JP2500994B2 - 地下構築物の構築方法および曲線削孔装置 - Google Patents

地下構築物の構築方法および曲線削孔装置

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JP2500994B2
JP2500994B2 JP5147919A JP14791993A JP2500994B2 JP 2500994 B2 JP2500994 B2 JP 2500994B2 JP 5147919 A JP5147919 A JP 5147919A JP 14791993 A JP14791993 A JP 14791993A JP 2500994 B2 JP2500994 B2 JP 2500994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球形や卵形等の耐圧形
状を有する地下構造物を構築する際に用いられて好適な
地下構築物の構築方法および曲線削孔装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、地下の有効利用を図るために、大
深度地下開発が進められ、例えば、大深度の地中に石油
備蓄タンクや液化天然ガス用のタンクが構築されてい
る。このような地下構築物は、地中深く構築されるため
に、大きな土圧に耐える必要があり、その形状が球状や
卵状の耐圧構造となっている。すなわち、地下構造物の
構造は水平断面が、略円形にされるとともに、上下端部
に向かってその径が小さくなるようになっている。従っ
て、地下構築物の外面は曲面となっている。
【0003】このような地下構築物を構築する際には、
構築中に掘削された地下空間内の天端や壁面の崩落を防
止する必要がある。しかし、大深度地下構築物の構築に
おける地下空間掘削時の地山の補強方法は、いまだ確立
されておらず、安全で経済的な補強方法が求められてい
た。一方、大深度地下構築物と同様に地下構築物である
トンネルの構築においては、様々な地山の補強方法が開
発されているので、これを大深度地下構築物に応用する
ことが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トンネ
ルは、一般的に直線的に掘削していくことにより形成さ
れるものであるのに対して、上記大深度地下構築物は、
球形や卵形などの外面が湾曲した耐圧形状を有すること
から、トンネルの構築に用いられる掘削方法を大深度地
下構築物に応用することが困難であった。例えば、トン
ネルの構築においては、既に掘削された部分の先端にお
いて、トンネルの掘削方向に略沿って削孔を掘削し、該
削孔に薬液やモルタルを圧入することにより補強を行な
っては順次掘削することを繰り返し行なうことにより、
トンネルを掘り進むことができる。それに対して、耐圧
形状の大深度地下構築物においては、掘削前の段階で構
築すべき地下構築物の天端部分を広範囲に渡って補強し
た方が好ましいが、地下構築物の天端側はドーム状にな
っていることにより、その補強が極めて困難であった。
【0005】また、構築すべき地下構築物のドーム状の
天端側の地山を補強するのを困難なものとしている理由
の一つに、一般の掘削機械、特に削孔を掘削する削孔装
置において、進行方向に向かって直線的に削孔を掘削す
ることは容易にできるが、曲線的に掘削を行なうことが
困難なことが挙げられる。そして、上述のような削孔を
掘削する掘削機械においては、例えば長尺な削孔を掘削
する場合に、いかにまっすぐな削孔を形成することがで
きるかということを課題として開発が進められ、曲線状
の削孔を掘削することについて、今まで省みられなかっ
た。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、ドーム状の天端部分を容易に補強することがで
きる地下構築物の構築方法と、該地下構築物の構築方法
に用いることができ、かつ、曲線状の削孔を掘削できる
曲線削孔装置とを提供することを目的とするものであ
る。
【0007】 本発明の地下構築物の構築方法は、外面の
少なくとも一部が湾曲した形状の地下構築物を構築する
に際し、構築すべき地下構築物の外面側に当たる地山を
補強する補強工程と、次いで、該補強工程により補強さ
れた上記地山の内側を掘削して、上記地下構築物を収容
すべき地下空間を形成する掘削工程とを具備してなり、
上記補強工程において、上記地山を補強するに際し、
記構築すべき地下構築物に至る立坑を掘削し、上記地下
構築物の少なくとも上面側の外面を覆うように、上記地
下構築物の少なくとも一部が湾曲した外面に沿って、
記立坑から放射状に曲線状の多数の削孔を掘削していく
とともに、順次掘削された削孔にモルタル等の補強剤を
注入することを上記課題の解決手段とした。
【0008】本発明の曲線削孔装置は、任意の曲線状の
削孔を掘削する削孔装置であって、上記任意の曲線状の
削孔に沿って屈曲可能な多数の関節部を有する回転力伝
達用のユニバーサルロッドと、該ユニバーサルロッドの
先端に揺動自在に取り付けられ、かつ前面が回転するこ
とにより削孔を掘削する掘削用カッターと、一端が掘削
用カッターに結合されるとともに他端がユニバーサルロ
ッドに結合され、かつ、伸縮することによりユニバーサ
ルロッド先端部に対する掘削用カッター前面の角度を変
更するアクチュエータと、掘削される上記曲線状の削孔
の経路を検知する掘削位置計測手段とを具備してなるこ
とを上記課題の解決手段とした。
【0009】
【作用】上記請求項1記載の地下構築物の構築方法によ
れば、上記構築すべき地下構築物の外面側に当たる地山
を補強するに際し、上記構築すべき地下構築物に至る立
坑を掘削し、上記構築すべき地下構築物の少なくとも上
面側の外面を覆うように、上記地下構築物の少なくとも
一部が湾曲した外面に沿って、立坑から放射線状に曲線
状の多数の削孔を掘削していくとともに、順次掘削され
た削孔にモルタル等の補強剤を注入することにより、モ
ルタルによる地山の曲面状の補強を行なうことができ、
球形もしくは卵形の耐圧形状を有する大深度地下構築物
の構築においても、構築すべき地下構築物の湾曲した外
面に添った地山を容易に補強することができる。そし
て、補強された地山の内側および下側を安全に掘削する
ことができ、掘削された地下空間に地下構築物を設ける
ことができる。
【0010】上記請求項2記載の曲線削孔装置によれ
ば、上記掘削位置計測手段により、掘削される任意の曲
線状の削孔の経路を検知することができるので、随時、
削孔の進むべき方向を知る事ができ、上記アクチュエー
タにより掘削用カッター前面の角度を変更することで、
上記掘削用カッターの位置における曲線状の削孔の進行
方向に掘削用カッターの前面を向けることができる。ま
た、曲線上に形成された削孔内においても、ユニバーサ
ルロッドが掘削用カッターに回転を伝達することができ
る。従って、上記側孔装置によれば、任意の曲線状の削
孔を掘削することができる。そして、上記地下構築物の
構築方法を用いて地下構築物を構築する際に、構築すべ
き地下構築物の湾曲した外面に沿った削孔を容易に掘削
することができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1ないし図4はこの実施例の地下構築物の
構築方法に用いられる曲線削孔装置を説明するための図
面であり、図5および図6はこの実施例の地下構築物の
構築方法を説明するための図面である。ここでこの実施
例の地下構築物の構築方法を説明する前に、この地下構
築物の構築方法で用いられる曲線削孔装置について説明
する。
【0012】なお、この実施例の地下構築物の構築方法
は、基本的には、構築すべき耐圧形状を有する地下構築
物の湾曲した外面に沿って、該地下構築物の外面を覆う
ように多数の削孔1(図5および図6に図示)を掘削す
るとともに、該削孔1の中にモルタルを圧入することに
より、地下構築物を収容する地下空間s(図5に破線で
図示)の外周を補強し、この補強された部分の内側で地
下空間sの掘削作業を進めることにより、安全に地下構
築物の構築を行なうものである。したがって、この地下
構築物の構築方法においては、構築すべき地下構築物の
湾曲した外面に沿った削孔1を形成するための曲線削孔
装置が必要となり、この実施例では、上記図1ないし図
4に示す曲線削孔装置を用いている。
【0013】上記曲線削孔装置は、駆動力伝達用のユニ
バーサルロッド2と、該ユニバーサルトッド2の先端に
取り付けられた掘削部3と、上記ユニバーサルロッド2
を覆う長尺な筒状のケーシング4と、上記ユニバーサル
ロッド2を回転させる駆動装置(図示略)とを基本構成
とするものである。上記駆動力伝達用のユニバーサルロ
ッド2は、互いに回動可能に連接された多数のロッド2
a…からなるものであり、各ロッド2a…同士はピン結
合されるとともに、各ロッド2a…間のピン結合部は隣
接するピン結合部に対してロッド2a…が回動する面を
90度ずらしている。
【0014】上記掘削部3は、ユニバーサルロッド2の
先端に球座を介して揺動自在に支持された円板状の掘削
用カッター5と、上記ユニバーサルロッド2の先端部よ
り僅かに後方に固定された円板状の支持板6と、該支持
板6と掘削用カッター5とにそれぞれ両端部をピン結合
されたアクチュエータ7と、支持板6と掘削用カッター
5とを係合してユニバーサルロッド2に固定された支持
板6に対する掘削用カッター5の回動を規制する回転伝
達用バー8と、掘削部3の位置を検知するための掘削位
置計測装置(図示略)を軸方向に移動自在に収納するた
めの計測管9(図4に図示)とからなるものである。
【0015】上記掘削用カッター5は、その前面および
側面に突出する多数のチップ5a…を有し、掘削面に対
して略平行な面内で回転することにより地山を掘削する
ようになっている。上記アクチュエータ7は、油圧もし
くは圧縮空気により伸縮駆動されてユニバーサルロッド
2の先端に揺動自在に支持された掘削用カッター5の角
度を調整するものである。そして、アクチュエータは、
その一端部を掘削用カッター5の裏面の周縁部にピン結
合されるとともに、その他端部を支持板6の周縁部にピ
ン結合され、かつ、ユニバーサルロッド2の先端のロッ
ド2aと平行に配置されている。また、アクチュエータ
7は、図3に示すように、掘削用カッター5および支持
板6の周方向に沿って等間隔に3つ配置されている。
【0016】また、上記構成によりアクチュエータ7…
は、ユニバーサルロッド2、掘削用カッター5、支持板
6とともに一体に回転することになるので、回転した状
態の掘削用カッター5をユニバーサルロッド2の中心軸
に対して一定の方向に傾けるためには、掘削用カッター
5の回転角度に対応して、アクチュエータ7…の長さを
伸縮させる必要がある。従って、アクチュエータ7…
は、図示しない制御装置からの信号に基づいて、アクチ
ュエータ7…を駆動するためのバルブ(図示略)の開閉
を調整し、回転角度に対応して伸縮するようになってい
る。なお、掘削部3内のアクチュエータは、掘削粉にさ
らされることになるので、図示したピストン状のものよ
りも、例えば、柔軟な動きが求められるロボットの関節
部の駆動用などに用いられ、圧縮空気もしくは油圧によ
る内圧によって伸縮するゴムチューブ製のアクチュエー
タ(フレキシブルマイクロアクチュエータ)の方が好ま
しい。
【0017】図3に示すように、上記回転伝達バー8…
は、ユニバーサルロッド2を挟んで各アクチュエータ7
…とそれぞれ対向するように、支持板6の周縁部に3つ
配置されている。また、図1ないし図3に図示するよう
に、上記回転伝達バー8…は、上記支持板6から掘削用
カッター5に向かって互いに僅かな間隔をあけて平行に
延出する2枚の細板状の挟持板8a、8aと、上記掘削
用カッター5から支持板に向かって延出するとともに、
その先端部が上記2枚の挟持板8a、8aの間に挿入さ
れた細板状の挿入板8bとからなる。
【0018】従って、回転伝達バー8は、アクチュエー
タ7…による切削用カッター5の角度変更を阻害するこ
となく、ユニバーサルロッド2に固定された支持板6の
回転をユニバーサルロッド2に揺動自在に支持された掘
削用カッター5に伝達するようになっている。従って、
アクチュエータ7…は、ユニバーサルロッド2の回転を
掘削用カッター5に伝達する必要がないので、必要以上
に高い強度を有するものを用いる必要がない。
【0019】上記掘削位置計測装置(図示略)は、上記
計測管9内を走行することにより、掘削された削孔1の
経路と削孔1の先端の位置とを検出するもので、周知の
慣性航法装置と同様の構成を有するものであり、進行方
向を検知するジャイロコンパス(図示略)と、速度の変
化を検知する加速度計(図示略)とからなるものであ
る。そして、上記掘削位置計測装置は、既に掘削された
部分に延出した状態となる配置計測管9内を走行するこ
とにより、上記ジャイロコンパスと加速度計とから出力
される信号が制御装置(図示略)に送信され、制御装置
において、進行方向と加速度を積算した距離とにより、
削孔の既に掘削された部分の経路と削孔の先端の掘削位
置を演算するようになっている。
【0020】なお、上記ジャイロコンパスは、計測管9
内に収納される必要があるので、小型な光学式のジャイ
ロコンパスが好ましい。また、上記曲線削孔装置が、三
次元空間内ではなく、垂直な平面内の任意の曲線に沿っ
て削孔を掘削するものであるならば、上記ジャイロコン
パスと加速度計に代えて、周知の挿入式の傾斜計を用い
ても良い。すなわち、計測管9内に上記傾斜計を挿入し
ていくことにより、削孔の既に掘削された部分に沿って
配置された状態の計測管9の各位置の傾斜角を順次計測
していくことができるので、垂直な平面内において、上
記傾斜角と傾斜計の挿入された長さとから、削孔の経路
および削孔の先端部の位置を追跡することができる。
【0021】上記ケーシング4は、柔軟性を有するフレ
キシブルなものであり、掘削した削孔1内の崩落を防止
するとともに、ケーシング4内の後述する配管11、1
2を保護するものである。そして、図1に示すように、
ケーシング4内には、所定の間隔をおいてディスタンス
リング10が配置されている。ディスタンスリング10
は、図4に示すように、その中央部分にユニバーサルロ
ッド2が貫通するようになっている。
【0022】また、ディスタンスリング10には、3つ
の各アクチュエータ7…にそれぞれ油圧もしくは圧縮空
気を送る3つの配管11が貫通するとともに、掘削位置
計測装置を移動自在に収納可能な計測管9と、ズリ出し
用のジェット管12(もしくはエアー管)が貫通してい
る。また、ディスタンスリング10の外周縁部には、周
方向に等間隔に3つのローラが配置され、ディスタンス
リング10がケーシング4に対して摺動した際の摩擦を
減少させるようになっている。
【0023】以上のような構成の曲線削孔装置によれ
ば、上記掘削位置計測装置により、予め決められた任意
の曲線(例えば、構築すべき構築物の湾曲した外面に沿
った曲線)上の掘削装置先端部の位置を検知することが
できる。そして、上記掘削部3においては、アクチュエ
ータ7により、掘削を行なう掘削用カッター5の前面の
角度を任意に変更することができるので、上記掘削用カ
ッター5の前面を上記曲線状の削孔の進行方向に向ける
ことができる。さらに、上記ユニバーサルロッド2は、
湾曲した削孔1に沿って屈曲することができるととも
に、削孔1に沿って屈曲した状態で、掘削用カッター5
に回転を伝達することができる。従って、上記曲線削孔
装置によれば、任意の曲線に沿って削孔1を掘削するこ
とができる。
【0024】次に、上記曲線削孔装置を用いて構築すべ
き地下構築物の外面の地山を補強した後に地下空間sを
掘削する地下構築物の構築方法について説明する。ま
ず、図5に示すように、地下構築物を構築すべき場所に
対応する地表13から立坑14を掘削する。次に、立坑
14底部に、上記曲線削孔装置を降ろす。なお、上記曲
線掘削装置は、実際に削孔を掘削する部分の構成であ
り、この曲線掘削装置を作動させるためには、上述のよ
うに曲線削孔装置を駆動する駆動装置やコンプレッサー
等が必要となり、これらの機材15を図5に示す用に
坑14底部に降ろす必要がある。また、上記曲線削孔装
置は、ユニバーサルロッド2やケーシング4等を継ぎ足
していくことにより、その距離を延ばすことができるよ
うになっており、これらの備品も必要となる。そして、
地下構築物を構築すべき地下空間S(図5に破線で図
示)を掘削する前に、図5に示すように上記地下空間S
の外面に沿って、図6に示すように立坑14から放射状
に多数の削孔1を掘削する。そして、多数の削孔1を掘
削することにより、地下空間Sの周囲を削孔1で覆うよ
うにする。この際に、隣接する削孔1同士間には、僅か
に間隔をあけるようにする。
【0025】この際には、上述のように曲線削孔装置
が、任意の曲線に沿って削孔1を掘削することができる
ものであることから、上記地下空間sの湾曲した外面に
沿って削孔を掘削することができる。また、削孔1…を
順次掘削していくとともに、掘削された削孔1内に順次
モルタルを圧入していく。すなわち、多数の削孔1…を
順次掘削する作業と、掘削され削孔1が崩落してしまう
前にモルタルを圧入する作業とを平行して行なう。そし
て、削孔1内にモルタルを圧入することにより、削孔1
にモルタルが充填されるととともに、削孔1の周囲にも
モルタルが漏出する。従って、削孔1に圧入されたモル
タルの硬化に伴って、地下空間sの周囲が補強されるこ
とになる。
【0026】また、上記方法により補強されるのは、地
下空間sの外面部分だけであり、低コストで能率良く、
地下空間を構築すべき地山の補強を行なうことができ
る。すなわち、上記曲線削孔装置により、耐圧形状とな
る地下構築物を構築するために、湾曲した外面を有する
掘削すべき地下空間の外面に沿って、削孔1が掘削され
るので、直線状の削孔を用いて、地下空間の湾曲した外
面を覆おうとした場合のように、削孔が直線状に無駄に
広がってしまったり、上下に何段階にも分けて削孔を形
成する必要がなく、必要充分な部分だけを少ない工程数
で補強することができる。
【0027】次いで、周囲が補強された掘削すべき地下
空間sの内部を周知の方法により掘削する。この際に
は、掘削すべき地下空間sの外面が、上記モルタルを圧
入された多数の掘削孔1により補強されているので、地
下空間sの内面が崩落することがなく、安全に掘削作業
を行なうことができる。以上のようにこの実施例の地下
構築物の構築方法によれば、地下構築物を構築する地下
空間を掘削するに際して、容易かつ経済的に掘削すべき
地下空間の外面を補強することができる。
【0028】なお、上記実施例においては、地下構築物
の構築方法に上述の構成を有する曲線削孔装置を用いた
が、地下構築物の湾曲した外面に沿って曲線状の削孔を
形成できるものならば、どのような削孔装置を用いても
良い。また、上記曲線削孔装置は、地下構築物の構築だ
けに用いられるものではなく、トンネル掘削の際の補強
工程にも用いることができる。また、障害物等により、
いままで 直接削孔を形成することができなかった部分
についても、上記曲線削孔装置を用い、湾曲して障害物
を避けた削孔を形成することができる。また、上記地下
構築物の構築方法において、削孔1にモルタルを圧入す
るものとしたが、必ずしも、削孔に圧入するのはモルタ
ルに限られるものではなく、例えば、セメント、コンク
リート、水ガラス系の薬液等でも良い。
【0029】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1記載の地下構築物の構築方法によれば、上記地下
構築物の外面に沿って、上記立坑から放射状に曲線状の
多数の削孔を掘削するとともに、掘削された削孔に補強
剤を注入することにより、構築すべき地下構築物の外面
部分だけを補強することができるので、低コストで効率
的に地下構築物を構築すべき地山の補強を行うことがで
きる。 また、削孔は、立坑から放射状に掘削されるの
で、少なくとも一部が湾曲した形状の外面に沿って曲線
状に掘削できれば、比較的容易に掘削することができ
る。 また、立坑から放射状に多数の削孔を掘削した場合
には、各削孔同士は、掘削を進めていくにしたがって離
れていくことになるので、削孔の掘削を開始する段階
で、削孔の角度を正確に設定すれば、削孔を掘削してい
くにしたがって削孔の掘削方向が多少ずれても、隣接し
て既に掘削された削孔に掘削中の削孔が接触して既に掘
削された削孔を崩してしまうようなことがない。 なお、
卵形もしくは球形等の地下構築物の外面形状に沿って放
射状に削孔を形成した場合には、卵形もしくは球形の地
下構築物の中央部分をすぎたところで、各削孔同士が近
づくことになりますが、少なくとも上記地下構築物の中
央部分まで削孔を形成できれば、地下構築物の上面側の
地山を補強することができるので、上記地下構築物部分
の地山の掘削を開始することが可能となる。 したがっ
て、削孔の掘削において、掘削方向を決める精度が多少
低くても、特に問題が生じることがないので、容易に削
孔の掘削を行うことができる。 以上のように本発明の地
下構築物の構築方法によれば、地下構築物の外面部分だ
けを容易に補強することができ、地下構築物の構築作業
の安全性及び経済性を向上することができる。また、本
発明の請求項2記載の曲線削孔装置によれば、掘削用カ
ッター前面の角度をアクチュエータにより変えて、掘削
方向を任意に変更できるので、位置計測手段により、位
置を確認するととも確認された位置における掘削方向を
決めることができる。さらに、ユニバーサルロッドが、
湾曲した削孔に沿って掘削用カッターに回転を伝達する
ことができる。従って、上記曲線削孔装置によれば、任
意の曲線に沿って削孔を掘削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のケーシングを切り欠いた状
態の曲線削孔装置を示す要部側面図である。
【図2】上記ケーシングを切り欠いた状態の曲線削孔装
置を示す要部側面図である。
【図3】上記曲線削孔装置の掘削部を示す断面図であ
る。
【図4】上記曲線削孔装置内のディスタンスリングを示
す正面図である。
【図5】本発明の地下構築物の構築方法を説明するため
の断面図である。
【図6】本発明の地下構築物の構築方法を説明するため
の平面図である。
【符号の説明】
1 削孔 2 ユニバーサルロッド 5 掘削用カッター 7 アクチュエータ 9 計測管( s 地下構築物を収容する掘削すべき地下空間

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面の少なくとも一部が湾曲した形状の
    地下構築物を構築するに際し、構築すべき地下構築物の
    外面側に当たる地山を補強する補強工程と、次いで、該
    補強工程により補強された上記地山の内側を掘削して、
    上記地下構築物を収容すべき地下空間を形成する掘削工
    程とを具備してなり、 上記補強工程において、上記地山を補強するに際し、
    記構築すべき地下構築物に至る立坑を掘削し、上記地下
    構築物の少なくとも上面側の外面を覆うように、上記地
    下構築物の少なくとも一部が湾曲した外面に沿って、
    記立坑から放射状に曲線状の多数の削孔を掘削していく
    とともに、順次掘削された削孔にモルタル等の補強剤を
    注入することを特徴とする地下構築物の構築方法。
  2. 【請求項2】 任意の曲線状の削孔を掘削する削孔装置
    であって、 上記任意の曲線状の削孔に沿って屈曲可能な多数の関節
    部を有する回転力伝達用のユニバーサルロッドと、該ユ
    ニバーサルロッドの先端に揺動自在に取り付けられ、か
    つ前面が回転することにより削孔を掘削する掘削用カッ
    ターと、一端が掘削用カッターに結合されるとともに他
    端がユニバーサルロッドに結合され、かつ、伸縮するこ
    とによりユニバーサルロッド先端部に対する掘削用カッ
    ター前面の角度を変更するアクチュエータと、掘削され
    る上記曲線状の削孔の経路を検知する掘削位置計測手段
    とを具備してなることを特徴とする曲線削孔装置。
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