JP2501787B2 - ディ―ゼルエンジンの吸気制御装置 - Google Patents
ディ―ゼルエンジンの吸気制御装置Info
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- JP2501787B2 JP2501787B2 JP60203902A JP20390285A JP2501787B2 JP 2501787 B2 JP2501787 B2 JP 2501787B2 JP 60203902 A JP60203902 A JP 60203902A JP 20390285 A JP20390285 A JP 20390285A JP 2501787 B2 JP2501787 B2 JP 2501787B2
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- Japan
- Prior art keywords
- intake
- engine
- speed
- cranking
- negative pressure
- Prior art date
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
Landscapes
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はディーゼルエンジンの吸気制御装置に係り、
詳しくは、ディーゼルエンジンにおける始動時に吸気通
路を遮閉することにより、クランキング回転数を増大さ
せて始動を容易にするようにした吸気制御装置に関する
ものである。
詳しくは、ディーゼルエンジンにおける始動時に吸気通
路を遮閉することにより、クランキング回転数を増大さ
せて始動を容易にするようにした吸気制御装置に関する
ものである。
(従来の技術) ディーゼルエンジンにおいては、寒冷時には、オイル
粘度が大きくなることによる機械的負荷の増大や、バッ
テリの性能低下に伴うスタータモータの出力不足などに
より、クランキング回転数が常温時よりもかなり低下す
ることに加え、吸気温度が低いことなどの要因が重な
り、始動性が著しく低下する。従来、寒冷時の始動性を
向上するため、始動時に一時的に吸気通路を遮閉するこ
とにより吸気を遮断し、ピストンの圧縮運動に要する力
を軽減してクランキング回転数を増大させるようにした
吸気制御装置が用いられている。すなわち、始動時、吸
気を遮断すれば、気筒内の圧力はピストンの下降に伴っ
て負圧となりピストン抵抗は増えるものの、ピストン上
昇時は逆にこの負圧によって引き上げられてピストンの
動きがアシストされるので、ピストンに対しての負荷は
理論的にはプラス・マイナスで零になる(尚、ピストン
上死点では気筒内圧力は大気圧となる)のに対し、吸気
を導入すると、この吸気を圧縮するための圧縮仕事(例
えば圧縮比を20とすれば吸気を1/20の容量にまで圧縮す
る仕事)が余分に付加される。因みに、スタータモータ
での駆動初期には、着火が十分に行われていないため、
燃焼による仕事がなく、この圧縮仕事分が付加されるこ
とになる。したがって、始動時、吸気を遮断すれば上記
圧縮仕事分が軽減できるのである。
粘度が大きくなることによる機械的負荷の増大や、バッ
テリの性能低下に伴うスタータモータの出力不足などに
より、クランキング回転数が常温時よりもかなり低下す
ることに加え、吸気温度が低いことなどの要因が重な
り、始動性が著しく低下する。従来、寒冷時の始動性を
向上するため、始動時に一時的に吸気通路を遮閉するこ
とにより吸気を遮断し、ピストンの圧縮運動に要する力
を軽減してクランキング回転数を増大させるようにした
吸気制御装置が用いられている。すなわち、始動時、吸
気を遮断すれば、気筒内の圧力はピストンの下降に伴っ
て負圧となりピストン抵抗は増えるものの、ピストン上
昇時は逆にこの負圧によって引き上げられてピストンの
動きがアシストされるので、ピストンに対しての負荷は
理論的にはプラス・マイナスで零になる(尚、ピストン
上死点では気筒内圧力は大気圧となる)のに対し、吸気
を導入すると、この吸気を圧縮するための圧縮仕事(例
えば圧縮比を20とすれば吸気を1/20の容量にまで圧縮す
る仕事)が余分に付加される。因みに、スタータモータ
での駆動初期には、着火が十分に行われていないため、
燃焼による仕事がなく、この圧縮仕事分が付加されるこ
とになる。したがって、始動時、吸気を遮断すれば上記
圧縮仕事分が軽減できるのである。
そして、このような吸気制御装置の1つに、吸気通路
に開閉自在な吸気シャッタを設け、この吸気シャッタの
開閉をスタータモータを駆動させるスイッチの操作に連
動させ、スタータモータを駆動させている間吸気シャッ
タを閉じるようにしたものがある。この装置によれば、
吸気シャッタの開閉動作は、もっぱらスタータモータの
スイッチを操作する操縦者の判断に委ねられることにな
るので、スタータモータを必要以上に駆動させたりする
などその操作が適切に行われない場合には、往々にして
バッテリの電力を過度に消費することとなる。
に開閉自在な吸気シャッタを設け、この吸気シャッタの
開閉をスタータモータを駆動させるスイッチの操作に連
動させ、スタータモータを駆動させている間吸気シャッ
タを閉じるようにしたものがある。この装置によれば、
吸気シャッタの開閉動作は、もっぱらスタータモータの
スイッチを操作する操縦者の判断に委ねられることにな
るので、スタータモータを必要以上に駆動させたりする
などその操作が適切に行われない場合には、往々にして
バッテリの電力を過度に消費することとなる。
この手動式の難点を解消するために、吸気シャッタの
開閉を自動的に行うようにしたものとして、例えば、特
公昭56-24792号公報に開示されたディーゼルエンジンの
始動促進機構がある。これは、モータに減速機構を介し
て連結した吸気シャッタ開閉用の運動変換機構と、この
運動変換機構と同期回転して180度回転毎にスタータス
イッチに連動したコントロールスイッチの開閉によって
モータへの電流回路を開閉するリミットスイッチ等を備
え、上記運動変換機構によって、吸気シャッタを開閉す
るようにした装置である。この装置は、特に、上記コン
トロールスイッチより上記リミットスイッチに至る間に
リレースイッチを介在させ、エンジン予熱用グロープラ
グの予熱完了を検知するセンサの働きをもとに、上記吸
気シャッタを一旦閉じるべく上記リレースイッチを切り
換え、かつ時限スイッチによりスタータ作動後も吸気シ
ャッタを一定時間だけ閉じ続けるようにしている。この
ような始動促進機構によれば、始動時にエンジンの予熱
が完了するまで吸気シャッタを閉じて吸気を遮断するこ
とで、クランキング回転数を増大させ、その後、時限ス
イッチでもって自動的に吸気シャッタを開くことができ
るので、手動式における上記した難点は解消される。
開閉を自動的に行うようにしたものとして、例えば、特
公昭56-24792号公報に開示されたディーゼルエンジンの
始動促進機構がある。これは、モータに減速機構を介し
て連結した吸気シャッタ開閉用の運動変換機構と、この
運動変換機構と同期回転して180度回転毎にスタータス
イッチに連動したコントロールスイッチの開閉によって
モータへの電流回路を開閉するリミットスイッチ等を備
え、上記運動変換機構によって、吸気シャッタを開閉す
るようにした装置である。この装置は、特に、上記コン
トロールスイッチより上記リミットスイッチに至る間に
リレースイッチを介在させ、エンジン予熱用グロープラ
グの予熱完了を検知するセンサの働きをもとに、上記吸
気シャッタを一旦閉じるべく上記リレースイッチを切り
換え、かつ時限スイッチによりスタータ作動後も吸気シ
ャッタを一定時間だけ閉じ続けるようにしている。この
ような始動促進機構によれば、始動時にエンジンの予熱
が完了するまで吸気シャッタを閉じて吸気を遮断するこ
とで、クランキング回転数を増大させ、その後、時限ス
イッチでもって自動的に吸気シャッタを開くことができ
るので、手動式における上記した難点は解消される。
(発明が解決しようとする課題) しかし、この始動促進機構においては、運転状態、と
りわけ機械的負荷に影響を及ぼすエンジン温度(エンジ
ン始動時の場合には外気温度にほぼ相当する)の状態に
応じてクランキング回転数の上昇時間が変化するため、
時限スイッチによって吸気シャッタを一定時間後に開け
る場合、本来、エンジン温度(外気温度)などに関係な
く、シリンダ内に吸気を導入して燃焼による十分な回転
上昇が望める回転数域であっても、未だ吸気シャッタを
閉じ続け、その分、スタータモータを停止させる回転域
までの到達時間が長くなり、バッテリ電力を無駄に使う
という問題がある。
りわけ機械的負荷に影響を及ぼすエンジン温度(エンジ
ン始動時の場合には外気温度にほぼ相当する)の状態に
応じてクランキング回転数の上昇時間が変化するため、
時限スイッチによって吸気シャッタを一定時間後に開け
る場合、本来、エンジン温度(外気温度)などに関係な
く、シリンダ内に吸気を導入して燃焼による十分な回転
上昇が望める回転数域であっても、未だ吸気シャッタを
閉じ続け、その分、スタータモータを停止させる回転域
までの到達時間が長くなり、バッテリ電力を無駄に使う
という問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みなされたもので、ディーゼ
ルエンジンにおいて、バッテリ電力を無駄に消費するこ
となく始動性の向上を図るようにしたディーゼルエンジ
ンの吸気制御装置を提供することを目的とする。
ルエンジンにおいて、バッテリ電力を無駄に消費するこ
となく始動性の向上を図るようにしたディーゼルエンジ
ンの吸気制御装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明の解決手段は、吸
気通路に設けられ、該吸気通路を開閉する吸気シャッタ
と、クランキング時においてスタータモータの駆動初期
では上記吸気シャッタを閉弁保持し、エンジン回転数に
関連するパラメータに基づいて、エンジン回転上昇時に
おけるエンジン回転数がアイドル回転数よりも低いエン
ジン自力回転可能な所定のクランキング回転数に到達し
たことを検出した時に、上記吸気シャッタを開弁するよ
うに制御する制御手段とを備えたものとする。
気通路に設けられ、該吸気通路を開閉する吸気シャッタ
と、クランキング時においてスタータモータの駆動初期
では上記吸気シャッタを閉弁保持し、エンジン回転数に
関連するパラメータに基づいて、エンジン回転上昇時に
おけるエンジン回転数がアイドル回転数よりも低いエン
ジン自力回転可能な所定のクランキング回転数に到達し
たことを検出した時に、上記吸気シャッタを開弁するよ
うに制御する制御手段とを備えたものとする。
(作用) これにより、本発明では、クランキング時において、
スタータモータの駆動初期では、吸気シャッタの閉弁保
持により吸気が遮断されることにより、ピストンは本来
の吸気の圧縮動作を行わず、もっぱら、負圧と大気圧の
間で往復動することになるので、ピストンの圧縮運動に
要する仕事量が軽減され、その分、クランク軸を回転さ
せるスタータモータの負荷が軽減されるとともにバッテ
リ容量が小さくて済む。その後、エンジン回転上昇時に
おけるエンジン回転数がアイドル回転数よりも低いエン
ジン自力回転可能な所定のクランキング回転数に到達す
ると、つまり、着火できるに十分な回転がクランク軸に
与えられた後は、自動的に吸気シャッタが開弁すること
で、吸気が行われて直ちに始動されるので、バッテリ電
力を無駄に消費することが回避される。
スタータモータの駆動初期では、吸気シャッタの閉弁保
持により吸気が遮断されることにより、ピストンは本来
の吸気の圧縮動作を行わず、もっぱら、負圧と大気圧の
間で往復動することになるので、ピストンの圧縮運動に
要する仕事量が軽減され、その分、クランク軸を回転さ
せるスタータモータの負荷が軽減されるとともにバッテ
リ容量が小さくて済む。その後、エンジン回転上昇時に
おけるエンジン回転数がアイドル回転数よりも低いエン
ジン自力回転可能な所定のクランキング回転数に到達す
ると、つまり、着火できるに十分な回転がクランク軸に
与えられた後は、自動的に吸気シャッタが開弁すること
で、吸気が行われて直ちに始動されるので、バッテリ電
力を無駄に消費することが回避される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
る。
−実施例I− 本実施例における吸気制御装置は、第1図に示すよう
に、ディーゼルエンジンの吸気通路1に吸気シャッタ2
が設けられているとともに、クランク軸3に連動して作
動するバキュームポンプ4と、上記吸気シャッタ2を開
閉操作するダイアフラム装置5と、該バキュームポンプ
4とダイアフラム装置5との間に介装された蓄圧バルブ
6とからなる制御手段Aが設けられたものである。この
制御手段Aは、クランク軸3に連動して駆動されるバキ
ュームポンプ4で発生する負圧が、蓄圧バルブ6の設定
負圧値より大きい値になると、蓄圧バルブ6が開弁して
ダイアフラム装置5に上記負圧を掛け、その作用により
吸気シャッタ2を開くようにしている。したがって、蓄
圧バルブ6の設定負圧値を適当に設定することにより、
クランキング時に、アイドル回転数よりも低い始動可能
(エンジン自力回転可能)な所定のクランキング回転数
に達するまで吸気シャッタ2を閉じてクランク軸3の回
転を容易にし、より早く着火可能な所定のクランキング
回転数に到達させることができる。所定のクランキング
回転数に到達した時点で吸気シャッタ2が自動的に開
き、吸気をシリンダ7内に導入するので、吸気は直ちに
所定圧まで圧縮され、着火されることになる。
に、ディーゼルエンジンの吸気通路1に吸気シャッタ2
が設けられているとともに、クランク軸3に連動して作
動するバキュームポンプ4と、上記吸気シャッタ2を開
閉操作するダイアフラム装置5と、該バキュームポンプ
4とダイアフラム装置5との間に介装された蓄圧バルブ
6とからなる制御手段Aが設けられたものである。この
制御手段Aは、クランク軸3に連動して駆動されるバキ
ュームポンプ4で発生する負圧が、蓄圧バルブ6の設定
負圧値より大きい値になると、蓄圧バルブ6が開弁して
ダイアフラム装置5に上記負圧を掛け、その作用により
吸気シャッタ2を開くようにしている。したがって、蓄
圧バルブ6の設定負圧値を適当に設定することにより、
クランキング時に、アイドル回転数よりも低い始動可能
(エンジン自力回転可能)な所定のクランキング回転数
に達するまで吸気シャッタ2を閉じてクランク軸3の回
転を容易にし、より早く着火可能な所定のクランキング
回転数に到達させることができる。所定のクランキング
回転数に到達した時点で吸気シャッタ2が自動的に開
き、吸気をシリンダ7内に導入するので、吸気は直ちに
所定圧まで圧縮され、着火されることになる。
寒冷時には、前述したような種々の要因が重なって始
動が容易でないため、スタータモータの負荷が大きくな
り、バッテリの容量も大きなものが必要とされる。しか
し、上述のように、エンジンの吸気通路1に開閉可能な
吸気シャッタ2を設け、クランキング時に、一時的に吸
気を遮断してピストン8の圧縮仕事を低減させるように
すると、スタータモータの負荷を小さくしてクランキン
グ回転数を高めることができる。したがって、より短い
時間で始動可能な所定のクランキング回転数に到達で
き、寒冷時にも容易に始動できかつバッテリ電力の消費
を低減することができる。
動が容易でないため、スタータモータの負荷が大きくな
り、バッテリの容量も大きなものが必要とされる。しか
し、上述のように、エンジンの吸気通路1に開閉可能な
吸気シャッタ2を設け、クランキング時に、一時的に吸
気を遮断してピストン8の圧縮仕事を低減させるように
すると、スタータモータの負荷を小さくしてクランキン
グ回転数を高めることができる。したがって、より短い
時間で始動可能な所定のクランキング回転数に到達で
き、寒冷時にも容易に始動できかつバッテリ電力の消費
を低減することができる。
なお、ディーゼルエンジンの始動可能となる、つまり
自力回転可能となるクランキング回転数は、100rpm前後
であるが、寒冷時、特に−20℃以下の極低温時にも確実
に始動できるためには、150rpm程度の回転数が必要とさ
れる。したがって、本実施例においては、極低温時にも
対応できる良好な始動性を得るため、クランキング回転
数が150rpm以下の状態で吸気シャッタ2を閉じて吸気を
遮断し、150rpm以上になれば直ちに自動的に吸気シャッ
タ2を開くようにしている。この場合、自動車用ディー
ゼルエンジンのアイドル回転数は、マニュアルトランス
ミッションを備えるか、オートマチックトランスミッシ
ョンを備えるかによって変化するが、少なくとも上記15
0rpmより高い650〜850rpmの範囲である。
自力回転可能となるクランキング回転数は、100rpm前後
であるが、寒冷時、特に−20℃以下の極低温時にも確実
に始動できるためには、150rpm程度の回転数が必要とさ
れる。したがって、本実施例においては、極低温時にも
対応できる良好な始動性を得るため、クランキング回転
数が150rpm以下の状態で吸気シャッタ2を閉じて吸気を
遮断し、150rpm以上になれば直ちに自動的に吸気シャッ
タ2を開くようにしている。この場合、自動車用ディー
ゼルエンジンのアイドル回転数は、マニュアルトランス
ミッションを備えるか、オートマチックトランスミッシ
ョンを備えるかによって変化するが、少なくとも上記15
0rpmより高い650〜850rpmの範囲である。
ところで、ディーゼルエンジンを搭載した車両にあっ
ては、制動のために真空倍力装置が設置され、その作動
源としてバキュームポンプ4が装備されている。このバ
キュームポンプ4は、上述した機能を発揮させるため
に、クランク軸3の回転数にほぼ比例した負圧を発生さ
せることができる。本実施例にあっては、バキュームポ
ンプ4を利用し、クランキング回転数150rpmに対応して
発生される負圧値を蓄圧バルブ6の設定負圧値とし、そ
れより大きい負圧が蓄圧バルブ6に作用すれば、開弁す
るようにする。蓄圧バルブ6が開弁すれば、直ちにダイ
アフラム装置5に負圧が掛かり、ダイアフラム5aを負圧
室5bの方向に変位させる。このダイアフラム5aにはロッ
ド5cを介してレバー2aが連結されており、このレバー2a
の作動により、吸気通路1を閉じていた吸気シャッタ2
が瞬時に全開とされ、吸気がシリンダ7内に導入され
る。その結果、吸気が直ちに所定圧まで圧縮されて着火
し、エンジンが始動される。
ては、制動のために真空倍力装置が設置され、その作動
源としてバキュームポンプ4が装備されている。このバ
キュームポンプ4は、上述した機能を発揮させるため
に、クランク軸3の回転数にほぼ比例した負圧を発生さ
せることができる。本実施例にあっては、バキュームポ
ンプ4を利用し、クランキング回転数150rpmに対応して
発生される負圧値を蓄圧バルブ6の設定負圧値とし、そ
れより大きい負圧が蓄圧バルブ6に作用すれば、開弁す
るようにする。蓄圧バルブ6が開弁すれば、直ちにダイ
アフラム装置5に負圧が掛かり、ダイアフラム5aを負圧
室5bの方向に変位させる。このダイアフラム5aにはロッ
ド5cを介してレバー2aが連結されており、このレバー2a
の作動により、吸気通路1を閉じていた吸気シャッタ2
が瞬時に全開とされ、吸気がシリンダ7内に導入され
る。その結果、吸気が直ちに所定圧まで圧縮されて着火
し、エンジンが始動される。
上記の蓄圧バルブ6は、第2図および第3図に示され
るような、負圧の大小によりオンオフ動作を行うもので
ある。円筒型のシリンダ10内に、コイルスプリング11に
より付勢されたダイアフラム12が取り付けられ、一方の
シリンダ壁10aとの間に負圧室13を形成し、その入口14
がバキュームポンプ4と連通されている。このダイアフ
ラム12の中央部に、これを貫通して負圧室13に対し内部
が連通するように作動筒15の一端が固定され、該作動筒
15は、シリンダ10の長手方向に摺動自在となるように支
持部材16によって支持され、その他端が仕切板17の中央
部に穿設された受孔17aに嵌入されている。このダイア
フラム12と仕切板17との間に二次室18が形成され、その
仕切板17の近傍部に出口19が設けられ、この出口19は、
ダイアフラム装置5の負圧室5bと連通されている。上記
の作動筒15の他端の開口部は、他方のシリンダ壁10bに
一端が制止されたコイルスプリング20により付勢される
蓋体21によって閉止されている。この仕切板17とシリン
ダ壁10bとの間に大気圧室22が形成され、かつ開口23に
より大気と通じている。
るような、負圧の大小によりオンオフ動作を行うもので
ある。円筒型のシリンダ10内に、コイルスプリング11に
より付勢されたダイアフラム12が取り付けられ、一方の
シリンダ壁10aとの間に負圧室13を形成し、その入口14
がバキュームポンプ4と連通されている。このダイアフ
ラム12の中央部に、これを貫通して負圧室13に対し内部
が連通するように作動筒15の一端が固定され、該作動筒
15は、シリンダ10の長手方向に摺動自在となるように支
持部材16によって支持され、その他端が仕切板17の中央
部に穿設された受孔17aに嵌入されている。このダイア
フラム12と仕切板17との間に二次室18が形成され、その
仕切板17の近傍部に出口19が設けられ、この出口19は、
ダイアフラム装置5の負圧室5bと連通されている。上記
の作動筒15の他端の開口部は、他方のシリンダ壁10bに
一端が制止されたコイルスプリング20により付勢される
蓋体21によって閉止されている。この仕切板17とシリン
ダ壁10bとの間に大気圧室22が形成され、かつ開口23に
より大気と通じている。
この蓄圧バルブ6に、バキュームポンプ4で発生する
負圧が所定の負圧値を超えて作用すれば、第3図に示す
ように、ダイアフラム12がコイルスプリング11の付勢力
に抗して矢印D方向に偏倚し、作動筒15を同方向に移動
させることで、作動筒15の他端が仕切板17に設けられた
受孔17aから離脱して二次室18内に開口する。それと同
時に、蓋体21はコイルスプリング20によって仕切板17に
圧接して受孔17aを塞ぐ。したがって、バキュームポン
プ4で発生された負圧は、まず、蓄圧バルブ6の負圧室
13に導入され、次いで、作動筒15を通って二次室18に入
り、出口19からダイアフラム装置5の負圧室5bに至り、
ダイアフラム5aを負圧室5bの方向に偏倚させる。それと
同時に、ダイアフラム5aの中央部に連結されたロッド5c
が矢印E方向に移動し、レバー2aを介して吸気シャッタ
2が仮想線で示されるような状態で回動し、吸気通路1
を全開にする。
負圧が所定の負圧値を超えて作用すれば、第3図に示す
ように、ダイアフラム12がコイルスプリング11の付勢力
に抗して矢印D方向に偏倚し、作動筒15を同方向に移動
させることで、作動筒15の他端が仕切板17に設けられた
受孔17aから離脱して二次室18内に開口する。それと同
時に、蓋体21はコイルスプリング20によって仕切板17に
圧接して受孔17aを塞ぐ。したがって、バキュームポン
プ4で発生された負圧は、まず、蓄圧バルブ6の負圧室
13に導入され、次いで、作動筒15を通って二次室18に入
り、出口19からダイアフラム装置5の負圧室5bに至り、
ダイアフラム5aを負圧室5bの方向に偏倚させる。それと
同時に、ダイアフラム5aの中央部に連結されたロッド5c
が矢印E方向に移動し、レバー2aを介して吸気シャッタ
2が仮想線で示されるような状態で回動し、吸気通路1
を全開にする。
このような吸気制御装置によれば、クランキング時に
は、吸気が遮断されることにより、ピストンは本来の吸
気の圧縮動作を行わず、もっぱら、負圧と大気圧の間で
往復動することになる。このようなピストンの運動では
圧縮仕事が大幅に減り、仕事量はかなり低減されてい
る。したがって、クランク軸を回転させるスタータモー
タの負荷が軽減され、また、バッテリ容量が小さくて済
む。その後、エンジン回転数が自力回転可能(始動可
能)な所定のクランキング回転数に達し、着火できるに
十分な回転がクランク軸に与えられた後は、自動的に吸
気が行われて直ちに始動され、バッテリ電力を無駄に消
費することが回避される。
は、吸気が遮断されることにより、ピストンは本来の吸
気の圧縮動作を行わず、もっぱら、負圧と大気圧の間で
往復動することになる。このようなピストンの運動では
圧縮仕事が大幅に減り、仕事量はかなり低減されてい
る。したがって、クランク軸を回転させるスタータモー
タの負荷が軽減され、また、バッテリ容量が小さくて済
む。その後、エンジン回転数が自力回転可能(始動可
能)な所定のクランキング回転数に達し、着火できるに
十分な回転がクランク軸に与えられた後は、自動的に吸
気が行われて直ちに始動され、バッテリ電力を無駄に消
費することが回避される。
また、ディーゼルエンジンを搭載した車両は、停止直
前にある程度振動するが、これは、エンジンの圧縮比が
高いため、低回転になると、圧縮行程と次の圧縮行程と
の時間間隔が長くなり、クランク軸の角速度変動が大き
くなって、その分、エンジンがスムーズに回転し得ない
ためである。この吸気制御装置によれば、前記したよう
に、エンジンが所定の回転数である150rpm以下になる
と、自動的に吸気シャッタ2を閉じるので、車両を停止
させる時も、始動時と同様にエンジンの圧縮仕事が軽減
され、いわゆる上記のキーオフショックの発生も防止さ
れる。
前にある程度振動するが、これは、エンジンの圧縮比が
高いため、低回転になると、圧縮行程と次の圧縮行程と
の時間間隔が長くなり、クランク軸の角速度変動が大き
くなって、その分、エンジンがスムーズに回転し得ない
ためである。この吸気制御装置によれば、前記したよう
に、エンジンが所定の回転数である150rpm以下になる
と、自動的に吸気シャッタ2を閉じるので、車両を停止
させる時も、始動時と同様にエンジンの圧縮仕事が軽減
され、いわゆる上記のキーオフショックの発生も防止さ
れる。
−実施例II− この実施例は、上述した実施例Iにおける蓄圧バルブ
6のシリンダ壁10a内に、第4図に示すように、バイメ
タル24を介装し、コイルスプリング11の付勢力を温度の
変化に対応して自動的に調整できるようにしたものであ
る。すなわち、低温になる程バイメタル24が湾曲して、
コイルスプリング11の弾発力が強化され、負圧室13に一
層大きな負圧が作用しなければ作動筒15が移動しないよ
うに、温度に反比例して蓄圧バルブ6の設定負圧値を変
化させるようにしたものである。つまり、エンジン温度
に対応する外気温度が低いほど、蓄圧バルブ6の設定負
圧値を大きくするよう変化させるようにしたものであ
る。このような温度補正を行うことにより、特に、−20
℃以下の極低温域においても、確実に始動できる所定の
クランキング回転数に達するまで、蓄圧バルブ6を閉じ
ておくことができる。加えて、常温域にあっては、バイ
メタル効果により、クランキング回転数を通常の着火限
界近くに戻すことができ、過剰なクランキングを回避で
きる利点がある。
6のシリンダ壁10a内に、第4図に示すように、バイメ
タル24を介装し、コイルスプリング11の付勢力を温度の
変化に対応して自動的に調整できるようにしたものであ
る。すなわち、低温になる程バイメタル24が湾曲して、
コイルスプリング11の弾発力が強化され、負圧室13に一
層大きな負圧が作用しなければ作動筒15が移動しないよ
うに、温度に反比例して蓄圧バルブ6の設定負圧値を変
化させるようにしたものである。つまり、エンジン温度
に対応する外気温度が低いほど、蓄圧バルブ6の設定負
圧値を大きくするよう変化させるようにしたものであ
る。このような温度補正を行うことにより、特に、−20
℃以下の極低温域においても、確実に始動できる所定の
クランキング回転数に達するまで、蓄圧バルブ6を閉じ
ておくことができる。加えて、常温域にあっては、バイ
メタル効果により、クランキング回転数を通常の着火限
界近くに戻すことができ、過剰なクランキングを回避で
きる利点がある。
−実施例III− この実施例は、第5図に示すように、クランク軸や燃
料噴射ポンプに設けられる周知の回転角センサによりク
ランキング回転数を検出して(例えば特開昭60-35146号
公報、特開昭59-147834号公報、特開昭58-79116号公
報、特開昭57-110756号公報等参照)、所定のクランキ
ング回転数(例えば150rpm)以下においては、スイッチ
25をオフにして吸気シャッタ2を閉じ、所定のクランキ
ング回転数以上になればオンしてソレノイド26を作動さ
せることにより、これと連動された吸気シャッタ2を開
弁させるようにしたものである。
料噴射ポンプに設けられる周知の回転角センサによりク
ランキング回転数を検出して(例えば特開昭60-35146号
公報、特開昭59-147834号公報、特開昭58-79116号公
報、特開昭57-110756号公報等参照)、所定のクランキ
ング回転数(例えば150rpm)以下においては、スイッチ
25をオフにして吸気シャッタ2を閉じ、所定のクランキ
ング回転数以上になればオンしてソレノイド26を作動さ
せることにより、これと連動された吸気シャッタ2を開
弁させるようにしたものである。
(発明の効果) 本発明は以上の実施例の説明から判るように、ディー
ゼルエンジンのクランキング時、エンジン回転数がアイ
ドル回転数より低いエンジン自力回転可能な所定のクラ
ンキング回転数より低い時には上記吸気シャッタを閉
じ、上記自力回転可能な所定のクランキング回転数に達
してエンジンが十分着火できる回転数に達した時には自
動的に吸気シャッタが開弁するようにしたので、クラン
キング時での圧縮仕事が低減されてスタータモータの負
荷を少なくすると共に、バッテリ電力の無駄な消費をな
くすことができる。
ゼルエンジンのクランキング時、エンジン回転数がアイ
ドル回転数より低いエンジン自力回転可能な所定のクラ
ンキング回転数より低い時には上記吸気シャッタを閉
じ、上記自力回転可能な所定のクランキング回転数に達
してエンジンが十分着火できる回転数に達した時には自
動的に吸気シャッタが開弁するようにしたので、クラン
キング時での圧縮仕事が低減されてスタータモータの負
荷を少なくすると共に、バッテリ電力の無駄な消費をな
くすことができる。
第1図は本発明の実施例Iにおける模式的構成図、第2
図は蓄圧バルブの概略断面図、第3図は同作動状態を示
す断面図、第4図は実施例IIにおける蓄圧バルブの断面
図、第5図は実施例IIIを示す模式図である。 1……吸気通路、2……吸気シャッタ、A……制御手
段。
図は蓄圧バルブの概略断面図、第3図は同作動状態を示
す断面図、第4図は実施例IIにおける蓄圧バルブの断面
図、第5図は実施例IIIを示す模式図である。 1……吸気通路、2……吸気シャッタ、A……制御手
段。
Claims (1)
- 【請求項1】吸気通路に設けられ、該吸気通路を開閉す
る吸気シャッタと、 クランキング時においてスタータモータの駆動初期では
上記吸気シャッタを閉弁保持し、エンジン回転数に関連
するパラメータに基づいて、エンジン回転上昇時におけ
るエンジン回転数がアイドル回転数よりも低いエンジン
自力回転可能な所定のクランキング回転数に到達したこ
とを検出した時に、上記吸気シャッタを開弁するように
制御する制御手段と を備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの吸気制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60203902A JP2501787B2 (ja) | 1985-09-13 | 1985-09-13 | ディ―ゼルエンジンの吸気制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60203902A JP2501787B2 (ja) | 1985-09-13 | 1985-09-13 | ディ―ゼルエンジンの吸気制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6263143A JPS6263143A (ja) | 1987-03-19 |
JP2501787B2 true JP2501787B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=16481599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60203902A Expired - Lifetime JP2501787B2 (ja) | 1985-09-13 | 1985-09-13 | ディ―ゼルエンジンの吸気制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2501787B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5381840A (en) * | 1976-12-27 | 1978-07-19 | Isuzu Motors Ltd | Hold control system of engine |
JPS6235868Y2 (ja) * | 1979-03-12 | 1987-09-11 |
-
1985
- 1985-09-13 JP JP60203902A patent/JP2501787B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6263143A (ja) | 1987-03-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |