JP2501829B2 - 合成樹脂製シ−ト体 - Google Patents

合成樹脂製シ−ト体

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JP2501829B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,和紙,織物,皮等の質感および感触をもつ
合成樹脂製シート体に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリエチレン樹脂等の合成樹脂製シート体は,可撓
性,耐内容物性,耐薬品性,引っ張り強さ等に優れると
共に,安価かつ簡単に製造出来,加工性に優れているこ
と等の理由によりチューブ容器をはじめとする各種容器
の材料として広く利用されている。
この合成樹脂製シート体のもつ大きな特長は,その表
面が極めて平滑であるため汚れ難く,たとえ汚れが付着
しても簡単に拭き取ることができること,そして,外観
が光沢性に富んでいることである。そのため,外観は冷
たい感じのものとなっていた。
この外表面が平滑で冷たい感じのする合成樹脂性シー
ト体に,和紙,織物,皮等の質感および感触を持たせる
ために,本出願人は,先に,第3図に示すシート体を出
願した(特願昭60-39530号)。これは,シート体の主構
成層である主体層1の外表面に発泡樹脂層2を形成し,
その発泡樹脂層2の外表面に印刷層4を,そしてさらに
その上にグラデーションマットコート層5を形成したも
のである。こうすることによって,発泡樹脂層2のもつ
柔らかみおよび温かみ,そしてグラデーションマットコ
ート層5のもつつや消し効果とによって和紙,織物,皮
等の質感および感触を引き出すことが出来ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし,この従来のシート体に改善されるべき問題が
ある。それは,発泡樹脂層2の表面はでこぼこした粗面
であるため,その表面上に印刷層4がうまくのらず,そ
の結果,その印刷層4によって形成される模様が設定通
りに現出されないことである。又,粗面であるため,印
刷層4の発泡樹脂層2に対する接着が必ずしも充分とは
言えなかった。
本発明は,こうした問題に鑑み考えられたもので,印
刷層4が確実に形成されると共に,和紙,織物,皮等の
質感および感触を現出する合成樹脂製シート体を提供す
ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そのため,チューブ容器を形成した場合に,内側か
ら,主体層1,発泡樹脂層2,印刷層4,グラデーションマッ
トコート層5とから成る合成樹脂製シート体において,
前記した発泡樹脂層2と印刷層4との間に,発泡樹脂層
2と同じ材質で形成した軟質樹脂層3を設け,その軟質
樹脂層3の表面に印刷層4を形成することとした。
〔作用〕
発泡樹脂層2と印刷層4との間に,発泡樹脂層2と同
じ材質で形成した軟質樹脂層3を設けたことによって,
まず発泡樹脂層2と軟質樹脂層3が強固に接着する。発
泡樹脂層2の表面は,粗面であるが,軟質樹脂層3は,
その発泡樹脂と同じ材料でかつ軟質であるためである。
又,印刷層4は,軟質樹脂層3上にうまくのると共
に,強固に接着する。軟質樹脂層3の表面は発泡樹脂層
2のように凸凹した粗面でなく,滑らかであり,かつ軟
質であるからである。
この合成樹脂製シート体において,発泡樹脂層2は,
このシート体の外表面に柔らかみと温かみを現出させる
はたらきをする。
印刷層4は,現出させようとする製品,例えば和紙,
織物,皮等に応じて形成することが出来,例えば和紙を
現出させたい場合には,例えば淡い色調でくすんだ感じ
の絵模様とすると良い。
又,グラデーションマットコート層5は,合成樹脂製
シート体の外表面をつや消し状態にするためのもので,
このグレデーションマットコート層5により印刷層4に
よって現出される模様や色合いが柔らかくかつ温かみの
あるものとして現れると共に,発泡樹脂層2の柔らかみ
および温かみがより強調されることになる。
〔実施例〕
第1図に,一実施例を示す。これは主体層1,発泡樹脂
層2,軟質樹脂層3とも全て軟質ポリエチレン樹脂で成形
したものである。又,グラデーションマットコート層5
は,コート液中にシリカ系物質を添加して分散させた材
料により成形したもので,それ自体が細かい凹凸を成形
して,つや消し効果を発揮している。
上記の実施例の他,例えば,必要に応じて耐内容物性
を高めたい場合には,主体層1と発泡樹脂層2を硬質の
ポリエチレン樹脂で形成することによって,その目的を
達成することが出来る。
又,発泡樹脂層2を,硬質のポリエチレン樹脂で成形
することによって濁りが濃くなり,軟質ポリエチレン樹
脂で成形した場合と比較して,柔らかみと温かみがより
強調されるものとなる。
主体層1は,透明あるいは着色不透明にすることが出
来,透明とした場合シート体の外観色は主として印刷層
4にによって定まる。
主体層1を着色不透明とすると,これによって光を遮
断することが出来,光によって変質し易い内容物を収納
する場合に適している。又,これによって外観の点にお
いても柔らかみと温かみを含んだ濃い重量感を現出する
ことが出来る。
第2図は,本発明によるシート体によって形成された
チューブ容器を示すものである。これは主体層1を軟質
ポリエチレン樹脂製で濃い紅色とし,その上に軟質ポリ
エチレン樹脂製の発泡樹脂層2,および軟質樹脂層3,そし
てその表面に銀色の印刷層4およびグラデーションマッ
トコート層5を形成している。これによって,深みのあ
る紅色の表面に銀色の模様が調和して全体に柔らかくて
温かみのある色合いを現出することが出来ている。
〔発明の効果〕
このように本発明は,発泡樹脂層の外表面上に軟質樹
脂層を形成したので,その表面上に形成される印刷層が
うまくのって所望の模様等を確実に形成すると共に,強
固に接着する。
又,発泡樹脂層およびグラデーションマットコート層
のはたらきによって柔らかみと温かみのある,和紙,織
物,皮等のような質感および感触を持つシート体やそれ
によって形成されるチューブ容器等を製作することが出
来る。
さらに,軟質樹脂層を設けたことによって,シート体
の層構造の強化にもつながるといった優れた効果も併せ
て発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図,第2図は本発
明のシート体によって成形されたチューブ容器を示す一
部拡大断面図,第3図は従来技術を示す断面図である。 符号の説明 1:主体層,2:発泡樹脂層,3:軟質樹脂層,4:印刷層,5:グラ
デーションマットコート層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン樹脂等の合成樹脂材料で成形
    され,チューブ容器等を形成する積層のシート体であっ
    て, 主体層(1)と, 該主体層(1)の外表面に形成された発泡樹脂層(2)
    と, 該発泡樹脂層の外表面に,該発泡樹脂層(2)と同じ材
    質で形成された軟質樹脂層(3)と, 該軟質樹脂層(3)の外表面に形成された印刷層(4)
    と, 該印刷層(4)の外表面に形成されたグラデーションマ
    ットコート層(5)とから成る合成樹脂製シート体。
  2. 【請求項2】前記主体層(1)および前記発泡樹脂層
    (2)を硬質ポリエチレン樹脂で形成すると共に,前記
    軟質樹脂層(3)を軟質ポリエチレン樹脂で形成して成
    る特許請求の範囲第1項に記載の合成樹脂製シート体。
  3. 【請求項3】前記主体層(1)を着色不透明として成る
    特許請求の範囲第1項および第2項に記載の合成樹脂製
    シート体。
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