにあっては(77−72)=5℃、
のものにあっては11℃、のものにあっては2℃、
のものにあっては5℃というように、2〜10数℃程度と
狭いものであった。
従って、透明記録法によりこの熱可逆性表示媒体に画
像を形成する場合は、上記筆記用具やヘッド等で構成し
た記録部の温度を所定の温度に対し2〜10数度の範囲内
に制御しなければならない。しかし、筆記用具やヘッド
等の印字に用いる部分は非常に微細であるのでこのよう
な微細部分の温度を高精度に制御することは非常に難し
い。
一方、白濁記録法を用いる場合は、従来の熱可逆性表
示媒体がT2以上の温度で不透明状態となるのでその温度
範囲が広いため、上述の記録部の温度制御の問題は回避
出来る。しかし、この場合は、透明状態の背景部中に白
濁状態の印字部が見える状態、或いは、着色支持体の色
を有する背景部中に白濁状態の印字部が見える状態とな
るので、背景部及び印字部間のコントラストが低いと表
示が非常に見にくくなる。また、表示品質を挙げるため
に着色支持体の色濃度を高くすると背景部の面積は印字
部の面積に比し大きいため目が疲れやすくなり、逆に着
色支持体の色濃度を低くするとコントラストが低下す
る。このように、白濁記録法は、いずれにしても好まし
い記録方法ではない。
この発明はこのような点に鑑みなされたものであり、
従って、この発明の目的は、透明状態にできる温度範囲
が従来のものより広く、また、印字部及び背景部間のコ
ントラストが従来のものより大きい熱可逆性表示媒体及
びこれを用いた画像記録装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この出願の第一発明によ
れば、着色支持体と、この着色支持体上側に設けられ熱
履歴により透明度が変化する記録層とを具える熱可逆性
表示媒体において、 記録層をスチレン・ブタジエン共重合体から成るマト
リクス材及び飽和カルボン酸を含むもので構成したこと
を特徴とする。
また、この出願の第二発明によれば、熱履歴により透
明度が変化する材料を用い構成された表示体と、この表
示体に画像を形成するための記録部と、前述の表示体に
形成された画像を消去するための消去部とを具える画像
記録装置において、 表示体を、着色支持体と、この着色支持体上側に設け
られた、スチレン・ブタジエン共重合体から成るマトリ
クス材及び飽和カルボン酸を含む記録層とを具える熱可
逆性表示媒体で構成したことを特徴とする。
なお、この第二発明の実施に当たり、消去部を、表示
体の一部の画像を消去する局部消去具及び表示体の全面
を消去する全体消去具を具えた構成とするのが好適であ
る。
また、第一及び第二発明の実施に当たり用い得る飽和
カルボン酸としては、これに限られるものではないが、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸等を挙げることが出来る。これらは炭素数が、10〜
24の飽和カルボン酸に相当する。
また、重量比で云って、マトリクス材1に対し飽和カ
ルボン酸を1より多く含ませると記録層の成膜が困難と
なり、1/20より少なくすると熱可逆性が小さくなるの
で、マトリクス材と、飽和カルボン酸との混合比は、1:
1〜20:1の範囲内とするのが好適である。
また、第一発明の熱可逆性表示媒体及び第二発明の画
像記録装置に備わる熱可逆性表示媒体は、スチレン・ブ
タジエン共重合体及び飽和カルボン酸に加え、記録層の
膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物質等の他
の物質を含むものであっても良い。さらには、着色支持
体及び記録層以外に特性向上のための構成成分を具える
ものであっても良い。
また、第一発明の熱可逆性表示媒体に備わる着色支持
体及び第二発明の画像記録装置に備わる熱可逆性表示媒
体の着色支持体は、特に限定はないが、好適な材料で構
成された基板上に着色顔料をコーティングしたもの、好
適な材料で構成されたフィルム上に着色顔料をコーティ
ングしたもの、着色顔料を混練し成形した基板、着色顔
料を混練したフィルム、印刷用カラーコート等を挙げる
ことが出来、これらは市販のものでも自ら作製したもの
でも良い。
また、第一発明及び第二発明の実施に当たって記録層
を着色支持体上側に形成する際、塗布液を調整する場合
がある。その際には、マトリクス材および飽和カルボン
酸を溶剤に溶かして塗布溶液を得るのが良い。そして、
この溶剤としては、これに限られるものではないが、テ
トラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、
トルエンおよびベンゼン等の中から選ばれた1種を用い
るかまたは2種以上を混合して用いるのが良い。また、
塗布溶液は、必要とあれば加熱して用いても良い。
(作用) このような構成によれば、第一発明の熱可逆性表示媒
体及び第二発明の画像記録装置し備わる熱可逆性表示媒
体は、特定温度T3以上(但し、T3以上といってもマトリ
クス材の溶融点温度より低い温度である)に加熱した後
に冷却することにより最大透明度を示し、T3より低い一
定温度範囲内の温度(T1〜T2)で加熱した後冷却するこ
とにより最小透明度を示す。従って、透明状態を形成す
る温度範囲と、不透明状態を形成する温度範囲とが、従
来のものに比し逆転した熱可逆性表示媒体が得られる。
(実施例) 以下、図面を参照して第一発明の熱可逆性表示媒体の
実施例及び第二発明の画像記録装置の実施例につきそれ
ぞれ説明する。なお、説明に用いる図はこの発明を理解
出来る程度に各構成成分の寸法、形状及び配置関係を概
略的に示してある。また、この実施例で述べる使用材料
および数値的条件はこの発明の範囲内の単なる一例にす
ぎず、従って、この発明がこれら使用材料および数値的
条件にのに限定されるものでないことは理解されたい。
熱可逆性表示媒体の説明 始めに、この出願の第一発明の熱可逆性表示媒体の実
施例につき説明する。
まず、この実施例の熱可逆性表示媒体に備わる着色支
持体は、この場合、基板と、この基板上に設けられた着
色層とで構成する。そしてこのような着色支持体を、以
下のように作製する。
基板としてメタクリル樹脂基板(この場合協和ガス化
学工業製コモガラス)を用いる。この基板上に、バイン
ダーとしての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオ
ンカーバイト社(UCC)製VYHH)及び着色顔料としての
カドミウムレッドをテトラヒドロフランに溶解させた塗
布溶液を塗布する。得られた塗布膜を乾燥させると、基
板上に赤色の着色層を具える着色支持体が得られる。な
お、バインダー樹脂及び着色顔料の混合比は、所望とす
る着色具合及び着色層の膜質を考慮し決定する。
また、このようにして作製した着色支持体上に設けら
れる記録層を以下に説明するように作製する。なお、記
録層に含まれるスチレン・ブタジエン共重合体としては
この実施例では旭化成工業製のアスマー(商品名)を用
いる。さらに、飽和カルボン酸としてはこの実施例では
ステアリン酸を用いる。
まず、アスマー2重量部と、ステアリン酸1重量部と
を、20重量部のテトラヒドロフランに溶解させて、実施
例の記録層形成用の塗布溶液を調整する。そして、上述
の着色支持体上にこの記録層形成用塗布溶液を塗布しそ
の後塗膜を乾燥させて、着色支持体上に記録層を有する
実施例の熱可逆性表示媒体を得る。
次に、実施例の熱可逆性表示媒体を以下に説明するよ
うな条件で加熱及び冷却し、その際の温度変化に対する
透明度変化を測定する。
第1図は、実施例の熱可逆性表示媒体の温度に対する
透明度変化のヒステリシス曲線を、縦軸に透過率および
横軸に温度をとって示した図である。
第1図からも理解できるように、実施例の熱可逆性表
示媒体は、これを70℃からアスマーの溶融点温度である
120℃までの範囲内の温度に熱した場合記録層が透明状
態となり記録層下の着色支持体の色を示し、これをその
まま室温(約25℃)まで冷却すると、赤色が見えたまま
の状態になる。さらに、この実施例の熱可逆性表示媒体
は、これを57〜68℃の範囲内の温度に熱した場合記録層
が不透明状態(即ち白色状態)となり着色支持体の赤色
は見えなくなり、これをそのまま室温まで冷却すると不
透明状態に固定される。
また、この実施例の熱可逆性表示媒体を63℃の温度に
加熱し室温まで冷却してこの熱可逆性表示媒体による白
色画面を構成させ、次に、70℃〜120℃の温度範囲内の
温度に加熱したサーマルヘッドによりこの白色画面の所
定部分を加熱して印字したところ、印字部分のみ着色支
持体の赤色が見えそれ以外の部分が白色のままであり、
背景部が白色及び印字部が赤色で構成された画像が得ら
れた。第2図は、この画像を示した図であり、白色(不
透明状態)の背景部11と、印字部13により構成された画
像例を示したものである。
また、画像形成後にこの熱可逆性表示媒体を再び63℃
に加熱すると再び白色画面となった。
このように、第一発明の熱可逆性表示媒体は、画像形
成及び消去を繰り返し行なうことが出来、然も、記録層
を透明化させる温度が70〜120℃と広いので透明記録法
による画像形成が容易であることが分る。
なお、上述の熱可逆性表示媒体の実施例においては、
着色支持体を基板と、着色層から成る積層体で構成して
いたが、着色支持体は、積層構造である必要は必ずしも
なく着色された板状態、フィルム状体等であっても勿論
良い。
画像記録装置の説明 次に、この出願の第二発明の画像記録装置の実施例に
つき説明する。
<画像記録装置の第1実施例> 先ず、第3図〜第6図を参照して第1実施例の画像記
録装置につき説明する。ここで、第3図は、第1実施例
の画像記録装置の全体構成を概略的に示した断面図、第
4図〜第6図は、この装置に備わる表示体、記録部及び
消去部を概略的に示した断面図である。
この第1実施例の画像記録装置は、フレーム21と、こ
のフレーム21に設けられ表示体の全面を消去するため板
状の発熱体で構成された全体消去具23と、この全体消去
具23に接しさせ設けられた表示体25と、表示体25に画像
を形成するための記録部としての筆記用具27と、表示体
に形成された画像の一部を消去するための局部消去具29
と、全体消去具の温度を制御するための温度制御部31と
を具えている。
ここで、フレーム21は、画像記録装置の設計に応じた
金属、樹脂等の好適な材料で構成してある。
また、全体消去具23は例えばパネルヒータで構成出来
る。表示体25を構成している熱可逆性媒体の不透明化
(白濁化)温度範囲が57〜68℃の範囲であるため、全体
消去具23は、消去動作時においては、表示体25をこの範
囲内の温度に出来得るように制御される。この温度制御
は温度制御部31が行う。温度制御部31は、従来公知のも
ので構成出来る。
また、表示体25は、第4図に示すように、着色支持体
25aと、該着色支持体25a上側(この実施例の場合は着色
支持体25a上)に設けられスチレン・ブタジエン共重合
体から成るマトリクス材及び飽和カルボン酸を含む記録
層25bとを具える熱可逆性表示媒体で構成してある。具
体的には表示体25は、例えば第一発明の実施例で説明し
た熱可逆性表示媒体で構成出来る。ただし、着色支持体
25aは、必ずしも基板25aaと着色層25abとから成る積層
体で構成する必要はなくそれ自体が着色されている基板
等で構成しても勿論良い。また、必要に応じては、表示
体25の強度増加を図るため、基板25abとは別に補強用の
第2の基板を設けても勿論良い。または、全面消去具23
表面を着色するか着色層を表面に形成する等したもので
着色支持体を兼ねても勿論良い。
また、記録部としての筆記用具27は、この実施例の場
合第5図に示すように、フレーム41と、その先端部に設
けたヘッド部43と、このヘッド部43を加熱するための発
熱部45と、発熱部用電源47と、電源スイッチとしてのON
/OFFスイッチ49と、フレーム41及び発熱部45間の断熱を
行なうための断熱部51とを具えている。
そして、筆記用具27のフレーム41は、人がここを持ち
表示体に文字等を記入するので例えば円筒状のものとす
るのが良い。また、その材質は任意好適なもので良い。
筆記用具27のヘッド部43は、熱伝導率の良い材料例え
ば銅等のような金属やセラミックス等で構成するのが良
い。また、ヘッド部43の形状は、先細形状とするのが良
いがその太さをどの程度とするかについては描きたい文
字の大きさ等を考慮して決定するのが良い。さらにま
た、筆記用具27をヘッド部の交換が可能な構成とし、太
さの異なる多数のヘッドを用意しておきこれらヘッドを
目的に応じて使い分けるようにしても勿論良い。
筆記用具27の発熱部45は、例えばニクロムヒーター、
セラミックスヒータ等のような抵抗発熱体で構成出来
る。
筆記用具27の発熱部用電源47は、直流電源、交流電源
のいずれでも良いが、この実施例では単三乾電池で構成
している。そして、この実施例の場合の筆記用具25にお
いては、表示体25が透明化温度範囲が70〜120℃と広い
特性を有しているのでヘッド部43の温度も70〜120℃の
範囲内にあれば良いことから、単三乾電池は発熱部45に
ON/OFFスイッチ49を介して単に接続している。即ち、こ
の筆記用具27では、特別な温度制御手段は設けず発熱部
45に流れる電流値の設定によってのみ温度制御を行なっ
ている。
筆記用具27のON/OFFスイッチ49及び断熱部51夫々は、
従来公知の好適なもので構成出来る。
また、局部消去具29は、この実施例の場合、第6図に
示すように、フレーム61と、発熱部63と、フレーム61及
び発熱部63間を断熱するための断熱部65と、発熱部63に
より加熱されるヘッド部67であって表示体25に接する摺
接面67aを有するヘッド部67と、ヘッド部67の温度を制
御するための温度制御手段69とを具えている。
局部消去具29のフレーム61は、ちょうど黒板消しの板
部分のような形状とするのが良い。また、その材質は任
意適なもので構成出来る。
局部消去具29の発熱部63は、例えば発熱抵抗体で構成
することが出来る。
局部消去部29のヘッド部67は熱伝導率の良い材料で構
成するのが良い。
局部消去具29の温度制御部69は、ヘッド部67に埋込ま
れた温度測定手段(例えば熱電対)からの信号を利用し
ヘッド部67の温度が所定温度になるよう発熱部63を制御
する。この場合、表示体25(第3図)を構成している熱
可逆性媒体の不透明化(白濁化)温度範囲が57〜68℃の
範囲であるため、この局部消去具29は、消去動作時にお
いては、表示体25の摺接面67aに接する部分の温度を上
記温度範囲に出来るような温度に制御される。
この第1実施例の画像記録装置によれば、全面消去具
23を動作させると表示体の記録層が白濁すしその後全面
消去具の動作を停止すると記録層は冷却され表示体は白
濁画面に固定される。
この白濁画面に対しオン状態の筆記用具を接触させる
と、白濁画面の筆記用具が接した部分では記録層が透明
化し着色支持体の色が透けて見えるようになりこの場合
は赤色の印字部が得られる。この結果、表示体に白色の
背景部及び赤色の印字部で構成された画像が形成出来
る。
また、表示体上の画像の一部のみを消去したい場合
は、その部分に局部消去具29に接することによる画像消
去が出来る。
<第2実施例の画像記録装置> 次に、第7図を参照して第2実施例の画像記録装置に
つき説明する。ここで、第7図は、第2実施例の画像記
録装置の全体構成を概略的に示した側面図である。
この第2実施例の画像記録装置は、フレーム71と、こ
のフレーム71に設けた表示体駆動用ローラ73a,73bと、
着色支持体並びにこの着色支持体上側に設けられスチレ
ン・ブタジエン共重合体から成るマトリクス材及び飽和
カルボン酸を含む記録層を具える熱可逆性表示媒体を無
端状(ループ状)にしたもので構成した表示体75と、表
示体75上に画像を形成するための記録部77と、表示体に
形成された画像を消去するための消去部79と、記録部の
温度制御、記録部の印字データ制御、消去部の温度制御
及び表示体駆動用ローラの動作制御を行う制御部81とを
具えている。なお、この画像記録装置では表示体75の画
面側に表示体を保護するためのガラス板81を設けてい
る。
ここで、表示体75はローラ73a,73bによって走行させ
られるためそれ自体が柔軟性を有する必要がある。従っ
て、表示体75は以下に説明するように作製している。ま
ず、柔軟性を有するフィルム、この例ではポリエステル
フィルム上に、第一発明の実施例で用いた塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体(UCC製VYHH)及びカドミウムレッ
ドをテトラヒドロフランに溶解させた塗布溶液を塗布し
これを乾燥させてフィルム状の着色支持体を得る。次
に、このフィルム状の着色支持体上に第一発明の実施例
と同様アスマー及びステアリン酸を含む記録層を形成し
てフィルム状の表示体を得る。
なお、このようにして得たフィルム状の表示体75は、
第一発明の熱可逆性表示媒体と同様、透明化温度範囲が
70〜120℃、不透明化温度範囲が57〜68℃というような
特性を有するものであり、第一発明のものと同様に透明
記録法に好適なものであることが分った。
また、記録部77はこの場合制御部81からの画像データ
に基づいて表示体75を選択的に70〜120℃の温度に出来
るもので構成する。具体的にはサーマルヘッドで構成し
ている。
また、消去部79は、この場合表示体75を表裏両面で挟
むようなパネルヒータで構成してあり、消去動作時に表
示体75を57〜68℃の温度範囲内に出来るように制御部81
によって制御されるものである。
この第2実施例の装置においては、表示体75は制御部
81の制御の下で表示体駆動用ローラ73a,73bによって記
録部77及び消去部近傍領域を含む一定の周回コースを走
行する。さらに、表示体75への画像形成が記録部77によ
り、画像消去が消去部79によりいずれも制御部81制御の
下でなされる。従って、画像データに基づく大画面表示
装置として好適であり、例えば電子黒板、掲示板、コン
ピュータ用ディスプレイ等に適用出来る。また、この第
2実施例の装置においても透明記録法による記録が容易
に行なえる。
なお、この第2実施例の画像記録装置においても第1
実施例で説明した筆記用具27や局部消去具29を設けた構
成に出来ることは明らかである。なお、その場合はガラ
ス板83を開閉自在な構成とするのが良い。
(発明の効果) 上述した説明からも明らかなように、この出願の第一
発明の熱可逆性表示媒体及び第二発明の画像記録装置の
表示体を構成する熱可逆性表示媒体は、特定温度T3以上
(但し、T3以上といってもマトリクス材の溶融点温度よ
り低い温度である)に加熱した後に冷却することにより
最大透明度を示し、T3より低い一定温度範囲内の温度
(T1〜T2)で加熱した後冷却することにより最小透明度
を示すというように、従来に比し、透明状態を形成する
温度範囲と、不透明状態を形成する温度範囲とが逆転し
た特性を有するので、透明記録法による印字が容易に行
なえるようになる。
従って、目が疲れにくいコントラストの高い表示が可
能になる。さらに、印字のために用いる熱的手段の温度
制御の精度がラフで良いので、安価であるが温度制御が
むづかしいサーマルヘッドを記録部に用い得るので画像
記録装置の低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の熱可逆性表示媒体のヒステリシス
曲線を示す図、 第2図は、この発明に係る画像形成例を示す図、 第3図は、第1実施例の画像記録装置の構成を示す図、 第4図は、第1実施例の画像装置の表示体の説明に供す
る図、 第5図は、筆記用具の説明に供する図、 第6図は、局部消去具の説明に供する図、 第7図は、第2実施例の画像記録装置の構成を示す図、 第8図は、従来の熱可逆性表示媒体のヒステリシス曲線
を示す図である。 11……背景部、13……印字部 21……フレーム、23……全体消去具 25……表示体、27……筆記用具 29……局部消去具、31……温度制御部 25a……着色支持体、25aa……基板 25ab……着色層、25b……記録層 41……フレーム、43……ヘッド部 45……発熱部、47……発熱部用電源 49……ON/OFFスイッチ 51……断熱部、61……フレーム 63……発熱部、65……断熱部 67……ヘッド部、67a……摺接面 69……温度制御部、71……フレーム 73a,73b……表示体駆動用ローラ 75……表示体、77……記録部 79……消去部、81……制御部 83……ガラス板。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色支持体と、該着色支持体上側に設けら
    れ熱履歴により透明度が変化する記録層とを具える熱可
    逆性表示媒体において、 記録層をスチレン・ブタジエン共重合体から成るマトリ
    クス材及び飽和カルボン酸を含むもので構成したこと を特徴とする熱可逆性表示媒体。
  2. 【請求項2】熱履歴により透明度が変化する材料を用い
    構成された表示体と、該表示体に画像を形成するための
    記録部と、前記表示体に形成された画像を消去するため
    の消去部とを具える画像記録装置において、 表示体を、着色支持体と、該着色支持体上側に設けられ
    スチレン・ブタジエン共重合体から成るマトリクス材及
    び飽和カルボン酸を含む記録層とを具える熱可逆性表示
    媒体で構成したこと を特徴とする画像記録装置。
  3. 【請求項3】消去部を、表示体の一部の画像を消去する
    局部消去具及び表示体の全面を消去する全体消去具を具
    えた構成とした請求項2に記載の画像記録装置。
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