JP2502156Y2 - 残留ガス抜き機構付容器 - Google Patents

残留ガス抜き機構付容器

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JP2502156Y2
JP2502156Y2 JP1989077456U JP7745689U JP2502156Y2 JP 2502156 Y2 JP2502156 Y2 JP 2502156Y2 JP 1989077456 U JP1989077456 U JP 1989077456U JP 7745689 U JP7745689 U JP 7745689U JP 2502156 Y2 JP2502156 Y2 JP 2502156Y2
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剛弘 奥田
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ポーラ化成工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、残留ガス抜き機構に関し、更に詳しくは、
エアゾール容器の残留ガス抜き機構付容器に関する。
〔従来の技術〕
従来、エアゾール容器の残留ガス抜き機構として、第
4図に示すような構造が知られている。すなわち、エア
ゾール容器30の底部の一部が肉薄に形成されて薄肉部31
が形成されている。一方、容器30の底部に係止するピン
ホルダー32が、エアゾール容器30の本体容器の附属物と
して設けられている。ピンホルダー32は、下面の一部に
スライド33が設けられており、意識的な人的力を受ける
とスライド33はわずかに平行移動する構造になってい
る。しかも、そのピンホルダー32にはピン34が設けられ
ており、ピンホルダー32のスライド33が平行移動する
と、ピン34はエアゾール容器30の底部の薄肉部31を貫通
できるようになっている。
また、特開昭63-79384号公報には、エアゾール容器に
ついて、底部に高圧ガス充填用の逆止弁を設けて形成さ
れている残留ガス抜き機構付容器が記載されている。
残留ガス抜き機構がエアゾール容器に設けられている
のには理由がある。すなわち内容物を放出して空になっ
たと思われるエアゾール容器内に、なお噴射ガスが残留
していることは少なくない。そのため、そのようなエア
ゾール容器がそのまま廃棄されると、しばしば思いがけ
ないところで爆発事故を引き起こす危険性がある。
そして、実開昭60-49396号公報には、容器主体の底部
にガス抜き用孔部を設け、このガス抜き用孔部を、底部
の内側に接着したプラスチック等の閉鎖手段で閉鎖し、
この閉鎖手段を底部から剥離又は破損できるようにした
ものが記載されている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、ピンホルダー32が容器底に設けられている
ような構造の残留ガス抜き機構では、ピンホルダー32の
下面が意識的な人的力を受けると、下面がわずかに平行
移動し、中に設けられているピン34がエアゾール容器30
の薄肉部31に突き刺さる。ただし、ピン34が刺さった状
態のままでは、容器内の残留ガスが排出されることはほ
とんどんない。つまり、残留ガスが十分排出されるに
は、いったん突き刺さったピン34が再び引き抜かれなけ
ればならない。ところが実際には、薄肉部31に突き刺っ
たピン34が容器壁に引っかかって抜けず、そのため、ピ
ンホルダータイプの従来の残留ガス抜き機構では、残留
ガスが十分排出されないという不都合がしばしば生じる
という問題点があった。
しかも、ピンホルダー32が容器底に用いようとする
と、エアゾール容器全体の大きさはやむを得ず大きくな
ってしまう。そのため、従来のこのような残留ガス抜き
機構を小型容器に設けようとすれば、デザイン上の制約
を受けなければならないという問題点があった・ また、底部に高圧ガス充填用の逆止弁を設けて形成さ
れるタイプの従来の残留ガス抜き機構付容器は、構造が
複雑でしかも高価であり、エアゾール容器一般に幅広く
応用することは非常に難しいという問題点があった。
そして、ガス抜き用孔部を設けた底部の内側にプラス
チック等の閉鎖手段を接着したものは、閉鎖手段の接着
後の容器主体の加工や移送等において、閉鎖手段の剥離
等が発生する虞れがある。
本考案は、上記のような従来の問題点を解消するた
め、残留ガスを十分排出することができ、しかも、容器
の大小にかかわらずデザイン上でも広く応用可能で、機
構的に単純で、経済的で安価で、しかも剥離等の虞れの
ない残留ガス抜き機構付容器を提供することを技術的課
題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は上記のような課題を解決するため、エアゾー
ル用の金属製の容器体1の底40に、貫通孔2が設けら
れ、貫通孔2には、貫通孔2を閉鎖する合成樹脂製のイ
ンサート成形体3が設けられ、インサート成形体3は、
底40の孔縁部41の内面に当接する内側成形体42と、孔縁
部41の外面に当接する外側成形体43が、孔縁部41を挟ん
で一体に形成され、外側成形体43の外面には、容易に削
り落とされる凸部4が形成され、インサート成形体3に
は、内側成形体42の内面から凸部4の内部内にまで至る
連通孔5が形成されている残留ガス抜き機構付容器とし
た。
〔作用〕
本考案の容器体1の底40に設けられた貫通孔2を閉鎖
するインサート成形体3は、底40の孔縁部41の内面に当
接する内側成形体42と、孔縁部41の外面に当接する外側
成形体43が、孔縁部41を挟んで一体となるように形成さ
れているので、インサート成形体3は、装着後の容器の
加工や移送等によっても、剥離等する虞れがない。
そして、凸部4が削り落とされない限りインサート成
形体3は、貫通孔2から噴出しようとする噴射ガスの噴
き出しを阻止する。凸部4が削り落とされると貫通孔5
が開通されて噴射ガスが放出する。
〔実施例〕
以下、図面を交えながら本考案の実施例を説明する。
エアゾール用の金属製の容器の円筒状の容器体1は、
モノブロック缶、ツーピース缶、あるいは、スリーピー
ス缶などとしての構造を備えており、アルミニウム、鋼
板、あるいはステンレススチールなどで形成され、底40
は外周を残し、広く中心側が円筒容器の内方に向かって
後退し、結果的に周縁部が突き出ているような形状を備
えている。
第1図に示すように、後退している容器体1の底40の
中心には円形の貫通孔2が設けられ、この貫通孔2に
は、貫通孔2を閉鎖する上下面平坦なインサート成形体
3が設けられている。
インサート成形体3は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアミド、アイオノマー樹脂、AB
S樹脂、熱可塑性エラストマー、あるいはニトリル系樹
脂などで形成されている。特に、インサート成形体3は
高密度ポリエチレン、あるいはアイオノマー樹脂などで
形成されているとよい。
インサート成形体3は、底40の孔縁部41の内面に当接
する内側成形体42と、孔縁部41の外面に当接する外側成
形体43が、孔縁部41を挟んで一体に形成され、外側成形
体43の外面の中心には刃物などで容易に削り落とすこと
のできる小さな凸部4が形成されている。また、そのイ
ンサート成形体3には、内側成形体42の内面の中心か
ら、凸部4の内部内にまで至る直線的な、内径の小さい
連通孔5が形成されている。
なお、本実施例では、凸部4の根元から第1図にXXで
示す線に沿って凸部4を削り落とすと、容器内の噴射ガ
スが排出される。仮に容器体1底部に噴射ガス以外の充
填内容物が残留していても、連通孔5の直径が十分大き
い限り充填内容部が連通孔5を塞ぐことない。
本実施例の残留ガス抜き機構付容器の製造装置は例え
ば次のように形成されるとよい。
第3図に示されるように、長軸方向に上下動自在に進
退する挿入ロッド10を設け、その挿入ロッド10の下端に
は、周囲が輪状に垂れ下がった第1の輪状突起11が形成
され、第1の輪状突起11の突き出し長さより突き出し長
さが十分に大きく、しかも細い、柱状突起12が第1の輪
状突起11の輪の中心に垂下し、第1の輪状突起11と柱状
突起12とで第1の型13が構成されている。
一方、挿入ロッド10の下方には水平な受け台14が設け
られている。受け台14の上面で、第1の輪状突起11が当
接すると予想される円内には、第1の輪状突起11と同じ
直径の円盤15が設けられ、円盤15の周縁部には上端が第
1の輪状突起11に当接可能な第2の輪状突起16が設けら
れている。円盤15には円盤15の高さ分よりは底の浅い凹
部17が形成されている。なお、第2の輪状突起16と凹部
17とで第2の型18が構成されている。第1の輪状突起11
と第2の輪状突起16とが互いに当接すると、柱状突起12
の先端部は凹部17内に十分なクリアランスを形成して凹
部17内に挿入されるようになっている。
また、円盤15上面に一端側が開口し、水平な受け台14
の下面に他端側が開口した溶融樹脂流通路19が円盤15を
貫通して設けられている。
本実施例の残留ガス抜き機構付容器は、次のようにし
て製造される。
底部に貫通孔2が設けられている容器体1を、位置決
めロッド20に案内させて第3図に示すように水平な受け
台14の上に置き、容器体1の貫通孔2の周囲部を、第1
の型13の第1の輪状突起11と第2の型18の第2の輪状突
起16とで、容器体1の内外から挟み、第1の型13の柱状
突起12の先端部を第2の型18内に凹部17に挿入する。
次いで、溶融樹脂流通路19から溶融樹脂を圧送し、第
1の型13と第2の型18との間に形成されるキャビティ21
内で溶融樹脂を固化させる。
このような方法により、容器体1の底に貫通孔2が設
けられており、その貫通孔2にインサート成形体3が設
けられており、そのインサート成形体3はエアゾール容
器の外面となる部分に、容易に削り落とされる凸部4が
形成され、容器体1の内側から入って凸部4の内部内に
まで至る連通孔5が形成されている残留ガス抜き機構が
形成される。
次いで、容器体1内に噴射ガスを混合した液体化粧料
などが充填されて噴霧バルブ6が装着され、マウンテン
カップ7を介してかしめられると、エアゾール容器が形
成される。
容器体1内の液体化粧料が完全に放出された場合、イ
ンサート成形体3の凸部4を刃物などで削り落とすと、
容器体1内の噴射ガスは容易に放出される。
なお、第2図に示すように、容器体1の底部中心の貫
通孔2周囲は容器体1の内側に向かってカールされ、係
合部8が形成されているとインサート成形体と容器体1
との気密性が高まって好ましい。
〔考案の効果〕
本考案は、容器体1の底40に設けられた貫通孔2を閉
鎖するインサート成形体3が、底40の孔縁部41の内面に
当接する内側成形体42と、孔縁部41の外面に当接する外
側成形体43が、孔縁部41を挟んで一体に形成されている
ので、インサート成形体3は、装着後の容器の加工や移
送等によっても、底40から剥離等する虞れはない。そし
て、本考案は上記のような構成で形成されているから、
残留ガスを十分排出することができ、しかも、容器の大
小にかかわらずデザイン上でも広く応用可能で、機構的
に単純で、経済的で安価な残留ガス抜き機構付容器を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の残留ガス抜き機構付容器の実施例を示
す断面図、第2図は貫通孔をカール状に形成した状況を
示す断面図、第3図は本考案の製造方法を示す断面図、
第4図は従来の残留ガス抜き機構付容器を示す断面図で
ある。 1……容器体、2……貫通孔 3……インサート成形体、4……凸部 5……連通孔、40……底 41……孔縁部、42……内側成形体 43……外側成形体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアゾール用の金属製の容器体1の底40
    に、貫通孔2が設けられ、貫通孔2には、貫通孔2を閉
    鎖する合成樹脂製のインサート成形体3が設けられ、イ
    ンサート成形体3は、底40の孔縁部41の内面に当接する
    内側成形体42と、孔縁部41の外面に当接する外側成形体
    43が、孔縁部41を挟んで一体に形成され、外側成形体43
    の外面には、容易に削り落とされる凸部4が形成され、
    インサート成形体3には、内側成形体42の内面から凸部
    4の内部内にまで至る連通孔5が形成されている残留ガ
    ス抜き機構付容器。
JP1989077456U 1989-06-30 1989-06-30 残留ガス抜き機構付容器 Expired - Lifetime JP2502156Y2 (ja)

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JPH0317084U JPH0317084U (ja) 1991-02-20
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