JP2503244B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP2503244B2 JP7776288A JP7776288A JP2503244B2 JP 2503244 B2 JP2503244 B2 JP 2503244B2 JP 7776288 A JP7776288 A JP 7776288A JP 7776288 A JP7776288 A JP 7776288A JP 2503244 B2 JP2503244 B2 JP 2503244B2
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博史 外村
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    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両に用いられる能動型サスペンション
に関し、特に、走行中の空気抵抗によって車体に発生す
る上下方向の力に応じて流体圧シリンダの作動流体圧を
調整することにより、良好な車体姿勢を維持できるよう
にしたものである。
〔従来の技術〕
従来の能動型サスペンションとしては、本出願人が先
に出願した、特開昭62-295714号公報に記載されたもの
が知られている。
この従来の能動型サスペンションは、車両の横加速度
又は前後加速度を検出するか推定し、その検出値又は推
定値に応じた指令値を油圧シリンダの圧力を制御する圧
力制御弁に供給することにより、車体の姿勢変化に対す
る応答性等が向上できるようにしていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の技術にあっては、車両に発
生している横加速度又は前後加速度に応じて圧力制御弁
に対する指令値を制御するようにしていたため、これら
加速度によって生じるロール運動やピッチ運動等の動的
制御系に対する応答性は優れていたが、例えば高速走行
時に空気抵抗が大きくなって車体に上下方向の力が発生
しても、加速度が検出されないと圧力制御弁は作動しな
いので、車高が空気抵抗の大きさに応じて変動してしま
い、車両安定感等を損ねてしまうという未解決の課題が
あった。
そこで、この発明は、このような従来の技術における
未解決の課題に着目してなされたものであり、走行中の
空気抵抗によって前記車体に発生する上下方向の力を推
定する手段を設け、この推定された上下方向の力が打ち
消されるように圧力制御弁の指令値を補正することによ
り、空気抵抗の変化に対しても応答性の優れた能動型サ
スペンションを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この発明の能動型サスペ
ンションは、第1図の基本構成図に示すように、車体と
各車輪との間に介装された流体圧シリンダと、この流体
圧シリンダの作動流体圧を指令値のみに応じて制御する
圧力制御弁と、走行中の空気抵抗によって前記車体に発
生する上下方向の力を推定する上下力推定手段と、前記
車体の目標車高を決定する目標車高決定手段と、この目
標車高に基づいて前記圧力制御弁に対する目標指令値を
決定する目標指令値決定手段と、前記上下力推定手段の
推定値と前記目標指令値とに基づいて前記指令値を算出
し前記圧力制御弁に出力する指令値制御手段とを備え
た。
〔作用〕
走行中の空気抵抗によって車体に発生する上下方向の
力が、上下力推定手段で推定される。一方、車高の目標
値が目標車高値決定手段で決定され、この目標車高に基
づいて圧力制御弁に対する目標指令値が目標指令値決定
手段で決定される。
そして、指令値制御手段が、上下力推定手段で推定さ
れた上下力と目標指令値決定手段で決定された目標指令
値とに基づいて指令値を算出し、その指令値を圧力制御
弁に出力するから、流体圧シリンダの圧力が適宜変化し
て、車体姿勢の変動が防止される。この場合、圧力制御
弁に出力される指令値が、目標車高値と空気抵抗で発生
する車体の上下方向の力とに基づいて算出されているか
ら、空気抵抗の変化によって車高が変動することはな
い。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図乃至第6図は、本発明の一実施例を示したもの
である。
第2図において、1FL,1FR,1RL,1RRは、それぞれ車体
側部材2と各車輪3FL,3FR,3RL,3RRを個別に支持する車
輪側部材4との間に介装された能動型サスペンションで
あって、それぞれ流体圧シリンダとしての油圧シリンダ
5FL〜5RR、コイルフプリング6FL〜6RR及び油圧シリ
ンダ5FL〜5RRに対する作動油圧を、後述する制御装置
30からの指令値のみに応動して制御する圧力制御弁7FL
〜7RRとを備えている。
ここで、油圧シリンダ5FL〜5RRのそれぞれは、その
シリンダチューブ5aが車輪側部材4に取付けられ、ピス
トンロッド5bが車体側部材2に取付られ、ピストン5cに
よって閉塞された圧力室19内の作動油圧が圧力制御弁7
FL〜7RRによって制御される。また、コイルスプリング
6FL〜6RRのそれぞれは、車体側部材2と車輪側部材4
との間に油圧シリンダ5FL〜5RRと並列に装着されて車
体の静荷重を支持している。なお、コイルスプリング6
FL〜6RRは、車体の静荷重を支えるのみの低バネ定数の
ものでよい。
圧力制御弁7FL〜7RRは、車両の横加速度,前後加速
度及び車速に基づいて車体の姿勢変化を抑制する指令値
を出力する制御装置30からの指令値Ia〜Idが供給され、
これら指令値Ia〜Idに応じた制御圧力をそれぞれ出力
し、これらが各車輪と車体との間に介挿された能動型サ
スペンションを構成する油圧シリンダ5FL〜5RRに個別
に供給されて車体の姿勢変化に抗する付勢力を発生させ
る。この圧力制御弁7の具体的構成は、第3図に示すよ
うに、円筒状の弁ハウジング11と、これに一体的に設け
られた比例ソレノイド12とを有している。弁ハウジング
11の中央部には、所定径の弁座11aを有する隔壁11Aによ
り画成された第3図における上側の挿通孔11Uと同図に
おける下側の挿通孔11Lとが同軸上に形成されている。
また、挿通孔11Lの上部であって隔壁11Aに所定距離隔て
た下方位置には、固定絞り13が設けられ、これによって
固定絞り13と隔壁11Aとの間にパイロット室Cが形成さ
れている。また、挿通孔11Lにおける固定絞り13の下側
には、メインスプール14がその軸方向に摺動可能に配設
され、このメインスプール14の上方及び下方にはフィー
ドバック室FU及びFLが夫々形成されると共に、メイン
スプール14の上下端はフィードバック室FU,FLに各々配
設されたオフセットスプリング15A,15Bにより規制され
る。そして、挿通孔11Lに入力ポート11i,制御ポート11n
及びドレンポート11oがこの順に連通形成され、入力ポ
ート11iは油圧配管25を介して油圧源24の作動油供給側
に接続され、ドレンポート11oは油圧配管26を介して油
圧源24のドレン側に接続され、さらに制御ポート11nが
油圧配管27を介して油圧シリンダ7FL〜7RRの圧力室19
に接続されている。
メインスプール14は、入力ポート11iに対向するラン
ド14aと、ドレンポート11oに対向するランド14bと、こ
れら両ランド14a,14b間に形成された環状溝でなる圧力
室14cと、この圧力室14c及び下側のフィードバック室F
Lとを連通するパイロット通路14dとを備えている。
また、上側の挿通孔11Uには、ポペット16が弁部を弁
座11aに対向させて軸方向に摺動自在に配設されてお
り、このポペット16により挿通孔11Uをその軸方向の2
室に画成すると共に、前記弁座11cを流通する作動油の
流量、即ちパイロット室Cの圧力を調整できるようにな
っている。
さらに、前記入力ポート11iはパイロット通路11sを介
してパイロット室Cに連通され、前記ドレンポート11o
はドレン通路11tを介して前記挿通孔11Uに連通されてい
る。
一方、前記比例ソレノイド12は、軸方向に摺動自在な
プランジャ17と、このプランジャ17のポペット16側に固
設された作動子17Aと、プランジャ17をその軸方向に駆
動させる励磁コイル18とを有しており、この励磁コイル
18は制御装置30からの直流電流である指令値Iによって
適宜励磁される。これによって、プランジャ17の移動が
作動子17Aを介して前記ポペット16の位置を制御して、
連通孔11Aを通過する流量を制御する。そして、比例ソ
レノイド12による押圧力がポペット16に加えられている
状態で、フィードバック室FL,FUの両者の圧力が釣り合
っていると、スプール14は中立位置にあって制御ポート
11nと入力ポート11i及びドレンポート11oとの間が遮断
されている。
ここで、指令値Iと制御ポート11nから出力される制
御油圧Pcとの関係は、第4図に示すように、指令値I
が零近傍であるときにPMINを出力し、この状態から指
令値Iが正方向に増加すると、これに所定の比例ゲイン
1をもって制御出力Pcが増加し、油圧源24のライン圧
Lで飽和する。
なお、第2図において、28Hは圧力制御弁7FL〜7RR
と油圧源24との間の油圧配管25の途中に接続した高圧側
アキュムレータ、28Lは圧力制御弁7FL〜7RRと油圧シ
リンダ5FL〜5RRとの間の油圧配管27に絞り弁28Vを介
して連通した低圧側アキュムレータである。
一方、車体には、例えば変速器の出力軸側の回転数を
検出してこれに対応した周期パルス信号からなる車速検
出信号Vを出力する車速センサ29と、車体に発生してい
る横加速度を検出する横加速度検出手段としての横加速
度検出器31と、車体に発生している前後加速度を検出す
る前後加速度検出手段としての前後加速度検出器32と
が、それぞれ適所に設けられており、これら車速センサ
29の車速検出信号Vと、横加速度検出器31の横加速度検
出値と、前後加速度検出器32の前後加速度検出値と
が、前記制御装置30に供給される。
さらに、前記流体圧シリンダ5FL〜5RRの適所には、
これら流体圧シリンダ5FL〜5RRの変位を検出するスト
ロークセンサ33FL〜33RRが設けられており、これらスト
ロークセンサ33FL〜33RRの検出信号SFL〜SRRが、前記
制御装置30に供給される。
また、制御装置30は、第5図に示すように、車両姿勢
が適正となるように各能動型サスペンション1FL〜1RR
別に出力される車高設定器34の車高信号HFL〜HRRの正
入力と、前記ストロークセンサ33FL〜33RRの検出信号S
FL〜SRRの反転入力とを加算する加算器35FL〜35RRを有
していて、これら車高設定器34,各ストロークセンサ33F
L〜33RR及び加算器35FL〜35RRで本発明の目標車高決定
手段が構成される。
そして、この加算器35FL〜35RRの出力に所定のゲイン
a1〜Ka4を乗じる増幅器36FL〜36RRと、同加算器35FL
〜35RRの出力を微分する微分器37FL〜37RRと、この微分
器37FL〜37RRの出力に所定のゲインC1〜C2を乗じる増
幅器38FL〜38RRと、前記増幅器36FL〜36RRの出力と前記
増幅器38FL〜38RRの出力とを加算する加算器39FL〜39RR
とによって、本発明の目標指令値決定手段が構成され
る。ここで、前記増幅器36FL〜36RRの増幅度Ka1〜Ka4
がサスペンションのばね定数に対応し、前記増幅器38FL
〜38RRの増幅度C1〜C2がサスペンションの減衰定数に
対応するので、これら増幅度を適宜設定することによ
り、車両のサスペンション特性を変更することができ
る。
さらに、この制御装置30は、前記横加速度検出器31の
横加速度検出値が入力される前輪側増幅器40f及び後
輪側増幅器40rと、前記前後加速度検出器32の前後加速
度検出値が入力される前輪側増幅器41f及び後輪側増
幅器41rとを備えている。
そして、増幅器40fの反転入力及び増幅器41fの正入力
を加算する加算器42FLと、増幅器40fの正入力及び増幅
器42fの正入力を加算する加算器42FRと、増幅器40rの反
転入力及び増幅器41rの正入力を加算する加算器42FR
と、増幅器40rの正入力及び増幅器42rの正入力を加算す
る加算器42RRとが備えられている。
また、前記車速センサ29から供給された車速検出信号
Vに基づいて、例えば第6図に示すような関数テーブル
を参照して、各車輪3FL〜3RRに加わる上下方向の力F
を推定する上下力推定器43が設けられている。なお、第
6図に示す車速Vと上下力Fとの対応関係は、車速Vに
よって車体に生ずる空気抵抗力、即ち車体形状に基づい
て決定されるものであり、これら車速センサ29と上下力
推定器43とによって、本発明の上下力推定手段が構成さ
れる。そして、その上下力推定器43から出力される上下
力推定値Fa〜Fdと、前記加算器42FL〜42RRの出力値と
が、加算器44FL〜44RRで加算される。
一方、前記加算器35FL〜35RRの出力、即ち、前記車高
信号HFL〜HRRとストロークセンサの出力信号SFL〜S
RRとの差値が所定値以上を所定時間以上継続した場合
に、強制的に油圧を調整するための車高調整回路45FL〜
45RRがあり、この車高調整回路45FL〜45RRの出力と、前
記加算器39FL〜39RRの出力と、前記加算器44FL〜44RRの
出力とを加算し、この加算値を各圧力制御弁7FL〜7RR
の指令値Ia〜Idとして出力する加算器46FL〜46RRが設け
られていて、この加算器46FL〜46RRによって、本発明の
指令値制御手段が構成される。
次に、上記実施例の動作を説明する。
今、車両が路面に凹凸がなく平坦な良路を一定車速で
走行しているもとのすると、この状態では、車体にロー
ルやピッチが発生していないので、横加速度検出器31の
横加速度検出値及び前後加速度検出器32の前後加速度
検出値は、共に零となる。そのため、各増幅器40f,40
r,41f,41rの出力は零となり、それに伴って、各加算器4
2FL〜42RRの出力も零となる。また、車速センサ29がそ
のときの車速Vを検出して、上下力推定器43に出力する
と、この上下力推定器43は、第6図のような車速と上下
力Fとの関係を示す関数テーブルを参照して、各車輪3
FL〜3RRに加えられる上下力Fa〜Fdを算出し、加算器44
FL〜44RRに出力する。
また、この状態では、各油圧シリンダ5FL〜5RRには
振動が入力されないから、各ストロークセンサの出力信
号SFL〜SRRも全て零となり、各加算器46FL〜46RRに
は、車高設定器34からの車高信号HFL〜HRRに所定のゲ
インKa1〜Ka4を乗じた値と、車高信号HFL〜HRRを微
分して所定のゲインC1〜C2を乗じた値との加算値と、
上下力推定器43の出力Fa〜Fdとが入力され、この値が指
令値Ia〜Idとして各圧力制御弁7FL〜7RRに出力され
る。従って、各油圧シリンダ5FL〜5RRの油圧は、走行
中の空気抵抗力によって車体に発生する上下方向の力と
釣り合い且つ適正な車高となる所定の圧力に維持される
ので、良好な車体姿勢が保たれる。
したがって、この状態では、路面から車輪3FL〜3RR
を介して入力される比較的低周波数の振動入力に対して
は、圧力制御弁7FL〜7RRのフィードバック室FL,FU
圧力変動によるスプール14の移動によって吸収し、路面
の細かな凹凸によるバネ下共振周波数に対応する比較的
高周波数の振動入力に対しては、絞り弁28Vによって吸
収され、車体への振動伝達率を低減させて良好な乗心地
を確保することができる。
ここで、車両が制動を行って車体に前後加速度が発生
し、車体に前輪側が沈み込む方向のピッチモーメントが
発生した場合について説明する。
即ち、車両が制動を行うと、前後加速度検出手段32
が、正の前後加速度(この場合、車両制動時に発生する
加速度を正とする。)を検出し、その検出値を制御装
置30に出力する。一方、車体には横加速度が発生してい
ないから、横加速度検出値は零のままである。
すると、増幅器41f及び増幅器41rの出力が正方向に増
大するから、それに伴い、加算器42FL,42FRの出力が正
方向に増加し且つ加算器42RL,42RRの出力が負方向に増
加する。
また、制動に伴い車速Vが減少するから、上下力推定
器43の出力も第6図の関数テーブルに従って減少し、加
算器44FL〜44RRに入力される上下力Fa〜Fdは小さくな
る。
一方、前記ピッチモーメントによって油圧シリンダ5
FL〜5RRが変動すると、ストロークセンサ33FL〜33RRが
その変位を検出し、その検出信号SFL〜SRRが加算器35
FL〜35RRに供給される。この場合、前輪側の油圧シリン
ダ5FL,5FRは縮む方向(負方向)に変動するので、その
変位がフィードバックされる加算器35FL,35FRの出力は
増加し、また、後輪側の油圧シリンダ5RL,5RRは伸びる
方向(正方向)に変動するので、その変位がフィードバ
ックされる加算器35RL,35RRの出力は減少する。そし
て、これら加算器35FL〜35RRの出力値に基づいた目標指
令値が、増幅器36FL〜36RR,微分器37FL〜37RR,増幅器
38FL〜38RR及び加算器39FL〜39RRを経て算出される。
その結果、加算器46FL,46FRから出力される指令値Ia,
Ibは比較的大きな値となり、また、加算器46RL,46RRか
ら出力される指令値Ic,Idは比較的小さな値となる。そ
のため、前輪側の圧力制御弁7FL,7FRは、油圧シリンダ
5FL,5FRの圧力室19の圧力を上昇させるから、ピストン
5cが下降し難くなって車体前方が沈み込むことが防止さ
れると共に、後輪側の圧力制御弁7RL,7RRは、油圧シリ
ンダ5RL,5RRの圧力室19の圧力を下降させるから、ピス
トン5cが上昇し難くなって車体後方が浮き上がることが
防止される。従って、車両制動時であっても、車体に発
生しているピッチモーメントが打ち消されるから、車体
の姿勢が大きく変化することは防止され車体姿勢が好適
に保たれる。
また、車両が急発進や急加速を行って前記と逆方向の
前後加速度が発生し、車体に後輪側が沈み込む方向のピ
ッチモーメントが発生した場合には、前後加速度検出器
32が負の前後加速度を検出するから、前輪側の加算器42
FL,42FRの出力が負方向に増加し、且つ後輪側の加算器4
2RL,42RRの出力が正方向に増加すると共に、上下力推定
器43の出力Fa〜Fdは増加する。その一方、前輪側の油圧
シリンダ5FL,5FRは伸びる方向(正方向)に変動するの
で、その変位がフィードバックされる加算器35FL,35FR
の出力は増加し、また、後輪側の油圧シリンダ5RL,5RR
は縮む方向(負方向)に変動するので、その変位がフィ
ードバックされる加算器35RL,35RRの出力は減少する。
従って、指令値Ia,Ibは比較的小さな値となり、指令値I
d,Icは比較的大きな値となるから、前輪側の圧力制御弁
7FL,7FRは、油圧シリンダ5FL,5FRの圧力室19の圧力を
下降させ、ピストン5cが上昇し難くなって車体前方が浮
き上がることが防止されると共に、後輪側の圧力制御弁
7RL,7RRは、油圧シリンダ5RL,5RRの圧力室19の圧力を
上昇させ、ピストン5cが下降し難くなって車体後方が沈
み込むことが防止されるので、車両急発進時や急加速時
であっても、車体に発生しているピッチモーメントが打
ち消され、良好な車体姿勢が保たれる。
次に、車体直進状態から、ステアリングホイールを右
切りして右旋回状態に移行した場合について説明する。
車両が右旋回をすると、車体に右方向の横加速度が発
生するから、車体には車体左側が沈み込む方向のロール
モーメントが発生すると共に、横加速度検出器31は、負
方向(この場合、車両右旋回時に発生する横加速度を正
とする。)の横加速度を検出する。すると、車体左側
のストロークセンサ33FL,33RLは負の変位を検出し、且
つ車体右側のストロークセンサ33FR,33RRは正の変位を
検出するので、車体左側の目標指令値は比較的大きな値
となり、車体右側の目標指令値は比較的小さな値とな
る。
一方、横加速度検出値は、増幅器40f,40rに供給さ
れて増幅され、その増幅された値が、車体左側の加算器
42FL,42RLには正入力されると共に、車体右側の加算器4
2FR,42RRには反転入力される。
その結果、加算器46FL,46RLの出力は比較的大きな値
となり、加算器46FR,46RRの出力は比較的小さな値とな
るので、車体左側の圧力制御弁7FL,7RLは油圧シリンダ
5FL,5RLの圧力室19の圧力を上昇させるから、ピストン
5cが下降し難くなって車体左側が沈み込むことが防止さ
れると共に、車体右側の圧力制御弁7FR,7RRは油圧シリ
ンダ5FR,5RRの圧力室19の圧力を下降させるから、ピス
トン5cが上昇し難くなって車体右側が浮き上がることが
防止される。従って、車両旋回時であっても、車体に発
生しているロールモーメントが打ち消され、車体の姿勢
が大きく変化することは防止されるから、車体姿勢が好
適に保たれる。
なお、車両が左旋回を行った場合でも、上記と同様の
作用により、車体に発生しているロールモーメントが打
ち消され、車体の姿勢を好適に保つことができる。
また、車両旋回時に加速や制動を行った場合等のよう
に、車体に横加速度と前後加速度が同時に発生したとし
ても、上記実施例では、それぞれの加速度に所定のゲイ
ンを乗じた値を、正入力又は反転入力して加算している
ので、ロールモーメント及びピッチモーメントを共に打
ち消すような指令値Ia〜Idとなるから、車体に発生して
いるそれらモーメントが油圧シリンダ5FL〜5RRの作用
によって打ち消され、車両の姿勢が適正に保たれる。
次に、車速が徐々に変化して走行中の空気抵抗力が変
動した場合について説明する。
例えば、車速が30km/hから2倍の60km/hに徐々に上昇
すると、車体に生ずる空気抵抗力はその二乗、即ち4倍
に増加するから、車体にはそれに比例した上下力が発生
するが、前後加速度検出器32の検出値は微小であるた
め、加算器42FL〜42RRから出力される値も小さくなり、
加速度による油圧シリンダの圧力変動は殆どなく、加速
度による車体姿勢に対する応答性は遅い。
一方、上下力推定器43は、車速センサ29から供給され
た車速検出信号Vに基づいて、各車輪3FL〜3RRに加え
られている上下力Fa〜Fdを第6図の関数テーブルに従っ
て推定し、加算器44FL〜44RRに出力する。すると、車速
の変化速度、即ち前後加速度が微小であっても、車速
の変化に伴って加算器44FL〜44RRの出力値は応答性良く
変動する。この場合、上下力推定器43で参照する第6図
のような関数テーブルを適切に設定すれば、車速の変化
に伴って車体に生ずる空気抵抗力が変動して各車輪3FL
〜3RRに加えられる上下方向の力が変動しても、加算器
44FL〜44RRの出力が指令値Ia〜Idに加算されて圧力制御
弁7FL〜7RRが作動するから、油圧シリンダ5FL〜5RR
の圧力が上昇又は下降し、よって、車高が変動すること
はなく、良好な車体姿勢が維持される。
また、掲載状態の変化等により、車高が適正でない状
態が所定時間以上継続すると、車高調整回路45FL〜45RR
が強制的に車高が上昇又は下降するように加算器46FL〜
46RRに所定の値を出力するので、指令値Ia〜Idが適度に
増減して車高を適正な状態にすることができる。
このように、上記実施例においては、車体の姿勢変化
の起因となる横加速度,前後加速度及び走行中の空気抵
抗力に基づいて、車体に発生するロールモーメント,ピ
ッチモーメント及び上下方向の力とバランスできる各流
体圧シリンダの流体圧力を推定し、この推定された圧力
と、油圧シリンダのストローク等から求めた適正な車高
を維持するための目標指令値とを加算し、その加算され
た値によって圧力制御弁を作動させるようにしているの
で、車体の姿勢が大きく変化するよりも前に、応答性よ
く油圧シリンダがその変化を打ち消すように作動するか
ら、車両が旋回,制動又は加速等を行って、車体に種々
のモーメントが発生しても大きな姿勢変化が起こること
は防止される。
また、検出された加速度が小さくても、上下力推定器
43が走行中の空気抵抗によって各車輪に加えられる上下
力Fa〜Fdを車速Vから推定し、この推定された上下力Fa
〜Fdが指定値Ia〜Idに加算されるから、空気抵抗力の変
化に対しても応答性良く油圧シリンダ5FL〜5RRが作動
して、車高の変動を防止し、良好な車体姿勢が維持され
る。
そして、上記実施例においては、サスペンションのば
ね定数に対応するゲインKa1〜Ka4及び減衰定数に対応
するゲインC1〜C2の設定状態に関係なく、ロールモー
メント,ピッチモーメント及び走行中の空気抵抗力を打
ち消すことができるから、乗心地が良好となるようにそ
れらゲインKa1〜Ka4,C1〜C2を小さく設定して路面の
細かな凹凸等による振動が車体に伝達しないようにして
も、ロールモーメント,ピッチモーメント及び空気抵抗
力に対する姿勢変化防止の応答性が損なわれることはな
い。
なお、上記実施例においては、上下力推定手段を、車
速センサ29と、この車速センサ29の検出値Vから関数テ
ーブルを参照して上下力を推定する上下力推定器43とで
構成しているが、これに限定されることなく、例えば、
各油圧シリンダと車体との間に荷重計を配設し、この荷
重計から車体と油圧シリンダとの間の伝達力を計測し
て、この計測された信号に基づいて、車体に生じている
空気抵抗によって各車輪に発生している上下方向の力を
推定することもできる。
また、上記実施例において、流体圧シリンダとして油
圧シリンダを適用した場合について説明したが、これに
限定されるものではなく、空気圧シリンダ等の他の流体
圧シリンダを適用することも可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の能動型サスペンション
にあっては、走行中の空気抵抗によって車体に発生する
上下方向の力を推定する上下力推定手段を設け、この上
下力推定手段の推定値によって圧力制御弁に対する指令
値を補正するような構成としたため、車体に与えられる
空気抵抗力が変化して、各車輪に加えられる上下方向の
力が変動しても、車高の変動を防止でき、良好な車体姿
勢を維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成を示したブロック図、第2図
は本発明の一実施例の構成図、第3図は圧力制御弁の一
例を示す断面図、第4図は第2図の圧力制御弁の指令値
と出力圧力との関係を示すグラフ、第5図は制御装置の
一例を示すブロック図、第6図は上下力推定手段で用い
た車速と上下力との関係を示す関数テーブルである。 1FL〜1RR……能動型サスペンション、2……車体側部
材、3FL〜3RR……車輪、5FL〜5RR……油圧シリン
ダ、6FL〜6RR……コイルスプリング、7FL〜7RR……
圧力制御弁、29……車速センサ、30……制御装置、31…
…横加速度検出器、32……前後加速度検出器、34……車
高設定器、33FL〜33RR……ストロークセンサ、43……上
下力推定器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と各車輪との間に介装された流体圧シ
    リンダと、この流体圧シリンダの作動流体圧を指令値の
    みに応じて制御する圧力制御弁と、走行中の空気抵抗に
    よって前記車体に発生する上下方向の力を推定する上下
    力推定手段と、前記車体の目標車高を決定する目標車高
    決定手段と、この目標車高に基づいて前記圧力制御弁に
    対する目標指令値を決定する目標指令値決定手段と、前
    記上下力推定手段の推定値と前記目標指令値とに基づい
    て前記指令値を算出し前記圧力制御弁に出力する指令値
    制御手段と、を備えたことを特徴とする能動型サスペン
    ション。
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