JPH0713745B2 - 電子写真用光受容部材 - Google Patents

電子写真用光受容部材

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JPH0713745B2
JPH0713745B2 JP61026465A JP2646586A JPH0713745B2 JP H0713745 B2 JPH0713745 B2 JP H0713745B2 JP 61026465 A JP61026465 A JP 61026465A JP 2646586 A JP2646586 A JP 2646586A JP H0713745 B2 JPH0713745 B2 JP H0713745B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する分野の説明〕 本発明は光(ここでは広義の光であって紫外線、可視光
線、赤外線、X線、γ線などを意味する。)のような電
磁波に対して感受性のある電子写真用光受容部材に関す
る。
〔従来の技術の説明〕
像形成分野において、電子写真用光受容部材における光
受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比
〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁
波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトル特性を有
すること、光応答性が速く、所望の暗抵抗値を有するこ
と、使用時において人体に対して無公害であること、等
の特性が要求される。殊に、事務機としてオフイスで使
用される電子写真装置内に組込まれる電子写真用光受容
部材の場合には、上記の使用時における無公害性は重要
な点である。
このような点に立脚して最近注目されている光導電材料
にアモルフアスシリコン(以後A−Siと表記す)があ
り、例えば、独国公開第2746967号公報、同第2855718号
公報には電子写真用光受容部材としての応用が記載され
ている。
しかしながら、従来のA−Siで構成された光受容層を有
する電子写真用光受容部材は、暗抵抗値、光感度、光応
答性などの電気的、光学的、光導電的特性および使用環
境特性の点、更には経時的安定性及び耐久性の点におい
て、各々、個々には特性の向上が計られているが、総合
的な特性向上を計る上で更に改良される余地が存するの
が実情である。
例えば、電子写真用光受容部材に適用した場合に、高光
感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとすると従来におい
てはその使用時において残留電位が残る場合が度々観測
され、この種の光受容部材は長時間繰返し使用し続ける
と、繰返し使用による疲労の蓄積が起こって、残像が生
ずる所謂ゴースト現像を発する様になる等の不都合な点
が少なくなかった。
又、A−Si材料で光受容層を構成する場合には、その電
気的、光導電的特性の改良を計るために、水素原子或い
は弗素原子や塩素原子などのハロゲン原子、および電気
的伝導型の制御のために硼素原子や燐原子等が或いはそ
の他の特性改良のために他の原子が、各々構成原子とし
て光導電層中に含有されるが、これ等の構成原子の含有
の仕方如何によっては、形成した層の電気的あるいは光
導電的特性や耐圧性に問題が生ずる場合があった。
即ち、例えば、形成した光導電層中に光照射によって発
生したフオトキヤリアの該層中での寿命が充分でないこ
とや、或いは、転写紙に転写された画像に俗に「白ヌ
ケ」と呼ばれる、局所的な放電破壊現象によると思われ
る画像欠陥や、クリーニングにブレードを用いると、そ
の摺擦によると思われる、俗に「白スジ」と云われてい
る画像欠陥が生じたりしていた。又例えば表面に一定の
膜厚の表面層を有しこれが使用光に対して実質的に透明
であるような場合には長時間の摺擦による摩耗によって
表面層の反射スペクトルに変化が生じ、特に感度等に関
し好ましくない経時的な変化が生じる場合が少なくなか
った。又、多湿雰囲気中で使用したり、或いは多湿雰囲
気中に長時間放置した直後に使用すると俗に云う画像の
ボケが生ずる場合が少なくなかった。
従ってA−Si材料そのものの特性改良が計られる一方で
光受容部材を設計する際に、上記したような問題の総て
が解決されるように層構成、各層の化学的組成、作成法
などが工夫される必要がある。
〔発明の目的〕
本発明は、上述のごときA−Siで構成された従来の光受
容層を有する電子写真用光受容部材における諸問題を解
決することを目的とするものである。
即ち、本発明の主たる目的は、電気的、光学的、光導電
的特性が使用環境に殆んど依存することなく実質的に常
時安定しており、耐光疲労に優れ、繰返し使用に際して
も劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電位
が全くかまたは殆んど観測されない、A−Siで構成され
た光受容層を有する電子写真用光受容部材を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、支持体上に設けられる層と支持体
との間や積層される層の各層間における密着性に優れ、
構造配列的に緻密で安定的であり、層品質の高い、A−
Siで構成された光受容層を有する電子写真用光受容部材
を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、電子写真用光受容部材として
適用させた場合、静電像形成のための帯電処理の際の電
荷保持能力が充分であり、通常の電子写真法が極めて有
効に適用され得る優れた電子写真特性を示す、A−Siで
構成された光受容層を有する電子写真用光受容部材を提
供することにある。
本発明の別の目的は、長期の使用において画像欠陥や画
像のボケが全くなく、濃度が高く、ハーフトーンが鮮明
に出て、且つ解像度の高い高品質画像を得ることが容易
にできる、電子写真用のA−Siで構成された光受容層を
有する光受容部材を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、高光感度性、高SN比特性およ
び高電気的耐圧性を有する、A−Siで構成された光受容
層を有する電子写真用光受容部材を提供することにあ
る。
〔発明の構成〕
本発明の電子写真用光受容部材は、支持体と、該支持体
上に、シリコン原子を母体とし、周期律表第III族また
は第V族に属する原子(伝導性を制御する物質)を含有
する多結晶材料で構成された電荷注入阻止層と、シリコ
ン原子を母体とし、水素原子およびハロゲン原子の少な
くともいずれか一方を構成要素として含む非晶質材料
(以後「A−Si(H,X)」と略記する)で構成され、光
導電性を示す光導電層と、シリコン原子と炭素原子と水
素原子とを構成要素として含む非晶質材料で構成されて
いる表面層と、を有する光受容量とを有し、前記表面層
内において、前記表面層と前記光導電層との界面に向っ
て前記炭素原子の濃度が減少するように前記構成要素の
層厚方向の濃度分布を変化させてあり、かつ水素原子の
該表面層内最大濃度が41〜70原子%であることを特徴と
する。
又、前記表面層にはハロゲン原子が含有されてもよく、
更には前記光導電層には炭素原子、酸素原子、窒素原子
の中少なくとも1種類の原子を含有してもよい。
支持体からの電荷の注入を阻止する機能を有する前記電
荷注入阻止層は層厚方向に均一に又は支持体側に多く分
布する分布状態で構成原子として、伝導性を制御する物
質が含有する。
さらに電荷注入阻止層は層厚方向に均一に又は支持体側
に多く分布する分布状態で構成原子として酸素原子又は
/及び窒素原子を含有してもよい。前記電荷注入阻止層
中の酸素原子又は/及び窒素原子は支持体側に内在して
もよい。
又、前記光導電層は構成原子として炭素原子、酸素原
子、窒素原子及び伝導性を制御する物質の少なくとも一
方を含有してもよい。さらに、前記電荷注入阻止層と支
持体の間にシリコン原子を母体とし酸素原子又は窒素原
子の少なくとも一方を有する非晶質材料又は多結晶材料
で構成された密着層を設けてもよい。
上記した様な層構成を取る様にして設計された本発明の
電子写真用光受容部材は、前記した諸問題の総てを解決
し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、耐
圧性及び使用環境特性を示す。
すなわち、電子写真用光受容部材として適用させた場合
には、画像形成への残留電位の影響が全くなく、その電
気的特性が安定しており高感度で、高SN比を有するもの
であって、耐光疲労、繰返し使用特性に長け、濃度が高
く、ハーフトーンが鮮明に出て、且つ解像度の高い、高
品質の画像を安定して繰返し得ることができる。
以下、図面に従って本発明の電子写真用光受容部材に就
いて詳細に説明する。
第1−1図及び第1−2図は、本発明の電子写真用光受
容部材の説明する為に模式的に示した模式的構成図であ
る。
第1−1図及び第1−2図に示す電子写真用光受容部材
は、光受容層100が光受容部材用としての支持体101の上
に設けられており、該光受容層100は、電荷注入阻止層1
02、A−Si(H,X)から成り、光導電層性を有する光導
電層103と、シリコン原子と、炭素原子と水素原子とを
構成要素とする非晶質材料で構成され、これら構成要素
の濃度が少くとも前記光導電層との界面において光学的
バンドギヤツプの整合性が得られるような形に変化して
おりかつ水素原子の最大濃度が41〜70原子%である表面
層104とからなる層構成を有する。又106は密着層を表わ
す。
以下、第1−1図及び第1−2図に示される電子写真用
光受容部材を構成する各層について記載する。
支持体 本発明において使用される支持体としては、導電性でも
電気絶縁性であっても良い。導電性支持体としては、例
えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、Mo、Au、Nb、Ta、
V、Ti、Pt、Pd等の金属又はこれ等の合金が挙げられ
る。
電気絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシー
ト、ガラス、セラミツク、紙などが通常使用される。こ
れ等の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともその一
方の表面を導電処理され、該導電処理された表面側に他
の層が設けられるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、その表面に、Ni、Cr、Al、C
r、Mo、Au、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pd、In2O3、Sn
O2、ITO(In2O3+SnO2)等から成る薄膜を設けることに
よって導電性が付与され、或いはポリエステルフイルム
等の合成樹脂フイルムであれば、NiCr、Al、Ag、Pb、Z
n、Ni、Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt等の金属
の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパツタリング等
でその表面に設け、又は前記金属でその表面をラミネー
ト処理して、その表面に導電性が付与される。支持体の
形状としては、円筒状、ベルト状、板状等任意の形状と
し得、所望によって、その形状は決定されるが、例え
ば、連続高速複写の場合には、無端ベルト状又は円筒状
とするのが望ましい。支持体の厚さは、所望通りの電子
写真用光受容部材が形成される様に適宜決定されるが、
電子写真用光受容部材として可撓性が要求される場合に
は、支持体としての機能が充分発揮される範囲内であれ
ば可能な限り薄くされる。しかしながら、この様な場
合、支持体の製造上及び取扱い上、機械的強度等の点か
ら、通常は、10μ以上とされる。
特にレーザー光などの可干渉性光を用いて像記録を行な
う場合には、可視画像において現われる、所謂、干渉縞
模様による画像不良を解消するために、支持体表面に凹
凸を設けてもよい。
支持体表面に設けられる凹凸は、V字形状の切刃を有す
るバイトをフライス盤、旋盤等の切削加工機械の所定位
置に固定し、例えば円筒状支持体をあらかじめ所望に従
って設計されたプログラムに従って回転させながら規則
的に所定方向に移動させることにより、支持体表面を正
確に切削加工することで所望の凹凸形状、ピツチ、深さ
で形成される。この様な切削加工法によって形成される
凹凸が作り出す逆V字形線状突起部は、円筒状支持体の
中心軸を中心にした螺線構造を有する。逆V字形突起部
の螺線構造は、二重、三重の多重螺線構造、又は交叉螺
線構造とされても差支えない。
或いは、螺線構造に加えて中心軸に沿った平行線構造を
導入しても良い。
支持体表面に設けられる凹凸の凸部の縦断面形状は形成
される各層の微小カラム内に於ける層厚の管理された不
均一化と、支持体と該支持体上に直接設けられる層との
間の良好な密着性や所望の電気的接触性を確保する為に
逆V字形とされるが、好ましくは第14図に示される様に
実質的に二等辺三角形、直角三角形或いは不等辺三角形
とされるのが望ましい。これ等の形状の中殊に二等辺三
角形、直角三角形が望ましい。
本発明に於ては、管理された状態で支持体表面に設けら
れる凹凸の各デイメンジヨンは、以下の点を考慮した上
で、本発明の目的を結果的に達成出来る様に設定され
る。
即ち、第1は光受容層を構成するA−Si(H,X)層は、
層形成される表面の状態に構造敏感であって、表面状態
に応じて層品質は大きく変化する。
従って、A−Si(H,X)層の層品質の低下を招来しない
様に支持体表面に設けられる凹凸のデイメンジヨンを設
定する必要がある。
第2には光受容層の自由表面に極端な凹凸があると、画
像形成後のクリーニングに於てクリーニングを完全に行
なうことが出来なくなる。
又、ブレードクリーニングを行う場合、ブレードのいた
みが早くなるという問題がある。
上記した層堆積上の問題点、電子写真法のプロセス上の
問題点、および干渉縞模様を防ぐ条件を検討した結果、
支持体表面の凹部のピッチは、好ましくは500μm〜0.3
μm、より好ましくは200μm〜1μm、最適には50μ
m〜5μmであるのが望ましい。
また、凹部の最大の深さは、好ましくは0.1μm〜5μ
m、より好ましくは0.3μm〜3μm、最適には0.6μm
〜2μmとされるのが望ましい。支持体表面の凹部のピ
ツチと最大深さが上記の範囲にある場合、凹部(又は線
上突起部)の傾斜面の傾きは、好ましくは1度〜20度、
より好ましくは3度〜15度、最適には4度〜10度とされ
るのが望ましい。
又、この様な支持体上に堆積される各層の層圧の不均一
に基く層厚差の最大は、同一ピツチ内で好ましくは0.1
μm〜2μm、より好ましくは0.1μm〜1.5μm、最適
には0.2μm〜1μmとされるのが望ましい。
又、レーザー光などの可干渉性光を用いた場合の干渉縞
模様による画像不良を解消する別の方法として、支持体
表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けてもよ
い。
即ち支持体の表面が電子写真用光受容部材に要求される
解像力よりも微小な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数
の球状痕跡窪みによるものである。
以下に、本発明の電子写真用光受容部材における支持体
の表面の形状及びその好適な製造例を第15図及び第16図
により説明するが、本発明の光受容部材における支持体
の形状及びその製造法は、これによって限定されるもの
ではない。
第15図は、本発明の電子写真用光受容部材における支持
体の表面の形状の典型的一例を、その凹凸形状の一部を
部分的に拡大して模式的に示すものである。
第15図において1501は支持体、1502は支持体表面、1503
は剛体真球、1504は球状痕跡窪みを示している。
さらに第15図は、該支持体表面形状を得るのに好ましい
製造方法の1例をも示すものである。即ち、剛体真球15
03を、支持体表面1502より所定高さの位置より自然落下
させて支持体表面1502に衝突させることにより、球状窪
み1504を形成しうることを示している。そして、ほぼ同
一径R′の剛体真球1503を複数個用い、それらを同一の
高さhより、同時あるいは逐時、落下させることによ
り、支持体表面1502に、ほぼ同一曲率半径R及び同一幅
Dを有する複数の球状痕跡窪み1504を形成することがで
きる。
前述のごとくして、剛体真球1603によって表面に複数の
球状痕跡窪み1604による凹凸形状の形成された支持体16
01の典型例を第16図に示す。1602は支持体1601の凸部の
位置を示す。
ところで、本発明の電子写真用光受容部材の支持体表面
の球状痕跡窪みによる凹凸形状の曲率半径R及び幅D
は、こうした本発明の光受容部材に於ける干渉縞の発生
を防止する作用効果を効率的に達成するためには重要な
要因である。本発明者らは、各種実験を重ねた結果以下
のところを究明した。即ち、曲率半径R及び幅Dが次
式: を満足する場合には、各々の痕跡窪み内にシエアリング
干渉によるニユートンリングが0.5本以上存在すること
となる。更に次式: を満足する場合には、各々の痕跡窪み内にシエアリング
干渉によるニユートンリングが1本以上存在することと
なる。
こうした事から、光受容部材の全体に発生する干渉縞を
各々の痕跡窪み内に分散せしめ、光受容部材に於ける干
渉縞の発生を防止する為には、前記 を0.035、好ましくは0.055以上とすることが望ましい。
又、痕跡窪みによる凹凸の幅Dは、大きくとも500μm
程度、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm
以下とするのが望ましい。
第17図は、上記方法によって形成された凹凸形状を有す
る支持体1701上にその凹凸の傾斜面に沿って、光受容層
1700を備えた光受容部材を示している。1702は電荷注入
阻止層、1703は光導電層、1704は表面層である。
第17図に示す光受容部材の場合には、自由表面1705並び
に光受容層1700中に形成される界面における傾斜の程度
が異なるため、自由表面1705並びに光受容層1700中に形
成される界面での反射光の反射角度が各々異なる。従っ
て、いわゆるニユートンリング現象に相当するシエアリ
ング干渉が生起し、干渉縞は窪み内に分散されるところ
となる。これによりこうした光受容部材を介して現出さ
れる可視画像は、ミクロ的には干渉縞が仮に現出された
としても、それらは視覚的にはとらえられない程度のも
のとなる。即ち、かくなる表面形状を有する支持体の使
用は、その上に多層構成の光受容層を形成してなる光受
容部材によって、該光受容層を通過した光が、層界面及
び支持体表面で反射し、それらが干渉することにより、
形成される画像が縞模様となることを効率的に防止す
る。
電荷注入阻止層 本発明における電荷注入阻止層は、多結晶シリコンで構
成され、該層の全層領域に伝導性を制御する物質を均一
に又は好ましくは支持体側に多く分布するように不均一
状態で含有する。さらに必要に応じて電荷注入阻止層の
全層領域又は一部の層領域に酸素原子又は/及び窒素原
子を均一に、又は好ましくは支持体側に多く分布するよ
うに不均一状態で含有させることで、電荷注入阻止層と
支持体との間の密着性の改善や、バンドギヤツプの調整
を計る事が出来る。
電荷注入阻止層に含有される前記の伝導性を制御する物
質としては、半導体分野に於ける、いわゆる不純物を挙
げる事が出来、本発明に於いては、p型伝導特性を与え
る周期律表第III族に属する原子(以下「第III族原子」
という。)、又はN型伝導特性を与える周期律表第V族
に属する原子(以下「第V族原子」という。)を用い
る。第III族原子としては、具体的には、B(硼素),Al
(アルミニウム),Ga(ガリウム),In(インジウム),T
l(タリウム)等があり、特にB,Gaが好適である。第V
族原子としては、具体的には、P(燐),As(砒素),Sb
(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,Asが
好適である。
第2図乃至第6図には電荷注入阻止層に含有される第II
I族原子又は第V族原子の層厚方向の分布状態の典型的
例が示される。第2図乃至第6図の例に於いて横軸は第
III族原子又は第V族原子の分布濃度Cを、縦軸は電荷
注入阻止層の層厚tを示し、tBは支持体側の界面位置
を、tTは支持体側とは反対側の界面の位置を示す。即
ち、電荷注入阻止層はtB側よりtT側に向って層形成がな
される。
第2図には電荷注入阻止層中に含有される第III族原子
又は第V族原子の層厚方向の分布状態の第一の典型例が
示される。
第2図に示される例では界面位置tBよりt1の位置まで
は、第III族原子又は第V族原子の含有濃度CがC1なる
一定の値を取り乍ら含有され、位置t1より分布濃度Cは
界面位置tTに至るまでC2より徐々に連続的に減少されて
いる。界面位置tTに於いては分布濃度CはC3とされる。
第3図に示される例に於いては、含有される第III族原
子又は第V族原子の分布濃度Cは位置tBより位置tTに至
るまでC4から徐々に連続的に減少して位置tTに於いてC5
となる様な分布状態を形成している。
第4図に示す例に於いては、第III族原子又は第V族原
子の分布濃度Cは、位置tBと位置t2間に於いては、C6
一定値であり、位置tTに於いてはC7とされる。位置t2
位置tTとの間では、分布濃度Cは一次関数的に位置t2
り位置tTに至るまで減少されている。
第5図に示される例に於いては、分布濃度Cは位置tB
り位置t3まではC8の一定値を取り、位置t3より位置tT
ではC9よりC10まで一次関数的に減少する分布状態とさ
れている。
第6図に示される例に於いては、分布濃度Cは位置tB
り位置tTまでC11の一定値を取る。
本発明に於いて電荷注入阻止層が第III族原子又は第V
族原子を支持体側に於いて多く分布する分布状態で含有
する場合、第III族原子又は第V族原子の分布濃度値の
最大値が好ましくは50原子ppm以上、より好適には80原
子ppm以上、最適には100原子ppm以上とされる様な分布
状態となり得る様に層形成されるのが望ましい。
本発明に於いて電荷注入阻止層中に含有される第III族
原子又は第V族原子の含有量としては、本発明の目的が
効果的に達成される様に所望に従って適宜決められるの
が好ましくは30〜50×104原子ppm、より好ましくは50〜
1×104原子ppm、最適には1×102〜5×103原子ppmと
されるのが望ましいものである。
電荷注入阻止層は前記したように酸素原子又は/及び窒
素原子の含有によって、重点的に支持体101と電荷注入
阻止層との間の密着性の向上及び電荷注入阻止層と光導
電層との間の密着性の向上又は、電荷注入阻止層のバン
ドギヤツプの調整が図られる。
第7図乃至第13図には電荷注入阻止層に含有される酸素
原子又は/及び窒素原子の層厚方向の分布状態の典型的
例が示される。第7図乃至第13図の例に於いて横軸は酸
素原子又は/及び窒素原子の分布濃度Cを、縦軸は電荷
注入阻止層の層厚tを示し、tBは支持体側の界面位置
を、tTは支持体側とは反対側の界面の位置を示す。即
ち、電荷注入阻止層はtB側よりtT側に向って層形成がな
される。
第7図には電荷注入阻止層中に含有される酸素原子又は
/及び窒素原子の層厚方向の分布状態の第一の典型例が
示される。
第7図に示される例では界面位置tBよりt4の位置まで
は、酸素原子又は/及び窒素原子の含有濃度CがC12
る一定の値を取り乍ら含有され位置t4より分布濃度Cは
界面位置tTに至るまでC13より徐々に連続的に減少され
ている。界面位置tTにおいては分布濃度CはC14とされ
る。
第8図に示される例に於いては、含有される酸素原子又
は/及び窒素原子の分布濃度Cは位置tBより位置tTに至
るまでC15から徐々に連続的に減少して位置tTに於いてC
16となる様な分布状態を形成している。
第9図の場合には、位置tBより位置t5までは酸素原子又
は/及び窒素原子の分布濃度CはC17と一定値とされ、
位置t5と位置tTとの間に於いて、徐々に連続的に減少さ
れ、位置tTに於いて、実質的に零とされている。
第10図の場合には、酸素原子又は/及び窒素原子は位置
tBより位置tTに至るまで、分布濃度CはC19より連続的
に徐々に減少され、位置tTに於いて実質的に零とされて
いる。
第12図に示す例に於いては、酸素原子又は/及び窒素原
子の分布濃度Cは位置tBより位置t7まではC22と一定値
を取り、位置t7より位置tTまではC23よりC24まで一次関
数的に減少する分布状態とされている。
第11図に示す例に於いては、酸素原子又は/及び窒素原
子の分布濃度Cは、位置tBと位置t6間に於いては、C20
と一定値であり、位置tTに於いてはC21とされる。位置t
6と位置tTとの間では、分布濃度Cは一次関数的に位置t
6より位置tTに至るまで減少されている。
第13図に示される例に於いては、分布濃度Cは位置tB
り位置tTまではC25の一定値を取る。
本発明に於いて電荷注入阻止層102が酸素原子又は/及
び窒素原子を支持体101側に於いて多く分布する分布状
態で含有する場合、酸素原子又は/及び窒素原子の分布
濃度値又は両原子の和の最大値が、好ましくは500原子p
pm以上、より好適には800原子ppm以上、最適には1000原
子ppm以上とされる様な分布状態となり得る様に層形成
されるのが望ましい。
本発明に於いて電荷注入阻止層中に含有される酸素原子
又は/及び窒素原子の含有量又は両者の和としては、本
発明の目的が効果的に達成される様に所望に従って適宜
決められるが、好ましくは0.001〜50原子%、より好ま
しくは0.002〜40原子%、最適には0.003〜30原子%とさ
れるのが望ましい。
本発明に於いて電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真
特性が得られること及び経済的効果等の点から、好まし
くは0.01〜10μ、より好ましくは0.05〜8μ、最適には
0.1〜5μとされるのが望ましい。
本発明の電子写真用光受容部材に於いては、支持体101
と電荷注入阻止層との間に密着性の一層の向上を計る目
的で、例えば、Si3N4,SiO2,SiO2,SiC,SiO,水素原子及
びハロゲン原子の少なくとも一方と、窒素原子,酸素原
子,炭素原子の少なくとも一つと、シリコン原子とを含
む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。
光導電層 本発明に於ける光導電層は、A−Si(H,X)で構成され
所望の電子写真特性を満足する光導電特性を有する。
尚、光導電層の全層領域に伝導性を制御する物質を光導
電層に要求される特性を損なわない範囲に於て含有して
もよい。
又、光導電層の全層領域に光導電層に要求される特性を
損なわない範囲に於いて炭素原子,酸素原子及び窒素原
子の少なくとも一方を含有してもよい。
前記の伝導性を制御する物質としては前述の電荷注入阻
止層と同様に、第III族原子や第V族原子を用いる事が
出来る。
本発明に於ける光導電層の全層領域に第III族原子又は
第V族原子を含有する場合は主として伝導型及び/又は
伝導率を制御する効果を奏し、前記第III族原子又は第
V族原子の含有量は比較的少量であり、好適には1×10
-3〜3×102原子ppm、より好適には5×10-3〜102原子p
pm、最適には1×10-2〜50原子ppmとされるのが望まし
い。
又、本発明に於ける光導電層の全層領域に酸素原子又は
炭素原子を含有する場合は、主として高暗抵抗化と、電
荷注入阻止層と光導電層との間の密着性の向上等の効果
を奏するが、殊に該層の光導電特性を劣化させない為に
酸素原子の含有量は比較的少量とされるのが望ましい。
窒素原子の場合は、上記の点に加えて、例えば第III族
原子、殊にBとの共存に於いて光感度の向上を計る事が
出来る。光導電層中に含有される酸素原子、窒素原子及
び炭素原子の含有量、又は、両者の和は、好適には1×
10-3〜3×103原子ppm、より好適には5×10-2〜5×10
2原子ppm、最適には1×10-1〜2×102原子ppmとされる
のが望ましい。
本発明に於いて、その目的を効果的に達成する為に、支
持体上に形成され、光受容層の一部を構成する光導電層
は下記に示す半導体特性を有し、照射される光に対して
光導電性を示すA−Si(H,X)で構成される。
p型A−Si(H,X)……アクセプターのみを含むも
の。或いはドナーとアクセプターとの両方を含み、アク
セプターの相対的濃度が高いもの。
p-型A−Si(H,X)……のタイプに於いてのタ
イプに較べてアクセプターの濃度(Na)が低いか又はア
クセプターの相対的濃度が低いもの。
n型A−Si(H,X)……ドナーのみを含むもの。或
いはドナーとアクセプターの両方を含み、ドナーの相対
的濃度が高いもの。
n-型A−Si(H,X)……のタイプに於いてのタ
イプに較べてドナーの濃度(Nd)が低いか、又はドナー
の相対的濃度が低いもの。
i型A−Si(H,X)……NaNdOのもの又は、Na
Ndのもの。
本発明に於いて、電荷注入阻止層又は/及び光導電層中
に含有されるハロゲン原子(X)として好適なものはF,
Cl,Br,Iであり、殊にF,Clが望ましいものである。
本発明に於いて、多結晶シリコンで構成される電荷注入
阻止層又は/及びA−Si(H,X)で構成される光導電層
を形成するには、例えばグロー放電法、マイクロ波放電
法,スパツタリング法,或いはイオンプレーテイング法
等の放電現象を利用する真空堆積法によって成される。
例えば、グロー放電法によって、多結晶シリコン又は/
及びA−Si(H,X)で構成される非晶質層を形成するに
は、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給
用の原料ガスと共に、水素原子(H)導入用の又は/及
びハロゲン原子(X)導入用の原料ガスを、内部が減圧
にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグロー放電
を生起させ、予め所定位置に設置されてある所定の支持
体表面上多結晶シリコンからなる層及びA−Si(H,X)
からなる層を形成させれば良い。又、スパツタリング法
で形成する場合には、例えば、Ar,He等の不活性ガス又
はこれ等のガスをベースとした混合ガス雰囲気中でSiで
構成されたターゲツトをスパツタリングする際、水素原
子(H)又は/及びハロゲン原子(X)導入用のガスを
スパツタリング用の堆積室に導入してやれば良い。
本発明に於いて使用されるSi供給用の原料ガスとして
は、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のガス状態の又はガ
ス化し得る水素化硅素(シラン類)が有効に使用される
ものとして挙げられ、殊に、層作成作業の扱い易さ、Si
供給効率の良さ等の点でSiH4,Si2H6が好ましいものと
して挙げられる。
本発明に於いて使用されるハロゲン原子導入用の原料ガ
スとして有効なのは、多くのハロゲン化合物が挙げら
れ、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態
の又はガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。
又、更には、シリコン原子とハロゲン原子とを構成要素
とするガス状態の又はガス化し得る、ハロゲン原子を含
む硅素化合物も有効なものとして本発明に於いては挙げ
る事が出来る。
本発明に於いて好適に使用し得るハロゲン化合物として
は、具体的には、フツ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲ
ンガス,BrF,ClF,ClF3,BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr
等のハロゲン間化合物を挙げる事が出来る。
ハロゲン原子を含む硅素化合物、所謂、ハロゲン原子で
置換されたシラン誘導体としては、具体的には例えばSi
F4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハロゲン化硅素が好しい
ものとして挙げる事が出来る。
この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を採用してグロ
ー放電法によって本発明の特徴的な光導電部材を形成す
る場合には、Siを供給し得る原料ガスとしての水素化硅
素ガスを使用しなくとも、所定の支持体上にハロゲン原
子を構成要素として含む多結晶シリコン又はA−Si:Hか
ら成る層を形成する事が出来る。
グロー放電法に従って、ハロゲン原子を含む層を製造す
る場合、基本的にはSi供給用の原料ガスであるハロゲン
化硅素ガスとAr,H2,He等のガス等を所定の混合比とガス
流量になる様にして所望の層を形成する堆積室内に導入
し、グロー放電を生起してこれ等のガスのプラズマ雰囲
気を形成する事によって、所定の支持体上に所望の層を
形成し得るものであるが、水素原子の導入を計る為にこ
れ等のガスに更に水素原子を含む硅素化合物のガスを所
定量混合して層形成しても良い。
又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合して使用しても差支えないものである。
反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイング法に
依って多結晶シリコン又はA−Si(H,X)から成る層を
形成するには、例えばスパツタリング法の場合にはSiか
ら成るターゲットを使用して、これを所定のガスプラズ
マ雰囲気中でスパッタリングし、イオンプレーテイング
法の場合には、多結晶シリコン又は単結晶シリコンを蒸
発源として蒸着ボートに収容し、このシリコン蒸発源を
抵抗加熱法、或いはエレクトロンビーム法(EB法)等に
よって加熱蒸発させ飛翔蒸発物を所定のガスプラズマ雰
囲気中を通過させる事で行う事が出来る。
この際、スパツタリング法、イオンプレーテイング法の
何れの場合にも形成される層中にハロゲン原子を導入す
るには、前記のハロゲン化合物又は前記のハロゲン原子
を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入して該ガスの
プラズマ雰囲気を形成してやれば良いものである。
又、水素原子を導入する場合には、水素原子導入用の原
料ガス、例えば、H2、或いは前記したシラン類等のガス
をスパッタリング用の堆積中に導入して該ガスのプラズ
マ雰囲気を形成してやれば良い。
本発明に於いては、ハロゲン原子導入用の原料ガスとし
て上記されたハロゲン化合物或いはハロゲンを含む硅素
化合物が有効なものとして使用されるものであるが、そ
の他に、HF,HCl,HBr,HI等のハロゲン化水素、SiH2F2,S
iH2I2,SiH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiHBr3等のハロゲ
ン置換水素化硅素、等々のガス状態の或いはガス化し得
る、水素原子を構成要素の1つとするハロゲン化物も有
効な電荷注入阻止層及び光導電層形成用の出発物質とし
て挙げる事が出来る。
これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、層形成の際に
形成される層中にハロゲン原子の導入と同時に電気的或
いは光電的特性の制御に極めて有効な水素原子も導入さ
れるので、本発明に於いては好適なハロゲン原子導入用
の原子として使用される。
水素原子を、形成される層中に構造的に導入するには、
上記の他にH2、或いはSiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等の
水素化硅素のガスをSiを供給する為のシリコン化合物と
堆積室中に共存させて放電を生起させる事でも行う事が
出来る。
例えば、反応スパッタリング法の場合には、Siターゲツ
トを使用し、ハロゲン原子導入用のガス及びH2ガスを必
要に応じてHe,Ar等の不活性ガスを含めて堆積室内に導
入してプラズマ雰囲気を形成し、前記Siターゲツトをス
パツタリングする事によって、基板上に多結晶シリコン
又はA−Si(H,X)から成る層が形成される。
更には不純物のドーピングも兼ねてB2H6等のガスを導入
してやる事も出来る。
本発明に於いて、形成される電子写真用光受容部材の電
荷注入阻止層及び光導電層中に含有される水素原子
(H)の量又はハロゲン原子(X)の量又は水素原子と
ハロゲン原子の量の和は好ましくは1〜40原子%、より
好適には5〜30原子%とされるのが望ましい。
形成される層中に含有される水素原子(H)又は/及び
ハロゲン原子(X)の量を制御するには、例えば支持体
温度又は/及び水素原子(H)、或いはハロゲン原子
(X)を含有させる為に使用される出発物質の体積装置
系内へ導入する量、放電電力等を制御してやれば良い。
電荷注入阻止層や光導電層に、第III族原子又は第V族原
子、及び炭素原子,酸素原子又は窒素原子を含有させる
には、グロー放電法や反応スパツタリング法等による電
荷注入阻止層や光導電層の形成の際に、第III族原子又
は第V族原子導入用の出発物質、及び酸素原子導入用、
窒素原子導入用、炭素原子導入用の出発物質を夫々前記
した電荷注入阻止層や光導電層形成用の出発物質と共に
使用して、形成される層中にその量を制御し乍ら含有し
てやる事によって成される。
その様な炭素原子導入用の、酸素原子導入用の又は/及
び窒素原子導入用の出発物質、又は第III族原子又は第
V族原子導入用の出発物質としては、少なくとも炭素原
子、酸素原子及び窒素原子のいずれか、或いは第III族
原子又は第V族原子を構成原子とするガス状の物質又は
ガス化し得る物質をガス化したものの中の大概のものが
使用され得る。
例えば酸素原子を含有させるのであればシリコン原子
(Si)を構成原子とする原料ガスと、酸素原子(O)を
構成原子とする原料ガスと、必要に応じて水素原子
(H)又は及びハロゲン原子(X)を構成原子とする原
料ガスとを所望の混合比で混合して使用するか、又は、
シリコン原子(Si)を構成原子とする原料ガスと、酸素
原子(O)及び水素原子(H)を構成原子とする原料ガ
スとを、これも又所望の混合比で混合するか、或いは、
シリコン原子(Si)を構成原子とする原料ガスと、シリ
コン原子(Si)、酸素原子(O)及び水素原子(H)の
3つの構成原子とする原料ガスとを混合して使用するこ
とが出来る。
又、別には、シリコン原子(Si)と水素原子(H)とを
構成原子とする原料ガスに酸素原子(O)を構成原子と
する原料ガスを混合して使用しても良い。
酸素原子導入用の及び窒素原子導入用の出発物質となる
ものとして具体的には、例えば酸素(O2),オゾン
(O3),一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2),一二
酸化窒素(N2O),三二酸化窒素(N2O3),四二酸化窒
素(N2O4),五二酸化窒素(N2O5),三酸化窒素(N
O3),窒素(N2),アンモニア(NH3),アジ化水素(H
N3),ヒドラジン(NH2NH2),シリコン原子(Si)と酸
素原子(O)と水素原子(H)とを構成原子とする、例
えば、ジシロキサン(H3SiOSiH3),トリシロキサン(H
3SiOSiH2OSiH3)等の低級シロキサン等を挙げる事が出
来る。
炭素原子導入用の原料となる炭素原子含有化合物として
は、例えば炭素数1〜4の飽和炭化水素、炭素数2〜4
のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン系炭
化水素等が挙げられる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(CH4),
エタン(C2H6),プロパン(C3H8),n−ブタン(n-C4H
10),ペンタン(C5H12),エチレン系炭化水素として
は、エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6),ブテン−
1(C4H8),ブテン−2(C4H8),イソブチレン(C
4H8),ペンテン(C5H10),アセチレン系炭化水素とし
ては、アセチレン(C2H2),メチルアセチレン(C
3H4),ブチン(C4H6)等が挙げられる。
SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとしては、Si(C
H3)4,Si(C2H5)4等のケイ化アルキルを挙げる事が出来
る。
第III族原子又は第V族原子の含有される電荷注入阻止
層及び光導電層を形成するのにグロー放電法を用いる場
合、該層形成用の原料ガスとなる出発物質は、前記した
多結晶シリコンで構成される電荷注入阻止層及びA−Si
(H,X)で構成される光導電層形成用の出発物質の中か
ら適宜選択したものに、第III族原子又は第V族原子導
入用の出発物質が加えられたものである。その様な第II
I族原子又は第V族原子導入用の出発物質としては第III
族原子又は第V族原子を構成原子とするガス状態の物質
又はガス化しうる物質をガス化したものであれば、いず
れのものであってもよい。
本発明に於いて第III族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるものとしては、具体的には硼素原子導入
用として、B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12
B6H14等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化
硼素等を挙げることができるが、この他、AlCl3,GaC
l3,InCl3,TlCl3等も挙げる事が出来る。
本発明に於いて第V族原子導入用の出発物質として有効
に使用されるのは、具体的には燐原子導入用として、PH
3,P2H4等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,P
Br3,PBr5,PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この
他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3,Sb
F5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も挙げる事が
出来る。
第III族原子又は第V族原子を含有する電荷注入阻止層
及びび光導電層に導入される第III族原子又は第V族原
子の含有量は、堆積室中に流入される第III族原子又は
第V族原子導入用の出発物質のガス流量、ガス流量比、
放電パワー、支持体温度、堆積室内の圧力等を制御する
事によって任意に制御されうる。
本発明に於ける目的が効果的に達成される為の支持体温
度は、適宜最適範囲を選択するがA−Si(H,X)からな
る光導電層を形成する場合、通常50℃〜350℃、好適に
は100℃〜300℃とするのが望ましい。又、多結晶シリコ
ンからなる電荷注入阻止層を形成する場合、通常200℃
〜700℃、好適には250℃〜600℃とするのが望ましい。
本発明に於ける電荷注入阻止層及び光導電層の形成に
は、層を構成する原子の組成比の微妙な制御や層厚の制
御が他の方法に比較して容易である事から、グロー放電
法やスパツタリング法の採用が望ましいが、これ等の層
形成法で電荷注入阻止層及び光導電層を形成する場合に
は、前記の支持体温度と同様に、層の形成の際の放電パ
ワー、ガス圧が作成される電荷注入阻止層や光導電層の
結晶化,非晶質化その他の特性を左右する重要な要因で
ある。
本発明の目的を達成しうる特性を有する電荷注入阻止層
及び光導電層を生産性良く且つ効果的に作成するに当っ
ては、放電パワー条件については、多結晶シリコンから
なる電荷注入阻止層を形成する場合、通常100〜5000W、
好適には200〜2000Wとするのが望ましく又、A−Si(H,
X)からなる光導電層を形成する場合、通常10〜1000W、
好適には20〜500Wとするのが望ましい。堆積室内のガス
圧については、多結晶シリコンからなる電荷注入阻止層
を形成する場合、10-3〜0.8Torr、好適には5×10-3
0.5Torr程度とするのが望ましい。
本発明に於いては、電荷注入阻止層及び光導電層を作成
する為の支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲と
して前記した範囲が挙げられるが、これらの層作成フア
クターは、通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する電荷注入阻止層及び光導電層を
形成すべく、相互的且つ有機的関連性に基づいて、各層
作成フアクターの最適値を決めるのが望ましい。
本発明に於いて、形成される光導電層中に含有される炭
素、酸素又は窒素の量は、形成される電子写真用光受容
部材の特性を大きく左右するものであって、所望に応じ
て適宜決定されねばならないが、好ましくは0.0005〜30
原子%、より好適には0.001〜20原子%、最適には0.002
〜15原子%とされるのが望ましい。
光導電層の層厚は、所望のスペクトル特性を有する光の
照射によって発生されるフオトキヤリアが効率良く輸送
されるように所望に従って適宜決められ、通常は1〜10
0μ、好適には2〜50μとされるのが望ましい。
表面層 光導電層上に形成される表面層は、自由表面を有し、主
に耐湿性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性使用環境
特性、耐久性に於いて本発明の目的を達成する為に設け
られる。
そして本発明の光受容部材にあっては表面層と光導電層
との界面に於いて両層の光学的バンドギヤツプが整合す
るか又は表面層と光導電層との界面に於ける入射光の反
射を実質的に防止しうる程度には少なくとも整合する様
に構成される事が極めて重要なポイントであると同時に
これが水素含有率との相関に於いて極めて特異な好適条
件を現出せしめる事も又、重要なポイントである。更
に、本発明に於いては、表面層104の表面に近い領域、
少なくとも最表面に於いて含有水素量を所定の濃度に設
定する事が必要である。以上の諸条件を満たす上で、表
面層内の構成要素の分布状態は、厳密な条件制御のもと
に決定づけられる必要がある。
更に、上述の条件に加えて、表面層の自由表面側の端部
に於いては、表面層の下に設けられている光導電層に到
達する入射光の光量が充分に確保出来る様にする為、表
面層の自由表面側の端部に於いては、表面層の有する光
学的光学的バンドギヤツプEgoptを充分に大きくする様
に構成される事も考慮すべき点である。そして、表面層
と光導電層との界面に於いて光学的バンドギヤツプEgop
tが整合する様に構成するとともに、表面層の自由表面
側の端部に於いて光学的バンドギヤツプEgoptを充分に
大きくする様に構成する場合、表面層の有する光学的バ
ンドギヤツプ、表面層の層厚方向に於いて連続的に変化
する領域を少なくとも含む様に構成される。
表面層の光学的バンドギヤツプEgoptの層厚方向に於け
る値を前述のごとく制御するには、代表的には光学的バ
ンドギヤツプの主な調整原子であるところの炭素原子
(C)の表面層に含有せしめる量を制御する事によって
行なえば良く、又、バンドギヤツプの変化に応じた形で
表面層のその他の特性を最適条件にマツチングさせる働
きを持つ水素に関しても特定の分布状態になる様に含有
量を制御する。
以下、表面層に於ける炭素原子及び水素原子の分布状態
の典型的な例のいくつかを第19図乃至第22図によって説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されるもの
ではない。
第19図乃至第22図に於いて横軸は原子(C,Si)及び原子
(H)の分布濃度C、縦軸は表面層の層厚tを示してお
り、図中、tTは感光層と表面層との界面位置、tFは自由
表面位置、実線は炭素原子(C)の分布濃度の変化、二
点鎖線はシリコン原子(Si)の分布濃度の変化又、一点
鎖線は水素原子(H)の分布濃度の変化をそれぞれ示し
ている。
第19図は、表面層中に含有せしめる炭素原子(C)とシ
リコン原子(Si)及び水素原子(H)の層厚方向の分布
状態の第一の典型例を示している。該例では、界面位置
tTより位置t8まで、炭素原子(C)の分布濃度Cがゼロ
より濃度C26となるまで一次関数的に増加し、一方、シ
リコン原子の分布濃度は、濃度C27から濃度C28となるま
で一次関数的に減少し、又水素原子の分布濃度はC29
らC30となるまで一次関数的に増加し、位置t8から位置t
Fにいたるまでは、炭素原子(C)及びシリコン原子及
び水素原子の分布濃度Cは各々濃度C26及び濃度C28及び
濃度C30の一定値を保つ。尚ここでは、説明の便宜上、
各成分とも分布状態の変曲点をt8としたが、互いにずれ
ても実質上何ら支障ない。
第20図に示す例では、位置tTから位置tFまで、炭素原子
(C)はゼロから濃度C31まで又、シリコン原子(Si)
はC32からC33まで、又、水素原子(H)はC34からC35
で、それぞれ一次関数的に変化させている。この例の場
合は表面層全域にわたって成分が変化する為、成分の不
連続に起因する弊害を尚一層改善する事が可能である。
又例えば第21図乃至第22図の様に成分の変化率が刻々と
変わるようなパターン及び第19図から第22図で述べた典
型例の組合せも可能で、所望の膜特性又は製造装置上の
条件等に応じて適宜選択され得る。更に界面に於けるバ
ンドギヤツプの整合性は前述した通り実質的に充分な値
であれば良く、その意味に於いてtTに於ける炭素量は0
とは限らずある有限の値を有しても良く、又分布領域に
於いて成分の変化が一定区間停滞する事もこの観点から
許され得る。
表面層の形成はグロー放電法、マイクロ波放電法、スパ
ツタリング法、イオンインプランテーシヨン法、イオン
プレーテイング法、エレクトロンビーム法等によって成
される。これ等の製造法は、製造条件、設備資本投下の
負荷程度、製造規模、製造される電子写真用光受容部材
に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用
されるが、所望する特性を有する電子写真用光受容部材
を製造する為の作成条件の制御が比較的容易である。シ
リコン原子と共に炭素原子及び水素原子を作製する表面
層中に導入するのが容易に行える等の利点からグロー放
電法或はスパツタリング法が好適に採用される。
更に本発明に於いては、グロー放電法とスパツタリング
法とを同一装置系内で併用して表面層を形成しても良
い。
グロー放電法によって表面層を形成するには、A-(SixC
1-x)y:H1-y形成用の原料ガスを、必要に応じて稀釈ガス
と所定量の混合比で混合して、支持体の設置してある真
空堆積用の堆積室に導入し、導入されたガスをグロー放
電を生起させる事でガスプラズマ化して前記支持体101
上に既に形成されてある光導電層103上にA-(SixC1-x)y:
H1-yを堆積させれば良い。分布領域の形成は、変化させ
る成分、例えば炭素原子含有ガス及びシリコン原子含有
ガス及び水素原子等を夫々スタート時流量から所望の分
布パターンになる様に設定された特定のシーケンスに従
って増減させれば容易になされる。
本発明に於てA-(SixC1-x)y:H1-y形成用の原料ガスとし
ては、Si,C,Hの少なくとも1つを構成原子とするガス状
の物質又はガス化し得る物質をガス化したものの中の大
概のものが使用され得る。
Si,C,Hの中の1つとしてSiを構成原子とする原料ガスを
使用する場合は、例えばSiを構成原子とする原料ガス
と、Cを構成原子とする原料ガスと、Hを構成原子とす
る原料ガスとを所望の混合比で混合して使用するか、又
は、Siを構成原子とする原料ガスと、C及びHを構成原
子とする原料ガスとを、これも又所望の混合比で混合す
るか、或いはSiを構成原子とする原料ガスと、Si,C及び
Hの3つを構成原子とする原料ガスとを混合して使用す
る事が出来る。
又、別には、SiとHとを構成原子とする原料ガスにCを
構成原子とする原料ガスを混合して使用しても良い。
又、分布領域に於いては、上記混合率を所定のシーケン
スに従って変化させればよい。
本発明に於いて、表面層104形成用の原料ガスとして有
効に使用されるのは、SiとHとを構成原子とするSiH4
Si2H6,Si3H8,Si4H10等のシラン(Silane)類等の水素
化硅素ガス、CとHとを構成原子とする、例えば炭素数
1〜4の飽和炭化水素、炭素数2〜4のエチレン系炭化
水素、炭素数2〜3のアセチレン系炭化水素等が挙げら
れる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(CH4),
エタン(C2H6),プロパン(C3H8),n−ブタン(n-C4H
10),ペンタン(C5H12),エチレン系炭化水素として
は、エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6),ブテン−
1(C4H8),ブテン−2(C4H8),イソブチレン(C
4H8),ペンテン(C5H10),アセチレン系炭化水素とし
ては、アセチレン(C2H2),メチルアセチレン(C
3H4),ブチン(C4H6)等が挙げられる。
SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとしては、Si(C
H3)4,Si(C2H5)4等のケイ化アルキルを挙げる事が出来
る。これ等の原料ガスの他、H導入用の原料ガスとして
は勿論H2も有効なものとして使用される。
スパツタリング法によって表面層を形成するには、単結
晶又は多結晶のSiウエーハー又はCウエーハー又はSiと
Cが混合されて含有されているウエーハーをターゲツト
として、これ等を種々のガス雰囲気中でスパツタリング
する事によって行えば良い。
例えば、Siウエーハーをターゲットとして使用すれば、
CとHを導入する為の原料ガスを、必要に応じて稀釈ガ
スで稀釈して、スパツタ用の堆積室中に導入し、これ等
のガスのガスプラズマを形成して前記Siウエーハーをス
パツタリングすれば良い。この場合の分布領域は例えば
Cを含有する原料ガス濃度を一定のシーケンスに従って
変化させれば良い。
又、別には、SiとCとは別々のターゲツトとして、又は
SiとCの混合した一枚のターゲツトを使用する事によっ
て、少なくとも水素原子を含有するガス雰囲気中でスパ
ツタリングする事によって成される。この場合の分布領
域はC又はSiの少なくともどちらか一方を含有するガス
を併用し、これらガス濃度を一定のシーケンスに従って
変化させる必要がある。
C又はH導入用の原料ガスとしては、先述したグロー放
電の例で示した原料ガスが、スパツタリングの場合にも
有効なガスとして使用され得る。
本発明に於いて、表面層104をグロー放電法又はスパツ
タリング法で形成する際に使用される稀釈ガスとして
は、所謂、稀ガス、例えばHe,Ne,Ar等を好適なものとし
て挙げる事が出来る。
本発明に於ける表面層104は、その要求される特性が所
望通りに与えられる様に注意深く形成される。
即ち、Si,C及びHを構成原子とする物質はその作成条件
によって構造的には結晶からアモルフアスまでの形態を
取り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性まで
の間の性質を、又光導電的性質から非光導電的性質まで
の間の性質を各々示すので、本発明に於いては、目的に
応じた所望の特性を有するA-SixC1-xが形成される様
に、所望に従ってその形成条件の選択が厳密に成され
る。
例えば、表面層104を耐圧性の向上を主な目的として設
けるには、A-(SixC1-x)y:H1-yは使用環境に於いて電気
絶縁性的挙動の顕著な非晶質材料として作成される。
又、連続繰返し使用特性や使用環境特性の向上を主たる
目的として表面層が設けられる場合には、上記の電気絶
縁性の度合はある程度緩和され、照射される光に対して
ある程度の感度を有する非晶質材料としてA-SixC1-x
作成される。
光導電層の表面にA-(SixC1-x)yH1-yから成る表面層を形
成する際、層形成中の支持体温度は、形成される層の構
造及び特性を左右する重要な因子であって、本発明に於
いては、目的とする特性を有するA-(SixC1-x)yH1-yが所
望通りに作成され得る様に層作成時の支持体温度が厳密
に制御されるのが望ましい。
本発明に於ける目的が効果的に達成される為の表面層を
形成する際の支持体温度としては表面層の形成法に併せ
て適宜最適範囲が選択されて、表面層の形成が実行され
るが、通常の場合50℃〜350℃、好適には100℃〜300℃
とされるのが望ましいものである。表面層の形成には、
層を構成する原子の組成比の微妙な制御や層厚の制御が
他の方法に較べて比較的容易である事などの為に、グロ
ー放電法やスパツタリング法の採用が有利であるが、こ
れ等の層形成法で表面層を形成する場合には、前記の支
持体温度と同様に層形成の際の放電パワー,ガス圧が作
成されるA-(SixC1-x)y:H1-y特性を左右する重要な因子
の1つである。
本発明に於ける目的が達成される為の特性を有するA-(S
ixC1-x)y:H1-yが生産性良く効果的に作成される為の放
電パワー条件としては、通常10〜1000W、好適には20〜5
00Wとされるのが望ましい。堆積室内のガス圧は通常0.0
1〜1Torr、好適には0.1〜0.5Torr程度とされるのが望ま
しい。
本発明に於いては、表面層を作成する為の支持体温度、
放電パワーの望ましい数値範囲として前記した範囲の値
が挙げられるが、これ等の層作成フアクターは、独立的
に別々に決められるものではなく、所望特性のA-SixC
1-xから成る表面層が形成される様に相互的有機的関連
性に基づいて、各層作成フアクターの最適値が決められ
るのが望ましい。
本発明の電子写真用光受容部材に於ける表面層に含有さ
れる炭素原子及び水素原子の量は、表面層の作製条件と
同様、本発明の目的を達成する所望の特性が得られる表
面層が形成される重要な因子である。
本発明に於ける表面層に含有される炭素原子の量は、分
布領域に於いてはシリコン原子と炭素原子の総量に対し
て通常は0〜90原子%、好ましくは0〜85原子%、最適
には0〜80原子%の範囲内で変化させるのが望ましく、
一定領域に於いては通常は1×10-3〜90原子%、好まし
くは1〜90原子%、最適には10〜80原子%とされるのが
望ましいものである。水素原子の含有としては、分布領
域に於いては構成原子の総量に対して、1〜70原子%の
範囲内で一定もしくは変化させるのが望ましく又、一定
領域もしくは少なくとも最表面に於いては通常は41〜70
原子%、好適には45〜60原子%とされるのが望ましい。
上記した様な量範囲及び前記分布状態更には前記作製条
件のもとに作成された表面層を有する光受容部材は実際
面に於いて従来にない格段に優れたものとして充分適用
され得るものである。以下2,3の例によりその作用を説
明する。
まず、バンドギヤツプの整合性の面について説明する
と、例えば、従来の様な表面層と光導電層との間に明確
な光学的界面が存在する場合には、該界面での入射光の
反射が生じるがこれと自由表面での反射が干渉し合うこ
とにより光導電層への入射光量が多少なりとも左右され
る現象がみられる。殊に光源として可干渉性の光例えば
レーザー光などを用いた場合にはこの傾向が顕著であ
る。一方例えばブレードクリーニング法を用いた複写機
の場合では、長期の使用により表面層が多かれ少なかれ
摩耗するのが避けられないが、この摩耗になる表面層の
膜厚変化は前記干渉状態に変化を及ぼす。即ち、摩耗す
る事によって光導電層への入射光量が多少なりとも左右
される現象がみられるという事になる。本発明に於ける
バンドギヤツプの整合性の制御は、一つは前記界面での
反射を成分の連続性の面から最小にするという効果を奏
するという一面をもち、又別にはバンドギヤツプを変化
させている事により光の吸収性それ自体に連続性を持た
せるという2重の好ましい作用を生じる。従って既に述
べた好ましい電子写真諸特性の中でも特に長期使用の際
の特性の維持に関し抜群の効果を示すというのがこの場
合の特筆すべき作用であるといえる。
次に表面層中での水素の役割について述べる。表面層内
に存在する欠陥(主にシリコン原子や炭素原子のダング
リングボンド)は電子写真用光受容部材としての特性に
悪影響を及ぼすことが知られ、例えば自由表面からの電
荷の注入による帯電特性の劣化、使用環境、例えば高い
湿度のもとで表面構造が変化する事による帯電特性の変
動、更にコロナ帯電時や光照射時に光導電層より表面層
に電荷が注入し、前記表面層内の欠陥に電荷がトラツプ
される事による繰り返し使用時の残像現象等があげられ
る。
而乍ら、表面層中の水素含有量を41原子%以上に制御す
る事で表面層中の欠陥が大巾に減少し、その結果、前記
の問題点は全て解消し、殊に従来のに較べて電気的特性
面及び高速連続使用性に於いて飛躍的な向上を計る事が
出来る。
一方、前記表面層中の水素含有量が71原子%以上になる
と表面層の硬度が低下する為に、繰り返し使用に耐えら
れない。従って、表面層中の水素含有量を前記の範囲内
に制御する事が格段に優れた所望の電子写真特性を得る
上で非常に重要な因子の1つである。表面層中の水素含
有量はH2ガスの流量,支持体温度,放電パワー,ガス圧
等によって制御し得る。
又、前記バンドギヤツプの整合性と水素含有状態との間
にも特異な相関性があり、特にバンドギヤツプの代表的
な変化成分である炭素原子(C)の分布領域に於いて
は、水素の含有状態は、その領域での構造を最適化する
様に又はそれに、ダングリングボンドを最少にする様に
その含有量が設定されてあり、且つ前記表面層中での水
素の役割で述べた作用をするのに必要な値になる様に、
いいかえれば少なくとも自由表面側に向って水素量が増
加する様な傾向にするのに最も無理のない形に設定され
ている。
従って、本発明に於ける表面層の水素含有状態はバンド
ギヤツプの整合性の作用と、水素含有率それ自体による
作用が共に最大限に発揮される様に両者間のマツチング
をとるというもう一つの作用も有しているという事がで
きる。
表面層中にはハロゲン原子を含有させてもよい。表面層
中にハロゲン原子を含有させる方法として、例えば原料
ガスにSiF4,SiFH3,Si2F6,SiF3SiH3,SiCl4等のハロ
ゲン化シリコンガスを混合させるか又は/及びCF4,CCl
4,CH3CF3等のハロゲン化炭素ガスを混合させてグロー
放電分解法又はスパツタリング法で形成すればよい。
本発明に於ける層厚の数値範囲は、本発明の目的を効果
的に達成する為の重要な因子の1つである。
本発明に於ける表面層の層厚の数値範囲は、本発明の目
的を効果的に達成する様に所期の目的に応じて適宜所望
に従って決められる。
又、表面層の層厚は、光導電層の層厚との関係に於いて
も、各々の層領域に要求される特性に応じた有機的な関
連性の下に所望に従って適宜決定される必要がある。更
に加え得るに、生産性や量産性を加味した経済性の点に
於いても考慮されるのが望ましい。
本発明に於ける表面層の層厚としては、通常0.003〜30
μ、好適には0.004〜20μ、最適には0.005〜10μとされ
るのが望ましいものである。
本発明に於ける電子写真用光受容部材の光受容層の層厚
としては、目的に適合させて所望に従って適宜決定され
る。
本発明に於いては、光受容層の層厚としては、光受容層
を構成する光導電層と表面層に付与される特性が各々有
効に活されて本発明の目的が効果的に達成される様に光
導電層と表面層との層厚関係に於いて適宜所望に従って
決められるものであり、好ましくは表面層の層厚に対し
て光導電層の層厚が数百〜数千倍以上となる様にされる
のが好ましいものである。
具体的な値としては、通常3〜100μ、好適には5〜70
μ、最適には5〜50μの範囲とされるのが望ましい。
次に本発明の光導電部材の製造方法の概略について説明
する。
第18図に電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示
す。
図中の1102〜1106のガスボンベには、本発明の夫々の層
を形成するための原料ガスが密封されており、その一例
としてたとえば1102は、SiH4(純度99.999%)ボンベ、
1103はH2で稀釈されたB2H6ガス(純度99.999%,以下B2
H6/H2と略す。)、1104はH2ガス(純度99.99999%)ボ
ンベ,1105はNOガス(純度99.999%)ボンベ、1106はCH4
ガス(純度99.99%)ボンベである。
これらのガスを反応室1101に流入させるにはガスボンベ
1102〜1106のバルブ1122〜1126,リークバルブ1135が閉
じられていることを確認し、又、流入バルブ1112〜111
6、流出バルブ1117〜1121、補助バルブ1132、1133が開
かれていることを確認して先づメインバルブ1134を開い
て反応室1101、ガス配管内を排気する。次に真空計1136
の読みが約5×10-6torrになった時点で補助バルブ113
2、1133、流出バルブ1117〜1121を閉じる。
次にシリンダー状基体1137上に第1図に示す層構成の電
子写真用光受容部材を形成する場合の一例をあげると、
ガスボンベ1102よりSiH4ガス、ガスボンベ1104よりH2
スを、ガスボンベ1103よりB2H6/H2ガスを、ガスボンベ1
105よりNOガスを夫々バルブ1122〜1125を開いて出口圧
ゲージ1127〜1130の圧を夫々1Kg/cm2に調整し、流入バ
ルブ1112〜1115を夫々徐々に開けて、マスフロコントロ
ーラ1107〜1110内に夫々流入させる。引き続いて流出バ
ルブ1117〜1120補助バルブ1132を徐々に開いて夫々のガ
スを反応室1101に流入させる。このときのSiH4ガスとB2
H6/H2ガス流量、NOガス流量との比が所望の値になるよ
うに流出バルブ1117〜1120を調整し、又、反応室内の圧
力が所望の値になるように真空計1136の読みを見ながら
メインバルブ1134の開口を調整する。そして基体シリン
ダー1137の温度が加熱ヒーター1138により50〜350℃の
範囲の温度に設定されていることを確認された後、電源
1140を所望の電力に設定して反応室1101内にグロー放電
を生起させ、同時にあらかじめ設計された変化率曲線に
従ってB2H6/H2ガス又は/及びNOガスの流量を手動ある
いは外部駆動モータ等の方法によってバルブ1118又は/
及び1120を漸次変化させる操作を行なって形成される層
中に含有される硼素原子又は/及び酸素原子の層厚方向
の分布濃度を制御する。
上記の様にして、所望層厚に硼素原子と酸素原子の含有
された電荷注入阻止層が形成された時点で、流出バルブ
1120及び1118を閉じ、反応室1101内へのB2H6/H2ガス及
びNOガスの流入を遮断し同時に流出バルブ1117及び1119
を調整してSiH4ガス及びH2ガスの流量を制御し、引続き
層形成を行なうことによって、酸素原子及び硼素原子を
含有しない光導電層を電荷注入阻止層上に所望の層厚に
形成する。
又、酸素原子又は/及び硼素原子を含有する光導電層を
形成する場合には流出バルブ1118又は/及び1120を閉じ
るかわりに所望の流量に調整すればよい。
電荷注入阻止層及び光導電層中にハロゲン原子を含有さ
せる場合には上記のガスにたとえばSiF4ガスを、更に付
加して反応室1101内に送り込む。
各層を形成する際ガス種の選択によっては、層形成速度
を更に高めることが出来る。例えばSiH4ガスのかわりに
Si2H6ガスを用いて層形成を行なえば、数倍高めること
が出来、生産性が向上する。
上記の様にして作成された光導電層上に表面層を形成す
るには、光導電層の形成の際と同様なバルブ操作によっ
て、例えばSiH4ガス,CH4ガス、及び必要に応じてH2
の稀釈ガスを、所望の流量比で反応室1101中に流し、所
望の条件に従って、グロー放電を生起させることによっ
て成される。
表面層中の含有される炭素原子の量は例えば、SiH4ガス
と、CH4ガスの反応室1101内に導入される流量比を所望
に従って任意に変えることによって、所望に応じて制御
することが出来る。
又、表面層中に含有される水素原子の量は例えば、H2
スの反応室1101内に導入される流量を所望に従って任意
に変えることによって、所望に応じて制御することが出
来る。
夫々の層を形成する際に必要なガス以外の流出バルブは
全て閉じることは言うまでもなく、又、夫々の層を形成
する際、前層の形成に使用したガスが反応室1101内、流
出バルブ1117〜1121から反応室1101内に至る配管内に残
留することを避けるために、流出バルブ1117〜1121を閉
じ補助バルブ1132を開いてメインバルブ1134を全開して
系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
又、層形成を行っている間は層形成の均一化を図るため
基体シリンダー1137は、モータ1139によって所望される
速度で一定に回転させる。
〈実施例1〉 第18図の製造装置を用い、第1表の作製条件に従って鏡
面加工を施したアルミシリンダー上に電子写真用光受容
部材を形成した。又、第18図と同型の装置を用い、同一
仕様のシリンダー上に電荷注入阻止層のみを形成させた
サンプルを別個に用意した。光受容部材(以後ドラムと
表現)の方は、電子写真装置にセツトして、種々の条件
のもとに、初期の帯電能、残留電位、ゴースト等の電子
写真特性をチエツクし、又、150万枚実機耐久後の帯電
能低下、感度劣化、画像欠陥の増加を調べた。更に、35
℃,85%の高温・高湿雰囲気中でのドラムの画像流れに
ついても評価した。そして、評価の終了したドラムは、
画像部の上・中・下に相当する部分を切り出し、SIMSを
利用して表面層中に含まれる水素の定量分析に供した。
又、電荷注入阻止層のみのサンプルの方は、同要領で切
り出し後、X線回折装置にて回折角27°付近のSi(11
1)に対応する回折パターンを求め、結晶性の有無を調
べた。上記の評価結果及び表面層中の水素含有量の最大
値、又、電荷注入阻止層の結晶性の有無を総合して第2
表に示す。第2表に見られる様に、特に初期帯電能、画
像流れ、残留電位、ゴースト、画像欠陥の増加、及び母
線方向光感度ムラ,感度劣化の各項目にわたり、著しい
優位性が認められた。
〈比較例1〉 作製条件を第3表のように変えた以外は、実施例1と同
様の装置,方法でドラム及び分析用サンプルを用意し、
同様の評価・分析に供した。その結果を第4表に示す。
第4表にみられる様に、実施例1と比べて諸々の項目に
ついて劣ることが認められた。
〈実施例2〉 第18図の製造装置を用い、第5表の作製条件に従って鏡
面加工を施したアルミシリンダー上に電子写真用光受容
部材を形成した。又、第18図と同型の装置を用い、同一
仕様のシリンダー上に電荷注入阻止層のみを形成させた
サンプルを別個に用意した。光受容部材(以後ドラムと
表現)の方は、電子写真装置にセツトして、種々の条件
のもとに、初期の帯電能、残留電位、ゴースト等の電子
写真特性をチエツクし、また、150万枚実機耐久後の帯
電能低下、感度劣化、画像欠陥の増加を調べた。さら
に、35℃,85%の高温、高湿雰囲気中でのドラムの画像
流れについても評価した。そして、評価の終了したドラ
ムは、画像部の上・中・下に相当する部分を切り出して
サンプルとし、SIMSを利用して表面層中に含まれる水素
の定量分析に供し、又、表面層中におけるシリコン原子
(Si)、炭素原子(C)、水素原子(H)の層厚方向で
の成分プロフアイルを調べた。さらに、電荷注入阻止層
における層厚方向でのホウ素(B)、酸素(O)の成分
プロフアイルも調べた。又、電荷注入阻止層のみのサン
プルの方は、同要領で切り出し後、X線回折装置にて回
折角27°付近のSi(111)に対応する回折パターンを求
め、結晶性の有無を調べた。上記の評価結果及び表面層
中の水素含有量の最大値、又、電荷注入阻止層の結晶性
の有無を総合して第6表に示す。さらに、上記表面層中
の当該元素の成分プロフアイルを第25図に、上記電荷注
入阻止層中の当該元素の成分プロフアイルを第26図にそ
れぞれ示す。
第6表に見られる様に、特に、初期帯電能、残留電位、
ゴースト、画像流れ、及び画像欠陥、画像欠陥の増加、
さらに母線方向光感度ムラ、感度劣化の多様な項目につ
いて著しい優位性が認められた。
〈実施例3(比較例2)〉 表面層の作製条件を第7表に示す数種の条件に変え、そ
れ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラムを形成
し、同様の評価に供した。そして、評価の終了したドラ
ムを、実施例1と同様の方法で切り出してサンプルと
し、同様の分析にかけた。以上の結果を第8表に示す。
〈実施例4〉 光導電層の作製条件を第9表に示す数種の条件に変え、
それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラムを用
意した。これらのドラムを実施例1と同様の評価にかけ
た結果、第10表に示すような結果を得た。
〈実施例5〉 電荷注入阻止層の作製条件を第11表に示す数種の条件に
変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラ
ム及び電荷注入阻止層のみを形成させたサンプルを用意
した。これらのドラム及び分析用サンプルを実施例1と
同様の評価・分析にかけた結果、第12表に示すような結
果を得た。
〈実施例6〉 電荷注入阻止層の作製条件を第13表に示す数種の条件に
変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラ
ム及び電荷注入阻止層のみを形成させたサンプルを用意
した。これらのドラム及び分析用サンプル実施例1と同
様の評価にかけた結果、第14表に示すような結果を得
た。
〈実施例7〉 基体シリンダー上に第15表に示す数種の作製条件のもと
で、密着層を形成し、さらにその上に実施例1と同様の
作製条件のもとで光受容部材を形成した。これと別に密
着層のみを形成させたサンプルを用意した。光受容部材
の方は、実施例1と同様の評価にかけ、又、サンプルの
方は一部を切り出し、X線回折装置にて回折角27°付近
のSi(111)に対応する回折パターンを求め結晶性の有
無を調べた。以上の結果を第16表に示す。
〈実施例8〉 基体シリンダー上に第17表に示す数種の作製条件のもと
で、密着層を形成し、さらにその上に実施例1と同様の
作製条件のもとで光受容部材を形成した。これと別に密
着層のみを形成させたサンプルを用意した。光受容部材
の方は、実施例1と同様の評価にかけ、又、サンプルの
方は一部を切り出し、X線回折装置にて回折角27°付近
のSi(111)に対応する回折パターンを求め結晶性の有
無を調べた。以上の結果を第18表に示す。
〈実施例9〉 鏡面加工を施したシリンダーを更に様々な角度を持つ剣
バイトによる旋盤加工に供し、第23図のような断面形状
で第19表の様な種々の断面パターンを持つシリンダーを
複数本用意した。該シリンダーを順次、第18図の製造装
置にセツトし、実施例1と同様の作製条件のもとにドラ
ム作製に供した。作製されたドラムは780nmの波長を有
する半導体レーザーを光源としたデジタル露光機能の電
子写真装置により、種々の評価を行ない、第20表の結果
を得た。
〈実施例10〉 鏡面加工を施したシリンダーの表面を、引続き多数のベ
アリング用球の落下のもとにさらしてシリンダー表面に
無数の打痕を生ぜしめる、所謂表面デインプル化処理を
施し、第24図のような断面形状で、第21表の様な種々の
断面パターンを持つシリンダーを複数本用意した。該シ
リンダーを順次第18図の製造装置にセツトし、実施例1
と同様の作製条件の基にドラム作製に供した。作製され
たドラムは、780nmの波長を有する半導体レーザーを光
源としたデジタル露光機能の電子写真装置により種々の
評価を行ない、第22表の結果を得た。
〔発明の効果の概略〕 本発明の光受容部材は、A−Si(H,X)で構成された光
導電層を有する電子写真用光受容部材の層構成を前述の
ごとき特定の層構成としたことにより、A−Si(H,X)
で構成された従来の電子写真用光受容部材における諸問
題を全て解決することができ、特に極めて優れた耐湿
性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性
および耐久性等を有するものである。又、残留電位の影
響が全くなく、その電気的特性が安定しており、それを
用いて得られる画像は、濃度が高く、ハーフトーンが鮮
に出る等、ずぐれた極めて秀でたものとなる。
特に本発明における電子写真用光受容部材において、電
荷注入阻止層を設けたことにより、比較的広範囲の波長
の光に感度を有する、比較的低抵抗な光導電層を用いる
ことが可能になった。しかも前述のごとき特定の層構成
としたことにより光照射及び熱的に励起された多数の電
荷が光導電層だけでなく電荷注入阻止層や表面層中にお
いても充分においても充分に速く掃き出されるため、い
かなる露光条件のもとでも残留電位やゴーストが全く生
じない、且つ解像度の高い高品質な画像を安定して繰り
返し得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1−1図及び第1−2図は夫々本発明の電子写真用光
受容部材の層構成を説明する為の模式的層構成図、第2
図乃至第6図は各々、電荷注入阻止層を構成する第III
族原子又は第V族原子の分布状態を説明するための説明
図、第7図乃至第13図は各々電荷注入阻止層を構成する
酸素原子又は/及び窒素原子の分布状態を説明するため
の説明図、第14図は支持体表面の凹凸の凸部の縦断面形
状を説明するための模式図、第15図は凹凸形状を作製す
る方法を説明するための模式図、第16図は支持体表面の
凹凸形状を説明するための模式図、第17図は本発明の電
子写真用光受容部材の別の例を示す模式的層構成図、第
18図は本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形成
するための装置の一例でグロー放電法による製造装置の
模式的説明図である。第19図乃至第22図は表面層に含有
される炭素原子及び水素原子の分布の説明図、第23図、
第24図は支持体の形状を示す模式図、第25図及び第26図
は、層中の各分子の分布を示す分布図である。 第1図について 100……光受容層、101……支持体、102……電荷注入阻
止層、103……光導電層、104……表面層、105……自由
表面。 第15,16図について 1501,1601……支持体、1502,1602……支持体表面、150
3,1603……剛体真球、1504,1604……球状痕跡窪み。 第17図について 1700……光受容層、1701……支持体、1702……電荷注入
阻止層、1703……光導電層、1704……表面層、1705……
自由表面、 第18図について、 1101……反応室、1102〜1106……ガスボンベ、1107〜11
11……マスフロコントローラ、1112〜1116……流体バル
ブ、1117〜1121……流出バルブ、1122〜1126……バル
ブ、1127……1131……圧力調整器、1132,1133……補助
バルブ、1134……メインバルブ、1135……リークバル
ブ、1136……真空計、1137……基体シリンダー、1138…
…加熱ヒーター、1139……モーター、1140……高周波電
源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤岡 靖 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−134243(JP,A) 特開 昭58−140748(JP,A) 特開 昭59−204048(JP,A) 特開 昭60−227262(JP,A)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、該支持体上に、シリコン原子を
    母体とし、周期律表第III族または第V族に属する原子
    を含有する多結晶材料で構成された電荷注入阻止層と、
    シリコン原子を母体とし、水素原子およびハロゲン原子
    の少なくともいずれか一方を構成要素として含む非晶質
    材料で構成され、光導電性を示す光導電層と、シリコン
    原子と炭素原子と水素原子とを構成要素として含む非晶
    質材料で構成されている表面層と、を有する光受容層と
    を有し、前記表面層内において、前記表面層と前記光導
    電層との界面に向って前記炭素原子の濃度が減少するよ
    うに前記構成要素の層厚方向の濃度分布を変化させてあ
    り、かつ水素原子の該表面層内最大濃度が41〜70原子%
    であることを特徴とする電子写真用光受容部材。
  2. 【請求項2】前記表面層の構成要素の分布領域が、該表
    面層の支持体側に内在していることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の電子写真用光受容部材。
  3. 【請求項3】前記表面層の構成要素の分布領域が、該表
    面層の全域にわたっていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の電子写真用光受容部材。
  4. 【請求項4】前記表面層が構成要素の分布領域において
    表面側方向に向って多く分布する分布状態で炭素原子を
    含有している特許請求の範囲第2項及び第3項に記載の
    電子写真用光受容部材。
  5. 【請求項5】前記表面層が構成要素の分布領域において
    表面側方向に向って多く分布する分布状態で水素原子を
    含有している特許請求の範囲第1項及び第4項に記載の
    電子写真用光受容部材。
  6. 【請求項6】前記表面層にハロゲン原子が含有されてい
    る特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用光受容部
    材。
  7. 【請求項7】前記光導電層は、炭素原子、酸素原子、窒
    素原子の少なくとも1種類を含有する特許請求の範囲第
    1項に記載の電子写真用光受容部材。
  8. 【請求項8】前記電荷注入阻止層が酸素または窒素原子
    の少なくともいずれか一方を含有している特許請求の範
    囲第1項に記載の電子写真用光受容部材。
  9. 【請求項9】前記電荷注入阻止層が支持体側に多く分布
    する分布状態で前記周期律表第III族または第V族に属
    する原子を含有している特許請求の範囲第1項及び第8
    項に記載の電子写真用光受容部材。
  10. 【請求項10】前記電荷注入阻止層が支持体側に多く分
    布する分布状態で酸素原子または窒素原子の少なくとも
    いずれか一方を含有している特許請求の範囲第1項及び
    第9項に記載の電子写真用光受容部材。
  11. 【請求項11】前記電荷注入阻止層に含有される酸素原
    子または窒素原子の少なくともいずれか一方が支持体側
    に内在している特許請求の範囲第8項及び第10項に記載
    の電子写真用光受容部材。
  12. 【請求項12】前記支持体と前記電荷注入阻止層との間
    にシリコン原子を母体とし、酸素原子と窒素原子の少な
    くとも一方を含有する非晶質材料又は多結晶材料で構成
    された密着層を有することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項乃至第11項に記載の電子写真用光受容部材。
  13. 【請求項13】前記光導電層は周期律表第III族または
    第V族に属する原子を含有する特許請求の範囲第1項乃
    至第7項に記載の電子写真用光受容部材。
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