JP2500707Y2 - 自動車のシ―トベルト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として後部座席用として用いられる二点式
の自動車のシートベルト装置に関するものである。

（従来の技術） シートクッションとシートバックとの間からバックル
付の短ベルトと該バックルに係脱自在なターンプレート
付の長ベルトとを引き出した自動車のシートベルト装置
は、後部座席用として広く採用されているが、従来のも
のは不使用時にバックル付の短ベルトとターンプレート
付の長ベルトとがシートクッション上に投げ出されたま
ま放置されているので、体裁が悪いものであった。そこ
で、実開昭61-24252号公報などには長ベルトが巻取りリ
ールに自動的に巻き取られるようにしたものも提案され
ているが、このようなものは高価となるうえに故障が生
じ易いものであった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案が解決しようとするところは前記のような課題
を解決して不使用時においてバックル付の短ベルトやタ
ーンプレート付の長ベルトが体裁よく整理される安価で
故障のない自動車のシートベルト装置を提供しようとす
ることにある。

（課題を解決するための手段） 前記のような課題を解決しようとする本考案の自動車
のシートベルト装置は、シートクッションとシートバッ
クとの間からバックル付の短ベルトと該バックルに係脱
自在なターンプレート付の長ベルトとを引き出した自動
車のシートベルト装置において、前記シートバックの天
板部にフック受けを設けてこれに前記長ベルトの中間を
フック部材をもって装脱自在に掛止めするとともに前記
バックルにターンプレートを連繋させたことを特徴とす
るものである。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説明す
る。

（１）は後部座席のシートクッション、（２）はシー
トバックであって、該シートクッション（１）とシート
バック（２）との間からはバックル（３）付の短ベルト
（４）と該バックル（３）に係脱自在なターンプレート
（５）付の長ベルト（６）とが引き出されており、これ
らの点は従来のこの種自動車のシートベルト装置と変わ
るところはない。（７）はシートバック（２）の天板部
の中間部または上方部の表面に横方向に設けられたフッ
ク受けであって、該フック受け（７）は第１図、第２図
に示す第１の実施例に示すように短筒状として表皮材の
縫着線上において表皮材と同材その他の可撓性材を袋縫
いするか、第３図に示す第２の実施例のように表皮材の
所要位置に表皮材と同材その他の可撓性材を縫い付ける
か、或いは第４図、第５図に示す第３の実施例のように
表皮材の縫着線全体に長筒状として表皮材と同材その他
の可撓性材を袋縫いすることにより形成してある。
（８）は長ベルト（６）の中間に取付けられるフック部
材（８）であって、該フック部材（８）は前記フック受
け（７）に挿脱自在な挿込ピン（8a）と長ベルト（６）
の中間に位置調節自在に取付けられるベルト連結部（8
b）とよりなるものとしている。なお、ベルト連結部（8
b）は第１および第２の実施例のようにピン状として長
ベルト（６）から外れるようにしても、第３の実施例の
ように扁平環状として長ベルト（６）から外れないよう
にしてもよく、また、フック部材（８）をフック受け
（７）に装脱自在とする手段は前記のような可撓性材で
袋縫いしたフック受け（７）に対するピン差込式とせず
に雌雄一対のボタン式としてもよい。そして、不使用時
にはシートバック（２）の表面のフック受け（７）に前
記長ベルト（６）の中間をフック部材（８）をもって掛
止めするとともに、前記バックル（３）にターンプレー
ト（５）を連繋させて短ベルト（４）と長ベルト（６）
とがシートバック（２）の表面にたすきがけ状に添わせ
た状態を保持している。

（作用） このように構成されたものは、不使用時にはシートバ
ック（２）の表面に短ベルト（４）と長ベルト（６）と
がたすきがけ状に添った状態を保持しているので体裁よ
く整理され、使用時にはシートバック（２）の表面のフ
ック受け（７）からフック部材（８）を抜き出すととも
に、一旦バックル（３）とターンプレート（５）との連
繋を解き、後は従来の２点式の自動車のシートベルト装
置と同様に使用すればよいもので、不使用時にバックル
付の短ベルトとターンプレート付の長ベルトとがシート
クッション上に投げ出されたまま放置されることがない
ので体裁がよく、しかも、巻取りリールなど複雑な機構
を要しないので安価に提供できるうえに長期間使用して
も故障が生じることもなく、また、フック部材（８）は
フック受け（７）に対して装脱自在としてあるのでフッ
ク部材（８）がシートバック（２）側に残ることがなく
て着座者が背中に違和感を感じることは殆どないもの
で、特に、フック受け（７）を表皮材の縫着線上に位置
させて表皮材と同材その他の可撓性材を袋縫いして形成
したものでは体裁および使用感において一層優れたもの
となる。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、不使用時にバ
ックル付の短ベルトとターンプレート付の長ベルトとが
シートクッション上に投げ出されたまま放置されること
がないので体裁がよく、しかも、巻取りリールなど複雑
な機構を要しないので安価に提供できるうえに長期間使
用しても故障が生じることがなく、フック部材がシート
バック側に残ることがないので着座者が背中に違和感も
ない利点と相俟ち従来のこの種自動車のシートベルト装
置の欠点を解決したものとして実用的価値極めて大なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す斜視図、第２図は
同じく要部の一部切欠斜視図、第３図は本考案の第２の
実施例を示す要部の一部切欠斜視図、第４図は本考案の
第３の実施例を示す一部切欠斜視図、第５図は同じく要
部の一部切欠斜視図である。 （１）：シートクッション、（２）：シートバック、
（３）：バックル、（４）：短ベルト、（５）：ターン
プレート、（６）：長ベルト、（７）：フック受け、
（８）：フック部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートクッション（１）とシートバック
   （２）との間からバックル（３）付の短ベルト（４）と
   該バックル（３）に係脱自在なターンプレート（５）付
   の長ベルト（６）とを引き出した自動車のシートベルト
   装置において、前記シートバック（２）の天板部にフッ
   ク受け（７）を設けてこれに前記長ベルト（６）の中間
   をフック部材（８）をもって装脱自在に掛止めするとと
   もに前記バックル（３）にターンプレート（５）を連繋
   させたことを特徴とする自動車のシートベルト装置。