JP2501669B2 - スタ―トアップ手段を内蔵した燃料電池発電システム用多段触媒燃焼器 - Google Patents

スタ―トアップ手段を内蔵した燃料電池発電システム用多段触媒燃焼器

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JP2501669B2 JP3028782A JP2878291A JP2501669B2 JP 2501669 B2 JP2501669 B2 JP 2501669B2 JP 3028782 A JP3028782 A JP 3028782A JP 2878291 A JP2878291 A JP 2878291A JP 2501669 B2 JP2501669 B2 JP 2501669B2
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田 泰 正 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池
発電システムに設けられる燃料電池アノード排ガスの燃
焼装置に関し、さらに詳しくはスタートアップ手段を内
蔵した燃料電池発電システム用多段触媒燃焼器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池発電システムにお
いては、燃料電池のカソード(空気極)に二酸化炭素お
よび酸素を含んだカソードガスを供給し、一方アノード
(燃料極)には、天然ガス、石炭などの化石燃料を改質
して得られた水素および一酸化炭素などを含有する燃料
ガスを導入し、アノードで水素および一酸化炭素を供給
反応させた後、残存ガスをアノード排ガスとして排出さ
せている。このアノード排ガスは残留水素および一酸化
岸素を含有し可燃性のもので、これを酸素によって燃焼
させてその発生熱を熱交換器型リフォーマ等に供給する
とともに燃焼ガスをカソード(空気極)に供給して二酸
化炭素をリサイクルするシステムを構成している。
【0003】このアノード排ガスを燃焼させる燃焼装置
として、特開平2−262263号公報には、触媒燃焼
器本体の出入口間に触媒層を多段に設けると共に、アノ
ード排ガス枇給管にアノード排ガスを分配して触媒層間
にそれぞれ供給する分配手段を設けることによって、空
気に対するアノード排ガスの割合が見掛上水素の爆発限
界を越えても安全に運転できるようにした装置が開示さ
れている。
【0004】しかし、この装置においては、アノード排
ガスの燃焼を開始させるためのスタートアップ手段は開
示されておらず、従来この種の触媒燃焼器では、別にス
タートアップ用加熱炉ないし燃焼器を設けてスタートア
ップを行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、燃料電池発
電システム用アノード排ガスの触媒燃焼器の一装置内で
スタートアップと定常運転の両者を行うことのできる燃
料電池発電システム用多段触媒燃焼器を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に燃料電
池発電システム用アノード排ガスと酸素含有ガスとの予
備混合・燃焼室と、完全混合層と触媒層とからなる接触
床をそれぞれ複数段設けた燃料電池アノード排ガスの燃
焼装置を出願したが(特願平3−18975号)、この
装置はその構造が簡単である等からこれと同様の装置に
スタートアップバーナーを取り付け、スタートアップ時
の燃焼装置としても同時に用いることができるようにす
れば、スタートアップおよび定常運転を一つの装置で行
うことができ極めて便利であることに着目して、本発明
は完成された。
【0007】すなわち、本発明のスタートアップ手段を
内蔵した燃料電池発電システム用多段触媒燃焼器は、空
気導入口と複数の燃料ガス導入口と燃焼ガスの排出口と
を備えたアノード排ガスを燃料ガスとして使用する燃料
電池発電システム用多段触媒燃焼器において、該触媒燃
焼器本体内に、(イ)燃料ガスと空気との予備混合・燃
焼室、(ロ)完全混合層と触媒層とからなる接触床をそ
れぞれ複数段設け、前記空気導入口が、触媒燃焼器本体
の最上流側に位置して、量上流側の前記予備混合・燃焼
室に通ずるように設けられ、前記複数の燃料ガス導入口
のそれぞれが、触媒燃料器本体の側面部に位置して、複
数段設けられた前記予備混合・燃焼室のそれぞれに通ず
るように設けられ、前記接触床に対して前記予備混合・
燃焼室が、および前記触媒層に対して前記完全混合層が
それぞれ上流側に設置され、最上流側に、一端にスター
トアップバーナー空気導入口とスタートアップバーナー
燃料ガス導入口とを備え、他端にバーナーチップおよび
燃焼・稀釈部を有するスタートアップバーナーから構成
されるスタートアップ手段が設けられており、該スター
トアップ手段の前記燃焼・稀釈部が、最上流側の前記予
備混合・燃焼室に通ずる前記空気導入口と最上流側の前
記燃料ガス導入口との間に位置するように配置されてい
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】溶融炭酸塩型燃料電池発電システムにおいて
は、スタートアップ時と定常運転時とでそれぞれ異なる
2種類の燃料ガスが使用されるが、本発明のスタートア
ップ手段を内蔵した燃料電池発電システム用多段触媒燃
焼器においてはその双方を効率よく燃焼させることがで
きる。まず、定常運転時には、アノード排ガスを燃料ガ
スとして使用するが、このアノード排ガスは、たとえば
15%(ここで「%」は容量%を意味する。以下同
じ)、CO 2%、CH0.2%、CO64%、H
O 18.8%の組成を有し、その発熱量は約450
kcal/Nmと低いが、燃焼しやすいHやCOが
含有されており燃焼速度が大きく燃焼が容易である。一
方、スタートアップ時には、燃料ガスとしてたとえば天
然ガスを使用するが、この天然ガスは、たとえば、CH
90%、C6%、炭素数3以上の炭化水素ガス
4%の組成を有し、その発熱量は約9500kcal/
Nmと高いが、燃焼速度がおそく燃焼が困難である。
このような比較的燃焼しにくいガスを効率的に燃焼させ
るためには、高活性で低温発火性の触媒を用いるのが好
ましい。
【0009】本発明の燃料電池発電システム用多段触媒
燃焼器における各段の触媒層への空気および燃料ガスの
供給は、空気については全量を触媒燃焼器本体の空気導
入口から供給し、一方燃料ガスは各段の燃料ガス導入口
から供給するようになっており、従来この種の触媒燃焼
器に用いられているようないわゆる予混合部を有しな
い。なお、空気導入口から供給される空気は、各段の触
媒層での燃焼用ガスとして用いられるとともに、スター
トアップ時においては、高温に加熱されたスタートアッ
プバーナー燃焼ガスの稀釈用ガスとしても作用する。
【0010】本発明の燃料電池発電システム用多段触媒
燃焼器には、最上流側にスタートアップ手段が設けられ
る。これによって、一つの触媒燃焼器に燃料電池発電シ
ステムのためのスタートアップと定常運転の両方の機能
を併せもたせることができる。さらに具体的には、この
スタートアップ手段は一端にスタートアップバーナー空
気導入口とスタートアップバーナー燃料ガス導入口とを
備え、他端にバーナーチップおよび燃焼・稀釈部を有す
るスタートアップバーナーからなる。この燃焼・稀釈部
が空気導入口と最上流側の燃料ガス導入口との間に位置
するように、スタートアップ手段が配置される。かかる
配置とすることにより、スタートアップバーナー燃料ガ
スの高温燃焼とその燃焼ガスの稀釈がスムーズに行われ
て、下流側の触媒層にとって好適な燃焼温度を与えるこ
とができる。
【0011】なお、本発明において「スタートアップ手
段を内蔵した」というのは、スタートアップ手段の主要
部たるスタートアップバーナーの燃焼・稀釈部、バーナ
ーチップ部分、およびバーナーチップへの燃料・空気導
入部分の少なくとも一部が、触媒燃焼器本体内に設けら
れているという意味である。
【0012】以下にスタートアップ時と定常運転時のそ
れぞれにおける本発明の燃料電池発電システム用多段触
媒燃焼器の作用の概略を説明する。スタートアップ時に
おいては、スタートアップ用の燃料として上記のように
比較的燃焼しにくい天然ガスを用いてこれをスタートア
ップバーナーによって高温に燃焼させて、この高温の燃
焼ガスを空気導入口からの空気によって稀釈して触媒層
での燃焼に好適な温度まで低下させる。つぎに、このよ
うにして稀釈された過剰の空気を含有するガスと燃料ガ
ス導入口からの燃料ガス(天然ガス)とが予備混合・燃
焼室で混合され、完全混合層と触媒層からなる接触床を
通過する間に十分混合され完全燃焼されてつぎの予備混
合・燃焼室に導かれる。以下同様に各段の燃料ガス導入
口からの燃料ガス(天然ガス)が各段の接触床で燃焼さ
れ燃焼ガスとなって排出口から排出され、後続の熱交換
器型リフォーマの加熱に供され、更に燃料電池の昇温に
使用される。この間に各段の触媒層は燃料ガスの燃焼に
好適な温度まで上昇される。
【0013】このようにして、燃料電池発電システムの
スタートアップが完了しアノード排ガスが燃料電池より
排出されるようになると、各段へ供給する燃料ガスをア
ノード排ガスに切り替えて定常運転を行う。この定常運
転は、具体的には、空気は空気導入口から、残留水素お
よび一酸化炭素を含有するアノード排ガスは各燃料ガス
導入口からそれぞれ各段の予備混合・燃焼室内に導入さ
れ、ここで混合、部分的に燃焼(燃焼の起こらない場合
もある)された後、完全混合層と触媒層からなる接触床
を通過する間に十分に混合され完全に燃焼されて燃焼ガ
スとなって排出口から排出される。この排出口からの燃
焼ガスは、高温に加熱されているため熱交換器型リフォ
ーマに供給され熱源として利用される。
【0014】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を詳
細に説明する。図1は、本発明の実施例によるスタート
アップ手段を内蔵した3段式の燃料電池発電システム用
触媒燃焼器の断面図である。この多段触媒燃焼器1の本
体2には、上部に空気導入口3、側面に3個の第1、第
2および第3の燃料ガス導入口4,5,6、下部に燃焼
ガスの排出口7が設けられている。
【0015】また触媒燃焼器本体2の上部には、燃料電
池発電システムのスタートアップ時に使用する、一端に
スタートアップバーナー空気導入口8,9およびスター
トアップバーナー燃料導入口10を備え、他端にバーナ
ーチップ11および燃焼・稀釈部12を有し、それらの
間にバーナーチップ11に通ずる燃料・空気導入部13
が形成されたスタートアップバーナー14が設けられ、
そのバーナー14の他端先端部の断面形状が略逆U字型
に形成され、その先端付近には上記空気導入口3から供
給された空気を噴出する空気噴出口15,16が形成さ
れている。
【0016】燃焼器本体2の内部には、完全混合層17
と触媒層18とからなる第1の接触床19、同様に完全
混合層20と触媒層21とからなる第2の接触床22お
よび同様に完全混合層23と触媒層24とからなる第3
の接触床25が3段に設けられ、それぞれの上流側には
第1、第2および第3の予備混合・燃焼室26,27,
28が形成されている。
【0017】燃焼器本体の内部は耐火・断熱材29でラ
イニングされ略筒形、好ましくは略円筒形に形成され、
その外周を別種の耐火・断熱材30で囲って燃焼器1を
形成している。また、燃焼器本体の内部には段部31,
32、33が形成されて上記第1、第2および第3の接
触床19,22,25を支持している。なお、燃焼器本
体内部の最下部で高温の燃焼ガス流が直接当たる部分に
は、ハイアルミナ、アルミナジルコニア多孔体などから
なる防護板34を設置して耐火・断熱材を保護してい
る。
【0018】以下、本発明の実施例における作用を説明
する。まず、スタートアップ時において、スタートアッ
プバーナー14の燃料ガス導入口10から供給されたス
タートアップ用燃料ガス(天然ガス)は、スタートアッ
プバーナー空気導入口8,9から供給された空気(空気
比約1.3)によってスタートアップバーナー燃焼・稀
釈部12で完全燃焼される。このときの燃焼温度は約1
800℃程度である。
【0019】空気導入口3から導入された空気が、空気
噴出口15,16から燃焼・稀釈部12に噴出されて、
高温に熱せられた燃焼ガスを稀釈して、下流側の第1の
触媒層18にとって最適な約500℃程度を与える。
【0020】このようにして稀釈された燃焼ガスおよび
空気導入口3から供給された過剰の空気と第1の燃料ガ
ス導入口4から供給されたスタートアップ用燃料ガス
(天然ガス)とが第1の予備混合・燃焼室26で混合さ
れて、完全混合層17と触媒層18からなる第1の接触
床19を通過する間に十分混合、完全燃焼されて第2の
予備混合・燃焼室27に導かれる。この第1の接触床1
9での燃焼温度は500〜800℃程度である。
【0021】ここで完全混合層17は、耐火性で燃料ガ
スと空気とを十分に混合できる構造のものであればその
材質などは特に制限されないが、たとえば、アルミナジ
ルコニアなどの、空孔率約85%、細孔容積率約0.0
3cc/g程度の多孔質材を用いることができ、たとえ
ば板状に形成される。また、触媒層18には、比較的難
燃性の天然ガスを約500℃程度の低温で燃焼させるこ
とのできる高活性の低温発火触媒が用いられる。たとえ
ば、コージライトの担体にPdを高分散させて、たとえ
ばハニカム状に形成したものが用いられる。そしてこの
触媒層18での燃焼によって、次の第2の触媒層21に
とって好適な約800℃程度を与えることができる。こ
のように、第1段の触媒層に高活性の低温発火触媒を用
いることによって、第1段の予備混合・燃焼室温度を約
500℃程度の低いレベルにすることができるので、上
記スタートアップバーナー14の小型化も可能となる。
【0022】次に、第2の予備混合・燃焼室27に導か
れた燃焼ガスには空気導入口3から供給された過剰の空
気が含有されており、この空気と第2の燃料ガス導入口
5から導かれた燃料ガス(天然ガス)とが第2の予備混
合・燃焼室27内で混合されたのち、第2の接触床22
を経る間に十分混合、完全燃焼されて次の第3の予備混
合・燃焼室28に導かれる。この第2の接触床22での
燃焼温度は800〜1000℃程度であり、最高105
0℃程度までである。
【0023】この第2の接触床22において、完全混合
層20には上記第1の接触床19において用いたものと
同様の構造および材質のものが用いるられる。また触媒
層21は、天然ガスの燃焼に対し800〜1000℃程
度で活性を示し1050℃程度までの耐熱性を有するも
の、たとえばアルミナ・ジルコニアなどの多孔性の担体
にPdなどの金属触媒成分が粗粒の状態で担持されたも
のなどが、たとえば板状に形成されて用いられる。
【0024】次に第3の予備混合・燃焼室28に導かれ
た燃焼ガスには過剰の空気が含有されており、この空気
と第3の燃料ガス導入口6から導かれた燃料ガス(天然
ガス)とが第3の予備混合・燃焼室28内で混合された
のち、第3の接触床25を経る間に十分混合、完全燃焼
されて、排出口7を経て燃焼ガスとして排出される。こ
の第3の接触床25での燃焼温度は950〜1100℃
程度であり、最高1200℃程度までである。
【0025】この第3の接触床25においても、完全混
合層23には上記第1の接触床19において用いたもの
と同様の構造および材質のものを用いることができる。
また、触媒層24としては、触媒活性はほとんどないが
1200℃程度までの耐熱・耐酸化性を有する高温蓄熱
性の担体、たとえば、反応焼結型炭化ケイ素などが、た
とえばハニカム状に形成されて用いられる。
【0026】このようにして各段の触媒層の温度が整定
され、触媒燃焼器自体、後続の熱交換器型リフォーマお
よび燃料電池の昇温が達成(通常約4時間程度にてなさ
れる)され、燃料電池発電システムのスタートアップが
完了し、アノード排ガスが燃料電池より排出されてくる
と、燃料ガスをスタートアップ用の天然ガスからアノー
ド排ガスに切り替えて定常運転に移行させる。
【0027】この定常運転時において、燃料ガスとなる
アノード排ガスには燃焼しやすい水素や一酸化炭素が含
まれているため、上記のスタートアップ時に用いた高活
性低温発火触媒層18を用いる必要がなく、アノード排
ガスの燃焼には上記した第2および第3の接触床22,
25が用いられる。したがって、アノード排ガスの供給
は第2および第3の燃料ガス導入口5,6を通じて行わ
れる。以下、定常運転時の作用を説明する。
【0028】定常運転時において、予熱された空気は空
気導入口3から第1の予備混合・燃焼室26、第1の接
触床19を経て第2の予備混合・燃焼室27内に導か
れ、一方残留水素および一酸化炭素を含む予熱されたア
ノード排ガスは燃料ガス導入口5から同じく第2の予備
混合・燃焼室27内に導かれる。ここで両ガスは混合さ
れるが、この時両ガスはいずれも高温、たとえばアノー
ド排ガスは625℃程度、空気は500℃程度に予熱さ
れているため、水素ガスの発火や燃焼が起こりやすい
が、該第2の予備混合・燃焼室27は耐火・断熱材29
により覆われているので、発火や燃焼が起こっても何ら
の危険を生ずることもない。この混合および予備燃焼
(場合によっては燃焼の起こらないこともある)された
ガスは完全混合層20を通過する間に十分に混合され、
この混合ガスは触媒層21を通過する間に残留水素およ
び一酸化炭素が酸素により完全に燃焼されて、第3の予
備混合・燃焼室28に導かれる。この第2の接触床22
での燃焼温度は800〜1000℃程度であり、最高1
050℃程度までである。
【0029】ここで接触床22に用いられる完全混合層
20と触媒層21は上記スタートアップ時に用いたもの
がそのまま用いられる。なお、触媒層21は、水素ガス
の燃焼に対しては800〜1000℃程度で活性を示
す。
【0030】次に、第3の予備混合・燃焼室28に導か
れた燃焼ガスには過剰の空気が含有されており、この空
気と第3の燃料ガス導入口6から供給されたアノード排
ガスとが第3の予備混合・燃焼室28内で混合、予備燃
焼(場合によっては燃焼の起こらないこともある)した
のち、第3の接触床25を経る間に十分混合、完全燃焼
されて、排出口7を経て燃焼ガスとして排出される。こ
の第3の接触床25における燃焼温度は950〜117
0℃程度であり、最高1200℃程度までである。この
ように複数の接触床を通じて燃焼させることによりアノ
ード排ガスを効率的に燃焼させることができる。
【0031】ここで接触床25に用いられる完全混合層
23と触媒層24は上記スタートアップ時に用いたもの
がそのまま用いられる。なお、触媒層24は、1200
℃程度までの耐熱・耐酸化性を有する。
【0032】排出口7からの排出ガスは、たとえば3〜
7kg/cmG程度の圧力、950〜1200℃程度
の高温を有し、熱交換器型リフォーマに導かれ、そこで
必要な熱源として利用された後、燃料電池のカソードに
供給されて二酸化炭素のリサイクルに利用される。
【0033】本装置は、その内部が略筒形、好ましくは
略円筒形に形成され構造が簡単なため、起動、停止の操
作の繰り返しの多い場合においても熱衝撃によく耐え耐
久性に優れ、また触媒の交換等の保守も容易に行うこと
ができる。
【0034】図1においては3段式のものを示したが、
2段式または4段式以上のものとすることもできる。2
段式とする場合には、上記した3段式のものにおいて、
スタートアップ用の第1の接触床19あるいは第2の接
触床22を取り外した構造のものとすることができる。
【0035】2段式において、スタートアップ用の第1
の接触床19を設けないで用いる場合には、スタートア
ップ時に上流側の接触床での燃焼が良好に行われるよう
にスタートアップバーナー燃焼ガスの稀釈後の温度が8
00℃程度となるようにコントロールする必要がある。
この場合には、上記した3段式のものにおける稀釈後の
温度(約500℃程度)に比べて高温に保持する必要が
あるため、スタートアップバーナーはより容量の大き
い、したがって、より大型のものにする必要がある。な
お、この場合の各段の接触床での燃料ガスの燃焼温度
は、スタートアップ時において上流側接触床で800〜
1000℃程度、下流側接触床で950〜1100℃程
度であり、定常運転時において上流側接触床で800〜
1000℃程度、下流側梓触床で950〜1170℃程
度である。これらの燃焼温度は、上記した3段式の触媒
燃焼器において説明した第2の接触床22および第3の
接触床25での燃焼温度と同じである。
【0036】
【発明の効果】本発明のスタートアップ手段を内蔵した
燃料電池発電システム用多段触媒燃焼器によれば、触媒
燃焼器本体内にスタートアップ手段が内蔵されているの
で、一装置でスタートアップと定常運転の両者をスムー
ズに切り替えることができるとともに、独立したスター
トアップ用加熱炉ないし燃焼器が不要となり機器コスト
の低減が図られ、かつ設置面積も少なくて済む。特にス
タートアップ用の第1段触媒として高活性低温発火触媒
を用いるときは、第1段の予備混合・燃焼室温度を約5
00℃程度という低いレベルにすることができるので、
スタートアップバーナーの小型化が可能となる。
【0037】また、アノード排ガスと空気との予備混合
・燃焼室と、触媒床とを燃焼器本体内に設けかつこれを
複数段に設けたので、極めて安全に運転することができ
るとともにアノード排ガスの効率的でNOx発生量の低
い(最高10ppm)燃焼を行うことができる。さら
に、燃焼器本体の内部構造を略筒形に形成するときは、
上記効果に加えてさらに耐久性に優れかつ保守も容易な
ものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるスタートアップ手段を内
蔵した3段式の燃料電池発電システム用触媒燃焼器の断
面図。
【符号の説明】
1 多段触媒燃焼器 2 燃焼器本体 3 空気導入口 4 第1の燃料ガス導入口 5 第2の燃料ガス導入口 6 第3の燃料ガス導入口 7 燃焼ガスの排出口 8 スタートアップバーナー空気導入口 9 スタートアップバーナー空気導入口 10 スタートアップバーナー燃料ガス導入口 11 バーナーチップ 12 燃焼・稀釈部 13 バーナーチップへ通ずる燃料・空気導入部 14 スタートアップバーナー 15 空気噴出口 16 空気噴出口 17 完全混合層 18 触媒層 19 第1の接触床 20 完全混合層 21 触媒層 22 第2の接触床 23 完全混合層 24 触媒層 25 第3の接触床 26 第1の予備混合・燃焼室 27 第2の予備混合・燃焼室 28 第3の予備混合・燃焼室 29 耐火・断熱材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気導入口と複数の燃料ガス導入口と燃焼
    ガスの排出口とを備えたアノード排ガスを燃料ガスとし
    て使用する燃料電池発電システム用多段触媒燃焼器にお
    いて、該触媒燃焼器本体内に、(イ)燃料ガスと空気と
    の予備混合・燃焼室、(ロ)完全混合層と触媒層とから
    なる触媒床をそれぞれ複数段設け、前記空気導入口が、
    触媒燃焼器本体の最上流側に位置して、最上流側の前記
    予備混合・燃焼室に通ずるように設けられ、前記複数の
    燃料ガス導入口のそれぞれが、触媒燃焼器本体の側面部
    に位置して、複数段設けられた前記予備混合・燃焼室の
    それぞれに通ずるように設けられ、前記接触床に対して
    前記予備混合・燃焼室が、および前記触媒層に対して前
    記完全混合層がそれぞれ上流側に設置され、最上流側
    に、一端にスタートアップバーナー空気導入口とスター
    トアップバーナー燃料ガス導入口とを備え、他端にバー
    ナーチップおよび燃焼・稀釈部を有するスタートアップ
    バーナーから構成されるスタートアップ手段が設けられ
    ており、該スタートアップ手段の前記燃焼・稀釈部が、
    最上流側の前記予備混合・燃焼室に通ずる前記空気導入
    口と最上流側の前記燃料ガス導入口との間に位置するよ
    うに配置されていることを特徴とする、スタートアップ
    手段を内蔵した燃料電池発電システム用多段触媒燃焼
    器。
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