JP2500650Y2 - パネル角度出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はサイザ、特に直角三角形
としたパネルの斜辺切削に用いる異形サイザのパネル角
度出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】建築用パネルは四辺形のものが圧倒的に
多いが、これ以外にも、直角三角形としたものを必要と
する場合がよくある。この直角三角形パネルの斜辺の裁
断、仕上げ切削を迅速、確実に行うには異形サイザを用
いる。異形サイザのテーブル上に直角三角形としたパネ
ルを所定の位置、角度に正確に固定して、対象斜辺を丸
鋸や回転カッタで切断、あるいは切削する。この時、直
角三角形パネルは、周辺を複数個のクランプを使用して
テーブル面に対して締め付け、固定する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の三角形パネルの角度出し、位置決め、固定はそれぞ
れ操作が煩雑で、熟練を要する難点がある。すなわち、
複数個のクランプで固定する直角三角形パネルの位置と
角度を正確に決め、確実に固定し、しかもこの一連の作
業を迅速に行うには、高度な熟練さが必要である。直角
２辺を押し当てるＬ字状の位置決め定規をテーブル上に
配置しても、この定規の位置、角度を狂わせないように
細心の注意を要する。クランプの形式にもよるが、強く
締め過ぎてパネル表面に傷をつけることも多い。更に、
この直角三角形パネルの形状、寸法等を変更する段取り
替えが多い場合、前記操作の繰り返しとなり、不良品の
発生の危険が増す。本考案は、簡単な構成でもって、直
角三角形パネルの斜辺加工を迅速、確実に行える、異形
サイザ用のパネル角度出し装置を提供することを目的と
する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案に係るパネル角度
出し装置は、直角三角形としたパネルの斜辺を切削する
異形サイザに用いるパネル角度出し装置であって、前記
斜辺に直交する方向に向く送り装置を付属するパネル載
置台板と、前記パネル載置台板上に直交コーナ部を枢支
して首振り回動可能な構造とした略Ｌ字状パネル受け止
め定規と、前記パネル載置台板上に設けた前記パネル受
け止め定規の首振り回動固定機構とを備えてなり、前記
首振り回動固定機構は、前記パネル載置台板上の前記パ
ネル受け止め定規の枢支箇所を中心とした円周上に複数
個配置した下側ピン穴と、前記パネル受け止め定規側部
材に対して前記下側ピン穴に合致する位置に設けた上側
ピン穴と、前記上側ピン穴を下側ピン穴に重ねて貫通状
態に挿入するノックピンとからなる構成とする。

【０００５】

【作用】パネル載置台板のパネル受け止め定規に押し当
てて載せる直角三角形パネルの斜辺は、この斜辺に直交
する方向に送り装置で前後移動して、切削深さを調整で
きる。この斜辺の方向は、パネル受け止め定規が枢支さ
れていて、首振り回動により変更でき、又、首振り回動
固定機構により所定の角度に固定可能で、所謂角度出し
が可能となる。そして、前記首振り回動固定機構は、パ
ネル載置台板の下側ピン穴に、パネル受け止め定規の上
側ピン穴が重なる箇所で、ノックピンが挿入でき、ここ
が首振り回動固定箇所となる。前記各ピン穴の配置を、
計画する寸法形状別の各直角三角形パネルの斜辺の各関
係角度に対応した各首振り回動固定予定箇所に一致させ
ると、必要で充分な箇所数の首振り回動固定ができる。

【０００６】

【実施例】図１は、本考案のパネル角度出し装置の一実
施例を示す平面図、図２は、図１のパネル角度出し装置
のＸ−Ｘ線矢印方向より見た拡大縦断面図、図３は、図
１のパネル角度出し装置の要部の拡大斜視図である。図
中、１は異形サイザ、２はカッタ載置台、３はパネル角
度出し装置、４はパネル、４１はパネル４の斜辺、４２
ａ，４２ｂはパネル４の直角２辺、５はパネル載置台
板、５１はパネル載置台板５に付属する送り装置であ
る。又、６はパネル受け止め定規、６１ａ，６１ｂはパ
ネル受け止め定規６の略Ｌ字状の２辺、７は首振り回動
固定機構、７１ａ，７１ｂは首振り回動固定機構７の上
側ピン穴、７２は下側ピン穴、７３ａ，７３ｂはノック
ピンである。本実施例に用いた異形サイザ１は、図１に
示すように、送りテーブル１１が横に走行し、送りテー
ブル１１の側縁下方に設けたカッタ載置台２に装着した
丸鋸２１でもって、送りテーブル１１上のパネル角度出
し装置３に固定した、直角三角形状のパネル４の斜辺４
１を切断する。送りテーブル１１上に取り付けるパネル
角度出し装置３は、パネル４の斜辺４１の切断軌跡、す
なわち、送りテーブル１１の走行方向に直交する方向に
前進、後退する送り装置５１を付属したパネル載置台板
５の上に、パネル受け止め定規６を装着したものであ
る。

【０００７】送り装置５１はこの場合、図２、図３に示
すように、基板５２上に配置した丸鋼製スピンドル５３
に沿って動く摺動ブッシュ５４をパネル載置台板５の下
面に配置する。なお、パネル載置台板５下面の左右側縁
と基板５２との間には横振れ防止用補助ガイドレール５
５ａ，５５ｂを配置する。そして、前記スピンドル５３
を包囲するように溝型鋼５６を基板５２上に取り付け、
ここに縦向きのスリット５７を、送り装置５１の移動範
囲にわたって、一定間隔で設け、スリット５７に上から
挿入するストッパ片５８を準備する。これで希望する箇
所のスリット５７にストッパ片５８を挿入し、このスト
ッパ片５８にパネル載置台板５を移動して、その後部を
当てると、パネル載置台板５はこの場所に位置決め固定
される訳である。建築用直角三角形のパネル４は、各種
の寸法のものがあるが、数種類に限定されており、この
ような形式の位置決めで十分であり、前記以外の中間寸
法が必要なことは稀である。

【０００８】パネル受け止め定規６は、略Ｌ字状とした
２辺６１ａ，６１ｂからなる定規で、直交コーナ部を枢
支ピン６２によって、揺動、すなわち、首振り回動可能
にパネル載置台板５上に装着する。更に、左右の２辺６
１ａ，６１ｂに対してノックピン方式の首振り回動固定
機構７を設ける。首振り回動固定機構７は、パネル受け
止め定規６側の部材である左右の２辺６１ａ，６１ｂの
先端付近に上側ピン穴７１ａ，７１ｂを明け、パネル載
置台板５に多数の下側ピン穴７２を明ける。上側ピン穴
７１ａ，７１ｂ、下側ピン穴７２とも枢支ピン６２を中
心にした同一円周上に位置する。又、ノックピン７３
ａ，７３ｂを準備し、上側ピン穴７１ａ，７１ｂに貫通
させ、下端を選択した下側ピン穴７２に挿入する。

【０００９】下側ピン穴７２に上側ピン穴７１ａ，７１
ｂが重なる箇所でノックピン７３ａ，７３ｂが挿入で
き、ここが首振り回動の固定箇所になる。従って、各ピ
ン穴の配置を、計画する寸法種類数の各パネル４の斜辺
４１の各関係角度に対応する首振り回動の予定する各固
定箇所に一致させておくと、必要、かつ充分な箇所数の
首振り回動の固定ができる。なお、これらの各ピン穴、
各ノックピンとも、わずかなテーパ付き形状にするとが
たつきを防ぎやすく、位置決め精度を一層向上する。

【００１０】以上のように構成したパネル角度出し装置
３のパネル載置台板５のパネル受け止め定規６の首振り
方向を、首振り回動固定機構７で設定した方向に決め
る。すなわち、下側ピン穴７２のうちから設定した角度
になるものを選び、これにパネル受け止め定規６の上側
ピン穴７１ａ，７１ｂを重ねて、ノックピン７３ａ，７
３ｂを挿入する。更に、パネル載置台板５の送り装置５
１の所定の箇所のスリット５７にストッパ片５８を挿入
し、パネル載置台板５の後部を押し当て、位置決めをす
る。これらの操作の後、パネル４を、その直角２辺４２
ａ，４２ｂをパネル受け止め定規６の２辺６１ａ，６１
ｂに当てがって、パネル載置台板５上に載せる。これで
直角三角形のパネル４は、正確な角度決めと位置決めが
行われて、斜辺４１の設定通りの切断が可能となる。

【００１１】もし、別のパネル４の加工のため段取り替
えとなれば、パネル受け止め定規６の角度修正と、パネ
ル載置台板５の送り装置５１による位置替えをするが、
それらの操作は前記のように行えるため、容易、迅速に
でき、かつ、きわめて正確である。又、これらの操作後
のパネル載置精度は安定していて、繰り返し加工中に狂
ったりすることはない。更に、このパネル角度出し装置
３は、前記のように簡単な構成であり、故障や変形等の
トラブルもない。

【００１２】本考案のパネル角度出し装置は前記実施例
以外にも種々の変形が可能である。例えば、パネル載置
台板に付属する送り装置を、従来から多く用いられる角
ねじスピンドル方式のものにしてもよい。又、この送り
装置の案内面形状を、従来型のＶ字状断面や蟻状断面の
ものにもできる。あるいは、パネル受け止め定規の首振
り回動固定機構の各ピン穴を、半径の異なる円周上に複
数群に分けて配置し、ピン穴同志の干渉を避けるように
することも可能である。

【００１３】

【考案の効果】本考案に係るパネル角度出し装置によれ
ば、簡単な構成でもって、従来、位置決め、固定が困難
であった直角三角形パネルの斜辺加工が、容易、確実、
かつ安定して実施できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すパネル角度出し装置の
平面図である。

【図２】図１のパネル角度出し装置のＸ−Ｘ線矢印方向
より見た拡大縦断面図である。

【図３】図１のパネル角度出し装置の要部の拡大斜視図
である。

【符号の説明】

１ 異形サイザ ２ カッタ載置台 ３ パネル角度出し装置 ４ パネル ５ パネル載置台板 ６ パネル受け止め定規 ７ 首振り回動固定機構 ４１ 斜辺 ４２ａ，４２ｂ 直角２辺 ５１ 送り装置 ７１ａ，７１ｂ 上側ピン穴 ７２ 下側ピン穴 ７３ａ，７３ｂ ノックピン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直角三角形としたパネルの斜辺を切削す
   る異形サイザに用いるパネル角度出し装置であって、 前記斜辺に直交する方向に向く送り装置を付属するパネ
   ル載置台板と、 前記パネル載置台板上に直交コーナ部を枢支して首振り
   回動可能な構造とした略Ｌ字状パネル受け止め定規と、 前記パネル載置台板上に設けた前記パネル受け止め定規
   の首振り回動固定機構とを備えてなり、 前記首振り回動固定機構は、前記パネル載置台板上の前
   記パネル受け止め定規の枢支箇所を中心とした円周上に
   複数個配置した下側ピン穴と、前記パネル受け止め定規
   側部材に対して前記下側ピン穴に合致する位置に設けた
   上側ピン穴と、前記上側ピン穴を下側ピン穴に重ねて貫
   通状態に挿入するノックピンとからなることを特徴とす
   るパネル角度出し装置。