JP2502286B2 - 電子写真用光受容部材 - Google Patents

電子写真用光受容部材

Info

Publication number
JP2502286B2
JP2502286B2 JP61031396A JP3139686A JP2502286B2 JP 2502286 B2 JP2502286 B2 JP 2502286B2 JP 61031396 A JP61031396 A JP 61031396A JP 3139686 A JP3139686 A JP 3139686A JP 2502286 B2 JP2502286 B2 JP 2502286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
gas
atoms
atom
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61031396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62187858A (ja
Inventor
茂 白井
恵志 斉藤
孝至 新井
実 加藤
靖 藤岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP61031396A priority Critical patent/JP2502286B2/ja
Publication of JPS62187858A publication Critical patent/JPS62187858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2502286B2 publication Critical patent/JP2502286B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
    • G03G5/08214Silicon-based
    • G03G5/08221Silicon-based comprising one or two silicon based layers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する分野の説明〕 本考案は光(ここでは広義の光であって紫外線,可視
光線,赤外線,x線,γ線等を意味する。)のような電磁
波に対して感受性のある電子写真用光受容部材に関す
る。
〔従来の技術の説明〕
像形成分野に於いて、電子写真用光受容部材に於ける
光受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN
比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電
磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトル特性を
有すること、光応答性が速く、所望の暗抵抗値を有する
こと、使用時に於いて人体に対して無公害であること、
等の特性が要求される。殊に、事務機としてオフイスで
使用される電子写真装置内に組込まれる電子写真用光受
容部材の場合には、上記の使用時に於ける無公害性は重
要な点である。
このような点に立脚して最近注目されている光導電材
料にアモルフアスシリコン(以後A−Siと表記す)があ
り、例えば、独国公開第2746967号公報、同第2855718号
公報には電子写真用光受容部材としての応用が記載され
ている。
しかしながら、従来のA−Siで構成された光受容層を
有する電子写真用光受容部材は、暗抵抗値,光感度,光
応答性などの電気的,光学的,光導電的特性及び使用環
境特性の点、更には経時的安定性及び耐久性の点に於い
て、各々、個々には特性の向上が計られているが、総合
的な特性向上を計る上で更に改良される余地が存するの
が実情である。
例えば、電子写真用光受容部材に適用した場合に、高
光感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとすると従来に於
いてはその使用時に於いて残留電位が残る場合が度々観
測され、この種の光受容部材は長時間繰返し使用し続け
ると、繰返し使用による疲労の蓄積が起こって、残像が
生ずる所謂ゴースト現象を発する様になる等の不都合な
点が少なくなかった。
又、A−Si材料で光受容層を構成する場合には、その
電気的、光導電的特性の改良を計るために、水素原子或
いは弗素原子や塩素原子などのハロゲン原子、及び電気
的伝導型の制御のために硼素原子や燐原子などが或いは
その他の特性改良のために他の原子が、各々構成原子と
して光導電層中に含有されるが、これらの構成原子の含
有の仕方如何によっては、形成した層の電気的或いは光
導電的特性や耐圧性に問題が生ずる場合があった。
即ち、例えば、形成した光導電層中に光照射によって
発生したフオトキヤリアの該層中での寿命が充分でない
ことや、或いは、転写紙に転写された画像に俗に「白ヌ
ケ」と呼ばれる、局所的な放電破壊現象によると思われ
る画像欠陥や、クリーニングにブレードを用いると、そ
の摺擦によると思われる、俗に「白スジ」と云われてい
る画像欠陥が生じたりしていた。又、多湿雰囲気中で使
用したり、或いは多湿雰囲気中に長時間放置した直後に
使用すると俗に云う画像のボケが生ずる場合が少なくな
かった。
従ってA−Si材料そのものの特性改良が計られる一方
で光受容部材を設計する際に、上記したような問題の総
てが解決されるように層構成、各層の化学的組成,作成
法などが工夫される必要がある。
〔発明の目的〕
本考案は、上述のごときA−Siで構成された従来の光
受容層を有する電子写真用光受容部材に於ける諸問題を
解決することを目的とするものである。
即ち、本発明の主たる目的は、電気的,光学的,光導
電的特性が使用環境に殆んど依存することなく実質的に
常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰返し使用に際し
ても劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電
位が全くか又は殆んど観測されない、A−Siで構成され
た光受容層を有する電子写真用光受容部材を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、支持体上に設けられる層と支持
体との間や積層される層の各層間に於ける密着性に優
れ、構造配列的に緻密で安定的であり、層品質の高い、
A−Siで構成された光受容層を有する電子写真用光受容
部材を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、電子写真用光受容部材とし
て適用させた場合、静電像形成のたの帯電処理の際の電
荷保持能力が充分であり、通常の電子写真法が極めて有
効に適用され得る優れた電子写真特性を示す、A−Siで
構成された光受容層を有する電子写真用光受容部材を提
供することにある。
本発明の別の目的は、長期の使用に於いて画像欠陥や
画像のボケが全くなく、濃度が高く、ハーフトーンが鮮
明に出て、且つ解像度の高い高品質画像を得ることが容
易にできる、電子写真用のA−Siで構成された光受容層
を有する光受容部材を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、高光感度性、高SN比特性及
び高電気的耐圧性を有する、A−Siで構成された光受容
層を有する電子写真用光受容部材を提供することにあ
る。
〔発明の構成〕
本発明の電子写真用光受容部材は、支持体と該支持体
上に、シリコン原子を母体とし、水素原子及びハロゲン
原子の少なくともいずれか一方を構成要素として含む非
晶質材料(以後「A−Si(H,X)」と略記する)で構成
され、光導電性を示す光導電層と、シリコン原子と炭素
原子と水素原子とを構成要素として含む多結晶材料で構
成されている表面層と、を有する光受容層とを有するこ
とを特徴としている。
又、前記表面層にはハロゲン原子が含有されてもよ
く、更に前記光導電層には炭素原子,酸素原子,窒素原
子の中少なくとも1種類の原子を含有してもよい。
又、前記光導電層と支持体の間に水素原子及びハロゲ
ン原子の少なくともいずれか一方を構成要素として含
み、シリコン原子を母体とする非晶質材料で構成され、
周期律表第III族または第V族に属する原子(伝導性を
制御する物質)を含み、支持体からの電荷の注入を阻止
する電荷注入阻止層を設けても良い。電荷注入阻止層中
には炭素原子,酸素原子,窒素原子のいずれか少なくと
も一種を含有させてもよい。その結果、帯電特性の改善
を計り、さらに良好な光電特性を有するが比較的低抵抗
なA−Si(H,X)で構成される光導電層を用いることも
可能になった。
さらに、前記光導電層又は前記電荷注入阻止層と支持
体との間に、シリコン原子とゲルマニウム原子を含有す
る非晶質材料で構成され、長波長光に感度を有する、あ
るいは長波長光を効果的に吸収する非晶質層である長波
長光感光層(長波長光吸収層)を設けても良い。その結
果殊に前記光導電層と支持体との間に長波長光感光層を
設ける場合には半導体レーザーに対する光感度に優れ、
且つ光応答が速い電子写真用光受容部材とすることがで
きた。
以下、本発明に於いて、シリコン原子とゲルマニウム
原子を含有する非晶質層は長波長光感光層と称する。
又、前記電荷注入阻止層及び長波長光感光層中に含有
される炭素原子,酸素原子,窒素原子及び伝導性を制御
する物質の少なくともいずれか1つと長波長光感光層中
に含有されるゲルマニウム原子は必要に応じて層厚方向
に均一に分布しても良いし、又、不均一に分布しても良
い。
上記した様な層構成を取る様にして設計された本発明
の電子写真用光受容部材は、前記した諸問題の総てを解
決し得、極めて優れた電気的,光学的,光導電的特性,
耐圧性及び使用環境特性を示す。
殊に、画像形成への残留電位の影響が全くなく、その
電気的特性が安定しており高感度、高SN比を有するもの
であって、耐光疲労,繰返し使用特性,耐湿性,耐圧性
に長ける為、濃度は高く、ハーフトーンが鮮明に出て、
且つ解像度の高い、高品質の画像を安定して繰返し得る
ことができる。
以下、図面に従って本発明の光導電部材に就て詳細に
説明する。
第1−1図及び第1−2図は、本発明の電子写真用光
受容部材の層構成を説明するために模式的に示した模式
的構成図である。
第1−1図及び第1−2図に示す電子写真用光受容部
材100は、光受容部材用としての支持体101の上に、光受
容層102が設けられており、該光受容層102は、A−Si
(H,X)から成り、光導電性を有する光導電層103と、シ
リコン原子と、炭素原子と水素原子とを構成要素とする
多結晶材料で構成されている表面層104とから成る層構
成を有する。
第1−2図に示される電子写真用光受容部材の場合に
は、支持体101と光導電層103との間に、長波長光感光層
106及び電荷注入阻止層107が更に設けられている。
本発明に於いて使用される支持体としては、導電性で
も電気絶縁性であっても良い。導電性支持体としては、
例えば、NiCr,ステンレス,Al,Cr,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,
Pb等の金属、又はこれ等の合金が挙げられる。
電気絶縁性支持体としては、ポリエステル,ポリエチ
レン,ポリカーボネート,セルローズアセテート,ポリ
プロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポ
リスチレン,ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシ
ート,ガラス,セラミツク,紙などが通常使用される。
これ等の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともその
一方の表面を導電処理され、該導電処理された表面側に
他の層が設けられるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr,Al,Cr,M
o,Au,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd,In2O3,SnO2ITO(In2O3+Sn
O2)等から成る薄膜を設けることによって導電性が付与
され、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フイル
ムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,
V,Ti,Pt等の金属の薄膜を、真空蒸着,電子ビーム蒸
着,スパツタリング等でその表面に設け、又は前記金属
でその表面をラミネート処理して、その表面に導電性が
付与される。支持体の形状としては、円筒状、ベルト
状、板状等任意の形状とし得、所望によって、その形状
は決定されるが、例えば、連続高速複写の場合には、無
端ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持体の厚
さは、所望通りの電子写真用光受容部材が形成される様
に適宜決定されるが、電子写真用光受容部材として可撓
性が要求される場合には、支持体としての機能が十分発
揮される範囲内であれば可能な限り薄くされる。しかし
ながら、この様な場合、支持体の製造上及び取扱い上、
機械的強度等の点から、通常は10μ以上とされる。
特にレーザー光などの可干渉性光を用いて像記録を行
なう場合には、可視画像に於いて現われる、所謂、干渉
縞模様による画像不良を解消するために、支持体表面に
凹凸を設けてもよい。
支持体表面に設けられる凹凸は、V字形状の切刃を有
するバイトをフライス盤、旋盤等の切削加工機械の所定
位置に固定し、例えば円筒状支持体をあらかじめ所望に
従って設計されたプログラムに従って回転させながら規
則的に所定方向に移動させることにより、支持体表面を
正確に切削加工することで所望の凹凸形状、ピツチ、深
さで形成される。この様な切削加工法によって形成され
る凹凸が作り出す逆V字形線状突起部は、円筒状支持体
の中心軸を中心にした螺線構造を有する。逆V字形突起
部の螺線構造は、二重、三重の多重螺線構造、又は交叉
螺線構造とされても差支えない。
或いは、螺線構造に加えて中心軸に沿った平行線構造
を導入しても良い。
支持体表面に設けられる凹凸の凸部の縦断面形状は形
成される各層の微小カラム内に於ける層厚の管理された
不均一化と、支持体と該支持体上に直接設けられる層と
の間に良好な密着性や所望の電気的接触性を確保する為
に逆V字形とされるが、好ましくは第2図に示される様
に実質的に二等辺三角形、直角三角形或いは不等辺三角
形とされるのが望ましい。これ等の形状の中殊に二等辺
三角形、直角三角形が望ましい。
本発明に於ては、管理された状態で支持体表面に設け
られる凹凸の各デイメンジヨンは、以下の点を考慮した
上で、本発明の目的を結果的に達成出来る様に設定され
る。
即ち、第1は光受容層を構成するA−Si(H,X)層
は、層形成される表面の状態に構造敏感であって、表面
状態に応じて層品質は大きく変化する。
従って、A−Si(H,X)層の層品質の低下を招来しな
い様に支持体表面に設けられる凹凸のデイメンジヨンを
設定する必要がある。
第2には光受容層の自由表面に極端な凹凸があると、
画像形成後のクリーニングに於てクリーニングを完全に
行なうことが出来なくなる。
又合、ブレードクリーニングを行う場合、ブレードの
いたみが早くなるという問題がある。
上記した層堆積上の問題点、電子写真法のプロセス上
の問題点及び、干渉縞模様を防ぐ条件を検討した結果、
支持体表面の凹部のピツチは、好ましくは500μm〜0.3
μm、より好ましくは200μm〜1μm、最適には50μ
m〜5μmであるのが好ましい。
又、凹部の最大の深さは、好ましくは0.1μm〜5μ
m、より好ましくは0.3μm〜3μm、最適には0.6μm
〜2μmとされるのが好ましい。支持体表面の凹部のピ
ツチと最大深さが上記の範囲にある場合、凹部(又は線
上突起部)の傾斜面の傾きは、好ましくは1度〜20度、
より好ましく3度〜15度、最適には4度〜10度とされる
のが望ましい。
又、この様な支持体上に堆積される各層の層圧の不均
一に基く層厚差の最大は、同一ピツチ内で好ましくは0.
1μm〜2μm、より好ましくは0.1μm〜1.5μm、最
適には0.2μm〜1μmとされるのが望ましい。
又、レーザー光などの可干渉性光を用いた場合の、干
渉縞模様による画像不良を解消する別の方法として、支
持体表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けて
もよい。
即ち支持体の表面が電子写真用光受容部材に要求され
る解像力よりも微小な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複
数の球状痕跡窪みによるものである。
以下に、本発明の電子写真用光受容部材に於ける支持
体の表面の形状の好適な例及びその好適な製造例を第3
図及び第4図により説明するが、本発明の光受容部材に
於ける支持体の形状及びその製造法は、これによって限
定されるものではない。
第3図は、本発明の電子写真用光受容部材に於ける支
持体の表面の形状の典型的一例を、その凹凸形状の一部
を部分的に拡大して模式的に示すものである。
第3図に於いて1601は支持体、1602は支持体表面、16
03は剛体真球、1604は球状痕跡窪みを示している。
更に第3図は、該支持体表面形状を得るのに好ましい
製造方法の1例をも示すものである。即ち、剛体真球16
03を支持体表面1602より所定高さの位置より自然落下さ
せて支持体表面1602に衝突させることにより、球状窪み
1604を形成し得ることを示している。そして、ほぼ同一
径R′の剛体真球1603を複数個用い、それらを同一の高
さhより、同時或いは逐時、落下させることにより、支
持体表面1602に、ほぼ同一曲率半径R及び同一幅Dを有
する複数の球状痕跡窪み1604を形成することができる。
前述のごとくして、表面に複数の球状痕跡窪みによる
凹凸形状の形成された支持体の典型例を第4図に示す。
同図に於いて、1701は支持体、1702の点線は凹凸部の
凸部の位置を、1703は剛体真球、1704は凹部の表面を示
す。
ところで、本発明の電子写真用光受容部材の支持体表
面の球状痕跡窪みによる凹凸形状の曲率半径R及び幅D
は、こうした本発明の光受容部材に於ける干渉縞の発生
を防止する作用効果を効率的に達成するためには重要な
要因である。本発明者らは、各種実験を重ねた結果以下
のところを究明した。即ち、曲率半径R及び幅Dが次
式: を満足する場合には、各々の痕跡窪み内にシエアリング
干渉によるニユートンリングが0.5本以上存在すること
になる。更に次式: を満足する場合には、各々の痕跡窪み内にシエアリング
干渉によるニユートンリングが1本以上存在することと
なる。
こうした事から、光受容部材の全体に発生する干渉縞
を各々の痕跡窪み内に分散せしめ、光受容部材に於ける
干渉縞の発生を防止する為には、前記D/Rを0.035、好ま
しくは0.055以上とすることが望ましい。
又、痕跡窪みによる凹凸の幅Dは、大きくとも500μ
m程度、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μ
m以下とするのが好ましい。
第5図は、上記方法によって形成された凹凸形状を有
する支持体1501上にその凹凸の傾斜面に沿って、光受容
層1500を備えた光受容部材を示している。この時、自由
表面1504並びに光受容層1500中に形成される界面におけ
る傾斜の程度が異なるため、自由表面1504並びに光受容
層1500中に形成される界面での反射光の反射角度が各々
異なる。
従って、いわゆるニユートンリング現象に相当するシ
エアリング干渉が生起し、干渉縞は窪み内で分散される
ところとなる。これによりこうした光受容部材を介して
現出される画像は、ミクロ的には干渉縞が仮りに現出さ
れたとしても、それらは視覚的にはとらえられない程度
のものとなる。即ち、かくなる表面形状を有する支持体
1501の使用は、その上に多層構成の光受容層1500を形成
してなる光受容部材にあって、該光受容層1500を通過し
た光が、層界面及び支持体表面で反射し、それらが干渉
することにより、形成される画像が縞模様となることを
効率的に防止する。
第5図に於いて、1502は光導電層、1503は表面層であ
る。
本発明に於いて、その目的を効果的に達成する為に、
支持体上に形成され、光受容層の一部を構成する光導電
層は下記に示す半導体特性を有し、照射される光に対し
て光導電性を示すA−Si(H,X)で構成される。
p型A−Si(H,X)−−−アクセプターのみを含む
もの。或いはドナーとアクセプターとの両方を含み、ア
クセプターの相対的濃度が高いもの。
p-型A−Si(H,X)−−−のタイプに於いてアク
セプターの濃度(Na)が低いか、又はアクセプターの相
対的濃度は低いもの。
n型A−Si(H,X)−−−ドナーのみを含むもの。
或いはドナーとアクセプターの両方を含み、ドナーの相
対的濃度が高いもの。
n-型A−Si(H,X)−−−のタイプに於いてドナ
ーの濃度(Nd)が低いか、又はドナーの相対的濃度が低
いもの。
i型A−Si(H,X)−−−NaNdOのもの又は、N
aNdのもの。
本発明に於いて、光導電層中に含有されるハロゲン原
子(X)として好適なのはF,Cl,Br,Iであり、殊にF,Cl
が望ましいものである。
本発明に於いて、A−Si(H,X)で構成される光導電
層及び必要に応じて電荷注入阻止層を形成するには、例
えばグロー放電法、マイクロ波放電法、スパツタリング
法、或いはイオンプレーテイング法等の放電現象を利用
する真空堆積法によって成される。例えば、グロー放電
法によってA−Si(H,X)で構成される非晶質層を形成
するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得る
Si供給用の原料ガスと共に、水素原子(H)導入用の又
は/及びハロゲン原子(X)導入用の原料ガスを、内部
が減圧にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグロ
ー放電を生起させ、予め所定位置に設置されてある所定
の支持体表面上にA−Si(H,X)からなる層を形成させ
れば良い。又、スパツタリング法で形成する場合には、
例えばAr,He等の不活性ガス又はこれ等のガスをベース
とした混合ガスの雰囲気中でSiで構成されたターゲツト
をスパツタリングする際、水素原子(H)又は/及びハ
ロゲン原子(X)導入用のガスをスパツタリング用の堆
積室に導入してやれば良い。
本発明に於いて使用されるSi供給用の原料ガスとして
は、SiH4,SiH2H6,Si3H8,Si4H10等のガス状態の又はガス
化し得る水素化硅素(シラン類)が有効に使用されるも
のとして挙げられ、殊に、層作成作業の扱い易さ、Si供
給効率の良さ等の点でSiH4,SiH2H6が好ましいものとし
て挙げられる。
本発明に於いて使用されるハロゲン原子導入用の原料
ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化合物が挙げら
れ、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態
の又はガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。
又、更には、シリコン原子とハロゲン原子とを構成要
素とするガス状態の又はガス化し得る、ハロゲン原子を
含む硅素化合物も有効なものとして本発明に於いては挙
げることが出来る。
本発明に於いて好適に使用し得るハロゲン化合物とし
ては、具体的には、フツ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロ
ゲンガス,BrF,ClF,ClF3,BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr等
のハロゲン間化合物を挙げることが出来る。
ハロゲン原子を含む硅素化合物、いわゆる、ハロゲン
原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には例
えばSiF4,SiF2F6,SiCl4,SiBr4等のハロゲン化硅素を好
ましいものとして挙げることが出来る。
この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を採用してグ
ロー放電法によって本発明の特徴的な光導電部材を形成
する場合には、Siを供給し得る原料ガスとしての水素化
硅素ガスを使用しなくとも、所定の支持体上にハロゲン
原子を構成要素として含むA−Si:Hから成る層を形成す
る事が出来る。
グロー放電法に従って、ハロゲン原子を含む層を製造
する場合、基本的にはSi供給用の原料ガスであるハロゲ
ン化硅素ガスとAr,H2,He等のガス等を所定の混合比とガ
ス流量になる様にして光導電層及び電荷注入阻止層を形
成する堆積室内に導入し、グロー放電を生起してこれ等
のガスのプラズマ雰囲気を形成する事によって、所定の
支持体上に光導電層及び電荷注入阻止層を形成し得るも
のであるが、水素原子の導入を計る為にこれ等のガスに
更に水素原子を含む硅素化合物のガスを所定量混合して
層形成しても良い。
又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種
混合して使用しても差支えないものである。
反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイング法
に依ってA−Si(H,X)から成る層を形成するには、例
えばスパツタリング法の場合にはSiから成るターゲツト
を使用して、これを所定のガスプラズマ雰囲気中でスパ
ツタリングし、イオンプレーテイング法の場合には、多
結晶シリコン又は単結晶シリコンを蒸発源として蒸着ボ
ートに収容し、このシリコン蒸発源を抵抗加熱法、或い
はエレクトロンビーム法(EB法)等によって加熱蒸発さ
せ飛翔蒸発物を所定のガスプラズマ雰囲気中を通過させ
る事で行う事が出来る。
この際、スパツタリング法、イオンプレーテイング法
の何れの場合にも形成される層中にハロゲン原子を導入
するには、前記のハロゲン化合物又は前記のハロゲン原
子を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入して該ガス
のプラズマ雰囲気を形成してやれば良いものである。
又、水素原子を導入する場合には、水素原子導入用の
原料ガス、例えば、H2、或いは前記したシラン種等のガ
スをスパツタリング用の堆積室中に導入して該ガスのプ
ラズマ雰囲気を形成してやれば良い。
本発明に於いては、ハロゲン原子導入用の原料ガスと
して上記されたハロゲン化合物或いはハロゲンを含む硅
素化合物が有効なものとして使用されるものであるが、
その他に、HF,HCl,HBr,HI等のハロゲン化水素、SiH2F2,
SiH2I2,SiH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2、SiHBr3等のハロゲン置
換水素化硅素、等々のガス状態の或いはガス化し得る、
水素原子を構成要素の1つとするハロゲン化物も有効な
光導電層及び電荷注入阻止層形成用の出発物質として挙
げる事が出来る。
これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、層形成の際
に層中にハロゲン原子の導入と同時に電気的或いは光電
的特性の制御に極めて有効な水素原子も導入されるの
で、本発明に於いては好適なハロゲン導入用の原料とし
て使用される。
水素原子を層中に構造的に導入するには、上記の他に
H2、或いはSiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等の水素化硅素の
ガスをSiを供給する為のシリコン化合物と堆積室中に共
存させて放電を生起させる事でも行う事が出来る。
例えば、反応スパツタリング法の場合には、Siターゲ
ツトを使用し、ハロゲン原子導入用のガス及びH2ガスを
必要に応じてHe,Ar等の不活性ガスを含めて堆積室内に
導入してプラズマ雰囲気を形成し、前記Siターゲツトを
スパツタリングする事によって、基板上にA−Si(H,
X)から成る層が形成される。
更には、不純物のドーピングも兼ねてB2H6等のガスを
導入してやることも出来る。
本発明に於いて、形成される電子写真用光受容部材の
光導電層及び電荷注入阻止層中に含有される水素原子
(H)の量又はハロゲン原子(X)の量又は水素原子と
ハロゲン原子の量の和は好ましくは1〜40原子%、より
好適には5〜30原子%とされるのが望ましい。
層中に含有される水素原子(H)又は/及びハロゲン
原子(X)の量を制御するには、例えば支持体温度又は
/及び水素原子(H)、或いはハロゲン原子(X)を含
有させる為に使用される出発物質の堆積装置系内へ導入
する量、放電々力等を制御してやれば良い。
本発明に於いて、光導電層又は電荷注入阻止層をグロ
ー放電又は反応スパツタリング法で形成する際に使用さ
れる稀釈ガスとしては、所謂、稀ガス、例えばHe,Ne,Ar
等を好適なものとして挙げる事が出来る。
光導電層の半導体特性を〜の中の所望のものとす
るには、又、電荷注入阻止層中に伝導性を制御する物質
を含有させる場合には、該層形成の際に、n型不純物又
は、p型不純物、或いは両不純物を形成される層中にそ
の量の制御し乍らドーピングしてやる事によって成され
る。その様な不純物としては、p型不純物として周期律
表第III族に属する原子、例えば、B,Al,Ca,In,Tl等が好
適なものとして挙げられ、n型不純物としては、周期律
表第V族に属する原子、例えばN,P,AsSb,Bi等が好適な
ものとして挙げられるが、殊にB,Ca,P,Sb等が最適であ
る。
本発明に於いて所望の伝導性を有する為に光導電層中
にドーピングされる不純物の量は、所望される電気的、
光学的特性に応じて適宜決定されるが、周期律表第III
族の不純物の場合は3×10-3原子%以下の量範囲でドー
ピングしてやれば良く、周期律表第V族の不純物の場合
には5×10-3原子%以下の量範囲でドーピングしてやれ
ば良い。
本発明において電荷注入阻止層中に含有される第III
族原子又は第V族原子の含有量としては、本発明の目的
が効果的に達成される様に所望に従って適宜決められる
が、好ましくは3×10-3〜5原子%、より好ましくは5
×10-3〜1原子%、最適には1×10-2〜0.5原子%とさ
れるのが望ましいものである。
光導電層及び電荷注入阻止層中に不純物をドーピング
するには、層形成の際に不純物導入用の原料物質をガス
状態で堆積室中に光導電層及び電荷注入阻止層を形成す
る主原料物質と共に導入してやれば良い。この様な不純
物導入用の原料物質としては、常温常圧でガス状の又
は、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るもの
が採用されるのが望ましい。
その様な不純物導入用の出発物質として具体的には、
PH3、P2H4,PF3,PF5,PCl3,AsH3,AsF3,AsF5,AsCl3,SbH3,Sb
F3,SbF5,BiH3,BF3,BCl3,BBr3,B2H6,B4H10、B5H9,B5H11,B
6H10,B6H12,B6H14,AlCl3l,CaCl3,InCl3,TlCl3等を挙げ
る事が出来る。
光導電層及び電荷注入阻止層に、炭素原子、酸素原
子、窒素原子の中少なく共1種類の原子を含有させるに
は、例えば、グロー放電法で形成する場合には、炭素原
子、酸素原子、窒素原子の中、少なくとも1種の元素を
含有する化合物を光導電層及び電荷注入阻止層を形成す
る原料ガスと共に内部を減圧にし得る堆積室内に導入し
て、該堆積室内でグロー放電を生起させて光導電層及び
電荷注入阻止層を形成すればよい。
その様な炭素原子導入用の原料となる炭素原子含有化
合物としては、例えば炭素数1〜4の飽和炭化水素、炭
素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のアセ
チレン系炭化水素等が挙げられる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(C
H4),エタン(C2H6),プロパン(C3H8),n−ブタン
(n−C4H10)、ペンタン(C5H12)、エチレン系炭化水
素としては、エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6),
ブテン−1(C4H8),ブテン−2(C4H8),イソブチレ
ン(C4H8)ペンテン(C5H10)アセチレン系炭化水素と
しては、アセチレン(C2H2),メチルアセチレン(C
3H4),ブチン(C4H6)等が挙げられる。
SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとしては、Si
(CH3)4,Si(C2H4)4等のケイ化アルキルを挙げる事が出
来る。
酸素原子導入用の原料となる酸素原子含有化合物とし
ては、例えば酸素(O2),一酸化炭素(CO),二酸化炭
素(CO2),一酸化窒素,二酸化窒素等が挙げられる。
又、窒素原子導入用の原料ガとなる窒素原子含有化合
物としては、例えば、窒素(N2),一酸化炭素,二酸化
窒素,アンモニア等が挙げられる。
又、例えば光導電層及び電荷注入阻止層をスパツタリ
ング法で形成する場合には、所望の混合比とし、例え
ば、(Si+Si3N4),(Si+SiC)又は(Si+SiO2)なる
成分で混合成形したスパツター用のターゲツトを使用す
るか、SiウエハーとSi3N4ウエハーの二枚、Siウエハー
とSiCウエハーの二枚、又はSiウエハーとSiO2ウエハー
の二枚のターゲツトを使用して、スパツタリングを行う
か、又は炭素を含んだ化合物のガス、窒素を含んだ化合
物のガス、又は酸素を含んだ化合物のガスを、例えばAr
ガス等のスパツター用のガスと共に堆積室内に導入し
て、Si又はターゲツトを使用してスパツタリングを行っ
て光導電層及び電荷注入阻止層を形成すれば良い。
本発明に於いて、形成される光導電層中に含有される
炭素、酸素または窒素の量又は、これ等の2種以上の量
の和は、形成される電子写真用光受容部材の特性を大き
く左右するものであって、所望に応じて適宜決定されね
ばならないが、好ましくは0.0005〜30原子%,より好適
には0.001〜20原子%、最適には0.002〜15原子%とされ
るのが望ましい。
本発明において電荷注入阻止層中に含有される酸素原
子又は/及び窒素原子の含有量又は両者の和としては、
本発明の目的が効果的に達成される様に所望に従って適
宜決められるが、好ましくは0.001〜50原子%、より好
ましくは0.002〜40原子%、最適には0.003〜30原子%と
さるのが好ましい。
光導電層及び電荷注入阻止層を形成する際、層形成中
の支持体温度は、形成される層の構造及び特性を左右す
る重要な因子であって、本発明に於いては、目的とする
特性を有する光導電層及び電荷注入阻止層が所望通りに
作成され得る様に層作成時の支持体温度が厳密に制御さ
れるのが望ましい。
本発明に於ける目的が効果的に達成される為の光導電
層及び電荷注入阻止層を形成する際の支持体温度として
は光導電層及び電荷注入阻止層の形成法に併せて適宜最
適範囲が選択されて、光導電層及び電荷注入阻止層の形
成が実行されるが、好ましくは50℃〜350℃、より好適
には100℃〜300℃とされるのが望ましいものである。光
導電層及び電荷注入阻止層の形成には、層を構成する原
子の組成比の微妙な制御や層厚の制御が他の方法に較べ
て比較的容易である事などの為に、グロー放電法やスパ
ツタリング法の採用が有利であるが、これ等の層形成法
で光導電層及び電荷注入阻止層を形成する場合には、前
記の支持体温度と導入に層形成の際の放電パワー、ガス
圧が作成される光導電層及び電荷注入阻止層の特性を左
右する重要な因子の1つである。
本発明に於ける目的を達成される為の特性を有する光
導電層及び電荷注入阻止層が生産性良く効果的に作成さ
れる為の放電パワー条件としては、好ましくは10〜1000
W、より好適には20〜500Wとされるのが望ましい。堆積
室内のガス圧は、通常0.01〜1Torr、好適には0.1〜0.5T
orr程度とするのが望ましい。
本発明に於いては、光導電層及び電荷注入阻止層を作
成する為の支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲
として前記した範囲の値が挙げられるが、これ等の層作
成フアクターは、独立的に別々に決められるものではな
く、所望特性の光導電層及び電荷注入阻止層が形成され
る様に相互的有機的関連性に基づいて、各層作成フアク
ターの最適値が決めるのが望ましい。
光導電層の層厚は、所望のスペクトル特性を有する光
の照射によって発生されるフオトキヤリアが効率良く輸
送される様に所望に従って適宜決められ、好ましくは1
〜100μ、より好適には2〜50μとされるのが望まし
い。
必要に応じて設けられる電荷注入阻止層の層厚は、好
ましくは0.01〜10μ、好適には0.1〜5μとされるのが
望ましい。
又、グロー放電法によってシリコン原子とゲルマニウ
ム原子を含有する非晶質材料で構成される長波長光感光
層を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供
給し得るSi供給用の原料ガスと共に、ゲルマニウム原子
(Ge)を供給し得るGe供給用の原料ガスと必要に応じ
て、水素原子(H)導入用の又は/及びハロゲン原子
(X)導入用の原料ガスを、内部が減圧にし得る堆積室
内に導入して、該堆積室内にグロー放電を生起させ、予
め所定位置に設置されてある所定の支持体表面上に層を
形成させれば良い。又、スパツタリング法で形成する場
合には、例えばAr,He等の不活性ガス又はこれ等のガス
をベースとした混合ガスの雰囲気中でSiで構成されたタ
ーゲツト、或いは、該ターゲツトとGeで構成されたター
ゲツトの二枚を使用して、又は、SiとGeの混合されたタ
ーゲツトを使用して、必要に応じて、He,Ar等の稀釈ガ
スで稀釈されたGe供給用の原料ガスを、必要に応じて、
水素原子(H)又は/及びハロゲン原子(X)導入用の
ガスをスパツタリング用の堆積室に導入し、所望のガス
のプラズマ雰囲気を形成する事によって成される。
本発明に於いて使用されるSi供給用の原料ガスとして
は、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のガス状態の又はガス
化し得る水素化硅素(シラン類)が有効に使用されるも
のとして挙げられ、殊に、層作成作業の扱い易さ、Si供
給効率の良さ等の点でSiH4,SiH2H6が好ましいものとし
て挙げられる。
Ge供給用の原料ガスと成り得る物質としては、GeH4,G
e2H6,Ge3H8,Ge4H10,Ge5H12,Ge6H14,Ge7H16,Ge8H18,Ge9H
20等のガス状態の又はガス化し得る水素化ゲルマニウム
が有効に使用されるものとして挙げられ、殊に、層作成
作業時の取扱い易さ、Ge供給効率の良さ等の点で、Ge
H4,Ge2H6,Ge3H8が好ましいものとして挙げられる。
本発明に於いて使用されるハロゲン原子導入用の原料
ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化合物が挙げら
れ、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態
の又はガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。
又、長波長光感光層を形成する場合には、ハロゲン原
子導入用の原料ガスとしてハロゲン化合物或いはハロゲ
ンを含む硅素化合物が有効なものとして使用されるもの
であるが、その他に、GeHF3,GeH2F2,GeH3F,GeHCl3,GeH2
Cl2,GeH3Cl,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3Br,GeHI3,GeH2I2,GeH3
I等の水素化ハロゲン化ゲルマニウム、等の水素原子を
構成要素の1つとするハロゲン化物、GeF4,GeCl4,GeB
r4,GeI4,GeF2,GeCl2,GeBr2,GeI2等のハロゲン化ゲルマ
ニウム、等々のガス状態の或いはガス化し得る物質も有
効な長波長光感光層形成用の出発物質として挙げる事が
出来る。
本発明において、長波長光感光層中に含有されるゲル
マニウム原子の含有量としては、本発明の目的が効果的
に達成されるように所望に従って適宜決められるが、シ
リコン原子との和に対して、好ましくは1〜10×105
子ppm、より好ましくは100〜9.5×105原子ppm、最適に
は500〜8×105原子ppmとされるのが望ましい。
前記長波長光感光層はさらに伝導性を制御する物質、
酸素原子,窒素原子のうち少なくとも1つを含有しても
よい。
本発明に於いて、長波長光感光層中に含有される伝導
特性を制御する物質の含有量としては、好ましくは0.01
〜5×105原子ppm、より好ましくは0.5〜1×104原子pp
m、最適には1〜5×103原子ppmとされるのが望ましい
ものである。
長波長光感光層中に含有される窒素原子(N)の量、
又は酸素原子(O)の量又は窒素原子と酸素原子の量の
和(N+O)は好ましくは0.01〜40原子%、より好まし
くは0.05〜30原子%、最適には0.1〜25原子%とされる
のが望ましい。
本発明における目的が効果的に達成される為の支持体
温度は、適宜最適範囲を選択するが、非晶質材料で構成
される長波長光感光層を形成場合、好ましくは50℃〜35
0℃、より好適には100℃〜300℃とするのが望ましい。
本発明における長波長光感光層の形成には、層を構成す
る原子の組成比の微妙な制御や層厚の制御が他の方法に
比較して容易である事から、グロー放電法やスパツタリ
ング法の採用が望ましいが、これ等の層形成法で長波長
光感光層を形成する場合には、前記の支持体温度と同様
に層形成の際の放電パワー、ガス圧が作成される長波長
光感光層の特性を左右する重要な要因である。
本発明の目的を達成しうる特性を有する長波長光感光
層を生産性良く且つ効率的に作成するに当っては、放電
パワー条件については、非晶質材料で構成される長波長
光感光層を形成する場合、好ましくは10〜1000W、より
好適には20〜500Wとするのが好ましく、また、堆積室内
のガス圧については、非晶質材料で構成される長波長光
感光層を形成する場合、好ましくは0.01〜1Torr、より
好適には0.1〜0.5Torr程度とするのが望ましい。
本発明においては、長波長光感光層を作成するための
支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲として前記
した範囲が挙げられるが、これらの層作成フアクター
は、通常は独立的に別々に決められるものではなく、所
望の特性を有する長波長光感光層を形成すべく、相互的
且つ有機的関連性に基づいて、各層作成フアクターの最
適値を決めるのが望ましい。
本発明において長波長光感光層の層厚は、好ましくは30
Å〜50μ、より好ましくは40Å〜40μm、最適には50Å
〜30μmとされるのが望ましい。
本発明の電子写真用光受容部材に於いては、支持体と
長波長光感光層又は電荷注入阻止層または光導電層との
間に密着性の一層の向上を計る目的で、例えば、Si3N4,
SiO2,SiC,SiO水素原子及びハロゲン原子の少なくとも一
方と、窒素原子、酸素原子、炭素原子の少なくとも一方
と、シリコン原子とを含む非晶質材料で構成される密着
層を設けても良い。
光導電層上に形成される表面層は、自由表面を有し、
主に耐湿性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性使用環
境特性、耐久性に於いて本発明の目的を達成する為に設
けられる。
表面層は、シリコン原子と炭素原子と水素原子とで構
成される多結晶材料で形成される。
表面層の形成はグロー放電法、スパツタリング法、イ
オンインプランテーシヨン法、イオンプレーテイング
法、エレクトロンビーム法等によって成される。これ等
の製造法は、製造条件、設備資本投下の負荷程度、製造
規模、作製される電子写真用光受容部材に所望される特
性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、所望
する特性を有する電子写真用光受容部材を製造する為の
作製条件の制限が比較的容易である、シリコン原子と共
に炭素原子及び水素原子を作製する表面層中に導入する
ことが容易に行える等の利点からグロー放電法或いはス
パツタリング法が好適に採用される。
更に、本発明に於いては、グロー放電法とスパツタリ
ング法とを同一装置系内で併用して表面層を形成しても
良い。
グロー放電法によって表面層を形成するには、原料ガ
スを、必要に応じて稀釈ガスと所定量の混合比で混合し
て、支持体の設置してある真空堆積用の堆積室に導入
し、導入されたガスをグロー放電を生起させることでガ
スプラズマ化して前記支持体上に既に形成されてある光
導電層上に表面層を堆積させれば良い。
本発明に於いて表面層形成用の原料ガスとしては、S
i,C,Hの中の少なくとも1つを構成原子とするガス状の
物質又はガス化し得る物質をガス化したものの中の大概
のものが使用され得る。
Si,C,Hの中の1つとしてSiを構成原子とする原料ガス
を使用する場合は、例えばSiを構成原子とする原料ガス
と、Cを構成原子とする原料ガスと、Hを構成原子とす
る原料ガスとを所望の混合比で混合して使用するか、又
は、Siを構成原子とする原料ガスと、C及びHを構成原
子とする原料ガスとを、これも所望の混合比で混合する
か、或いはSiを構成原子とする原料ガスと、Si,C及びH
の3つを構成原子とする原料ガスとを混合して使用する
ことが出来る。
又、別にはSiとHとを構成原子とする原料ガスにCを
構成原子とする原料ガスを混合して使用しても良い。
本発明に於いて、表面層形成用の原料ガスとして有効
に使用されるのは、SiとHとを構成原子とするSiH4,Si2
H6、Si3H3,Si4H10等のシラン(Sillane)類等の水素化硅
素ガス、CとHとを構成原子とする、例えば炭素数1〜
4の飽和炭化水素、炭素数2〜4のエチレン系炭化水
素、炭素数2〜3のアセチレン系炭化水素等が挙げられ
る。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(C
H4),エタン(C2H6),プロパン(C3H8),n−ブタン
(n−C4H10),ペンタン(C5H12)、エチレン系炭化水
素としては、エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6),
ブテン−1(C4H8),ブテン−2(C4H8),イソブチレ
ン(C4H8),ペンテン(C5H10),アセチレン系炭化水
素としては、アセチレン(C2H2),メチルアセチレン
(C3H4),ブチン(C4H6)等が挙げられる。
SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとしては、Si
(CH3)4,Si(C2H5)4等のケイ化アルキルを挙げる事が出
来る。これ等の原料ガスの他、H導入用の原料ガスとし
ては勿論H2も有効なものとして使用される。
スパツタリング法によって表面層104を形成するに
は、単結晶又は多結晶のSiウエーハー又はCウエーハー
又はSiとCが混合されて含有されているウエーハーをタ
ーゲツトとして、これ等を種々のガス雰囲気中でスパツ
タリングすることによって行えば良い。
例えば、Siウエーハーをターゲツトとして使用すれ
ば、CとHを導入する為の原料ガスを、必要に応じて稀
釈ガスで稀釈して、スパツタ用の堆積室中に導入し、こ
れ等のガスのガスプラズマを形成して前記Siウエーハー
をスパツタリングすれば良い。
又、別にはSiとCとが別々のターゲツトとして、又は
SiとCの混合した一枚のターゲツトを使用することによ
って少なくとも水素原子を含有するガス雰囲気中でスパ
ツタリングすることによって成される。
C又はH導入用の原料ガスとしては、先述したグロー
放電の例で示した原料ガスが、スパツタリングの場合に
も有効なガスとして使用され得る。
本発明に於いて、表面層104をグロー放電法又はスパ
ツタリング法で形成する際に使用される稀釈ガスとして
は、所謂・希ガス、例えばHe,Ne,Ar等を好適なものとし
て挙げることが出来る。
本発明に於ける表面層104は、その要求される特性が
所望通りに与えられる様に注意深く形成される。
即ち、Si,C及びHを構成原子とする物質はその作成条
件によって構造的には結晶からアモルフアスまでの形態
を取り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性ま
での間の性質を、又あは光導電性性質から非光導電的性
質までの間の性質を各々示すので、本発明に於いては、
目的に応じた所望の特性を有する表面層が形成される様
に、所望に従ってその作成条件の選択が厳密に成され
る。
即ち、シリコン原子と炭素原子と水素原子とを構成要
素として含む、多結晶材料で構成される表面層を形成す
る事により、表面層中の欠陥濃度が減少し又、構造配列
的に緻密で安定となる為の自由表面からの電荷の注入に
対する阻止能が向上し、さらに欠陥による電荷にトラツ
プに起因する残留電位やゴーストなどが減少し、電子写
真特性が向上した。さらに、表面層の硬度がアツプし、
耐久性が飛躍的に向上した。
光導電層の表面に表面層を形成する際、層形成中の支
持体温度は、形成される層の構造及び特性を左右する重
要な因子であって、本発明に於いては、目的とする特性
を有する表面層が所望通りに作成され得る様に層作成時
の支持体温度が厳密に制御されるのが望ましい。
本発明に於ける目的が効果的に達成される為の表面層
を形成する際の支持体温度としては表面層の形成法に併
せて適宜最適範囲が選択されて、表面層の形成が実行さ
れるが、好ましくは50℃〜350℃、より好適には100℃〜
300℃とされるのが望ましいものである。表面層の形成
には、層を構成する原子と組成比の微妙な制御や層厚の
制御が他の方法に較べて比較的容易である事などの為
に、グロー放電法やスパツタリング法の採用が有利であ
るが、これ等の層形成法で表面層を形成する場合には、
前記の支持体温度と同様に層作成の際の放電パワー、ガ
ス圧が作成される表面層の特性を左右する重要な因子の
1つである。
本発明に於ける目的が達成される為の特性を有する表
面層が生産性良く効果的に作成される為の放電パワー条
件としては、好ましくは100〜5000W、より好適には200
〜2000Wとされるが望ましい。堆積室内のガス圧は、好
ましくは10-3〜0.8Torr、より好適には5×10-3〜0.5To
rr程度とされるのが望ましい。
本発明に於いては、表面層を作成する為の支持体温
度、放電パワーの望ましい数値範囲として前記した範囲
の値が挙げられるが、これ等の層作成フアクターは、独
立的に別々に決められるものではなく、所望特性の多結
晶材料から成る表面層が形成される様に相互的有機的関
連性に基づいて、各層作成フアクターの最適値が決める
のが望ましい。
本発明の電子写真用光受容部材に於ける表面層に含有
される炭素原子及び水素原子の量は、表面層の作製条件
と同様、本発明の目的を達成する所望の特性が得られる
表面層が形成される重要な因子である。
本発明に於ける表面層に含有される炭素原子の量はシ
リコン原子と炭素原子の総量に対して好ましくは1×10
-3〜90原子%、最適には10〜80原子%とされるのが望ま
しいものである。水素原子の含有量としては、構成原子
の総量に対して通常の場合1×10-3〜70原子%、好適に
は1×10-2〜60原子%、とされるのが望ましく、これ等
の範囲に水素含有量がある場合に形成される光受容部材
は、実際面に於いて従来にない格段に優れたものとして
充分適用させ得るものである。
すなわち、シリコン原子と水素原子と炭素原子を含む
多結晶材料で構成される表面層内に存在する欠陥(主に
シリコン原子や炭素原子のダングリングボンド)は電子
写真用光受容部材としての特性に悪影響を及ぼすことが
知られ、例えば自由表面からの電荷の注入による帯電特
性の劣化、使用環境、例えば高い湿度のもとで表面構造
が変化することによる帯電特性の変動、さらにコロナ帯
電時や光照射時に光導電層より表面層に電荷が注入し、
前記表面層内の欠陥に電荷がトラツプされることによる
繰り返し使用時の残像現象等があげられる。
しかしながら表面層をシリコン原子と炭素原子と水素
原子とを含む多結晶材料とすることで表面層中の欠陥が
大巾に減少し、その結果、前記の問題点は全て解消し、
殊に従来に較べて電気的特性面及び高速連続使用性に於
いて飛躍的な向上を計ることが出来る。
表面層中の水素含有量は、H2ガスの流量、支持体温
度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
又、更に表面層中にはハロゲン原子を含有させてもよ
い。表面層中にハロゲン原子を含有させる方法として、
例えば原料ガスにSiF4,SiFH3,Si2F6,SiF3SiH3,SiCl4
のハロゲン化シリコンガスを混合させるか、又は/及び
CF4,CCl4,CH3CF3等のハロゲン化炭素ガスを混合させて
グロー放電分解法またはスパツタリング法で形成すれば
良い。
本発明に於ける層厚の数値範囲は、本発明の目的を効
果的に達成する為の重要な因子の1つである。
本発明に於ける表面層の層厚の数値範囲は、本発明の
目的を効果的に達成する様に所期の目的に応じて適宜所
望に従って決められる。
又、表面層の層厚は、光導電層の層厚との関係に於い
ても、各々の層領域に要求される特性に応じた有機的な
関連性の下に所望に従って適宜決定される必要がある。
更に加え得るに、生産性や量産性を加味した経済性の点
に於いても考慮されるのが望ましい。
本発明に於ける表面層の層厚としては、通常0.003〜3
0μ、好適には0.004〜20μ、最適には0.005〜10μとさ
れるのが望ましいものである。
本発明に於ける電子写真用光受容部材の光受容層の層
厚としては、目的に適合させて所望に従って適宜決定さ
れる。
本発明に於いては、光受容層の層厚としては、光受容
層を構成する光導電層と表面層に付与される特性が各々
有効に活されて本発明の目的が効果的に達成される様に
光導電層と表面層との層厚関係に於いて適宜所望に従っ
て決められるものであり、好ましくは表面層の層厚に対
して光導電層の層厚が数百〜数千倍以上となる様にされ
るのが好ましいものである。
具体的な値としては好ましくは3〜100μ、より好適
には5〜70μ、最適には5〜50μの範囲とされるのが望
ましい。
次にグロー放電分解法によって形成される光導電部材
の製造方法について説明する。
第6図にグロー放電分解法による電子写真用光受容部
材の製造装置を示す。
図中の1102,1103,1104,1105,1106のガスボンベには、
本発明の夫々の層を形成するための原料ガスが密封され
ており、その1例として、たとえば1102はSiH4ガス(純
度99.999%)ボンベ、1103はH2で稀釈されたB2H6ガス
(純度99.999%,以下B2H6/H2と略す。)ボンベ、1104
はSi2H6ガス(純度99.99%)ボンベ、1105はH2ガス(純
度99.999%)ボンベ、1106はCH4ガスボンベである。
これらのガスを反応室1101に流入させるにはガスボン
ベ1102〜1106のバルブ1122〜1126、リークバルブ1135が
閉じられていることを確認し、又、流入バルブ1112〜11
16、流出バルブ1117〜1121、補助バルブ1132〜1133が開
かれていることを確認して先づメインバルブ1134を開い
て反応室1101、ガス配管内を排気する。次に真空計1136
の読みが約5×10-6torrになった時点で補助バルブ1132
〜1133、流出バルブ1117〜1112を閉じる。
基体シリンダー1137上に光受容層を形成する場合の1
例をあげると、ガスボンベ1102よりSiH4ガス、ガスボン
ベ1103よりB2H6/H2ガス、バルブ1122、1123を開いて出
口圧ゲージ1127、1128の圧を1Kg/cm2に調節し、流入バ
ルブ1112,1113を徐々に開けて、マスフロコントローラ1
107、1108内に流入させる。引き続いて流出バルブ111
7、1118補助バルブ1132を徐々に開いて夫々のガスを反
応室1101に流入させる。このときのSiH4ガス流量、B2H6
/Heガス流量の比が所望の値になるように流出バルブ111
7、1118を調整し、又、反応室内の圧力が所望の値にな
るように真空計1136の読みを見ながらメインバルブ1134
の開口を調整する。そして基体シリンダー1137の温度が
加熱ヒーター1138により50〜350℃の温度に設定されて
いることを確認された後、電源1140を所望の電力に設定
して反応室1101内にグロー放電を生起させ基体シリンダ
ー上に光導電層を形成する。
光導電層中にハロゲン原子を含有される場合には、上
記のガスに例えばSiF4ガスを更に付加して反応室1101内
に送り込む。
各層を形成する際ガス種の選択によっては、層形成速
度を更に高めることが出来る。例えばSiH4ガスの代りに
Si2H6ガスを用いて層形成を行なえば、数倍高めること
が出来、生産性が向上する。
上記の様にして作成された光導電層上に表面層を形成
するには、光導電層の形成の際と同様なバルブ操作によ
って、例えばSiH4ガス、CH4ガス、及び必要に応じてH2
等の稀釈ガスを、所望の流出比で反応室1101中に流し、
所望に条件に従ってグロー放電を生起させることによっ
て成される。
表面層中の含有される炭素原子の量は例えば、SiH4
スと、CH4ガスの反応室1101内に導入される流量比を所
望に従って任意に変えることによって、所望に応じて制
御することができる。
又、表面層中に含有される水素原子の量は例えば、H2
ガスの反応室1101内に導入される流量を所望に従って任
意に変えることによって、所望に応じて制御することが
できる。
夫々の層を形成する際に必要なガス以外の流出バルブ
は全て閉じることは言うまでもなく、又、夫々の層を形
成する際、前層の形成に使用したガスが反応室1101内、
流出バルブ1117〜1121から反応室1101内に至る配管内に
残留することを避けるために、流出バルブ1117〜1121を
閉じ補助バルブ1132を開いてメインバルブ1134を全開し
て系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行
う。
又、層形成を行っている間は層形成の均一化を図るた
め基体シリンダー1137は、モータ1139によって所望され
る速度で一定に回転させる。
〈実施例1〉 第6図の製造装置を用い、第1表の作製条件に従って
鏡面加工を施したアルミシリンダー上に従って電子写真
用光受容部材を形成した。又、第6図と同型の装置を用
い、同一仕様のシリンダー上に表面層のみを形成したも
のを分析用サンプルとして別個に用意した。光受容部材
(以後ドラムと表現)の方は、電子写真装置にセツトし
て、種々の条件のもとに、初期の帯電能、残留電位、ゴ
ースト等の電子写真特性をチエツクし、又、150万枚実
機耐久後の帯電能低下,感度劣化,画像欠陥の増加を調
べた。更に、35℃,85%の高温・高湿の雰囲気中でのド
ラムの画像流れについても評価した。そして、評価の終
了したドラムは、画像部の上・中・下に相当する部分を
切り出し、SIMSを利用して表面層中に含まれる水素の定
量分析に供した。又、表面層のみのサンプルの方は、サ
ンプルの母線方向の上・中・下に相当する部分を切り出
し後、X線回折装置にて回折角27°付近のSi(111)に
対応する回折パターンを求め、結晶性の有無を調べた。
上記の評価結果及び表面層中の水素含有量、さらに表面
層の結晶性の有無を総合して第2表に示す。第2表に見
られる様に、特に初期帯電能,残留電位,ゴースト,画
像流れ,画像欠陥の増加の各項目について著しい優位性
が認められた。
〈実施例1〉 作製条件を第3表のように変えた以外は、実施例1と
同様の装置,方法でドラム及びサンプルを作成し、同様
の評価・分析に供した。その結果を第4表に示す。
第4表にみられる様に、実施例1と比べて諸々の項目
について劣ることが認められた。
〈実施例2(比較例2)〉 表面層の作製条件を第5表に示す数種の条件に変え、
それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラムおよ
び分析用サンプルを用意した。これらのドラムおよびサ
ンプルを実施例1と同様の評価・分析にかけた結果、第
6表に示すような結果を得た。
〈実施例3〉 光導電層の作製条件を第7表に示す数種の条件に変
え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラム
を用意した。これらのドラムを実施例1と同様の評価に
かけた結果、第8表に示すような結果を得た。
〈実施例4〉 光導電層の作製条件を第9表に示す数種の条件に変
え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラム
を用意した。これらのドラムを実施例1と同様の評価に
かけた結果、第10表に示すような結果を得た。
〈実施例5〉 電荷注入阻止層の作製条件を第11表に示す数種の条件
に変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のド
ラムを用意した。これらのドラムを実施例1と同様の評
価にかけた結果、第12表に示すような結果を得た。
〈実施例6〉 電荷注入阻止層の作製条件を第13表に示す数種の条件
に変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のド
ラムを用意した。これらのドラムを実施例1と同様の評
価にかけた結果、第14表に示すような結果を得た。そし
て、評価の終了したNo.605のドラムを画像部の上・中・
下に相当する部分を切り出し、SIMSを利用して、電荷注
入阻止層における層厚方向でのホウ素(B),酸素
(O)の成分プロフアイルを調べた。その結果を第9図
に示す。
〈実施例7〉 長波長光感光層の作製条件を第15表に示す数種の条件
に変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のド
ラムを用意した。これらのドラムを実施例1と同様の評
価にかけた結果、第16表に示すような結果を得た。
〈実施例8〉 長波長光感光層の作製条件を第17表に示す数種の条件
に変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のド
ラムを用意した。これらのドラムを実施例1と同様の評
価にかけた結果、第18表に示すような結果を得た。そし
て、評価の終了したNo.802のドラムを画像部の上・中・
下に相当する部分を切り出し、SIMSを利用して、長波長
光感光層における層厚方向でのゲルマニウム(Ge)の成
分プロフアイルを調べた。その結果を第10図に示す。
〈実施例9〉 基体シリンダー上の第19表に示す数種の作製条件のも
とで、密着層を形成し、さらにその上に実施例1と同様
の作製条件のもとで光受容部材を形成した。これらの光
受容部材を、実施例1と同様の評価にかけた結果、第20
表に示すような結果を得た。
〈実施例10〉 鏡面加工を施したシリンダーを更に様々な角度を持つ
剣バイトによる旋盤加工に供し、第7図のような断面形
状で第21表のような種々の断面パターンを持つシリンダ
ーを複数本用意した。該シリンダーを順次第6図の製造
装置にセツトし、実施例1と同様の作製条件の基にドラ
ム作製に供した。作製されたドラムは、780nmの波長を
有する半導体レーザーを光源としたデジタル露光機能の
電子写真装置により、種々の評価を行い、第22表の結果
を得た。
〈実施例11〉 鏡面加工を施したシリンダーの表面を、引続き多数の
ベアリング用球の落下の基にさらしてシリンダー表面に
無数の打痕を生ぜしめる、いわゆる表面デインプル化処
理を施し、第8図のような断面形状で、第23表のような
種々の断面パターンを持つシリンダーを複数本用意し
た。該シリダーを順次第6図の製造装置にセツトし、実
施例1と同様の作製条件の基にドラム作製に供した。作
製されたドラムは、780nmの波長を有する半導体レーザ
ーを光源としたデジタル露光機能の電子写真装置によ
り、種々の評価を行い、第24表の結果を得た。
〔発明の効果の概略〕 本発明の光受容部材は、A−Si(H,X)で構成された
光導電層を有する電子写真用光受容部材の層構成を前述
のごとき特定の層構成としたことにより、A−Siで構成
された従来の電子写真用光受容部材における諸問題を全
て解決することができ、特に極めて優れた耐湿性、連続
繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性および耐
久性等を有するものである。又、残留電位の影響が全く
なく、その電気的特性が安定しており、それを用いて得
られる画像は、濃度が高く、ハーフトーンが鮮明に出る
等、すぐれた極めて秀でたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1−1図,第1−2図は本発明の電子写真用光受容部
材の層構成を説明する為の模式的層構成図、 第2図乃至第4図は支持体表面の凹凸形状及び該凹凸形
状を作製する方法を説明するための模式図。 第5図は、本発明の別の電子写真用光受容部材の説明
図。 第6図は、本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を
形成するための装置の一例でグロー放電法による製造装
置の模式的説明図である。 第7図及び第8図は夫々本発明の一実施例の断面形状を
示す説明図である。 第9図乃至第10図は、層中に含有される各原子の含有量
を示すグラフである。 第1−1図,第1−2図について 100……電子写真用光受容部材、101……支持体、102…
…光受容層、103……光導電層、104……表面層、105…
…自由表面、106……長波長光感光層、107……電荷注入
阻止層。 第3,4図について 1601,1701……支持体、1602,1702……支持体表面、160
3,1703……剛体真球、1604,1704……球状痕跡窪み。 第5図について 1500……光受容層、1501……支持体、1502……光導電
層、1503……表面層、1504……自由表面。 第6図について 1101……反応室、1102〜1106……ガスボンベ、1107〜11
11……マスフロコントローラ、1112〜1116……流入バル
ブ、1117〜1121……流出バルブ、1122〜1126……バル
ブ、1127〜1131……圧力調整器、1132,1133……補助バ
ルブ、1134……メインバルブ、1135……リークバルブ、
1136……真空計、1137……基体シリンダー、1138……加
熱ヒーター、1139……モーター、1140……高周波電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 孝至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 加藤 実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 藤岡 靖 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−56846(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と該支持体上に、シリコン原子を母
    体とし、水素原子及びハロゲン原子の少なくともいずれ
    か一方を構成要素として含む非晶質材料で構成され、光
    導電性を示す光導電層と、シリコン原子と炭素原子と水
    素原子とを構成要素として含む多結晶材料で構成されて
    いる表面層と、を有する光受容層とを有することを特徴
    とする電子写真用光受容部材。
  2. 【請求項2】前記表面層にハロゲン原子が含有されてい
    る特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用光受容部
    材。
  3. 【請求項3】前記光導電層に、炭素原子、酸素原子、窒
    素原子の中の少なくとも1種類を含有する特許請求の範
    囲第1項または第2項に記載の電子写真用光受容部材。
  4. 【請求項4】前記光導電層と前記支持体の間にシリコン
    原子を母体として含む非晶質材料で構成され、周期律表
    第III族または第V族に属する原子を含有する電荷注入
    阻止層を有する特許請求の範囲第1項乃至第3項のいず
    れか1項に記載の電子写真用光受容部材。
  5. 【請求項5】前記光導電層又は前記電荷注入阻止層と支
    持体の間にシリコン原子とゲルマニウム原子とを含有す
    る無機材料で構成された非晶質層を有する特許請求の範
    囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の電子写真用
    光受容部材。
JP61031396A 1986-02-14 1986-02-14 電子写真用光受容部材 Expired - Fee Related JP2502286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61031396A JP2502286B2 (ja) 1986-02-14 1986-02-14 電子写真用光受容部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61031396A JP2502286B2 (ja) 1986-02-14 1986-02-14 電子写真用光受容部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62187858A JPS62187858A (ja) 1987-08-17
JP2502286B2 true JP2502286B2 (ja) 1996-05-29

Family

ID=12330099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61031396A Expired - Fee Related JP2502286B2 (ja) 1986-02-14 1986-02-14 電子写真用光受容部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2502286B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6290942B1 (en) 1998-05-28 2001-09-18 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Carboxyl-bearing silicone emulsions method of making and hair preparations
WO2006109843A1 (ja) 2005-04-08 2006-10-19 Canon Kabushiki Kaisha 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6290942B1 (en) 1998-05-28 2001-09-18 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Carboxyl-bearing silicone emulsions method of making and hair preparations
WO2006109843A1 (ja) 2005-04-08 2006-10-19 Canon Kabushiki Kaisha 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62187858A (ja) 1987-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4788120A (en) Light receiving member for use in electrophotography having an amorphous silicon layer
JPH0719068B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2502286B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2502287B2 (ja) 電子写真用光受容部材
EP0232145B1 (en) Light receiving member for use in electrophotography
US4824749A (en) Light receiving member for use in electrophotography and process for the production thereof
US4804604A (en) Light receiving member for use in electrophotography
US4818655A (en) Electrophotographic light receiving member with surface layer of a-(Six C1-x)y :H1-y wherein x is 0.1-0.99999 and y is 0.3-0.59
JPH0785178B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPH0785176B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2536733B2 (ja) 光受容部材
JPH0713746B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPH0713744B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2532830B2 (ja) 光受容部材
JPH0713747B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPH0713745B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPH0752304B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPH0221579B2 (ja)
JPH0713743B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2532829B2 (ja) 光受容部材
JPH0812437B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPS62187357A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH0723963B2 (ja) 光受容部材
JPH0797233B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JPH083646B2 (ja) 電子写真用光受容部材

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees