JP2502283B2 - テ−プレコ−ダにおける誤消去防止機構 - Google Patents

テ−プレコ−ダにおける誤消去防止機構

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JP2502283B2
JP2502283B2 JP60082542A JP8254285A JP2502283B2 JP 2502283 B2 JP2502283 B2 JP 2502283B2 JP 60082542 A JP60082542 A JP 60082542A JP 8254285 A JP8254285 A JP 8254285A JP 2502283 B2 JP2502283 B2 JP 2502283B2
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【発明の詳細な説明】 本発明テープレコーダにおける誤消去防止機構を以下
の項目に従って説明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.背景技術 D.発明が解決しようとする問題点 E.問題点を解決するための手段 F.実施例 a.テープレコーダの外観[第2図、第3図] b.メカデッキ[第1図、第3図、第4図、第9図、第14
図乃至第18図] c.シャーシ部[第1図、第2図、第4図、第9図、第14
図乃至第18図] d.ヘッド基板[第9図] e.キャプスタン[第1図、第3図、第7図乃至第9図] f.リール台[第1図、第3図、第5図、第15図乃至第18
図] g.揺動ギヤ[第1図、第3図、第5図] h.伝達ギヤブロック[第3図、第6図、第12図、第14
図] i.駆動系 i−1.共通駆動系[第3図、第4図] i−2.リール台低速回転時駆動系[第3図、第4図、第
9図] i−3.リール台高速回転時駆動系[第3図、第9図] j.揺動ギヤ回動手段[第1図、第3図乃至第5図] k.モードレバー[第1図、第3図、第9図、第15図乃至
第18図] l.ロックスライダー[第1図、第3図、第14図] m.ヘッド基板進退機構[第1図、第3図、第9図] n.モード形成動作 n−1.再生モード又は録音モードの形成 n−2.FFモード、REWモードの形成 n−3.CUWモード、REVモードの形成 o.テープ走行方向の切換機構 o−1.ディレクションスライダー[第1図、第3図、第
4図、第9図、第20図] o−2.カムギヤ[第1図、第4図、第7図、第8図、第
10図] o−3.ストッパー手段[第7図、第8図] o−4.スイッチ操作手段[第1図、第4図、第7図、第
8図、第11図] o−5.手動ストッパー解除手段[第7図、第8図] o−6.テープ走行方向の切換動作 o−6−a.ディレクションスライダーの移動 o−6−b.テープ走行方向の切換え p.制御状態切換レバー[第1図、第4図、第15図乃至第
20図] q.開蓋時走行方向規定機構[第1図、第3図、第4図、
第7図、第8図、第12図] r.テープ走行方向自動切換機構[第1図、第4図、第7
図、第12図、第13図] r−1.構成 r−2.動作 s.オートシャットオフ機構[第1図、第4図、第12図] t.安全機構[第14図] u.ボタンロックスライダー[第3図] v.テープカセット[第21図] w.誤消去防止機構[第15図乃至第20図] w−1.被制御レバー[第15図乃至第18図、第20図] w−2.サブスライダー[第15図乃至第18図、第20図] w−3.揺動レバー[第15図乃至第18図、第20図] w−4.ロックレバー[第15図乃至第18図、第20図] w−5.状態検出レバー[第15図乃至第20図] w−6.消去ヘッドレバー[第15図乃至第18図] w−7.リンク部材[第15図乃至第19図] w−8.消去ヘッドレバーの動き[第15図乃至第18図] w−9.オートリバース制御手段[第15図乃至第20図] x.誤消去防止の制御動作 x−1.フォワード録音、リバース録音共に「不可」とさ
れたテープカセットが装着された場合[第15図、第16
図] x−2.フォワード録音のみを「可」とするテープカセッ
トが装着された場合[第17図] x−3.リバース録音のみを「可」とするテープカセット
が装着された場合[第18図] x−4.フォワード録音、リバース録音共に「可」とする
テープカセットが装着された場合[第17図、第19図] G.発明の効果 (A.産業上の利用分野) 本発明は新規なテープレコーダにおける誤消去防止機
構に関する。詳しくは、テープの走行方向がフォワード
方向とリバース方向のいずれの場合でもテープに対する
録音を行なうことができる所謂リバースモード付きのテ
ープレコーダにおける誤消去防止機構に関するものであ
り、いずれのテープ走行方向が選択されてもテープカセ
ット側において為された所定のテープ走行方向における
録音を禁止するか否かの指示状態に従って録音を行なう
か否か制御することができると共に、その制御を電磁プ
ランジャーのような特別な駆動手段を用いることなく、
しかも、比較的少ない数の部材によって行なうことがで
きるようにした新規なテープレコーダにおける誤消去防
止機構を提供しようとするものである。
(B.発明の概要) 本発明は、テープの走行方向がフォワード方向とリバ
ース方向のいずれの場合でもテープに対する録音を行な
うことができる所謂リバースモード付きのテープレコー
ダにおける誤消去防止機構において、テープカセットが
装着される前の状態においては、いずれのテープ走行方
向が選択されていても当該選択されたテープ走行方向に
対応した側のロックレバーによって録音レバーの動きを
阻止しておくと共に、装着されたテープカセットに設け
られた録音を禁止するか否かを指示する指示部材のうち
の現在選択されているテープ走行方向と対応した側のも
のが「録音可」の状態とされている場合は前記ロックレ
バーによる録音レバーに対する動きの阻止が解除される
ようにし、それによって、いずれのテープ走行方向が選
択されてもテープカセット側において為された録音を禁
止するか否かの指示状態に従って録音を行なうか否か制
御することができるようにしたものである。
(C.背景技術) 例えば、オーディオテープレコーダ(以下、「ATR」
と言う。)には、一般に、誤消去防止機構、即ち、テー
プカセット側において為された録音を禁止するか否かの
指示状態(以下「録音に関する指示状態」と言う。)が
録音を禁止しないもの(以下、「録音可」と言う。)で
あるときは録音を行なうことができる状態とし、その指
示状態が録音を禁止するもの(以下、「録音不可」と言
う。)であるときは録音を行なうことができない状態と
する機構が設けられている。
そして、ATRの多くは、録音機能と再生機能とを有し
ており、録音レバーが所定量押し込まれることによりテ
ープを走行せしめ、かつ、磁気ヘッド、ピンチローラ等
の移動部材を所定の位置へと移動せしめることによって
テープに対する録音を行なう録音モードが形成され、再
生レバーが押し込まれることにより、回路においては再
生回路が働き、かつ、前記移動部を録音レバーが押し込
まれたときと同じ位置へと移動せしめることによってテ
ープに対する再生を行なう再生モードが形成されるよう
になっている。従って、このようにして所定のモードが
形成されるATR等における誤消去防止機構は、一般に、
装着されたテープカセットの録音に関する指示状態が
「録音可」である場合は録音レバーの動きを阻止しない
ようにし、「録音不可」である場合は録音レバーの動き
を阻止するように構成されている。
尚、これも一般に、この種のATRに使用されるテープ
カセットには、例えば、カセットケースの所定の位置に
形成された折り取り自在な状態指示片が設けられてお
り、この状態指示片の有無により、録音を禁止するか否
かの指示が為されるようになっている。そして、ATR等
においては、装着されたテープカセットに上記状態指示
片が残っているか否かを状態検出手段によって検出し、
その検出結果に従って録音レバーの動きを阻止するか否
かの制御が行なわれるようになっている。
ところで、ATR等の中には、テープの走行方向がフォ
ワード方向であるときとリバース方向であるときのいず
れの場合においても録音及び再生を行なうことができる
所謂リバースモード付きのものがある。
即ち、このような方式のテープレコーダにおいては、
装着されたテープカセットを裏返すことなくテープの走
行方向がフォワード方向とリバース方向のいずれの場合
でも録音を行なうことができるようになっている。この
ため、その誤消去防止機構は、テープカセット側に為さ
れたテープのフォワード走行時における録音(以下、
「フォワード録音」と言う。)を禁止するか否かの指示
状態とテープのリバース走行時における録音(以下、
「リバース録音」と言う。)を禁止するか否かの指示状
態とを検出することができると共に、録音の制御を次の
ように行なうことができるようにされている必要があ
る。
即ち、テープカセットの録音に関する指示状態がフォ
ワード録音とリバース録音のいずれも「録音可」である
場合は、いずれのテープ走行方向が選択されても録音レ
バーを押し込むことができ、フォワード録音とリバース
録音のいずれも「録音不可」である場合は、いずれのテ
ープ走行方向が選択されても録音レバーの動きが阻止さ
れ、フォワード録音のみ「録音可」である場合はテープ
の走行方向がフォワード方向とされたときだけ録音レバ
ーを押し込むことができ、そして、リバース録音のみ
「録音可」である場合はテープの走行方向がリバース方
向とされたときだけ録音レバーを押し込むことができる
ように制御される必要がある。
そこで、このように極めて複雑な制御を必要とされる
誤消去防止機構を、より簡単な構造により構成しようと
するとき、録音レバーの動きを制御する手段として適宜
な駆動部材、例えば、電磁プランジャー機構を用いるこ
とが考えられる。即ち、録音レバーの動きを阻止する位
置とこれを阻止しない位置との間を移動する移動部材を
電磁プランジャー機構によって移動せしめるようにする
と共に、装着されたテープカセットの録音に関する指示
状態と選択されたテープ走行方向とを何らかの検出手段
によって検出することができるようにし、検出された2
つの録音に関する指示状態の中に「録音可」とするもの
があり、かつ、その「録音可」であるテープ走行方向と
選択されたテープ走行方向とが一致した場合のみ前記移
動部材を録音レバーの動きを阻止しない位置へと移動せ
しめるようにすることが考えられる。
(D.発明が解決しようとする問題点) テープレコーダにおける誤消去防止機構を上記したよ
うに構成すると、様々な問題が生じて来る。
先ず、電磁プランジャー機構は、一般に、価格の高い
ものであり、しかも、形状が大きく、重量もかなりある
ので、これがテープレコーダの価格を押し上げたり、小
型、軽量化を妨げる原因となる。また、電磁プランジャ
ー機構はこれが駆動されるとき大きな電力を消費するの
で、特に、バッテリーを電源とするテープレコーダにと
っては、バッテリーの消耗が早くなるといった問題が生
ずる。
しかも、電磁プランジャー機構はこれが動作するとき
どうしても衝撃音が発生するため、テープレコーダを使
用する者にとって不快であるばかりでなく、その衝撃音
がノイズとなることがある。
その上、電磁プランジャー機構を所定の条件に従って
動作せしめるための制御回路が必要であると共に、選択
されたテープ走行方向とテープカセット側の録音に関す
る指示状態とを、スイッチやセンサーを用いて電気的に
検出することが必要であるため、多くの部品を必要と
し、その構成が極めて複雑なものになるといった問題が
生ずる。
(E.問題点を解決するための手段) 本発明テープレコーダにおける誤消去防止機構は、上
記した問題点を解決するために、テープの走行方向がフ
ォワード方向とリバース方向のいずれの場合でもテープ
に対する録音を行なうことができるとともに、テープを
自動的に反転走行させることができる機構及びテープエ
ンドの状態になるとテープの走行を自動的にストップさ
せることができるオートシャットオフ機構を備えたテー
プレコーダにおける誤消去防止機構であって、所定の位
置まで移動されることによって録音を行なう録音モード
を形成する録音レバーと、テープ走行方向をフォワード
方向とするとき第1の位置へと移動され、リバース方向
とするとき第2の位置へと移動される摺動部材と、該摺
動部材が第1の位置へと移動されたときこの移動に伴い
リンク機構によって上記録音レバーの動きを阻止する位
置へと移動されるフォワード側のロックレバーと、上記
摺動部材が第2の位置へと移動されたときこの移動に伴
いリンク機構によって上記録音レバーの動きを阻止する
位置へと移動されるリバース側のロックレバーと、テー
プのフォワード走行時における録音を禁止するか否かを
指示する指示部材が録音を禁止しない指示状態とされた
テープカセットが装着されたときは上記フォワード側の
ロックレバーを録音レバーの動きを阻止しない位置に保
持するフォワード側の状態検出部材と、テープのリバー
ス走行時における録音を禁止するか否かを指示する指示
部材が録音を禁止しない指示状態とされたテープカセッ
トが装着されたときは上記リバース側のロックレバーを
録音レバーの動きを阻止しない位置に保持するリバース
側の状態検出部材と、リバース側の状態検出部材の録音
を禁止する指示状態に応じ、録音レバーと一体的に移動
する被制御レバーの移動に伴いリンク部材によってリバ
ース制御レバーをオートリバースを解除する位置へ移動
させるオートリバース制御手段と、を備え、録音可能な
方向から録音禁止の他方向へのテープ走行の反転の際
に、上記オートリバース制御手段が上記オートシャット
オフ機構を作動させるようにしたものである。
従って、本発明によれば、テープカセットが装着され
る前は、いずれのテープ走行方向が選択されていても録
音レバーの動きが阻止された状態とされており、該阻止
状態は、テープカセットに設けられた指示部材のうち現
在選択されたテープ走行方向と対応する側のものが録音
を禁止しない状態とされている場合のみ解除されること
になる。
しかして、本発明によれば、電磁プランジャー等の駆
動手段を用いることなく、いずれのテープ走行方向が選
択されている場合でも、テープカセット側において為さ
れた録音を禁止するか否かの指示状態に応じ録音レバー
の移動操作に連動させて録音を行なうか否かを制御する
ことができる。
(F.実施例) 以下に、本発明テープレコーダにおける誤消去防止機
構の詳細を添附図面に示した実施例に従って説明する。
(a.テープレコーダの外観)[第2図、第3図] 図中1がテープレコーダで、この実施例では、再生機
能も備えたテープレコーダとして示されている。
2はテープレコーダの外筐、3は外筐2に設けられた
カセット装着部4を開閉するための蓋体である。該蓋体
3はその一側縁部が外筐2に回動自在に支持されてお
り、カセット装着部4に対するテープカセットの装着及
び取出しはこの蓋体3を第2図に矢印で示す方向へ回動
した状態で行なわれる。
5は外筐2の前面パネルであり、この前面パネル5の
所定の位置に開口部6、6、・・・が形成されている。
7は録音ボタン、8は再生ボタン、9は早送りボタン、
10は巻戻しボタン、11は停止ボタン、12は走行方向切換
ボタンであり、これらボタン7乃至12は外筐2内に設け
られた後述する各操作レバーの前端部に固定されると共
に、その前部が上記開口部6、6、・・・から外筐2外
へ突出するように位置されている。
13a及び13bは前面パネル5のうち走行方向切換ボタン
12の左側の位置に互いに左右方向に並ぶようにして形成
された表示窓であり、該表示窓13a、13bは現在選択され
ているテープ走行方向に応じた方のものに所定の色が表
示され、それによって、現在のテープ走行方向又はテー
プの走行するであろう方向がフォワード方向であるかリ
バース方向であるかを知ることができるようになってい
る。即ち、14(第3図参照)は表示用スライダーであ
り、該表示用スライダー14は前面パネル5の内面に沿う
ように位置され、かつ、その前面、即ち、前面パネル5
の内面と対面する面の所定の位置に所定の着色が為され
ると共に、テープ走行方向が切換わるとき左右いずれか
の方向へ移動される後述するディレクションスライダー
と一体的に移動されるようになっており、そのディレク
ションスライダーがテープ走行方向をフォワード方向と
する位置へ移動されたときは着色部が左側の表示窓13a
と対応した位置へ来るようになり、また、ディレクショ
ンスライダーがテープ走行方向をリバース方向とする位
置へ移動されたときは着色部が右側の表示窓13bと対応
した位置へ来るようになっている。
(b.メカデッキ)[第1図、第3図、第4図、第9図、
第14図乃至第18図] 15はテープレコーダ1の前記外筐2内に設けられたメ
カデッキであり、該メカデッキ15は前記カセット装着部
4の底板を兼ねるメイン基板16に固定された後述するシ
ャーシ部に各種の部材及び機構が設けられて成る。
(c.シャーシ部)[第1図、第2図、第4図、第9図、
第14図乃至第18図] 17はメイン基板16に固定されたメインシャーシであ
る。
該メインシャーシ17は左右方向に長く形成されると共
に、その前端部17aが上方へ向けて略直角に屈曲されて
いる。尚、メインシャーシ17の各所定の位置には所定の
孔及び突起が形成され、また、所定のピン、軸等が立設
されているが、これらについてはそれぞれ後述する各部
材の説明の中で述べることにする。また、図示を省略し
てあるがメインシャーシ17の前端部17aにも後述する各
部材の端部を前方へ突出して位置せしめるための切欠部
や開口部及びスプリングの一端部を係着するための切欠
部や孔が形成されている。
18は上記メインシャーシ17の後端部に一体的に取着さ
れたサブシャーシであり、該サブシャーシ18には後述す
るリール台軸が設けられている。
(d.ヘッド基板)[第9図] 19はヘッド基板である。該ヘッド基板19は、平面形状
で略山形に形成されると共に、その後端部が前記メイン
基板16とメインシャーシ17との間の間隙内に位置され、
メインシャーシ17から突設された図示しないピン等によ
って前後方向へ摺動自在となるように支持されている。
そして、ヘッド基板19の下面、即ち、反メインシャー
シ17側の面の前端部にはその略中央部に録音再生用の磁
気ヘッド(以下、「録再用磁気ヘッド」と言う。)20
が、また、左右両端寄りの位置にピンチローラ21、21′
がそれぞれ設けられており、これら録再用磁気ヘッド20
及びピンチローラ21、21′はヘッド基板19と略一体的に
前後方向へ移動されるようになっている。
(e.キャプスタン)[第1図、第3図、第7図乃至第9
図] 22、22′はキャプスタンである。
23、23′(第1図参照)はメインシャーシ17の前端部
17a寄りの部分に互いに左右方向に離間して設けられた
支持スリーブであり、キャプスタン22、22′はその軸方
向における略中間部がこの支持スリーブ23、23′に回転
自在に支持されると共に、図示しない抜け止め部材が係
着されることにより該支持スリーブ23、23′からの抜け
止めが為されている。しかして、キャプスタン22、22′
はその上部がメインシャーシ17から上方へ、また、その
下部がメインシャーシ17から下方へそれぞれ突出するよ
うに位置されている。
(f.リール台)[第1図、第3図、第5図、第15図乃至
第18図] 24及び25はその上端部が前記サブシャーシ18の左右両
端部に設けられた図示しないボス部材に回転自在に支持
されると共に、サブシャーシ18から下方へ突出するよう
に設けられたリール台軸であり、これら2つのリール台
軸24及び25のうち左側に位置するもの24の下部にはフォ
ワード側のリール台(以下、「F側リール台」と言
う。)26が固定されており、右側に位置するもの25の下
部にはリバース側のリール台(以下、「R側リール台」
と言う。)27が固定されている。
尚、リール台26及び27の外周面には図示しない係合突
起が形成されており、テープカセットを前記カセット装
着部4に装着すると、これに収納されたテープリールの
係合孔にリール台26、27が係合されることになり、それ
によって、テープリールがリール台26、27と一体的に回
転される状態となる。
28(第3図参照)はF側リール台26のリール台軸24の
うちサブシャーシ18から上方へ突出した部分に固定され
たリール台ギヤ、29はサブシャーシ18に回転自在に支持
された中間ギヤであり、該中間ギヤ29には小ギヤ30が一
体に形成されており、該小ギヤ30が上記リール台ギヤ28
と噛合されている。また、31はR側リール台27のリール
台軸25のうちサブシャーシ18から上方へ突出した部分に
固定されたリール台ギヤである。
(g.揺動ギヤ)[第1図、第3図、第5図] 32は揺動レバーである。
該揺動レバー32は前後方向に長く形成されると共に、
その長手方向における中央部から稍前方りの部分がメイ
ンシャーシ17の略中央部から立設された支持ピン33に回
動自在に支持されており、その略翼状に形成された後端
部からギヤ支持ピン34が立設され、また、前端部から被
押圧ピン35が立設されている。
尚、揺動レバー32の後端部は前記F側リール台26に関
係する中間ギヤ29とR側リール台27に関係する前記リー
ル台ギヤ31との間に位置されている。
36は上記揺動レバー32の後端部から立設されたギヤ支持
ピン34に回転自在に支持された揺動ギヤである。
(h.伝達ギヤブロック)[第3図、第6図、第12図、第
14図] 37は後述する駆動系のモータによる回転力を前記揺動
ギヤ36に伝達すると共に、後述するオートリバース機構
及びオートシャットオフ機構の一部を構成する伝達ギヤ
ブロックである。
38は上方から見て略円板状に形成された摩擦車であ
り、該摩擦車38は前記揺動レバー32が支持された支持ピ
ン33に回転自在に支持されると共に、その下面部には摩
擦係数の高い素材から成る図示しない摩擦部材を介して
小ギヤ39が一体的に結合されている。
40は上記摩擦車38の上面側に位置された大ギヤであ
り、該大ギヤ40は摩擦車38にこれとの間で図示しないコ
イルスプリングを圧縮する状態で一体的に嵌合されてい
る。
41はその略円環状に形成された基部41aが上記大ギヤ4
0の上部に形成された図示しない小径部に回転自在に外
嵌された首振りアイドラーであり、該基部41aから略台
形状に形成された突片42が側方に向って一体に突設され
ると共に、該突片42の先端部から係合ピン43が垂下状に
一体に形成されている。
44はその下部が前記大ギヤ40の上部に形成された図示
しない小径部に内嵌されたキャップ体であり、該キャッ
プ体44の下面の外周部と上記首振りアイドラー41の上面
の外周部との間に圧縮されることにより極く僅かな弾発
力が生ずるコイルスプリング45が圧縮された状態で介在
されている。
尚、前記支持ピン33のうち上記キャップ体44から上方
へ突出した部分には抜け止め用のリングが係着されてお
り、これによって、上記した各部の嵌合状態とスプリン
グ及び摩擦部材を介して接触し合う状態とが保持される
ことになる。
そして、上記したように構成された伝達ギヤブロック
37の小ギヤ39が前記揺動ギヤ36と噛合されている。
尚、伝達ギヤブロック37は揺動ギヤ36の回動中心であ
るところの支持ピン33に回転自在に支持されているの
で、揺動ギヤ36が回動されてもこれと伝達ギヤブロック
37の小ギヤ39とは、常に、互いに噛合し合う状態が保持
されることになる。
しかして、伝達ギヤブロック37は、その摩擦車38又は
大ギヤ40が後述する駆動系によって回転せしめられるこ
とにより前記した各部が一体的に回転され、回転される
ことによって前記揺動ギヤ36を回転せしめることにな
る。
尚、伝達ギヤブロック37は、回転中に、その小ギヤ39
に揺動ギヤ36側から何らかの原因による所定のトルク以
上の負荷が加えられると、小ギヤ39と摩擦車38又は大ギ
ヤ40とが互いにスリップしてその負荷を逃がすようにな
る。また、首振りアイドラー41はコイルスプリング45を
介してキャップ体44の回転力を伝達されるので、これも
他の部材と一体的に回転しようとするが、その係合ピン
43が後述する揺動リンクと係合されているため、通常
は、一定の角度範囲内で首振り動作をするようになる。
これの動きについては後述する。
(i.駆動系) (i−1.共通駆動系)[第3図、第4図] 46はメインシャーシ17の左端部に固定されたモータで
あり、その出力軸47に駆動プーリ48が固定されている。
49は前記キャプスタン22、22′のうち左側のもの22の
上端部に固定されたフライホィール、50は右側のもの2
2′の上端部に固定されたフライホィールであり、これ
らフライホィール49及び50の外周面にはベルト巻付け用
の図示しない環状溝が形成されている。そして、左側の
フライホィール49の下面側には比較的小径なギヤ51が一
体的に設けられている。また、右側のフライホィール50
の下面の中心部には比較的小径な摩擦接触部52が一体に
形成されると共に、上記下面の外周部にはギヤ53が一体
的に設けられている。
54はメインシャーシ17の前端部のうちの左端縁寄りの
位置から立設されたピン54aの上端部に回転自在に支持
された遊転プーリである。
55は無端状ベルトであり、該ベルト55はモータ46の駆
動プーリ48−遊転プーリ54−右側のフライホィール50−
左側のフライホィール49−駆動プーリ48にこの順序で巻
付けられている。
尚、駆動プーリ48はモータ46が駆動されることによ
り、図面に向って反時計回り方向へ回転されるようにな
っている。
しかし、モータ46が駆動されると、左側のフライホィ
ール49及びこれが固定された左側のキャプスタン22が時
計回り方向へ回転され、右側のフライホィール50及びこ
れが固定された右側のキャプスタン22′が反時計回り方
向へ回転されることになる。
(i−2.リール台低速回転時駆動系)[第3図、第4
図、第9図] 56は摩擦車である。
57は該摩擦車56を支持する回動レバーであり、該回動
レバー57は上方から見て略状に屈曲して形成され、か
つ、前方から見て略字状に屈曲するように形成される
と共に、その形の略屈曲点がメインシャーシ17から立
設された支持ピン58に回動自在に支持され、また、その
略左右方向に延びる一方の腕57aの先端部からピン59が
立設されており、そのピン59に前記摩擦車56が回転自在
に支持されている。そして、回動レバー57の略前後方向
に延びる他方の腕57bの前部には略「く」の字状に屈曲
されたカム孔60が形成されている。
尚、回動レバー57は、その他方の腕57bの先端部に一
端がメインシャーシ17の前端部17aに係着された引張り
スプリング61の他端が係着されることによって、常時、
反時計回り方向への回動力が付勢されており、そのカム
孔60の一側縁に後述するヘッド基板制御レバーに形成さ
れた突起が係合されている。そして、ヘッド基板19がテ
ープパス側へと移動していない状態において回動レバー
57は第3図に破線で示し、また、第4図及び第9図に実
線で示すように、それに支持された摩擦車56が前記右側
のフライホィール50に形成された摩擦接触部52及び前記
伝達ギヤブロック37の摩擦車38と接触しない位置(以
下、「非接触位置」と言う。)に、引張りスプリング61
の引張力に抗して保持され、また、後述する制御レバー
の突起が係合孔60の一側縁と係合しない位置へ移動され
る(このときヘッド基板19はテープ側へ向って移動して
いる。)ことによって、第4図及び第9図に2点鎖線で
示すように、フライホィール50の摩擦接触部52及び伝達
ギヤブロック37の摩擦車38に接触する位置(以下、「接
触位置」と言う。)へ移動されるようになっている。
しかして、摩擦車56が接触位置へ来ると、モータ46の
回転力は右側のフライホィール50−摩擦接触部52−摩擦
車56−伝達ギヤブロック37といった系路で前記揺動ギヤ
36に伝達されることになる。従って、揺動ギヤ36が前記
F側リール台26に関係する中間ギヤ29と噛合されている
ときは、モータ46の回転力がF側リール台26に伝達さ
れ、また、揺動ギヤ36が前記R側リール台27に関係する
前記リール台ギヤ31と噛合されているときは、モータ46
の回転力がR側リール台27に伝達されるので、これによ
ってリール台26又は27が回転せしめられることになる。
尚、モータ46の回転力が上記したように伝達されるこ
とによって、F側リール台26は時計回り方向(以下、F
側リール台26についての「テープ巻取方向」と言う。)
へ回転され、R側リール台27は反時計回り方向(以下、
R側リール台27についての「テープ巻取方向」と言
う。)へと回転せしめられることになる。
しかして、F側リール台26がテープ巻取方向へ回転さ
れると、これに係合されたテープカセットの一方のテー
プリールがテープ巻取方向へ回転されるので、この状態
において、磁気テープはフォワード方向へ走行されるこ
とになる。また、R側リール台27がテープ巻取方向へ回
転されると、これに係合されたテープカセットの他方の
テープリールがテープ巻取方向へ回転されるので、この
状態において、磁気テープはリバース方向へ走行される
ことになる。
尚、上記した摩擦車56を介して構成されるリール台の
駆動系は再生又は記録を行なう状態、即ち、プレイモー
ド又は録音モードにおいて形成されるものであり、この
駆動系によるときは、リール台26、27は前記キャプスタ
ン22、22′とピンチローラ21、21′とによって定速走行
せしめられる磁気テープをたるみなしに巻き取ることが
できる程度の速度で回転(以下、「低速回転」と言
う。)されることになる。
(i−3.リール台高速回転時駆動系)[第3図、第9
図] 62は高速用ギヤである。
63は該高速用ギヤ62を支持する回動レバーであり、該
回動レバー63は前後方向から見て略字状に屈曲するよ
うに形成されると共に、その字形の屈曲点寄りの端部
が前記摩擦車56を支持している回動レバー57が支持され
た支持ピン58のうちの回動レバー57から上方へ突出した
部分に回動自在に支持されている。そして、回動レバー
63の上側の腕63aの先端部から下方へ向けてギヤ支持ピ
ン64が突設され、そのギヤ支持ピン64に前記高速用ギヤ
62が回転自在に支持されている。また、回動レバー63の
下側の腕63bは上側の腕63aに対し略後方へ向けてある程
度斜めに延びており、その先端部に引張りスプリング65
の一端が係着されている。引張りスプリング65の他端は
後述するカムスライダーに形成されたばね掛片に係着さ
れており、回動レバー63はこの引張りスプリング65の引
張力によって、常時、反時計回り方向への回動力が付勢
されている。
尚、上記ギヤ支持ピン64の下端部はメインシャーシ17
に形成された長孔66(第9図参照)を通ってメインシャ
ーシ17から稍下方へ突出するように位置されていると共
に、前記ヘッド基板19の後端縁に形成された小さな突部
67(第9図参照)の後側に位置されている。
しかして、高速用ギヤ62はこれが支持されたギヤ支持
ピン64がヘッド基板19によって後方へ押圧されていない
間は、引張りスプリング65の引張力によって、第3図に
示すように、右側のフライホィール50に形成された前記
大径ギヤ53及び伝達ギヤブロック37の大ギヤ40に噛合す
る位置(以下、「噛合位置」と言う。)に保持され、ま
た、図示を省略してあるが、ギヤ支持ピン64がヘッド基
板19の突部67によって後方へ押圧されることにより、噛
合位置より稍右斜め後方寄りの位置(以下、非噛合位
置」と言う。)へ移動されて前記2つのギヤ53及び40か
ら離れるようになっている。
尚、高速用ギヤ62が噛合位置へ来ているときは前記摩
擦車56が非接触位置に保持され、摩擦車56が接触位置へ
移動されるときは高速用ギヤ62が非噛合位置へ移動され
るようになっている。これらの所定のタイミングに従っ
た関連動作については後述する。
しかして、高速用ギヤ62が噛合位置に来ている状態に
おいて、モータ46の回転力は右側のフライホィール50−
右側のフライホィール50に形成されたギヤ53−高速用ギ
ヤ62−伝達ギヤブロック37といった系路で前記揺動ギヤ
36に伝達されることになる。
従って、揺動ギヤ36がF側リール台26に関係する中間
ギヤ29と噛合されているときはモータ46の回転力がF側
リール台26に伝達され、また、揺動ギヤ36がR側リール
台27に関係するリール台ギヤ31と噛合されているときは
モータ46の回転力がR側リール台27に伝達され、これに
よって、F側リール台26、R側リール台27がテープ巻取
方向へ回転駆動せしめられることになる。
尚、上記した高速ギヤ62を介して構成されるリール台
の駆動系はテープの早送りを行なうモード(以下、「FF
モード」と言う。)、テープの巻き戻しを行なうモード
(以下、「REWモード」と言う。)、高速正転再生を行
なうモード(以下、「CUWモード」と言う。)、及び高
速逆転再生を行なうモード(以下「REVモード」と言
う。)において形成されるものであり、この駆動系によ
るときは、リール台26、27は低速回転より相当速い速度
でテープを巻き取る速度で回転(以下、「高速回転」と
言う。)されることになる。
(j.揺動ギヤ回転手段)[第1図、第3図乃至第5図] 68は前記揺動ギヤ36を回動せしめるための揺動ギヤ回
動手段である。
69及び70は揺動ギヤ36が支持された前記揺動レバー32
の被押圧ピン35を所定の方向へ押圧するための押圧レバ
ーであり、該押圧レバー69及び70はメインシャーシ17の
前端部17a寄りの部分のうちの左右方向における略中央
部に互いに左右方向に並ぶようにして配置されている。
そして、これら押圧レバー69及び70のうち左側のもの69
は略前後方向に長く、かつ、稍クランク状に屈曲された
板状に形成されると共に、その前端部が左側から見て略
字状に屈曲され、その字状に形成された部分がメイ
ンシャーシ17から立設された螺孔を有するピン71に回動
自在に支持されている。また、右側のもの70はその基部
70aがこれも略前後方向に長い板状に形成されると共
に、その基部70aの前端部が左側から見て略コ字状に屈
曲され、その字形に形成された部分がメインシャーシ
17から突設されたピン72に回動自在に支持されている。
73は右側の押圧レバー70の基部70aの右側縁のうちの
前端部から右側へ向けて突設された突片であり、該突片
73の先端部73aは上方へ向けて略直角に屈曲されてい
る。そして、右側の押圧レバー70が支持されたピン72の
うち押圧レバー70の字形に屈曲された部分の間に位置
する部分にはトーションばね74(第1図、第3図参照)
のコイル部74aが外嵌されており、該トーションばね74
の一方の腕74bは右側押圧レバー70のうちの字形の中
間片の左側縁に略左側から当接され、他方の腕74cは右
側の押圧レバーに形成された前記突片73の先端部73aの
後側縁に略後方から当接されている。即ち、トーション
ばね74は、これの腕74b又は74cに対して押圧レバー以外
の部材による押圧力が加えられない間は押圧レバー70に
対して何ら弾発力を加えることのない状態で設けられて
いる。
75は左側の押圧レバー69の右側縁に略右斜め前方を向
いて位置するように形成された被押圧縁である。また、
76は右側の押圧レバー70の左側縁に略左斜め前方を向い
て位置するように形成された第1の被押圧縁、77は右側
の押圧レバー70の左側縁のうち上記第1の被押圧縁76か
ら前側へ連続する部分に第1の被押圧縁76より更に左方
を向いて位置するように形成された第2の被押圧縁であ
る。
そして、左右両押圧レバー69及び70はその互いに対向
し合う側縁の略中央部によって揺動レバー32から立設さ
れた被押圧ピン35を左右両側から挾むようにした状態
で、それぞれの後端部の間に引張りスプリング78が架け
渡されている。従って、2つの押圧レバー69及び70は互
いに引張り合うと共に、その引張力により左側の押圧レ
バー69には、常時、時計回り方向への回動力が付勢さ
れ、また、右側の押圧レバー70には、常時、反時計回り
方向への回動力が付勢されている。
尚、左右の押圧レバー69及び70は、これに対していず
れかの方向へ回動せしめる押圧力が加えられていない間
は、その引張りスプリングにより引張り合う力が均衡し
た位置に保持されており、その状態において揺動レバー
32がこれに支持された揺動ギヤ36が、第1図及び第3図
に示すように、中間ギヤ29及びリール台ギヤ31のいずれ
にも噛合しない位置(以下、「ニュートラル位置」と言
う。)に来る位置に保持されるようになっている。
そこで、押圧レバー69及び70が時計回り方向へ回動さ
れると揺動レバー32はその被押圧ピン35が右側へ移動せ
しめられることにより反時計回り方向へ回動されること
になり、これによって、揺動ギヤ36が、第5図に実線で
示すように、中間ギヤ29と噛合する位置へ移動されるこ
とになる。また、押圧レバー69及び70が反時計回り方向
へ回動されると揺動レバー32はその被押圧ピン35が左側
へ移動せしめられることにより時計回り方向へ回動され
ることになり、これによって、第5図に2点鎖線で示す
ように、揺動ギヤ36がリール台ギヤ31と噛合する位置へ
移動されることになる。
しかして、揺動ギヤ36が上記した位置へ移動される
と、リール台を駆動するための前記した2つの駆動系の
いずれかを介してモータ46とリール台26又は27との間の
動力伝達経路が形成されるので、これによって、リール
台26又は27がテープ巻取り方向へ回転駆動せしめられる
ことになる。
尚、押圧レバー69及び70を回動せしめる手段について
は後述する。
(k.モードレバー)[第1図、第3図、第9図、第15図
乃至第18図] 79、80、81、82及び83はモードレバーである。これら
モードレバー79、80、81、82及び83のうち83を除く4つ
のモードレバーはメインシャーシ17の上面に配置されて
いる。そして、メインシャーシ17の上面に配置された4
つのモードレバーのうちメインシャーシ17の右側縁寄り
の部分に位置するもの79が記録モードを形成するための
モードレバー(以下、「RECレバー」と言う。)、その
左側に位置するもの80が再生モードを形成するためのモ
ードレバー(以下、「PLAYレバー」と言う。)、更に、
その左側に位置するもの81がREWモードを形成するため
のモードレバー(以下、「REWレバー」と言う。)、そ
して、一番左側に位置するもの82がFFモードを形成する
ためのモードレバー(以下、「FFレバー」と言う。)で
ある。また、メインシャーシ17の下面に配置されたもの
83がストップモードを形成するためのモードレバー(以
下、「STOPレバー」と言う。)である。
RECレバー79は略前後方向に長い板状に形成されると
共に、その後端縁から下方へ屈曲された被ガイド片79a
がメインシャーシ17に形成されたガイド長孔84に摺動自
在に係合され、かつ、その前端部に形成されたガイド長
孔85にメインシャーシ17から立設されたピン86が摺動自
在に係合されることによって前後方向へ一定の範囲内で
摺動自在となるように設けられており、その後端部から
被ロック片87が、また、該被ロック片87の稍前方からば
ね掛片88がそれぞれ立ち上げ状に形成されている。
89(第1図及び第3図にのみ示してある。)はRECレ
バー79の略中央部に形成された前後方向に長い長孔、ま
た、90はその左側縁の略中央部から左側へ突出するよう
に形成された押圧片である。
尚、RECレバー79の前端部はメインシャーシ17の前端
部から前方へ突出されており、その前端部に前記録音ボ
タン7が固定されている。
PLAYレバー80も前後方向に長い板状に形成されると共
に、その後端縁から下方へ屈曲された被ガイド片80aが
メインシャーシ17に形成されたガイド長孔91に摺動自在
に係合され、かつ、その前端部に形成された被ガイド長
孔92にメインシャーシ17から立設されたピン93の大径部
が摺動自在に係合されることによって前後方向へ一定範
囲内で摺動自在なるように設けられており、その後端部
から被ロック片94が立ち上げ状に、また、該被ロック片
94の稍前方からはばね掛片95が右側へ向けて略水平に突
出するように、それぞれ形成されている。
96はPLAYレバー80の上記ばね掛片95に形成されたばね
掛孔、97はPLAYレバー80の右側縁のうちばね掛片95の稍
前方から右側へ突出され、かつ、前記RECレバー79に形
成された押圧片90の後側に位置する被押圧片である。
また、98は右側縁のうち上記被押圧片97からある程度
前方へ寄った部分から右側へ突出するように形成された
突片であり、該突片98の前端部98aは上方へ向けて立ち
上げ状に形成されている。
尚、PLAYレバー80の前端部には前記再生ボタン8が固
定されている。
REWレバー81はこれも前後方向に長い板状に形成され
ると共に、互いに前後方向に位置がずれた部分に形成さ
れた2つの被ガイド長孔99、100のうち、前側のもの99
に前記右側のキャプスタン22′を支持するスリーブ23′
が摺動自在に係合され、かつ、後側のもの100にメカシ
ャーシ17から立設された低いピン101が摺動自在に係合
されることにより、前後方向へ一定範囲内で摺動自在な
るように設けられており、その後端部から被ロック片10
2が立ち上げ状に形成されている。
103はREWレバー81の左側縁の前端部寄りの位置から立
ち上げ状に形成された突出片であり、この突出片103の
上部は前記右側の押圧レバー70に設けられたトーション
ばね74の他方の腕74cのうち該押圧レバー70に形成され
た突片73から右側へ突出するように位置された部分に後
方から対向するようにに位置されている。
尚、REWレバー81の前端部には前記巻戻しボタン10が
固定されている。
FFレバー82も略前後方向に長い板状に形成されると共
に、その後端縁から下方へ向けて屈曲された被ガイド片
82aがメインシャーシ17に形成されたガイド長孔104に摺
動自在に係合され、かつ、その前端部に形成された被ガ
イド長孔105に前記右側の押圧レバー70が支持されたピ
ン72の下部が摺動自在に係合されることにより、一定範
囲内で前後方向へ摺動自在なるように設けられている。
そして、FFレバー82には、その右側へ突出するように
形成された後端部の右側縁から被ロック片106が立ち上
げ状に形成され、また、左側縁の前端部寄りの位置から
ばね掛片107が立ち上げ状に形成されている。
尚、FFレバー82の前端部には前記早送りボタン9が固
定されている。
STOPレバー83はこれも全体として略前後方向に長い板
状に形成されると共に、これに形成された図示しない被
ガイド部がメインシャーシ17の下面に設けられた図示し
ないガイド部材に摺動自在に係合されることにより、一
定範囲内で前後方向へ摺動し得るように設けられてお
り、その略中央部から切り起し状に形成されたばね掛片
108が上方へ向けて突設されている。尚、該ばね掛片108
の上部はメインシャーシに形成された図示しない孔及び
前記RECレバー79に形成された長孔89を通して上方へ突
出するように位置されている。
そして、STOPレバー83の左側縁の後端部が後述するロ
ックスライダーを押圧する押圧縁109となっており、該
押圧縁109は後端に行くに従って次第に右側へ変位する
ように斜めに延びるように形成されている。
尚、このSTOPレバー83の前端部は下方へ向けて略クラ
ンク状に屈曲されると共に、左側へ向けても略クランク
状に屈曲されており、その前端に前記停止ボタン11が固
定されている。
そして、RECレバー79のばね掛片88、PLAYレバー80の
ばね掛片95の先端部、REWレバー81の突出片103、FFレバ
ーのばね掛片107及びSTOPレバー83のばね掛片108とメイ
ンシャーシ17の前端部17aのうちの各所定の位置に形成
された図示しないばね掛用の切欠部との間にそれぞれ引
張りスプリング110、111、112、113及び114が架け渡さ
れている。これによって、各レバー79乃至83は、常時、
前方へ移動しようとする移動力が付勢されていると共
に、各操作用のボタン7乃至11が前方から押圧されるこ
とにより後方へ摺動せしめられることになる。
尚、RECレバー79が押し込まれると、その押圧片90がP
LAYレバー80に形成された被押圧片97を前方から押圧す
ることになるので、PLAYレバー80がRECレバー79と一体
的に後方へと押し込まれることになる。
(l.ロックライダー)[第1図、第3図、第14図] 115は前記したRECレバー79、PLAYレバー80、REWレバ
ー81及びFFレバー82が押し込まれたとき、これらをその
位置にロックするためのロックスライダーである。
該ロックスライダー115は左右方向に長い板状に形成
されると共に、その互いに左右方向に離間した位置に形
成された被ガイド長孔116、116にメインシャーシ17の右
端部のうちの後側縁寄りの部分から立設されたガイドピ
ン117、117が摺動自在に係合されることにより、左右方
向へ一定の範囲内で移動することができる状態で設けら
れている。そして、ロックスライダー115はその後側縁
から立ち上げ状に形成されたばね掛片118と、メインシ
ャーシ17の後側縁と右側縁とが交わる角部から立ち上げ
状に形成されたばね掛片119との間に引張りスプリング1
20が架け渡されることによって、常時、右側への移動力
が付勢されていると共に、これに左側への押圧力が加え
られていない間は、その被ガイド長孔116、116の左端縁
がガイドピン117、117に当接することにより、図面に示
す位置(以下、「非ロック位置」と言う。)に保持され
るようになっている。
また、ロックスライダー115の前側縁の各所定の位置
からは係合爪121a、121b、121c及び121dが前方へ向けて
突出するように形成されると共に、該係合爪121a、121
b、121c及び121dの前端部には右側へ向けて略直角に屈
曲されている。尚、レバー係合爪121a、121b、121c及び
121dの前端部の右側縁は後方へ行くに従って次第に右側
へ変位するように斜めに形成されており、これら各斜縁
は、ロックスライダー115が非ロック位置に来ている状
態において、前記各モードレバー79、80、81及び82に形
成された各被ロック片87、94、102及び106の後方に位置
するようになっている。
また、ロックスライダー115の右端縁からは略右斜め
前方へ向けて突出され、かつ、その先端部が下方へ向け
て屈曲されたロック解除片122が形成されており、該ロ
ック解除片122の先端部は前記STOPレバー83の後端部に
形成された斜めの押圧片109と近接して位置されてい
る。更に、PLAYレバー80用の係合爪121bの右側縁121b′
はPLAYレバー80の被ロック片94の左側縁より右側に位置
されている。
しかして、例えば、再生ボタン8を押すと、PLAYレバ
ー80が後方へ移動されると共に、該PLAYレバー80の被ロ
ック片94がロックスライダー115の係合爪121a乃至121d
のうちの右側から2番目に位置するもの121bの斜縁を押
圧するのでロックスライダー115が左側へ移動され、そ
の被ロック片94が当該係合爪121bの斜縁との接触を外れ
たところで、ロックスライダー115が引張りスプリング1
20の引張力によって右側へ戻されるので、PLAYレバー80
の被ロック片94がロックスライダー115の係合爪121bに
係合されるようになる。これによって、PLAYレバー80の
所定の位置まで押し込まれた状態が保持されることにな
る。
そして、その状態から停止ボタン11を押すと、STOPレ
バー83が後方へ向けて押し込まれると共に、その押圧縁
109がロックスライダー115のロック解除片122を押圧す
るので、ロックスライダー115が左側へ摺動せしめられ
ることになり、それによって、係合爪121bによるPLAYレ
バー80の被ロック片94に対するロックが解除されること
になる。これによって、PLAYレバー80が引張りスプリン
グ111の引張力によって前方へ戻されると共に、停止ボ
タン11に対する押圧を解除すれば、STOPレバー83も引張
りスプリング114の引張力によって前方へ戻されること
になる。
尚、録音ボタン7を押したときのRECレバー79に対す
るロックスライダー115によるロック動作、巻戻しボタ
ン10を押したときのREWレバー81に対するロックスライ
ダー115によるロック動作、早送りボタン9を押したと
きのFFレバー82に対するロックスライダー115によるロ
ック動作、及び、これらロック状態からのSTOPレバー83
によるロック解除動作は、いずれも前記したPLAYレバー
80についてのロック及びロック解除と同様にして行なわ
れることになる。ただ、PLAYレバー80がロックされてい
る状態では、係合爪121bの右側縁121b′が被ロック片94
の左側縁より右に位置しているため、ロックレバー115
は非ロック位置より左側に寄っており、その状態でFFレ
バー82又はREWレバー81が押し込まれても、これらに対
応した係合爪121d、121cはこれらレバーの被ロック片10
6、102をロックしない位置へと避けているために、これ
らレバー82、81に対する押し込み力を除去すれば、スプ
リング113、112によって元の位置に戻される。
(m.ヘッド基板進退機構)[第1図、第3図、第9図] 123はヘッド基板進退機構である。
該ヘッド基板進退機構123は、前記ヘッド基板19を進
退せしめると共に、所定のモードに従って、リール台2
6、27に関する前記2つの駆動系、即ち、リール台低速
回転時駆動系とリール台高速回転時駆動系のうちのいず
れか所定のものを形成する機能を有するものであり、前
記PLAYレバー80、REWレバー81、FFレバー82、前記摩擦
車56を支持する回動レバー57及びこの項において後述す
るヘッド基板制御レバー、連結リンク等から構成されて
いる。
124はヘッド基板制御レバーである。
該ヘッド基板制御レバー124は略逆「へ」字状に形成
された基部125と該基部125の右端部寄りの位置から後方
へ向けて突設された連結片126とから成り、基部125の右
端部寄りの部分は左側から見て略コ字形に形成されて、
そのコ字形に形成された部分が前記PLAYレバー80の被ガ
イド長孔92に係合されたところのメインシャーシ17から
立設されたピン93の上端部に回動自在に支持されてい
る。
そして、基部125の右端部は前記PLAYレバー80に形成
された突片98の前端部98aの前側に位置されており、そ
の右端部にはばね掛孔127が形成されると共に、該ばね
掛孔127とPLAYレバー80に形成された前記ばね掛片95に
形成されたばね掛孔96との間に引張りスプリング128が
架け渡されている。従って、基部125の右端部はPLAYレ
バー80の突片98の前端部98aに前側から当接されてい
る。
また、連結片126の左側縁のうちの基部125寄りの位置
からストッパー突片129が立ち上げ状に形成されてお
り、該ストッパー突片129の上部は前記摩擦車56が支持
された回動レバー57に形成されたカム孔60内に位置され
ている。尚、基部125の左端部125aは反連結片126側へ向
けて屈曲されている。
130は連結リンクである。
該連結リンク130はその略中央部が前記REWレバーに形
成された後側の被ガイド長孔100に係合されたところの
メインシャーシ17から立設されたピン101の上端部に回
動自在に支持されると共に、一方の腕130aの先端部が前
記ヘッド基板制御レバー124の連結片126の先端部と連結
ピン131によって回動自在に連結され、また、他方の腕1
30bの先端部がヘッド基板19の所定の部分と連結ピン132
によって回動自在に連結されている。尚、上記連結ピン
132の下部はメインシャーシ17に形成された図示しない
長孔を通してメインシャーシ17の下面側まで延びてい
る。
尚、ヘッド基板制御レバー124はPLAYレバー80が押し
込まれていないとき、即ち、ストップモードにおいて
は、その基部125の右端部がPLAYレバー80の突片98に当
接することによって、第9図に実線で示す位置に保持さ
れており、この状態において、前記回動レバー57はこれ
に形成されたカム孔60の一側縁がヘッド基板制御レバー
124のストッパー突片129に略左斜め後方から当接するこ
とによって、その摩擦車56が非接触位置に来る位置に保
持されている。また、このストップモードにおいて、ヘ
ッド基板19は第9図に破線で示す位置に来ている。
(n.モード形成動作) (n−1.再生モード又は録音モードの形成) しかして、再生モード又は録音モードは次のようにし
て形成される。尚、再生モード又は録音モードの形成
は、主として、前記ヘッド基板進退機構123によって行
なわれる。
ストップモードから録音ボタン7又は再生ボタン8が
押されることによってPLAYレバー80が後方へ向けて押し
込まれると、ヘッド基板制御レバー124はその基部125の
右端部がPLAYレバー80により引張られる引張りスプリン
グ128の引張力によって後方へ引張られるため、反時計
回り方向へ回動せしめられると共に、PLAYレバー80がロ
ックスライダー115によってロックされると、第1図及
び第9図に2点鎖線で示す位置まで移動されることにな
る。これによって、連結リンク130がピン101に支持され
た部分を回動中心として時計回り方向へ回動されるた
め、その他方のピン132が略後方へ向けて移動されるこ
とになる。
しかして、ヘッド基板19が第9図に2点鎖線で示す位
置まで移動されることになる。即ち、ヘッド基板19はこ
れに設けられた録再用磁気ヘッド20が前記カセット装着
部4に装着されたテープカセットの前面部を通されてい
る磁気テープに対して前進し、かつ、そのヘッド面が磁
気テープに適度な圧力でもって接触する位置まで前進さ
れることになる。尚、ヘッド基板19がテープに対して前
進されると、第9図に示すように、これに設けられた前
記ピンチローラ21、21′のうち後述する走行方向切換機
構によって選択されたテープ走行方向に応じたものが前
記キャプスタン22、22′のうちのそれぞれに対応したも
のに磁気テープを挾んで圧着されることになる。
そして、ヘッド基板制御レバー124が前記したように
回動せしめられると、これに設けられたストッパー突片
129が、第9図に2点鎖線で示すように、略前方へ移動
されるため、それまで、そのストッパー突片129によっ
て回動が阻止されていた回動レバー57が引張りスプリン
グ61の引張力によって、反時計回り方向へ回動されるこ
とになる。これによって、前記したように、摩擦車56が
接触位置へ来るため、リール台低速回転時駆動系が形成
されることになる。従って、磁気テープが選択された走
行方向へ低速で走行され、これによって記録又は再生が
行なわれることになる。
尚、前記したように、ヘッド基板19が前進されること
によって、その後端縁に形成された突部が高速用ギヤ62
のギヤ支持ピン64を後方へ押圧するので、高速用ギヤ62
は非噛合位置へ移動されることになる。
しかして、再生モード又は録音モードが形成されるこ
とになる。
尚、RECレバー79が押し込まれると、前記したよう
に、録再用磁気ヘッド20が磁気テープに対して前進して
そのヘッド面が磁気テープに接触されることになるので
あるが、これと共に、選択されたテープ走行方向に対応
した側の後述する消去ヘッドが磁気テープに対して前進
されそのヘッド面が磁気テープに接触されるようになっ
ている。
そこで、再生モード又は録音モードから停止ボタン11
が押されると、前記したようにしてPLAYレバー80が前方
へ戻されるので、ヘッド基板制御レバー124はその基部1
25の右端部がPLAYレバー80の突片98によって押圧される
ことにより時計回り方向へ回動せしめられることにな
る。すると、連結リンク130が反時計回り方向へ回動さ
れるので、ヘッド基板19と連結された他方の連結ピン13
2が略前方へ移動されることになり、これによって、ヘ
ッド基板19が第9図に破線で示す位置へと戻される。即
ち、磁気テープに対して後退されることになる。そして
これと共に、回動レバー57はそのカム孔60の一側縁がヘ
ッド基板制御レバー124のストッパー突片129によって略
後方へ押圧されるので、時計回り方向へ回動されること
になり、これによって、摩擦車56が非接触位置へと移動
されることになる。また、ヘッド基板19が後退されるこ
とにより、高速用ギヤ62が噛合位置へ戻るることにな
る。
しかして、ストップモードとなる。
尚、RECレバー79には後述する誤消去防止機構を構成
する被制御レバーが一体的に連結されており、該被制御
レバーは、後述するテープ走行方向の切換機構によって
選択されたテープ走行方向とテープレコーダ1に装着さ
れたテープカセットの録音に関する指示状態の如何によ
っては後方への移動を阻止されるようになっているた
め、RECレバー79による前記録音モードは所定の条件が
ととのった場合にのみ形成されることになる。これらに
ついては後述する。
(n−2.FFモード、REWモードの形成) FFモードはストップモードから前記早送りボタン9を
押すことにより、また、REWモードは前記巻戻しボタン1
0を押すことによって形成される。
尚、ストップモードにおいてはヘッド基板19がテープ
に対して前進されていないので高速用ギヤ62が噛合位置
に来ていると共に、摩擦車56が非接触位置に保持されて
いるので、リール台高速回転時駆動系が形成されてい
る。
そこで、ストップモードから早送りボタン9を押す
と、前記FFレバー82が後方へ押し込まれると共に、その
被ロック片106がロックスライダー115の係合爪121dに係
合されることによって、その押し込まれた位置にロック
される。そして、これと共に、FFレバー82の左側縁に形
成された前記ばね掛片107が第1図に実線矢印で示すよ
うに移動されるため、そのばね掛片107の下部が前記揺
動ギヤ回動手段68に設けられた2つの押圧レバー69、70
のうちの右側のもの70に形成された前記第2の被押圧縁
77を押圧することになる。従って、右側の押圧レバー70
が時計回り方向へ回動されるため、これが引張りスプリ
ング78を介して左側の押圧レバー69の先端部を右側へ引
張るようになる。これによって、左側の押圧レバー69が
時計回り方向へと回動されるので、その右側縁が揺動レ
バー32に立設された被押圧ピン35を右側へ押圧すること
になり、従って、揺動レバー32が反時計回り方向へ回動
され、揺動ギヤ36が中間ギヤ29に噛合されることにな
る。
しかして、F側リール台26がテープ巻取り方向へ高速
回転されるため、磁気テープは、テープカセット内の2
つのテープリールのうちF側のリール台26に係合された
一方のテープリールに高速で巻き取られて行くことにな
る。即ち、FFモードが形成される。
また、ストップモードから巻戻しボタン10を押すと、
前記REWレバー81は後方へ押し込まれると共に、その被
ロック片102がロックスライダー115の係合爪121cに係合
されることによって、その押し込まれた位置にロックさ
れる。そして、これと共に、REWレバー81の左側縁から
形成された前記突出片103が第1図に実線矢印で示すよ
うに移動されるため、その突出片103の上部が右側の押
圧レバー70に設けられた前記トーションばね74の他方の
腕74cの先端部に当接してこれを略後方へ向けて押圧す
るようになる。従って、該トーションばね74の一方の腕
74bが押圧レバー70の字形に形成された部分を略左側
から押圧するようになるため、これによって、該押圧レ
バー70が反時計回り方向へ回動されることになる。従っ
て、右側の押圧レバー70の左側縁が揺動レバー32の被押
圧ピン35を左側へ押圧することになり、これによって揺
動レバー32が時計回り方向へ回動され、揺動ギヤ36がリ
ール台ギヤ31に噛合されることになる。
しかして、R側リール台27がテープ巻取り方向へ高速
回転されるため、磁気テープは、テープカセット内の2
つのテープリールのうちR側リール台27に係合された他
方のテープリールに高速で巻き取られて行くことにな
る。即ち、REWモードが形成される。
このように、FFモード及びREWモードにおいてはFFレ
バー82、REWレバー81が揺動ギヤ回動手段68の2つの押
圧レバー69、70を直接動かすことによって、テープ走行
方向が規定されることになる。
尚、FFモード又はREWモードから停止ボタン11を押す
ことによって、FFレバー82、REWレバー81に対するロッ
クスライダー115によるロックが解除されるので、FFレ
バー82、REWレバー81が前方へ戻されることになり、こ
れによって、ストップモードとなる。
(n−3.CUWモード、REVモードの形成) CUWモード、即ち、高速正転再生の状態及びREVモー
ド、即ち、高速逆転再生の状態はプレイモードにおいて
早送りボタン9、巻戻しボタン10を押すことによって形
成される。
尚、前記したように、再生モードにおいては、リール
台低速回転駆動系が形成されている。また、ヘッド基板
制御レバー124が第1図、第9図に2点鎖線で示す位置
に来ているので、その基部125の左端部125aがFFレバー8
2の右側縁の前端部寄りの位置から立ち上げ状に形成さ
れた押圧突片133とREWレバー81の突出片103の前方に近
接して位置されている。また、再生モードから早送りボ
タン9又は巻戻しボタン10が押されると、FFレバー82又
はREWレバー81が後方へ押し込まれるのであるが、この
状態、即ち、プレイモードにおいてロックスライダー11
5はPLAYレバー80の被ロック片94をロックすることによ
って、前述したように、ニュートラル位置よりある程度
左側へ寄った位置に来ており、しかも、ロックレバー11
5に形成された4つの係合爪121a乃至121dのうちFFレバ
ー82及びREWレバー81と対応する係合爪121d及び121cの
係合縁はPLAYレバー80と対応する係合爪121bのそれより
短くされているので、FFレバー82の被ロック片106及びR
EWレバー81の被ロック片102はロックスライダー115によ
ってロックされることはない。従って、キューモード及
びレビューモードを維持するには早送りボタン9、巻戻
しボタン10を押し続ける必要がある。
そこで、再生モードから早送りボタン9又は巻戻しボ
タン10を押すと、FFレバー82又はREWレバー81が後方へ
押し込まれると共に、FFレバー82に形成された前記押圧
突片133又はREWレバー81に形成された前記突出片103が
ヘッド基板制御レバー124の基部125の左端部125aを後方
へ押圧することになる。これによって、ヘッド基板制御
レバー124は引張りスプリング128の引張力に抗して時計
回り方向へ回動され、第9図に実線で示す位置と第1図
及び第9図に2点鎖線で示す位置との略中間の位置へと
移動されることになる。従って、回動レバー57は、その
カム孔60の一側縁がヘッド基板制御レバー124のストッ
パー突片129によって押圧されることにより、第9図に
実線で示す位置と2点鎖線で示す位置の中間の位置より
稍2点鎖線で示す位置側の位置へと戻されることにな
る。これによって、連結リンク130が第9図に2点鎖線
で示す位置から少し反時計回り方向へ回動されるため、
そのヘッド基板19と連結された側の連結ピン132が少し
前方、即ち、テープに対して後退する方向へ、移動され
ることになり、それによって、ヘッド基板19が少しテー
プに対して後退されることになる。
しかして、ピンチローラ21、21′のうちそれまでキャ
プスタン22、22′のいずれかに圧着していた方のものが
当該キャプスタンから離れると共に、録再用磁気ヘッド
20が磁気テープからある程度後退されることになる。
尚、録再用磁気ヘッド20は再生モードにおいて、磁気テ
ープのうちこれが接触した部分をそのカセットケースの
内部へ向けて略ヘ字状に屈曲せしめるように接触してい
るので、その状態から前記したように少し後退しても磁
気テープから完全に離れることはなく、再生を行なうこ
とができる程度には接触した状態とされる。
そして、ヘッド基板19が後退されることによって高速
用ギヤ62が噛合位置へ来ると共に、回動レバー57が時計
回り方向へ回動されることによって、これに支持された
摩擦車56が非接触位置へと移動されることになる。即
ち、リール台高速回転時駆動系が形成されることにな
る。
ところで、再生モードにおけるテープの走行方向は後
述する走行方向切換機構によって押圧レバー69、70を第
5図に示す実線の状態あるいは2点鎖線の状態とするこ
とにより選択されるようになっている。従って、再生モ
ードにおいて早送りボタン9又は巻戻しボタン10が押さ
れるときはテープの走行方向がフォワード方向、リバー
ス方向いずれの方向であっても押圧レバー69、70による
揺動ギヤ36の位置は機械的に保持されている。しかしな
がら、その保持はヘッド基板19が再生モードを形成する
位置、即ち、第9図に破線で示す位置へと移動されるこ
とによって為されるようになっている。しかるに、前記
したように、再生モードからFFレバー82又はREWレバー8
1が押し込まれることによってヘッド基板19が少しテー
プに対して後退されるので、後述する走行方向切換機構
による押圧レバー69、70の機械的保持が解除されること
になる。従って、押圧レバー69、70はFFレバー82の突出
片107又はREWレバー81のばね掛片103により、時計回り
方向又は反時計回り方向へ回動され得る状態となる。
しかして、FFレバー82が押し込まれたときは、前記し
たFFモードが形成される場合と同様にしてそのばね掛片
107が右側の押圧レバー70を時計回り方向へ回動せしめ
ることにより、揺動ギヤ36が中間ギヤ29と噛合され、ま
た、REWレバー81が押し込まれたときは、前記したREWレ
バーが形成される場合と同様にしてばね掛片103がトー
ションばね74を介して右側の押圧レバー70を反時計回り
方向へ回動せしめることにより、揺動ギヤ36がリール台
ギヤ31と噛合されることになる。
しかして、再生モードから早送りボタン9が押される
とF側リール台26が高速回転され、また、巻戻しボタン
10が押されるとR側リール台27が高速回転されると共
に、これらいずれの場合においても録再用磁気ヘッド20
による再生が行なわれることになる。
尚、これらキューモードあるいはレビューモードは、
一般に、再生時における所謂頭出し等を行なう場合に形
成されるモードである。
(o.テープ走行方向の切換機構) 134はプレイモードにおけるテープ走行方向を切換え
るための走行方向切換機構であり、この機構134は、後
述するディレクションスライダー、該ディレクションス
ライダーを摺動せしめるカムギヤ、該カムギヤの回転を
予め定められた位置にて阻止するためのストッパー手
段、上記カムギヤを回転駆動するためのスイッチ動作手
段、上記ストッパー手段による回転阻止状態を解除する
ためのストッパー解除手段及び、前記押圧レバーを制御
するためのレバー制御子等により構成されている。
(o−1.ディレクションスライダー)[第1図、第3
図、第4図、第9図、第20図] 135はメインシャーシ17の前端部17aに沿うように位置
されたディレクションスライダーである。
該ディレクションスライダー135は左右方向に長い板
状に形成されると共に、その右端部に略横倒U字状の切
欠部136が形成されている。そして、ディレクションス
ライダー135の左右方向における略中央部にピン部材配
置用の孔137が、また該孔137と上記切欠136との間の部
分にピン部材配置用の孔138及び139が、そして、左端部
にもピン部材配置用の孔140がそれぞれ形成されてい
る。尚、上記左端部に形成された孔140の略左半分の部
分140aは左右方向に沿って延びるように細長く形成され
ている。
141はディレクションスライダー135の前側縁のうちの
左右方向における略中央部から前方へ突出するように形
成されたばね掛片である。
また、135a、135aはディレクションスライダー135の
前端縁の中央部から稍左寄りの位置から互いに稍間隔を
置いて前方へ突出した挾持片であり、これらの間に前記
表示用スライダー14の後端から略L字状に突出された腕
片14aの先端から上方へ向って突出された係合片14bが挾
持状に保持されている。従って、このディレクションス
ライダー135が左右方向に移動するに従って表示用スラ
イダー14もそれと共に左右方向に移動されることにな
る。
そして、ディレクションスライダー135はその右端部
に形成された切欠部136にメインシャーシ17から立設さ
れた前記ピン93(前記PLAYレバー80の被ガイド長孔92に
係合されたピン)が摺動自在に係合されると共に、左端
部に形成された孔140の左半部140aにメインシャーシ17
から立設されたピン142が摺動自在に係合されることに
より、これらピン93及び142によって移動方向を案内さ
れながら左右方向へ一定の範囲内で移動することができ
るように設けられている。
143はディレクションスライダー135のうち前記中央部
の孔137の左側の部分に形成された摺動用カム孔であ
り、該摺動用カム孔143は稍前後方向に長い略四角状に
形成されると共に、その開孔縁のうちの左右両縁部は上
方へ向けて略直角に屈曲されており、これによって、摺
動用カム孔143の左右両開口縁に突条144、145が形成さ
れている。そして、上記突条144、145のうちの右側のも
の145はその後端から前端に至る稍手前の位置までの間
が略J字状を成すように形成され、その前端部145aは略
前後方向に延びるように形成されている。また、左側の
突条144は右側の突条と略点対称を成す形状に形成され
ている。144aは左側の突条144の後端部である。
146(第1図及び第4図参照)はディレクションスラ
イダー135の左端部のうち前記孔140の略後側に対応する
部分に形成された制御用カム孔であり、該制御用カム孔
146の開孔縁のうち略前側に位置する部分146aは左半部
がディレクションスライダー135の摺動方向に略沿い右
半部が右方に行くに従い前方へ変位する如き略「へ」字
に形成されている。
147(第20図においては図示を省略してある。)はデ
ィレクションスライダー135の下面に回動自在となるよ
うに設けられたレバー制御子である。該レバー制御子14
7は略三角形状に形成されると共に、その基部がディレ
クションスライダー135の前記孔137の後側の部分から下
方へ突設されたピン148に回動自在に支持されており、
また、その回動端から押圧突起149が上方へ向けて略直
角に屈曲されるように形成されている。尚、押圧突起14
9はディレクションスライダー135に形成された前記孔13
9内に位置されており、かつ、その上端部は前記押圧レ
バー69、70の被押圧縁75、76及び77の高さに略対応する
高さに位置されている。
また、レバー制御子147の略右斜め後方を向くように
位置する側縁のうちの回動端寄りの部分から下方へ向け
て略直角に屈曲するように被押圧片150が形成されてお
り、該被押圧片150の下部はメインシャーシ17に形成さ
れた図示しない長孔を通してメインシャーシ17の下方ま
で延びると共に、前記ヘッド基板19の前端寄りの部分に
形成された孔151(第9図参照)内に位置されている。
従って、レバー制御子147はヘッド基板19が前記したよ
うに進退されるにの従って回動せしめられることにな
り、それによって押圧突起149が略前後方向へ移動され
ることになる。尚、レバー制御子147のこれらの動きの
詳細については後述する。
152は前記ディレクションスライダー135に所定に移動
力を付勢するトーションばねであり、該トーションばね
152のコイル状部152aはメインシャーシ17から立設され
た前記ピン71(左側の押圧レバー69が支持されたピン)
の下部に外嵌されている。
153はメインシャーシ17の前端縁のうちの左右方向に
おける略中央部から前方へ突出するように形成されたば
ね掛片であり、該ばね掛片153はその幅がディレクショ
ンスライダー135に形成された前記ばね掛片141の幅と略
同じ程度の幅に形成されると共に、その先端部は下方へ
向けて屈曲されている。そして、トーションばね152の
一方の腕152bは、ディレクションスライダー135に形成
された前記ばね掛片141がメインシャーシ17側の上記ば
ね掛片153の上方にこれと重なるように位置された状態
で、該2つのばね掛片141及び153の左側縁に左側から当
接するように掛けられ、また、他方の腕152cは上記2つ
のばね掛片141及び153の右側縁に右側から当接するよう
に掛けられている。
しかして、ディレクションスライダー135はこれに対
して左右方向への押圧力が加えられなければ、そのばね
掛片141がトーションばね152の腕152b、152cによって左
右両側から押圧されることによって、そのばね掛片141
がメインシャーシ17側のばね掛片153と上下方向に重な
って位置する位置(以下、この位置をディレクションス
ライダー135についての「ニュートラル位置」とい
う。)に保持されることになる。
そして、ディレクションスライダー135がニュートラ
ル位置から左側へ摺動されると、そのばね掛片141がト
ーションばね152の一方の腕152bをその弾発力に抗して
左側へ向けて押圧しながら移動されるので、この状態に
おいて、ディレクションスライダー135にニュートラル
位置へ戻ろうとする移動力が付勢されることになる。ま
た、ディレクションスライダー135がニュートラル位置
から右側へ摺動されると、そのばね掛片141がトーショ
ンばね152の他方の腕152bをその弾発力に抗して右側へ
向けて押圧しながら移動されるので、この状態におい
て、ディレクションスライダー135にニュートラル位置
へ戻ろうとする移動力が付勢されることになる。
(o−2.カムギヤ)[第1図、第4図、第7図、第8
図、第10図] 154は前記ディレクションスライダー135を左右方向へ
摺動せしめるための駆動部材であるところのカムギヤで
ある。
カムギヤ154は円板部155の外周縁のうちの互いに略18
0°離間した部分に略U状の切欠部156a、156bが形成さ
れると共に、その切欠部156a、156bの一側縁の奥部から
外周縁に沿って弧状に延びるような切欠部が形成されて
おり、それによって、互いに略180°離間した位置にあ
る程度の可撓性を有する弾性片157a、157bが形成されて
いる。尚、カムギヤ154のギヤ歯は、円板部155の外周面
のうち切欠部156a、156bが形成された部分以外の全周に
亘って形成されている。
158は円板部155の上面に形成された係合段部であり、
該係合段部158は、上方から見て、2つの半円形をその
直線部を互いに位置をずらせて位置したような形状に形
成されており、それによって、互いに略180°離間し、
かつ、互いに反対側を向いて位置する2つの係合面158
a、158bが形成されている。
159は円板部155の下面に形成された押圧カムである。
該押圧カム159は円板部155の中央部に形成されたボス
160の外周部と前記切欠部156a、156bのうちの一方のも
の156aから連続して形成された弧状に延びる切欠部に近
接する位置との間に形成されると共に、その側面のうち
の切欠部156a側の部分159aが略円弧状に形成された押圧
面であり、また、その押圧面と連続する部分159bが直縁
状に形成された支持面である。
161はメインシャーシ17の中央部から左側縁寄りに、
かつ、前端部17aに寄った位置にメインシャーシ17の上
面からある程度上方へ離間して配置されたサブシャーシ
であり、該サブシャーシ161はその外周縁に沿う部分の
複数の箇所がメインシャーシ17から立設されたビンに固
定されている。
162は上記サブシャーシ161のうち、ディレクションス
ライダー135に形成された前記摺動用カム孔143の略中央
部と対応する位置から下方へ向けて突設されたギヤ支持
ピンであり、前記カムギヤ154はその押圧カム159がディ
レクションスライダー135の摺動用カム孔143内に位置さ
れた状態で、このギヤ支持ピン162に回転自在に支持さ
れている。
163(第3図参照)はカムギヤ154を回転せしめるため
の伝達ギヤである。
該伝達ギヤ163は、メインシャーシ17から立設され、
かつ、その上端部がサブシャーシ161に形成された孔164
(第7図、第8図参照)を通してサブシャーシ161の上
方まで延びているピン165の上端部に回転自在に支持さ
れると共に、前記左側のフライホィール49に一体に形成
された小ギヤ51と噛合されており、その下面に小ギヤ16
6(第3図参照)が一体に形成されている。尚、該小ギ
ヤ166の下部はカムギヤ154と対応する高さまで延びてい
る。そして、カムギヤ154はその切欠部156a、156bが上
記小ギヤ166と対応しない位置へ移動されるべく回転さ
れたときこの小ギヤ166と噛合することができるように
配置されている。
しかして、モータ46が回転されると、その回転は左側
のフライホィール49を介して伝達ギヤ163に伝達される
ことになる。
そして、カムギヤ154は、その切欠部156a又は156bが
伝達ギヤ163の小ギヤ166に対向して位置する位置(以
下、カムギヤ154についての「非噛合位置」と言う。)
に来ているときは、伝達ギヤ163の小ギヤ166と噛合され
ないので、モータ46が回転していてもカムギヤ154は回
転されることはない。また、カムギヤ154は、その円板
部155のうちの切欠部156a及び156b以外の部分が伝達ギ
ヤ163の小ギヤ166と対向して位置する位置(以下、カム
ギヤ154についての「噛合位置」と言う。)へ回転され
ることによって、該小ギヤ166と噛合されるので、この
状態においてモータ46が回転されるとその回転力を伝達
されて回転せしめられることになる。
尚、モータ46が回転されると、伝達ギヤ163及びこれ
に形成された小ギヤ166は反時計回り方向へ回転される
ので、カムギヤ154は上記小ギヤ166と噛合されることに
より、常に、時計回り方向へと回転されることになる。
(o−3.ストッパー手段)[第7図、第8図] 167は前記カムギヤ154を非噛合位置に保持するための
ストッパーである。
該ストッパー167は略逆L字状に形成されると共に、
略前後方向に沿って延びる一方の腕167aの長手方向にお
ける略中央部がサブシャーシ161の右側縁寄りの位置か
ら下方へ向けて突設されたピン168の上部に回動自在に
支持されている。
169は上記一方の腕167aの回動端部から略左側へ向け
て突設された被押圧爪である。そして、ストッパー167
の他方の腕167bの回動端部からは係合ピン170が立設さ
れ、また、該他方の腕167bの後側縁のうち回動端寄りの
部分から係合突起171が後方へ向けて突出するように形
成されている。尚、係合突起171は前記カムギヤ154の上
面に近接して位置されている。
172は上記ストッパー167に所定の回動力を付勢し、か
つ、所定のタイミングで回動せしめるストッパー制御レ
バーである。
該ストッパー制御レバー172は略L字状に屈曲するよ
うに形成されると共に、そのL字の屈曲点位置が前後方
向から見て略字形を成すように屈曲されており、その
字形に屈曲された部分は、サブシャーシ161の前端部
から下方へ向けて突設されたピン173に回動自在に支持
されている。そして、ストッパー制御レバー172の略左
右方向に延びる一方の腕172aの回動端部には略横倒U字
状の切欠174が形成されており、該切欠174に前記ストッ
パー167の腕167bの先端から立設された係合ピン170が摺
動自在に係合されている。また、ストッパー制御レバー
172の他方の腕172bの左側に沿う部分のうち略反円形に
形成された部分から下方へ向けて連結ピン175が突設さ
れている。
176はトーションばねである。該トーションばね176は
そのコイル状部176aがストッパー制御レバー172が支持
された前記ピン173に外嵌されると共に、その一方の腕1
76bの先端部がストッパー制御レバー172の字形に形成
された部分172に、略右側から当接され、他方の腕176c
の先端部がストッパー制御レバー172の他方の腕172bに
形成された小さなばね掛孔177に係着されている。
これによって、ストッパー制御レバー172は、常時、
トーションばね176の弾発力による反時計回り方向への
回動力が付勢されている。従って、前記ストッパー167
は、その他方の腕167bから立設された係合ピン170がス
トッパー制御レバー172の一方の腕172aによって略後方
へ押圧されることにより、常時、時計回り方向への回動
力が付勢されていることになる。
しかして、ストッパー167は、これに反時計回り方向
へ回動するような力が加えられない間は、その係合突起
171がカムギヤ154に形成された係合段部158の外周面に
略前方から接触する位置(以下、「阻止位置」と言
う。)に保持されることになる。
そして、カムギヤ154は、これが回転されてある位置
まで来ると、その係合段部158の係合面158a、158bのう
ちのいずれか一方のものがストッパー167の係合突起171
と係合することになるので、この状態において、カムギ
ヤ154の回転が阻止される。
尚、カムギヤ154はその係合段部158の係合面158a、15
8bのうちの一方158aがストッパー167の係合突起171と係
合する位置(以下、カムギヤ154についての「第1の位
置」と言う。)へ来たときにその押圧カム159の支持面1
59bがディレクションスライダー135の摺動用カム孔143
の開孔縁に形成された前記右側の突条145の前端部145a
に左側から当接し、また、他方の係合面158bがストッパ
ー167の係合突起171に当接する位置(以下、カムギヤ15
4についての「第2の位置」と言う。)へ来たときにそ
の押圧カム159の支持面159bがディレクションスライダ
ー135の左側の突条144の後端部144aに当接するようにな
っている。
(o−4.スイッチ操作手段)[第1図、第4図、第7
図、第8図、第11図] 178は連結スライダーである。
該連結スライダー178は左右方向に長い略板上に形成
され、その長手方向における略中央部に左右方向に沿っ
て延びる被ガイド長孔179が形成されると共に、その右
端部に略前後方向に沿って延びる係合長孔180が形成さ
れている。また、連結スライダー178の後側縁の略中央
部からはばね掛片181が立ち上げ状に形成されると共
に、該後側縁の左端部から係合片182が下方へ向けて略
直角に屈曲するように形成されている。そして、該係合
片182は、第11図に示すように、その左右方向における
左半部182aはその下端が略メインシャーシ17に接触する
位置まで延びるように高さ方向に長く形成され、また、
右半部182bは高さ方向において長い方の部分182aより相
当短く形成されている。
しかして、連結スライダー178は、その被ガイド長孔1
79に、後述する制御状態切換レバーを構成する上側の切
換レバーの所定の位置から立設されたガイドピン183が
摺動自在に形成されることによって、左右方向へある程
度移動することができるように支持されると共に、その
右端部に形成された係合長孔180に前記ストッパー制御
レバー172に設けられた連結ピン175の下部が摺動自在に
係合されている。
184はディレクションスイッチである。
該ディレクションスイッチ184は前記ピン54a(遊転プ
ーリー54が支持されたピン)からある程度後方へ離間し
た位置に図示しない支持部材によってメインシャーシ17
の上面から上方へ離されて位置するように設けられてお
り、そのスイッチ筐体の上面から接触片185a、185bが互
いに左右方向に僅かに離れて対向し合うようにして突設
されている。尚、接触片185a、185bは板ばね素材により
形成されることによって、左右方向へある程度撓むこと
ができるようになっており、また、その互いに対向し合
う面の上端部に接点が形成されている。尚、このスイッ
チ184の2つの接触185aと185bとが互いに接触されると
(第8図参照)、それから一定の時間モータ46を回転せ
しめる指令が為されるようになっている。
186はスイッチ押圧子である。
該スイッチ押圧子186は全体としてその外形が前後方
向に長いU字状に形成されており、その基端部、即ち、
略円弧状の外周縁に近接する部分がメインシャーシ17か
ら立設された前記ピン54a(遊転プーリー54が支持され
たピン)に回動自在に支持されている。そして、スイッ
チ押圧子186の後部には、互いに左右方向に略平行に対
向し合うように位置する2つの腕186a及び186bが形成さ
れており、その2つの腕186a及び186bのうちの左側のも
の186aは右側のもの186bより稍長く形成されている。
尚、左側の腕186aの先端部は右側へ向けて稍突出するよ
うに屈曲されていると共に、前記したスイッチ184の左
側の接触片185aの左側にこれと近接して位置されてい
る。
そして、前記連結スライダー178に形成された係合片1
82の上部は、スイッチ押圧子186の2つの腕186aと186b
の間に係合されている。
しかして、前記ストッパー制御レバー172とスイッチ
押圧子186とが連結スライダー178を介して連結される。
従って、ストッパー制御レバー172が時計回り方向へ
回動されると、これに設けられた連結ピン175が略右側
へ移動されるため、その連結ピン175に係合長孔180が係
合された連結スライダー178が右側へ移動されることに
なる。すると、連結スライダー178の係合片182がスイッ
チ押圧子186の右側の腕186bの左側面を右側へ押圧する
ことになるので、これによって、スイッチ押圧子186が
時計回り方向へと回動されることになる。そして、スイ
ッチ押圧子186が時計回り方向へ回動されると、その左
側の腕186aがスイッチ184の左側の接触片185aを左側か
ら押圧してこれを右側の接触片185bに押し付けるように
なるので、それから一定時間モータ46を回転せしめる指
令が為されることになる。
即ち、ストッパー制御レバー172が時計回り方向へ回
動されることによって、それから一定の時間モータ46を
回転せしめる指令が為されるようになっている。
尚、連結スライダー178は、テープ走行方向としてフ
ォワード方向が選択されるときは後述する制御排除機構
によって第4図に示す位置からそれより後方の第1図に
示す位置へと移動されるようになっているが、スイッチ
押圧子186の腕186a、186bはその連結スライダー178の前
後方向における移動ストロークより稍長く形成されてい
るので、連結スライダー178が前後方向の移動ストロー
クにおけるいずれの位置に来ていても、その係合片182
のスイッチ押圧子186に対する係合は外れることはな
い。また、連結スライダーはその制御レバー172の連結
ピン175と係合されているので、連結スライダー178が前
後方向へ移動されても、ストッパー制御レバー172を動
作せしめることなはなく、また、それとの連結状態が変
わることもない。
(o−5.手動ストッパー解除手段)[第7図、第8図] 187は前記ストッパー167によるカムギヤ154に対する
回転の阻止を手動操作によって解除するストッパー解除
手段であり、前記した走行方向切換ボタン12によって操
作される解除レバーと該解除レバーに支持されたラチェ
ット車等から成る。
188はサブシャーシ161の下面のうちの右端縁に沿うよ
うに位置された解除レバーである。
該解除レバー188は、前後方向に長い板状に形成さ
れ、その長手方向における略中間部が稍クランク状に屈
曲されると共に、互いに前後方向に離間した位置に前後
方向に沿って延びる被ガイド長孔189及び190が形成され
ている。そして、解除レバー188の右側縁のうちの略中
央部から右側へ向けて突片191が突設されており、該突
片191からピン192が立設されている。また、解除レバー
188の左側縁の後端部にはこの部分を下方へ向けて屈曲
することによってばね掛片193が形成されている。
そして、解除レバー188はその2つの被ガイド長孔18
9、190のうち前側のもの189にサブシャーシ部161から下
方へ向けて突設された前記ピン168(ストッパー167が支
持されたピン)のストッパー167から下方へ突出した部
分が摺動自在に係合されると共に、後側のもの190にサ
ブシャーシ161の右側縁寄りの位置から下方へ向けて突
出されたピン194が摺動自在に係合されることによっ
て、一定範囲で前後方向へ移動することができるように
支持されている。
195はトーションばねである。該トーションばね195は
そのコイル状部195aがサブシャーシ部161の後側縁に形
成されたばね掛片196に嵌合支持されると共に、その一
方の腕195bの先端部がサブシャーシ161の後側縁のうち
上記ばね掛片196から稍左側へ離間した部分に形成され
た他のばね掛片197に後方から当接されている。そし
て、トーションばね195の他方の腕195cの先端部は前記
解除レバー188の後端部に形成されたばね掛片193に略後
方から当接されている。
これによって、解除レバー188には、常時、前方へ移
動しようとする移動力が付勢されている。
尚、解除レバー188の前端部には前記走行方向切換ボ
タン12が固定されている。
198はラチェット車であり、該ラチェット車198はボス
部199と該ボス部199の外周面から反時計回り方向への略
渦巻方向へ向けて突設された多数の爪200、200、・・・
とから成る。そして、ラチェット車198はそのボス部199
が解除レバー188に形成された前記突片191から立設され
たピン192に回転自在に支持されると共に、前記ストッ
パー167が阻止位置に来ている状態でその被押圧爪169が
爪200、200、・・・のうち互いに隣接し合う2つのもの
の間に位置されるように配置されている。
201は前記ラチェット車198が一つの方向にのみ回転さ
れるようにその回転方向を規制する規制片である。
該規制片201は板ばね素材により略横倒L字状に形成
されると共に、これの左側の部分が解除レバー188の突
片191の上面のうちラチェット車198の下方に対応する部
分に固定されている。
202は規制片201の右側の部分から略前方へ向けて略弧
状に屈曲するように形成された爪部であり、該爪部202
の先端部は上方へ向けて斜めに屈曲されると共に、前記
ラチェット車198の爪200、200、・・・のうち互いに隣
接し合う2つのものの間に位置するようにされている。
そこで、第7図に示す位置から、走行方向切換ボタン
12を押すと、解除レバー188がトーションばね195の押圧
力に抗して後方へ摺動されると共に、ラチェット車198
の爪200、200、・・・のうちストッパー167の被押圧爪1
69の前方に位置しているものがストッパー167の該被押
圧爪169を左斜め後方へ向けて押圧することになる。こ
のとき、ラチェット車198にはこれを反時計回り方向へ
回転せしめようとする負荷が加えられるが、ラチェット
車198は、その爪200、200、・・・のうち前記規制片201
の爪部202の前側に位置するものがその爪部202に当接す
ることによってその方向への回転が阻止されることにな
る。従って、ラチェット車198がストッパー167の被押圧
爪169を略左斜め後方へ移動せしめることになるので、
これによって、ストッパー167が、ストッパー制御レバ
ー172によって付勢された時計回り方向への回動力に抗
して反時計回り方向へ回動されることになる。
しかして、ストッパー167はその係合突起171がカムギ
ヤ154に形成された係合段部158の係合面158a、158bの回
転軌跡から外れた位置へ来る位置(以下、「阻止解除位
置」と言う。)へと移動されることになる。即ち、カム
ギヤ154が回転し得る状態となる。
尚、解除レバー188を所定量押し込むと、第8図に示
すように、ラチェット車198の爪200はストッパー167の
被押圧爪169から離れる位置まで移動されるので、スト
ッパー167は阻止位置から阻止解除位置へと移動された
後、直ちにストッパー制御レバー172を介して付勢され
た時計回り方向への回動力によって阻止位置へと戻るこ
とになる。従って、解除レバー188が前方へ戻される前
にストッパー167の被押圧爪169がラチェット車198の爪2
00の後方に来ることになる。
そこで、押し込まれた走行方向切換ボタン12から手を
離すと、解除レバー188がトーションばね195の弾発力に
よって前方へ戻されることになり、このとき、ラチェッ
ト車198が時計回り方向へ回転されることになる。即
ち、解除レバー188が前方へと戻されて行くと、ラチェ
ット車198の爪200、200、・・・のうちストッパー167の
被押圧爪169の後方に位置するものがそれに衝合するの
で、ラチェット車198に今度はこれを時計回り方向へ回
動せしめようとする負荷が加えられることになる。この
とき、規制片201は当該爪200によって下方へ押圧される
だけであるので、ラチェット車198の回転を規制するこ
はない。従って、ラチェット車198は時計回り方向へ回
転されながら前方へ移動されることになる。
尚、ストッパー167が阻止位置から阻止解除位置へと
移動されることによって、ストッパー制御レバー172が
時計回り方向へ回動されるので、これによって、前記し
たように、モータ46を一定時間回転せしめる指令が成さ
れることになる。
(o−6.テープ走行方向の切換動作) テープの低速走行中におけるテープ走行方向の切換動
作及びストップモードにおけるテープ走行方向の選択動
作は上記したテープ走行方向の切換機構134により次の
ようにして行なわれる。
尚、先にディレクションスライダー135の移動動作に
ついて説明し、その後でディレクションスライダー135
に設けられたレバー制御子147によるテープ走行方向の
切換動作について説明する。
(o−6−a.ディレクションスライダーの移動) ディレクションスライダー135は次のようにして左右
方向へ移動される。
先ず、ストップモードにおけるディレクションスライ
ダー135を移動せしめる動作について説明する。
ディレクションスライダー135が第1図に示す位置
(以下、ディレクションスライダー135についての「第
1の位置」と言う。)に来ているとき、カムギヤ154は
第7図に示すように第1の位置に来ている。即ち、カム
ギヤ154の係合段部158の一方の係合面158aがストッパー
167の係合突起171に右側から係合しており、また、この
状態において、前記したように、カムギヤ154の押圧カ
ム159の支持面159bがディレクションスライダー135に形
成された右側の突条145の前端部145aに左側から当接し
ている。
そして、この状態において、ディレクションスライダ
ー135はそのニュートラル位置より右側へ来ているの
で、トーションばね152の他方の腕152cの押圧力によっ
て左側へ移動しようとする移動力が付勢されている。従
って、ディレクションスライダー135に付勢された移動
力は右側の突条145を介してカムギヤ154の押圧カム159
に加えられており、これによって、カムギヤ154にはこ
れを時計回り方向へ回転せしめようとする力が付勢され
ているが、カムギヤ154はその一方の係合面158aが阻止
位置に来ているストッパー167の係合突起171に左側から
係合しているので、回転を阻止された状態とされてい
る。
これによって、ディレクションスライダー135が第1
の位置に保持されることになる。
そこで、この状態から前記走行方向切換ボタン12が押
されると、前記したようにしてストッパー167が阻止解
除位置へと移動されるので、カムギヤ154はその回転を
阻止されない状態となる。従って、ディレクションスラ
イダー135はトーションばね152によって付勢された左側
へ向かう移動力によってニュートラル位置へ戻ることに
なり、これによって、カムギヤ154はその押圧カム159の
支持面159bが突条145の前端部145aによって左方へと押
圧されて僅かに時計回り方向へと回転され、噛合位置へ
来るようになる。そして、これらの動きと共に、ストッ
パー制御レバー172が時計回り方向へ回動されるので、
これによって、モータ46を一定時間回転せしめる指令、
即ち、トリガー信号が出力されることになる。
しかして、モータ46が一定時間回転され、伝達ギヤ16
3が回転されるので、噛合位置へ来ているカムギヤ154が
時計回り方向へ回転されることになる。尚、この間にス
トッパー167は阻止位置へ戻されている。
そして、カムギヤ154が噛合位置から時計回り方向へ
回転されて行くと、その押圧カム159の押圧面159aがデ
ィレクションスライダー135に形成された左側の突条144
と接触しながら回転されるため、該突条144が左側へ向
けて押圧されて行くことになる。従って、ディレクショ
ンスライダー135がニュートラル位置からトーションば
ね152の力に抗して左側へ移動されて行くことになる。
そして、カムギヤ154が第1の位置から略180°回転する
と、その押圧カム159の押圧面159aは突条144から離れ、
かつ、その支持面159bが突条144の後端部144aに右側か
ら接触することになる。また、これと略同時に、カムギ
ヤ154の係合段部158の他方の係合面158bが阻止位置に戻
されているストッパー167の係合突起171に右側から係合
することになる。
尚、カムギヤ154は、その押圧カム159の押圧面159aと
支持面159bとが接し合う稜線部が左側の突条144の後端
部144aと接触されたところ(この時点では係合面158bは
ストッパー167の係合突起171に当接する稍手前まで来て
いる。)で非噛合位置へ来ているようになり、従って、
その時点でモータ46の回転力を伝達されなくなる。しか
しながら、上記稜線部が突条144の後端面に接触された
状態において、ディレクションスライダー135にはこれ
がニュートラル位置より左側へ移動されることによって
右側へ移動しようとする移動力が付勢されているので、
カムギヤ154はその他方の係合面158bがストッパー167の
係合突起171に当接するまで、ディレクションスライダ
ー135によって更に、時計回り方向へ回転せしめられる
ことになる。
しかして、カムギヤ154が第2の位置へ来ることにな
り、これによって、ディレクションスライダー135は第
4図に示す位置(以下、ディレクションスライダー135
についての「第2の位置」と言う。)に保持されること
になる。
尚、ディレクションスライダー135が第2の位置に来
ている状態から走行方向切換ボタン12が押されたとき
は、前記した動作と同様にして、まずストッパー167が
阻止解除位置へ移動され、それによってディレクション
スライダー135がニュートラル位置へ戻ると共に、カム
ギヤ154が噛合位置へ回転され、かつ、モータ46の回転
力によって第1の位置まで回転されることになる。しか
して、ディレクションスライダー135が第1の位置へと
移動され、その状態がカムギヤ154及びストッパー167に
よって保持されることになる。
次に、テープ低速走行モードにおけるディレクション
スライダー135を移動させる動作について説明する。
尚、テープ低速走行モードにおいてはモータ46が回転
されているので、ディレクションスライダー135の移動
は伝達ギヤ163が回転している状態において行なわれ
る。従って、スイッチ184により出力されるトリガー信
号はディレクションスライダー135を移動せしめるため
の要件とはならない。
テープ低速走行モードにおいても、走行方向切換ボタ
ン12が押されると、ストッパー167が阻止解除位置へ移
動されるので、それによって、ディレクションスライダ
ー135がそれまで保持されていた第1の位置又は第2の
位置からニュートラル位置へと移動されると共に、カム
ギヤ154が噛合位置へと回転されて行く。そして、噛合
位置へ来たカムギヤ154は回転している伝達ギヤ163によ
って時計回り方向へ回転され、それによってその押圧カ
ム159がディレクションスライダー135の左側の突条144
又は右側の突条145を押圧することになるので、ディレ
クションスライダー135がニュートラル位置から左側又
は右側へ向けて移動されることになる。しかして、前記
したストップモードにおける動作と同様にして、カムギ
ヤ154が第2の位置又は第1の位置に来たところでスト
ッパー167により回転を阻止されるのと略同時に、伝達
ギヤ163との噛合を離れ、ディレクションスライダー135
が第2の位置又は第1の位置に保持されることになる。
(o−6−b.テープ走行方向の切換え) ディレクションスライダー135が上記したように第1
の位置から第2の位置へと移動され、また第2の位置か
ら第1の位置へと移動されることによって、テープ走行
方向は次のようにして切換えられることになる。
ストップモードにおいて、ディレクションスライダー
135が第1の位置に来ていると、これに回動自在に支持
された前記レバー制御子147は第1図及び第3図に実線
で示すように、その押圧突起149が前記揺動ギヤ回動手
段68を構成する左右2つの押圧レバー69及び70のうちの
右側のもの70に形成された第1の被押圧縁76に略前方か
ら対向する位置(以下、「フォワードモード選択位置」
と言う。)に来ている。そして、前記したように、レバ
ー制御子147の被押圧片150はヘッド基板19に形成された
孔151内に位置されているのであるが、このストップモ
ードにおいて、ヘッド基板19は第9図に破線で示す位置
に来ており、この状態において、上記被押圧片150は上
記孔151の開孔縁と特に接触しない位置に来ている。即
ち、レバー制御子147はヘッド基板19によって制御され
ていない状態におかれている。
尚、このストップモードにおいて、押圧レバー69及び
70はこれに対して左右いずれの方向へも押圧される力が
加えられていないので、引張りスプリング78により互い
の引張力が均衡した位置に保持されており、従って、前
記したように、揺動ギヤ36はニュートラル位置に保持さ
れている。
そこで、録音ボタン7又は再生ボタン8が押される
と、前記したようにしてヘッド基板19が後退される(テ
ープに向って前進する)ことになる。すると、ヘッド基
板19に形成された孔151が後方へ移動されるため、第9
図に2転鎖線で示すように、その前端縁がレバー制御子
147の被押圧片150を後方へ向けて押圧するため、レバー
制御子147がピン148を回動支点として反時計回り方向へ
と回動されることになる。これによって、レバー制御子
147の押圧突起149が略後方へ移動され、第5図に実線で
示すように、右側の押圧レバー70の第1の被押圧縁76を
後方へ向けて押圧する位置(以下、「フォワードモード
形成位置」と言う。)に来る。従って、右側の押圧レバ
ー70が時計回り方向へ回動されるので、前記したよう
に、揺動レバー32がニュートラル位置から反時計回り方
向へ回動されることになり、これによって、揺動ギヤ36
が中間ギヤ29と噛合されることになる。
しかして、F側リール台26がテープ巻取方向へ低速で
回転されることになるので、磁気テープはフォワード方
向へ走行せしめられることになる。
即ち、メカデッキ15はフォワードモードを形成するこ
とになる。
そして、上記したフォワードモードから走行方向切換
ボタン12が押されると、前記したようにして、ディレク
ションスライダー135が第1の位置から第2の位置へと
摺動されるので、これに一体的に支持されたレバー制御
子147が左側へ移動されて行くことになる。尚、レバー
制御子147が左側へ移動されて行くと、右側の押圧レバ
ー70に対する押圧力が解除されるので、2つの押圧レバ
ー69及び70はその互いに引張力が均衡した位置に戻され
ることになる。これによって、左側の押圧レバー69の被
押圧縁75がレバー制御子147の押圧突起149に略左側にか
ら対向して位置するようになる。
しかして、レバー制御子147の押圧突起149が、第5図
に2転鎖線で示すように、左側の押圧レバー69の被押圧
縁75を後方へ押圧する位置(以下、「リバースモード形
成位置」と言う。)へ来ることになる。従って、左側の
押圧レバー69が反時計回り方向へ回動されるので、前記
したように、揺動レバー32が時計回り方向へ回動される
ことになり、これによって、揺動ギヤ36がリール台ギヤ
31と噛合されることになる。しかして、R側リール台27
がテープ巻取方向へ低速回転されることになるので、磁
気テープはリバース方向へ走行せしめられることにな
る。即ち、メカデッキ15はリバースモードを形成するこ
とになる。
尚、リバースモードから走行方向切換ボタン12が押さ
れるとディレクションスライダー135が第2の位置から
第1の位置へと移動されるので、レバー制御子147が右
側へ移動せしめられ、それによってレバー制御子147の
押圧突起149がフォワードモード形成位置へと移動され
ることになる。これによってフォワードモードが形成さ
れ、磁気テープはフォワード方向へと走行されることに
なる。
また、ストップモードにおいて、ディレクションスラ
イダー135が第2の位置に来ている場合には、レバー制
御子147は第1図及び第3図に2転鎖線で示すように、
その押圧突起149が左側の押圧レバー69の被押圧縁75に
略前方から対向する位置(以下、「リバースモード選択
位置」と言う。)に来ている。従って、この状態から録
音ボタン7又は再生ボタン8が押されると、押圧突起14
9がリバースモード形成位置へと移動されることにな
り、それによって、リバースモードが形成されることに
なる。
そして、ストップモードにおいて、ディレクションス
ライダー135が第1の位置に来ている状態から走行方向
切換ボタン12が挿されると、ディレクションスライダー
135が第2の位置へ移動されるので、レバー制御子147の
押圧突起149はリバースモード選択位置へと移動される
ことになる。また、ストップモードにおいて、ディレク
ションスライダー135が第2の位置に来ている状態から
走行方向切換ボタン12が押されると、ディレクションス
ライダー135が第1の位置へ移動されるので、レバー制
御子147の押圧突起149がフォワードモード選択位置へと
移動されることになる。
以上のように、ディレクションスライダー135が第1
の位置に来ているときはテープ走行方向がフォワード方
向とされ、第2の位置に来ているときはリバース方向と
される。
尚、前記したが、ディレクションスライダー135が第
1の位置に来ているとき、即ち、テープ走行方向をフォ
ワード方向とする位置へ来ているときは前記した表示用
スライダー14によってテープレコーダ1の外筐2のうち
の前面パネル5に形成された表示窓13a、13bのうちの右
側のもの13aに所定の色が現われ、また、ディレクショ
ンスライダー135が第2の位置に来ているとき、即ち、
テープ走行方向をリバース方向とする位置へ来ていると
きは、左側の表示窓13bに所定の色が現われるようにな
っている。これによって、ストップモードにおいては、
いずれのテープ走行方向が選択されているかを知ること
ができ、テープ低速走行モードにおいてはテープがいず
れの方向に走行されているかを知ることができる。
また、テープ低速走行モードにおいてテープ走行方向
が切換えられるときには、切換前のモードにおいてキャ
プスタンに接触していたピンチローラが当該キャプスタ
ンから離間されると共に、切換後のモードにおいて必要
なピンチローラがこれに対応したキャプスタンに圧着さ
れることになる。尚、図示を省略してあるが、これらの
制御は、ディレクションスライダー135が移動されると
いずれか一方のピンチローラが前進されると共に、他方
のピンチローラが後退される機構によって行なわれるよ
うになっている。
ところで、前記したように、キューモード及びレビュ
ーモードはプレイモードにおいて早送りボタン9又は巻
戻しボタン10を押すことによって形成されると共に、そ
のテープ走行方向はFFレバー82に設けられたばね掛片10
7又はREWレバー81に設けられたばね掛片103によって押
圧レバー70を直接的に回動せしめられることにより選択
されるようになっている。即ち、レバー制御子147の押
圧突起149の位置に拘らず強制的に選択されるようにな
っている。しかしながら、前記したように、テープ低速
走行モードにおいて早送りボタン9又は巻戻しボタン10
が押されると、ヘッド基板19がテープに対してある程度
後退される、即ち、前方へ移動するので、これに形成さ
れた孔151の前端縁がある程度前方へ移動されることに
なる。従って、レバー制御子147の被押圧片150に対する
後方への押圧力が解除されるため、その押圧突起149に
よる押圧レバー69又は70に対する押圧が解除されること
になる。これによって、押圧レバー69及び70が互いに引
張力の均衡した位置へ戻されるので、これはFFレバー82
のばね掛片107又はREWレバー81のばね掛片103によって
回動され得る状態となる。
(p.制御状態切換レバー)[第1図、第4図、第15図乃
至第20図] 203は後述する開蓋時走行方向規定機構と、テープ走
行方向自動切換機構及びオートシャットオフ機構の各一
部を構成する制御状態切換レバーであり、この制御状態
切換レバー203はメインシャーシ17に摺動自在に支持さ
れた下側の切換レバーと該下側の切換レバーの上に重な
るように設けられた上側の切換レバーとから成る。
即ち204が下側の切換レバーであり、205が上側の切換
レバーである。
下側の切換レバー204は上方から見て略C字状を成す
ように形成された基部204a(第1図及び第4図では一部
のみ示してある。)と、該基部204aの右端部から前方へ
向けて略直角に屈曲され、かつ、上側切換レバー205と
略同じ大きさに形成された前部204bとから成り、基部20
4aと前部204bとが連続する部分は側方から見て略クラン
ク状に屈曲されており、それによって、前部204bがメイ
ンシャーシ17からある程度上方へ離間して位置され、か
つ、前記ディレクションスライダー135の左端部の上方
に位置するようにされている。
そして、下側の切換レバー204の前部204bの前端部に
は上側の切換レバー205の前端部に形成された略逆U字
状の切欠部206と略同じ大きさの切欠部206′(第15図乃
至第20図参照)が形成され、また、基部204bの右端部か
ら連結ピン207が下方へ向けて突設されている。また、
前部204bの後端寄りの位置からガイドピン208が立設さ
れ、更に、その右側縁の前端部からばね掛片209が立ち
上げ状に形成されている。
しかして、下側の切換レバー204はその前部204bの前
端部に形成された切欠部206′にメインシャーシ17から
立設された前記ピン142(ディレクションスライダー135
の左端部に形成された孔140の左半分が摺動自在に係合
されたピン)の上部が摺動自在に係合され、かつ、基部
204aから下方へ向けて立設された前記連結ピン207がメ
インシャーシ17に形成された前後方向に沿って延びる長
孔211に摺動自在に係合されることによって、一定範囲
内で前後方向へ移動することができる状態で設けられて
いる。
また、上側の切換レバー205は前後方向に長い板状に
形成されると共に、その前端部はこれを左側から見た状
態において略コ字状に屈曲するように形成されており、
前記略U字状の切欠部206はそのコ字状に屈曲された部
分に形成されている。
そして、上側の切換レバー205は、その左側縁のうち
の中央部から稍前寄りの部分から被押圧片210が下方へ
向けて略直角に屈曲するように形成され、その後部には
前後方向に沿って延びる長孔212が形成されると共に、
その略中央部から前記連結スライダー178を摺動自在に
支持する前記したガイドピン183が立設されており、ま
た、その右側縁の後端部からばね掛片213が立ち上げ状
に形成されている。
しかして、上側の切換レバー205はその切欠部206に前
記ピン142が摺動自在に係合され、かつ、その長孔212に
下側の切換レバー204から立設されたガイドピン208が摺
動自在に係合されることによって、下側の切換レバー20
4に対し一定範囲内で前後方向へ摺動自在となるように
設けられている。
そして、下側の切換レバー204のばね掛片209と上側の
切換レバー205のばね掛片213との間に引張りスプリング
214が架け渡されている。これによって、下側、上側両
切換レバー204と205とが互いに引張り合うようにされる
と共に、上側の切換レバー205に対して一定の強さ以上
の後方への負荷が加えられなければ、上側の切換レバー
205はその長孔212の後端縁が下側の切換レバー204から
立設されたガイドピン208に当接した位置が保持される
ことになり、この状態で、下側、上側両切換レバー20
4、205が一体的に移動されることになる。
更に、このように構成された制御状態切換レバー203
に支持された連結スライダー178のばね掛片181には、後
端が後述する部材に係着された引張りスプリング215の
前端が係着されており、これによって、連結スライダー
178に前方へ移動しようとする移動力が付勢されている
ので、制御状態切換レバー203には、常時、前方への移
動力が付勢されている。
尚、上側の切換レバー205に形成された被押圧片210の
下端部は前記ディレクションスライダー135の左端部に
形成された制御用カム孔146内に位置されている。
(q.開蓋時走行方向規定機構)[第1図、第3図、第4
図、第7図、第8図、第12図] 216は開蓋時走行方向規定機構であり、この機構はテ
ープレコーダ1の蓋体3が開かれた状態においては、常
に、テープ走行方向がフォワード方向を選択している状
態となるようにするためのものであり、前記したテープ
走行方向の切換機構134と、制御状態切換レバー203及び
後述する2つのレバーにより構成されている。
217は所定のモードにおいて前記連結スライダー178を
押圧する回動レバーである。該回動レバー217は略逆L
字状に形成され、そのL字形の屈曲点位置が前記ピン54
a(遊転プーリ54が支持されたピン)の下端部に回動自
在に支持されると共に、その略左右方向に沿って延びる
一方の腕217aの先端部にはこれを下方へ向けて略直角に
屈曲することによって引掛り片218が形成されている。
また、他方の腕217bは一方の腕217aより幅広に形成され
ると共に、その後端縁から互いに左右方向に並ぶように
して位置する2つの係合片219及び220が後方へ向けて突
出するように形成されており、その2つの係合片219、2
20のうち右側に位置するもの220は前記したスイッチ押
圧子186の右側の腕186bの長さと略同じ程度の長さに形
成され、また、左側のもの219は右側のもの220の長さの
略半分程度の長さに形成されている。
尚、221は回動レバー217の右側縁のうちピン54aの略
右斜め前方に位置する部分から立ち上げ状に形成された
ばね掛片であり、このばね掛片221に一端が前記連結ス
ライダー178のばね掛片181に係着された前記引張りスプ
リング215の他端が係着されている。
しかして、回動レバー217は引張りスプリング215の引
張力により、常時、反時計回り方向への回動力が付勢さ
れると共に、その右側の係合片220が連結スライダー178
の左端部に形成された前記係合片182の長い方の部分182
aに右側から当接することによって、それ以上の回動を
阻止されている。
222(第1図、第3図参照)は前記メイン基板16の左
端部に図示しない支持手段によって前後方向へ摺動自在
となるように支持された引張りスライダーである。223
は該引張りスライダー222の前端部から右側へ向けて略
直角に屈曲された引掛片であり、該引掛片223は前記回
動レバー217の一方の腕217aに形成された引掛り片218の
前側に位置されている。そして、引張りスライダー222
は図示しないリンク機構を介して前記蓋体3と連結され
ており、蓋体3が閉じるときは第1図及び第3図に示す
位置に来ており、蓋体3が開けられたときはその位置か
ら後方へ移動され、それによって回動レバー217が時計
回り方向へ回動されるようになっている。
そこで、前記したように、テープ走行方向がフォワー
ド方向であるときは、ディレクションスライダー135が
第1の位置に来ており、この状態において、前記制御状
態切換レバー203はその上側の切換レバー205に形成され
た被押圧片210がディレクションスライダー135に形成さ
れた前記制御用カム孔146の前側縁146aによって右斜め
後方への押圧力が加えられることにより、連結スライダ
ー178を介して付勢された引張りスプリング215の引張力
に抗して後方へ押圧されるため、第1図に示す位置へと
移動されている。これによって、連結スライダー178は
その係合片182が前記回動レバー217の左側の係合片219
の後端より稍後方へ寄った位置に来ている。
そして、この状態において蓋体3が開けられると、回
動レバー217は、その引掛り片218が後方へ移動される引
張りスライダー222の引掛片223によって後方へ移動され
ることにより、引張りスプリング215の引張力に抗して
時計回り方向へ回動されるのであるが、テープ走行方向
の切換機構134は何ら動作されることはない。即ち、こ
の状態においては連結スライダー178の係合片182が回動
レバー217の左側の係合片219の回動軌跡から外れた位置
に来ているので、回動レバー217は、いわば空振りする
ように回動されるだけとなる。
しかして、テープ走行方向がフォワード方向である状
態から蓋体3が開けられてもその選択されたテープ走行
方向が切換えられることはない。即ち、フォワード方向
のままである。
一方、前記したように、テープ走行方向としてリバー
ス方向が選択されているときは、ディレクションスライ
ダー135が第2の位置に来ている。この状態において、
ディレクションスライダー135の制御用カム孔146の前側
縁146aは制御状態切換レバー203の上側の切換レバー205
に形成された被押圧片210を押圧していない。従って、
制御状態切換レバー203及び連結スライダー178が引張り
スプリング215の引張力によって第4図に示す位置に来
ていると共に、連結スライダー178の係合片182が回動レ
バー217の2つの係合片219と220との間に位置されてい
る。即ち、連結スライダー178の係合片182が回動レバー
217の左側の係合片219の回動軌跡上に位置されている。
従って、この状態において、蓋体3が開けられると、
引張りスライダー222が回動レバー217を時計回り方向へ
回動せしめ、それによって、回動レバー217の左側の係
合片219が連結スライダー179の係合片182を略右側へ向
けて押圧することになる。これによって、連結スライダ
ー178が右側へ移動されることになる。
すると、連結スライダー178の係合長孔180の左側縁が
前記ストッパー制御レバー172の連結ピン175を略右側へ
向けて押圧するため、これによって該ストッパー制御レ
バー172がトーションばね176の弾発力に抗して時計回り
方向へ回動されることになる。
しかして、ストッパー167はその係合ピン170がストッ
パー制御レバー172によって前方へ押圧されることによ
り、反時計回り方向へ回動せしめられ、阻止解除位置へ
と移動されることになる。これによって、カムギヤ154
が噛合位置まで回転され、かつ、スイッチ押圧子186に
よってディレクションスイッチ184がオンされてモータ4
6がそれから一定時間回転するので、前記したようにし
てディレクションスライダー135が第1の位置へと移動
され、テープ走行方向はフォワード方向となる。
即ち、テープ走行方向がリバース方向である状態から
蓋体3が開けられると、テープ走行方向はフォワード方
向へと切換えられることになる。
しかして、蓋体3が開けられた状態、即ち、テープレ
コーダ1が使用を開始されるときあるいはテープレコー
ダ1の使用が完了されるときは、テープ走行方向は、常
に、フォワード方向に規定されることになる。
(r.テープ走行方向自動切換機構)[第1図、第4図、
第7図、第12図、第13図] (r−1.構成) 224はテープ走行方向自動切換機構であり、このテー
プ走行方向自動切換機構224は前記したテープ走行方向
の切換機構134と伝達ギヤブロック37及び、後述するカ
ムギヤ、揺動レバー、押圧レバーにより構成されてい
る。
225はカムギヤである。該カムギヤ225はメインシャー
シ17のうち前記左側のキャプスタン22を支持するスリー
ブ23の略後方に寄った位置から立設されたギヤ支持ピン
226に回転自在に支持されると共に、その下面に第1の
カム部227及び第2のカム部228が一体に形成されてい
る。
そして、第1のカム部227はカムギヤ225の軸心部に形
成されたボス孔229を囲うような位置からボス孔229と外
周縁との間の略中間の位置までの部分に略楕円形を成す
ような形状で形成されている。従って、この第1のカム
部227の外周面はボス孔229を囲うように位置する一端部
から他端部へ行くに従ってボス孔229からの距離が次第
に長くなるように形成されている。
また、第2のカム部228はカムギヤ225の下面のうち第
1のカム部227の一端部と外周縁との間の略中間部に位
置されると共に、略外周縁に沿うような円弧状に形成さ
れ、かつ、その時計回り方向における先端部は細く形成
されている。
尚、カムギヤ225は前記伝達ギヤ163の小ギヤ166と噛
合されており、従って、モータ46が回転されるときは常
に回転されることになり、その回転方向は時計回り方向
である。
230は揺動レバーであり、該揺動レバー230は略細長い
板状に形成されると共に、その略中央部が幅広く形成さ
れており、その一端部に揺動レバー230の長手方向に沿
って延びる長溝231が形成され、また、他端部の一側縁
から被押圧片232が立ち上げ状に形成されている。
233は揺動レバー230の一側縁に沿う部分のうち長手方
向における中央部から稍一端側へ寄った位置から立設さ
れた押圧ピンである。
しかして、揺動レバー230はその略中央部がメインシ
ャーシ17から立設された前記ピン165(伝達ギヤ163が支
持されたピン)の下端部に回動自在に支持されると共
に、その長溝231に前記伝達ギヤブロック37の首振りア
イドラー41の先端部から下方へ向けて突設された係合ピ
ン43の下端部か摺動自在に係合されている。尚、首振り
アイドラー41はストップモードにおいて、後述する安全
機構によって略第3図に示す位置に来ている。従って、
ストップモードにおいては、揺動レバー230はその一端
部が略第3図に示す位置に来ていることにより、第1図
に示すように、その他端部に形成された被押圧片232が
前記カムギヤ225の第1のカム部の外周面と接触される
位置に保持されている。
234は押圧レバーである。該押圧レバー234は略逆L字
状に屈曲するように形成されると共に、そのL字形の屈
曲部から略左斜め前方へ向けて延びる一方の腕234aの先
端部から押圧片235が立ち上げ状に形成されている。し
かして、押圧レバー234は前記揺動レバー230の上側に位
置された状態で略中央部が前記ピン165に回動自在に支
持されている。
尚、前記押圧レバー234に形成された押圧片235は前記
ストッパー制御レバー172の他方の腕172bの先端部に略
左斜め後方から近接するようにして位置されている。ま
た、前記揺動レバー230から立設された押圧ピン233は押
圧レバー234の他方の腕234bの稍右側に位置されてい
る。
(r−2.動作) しかして、モータ46が回転されると伝達ギヤブロック
37が反時計回り方向へ回転されるので、その首振りアイ
ドラー41には大ギヤ40の回転力をコイルスプリング45を
介して伝達されることにより反時計回り方向への回転力
が付勢されることになる。
しかしながら、首振りアイドラー41はその係合ピン43
が前記揺動レバー230の長溝231と係合されており、しか
も、該揺動レバー230の被押圧片232が前記カムギヤ225
の第1のカム部227に略前側から当接するように位置さ
れているため、所定の位置からは先に反時計回り方向へ
回動することができないようにされる。即ち、首振りア
イドラー41はこれが反時計回り方向へ回転されることに
よって揺動レバー230を時計回り方向へ回動せしめるこ
とになるのであるが、その揺動レバー230はこれの被押
圧片232がカムギヤ225の第1のカム部227に前側から当
接することによって所定の位置から先への時計回り方向
への回動が阻止されることになる。
しかも、カムギヤ225はモータ46が回転している間常
に回転しているので、揺動レバー230の被押圧片232とカ
ムギヤ225の中心との間の距離は周期的に変化されるこ
とになる。従って、揺動レバー230は首振りアイドラー4
1によって時計回り方向への回動力を付勢されてはいる
が、カム227との位置関係が変化されるのに従って第12
図(A)に実線で示す位置と2点鎖線で示す位置との間
を往復するように揺動されることになり、これに伴って
首振りアイドラー41も第12図(A)に実線で示す位置と
2点鎖線で示す位置との間を往復するように揺動される
ことになる。
そして、所謂テープエンドの状態、即ち、フォワード
モード、FFモード及びキューモードにおいてF側のテー
プリールによる磁気テープの巻取りが完了されたとき、
あるいはリバースモード、REWモード及びレビューモー
ドにおいてR側テープリールによる磁気テープの巻取り
が完了されたときは、F側リール台26又はR側リール台
27の回転が阻止されるので、この負荷によって伝達ギヤ
ブロック37の回転が阻止されるようになる。
すると、首振りアイドラー41は回転力が付勢されない
状態となるので、揺動レバー230に付勢されていた時計
回り方向への回動力が無くなることになる。従って、揺
動レバー230はその被押圧片232がカムギヤ225の第1の
カム部227の他端部によって後方から押圧されたとき、
第12図(B)に示すように、その被押圧片232がカムギ
ヤ225の下面のうちの第2のカム部228の鋭った部分の回
転軌跡より外側に位置される位置まで来るようになる。
尚、この位置から揺動ギヤ230から立設された押圧ピン2
33が前記押圧レバー234の他方の腕234bの右側縁に当接
することによって規定される。
そして、第12図(B)に示す状態からカムギヤ225が
更に時計回り方向へ回転されるて来ると、第2のカム部
228の外側面が揺動レバー230の被押圧232を略前方へ向
けて押圧することになるので、これによって揺動レバー
230が反時計回り方向へ更に回動されることになる。
従って、押圧レバー234はその他方の腕234bが揺動レ
バー230の押圧ピン233によって略左側へ向けて押圧され
ることにより、反時計回り方向へ回動されることにな
り、このとき、その押圧片235が前記ストッパー制御レ
バー172の他方の腕172bを略右斜め前方へ向けて押圧す
るので、ストッパー制御レバー172が時計回り方向へ回
動されることになる。これによって、ストッパー167が
阻止解除位置へと移動されることになるので、前記した
ようにしてディレクションスライダー135が第1の位置
から第2の位置へ、あるいは第2の位置から第1の位置
へと移動されることになる。
しかして、フォワードモード、FFモード及びキューモ
ードからテープエンドの状態になると、ディレクション
スライダー135が第1の位置から第2の位置へと移動さ
れるため、テープ走行方向がリバース方向へと切換えら
れることになる。
尚、フォワードモードからテープエンドの状態になる
と、上記したようにテープの走行方向がリバース方向へ
と切換えらえると共に、今度はその走行方向において録
音又は再生動作が継続して行なわれることになる。即
ち、所謂オートリバースされることになる。また、キュ
ーモードがフォワードモードにおいて形成されている場
合にテープエンドの状態になると、上記したようにテー
プの走行方向がリバース方向へと切換えられるのである
が、このとき早送りボタン9の押し込みを解除すると、
オートリバースされることになり、キューモードがリバ
ースモードにおいて形成されている場合にテープエンド
の状態になると、テープ走行方向がフォワード方向に切
換えられると共に、後述するオートシャットオフ機構に
より自動的にストップモードとなる。
そして、リバースモード、REWモード及びレビューモ
ードからテープエンドの状態になると、ディレクション
スライダー135が第2の状態から第1の位置へと移動さ
れるため、テープ走行方向がリバース方向へと切換えら
れることになる。
尚、リバースモード、REWモード及びリバースモード
から形成された場合のレビューモードからテープエンド
の状態になると、後述するオートシャットオフ機構によ
り自動的にストップモードとなる。
(s.オートシャットオフ機構)[第1図、第4図、第12
図] 236はオートシャットオフ機構である。このオートシ
ャットオフ機構236は前記したロックスライダー115、制
御状態切換レバー203、テープ走行方向自動切換機224を
構成する各部材及び後述する連結レバーにより構成され
ている。
237が連結レバーである。該連結レバー237はメインシ
ャーシ17の下面に沿って摺動されるように配置されて
り、図面ではその左側の端部と右側の端のみを示してあ
るが実際は左右方向に長い板状に形成されている。
238は連結レバー237の左端部に左右方向に沿って延び
るように形成された係合長孔であり、該係合長孔238に
前記制御状態切換レバー203の下側の切換レバー204から
下方へ向けて突設された連結ピン207の下部が摺動自在
に係合されている。
また、239は連結レバー237の右端部から後方へ向けて
略直角に屈曲された連結片であり、この連結片239の先
端部が、前記ロックスライダー115の下面の左端部に設
けられたピン240の下部に回動自在に連結されている。
尚、上記ピン240の下部はメインシャーシ17に形成され
た図示しない長孔を通してメインシャーシ17の下面側に
突出されている。
241は連結レバー237の後縁のうち左端部寄りの位置か
ら立ち上げ状に形成された被押圧突起であり、該被押圧
突起241の上部はメインシャーシ17に形成された左右方
向に長い長孔242を通してメインシャーシ17の上面側に
突出されており、且つ、テープ走行方向がリバース方向
であるとき前記した押圧レバー234の他方の腕234bの先
端部に左側から近接するように位置されている(第4図
参照)。
そこで、前記したように、テープ走行方向がフォワー
ド方向であるときはディレクションスライダー135が第
1の位置に来ていることによって、制御状態切換レバー
203が、テープ走行方向がリバース方向であるときの位
置よりある程度後方へ寄った位置に来ている。従って、
連結レバー237はその係合長孔238の縁が下側の切換レバ
ー204から突設された連結ピン207によって後方へ押圧さ
れることにより、第1図に示す位置へ来ている。これに
よって、連結レバー237に形成された被押圧突起241が前
記押圧レバー234の他方の腕234bの先端部の回動軌跡か
ら稍後方に外れて位置することになる。しかして、前記
したように、テープエンドの状態になると、押圧レバー
234が反時計回り方向へ回動されるのであるが、連結レ
バー237はその被押圧突起241が上記した位置に来ている
ため、何ら動作されることはない。
但し、テープ走行方向がフォワード方向とされている
とき、即ち、ディレクションスライダー135が第1の位
置に来ているときであっても、テープレコーダ1にリバ
ース録音を禁止する指示が為されたテープカセットが装
着された状態でRECレバー79が押し込まれた場合は、制
御状態切換レバー203は後述する誤消去防止機構によっ
てその下側の切換レバー204のみがリバース方向である
ときの位置、即ち、前方へ寄った位置へと移動されるよ
うになっている。従って、この場合は連結レバー237の
非押圧突起241が押圧レバー234の他方の腕234bの先端部
の回動軌跡上に位置することになるため、フォワード方
向のテープエンドの状態になるとオートシャットオフさ
れることになる。この点については後で詳細に説明す
る。
また、前記したように、テープ走行方向がリバース方
向であるときはディレクションスライダー135が第2の
位置に来ていることによって、制御状態切換レバー203
がフォワード走行時の位置より前方へ来ている。従っ
て、連結レバー237の被押圧突起241が押圧レバー234の
他方の腕234bの先端部の回動軌跡上に位置している。し
かして、テープエンドの状態になると、押圧レバー234
が反時計回り方向へ回動され、このとき、該押圧レバー
234の他方の腕234bが連結レバー237の被押圧突起241を
略左側へ向けて押圧するようになる。これによって連結
レバー237が左側へ移動されるので、これに連結された
ロックスライダー115が左側へ移動されることになる。
しかして、それまでロックスライダー115によって押
し込み位置にロックされていたRECレバー79又はPLAYレ
バー80あるいはREWレバー81が前方へ戻されるので、ス
トップモードとなる。即ち、オートシャットオフされる
ことになる。
(t.安全機構)[第14図] 243はストップモードにおいて、前記揺動レバー230を
一定の範囲内に位置させておくための安全機構である。
244は規制アームである。該規制アーム244は略「へ」
字状に屈曲するように形成されると共に、その基端部が
左側から見た状態において略コ字形に形成されており、
そのコ字形に形成された部分がメインシャーシ17から立
設された前記ピン58(摩擦車56を支持する回動レバー57
が支持されたピン)に回動自在に支持されている。244a
は規制アーム244の先端部を上方へ向けて略直角に屈曲
することにり形成された規制片である。
246は首振りアイドラー41の基部41aの外周面のうち突
片42と略180°離間した部分から突設された被規制片で
ある。
247はアーム押圧レバーである。該アーム押圧レバー2
47はその基部247aの前端部が前記ピン58に回動自在に支
持されると共に、その後端部の左側にばね掛片248が、
また、その右側に係合片249が形成されている。
250はカムスライダーである。該カムスライダー250は
前記ロックスライダー115と略同じような形状に形成さ
れており、その前側縁のうちのロックスライダー115に
形成された係合爪121b、121c及び121dと略対応する位置
からカム爪251a、251b及び251cが前方へ向けて突出する
ように形成されている。そして、カム爪251a、251b、及
び251cの右側縁の大部分は後方へ行くに従って次第に右
側へ変位する斜縁とされており、これらの斜縁はロック
スライダー115の係合爪121b、121c及び121dの斜縁より
も相当長く形成されている。
252、252はカムスライダー250のうちの互いに左右方
向に離間した位置に形成された被ガイド長孔であり、25
3は前側縁の略中央部から立上げ状に形成された引掛片
である。
そして、カムスライダー250はロックスライダー115の
上側に重ねられるように位置された状態で、その被ガイ
ド長孔252、252にロックスライダー115が支持された前
記ガイドピン117、117が摺動自在に係合されると共に、
そのばね掛片253とメインシャーシ17の側の前記ばね掛
片119との間に引張りスプリング254が架け渡し状に設け
られている。
しかして、カムスライダー250は引張りスプリング254
の引張力によって、常時、右側へ移動しようと移動力が
付勢されると共に、これに対して左側へ移動されるよう
な押圧力が加えられていない間はその被ガイド長孔25
2、252の左端縁がガイドピン117、117に当接することに
より、そのカム爪251a、251b、251cがロックスライダー
115の係合爪121b、121c、121d上に重なる位置に保持さ
れている。
また、前記規制アーム244の略コ字形に形成された部
分の後端部とロックスライダー115に形成されたばね掛
片118との間に引張りスプリング255が架け渡し状に設け
られている。
従って、規制アーム244は引張りスプリング255の引張
力によって、常時、時計回り方向への回動力が付勢され
ており、その回動力により、これの図示しない当接部が
前アーム押圧レバー247の所定の位置に略左側から当接
されている。これによって、アーム押圧レバー247にも
時計回り方向への回動力が付勢されていると共に、その
係合片249がカムスライダー250に形成されたばね掛片25
3の下部に略左側から当接することにより所定の位置に
保持されている。
尚、規制アーム244、アーム押圧レバー247及びカムス
ライダー250がそれぞれ上記したようにして所定の位置
に保持されている状態(この状態はストップモードであ
る。)において、規制アーム244はその規制片244aが首
振りアイドラー41の基部41aの略右側に近接するように
位置されており、このとき、首振りアイドラー41の被規
制片246は規制片244aに略左斜め後方から近接するよう
に位置されている。
そこで、第14図に実線で示す状態、即ち、ストップモ
ードから録音ボタン7、再生ボタン8、早送りボタン9
及び巻戻しボタン10のうちいずれかが押されると、REC
レバー79、PLAYレバー80、REWレバー81及びFFレバー82
のうちの押されたボタンと対応するものが後方へ送り込
まれると共に、前記したように、ロックスライダー115
によりロックされるのであるが、その押し込まれて行く
ときにRECレバー79を除くこれらレバーに形成された被
ロック片94、102、106のうち所定のものがカムスライダ
ー250に形成されたカム爪251a、251b、251cのうち所定
のものの斜線を右斜め後方へ向けて押圧することにな
る。これによって、カムスライダー250が引張りスプリ
ング254の引張力に抗して左側へ移動されるので、その
ばね掛片253がアーム押圧レバー247の係合片249を左側
へ押圧することになる。すると、アーム押圧レバー247
が反時計回り方向へ回動されるため、これと当接してい
る規制アーム244が第14図に2点鎖線で示す位置まで回
動されることになる。
しかして、規制アーム244の規制片244aが前方へ移動
されるので、首振りアイドラー41は前記したように揺動
され得る状態となる。
そして、ロックスライダー115がこれによるレバーの
ロックを解除した後右側へ戻されると、規制アーム24
4、アーム押圧レバー247が引張りスプリング255の引張
力によって第14図に示す位置へと戻されることになる。
従って、例えば、首振りアイドラー41が第12図(C)に
実線で示す位置に来ている状態でロックスライダー115
が右側へ戻されると、首振りアイドラー41はその被規制
片246が規制アーム244の規制片244aによって略後方向へ
向けて押圧されることになり、第14図に示す位置へいわ
ば強制的に移動されることになる。これによって、揺動
レバー230はその被押圧片232が少なくともカムギヤ225
の第2のカム部228の回転軌跡の内側に来る位置へと移
動されることになる。
しかして、ストップモードからモータ46が回転された
ときにオートシャットオフが為されることを確実に防止
することができる。
(u.ボタンロックスライダー)[第3図] 256はボタンロックスライダーである。該ボタンロッ
クスライダー256はメインシャーシ17の前端部17aの前面
のうちの略右側半分の位置に配置され、かつ、図示しな
い支持手段により左右方向へ摺動自在となるように支持
されている。
257a、257b、257c及び257dは側方から見て略L字状に
屈曲された阻止片であり、これら阻止片257a、257b、25
7c及び257dはボタンロックスライダー256の一部を切り
起すようにして形成されている。
尚、テープレコーダ1の外筐2の外面の所定の位置に
は、このボタンロックスライダー256を左右へ移動せし
めるための図示しないつまみが設けられている。
しかして、ボタンロックスライダー256が第3図に示
す位置に来ているときは、その阻止片257a〜257dがボタ
ン7乃至10の後方に対応しない位置に来ているので、こ
の状態ではボタン7乃至10を押し込むことが可能であ
る。そして、ボタンロックスライダー256が第3図に示
す位置から右側へ所定量移動されると、その阻止片257a
が録音ボタン7の後方に、阻止片257bが再生ボタン8の
後方に、阻止片257cが早送りボタン9の後方に、そし
て、阻止片257dが巻戻しボタン10の後方にそれぞれ近接
して位置されるため、これらボタン7乃至10を押し込む
ことができない状態となる。
(v.テープカセット)[第21図] 258はテープレコーダ1に使用されるテープカセット
の一例を示すものである。
259はカセットケースであり、該カセットケース259の
内部には磁気テープの端部が各別に固定された図示しな
いテープリールが回転自在な状態で収納されており、磁
気テープの一部はテープリールから引き出される共に、
カセットケース259の前面、即ち、カセットケース259の
うち第21図において略左斜め下方を向いて位置する面に
沿って位置されている。
260a及び260bはカセットケース259の後面のうち互い
に左右方向に寄った位置に形成された状態指示片であ
り、これら2つの状態指示片260a、260bのうち右側のも
の260aがフォワード側の状態指示片であり、左側のもの
260bがリバース側の状態指示片である。尚、これら状態
指示片260a、260bは、カセットケース259の後面に略
字状を成すスリットを設けることによって形成されてお
り、必要に応じて、略破線で示す部分から折り取ること
ができるようになっている。
これら状態指示片260a、260bは当該テープカセット25
8について録音を禁止するか否か指示するためのもので
あり、この状態指示片260a、260bをそのまま残しておく
ことによって「録音可」の指示が為され、これを折り取
ることによって「録音不可」の指示が為されることにな
る。従って、フォワード側の状態指示片260aが折り取ら
れている場合はフォワード録音不可の指示が為された状
態となり、リバース側の状態指示片260bが折取られてい
る場合はリバース録音不可の指示が為された状態とな
る。
尚、これら状態指示片260a、260bを折り取った後で
も、これらを折り取ることによって形成された開口部を
例えば、接着テープ等によって塞ぐようにすると、状態
指示片206a、206bが残っている場合と同じ指示状態、即
ち、「録音可」の指示状態を再現することができる。
(w.誤消去防止機構)[第15図乃至第20図] 261は誤消去防止機構である。誤消去防止機構261は、
前記したテープカセット258について為された録音に関
する指示状態に従って、RECレバー79の押し込みを許容
しあるいは阻止することによって録音動作を制御すると
共に、消去ヘッドの移動を制御し、また、前記したオー
トシャットオフ機構236によるオートシャットオフ動作
を制御する等の機能を有している。
そして、その誤消去防止機構261は、前記RECレバー79
と一体的に移動される被制御レバー、該被制御レバーの
動きを阻止するロックレバー、前記ディレクションスラ
イダー135と一体的に移動されるサブスライダー、該サ
ブスライダーによって回動され、かつ、回動されること
によって上記ロックレバーが所定の位置へ移動し得る状
態とする回動レバー、装着されたテープカセット258の
状態指示片260a、260bの有無を検出し、それが残されて
いるときは前記ロックレバーを所定の位置へと戻す状態
検出レバー、消去ヘッド及びこれを支持する消去ヘッド
レバー、該消去ヘッド及び前記制御状態切換レバー203
等を制御するリンク部材及びオートリバース制御手段等
から成る。
(w−1.被制御レバー)[第15図乃至第18図、第20図] 262は被制御レバーである。
該被制御レバー262は、前後方向に長い板状に形成さ
れると共に、その前後方向における中央部からある程度
前側へ寄った箇所が側方から見て略クランク状に屈曲さ
れており、そのクランク状に屈曲された箇所より前方に
位置する前部262aの後側半部が幅広く形成されている。
そして、前部262aの幅広く形成された部分のうちの左側
縁寄りの位置には挿通孔263が形成され、また、右側縁
の前端部からは前後方向から見て略クランク状に屈曲さ
れた被ガイド片264が右側へ向けて突設されている。265
は前部262aの前端部から立ち上げ状に形成された連結片
であり、この連結片265にてRECレバー79と連結されてい
る。
また、被制御レバー262のうち前記クランク状に屈曲
された箇所から後に位置する後部262bの後端部には、前
後方向に延びる被ガイド長孔266が形成されている。267
は後部262bの左側縁のうちの前後方向における略中央部
から立ち上げ状に形成された係合突起、また、268は後
部262bの右側縁のうちの上記係合突起267と対向する部
分の稍前方寄りの位置から立ち上げ状に形成されたばね
掛片である。
そして、後部262bの右側縁のうち上記ばね掛片268が
形成された部分から稍前方へ寄った部分からはストッパ
ー片269が右側へ向けて突設されており、該ストッパー
片269の先端部は下方へ向けて略直角に屈曲されている
(第20図参照)。
270は後部262bの右側縁のうち上記ストッパー片269が
設けられた部分から前方へ連続する部分に形成された切
欠部である。また、後部262bの右側縁のうち後端と前記
ばね掛片268との間の略中間の位置から後方の部分はそ
れより前方の部分よりもある程度左側に位置されてお
り、これによって、後部262bの右側縁の後端寄りの位置
に略L字状を為す係合縁271が形成されている。
そして、被制御レバー262は、その後端部に形成され
た被ガイド長孔にメインシャーシから後方へ突出するよ
うに設けられた図示しない補助シャーシに形成されたガ
イド片が摺動自在に係合されると共に、その前部262aか
ら突設された被ガイド片264がメインシャーシ17に形成
された前記ガイド長孔84(RECレバー79の被ガイド片79a
が係合されたガイド長孔)に摺動自在に係合されること
によって、一定範囲内において前後方向へ摺動すること
ができるように設けられている。
また、前記RECレバー79の左側縁のうちの後端寄りの
部分には左側を向いた切欠部272(第15図乃至第18図に
のみ示してある。)が形成されており、この切欠部272
に、被制御レバー262の前端部に形成された前記連結片2
65が係合されている。
しかして、被制御レバー262はRECレバー79と一体的に
前後方向に移動するように連結されている。
(w−2.サブスライダー)[第15図乃至第18図、第20
図] 273はサブスライダーである。
該サブスライダー273は左右方向に長い板状に形成さ
れると共に、これの左右両端に寄った部分に左右方向に
沿って延びる被ガイド長孔274、275が形成され、また、
左右方向における中央部から稍左側へ寄った位置に略小
判型を成すピン係合孔276が形成されている。
そして、このようなサブスライダー273はメインシャ
ーシ17の下面側に位置されると共に、これに形成された
左右両側の被ガイド長孔274、275のうちの左側のもの27
4に前記左側のキャプスタン22が支持された左側のスリ
ーブ23のうちのメインシャーシ17から下方へ突出した部
分が摺動自在に係合され、右側のもの275に前記右側の
キャプスタン22′が支持された右側のスリーブ23′のう
ちのメインシャーシ17から下方へ突出した部分が摺動自
在に係合されることによって、一定範囲内において左右
方向へ移動することができるように設けられている。
また、277は連結ピンであり、該連結ピン277はサブス
ライダー273に形成された前記ピン係合孔276に挿通され
ると共に、その上端部がメインシャーシ17に形成された
図示しない左右方向に長い長孔を通してメインシャーシ
17の上面側に突出され、かつ、前記ディレクションスラ
イダー135の所定の位置に固定されている。
しかして、サブスライダー273はディレクションスラ
イダー135と一体的に移動されることになり、ディレク
ションスライダー135が前記第1の位置へと移動された
ときは第15図及び第17図に示す位置(以下、サブスライ
ダー273についての「第1の位置」と言う。)へと移動
され、ディレクションスライダー135が前記第2の位置
へと移動されたときは第16図及び第18図に示す位置(以
下、サブスライダー273についての「第2の位置」と言
う。)へと移動されることになる。
尚、サブスライダー273の左右の端縁はいずれも略前
後方向に沿って延びるように形成されている。
(w−3.揺動レバー)[第15図乃至第18図、第20図] 278及び279は揺動レバーであり、これらのうちの右側
のもの278がフォワード側の揺動レバー(以下、「F側
揺動レバー」と言う。)、左側のもの279がリバース側
の揺動レバー(以下、「R側揺動レバー」と言う。)で
ある。
先ず、F側揺動レバー278について説明する。
F側揺動レバー278は全体として略前後方向に長い板
状に形成されると共に、その後端部から稍前側に寄った
位置から腕280が左側へ向けて突設されており、該腕280
の先端部からばね掛片281が立ち上げ状に形成されてい
る。また、その前端部から被押圧ピン282が立設されて
いる。
283は連結ピンであり、該連結ピン283はその抜け止め
用フランジ部から上方へ突出した部分が、F側揺動レバ
ー278の前後方向における略中央部のうちの左側縁寄り
の位置に形成された挿通孔284及び前記被制御レバー262
に形成された挿通孔263に挿通されると共に、その上端
部に図示しない抜け止め用ワッシャーが係着されてい
る。
尚、F側揺動レバー278はその大部分が被制御レバー2
62の下面側に位置されている。
しかして、F側揺動レバー278は、その略中央部が被
制御レバー262に回動自在に支持されると共に、被制御
レバー262が後方へ押し込まれたときはこれと一体的に
後方へ移動されることになる。
そして、F側揺動レバー278に形成されたばね掛片281
と被制御レバー262に形成された前記ばね掛片268との間
に比較的強い引張力を有する引張りスプリング285が架
け渡されている。
これにより、F側揺動レバー278には、引張りスプリ
ング285の引張力によって、常時、時計回り方向への回
動力が付勢されていると共に、これを反時計回り方向へ
回動せしめる押圧力が加えられない間は、その右側縁の
うち腕280と対応する位置から稍前寄りの部分が、被制
御レバー262に形成された前記ストッパー片269の下方へ
向けて屈曲された先端部に左側から当接することによっ
て、第16図及び第18図に示すように、その右側縁の後端
部が前記被制御レバー262の右側縁より僅かに右側に位
置され、かつ、その被押圧ピン282が第2の位置に来て
いる前記サブスライダー273の右端縁から稍右側へ離間
したところにある位置(以下、F側揺動レバー278につ
いての「非制御位置」と言う。)に保持されることにな
る。
一方、R側揺動レバー279は、これも、前後方向に長
い板状に形成されると共に、前記F側揺動レバー278と
略同じ程度の長さを有しており、その前端部から被押圧
ピン286が立設されている。そして、R側揺動レバー279
の左側縁のうちの後端寄りの部分からはばね掛片287が
立ち上げ状に形成されると共に、その右側縁のうち上記
ばね掛片287と対向する位置から稍前方寄りの部分から
ストッパー片288が立ち上げ状に形成されている。
289は後述する第2のリンクの左側の回動端部から立
設された支持ピンであり、該支持ピン289の上部がR側
揺動レバー279の前後方向における略中央部に形成され
た挿通孔290に挿通されている。
しかして、R側揺動レバー279は、その略中央部が後
述する第2のリンクの左側の回動端部に回動自在に支持
されると共に、その第2のリンクが回動されることによ
って略前後方向へ移動されるようになっている。
そして、R側揺動レバー279に形成されたばね掛片287
とメインシャーシ17の後側縁の左側部から後方へ向けて
突設されたばね掛片291との間にこれも比較的強い引張
力を有する引張りスプリング292が架け渡されている。
これにより、R側揺動レバー279には、引張りスプリ
ング292の引張力によって、常時、反時計回り方向への
回動力が付勢されていると共に、これを時計回り方向へ
回動せしめる押圧力が加えられない間は、これに形成さ
れたストッパー片288がメインシャーシ17の図示しない
側縁部に右側から当接することによって、第15図及び第
17図に示すように、略前後方向に沿って延び、かつ、そ
の被押圧ピン286が第1の位置に来ている前記サブスラ
イダー273の左端縁から稍左側へ離間したところにある
位置(以下、R側揺動レバー279についての「非制御位
置」と言う。)に保持されることになる。
(w−4.ロックレバー)[第15図乃至第18図、第20図] 293及び294はロックレバーであり、これらロックレバ
ー293、294のうち右側のもの293がフォワード側ロック
レバー(以下、「F側ロックレバー」と言う。)であ
り、左側のもの294がリバース側のロックレバー(以
下、「R側ロックレバー」と言う。)である。
F側ロックレバー293は全体として左右方向に長い略
長四角状に形成され、その右側縁の前部からは係合片29
5が下方へ向けて略直角に屈曲するように形成され、ま
た、後部からはばね掛片296が立ち上げ状に形成されて
いる。そして、F側ロックレバー293の後側縁の略中間
部には左右方向にある程度の幅を有する切欠部297が形
成されると共に、該切欠部297の奥端縁から連結突起298
が後方へ向けて突設されている。また、上記切欠部297
の左側縁のうちの前後方向における略中央部からは左側
へ向けてある程度長く延びる被ガイド用の切欠部299が
形成されている。
しかして、F側ロックレバー293は、これの略半分が
前記被制御レバー262の後端部と前記F側揺動レバー278
との間に位置されると共に、これに形成されたばね掛片
296の下端部が図示しない補助シャーシに形成された左
右方向に沿って延びる切欠部に摺動自在に係合され、か
つ、その被ガイド用の切欠299にこれも図示しない補助
シャーシに形成されたガイド片が摺動自在に係合される
ことにより、左右方向へ移動自在となるように設けられ
ている。
尚、F側ロックレバー293に設けられた係合片295は前
記F側揺動レバー278の右側縁の後端部に右側から対向
するように位置され、また、ばね掛片296は前記被制御
レバー262の右側縁のうちの前記係合縁271から後方へ連
続する部分に右側から対向するように位置されている。
一方、R側ロックレバー294は左右方向に細長い板状
に形成されると共に、その右端部は他の部分より稍上方
に位置するように形成されている。
そして、R側ロックレバー294の左端部寄りの位置と
左右方向における略中央部とに左右方向に沿って延びる
被ガイド長孔300、301が形成され、また、後側縁の右端
部寄りの部分からばね掛片302が立ち上げ状に形成され
ている。
303はR側ロックレバー294の前側縁のうちの左端部か
らある程度右側へ寄った部分から下方へ向けて略直角に
屈曲するように形成された係合片である。
しかして、R側ロックレバー294は、メイン基板16の
後端部において、左右方向に延び、かつ、その右端部が
前記F側ロックレバー293の前部のうちの略左半分に上
方から重なるように位置されると共に、これに形成され
た被ガイド長孔300、301にメイン基板16から立設された
ガイドピン304、305が摺動自在に係合されることによっ
て、左右方向へ移動自在なるように設けられている。
尚、R側ロックレバー294の右端縁は前記被制御レバ
ー262の左側縁のうちの係合突起267から後方へ連続する
部分に左側から対向するように位置されており、また、
R側ロックレバー294に形成された係合片303は前記R側
揺動レバー279の左側縁の後端部に左側から対向するよ
うに位置されている。
そして、F側ロックレバー293に形成されたばね掛片2
96とR側ロックレバー294に形成されたばね掛片302との
間には前記引張りスプリング285及び292の引張力により
弱い引張力を有する引張りスプリング306が架け渡され
ており、これによって、F側ロックレバー293には、常
時、左側へ向う移動力が付勢され、R側ロックレバー29
4には、常時、右側へ向う移動力が付勢されている。
そこで、前記したように、サブスライダー273が第2
の位置に来ているときはF側揺動レバー278が非制御位
置に来ているため、F側ロックレバー293は、第16図に
示すように、その係合片295がF側揺動レバー278の右側
縁に当接することによって、そのばね掛片296が被制御
レバー262の係合縁271より右側へ逃げたところにある位
置(以下、F側ロックレバー293についての「非ロック
位置」と言う。)に保持されることになる。尚、前記し
たように、F側揺動レバー278に時計回り方向への回動
力を付勢している引張りスプリング285の引張力はF側
ロックレバー293に左側へ向う移動力を付勢している引
張りスプリング306の引張力より強いので、F側揺動レ
バー278に引張りスプリング285の引張力より強い反時計
回り方向への押圧力が加えられない間はF側揺動レバー
278は非制御位置に保持されることになり、従って、F
側ロックレバー293が非ロック位置に保持されることに
なる。
また、これも前記したように、サブスライダー273が
第1の位置に来ているときはR側揺動レバー279が非制
御位置に来ているため、R側ロックレバー294は、第15
図に示すように、その係合片303がR側揺動レバー279の
左側縁に当接することによって、その右端部が被制御レ
バー262の係合突起267より左側へ逃げたところにある位
置(以下、R側ロックレバー294についての「非ロック
位置」と言う。)に保持されることになる。尚、前記し
たように、R側揺動レバー279に反時計回り方向への回
動力を付勢している引張りスプリング292の引張力はR
側ロックレバー294に右側へ向う移動力を付勢している
引張りスプリング306の引張力より強いので、R側揺動
レバー278はこれに引張りスプリング292の引張力より強
い時計回り方向への押圧力が加えられない間は非制御位
置に保持されることになり、従って、R側ロックレバー
294が非ロック位置に保持されることになる。
そして、F側ロックレバー293はサブスライダー273が
第1の位置へと移動されることによって、被制御レバー
262の動きを阻止する位置へと移動されるようになる。
即ち、第16図示す状態からサブスライダー273が第1
の位置へと移動されると、その右端縁がF側揺動レバー
278の被押圧ピン282を右側へ向けて押圧することにな
る。これによって、F側揺動レバー278は引張りスプリ
ング285の引張力に抗して反時計回り方向へ回動され、
第15図に示すように、その右側縁の後部が被制御レバー
262の右側縁の後部よりある程度左側へ寄る位置(以
下、F側揺動レバー278についての「制御位置」と言
う。)へと移動されることになる。すると、F側ロック
レバー293はそれまでこれに対する左側への移動を阻止
していたF側揺動レバー278の右側縁が左側へと逃げる
ため、これに付勢された移動力、即ち、引張りスプリン
グ306の引張力によって左側へ移動され、第15図に示す
ように、そのばね掛片296が被制御レバー262の右側縁の
うちの係合縁271から後方へ連続する部分に当接される
位置(以下、F側ロックレバー293についての「ロック
位置」と言う。)へと移動されることになる。
従って、F側ロックレバー293のばね掛片296が被制御
レバー262の係合縁271の後方にこれと近接するように位
置されることになり、これによって、被制御レバー262
の後方への移動が阻止されることになる。
しかして、サブスライダー273が第1の位置に来てい
るとき、即ち、テープ走行方向がフォワード方向とされ
た状態においては、フォワード録音を「可」とするテー
プカセットが装着されない限り、RECレバー79及びこれ
に設けられた録音ボタン7の動きはF側ロックレバー29
3によって阻止されることになる。
尚、前記したように、サブスライダー273が第1の位
置に来ているとき、R側ロックレバー294は非ロック位
置、即ち、被制御レバー262の動きを阻止しない位置に
保持されている。
一方、R側ロックレバー294はサブスライダー273が第
2の位置へと移動されることによって、被制御レバー26
2の動きを阻止する位置へと移動されるようになる。
即ち、第15図に示す位置からサブスライダー273が第
2の位置へと移動されると、その左端縁がR側揺動レバ
ー279の被押圧ピン286を左側へ向けて押圧することにな
る。これによって、R側揺動レバー279は引張りスプリ
ング292の引張力に抗して時計回り方向へ回動され、第1
6図に示すように、その後端部が右側へ変位した位置
(以下、R側揺動レバー279についての「制御位置」と
言う。)へと移動されることになる。すると、R側ロッ
クレバー294はそれまでこれに対する右側への移動を阻
止していたR側揺動レバー279の左側縁が右側へ変位さ
れることにより、これに付勢された移動力、即ち、引張
りスプリング306の引張力によって右方へと移動され、
第16図に示すように、その右端縁が前記被制御レバー26
2の左側縁のうちの係合突起267から後方へ連続する部分
に当接される位置(以下、R側ロックレバー294につい
ての「ロック位置」と言う。)へと移動されることにな
る。
従って、R側ロックレバー294の右端部が被制御レバ
ー262の係合突起267の後方にこれと近接するように位置
されることになり、これによって、被制御レバー262の
後方への移動が阻止されることになる。
しかして、サブスライダー273が第2の位置に来てい
るとき、即ち、テープ走行方向がリバース方向とされた
状態においては、リバース録音を「可」とするテープカ
セットが装着されない限り、RECレバー79及び録音ボタ
ン7の動きはR側ロックレバー294によって阻止される
ことになる。
尚、前記したように、サブスライダー273が第2の位
置に来ているとき、F側ロックレバー293は非ロック位
置、即ち、被制御レバー262の動きを阻止しない位置に
保持されている。
(w−5.状態検出レバー)[第15図乃至第20図] 307及び308が状態検出レバーであり、これら状態検出
レバー307、308のうち右側のもの307が前記テープカセ
ット258に設けられたF側状態指示片260aの有無を検出
する状態検出レバー(以下、「F側状態検出レバー」と
言う。)であり、左側のもの308がテープカセット258に
設けられたR側状態指示片260bの有無を検出する状態検
出レバー(以下、「R側状態検出レバー」と言う。)で
ある。
先ずF側状態検出レバー307について説明する。
F側状態検出レバー307は上方から見て略直角三角形
状に形成されており、その略直角の部分が図示しない補
助シャーシに設けられた支持ピン309に回動自在に支持
されると共に、その前端部に前方を向くようにして形成
された切欠部310に前記F側ロックレバー293に設けられ
た連結突起298がある程度回動自在となる状態で係合さ
れている。また、F側状態検出レバー307の後側縁の右
端部からは検出片311が下方へ向けて突設されると共
に、該検出片311の下端部に位置する検出端部311aは上
方から見て略へ字状を成すように形成されている。
そこでF側状態検出レバー307は、その検出片311に対
する後方への押圧力が加えられていない状態において
は、F側のロックレバー293によってその位置が規制さ
れることなる。
即ち、F側状態検出レバー307は、F側ロックレバー2
93がロック位置に来ているとき、即ち、テープ走行方向
としてフォワード方向が選択されているときは第15図に
示すように、その検出片311の検出端部311aの大部分が
メイン基板16の後側縁より前側にある位置(以下、F側
状態検出レバー307についての「検出準備位置」と言
う。)に保持されている。そして、この状態からF側ロ
ックレバー293が非ロック位置へと移動されると、即
ち、テープ走行方向がリバース方向に切換えられると、
F側状態検出レバー307はその切欠部310の右側縁がF側
ロックレバー293に設けられた連結突起298によって右方
へと押圧されることにより、第16図に示すように、その
検出片311の検出端部311aの大部分がメイン基板16の後
側縁より後方にある位置(以下、F側状態検出レバー30
7についての「検出完了位置」と言う。)へと移動され
ることになる。
尚、メイン基板16の後側縁はテープレコーダ1の前記
カセット装着部4の後面と前後方向において略同じ位置
にあり、従って、F側状態検出レバー307が検出準備位
置に来ているときは、その検出片311の検出端部311aが
カセット装着部4内にその後面から突出するように位置
されることになる。
また、F側状態検出レバー307は、F側状態指示片260
aを有するテープカセット258が装着された状態において
は、いずれのテープ走行方向が選択されても、常に、検
出完了位置に保持されることになり、それによって、F
側ロックレバー293も、常に、非ロック位置に保持され
ることになる。
即ち、前記したように、テープの走行方向がフォワー
ド方向とされているとき、F側状態検出レバー307はF
側ロックレバー293によって検出準備位置に保持されて
いるのであるが、この状態から、カセット装着部4に、
F側状態指示片260aを有するテープカセット258、即
ち、フォワード録音を「可」とするテープカセットが装
着されると、F側状態検出レバー307は検出端部311aが
テープカセット258のF側状態指示片260aによって後方
へ押圧されるために、検出完了位置へと移動されること
になる。従って、ロックレバー293はその連結突起298が
F側状態検出レバー307の切欠部310の左側縁によって右
方へと押圧されることにより、引張りスプリング306の
引張力に抗して非ロック位置へと移動されることにな
る。
尚、この状態において、R側ロックレバー294は、サ
ブスライダー273が第1の位置に来ていることにより、
非ロック位置に保持されている。
しかして、フォワード録音を「可」とするテープカセ
ット258が装着されたときは、被制御レバー262に対する
動きの阻止が解除されるため、録音ボタン7及びRECレ
バー79を押し込むことが可能な状態となる。即ち、少な
くともフォワード録音を行なうことできる状態とされ
る。
一方、R側状態検出レバー308はその大部分が前後方
向に延びる板状に形成されると共に、前端寄りの部分が
上方から見て略クランク状態に屈曲するように形成され
ており、そのクランク状に屈曲した部分の前端部に略左
右方向に沿って延び、かつ、他の部分より稍上方に位置
する引掛片312が形成されている。
313はR側状態検出レバー308の後端部に形成された略
長四角状の係合孔である。また、314はR側状態検出レ
バー308の後端縁から下方へ向けて略直角に屈曲された
検出片であり、該検出片314の下端部に略前方へ向けて
屈曲された検出端部314aが形成されている。
そして、R側状態検出レバー308は、メイン基板16の
左側縁に寄った部分に形成されたガイド突部315、315、
・・・の間に位置されることのよってその移動方向が案
内されると共にその後端部がメイン基板16の後側に形成
された図示しないスリットを通されることにより、前後
方向へ摺動自在なるように設けられている。
316は連結アームであり、該連結アーム316は上方から
見て略L字状に屈曲するように形成されると共に、2つ
の腕316a、316bのうち略左右方向に沿って延びる一方の
腕316aの左端部に上方から見て略円形の係合突起317が
形成され、また、略前後方向に沿って延びる他方の腕31
6bの前端縁から押圧片318が立ち上げ状に形成されてい
る。
そして、連結アーム316は、そのL字形の屈曲点がメ
イン基板16の後側縁寄り部分のうち前記ガイドピン304
(R側ロックレバー294の左側の被ガイド長孔300に係合
されたピン)の略左斜め後方の位置に設けらた支持ピン
319に回動自在に支持されると共に、その係合突起317が
R側状態検出レバー308に形成された係合孔313に摺動自
在に係合され、また、その押圧片318がR側ロックレバ
ー294に形成された左側の被ガイド長孔300のうちの左端
縁とピン304との間の部分に位置されている。
しかして、R側状態検出レバー308はその検出片314に
後方への押圧力が加えられていない間状態においては、
第15図、第16図、第17図に示すように、検出片314の検
出端部314aがメイン基板16の後側縁より前側に位置する
位置(以下、R側状態検出レバー308について「検出準
備位置」と言う。)に来ている。
尚、連結アーム316は、その係合突起317がR側状態検
出レバー308の係合孔313に係合されているので、R側状
態検出レバー308の移動に従って回動せしめられること
により、R側状態検出レバー308が検出準備位置に来て
いるときはその他方の腕316bが略前後方向に沿って延び
るように位置する姿勢に保持されることになる。
そして、R側状態検出レバー308が検出準備位置に来
ている状態において、テープ走行方向がフォワード方向
とされたときは、R側ロックレバー294が非ロック位置
に来ているため、第15図及び第17図に示すように、R側
ロックレバー294に形成された左側の被ガイド長孔300の
左端縁は連結アーム316の押圧片318からある程度左側へ
離間して位置されている。そして、この状態からテープ
走行方向がリバース方向に切換えられると、前記しよう
に、R側ロックレバー294がロック位置へと移動される
ため、第16図に示すように、その左側の被ガイド長孔30
0の左端縁は連結アーム316の押圧片318に左側から接触
するかあるいは近接して位置するようになる。
そこで、カセット装着部4にR側状態指示片260bを有
する、即ち、リバース録音を「可」とするテープカセッ
ト258が装着されると、そのR側状態指示片260bがR側
状態検出レバー308の検出片314の検出端部314aを後方へ
押圧することになるため、これによって、R側状態検出
レバー308は、第18図及び第19図に示すように、その検
出端部314aの大部分がメイン基板16の後側縁寄りにある
位置(以下、R側状態検出レバー308についての「検出
完了位置」と言う。)へと移動されることになる。
そして、R側状態検出レバー308が検出完了位置へと
移動されると、連結アーム316が時計回り方向へ回動せ
しめられることになる。
従って、前記したようにテープ走行方向がリバース方
向とされているときはR側ロックレバー294の左側の被
ガイド長孔300の左端縁が連結アーム316の押圧片318に
接触するかこれと近接して位置されているので、この状
態からR側状態検出レバー308が検出完了位置へと移動
されると、R側ロックレバー294は、その左側の被ガイ
ド長孔300の左端縁が時計回り方向へ回動される連結ア
ーム316の押圧片318によって略左方へ向けて押圧される
ことになり、引張りスプリング306の引張力に抗して、
左方へと移動せしめられることになる。
尚、この状態において、F側ロックレバー293はサブ
スライダー273が第2の位置に来ていることによって、
非ロック位置に保持されている。
しかして、リバース録音を「可」とするテープカセッ
ト258が装着されたときも、被制御レバー262に耐する動
きの阻止が解除されるため、録音ボタン7及びRECレバ
ー79を押し込むことが可能な状態となる。即ち、少なく
ともリバース録音を行なうことができる状態とされる。
(w−6.消去ヘッドレバー)[第15図乃至第18図] 320及び321は消去ヘッドレバーであり、これら消去ヘ
ッドレバー320、321のうち右側のもの320がフォワード
録音時に使用される消去ヘッド(以下、「F側消去ヘッ
ド」と言う。)を支持する消去ヘッドレバー(以下、
「F側消去ヘッドレバー」と言う。)であり、左側のも
の321がリバース録音時に使用される消去ヘッド(以
下、「R側消去ヘッド」と言う。)を支持する消去ヘッ
ドレバー(以下、「R側消去ヘッドレバー」と言う。)
である。
尚、これら消去ヘッドレバー320及び321は互いに略左
右対象的に形成されているので、F側消去ヘッドレバー
320について詳細に説明し、R側消去ヘッドレバー321に
ついてはF側消去ヘッドレバー320について使用した符
号に「′」記号を付した符号を付することにより説明を
省略する。
F側ヘッドレバー320は被押圧レバーと該被押圧レバ
ーが回転されるのに従って、回動されるヘッド支持レバ
ーとから成る。
即ち、322が被押圧レバーであり、該被押圧レバー322
は、基部322aと該基部322aの右端部から略左斜め後方へ
向けて突出するように延びる被押圧部322bとから成り、
基部322aの略中央部に挿通孔323が形成され、また、基
部322aの前端縁の略中央部からばね掛片324が下方へ向
けて略直角に屈曲するように形成されている。
また、325はヘッド支持レバーであり、該ヘッド支持
レバー325は略逆へ字状に形成され、その右端部に図示
しない挿通孔が形成されると共に、その前端縁の右端部
からばね掛片326が下方へ向けて略直角に屈曲するよう
に形成され、また、その右端縁の前端部から結合片327
が立ち上げ状に形成されている。
そして、ヘッド支持レバー325の左端部からピン328が
下方へ向けて突設されており、該ピン328に消去ヘッド3
29を保持するヘッドホルダー330が回動自在に支持され
ている。尚、消去ヘッド329はその後部がヘッドホルダ
ー330から後方へ突出するように保持されており、ま
た、ヘッドホルダー330はメインシャーシ17の下面に設
けられた図示しないガイド部材に摺動自在に保持されて
おり、それによって、ヘッド支持レバー325が回動され
たときヘッドホルダー330は前後方向に沿って移動され
るようになっている。
そして、被押圧レバー322とヘッド支持レバー325と
は、ヘッド支持レバー325が被押圧レバー322の下側に位
置する状態で、ヘッド支持レバー325に形成された図示
しない挿通孔及び被押圧レバー322に形成された挿通孔3
23に、メインシャーシ17から下方へ突設された支持ピン
331が挿通されると共に、そのコイル状部が上記支持ピ
ン331に外嵌されたトーションばね332の一方の腕332aが
被押圧レバー322に形成されたばね掛片324にこれの左側
から当接され、その他方の腕332bがヘッド支持レバー32
5に形成されたばね掛片326にこれの右側から当接されて
いる。これによって、被押圧レバー322には反時計回り
方向への回動力が、また、ヘッド支持レバー325には時
計回り方向への回動力が付勢されると共に、ヘッド支持
レバー325の右端縁に形成された係合片327が被押圧レバ
ー322の基部322aの右側縁に右側から当接されている。
従って、被押圧レバー322とヘッド支持レバー325とは、
これらに対して上記した付勢回動力とは反対方向への押
圧力が同時に加えられることがなければ、一体的に回動
されることになる。
尚、このように構成されたF側消去ヘッドレバー320
はその被押圧レバー322に図示しないトーションばねに
よる反時計回り方向への回動力が加えられていると共
に、これに対して時計回り方向へ回動せしめる押圧力が
加えられない間は、ヘッド支持レバー325の左端部から
突設されたストッパー333がメインシャーシ17の前端寄
りの部分に形成された小突起334に前側から当接される
ことによって、その消去ヘッド329がテープパスからあ
る程度前方へ離間している位置(以下、「後退位置」と
言う。)に保持されるようになっている。
尚、F側消去ヘッドレバー320が後退位置に来ている
状態において、その被押圧レバー322の被押圧部322bが
次のような位置に来ているようになっている。即ち、こ
の状態において、前記サブスライダー273が第2の位置
に来たとき、即ち、テープ走行方向がリバース方向とさ
れたときは、第16図に示すように、前記F側揺動レバー
278の被押圧ピン282が被押圧部322の前方に対応する位
置より左側へ逃げて位置すると共に、サブスライダー27
3が第1の位置に来たとき、即ち、テープ走行方向がフ
ォワード方向とされたときは、第15図に示すように、F
側揺動レバー278の被押圧ピン282が被押圧部322に前方
から対向するように位置される。
そして、これと同様に、R側消去ヘッドレバー321が
後退位置に来ている状態において、その被押圧レバー32
2′の被押圧部322b′は、サブスライダー273が第1の位
置に来ているときは、第15図に示すように、前記R側揺
動レバー279の被押圧ピン286が被押圧部322b′の前方に
対応する位置より右側へ逃げて位置すると共に、サブス
ライダー273が第2の位置に来たときは、第16図に示す
ように、R側揺動レバー279の被押圧ピン286が被押圧部
322b′に前方から対向するように位置するようにされて
いる。
尚、これら消去ヘッドレバー320、321の動作について
は後述する。
(w−7.リンク部材)[第15図乃至第19図] 335、336及び337はリンク部材であり、これらリンク
部材335、336及び337は前記被制御レバー262の動きを前
記R側揺動レバー279に伝えると共に、所定のタイミン
グにおいて後述するシャットオフ制御手段を動作せしめ
るためのものである。
335は第1のリンクであり、該第1のリンク335は略逆
L字状に形成されると共に、そのL字の屈曲点位置がメ
インシャーシ17に回動自在に支持されており、これの2
つの腕335aと335bのうちの略左右方向に沿って延びる一
方の腕335aの右端部から係合突起338が立ち上げ状に形
成されている。そして、該係合突起338の上部は前記被
制御レバー262の右側縁に形成された切欠部270に係合さ
れている。
336は第2のリンクであり、該第2のリンク336は略左
右方向に沿って延びる前部336aと、該前部336aの左側部
から略後方へ向けて突出するように延びる左部336bと、
上記前部336aの右端部から後方へ向けて略逆C字状に延
びる右部336cとにより、全体として略状を成すように
形成されると共に、前部336aと右部336cとが連続される
連続部がメインシャーシ17に回動自在に支持されてい
る。そして、前部336cと左部336bとが連続される連続部
から前記した支持ピン、即ち、R側揺動レバー279が回
動自在に支持された支持ピン289が立設されている。ま
た、左部336bの左側縁の前後方向における略中央部から
は略左斜め後方へ向けて延びるストッパー339が突設さ
れており、該ストッパー339の先端部は下方へ向けて略
直角に屈曲されている。
337は第3のリンクであり、該第3のリンク337はその
左端部が前記第2のリンク336の右部336cの後端部と回
動自在に連結されると共に、その右端部が前記第1のリ
ンク335の他方の腕335bの前端部と回動自在に連結され
ている。
そこで、前記被制御レバー262が後方へ押し込まれる
と、これに形成された切欠部270の前側縁が第1のリン
ク335の係合突起338を略後方へ向けて押圧することにな
るので、これによって、第1のリンク335が反時計回り
方向へ回動せしめられることになる。すると、第1のリ
ンク335の他方の腕335bの前端部が略右側へ移動される
ため、第3のリンク337が右側へ移動せしめられること
になり、これによって、第2のリンク336の右部336cの
後端部が略右側へ向けて移動せしめられることになる。
従って、第2のリンク336が時計回り方向へ回動せしめ
られるので、その左部336bが略後方へ向けて移動される
ことになる。
しかして、被制御レバー262が後方へ押し込まれる
と、これに連結ピン283を介して支持されたF側揺動レ
バー278が後方へ向って移動されると共に、第2のリン
ク336の左部336bが略後方へ移動され、従って、これに
支持ピン289を介して支持されたR側揺動レバー279も同
時に後方へ向って移動されることになる。
(w−8.消去ヘッドレバーの動き)[第15図乃至第18
図] 前記したF側消去ヘッドレバー320及びR側消去ヘッ
ドレバー321は次のように動作される。
先ず、F側消去ヘッドレバー320は、テープ走行方向
がフォワード方向とされた状態において被制御レバー26
2が後方へ押し込まれたときのみ動かされることにな
る。
即ち、テープ走行方向がフォワード方向とされると、
サブスライダー273が第1の位置に来るため、前記した
ように、F側揺動レバー278の被押圧ピン282がF側消去
ヘッドレバー320の被押圧部322bに前方から対向するよ
うに位置される。そこで、この状態から被制御レバー26
2が後方へ押し込まれると、F側、R側両揺動レバー27
8、279が後方へ向けて移動されるので、F側揺動レバー
278の被押圧ピン282がF側消去ヘッドレバー320の被押
圧部322bを略右斜め後方へ向けて押圧するようになる。
これによって、F側消去ヘッドレバー320がこれに関連
された図示しないトーションばねの弾発力に抗して時計
回り方向へ回動せしめられることになる。
しかして、F側消去ヘッドレバー320はその消去ヘッ
ド329がテープパスに対して前進され、かつ、そのヘッ
ド面が図示しないテープのうち録再用磁気ヘッド20が接
触された部分の右側の部分と接触される位置(以下、F
側消去ヘッドレバー320についての「前進位置」と言
う。)へと移動されることになる。即ち、消去ヘッド32
9はテープ走行方向における録再用磁気ヘッド20の上手
側に位置する部分に接触されることになる。
尚、テープ走行方向がフォワード方向とされていて
も、被制御レバー262が後方へ押し込まれるとF側揺動
レバー278だけでなくR側揺動レバー279も後方へ向って
移動されることになるが、前記したようにサブスライダ
ー273が第1の位置に来ているときは、R側揺動レバー2
79の被押圧ピン286はR側消去ヘッドレバー321の被押圧
部322b′の前方に対応した位置より右側へ逃げて位置さ
れているので、これが後方へ移動されてもR側消去ヘッ
ドレバー321を動かすことはない。
また、R側消去ヘッドレバー321は、テープ走行方向
がリバース方向とされた状態において被制御レバー262
が後方へ向って押し込まれたときのみ動かされることに
なる。
即ち、テープ走行方向がリバース方向とされると、サ
ブスライダー273が第2の位置に来るため、前記したよ
うに、R側揺動レバー279の被押圧ピン286がR側消去ヘ
ッドレバー321の被押圧部322b′に前方から対向するよ
うに位置される。そこで、この状態から、被制御レバー
262が後方へ押し込まれると、F側、R側両揺動レバー2
78、279が後方へ向けて移動されるので、R側揺動レバ
ー279の被押圧ピン286がR側消去ヘッドレバー321の被
押圧部322b′を略左斜め後方へ向けて押圧するようにな
る。これによって、R側消去ヘッドレバー321がこれに
関係された図示しないトーションばねの弾発力に抗して
反時計回り方向へと回動せしめられることになる。
しかして、R側消去ヘッドレバー321は、その消去ヘ
ッド329′がテープパスに対して前進され、かつ、その
ヘッド面が図示しないテープのうち録再用磁気ヘッド20
が接触された部分の左側の部分に接触される位置(以
下、R側消去ヘッドレバー321についての「前進位置」
と言う。)へと移動されることになる。即ち、消去ヘッ
ド329′はテープのこれの走行方向における録再用磁気
ヘッド20の上手側に位置する部分に接触されることにな
る。
尚、テープ走行方向がリバース方向とされていても、
被制御レバー262が後方へ押し込まれるとR側揺動レバ
ー279だけでなくF側揺動レバー278も後方へ向って移動
されることになるが、前記したように、サブスライダー
273が第2の位置に来ているときは、F側揺動レバー278
の被押圧ピン282はF側消去ヘッドレバー320の被押圧部
322bの前方に対応した位置より左側へ逃げて位置されて
いるので、これが後方へ移動されてもF側消去ヘッドレ
バー320を動かすことはない。
また、F側消去ヘッドレバー320、R側消去ヘッドレ
バー321は、これらが前進位置へ移動された状態から被
制御レバー262が前方へ戻されると、F側、R側両揺動
レバー278、279も前方へ戻されるので、各消去ヘッドレ
バー320、321に関係された図示しないトーションばねの
弾発力によって、後退位置へと戻されることになる。
(w−9.オートリバース制御手段)[第15図乃至第20
図] 340はオートリバース制御手段であり、このオートリ
バース制御手段340は、フォワード録音のみを「可」と
するテープカセットが装着された状態でフォワード録音
が行なわれた場合は、テープエンドとなったときにオー
トリバースが行なわれず、オートシャットされるように
しておくためのものである。
即ち、前記したように、テープレコーダ1にはテープ
走行方向自動切換機構224が設けられているため、テー
プがフォワード方向へ走行している状態からテープエン
ドに来ると、テープレコーダ1はそれまでの状態におけ
る動作を停止することなく、テープ走行方向をリバース
方向へ切換えるだけで当該動作を継続するようにされて
いる。即ち、オートリバースされるようになっている。
従って、このようなオートリバース機能を備えている
と、フォワード録音のみを「可」とするテープカセット
が装着された状態で録音が行なわれると、フォワード方
向におけるテープエンドに来た時点で自動的にリバース
録音へと切換わってしまうことになる。即ち、テープカ
セット側においてリバース録音を「不可」とする指示が
為されているにも拘わらずリバース録音が行なわれてし
まうことになる。
このオートリバース制御手段340は、上記したように
して生ずる誤消去という事故を防止するためのものであ
り、前記したリンク部材335、336、337、これらリンク
部材及び前記R側状態検出レバー308によって位置を制
御されるリバース制御レバー及び前記制御状態切換レバ
ー203等から成る。
341はリバース制御レバーである。該リバース制御レ
バー341は上方から見て略へ字状に形成されると共に、
そのへ字形の略屈曲点位置がメインシャーシ17のうちの
前記ばね掛片291(引張りスプリング292の左端部が係着
されたばね掛片)から稍前方へ寄った位置に設けられた
支持ピン342に回動自在に支持されている。そして、リ
バース制御レバー341の左端部からは係合ピン343が立設
され、また、その前端縁の左側の部分からばね掛片344
が下方へ向けて屈曲するように形成されている。
345はリバース制御レバー341の前端部に略右斜め前方
へ向けて延びるように形成され、かつ、その先端部が側
方から見て稍へ字状に屈曲されたストッパーであり、該
ストッパー345の先端部は前記第2のリンク336の左部33
6bに形成されたストッパー339のうち下方へ向けて屈曲
された部分に略左斜め前方から当接し得る位置まで延び
ている。
346はトーションばねであり、該トーションばね346は
そのコイル状部346aがリバース制御レバー341が支持さ
れた前記支持ピン342のうちのリバース制御レバー341か
ら下方に位置する部分に外嵌されており、その一方の腕
346bの先端部がリバース制御レバー341に形成されたば
ね掛片344に略左側から当接されると共に、その他方の
腕346cの先端部が第2のリンク336に形成されたストッ
パー339に略右斜め後方から当接されている。
これによって、リバース制御レバー341はそのばね掛
片344がトーションばね346の一方の腕346bによって略右
側へ向けて押圧されることにより、常時、反時計回り方
向へ回動しようとする回動力が付勢されている。
そして、このような回動力を付勢されたリバース制御
レバー341は、そのストッパー345が、被制御レバー262
が押し込まれていない状態における第2のリンク336の
ストッパー339に略左斜め前方から当接されることによ
り、第15図及び第16図に示すように、その係合ピン343
が支持ピン342の略左側に位置される位置(以下、「オ
ートリバース可能位置」と言う。)に保持されることに
なる。
また、前記R側状態検出レバー308が検出完了位置へ
と移動されると、第18図及び第19図に示すように、その
引掛片312がリバース制御レバー341の係合ピン343に前
側から接触するように位置されることによって、該係合
ピン343の前方への移動が阻止されることになるため、
この場合も、リバース制御レバー341はオートリバース
可能位置に保持されることになる。
そして、R側状態検出レバー308が検出準備位置に来
ている状態から被制御レバー262が後方へ押し込まれる
と、第2のリンク336が時計回り方向へ回動されること
によって、これに形成されたストッパー339が後方へ移
動されるため、リバース制御レバー341をオートリバー
ス可能位置に止めておくための条件がいずれも解消され
ることになる。従って、この状態において、リバース制
御レバー341はトーションばね346の弾発力によって反時
計回り方向へ回動され、第17図に示すように、そのスト
ッパー345が後方へ移動された第2のリンク336のストッ
パー339に当接し、かつ、その係合ピン343がR側状態検
出レバー308の引掛片312に後方から接触するように位置
される位置(以下、「「オートリバース解除位置」と言
う。)へと移動されることになる。
しかして、リバース制御レバー341は、R側状態検出
レバー308が検出準備位置に来ている状態から被制御レ
バー262が押し込まれた場合、例えば、フォワード録音
のみを「可」とするテープカセットが装着された状態
で、録音が開始された場合に、オートリバース解除位置
へと移動されることになる。
尚、リバース制御レバー341がオートリバース解除位
置に来ている状態から被制御レバー262が前方へ戻され
ると、第2のリンク336が反時計回り方向へ回動される
と共に、そのストッパー339が前方へ移動されるため、
リバース制御レバー341はそのストッパー345が略左斜め
前方へ向けて押圧されることになり、オートリバース可
能位置へと戻されることになる。
347は前記した制御状態切換レバー203を構成する下側
の切換レバー204の基部204aの後端部に形成された被制
御孔であり、該被制御孔347は略前後方向に沿って延び
るように形成されている。そして、上記被制御孔347に
前記リバース制御レバー341から立設された係合ピン343
が摺動自在に係合されている。
ところで、前記したように、テープ走行がフォワード
方向とされた場合、制御状態切換レバー203は、これの
上側の切換レバー205に形成された前記被制御片210がデ
ィレクションスライダー135に形成された制御用カム孔1
46の前側縁146aにより略後方へ向けて押圧されることに
よって、テープ走行方向がリバース方向とされたときの
位置よりある程度後方へ寄った位置に来ている。また、
これも前記したように、テープ走行方向がフォワード方
向とされ、かつ、被制御レバー262が押し込まれていな
い状態において、前記リバース制御レバー341はオート
リバース可能位置に来ている。尚、この状態が第15図又
は第19図に示す状態である。そして、下側の切換レバー
204に形成された制御孔347は、上記した状態において、
その前端縁がリバース制御レバー341の左端部から立設
された係合ピン343に前側から接触するように位置され
ている。
従って、第15図に示す状態からフォワード録音のみを
「可」とするテープカセットが装着され、被制御レバー
262が押し込まれると、即ち、録音が開始されると、第1
7図に示すように、リバース制御レバー341がリバース解
除位置へと移動されるため、その係合ピン343が下側切
換レバー204に形成された被制御孔347の前端縁を前方へ
向けて押圧することになる。これによって、下側の切換
レバー204が前方へ移動されるため、この下側切換レバ
ー204に連結ピン207を介して連結された前記連結レバー
237がその被押圧片241が前記押圧レバー234の他方の腕2
34bの先端部の回動軌跡上に位置される位置へと移動さ
れることになる。
しかして、この状態からフォワード方向におけるテー
プエンドに来ると、前記したようにしてオートシャット
オフ機構236によるオートシャットオフが行なわれるこ
とになる。即ち、オートリバースが成されず、リバース
録音されることが防止される。
尚、前記したように、制御状態切換レバー203を構成
する下側、上側両制御レバー204及び205は引張りスプリ
ング214を介して下側の切換レバー204は後方へ移動しよ
うとし、かつ、上側の切換レバー205は前方へ移動しよ
うとするように互いに引張り合うと共に、下側の切換レ
バー204から立設されたガイドピン208が上側の切換レバ
ー205に形成された長孔212の後端縁に当接されることに
より互いに一体的に移動し得るように組み合わされてい
るので、前記したように、下側の切換レバー204のみが
前方へ移動することが可能である。
また、第19図に示す状態は、テープ走行方向がフォワ
ード方向とされた状態において、少なくともリバース録
音を「可」とするテープカセットが装着された状態を示
すものであるが、この場合は、前記したように、R側状
態検出レバー308が検出完了位置へと移動されているた
め、その引掛片312がリバース制御レバー341の係合ピン
343の前方への移動を阻止する位置に来ている。従っ
て、録音が開始されても下側の切換レバー204が前方へ
移動されることはないので、同図に示すように、連結レ
バー237の被押圧片241は押圧レバー234の他方の腕234b
の先端部の回動軌跡から外れた位置に保持されることに
なる。即ち、オートリバースされ得る状態に保持される
ことになる。従って、この状態においてフォワード録音
が開始され、そのテープエンドに来たときはオートシャ
ットオフされることなく、今度は自動的にリバース録音
が行なわれることになる。
(x.誤消去防止の制御動作) 上記したところから誤消去防止機構261による誤消去
防止の制御動作は明らかであるが、ここで、もう一度、
それを整理して述べることにする。
(x−1.フォワード録音、リバース録音共に「不可」と
されたテープカセットが装着された場合)[第15図、第
16図] フォワード録音もリバース録音も「不可」とするテー
プカセット、即ち、F側状態指示片260aとR側状態指示
片260bがいずれも折り取られたテープカセットが装着さ
れた場合は、いずれのテープ走行方向が選択されても録
音を行なうことができない。
即ち、この場合はF側状態検出レバー307及びR側状
態検出レバー308はいずれも後方へ押圧されることがな
いので、テープ走行方向がフォワード方向とされたとき
は、第15図に示すように、F側ロックレバー293が被制
御レバー262の動きを阻止し、テープ走行方向がリバー
ス方向とされたときは、第16図に示すように、R側ロッ
クレバー294が被制御レバー262の動きを阻止することに
なる。
(x−2.フォワード録音のみを「可」とするテープカセ
ットが装着された場合)[第17図] フォワード録音のみを可とするテープカセット、即
ち、R側状態指示片260bのみが折り取られたテープカセ
ットが装着された場合、テープ走行方向がフォワード方
向とされた場合のみ録音ボタンの押し込みが可能とさ
れ、また、フォワード録音が開始された後テープエンド
に来ると、オートシャットオフされることになる。
即ち、この場合はF側状態検出レバー307のみが後方
へ押圧されるため、F側ロックレバー293は非ロック位
置に保持されるが、R側ロックレバー294はテープ走行
方向がリバース方向とされたときはロック位置へ来るこ
とになる。従って、被制御レバー262はテープ走行方向
がフォワード方向とされたときのみ押し込まれることが
可能となる。
また、この場合、フォワード録音が開始されると、即
ち、被制御レバー262が押し込まれると、リバース制御
レバー341がオートリバース解除位置へと移動されるた
め、F側の切換レバー204が前方へ移動されることにな
る。従って、連結レバー237の被押圧片241がレバー234
によって左側へ押圧され得る位置へ来るので、テープエ
ンドの状態になったときはオートシャットオフされるこ
とになる。即ち、リバース録音が行なわれることはな
い。
尚、この場合被制御レバー262が押し込まれることに
よって、F側消去ヘッド329が前進位置へと移動される
ことになる。
(x−3.リバース録音のみを「可」とするテープカセッ
トが装着された場合)[第18図] リバース録音のみを「可」とするテープカセット、即
ち、F側状態指示片260aのみが折り取られたテープカセ
ットが装着された場合は、テープ走行方向がリバース方
向とされた場合のみ録音ボタン7の押し込みが可能とさ
れる。
即ち、この場合は、R側状態検出レバー308のみが後
方へ押圧されるため、R側ロックレバー294は非ロック
位置に保持されるが、F側ロックレバー293はテープ走
行方向がフォワード方向とされたときロック位置へ来る
ことになる。従って、被制御レバー262はテープ走行方
向方向がリバース方向とされた場合のみ押し込まれるこ
とが可能となる。
尚、前記したように、テープレコーダ1には開蓋時走
行方向規定機構216が設けられているため、テープカセ
ットが装着された時点でテープ走行方向は、常に、フォ
ワード方向とされている、従って、この場合のテープカ
セットについてリバース録音をしようとするときは、先
ず、テープ走行方向をリバース方向へ切換える必要があ
る。
そして、この場合、被制御レバー262が押し込まれる
ことによって、R側消去ヘッド239′が前進位置へと移
動されることになり、また、テープエンドになるとオー
トシャットオフされることになる。
(x−4.フォワード録音、リバース録音共に「可」とす
るテープカセットが装着された場合)[第17図、第19
図] フォワード録音、リバース録音共に「可」とするテー
プカセット、即ち、F側状態指示片260a及びR側状態指
示片260bがいずれも残されたままのテープカセットが装
着された場合はテープ走行方向がいずれの方向であって
も、録音ボタン7を押し込むことが可能とされ、また、
フォワード録音からテープエンドの状態になったときは
自動的にリバース録音されることになる。
即ち、この場合、F側状態検出レバー307及びR側状
態検出レバー308がいずれも後方へ押圧されるため、こ
れらは検出完了位置に保持されることになる。これによ
って、F側ロックレバー293もR側ロックレバー294もず
れも非ロック位置に保持されることになるので、被制御
レバー262はテープ走行方向がいずれの方向とされても
押し込まれることが可能となる。
尚、テープの走行方向がフォワード方向とされた状態
で被制御レバー262が押し込まれたときはF側消去ヘッ
ド329が前進位置へと移動され、テープの走行方向がリ
バース方向とされた状態で被制御レバー262が押し込ま
れたときはR側消去ヘッド329′が前進位置へと移動さ
れることになる。
また、この場合、リバース制御レバー341はR側状態
検出レバー308によってオートリバース可能位置に保持
されているので、オートリバース動作及びオートシャッ
トオフ動作は、前記したように行なわれることになる。
(G.発明の効果) 以上に記載したところから明らかなように、本テープ
レコーダにおける誤消去防止機構は、テープの走行方向
がフォワード方向とリバース方向のいずれの場合でもテ
ープに対する録音を行なうことができるとともに、テー
プを自動的に反転走行させることができる機構及びテー
プエンドの状態になるとテープの走行を自動的にストッ
プさせることができるオートシャットオフ機構を備えた
テープレコーダにおける誤消去防止機構であって、所定
の位置まで移動されることによって録音を行なう録音モ
ードを形成する録音レバーと、テープ走行方向をフォワ
ード方向とするとき第1の位置へと移動され、リバース
方向とするとき第2の位置へと移動される摺動部材と、
該摺動部材が第1の位置へと移動されたときこの移動に
伴いリンク機構によって上記録音レバーの動きを阻止す
る位置へと移動されるフォワード側のロックレバーと、
上記摺動部材が第2の位置へと移動されたときこの移動
に伴いリンク機構によって上記録音レバーの動きを阻止
する位置へと移動されるリバース側のロックレバーと、
テープのフォワード走行時における録音を禁止するか否
かを指示する指示部材が録音を禁止しない指示状態とさ
れたテープカセットが装着されたときは上記フォワード
側のロックレバーを録音レバーの動きを阻止しない位置
に保持するフォワード側の状態検出部材と、テープのリ
バース走行時における録音を禁止するか否かを指示する
指示部材が録音を禁止しない指示状態とされたテープカ
セットが装着されたときは上記リバース側のロックレバ
ーを録音レバーの動きを阻止しない位置に保持するリバ
ース側の状態検出部材と、リバース側の状態検出部材の
録音を禁止する指示状態に応じ、録音レバーと一体的に
移動する被制御レバーの移動に伴いリンク部材によって
リバース制御レバーをオートリバースを解除する位置へ
移動させるオートリバース制御手段と、を備え、録音可
能な方向から録音禁止の他方向へのテープ走行の反転の
際に、上記オートリバース制御手段が上記オートシャッ
トオフ機構を作動させるようにしたことを特徴とする。
即ち、本発明は、テープカセットが装着される前の状
態においては、いずれのテープ走行方向が選択されてい
ても当該選択されたテープ走行方向に対応した側のロッ
クレバーによって録音レバーの動きを阻止しておくと共
に、装着されたテープカセットに設けられた録音を禁止
するか否かを指示する指示部材のうちの現在選択されて
いるテープ走行方向と対応した側のものが「録音可」の
状態とされている場合は前記ロックレバーによる録音レ
バーに対する動きの阻止が解除されるようにしたもので
ある。
従って、本発明によれば、テープ走行方向がフォワー
ド方向とリバース方向のいずれが選択されている場合で
もテープカセット側の録音に関する指示状態に応じ録音
レバーの移動操作に連動させて録音を行なうか否かを制
御することができる。
しかも、そのような録音の制御を電磁ブランジャー等
の駆動手段や電気的な検出手段を何ら用いることなく行
なうことができると共に、極めて少ない数の部材によっ
て行なうことができるので、構造が大型、複雑になるこ
ともなく、重量が増すこともない。
更に、本発明においては、フォワード録音のみ「録音
可」とされたテープカセットが装着された場合は、フォ
ワード録音におけるテープエンドの状態となったときそ
の録音動作が自動的に停止されるようにしたが、このよ
うにすることによって、所謂オートリバース機能を備え
たテープレコーダであっても、テープカセット側の録音
に関する指示状態に従って、録音動作を確実に制御する
ことができる。
尚、前記した実施例においては、ロックレバーを録音
レバーの動きを阻止する位置へと移動せしめる摺動部材
として、テープの走行方向を切換えるためのディレクシ
ョンスライダーと一体的に移動されるサブスライダーを
用いるようにしたが、この摺動部材としてディレクショ
ンスライダーを直接的に用いるようにしても良い。
そして、前記した実施例においては、本発明を録音及
び再生を行なうことができるテープレコーダにおける誤
消去防止機構として適用したものを示したが、本発明は
録音のみを行なうテープレコーダにも適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明テープレコーダにおける誤消去防止機構の
実施の一例を示すものであり、第1図はストップ状態に
おけるテープレコーダのメカデッキを一部省略して示す
平面図、第2図はテープレコーダの外観図、第3図はス
トップ状態におけるテープレコーダのメカデッキの全体
を示す平面図、第4図はテープ走行がリバース方向とさ
れた状態におけるテープレコーダのメカデッキを一部省
略して示す平面図、第5図はリール台駆動系の一部を示
す要部平面図、第6図は伝達ギヤブロックの拡大斜視
図、第7図はロック状態におけるテープ走行方向の切換
機構の一部を示す要部平面図、第8図はロックが解除さ
れた状態におけるテープ走行方向の切換機構の一部を示
す要部平面図、第9図はストップモードから再生モード
が形成されるときの動作を示すメカデッキの要部平面
図、第10図は走行方向切換ギヤの拡大平面図、第11図は
第1図におけるXI−XI線に沿う断面図、第12図(A)乃
至(C)はオートリバース機構によるオートリバース動
作を(A)から(C)へ順を負って示す要部平面図、第
13図はカムギヤの斜視図、第14図は安全機構を示す要部
平面図、第15図は録音モード以外のモードにおいてテー
プ走行方向がフォワード方向とされた状態における誤消
去防止機構を示す要部平面図、第16図は録音モード以外
のモードにおいてテープ走行方向がフォワード方向とさ
れた状態における誤消去防止機構を示す要部平面図、第
17図はフォワード録音モードにおける誤消去防止機構を
示す要部平面図、第18図はリバース録音モードにおける
誤消去防止機構を示す要部平面図、第19図はテープ走行
方向がフォワード方向とされた状態からテープのリバー
ス走行時における録音が禁止されていないテープカセッ
トが装着された場合の誤消去防止機構の一部を示す要部
平面図、第20図は誤消去防止機構の要部を分解して示す
斜視図、第21図はテープカセットの一例を示す斜視図で
ある。 符号の説明 1……テープレコーダ、79……録音レバー、224……テ
ープを自動的に反転走行させる機構、236……オートシ
ャットオフ機構、258……テープカセット、260a、260b
……指示部材、261……誤消去防止機構、262……被制御
レバー、273……摺動部材、293……フォワード側のロッ
クレバー、294……リバース側のロックレバー、307……
フォワード側の状態検出部材、308……リバース側の状
態検出部材、335、336、337……リンク部材、341……リ
バース制御レバー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テープの走行方向がフォワード方向とリバ
    ース方向のいずれの場合でもテープに対する録音を行な
    うことができるとともに、テープを自動的に反転走行さ
    せることができる機構(224)及びテープエンドの状態
    になるとテープの走行を自動的にストップさせることが
    できるオートシャットオフ機構(236)を備えたテープ
    レコーダにおける誤消去防止機構(261)であって、 所定の位置まで移動されることによって録音を行なう録
    音モードを形成する録音レバー(79)と、 テープ走行方向をフォワード方向とするとき第1の位置
    へと移動され、リバース方向とするとき第2の位置へと
    移動される摺動部材(273)と、 該摺動部材が第1の位置へと移動されたときこの移動に
    伴いリンク機構によって上記録音レバーの動きを阻止す
    る位置へと移動されるフォワード側のロックレバー(29
    3)と、 上記摺動部材が第2の位置へと移動されたときこの移動
    に伴いリンク機構によって上記録音レバーの動きを阻止
    する位置へと移動されるリバース側のロックレバー(29
    4)と、 テープのフォワード走行時における録音を禁止するか否
    かを指示する指示部材(260a)が録音を禁止しない指示
    状態とされたテープカセット(258)が装着されたとき
    は上記フォワード側のロックレバーを録音レバーの動き
    を阻止しない位置に保持するフォワード側の状態検出部
    材(307)と、 テープのリバース走行時における録音を禁止するか否か
    を指示する指示部材(260b)が録音を禁止しない指示状
    態とされたテープカセット(258)が装着されたときは
    上記リバース側のロックレバーを録音レバーの動きを阻
    止しない位置に保持するリバース側の状態検出部材(30
    8)と、 リバース側の状態検出部材(308)の録音を禁止する指
    示状態に応じ、録音レバー(79)と一体的に移動する被
    制御レバー(262)の移動に伴いリンク部材(335、33
    6、337)によってリバース制御レバー(341)をオート
    リバースを解除する位置へ移動させるオートリバース制
    御手段と、を備え、 録音可能な方向から録音禁止の他方向へのテープ走行の
    反転の際に、上記オートリバース制御手段が上記オート
    シャットオフ機構を作動させるようにした ことを特徴とするテープレコーダにおける誤消去防止機
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