JP2501241B2 - 農園芸用殺虫殺ダニ剤 - Google Patents

農園芸用殺虫殺ダニ剤

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JP2501241B2 JP16387490A JP16387490A JP2501241B2 JP 2501241 B2 JP2501241 B2 JP 2501241B2 JP 16387490 A JP16387490 A JP 16387490A JP 16387490 A JP16387490 A JP 16387490A JP 2501241 B2 JP2501241 B2 JP 2501241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は殺虫殺ダニ活性が増強され、かつ、薬害が軽
減された農園芸用殺虫殺ダニ剤に関する。さらに詳しく
は、鉱物油及びポリオキシエチレンアルキルエステル系
界面活性剤並びに、必要に応じてポリオキシエチレンア
ルキルエーテル系界面活性剤を配合することにより、殺
虫殺ダニ活性が増強され、かつ、薬害が軽減された16員
環マクロライド化合物の農園芸用殺虫殺ダニ剤に関す
る。
(従来の技術) ミルベマイシン、アベルメクチン等で代表される殺虫
殺ダニ活性を有する16員環天然マクロライド類及びそれ
らの誘導体(以下ミルベマイシン系化合物と総称する)
は多数知られている。本発明の特許請求の範囲に記載さ
れている「アベルメクチン類」及び「ミルベマイシン
類」の一般名とそれらの構造を以下に挙げる。
例えば、ミルベマイシン天然物及びそれらの誘導体は、
特開昭50−29742号、54−107550号、57−77686号、57−
120589号、57−136585号、57−139079号、57−139080
号、57−139081号、59−16894号、59−20284号、59−20
285号、59−33288号、59−33289号、59−36681号、59−
36682号、59−108785号、60−126289号、60−142991
号、60−152490号、60−184085号、61−103884号、62−
161788号、63−290882号、64−47788号及び特開平1−1
93270号等により公知である。
アベルメクチン天然物及びそれらの誘導体は、特開昭
52−151197号、53−130695号、54−35293号、54−61197
号、54−61198号、54−145699号、55−20797号、55−24
165号、57−18684号、57−59892号、57−150699号、57
−206695号、58−52300号、58−59988号、58−167591
号、59−141582号、59−205321号、60−94983号、61−2
2087号、61−36286号、61−200993号、61−233686号、6
1−257989号、61−267582号、62−29589号、62−59291
号、63−122688号、63−238083号、64−42483号、特開
平1−279892号及び2−72189号等により公知である。
さらに、これらに類似の16員環マクロライド類が特開昭
61−10589号、61−118387号、61−280496号、62−29590
号、62−67087号、64−29378号、64−29379号、特開平
1−197488号及び1−272587号等により知られている。
これらのマクロライドは、典型的には下記の一般式で表
わされる。
(式中、R1は、例えば水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、水酸基、メルカプト基又は糖残基等を示し、R2
は、例えば水素原子、水酸基又はオキソ基等を示し、点
線は、単結合又は二重結合を示し(R2が水素原子のとき
のみ二重結合でありうる)、R3は、例えばアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、
アルキルチオアルキル基、シクロアルキルアルキル基、
シクロアルキル又はシクロアルケニル基(以上の基には
場合により、隣り合った2つの炭素原子を含有するシク
ロプロパン環、オキシラン環、チイラン環又はアジリジ
ン環を部分構造として有していてもよく、1個又は2個
以上のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていても
よい)又は飽和若しくは不飽和の複素環(1個又は2個
以上のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていても
よい)等を示し、R4は、例えば水素原子、ハロゲン原子
又は水酸基等を示し、R5は、例えば水酸基又はヒドロキ
シイミノ基等を示し、Aは、酸素原子又は単結合を示
す。
また上記各定義中、水酸基、メルカプト基、ヒドロキ
シイミノ基、エーテル化、エステル化されていてもよ
い。) 本願にいうミルベマイシン系化合物とは、前記した構
造骨格を有する化合物群を総称し、これら化合物から種
々の方法により誘導される誘導体を包含するものであ
る。上記の置換基は例示的であって、基本骨格を同じく
し、同種の作用を有する天然及び合成の化合物はすべて
本発明に包含される。
(発明が解決しようとする課題) これらのミルベマイシン系化合物は、種々の農業害虫
に対し、高い活性を有することが知られている。しか
し、これらの化合物の欠点として光分解及び酸化を受け
易く、残効性に乏しい点があり、又、ある種の害虫、例
えば、ナミハダニやミカンハダニに対して、殺成虫活性
は極めて高いが、殺卵活性が弱い。さらに、実際の野外
での使用場面では、殺成虫、殺卵活性を評価した室内試
験から割り出した有効成分の散布濃度に比べ、かなり高
濃度の散布液を使用しなければ、室内試験から予期した
防除効果が得られないという問題点があった。
このため、実際の使用場面での効力を高める目的で種
々の努力が重ねられ、これまでにピペロニルブトキサイ
ドやトリフェニルホスフェートの配合による協力作用
(米国特許283849号)、界面活性剤の大量配合(特開昭
64−25706号)、光安定剤の添加、スプレーオイルとの
混合(特開昭58−206507号)等が提案されている。
これらを元に、本発明者らは大幅な効力増強を期待し
て鉱物油(以下オイルと称す)と大量の界面活性剤の配
合したミルベマイシン系化合物の乳剤を検討した。しか
しながら、オイルはミルベマイシン系化合物を溶解する
力に乏しく、また界面活性剤との相溶性が悪いうえに、
高濃度で散布すると薬害が生ずる危険性がある。とく
に、精製度が高くオイル自体の薬害が少ないものほど界
面活性剤やその他の溶剤等との相溶性が悪く製剤が2層
分離する傾向があった。また、界面活性剤を大量に配合
すると、界面活性剤の種類によっては、それ自体の薬害
も加わって、より強い薬害が表れる傾向があった。さら
に、配合乳剤の生物活性は、配合する界面活性剤によっ
て、極めて高い効果が得られる場合と大幅な効力増強が
期待できない場合があった。例えば、マシン油製剤の薬
害軽減法として提案されているソルビタン脂肪酸エステ
ル(特公昭62−43968号)や、しょ糖エステル(特開昭5
9−122408号、62−263108号)を乳化剤に用いると、薬
害は軽減される傾向はあるが効力増強効果は乏しくなっ
た。
これらより、本発明者らはミルベマイシン系化合物の
オイル配合乳剤の殺虫殺ダニ活性を増強するために鋭意
検討を重ね、多くの界面活性剤の中から、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル系界面活性剤を選択したが、こ
れらを配合した乳剤では、殺虫殺ダニ活性は増強される
ものの、薬害も強くなる傾向が認められた。そこで、殺
虫殺ダニ活性を増強したままで、薬害が軽減された乳剤
処方を得るべく検討を重ねた。
(課題を解決するための手段) その結果、ポリオキシエチレンアルキルエステル系界
面活性剤を用いると薬害を生ずることなく殺虫殺ダニ活
性が大幅に増強され、しかも、意外なことに、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル系とポリオキシエチレンア
ルキルエステル系界面活性剤を併用すると、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル系界面活性剤による薬害が大
幅に軽減されることを見出し本発明を完成した。
(発明の構成) 即ち、本発明組成物は、殺虫殺ダニ剤として有効な16
員環マクロライド化合物の一種又は二種以上、10乃至80
重量%の鉱物油及び5乃至50重量%のポリオキシエチレ
ンアルキルエステル系界面活性剤、さらに、必要なら、
2乃至30重量%のポリオキシエチレンアルキルエーテル
系界面活性を含有することを特徴とする農園芸用殺虫殺
ダニ剤である。
本発明において、組成物中に占めるミルベマイシン系
化合物の含有量は、有効成分とオイルや界面活性剤との
比率を一定以上に保ち、かつ製剤として安定なものを作
る必要から、5重量%以下、好ましくは3重量%以下で
あることが望ましい。
本願にいう鉱物油とは、農園芸用病害虫防除用として
使用されるものはすべて使用でき、一般に夏マシン、冬
マシン油等と称されるものの他に、潤滑油として一般的
に使用される鉱物油や、ポリブテン並びに流動パラフィ
ン等をも包含する。オイルの物理性にはとくに限定はな
く、粘度が高すぎて製剤の流動性が損なわれるようなこ
とがない限りいずれも使用できるが、薬害面からはスル
ホン価8以下、アニリン点90℃以上のものがとくに好適
である。
本願にいうポリオキシエチレンアルキルエステル系界
面活性剤とは、通常高級脂肪酸と称される炭素数が8乃
至20の飽和又は不飽和脂肪酸にエチレンオキサイドを付
加させたノニオン界面活性剤である。好適な脂肪酸とし
ては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等をあ
げることができる。原料脂肪酸は、合成品でも天然品で
もよく、通常炭素数が異なる脂肪酸の混合物であるが、
オイルとの相溶性及び製剤の耐寒性の面から、ラウリン
酸のような比較的炭素数の少ないものや、オレイン酸、
リノール酸のような二重結合を有するものがより好まし
い。エチレンオキサイドの付加モル数は乳剤の所要HLB
によって適宜選択すれば良いが、一般に高付加物になる
と凝固点が高くなり、オイルとの相溶性が悪くなって耐
寒性が劣るようになるので、通常20モル以下、好ましく
は平均的に10モル以下のものを使用するのがよい。乳化
安定性を向上するために炭素数の異なるものやエチレン
オキサイドの付加モル数が異なるものを2種以上配合す
ることも有利な方法である。また、エチレンオキサイド
の一部をプロピレンオキサイドで置換したものも乳化安
定性を向上させたり、稀釈液の起泡性を抑制するために
有効である。
本願にいうポリオキシエチレンアルキルエーテル系界
面活性剤を構成するアルキル基は、炭素数が8乃至20の
飽和又は不飽和のアルキル基である。原料アルコールは
合成品でも天然品でも良く、通常は炭素数が異なるアル
コールの混合物である。好適なアルコールはウラリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等を主
体としたものをあげることができるが、オイルとの相溶
性及び製剤の耐寒性の面からラウリルアルコールのよう
な比較的炭素数の少ないものや、オレイルアルコールの
ような二重結合を有するアルコールを主体とするものが
より好ましい。エチレンオキサイドの付加モル数は、乳
剤の所要HLBによって適宜選択すれば良いが、一般に高
付加物になると凝固点が高くなり、オイルとの相溶性が
悪くなって耐寒性が悪くなるので、通常は20モル以下、
好ましくは、平均的に10モル以下のものを使用するのが
よい。乳化安定性を向上させるために、アルキル基の異
なるものやエチレンオキサイドの付加モル数が異なるも
のを2種以上配合することも有利な方法である。また、
エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドで置
換したものも乳化安定性を向上させたり、稀釈液の気泡
性を抑制するために有効である。これらポリオキシエチ
レンアルキルエーテル系界面活性剤は対象とする作物に
よっては薬害発生の傾向があり、あまり大量の配合はで
きないが、先のポリオキシエチレンアルキルエステル系
界面活性剤がオイルと相溶性が悪く、配合比率によって
は製剤が2層分離するなど物理性の点で問題を生ずる場
合があるので両者のつなぎの溶剤としての意味からも2
%以上配合するとなお良い。
これらポリオキシエチレンアルキルエステル系界面活
性剤とポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性
剤の配合比率は、薬害軽減という点で前者の方が多いこ
とが望ましい。前者の量が少なくても後者の単独使用に
比べると薬害軽減作用は認められるが、不十分な場合も
ある。ミルベマイシン系化合物の殺虫殺ダニ活性の増強
という点では、オイルとこれらの界面活性剤を合計した
配合量は製剤中多いほど望ましく、ミルベマイシン系化
合物の含量や稀釈倍数によっても異なるが、通常、オイ
ルを10%以上、好ましくは20%以上配合し、上記ポリオ
キシエチレンアルキルエステル系界面活性剤とポリオキ
シエチレンアルキルエーテル系界面活性剤との合計量が
4%以上、好ましくは10%以上になるように配合するの
が望ましい。効力増強のためには散布液中におけるこれ
らオイルや界面活性剤の濃度が高い方が望ましいから、
これより少量の配合では、効力増強作用が十分でなかっ
たり、稀釈倍数が小さくなりすぎたりして不経済にな
る。
本発明の組成物には、通常ミルベマイシン系化合物を
溶解し界面活性剤及びオイルとの相溶性を保つために溶
媒を配合する。また、必要に応じて、通常の農薬製剤中
に配合されるその他の界面活性剤や協力剤、安定剤、色
素等通常の農薬製剤に配合しうる種々の添加剤、さらに
は、その他の殺虫殺ダニ活性や殺菌活性を有する農薬活
性成分を含有することができる。
その他の界面活性剤としては、一般的なノニオン性、
アニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤を用いるこ
とができるが、対象となる作物に対する薬害や他の農薬
との混用性の面からノニオン性又はアニオン性の界面活
性剤が望ましく、得られる製剤物性の面からは、できれ
ば粘度の低い液状又は適当な有機溶媒に溶解して粘度の
低い液状になるものが望ましい。これら界面活性剤は単
独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。好ましい界面活性剤としては、例えば、ポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレン
アルキルアリルエーテルのリン酸エステル又は硫酸エス
テル及びそれらの塩、高級アルコール硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸の塩、ジアルキルスルホサ
クシネートの塩等のアニオン界面活性剤、ポリオキシア
ルキレンアルキルアリルエーテル、ポリプロピレングリ
コーンエチレンオキサイド付加物、ソルビタンの脂肪酸
エステル及びポリオキシアルキレンソルビタンの脂肪酸
エステル、アセチレングリコール、グリセロールボレー
ト又はポリオキシアルキレングリセロールボレートの脂
肪酸エステル、グリセリン又はペンタエリスリトールの
脂肪酸エステル、高級脂肪族アミン及び脂肪酸アミドの
アルキレンオキサイド付加物等のノニオン界面活性剤、
分子中にパーフルオロアルキル基を有する各種のフッ素
系界面活性剤等をあげることができる。
有機溶媒は、活性成分を溶解し、かつオイルや界面活
性剤とも相溶することが必要で、例えばシクロヘキサノ
ン、脂肪酸エステル類、キシレンやメチルナフタレン等
のような芳香族系溶媒、パークロルエチレンやトリクロ
ルエタンのような塩素化炭化水素系溶媒、フタル酸、ア
ジピン酸、マレイン酸、フマール酸等のエステルのごと
き可塑剤も使用することができる。これらの溶媒は単独
で使用しても、2種以上を配合して使用してもよい。こ
れらのうち、とくにシクロヘキサノンはミルベマイシン
系化合物に対する溶解力が高いので有用である。また、
ポリオキシエチレンアルキルエステル系界面活性剤とオ
イルは、オイルの種類や配合比率によっては相溶しない
場合があるが、両者を相溶させるための溶剤としては高
級脂肪酸のエステルやアジピン酸、コハク酸、リンゴ酸
等の多塩基酸のエステルが有利である。
協力剤はピペロニルブトキサイド、トリフェニルホス
フェートのごとき一般に用いられるものを使用すること
ができる。
安定剤は種々の光安定剤や酸化防止剤、pH調節剤、色
素等通常の農薬製剤に配合しうるものを配合することが
できる。
本発明の組成物は、必要に応じて加温しながら全組成
物を均一に溶解することにより得ることができる。
溶解方法は有効成分を少量の溶媒及び/又はオイルに
溶解したのち界面活性剤を加えて均一に混合溶解するの
がもっとも効率的であるが、有効成分を界面活性剤の一
部又は全部に溶解したのち、必要量の溶媒を加えて稀釈
してもよいし、予め界面活性剤と溶媒とを均一に溶解混
合したのち有効成分を添加して溶解させてもよい。この
際、有効成分を予め適当な乾式又は湿式の粉砕機により
粉砕しておけば、より容易に溶解させることができる。
これらのいずれかの工程で、必要に応じて協力剤、安定
剤、色素やその他の農薬活性成分等を配合する。
製造設備は、一般に農薬の乳剤や液剤を生産するため
の攪拌機付きタンクがあれば十分であるが、本願の有効
成分は前述のとおり比較的溶媒に溶けにくいので、適当
な加温装置を有するものがあればなお良い。
本発明の組成物は一般に農薬乳剤や液剤と同様の包装
形態に小分け包装されるが、本願の有効成分は光や酸化
に対して不安定な場合があるので、このような場合には
着色瓶などの遮光包装及びガラス瓶のような空気透過性
の低い包装が望ましい。容器としてはガラス、種々の材
料の合成樹脂、あるいは金属性の瓶や缶等を使用するこ
とができる。
本組成物は最終的に水に稀釈して散布されるから、製
品は粘度が低いことが望ましく、自然条件下での通常の
保管条件で分離や固化を生じることのない均一な液状物
でなければならない。
本組成物は水に稀釈すると乳化白濁して均一な稀釈液
となる。ミルベマイシン系化合物の活性は極めて高いか
ら一般に製剤中の有効成分の含量は低い。従って、稀釈
時に油滴やクリームあるいは結晶の分離を生じ均一な稀
釈液とならないものは有効成分が分離してしまう可能性
があり、物理性の面で好ましくないので、処方組みに当
たっては厳密に乳化安定剤の良い組み合わせを選択する
必要がある。
本発明の理解をさらに深めるために、以下に試験例及
び実施例を掲げて説明するが、本願発明がこれらによっ
て限定されるものでないことは言うまでもない。
(試験例1)ミカンハダニに対する防除効果試験 第1、2及び3表に示す処方により、ミルベマイシン
A3+A41.0%を含有する乳剤を調製した。これらのサン
プルを用いて、ミカンハダニに対する防除効果試験を実
施した。ミカンの木は屋外に置いたポット植えの温州ミ
カンの3年木を用い、薬剤は各サンプルの1000倍液を薬
液が滴り落ちる寸前まで十分に散布した。散布後1週間
ごとにダニの寄生数を測定し、次式により防除効率を算
出した。
但し、n;散布後の調査回数、Cb;無散布区の散布前密
度、Cai;無散布区の散布後i回目調査の密度、Tb;散
布区の散布前密度、Tai散布区の散布後i回目調査の密
度 処理4週後及び6週後の結果を第4表に示した。数値
は同一処理2連区の平均値である。ポリオキシエチレン
アルキルエーテル系界面活性剤を単用したサンプルで
は、界面活性剤の配合量が多いと高い防除効果を示した
が、果実に対して薬害を生じた。この薬害は単用区では
10%以下では認められなくなったが、防除効果は低下し
た。界面活性剤の合計量を30%に固定し、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル系界面活性剤を減量した分だけ
ポリオキシエチレンアルキルエステル系界面活性剤を配
合したサンプルの殺ダニ効果は極めて高く、安定した効
果を示した。薬害は両界面活性剤を配合することにより
顕著に軽減されたが、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル系界面活性剤の量がポリオキシエチレンアルキルエ
ステル系界面活性剤の量より多い場合にはわずかに薬斑
らしきものが認められた。ポリオキシエチレンアルキル
エステル系界面活性剤のみを30%配合した場合は薬害は
認められなかったが、乳剤を2℃で保存すると、製剤が
2層分離した。これらのサンプルと同じ量の界面活性剤
を配合しても、他の種類の界面活性剤を乳化剤として用
いた場合や、マシン油の代わりに他の溶剤を用いた場合
の防除効果は著しく低く、実用性に乏しかった。
(試験例2)プチトマトに対する薬害試験 第1表のサンプルをそれぞれ250倍に稀釈した液をプ
チトマトの果実に散布し、薬害の程度を比較観察した。
結果を第5表に示す。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤の
みを乳化剤とした場合、プチトマトに対する薬害は乳化
剤の減量に伴い軽減の傾向を示したものの、10%配合で
ははっきりと薬害とわかる程度のリング状薬斑の発生が
みられ、5%配合でも比率は少なくなるが薬害らしき薬
斑の発生が認められた。また、5%配合では、界面活性
剤の不足により、稀釈液の乳化安定性が悪く、しばらく
静置するとクリームの浮上がみられた。一方、乳化剤の
配合量を合計で30%に固定し、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル系界面活性剤を減量した分だけポリオキシ
エチレンアルキルエステル系界面活性剤を加えた乳剤の
場合には、単に前者を減量した分以上の薬害軽減作用が
認められた。とくに、前者と後者の比率が1以下の場合
には、薬害はほとんど認められず、実用的に全く問題に
ならなかった。
(試験例3)いちご新葉に対する薬害試験 第2表のサンプルを500倍に稀釈した液をいちごの葉
面に散布し、薬害の程度を評価した。結果を第6表に示
す。ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤
のみを乳化剤とした場合、いちご葉に対する薬害は乳化
剤の減量に伴い軽減の傾向を示したが、10%配合では部
分的に葉裏が褐変した葉がみられ、5%配合でもとくに
新葉に萎縮がみられた。また5%配合では界面活性剤の
不足により稀釈液の乳化安定性が悪く、しばらく静置す
るとクリームの浮上がみられた。一方、乳化剤の配合量
を合計で30%に固定し、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル系界面活性剤を減量した分だけポリオキシエチレ
ンアルキルエステル系界面活性剤を加えた乳剤の場合に
は、単味処方に比べて前者の減量に伴う薬害軽減の傾向
が顕著で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面
活性剤を15%配合しても薬害はみられなかった。
(実施例) 第7表に本発明の実施例の処方を示す。これらの処方
により調製したサンプルの柑橘におけるミカンハダニに
対する効力は極めて高く、薬害の点でも実用上問題はな
かった。また、物理性とくに乳化安定性や耐寒性の点で
も十分に実用に耐えるものであった。
(発明の効果) 以上のように、本発明の組成物によれば16員環マクロ
ライド化合物の殺虫殺ダニ活性を高め、かつ、薬害を軽
減することができる。このような組成物は農業の発展に
寄与するばかりでなく、少ない有効成分で目的を達する
ことができるため、環境保護や経済面でも有益な意義を
有するものである。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】殺虫殺ダニ剤として有効な16員環マクロラ
    イド化合物の一種又は二種以上、10乃至80重量%の鉱物
    油及び5乃至50重量%のポリオキシエチレンアルキルエ
    ステル系界面活性剤を含有する、農園芸用殺虫殺ダニ
    剤。
  2. 【請求項2】2乃至30重量%のポリオキシエチレンアル
    キルエーテル系界面活性剤を含有する、特許請求の範囲
    第1項に記載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
  3. 【請求項3】鉱物油の量が20重量%以上であって、か
    つ、ポリオキシエチレンアルキルエステル系界面活性剤
    とポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤の
    合計量が10重量%以上である、特許請求の範囲第1項乃
    至第2項のいずれかに記載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
  4. 【請求項4】ポリオキシエチレンアルキルエステル系界
    面活性剤がポリオキシエチレンラウリン酸エステル及び
    /又はポリオキシエチレンオレイン酸エステルである、
    特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の農
    園芸用殺虫殺ダニ剤。
  5. 【請求項5】ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界
    面活性剤がポリオキシエチレンラウリルエーテル及び/
    又はポリオキシエチレンオレイルエーテルである、特許
    請求の範囲第2項乃至第4項のいずれかに記載の農園芸
    用殺虫殺ダニ剤。
  6. 【請求項6】16員環マクロライド化合物が、下記一般式
    で表される化合物である、特許請求の範囲第1項乃至第
    5項のいずれかに記載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。 (式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
    水酸基、メルカプト基、又は糖残基を示し、R2は、水素
    原子、水酸基又はオキソ基を示し、点線は、単結合又は
    二重結合を示し(R2が水素原子のときのみ二重結合であ
    りうる)、R3は、アルキル基、アルケニル基、アルキニ
    ル基、アルコキシアルキル基、アルキルチオアルキル
    基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基、シ
    クロアルケニル基(以上の基には場合により、隣り合っ
    た2つの炭素原子を含有するシクロプロパン環、オキシ
    ラン環、チイラン環又はアジリジン環を部分構造として
    有していてもよい、1個又は2個以上のアルキル基又は
    ハロゲン原子で置換されていてもよい)を示し、R4は、
    水素原子、ハロゲン原子又は水酸基を示し、R5は、水酸
    基又はヒドロキシイミノ基を示し、Aは、酸素原子又は
    単結合を示す。 また上記各定義中、水酸基、メルカプト基及びヒドロキ
    シイミノ基は、エーテル化、エステル化されていてもよ
    い。)
  7. 【請求項7】16員環マクロライド化合物が、一般式にお
    いて、R1が、水素原子、4'−(α−L−オレアンドロシ
    ル)−α−L−オレアンドロシルオキシ又は4'−(4"−
    メチルアミノ−α−L−オレアンドロシル)−α−L−
    オレアンドロシルオキシを示し、R2が、水素原子又は水
    酸基を示し、点線が、単結合又は二重結合を示し(R2
    水素原子のときのみ二重結合でありうる)、R2が、α−
    分枝炭素数3乃至8アルキル基、炭素数3乃至8アルケ
    ニル基、炭素数3乃至8アルコキシアルキル基、炭素数
    3乃至8アルキルチオアルキル基、炭素数3乃至8シク
    ロアルキル−α−分枝炭素数2乃至5アルキル基、炭素
    数3乃至8シクロアルキル基又は炭素数5乃至8シクロ
    アルケニル基(以上の基は場合により、隣り合った2つ
    の炭素原子を含有するシクロプロパン環、オキシラン
    環、チイラン環又はアジリジン環を部分構造として有し
    ていもよく、1個又は2個以上のアルキル基又はハロゲ
    ン原子で置換されていてもよい)又は3乃至6員環の酸
    素原子若しくは硫黄原子を含有する飽和又は不飽和複素
    環(炭素数1乃至4アルキル基又はハロゲン原子で置換
    されていてもよい)を示し、R4が水素原子を示し、R5
    水酸基を示し、Aが単結合を示す、特許請求の範囲第6
    項に記載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
  8. 【請求項8】16員環マクロライド化合物が、アベルメク
    チンB1a及びB1bから選ばれる、特許請求の範囲第6項に
    記載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
  9. 【請求項9】16員環マクロライド化合物が、一般式にお
    いて、R1が水素原子を、R2がオキソ基を、点線が単結合
    を、R2が、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−
    1−ブテニル又は1,3−ジメチル−1−ブテニルを、R4
    が水素原子を、R5が水酸基を、Aが単結合をそれぞれ示
    す、特許請求の範囲第6項に記載の農園芸用殺虫殺ダニ
    剤。
  10. 【請求項10】16員環マクロライド化合物が、一般式に
    おいて、R1が、ピバロイルオキシ、α−メチルベンジル
    カルボニルオキシ、α,α−ジメチルベンジルカルボニ
    ルオキシ又は2−フェニルエチルオキシを、R2が水素原
    子を、点線が単結合を、R2が、メチル、エチル又はイソ
    プロピルを、R4が水素原子を、R5が水酸基を、Aが単結
    合をそれぞれ示す、特許請求の範囲第6項に記載の農園
    芸用殺虫殺ダニ剤。
  11. 【請求項11】16員環マクロライド化合物が、一般式に
    おいて、R1が水素原子を、R2が水素原子を、点線が単結
    合をR3がメチル又はエチルを、R4が水素原子を、R5が、
    アセトキシ又はプロピオニルオキシを、Aが酸素原子を
    それぞれ示す、特許請求の範囲第6項に記載の農園芸用
    殺虫殺ダニ剤。
  12. 【請求項12】16員環マクロライド化合物が、ミルベマ
    イシンA3、A4、D、C1、C2、F、α11、α12、α13、α
    14及びα15から選ばれる、特許請求の範囲第6項に記載
    の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
  13. 【請求項13】16員環マクロライド化合物が、ミルベマ
    イシンα11、α14から選ばれる、特許請求の範囲第6項
    に記載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
  14. 【請求項14】16員環マクロライド化合物が、ミルベマ
    イシンA3、A4から選ばれる、特許請求の範囲第6項に記
    載の農園芸用殺虫殺ダニ剤。
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