JP2500013B2 - 空調機ドレン配管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空調機の凝縮水等を排
水するドレン配管に関し、特に、天井埋込パッケージ型
空調機に用いられて好適なものである。

【０００２】

【従来の技術】空調機には、空調機械室、或いは、フロ
アーにおける据え付けスペースを省略するため、天井内
に直接埋め込まれる天井埋込パッケージ型空調機（以
下、空調機という）がある。このような空調機では、天
井内に冷却器、送風ファンが埋め込まれることになり、
天井近傍から吸い込まれた空気は、冷却器を通過するこ
とで熱交換され、低温となって直接室内に送風される。
ところで、冷却器を通過する際、飽和温度以下まで冷却
された空気は、空気に含まれていた水分が冷却器で凝縮
する。この凝縮水は空調機内のドレンパンに集められ、
ドレンパンに設けられた排水接続口へと導かれる。排水
接続口は空調機の外部へ管状に突出され、突出された排
水接続口には排水管である塩化ビニル製配管、或いは、
フレキシブル配管が接続される。排水接続口と排水管の
接続は、通常空調機の移設、メンテナンス等を考慮し
て、永久的な固定はされない。そのため、排水管はホー
スバンド等により排水接続口に確実に固定される。ま
た、凝縮水は低温となるため、外気温度との温度差が大
きいと排水接続口、排水管の外面に結露が生じる。この
ため、結露した水が天井を濡らさないように、排水接続
口、排水管には断熱材が巻かれて結露が防止されてい
る。このようにして、冷却器で凝縮された凝縮水は、ド
レンパンに集められ、排水接続口、排水管を介して外部
に排水されるようになっているのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】空調機から突出された
排水接続口には排水管が接続され、排水管はホースバン
ドにより固定されている。しかしながら、ホースバンド
のみによる固定では、空調機駆動時における振動や排水
管の経年劣化等から、排水管に緩み、脱落が生じること
があり、天井内で漏水事故を起こす虞れがあった。そし
て、一度漏水が発生し、内装部材（天井ボード等）を濡
らした場合には、カビ発生等による汚れを防止する意味
で濡れた天井ボード等を全て交換しなければならず、多
大な補修費用が発生する虞れがあった。

【０００４】また、構造的に信頼性を確保させるため、
接続部に管継手が用いられる場合もあるが、接続強度の
向上により脱落の防止は図れたとしても、上述同様に、
振動による緩みからの漏水を完全に防止することは困難
であった。さらに、接続部の信頼性を確保するため、銅
配管等を溶接して永久的な固定を行う場合もあるが、上
述したように空調機に移設が生じた場合には、配管を切
断して再び溶接による接続を行わなければならないとと
もに、排水管に詰まりが生じた際（メンテナンス時）に
おいても、同様に配管の切断、再溶接を行わなければな
らず、保守作業性が極めて悪いものとなる。

【０００５】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、排水管の緩みから生じる天井内での漏水事故を防止
する空調機ドレン配管を提供し、もって、保守作業性を
確保しつつ、漏水による内装部材等への損失予防を図る
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る空調機ドレン配管は、排水接続口と排水
管との接続部に設けられ排水接続口と排水管とを挟む一
対の電極と、この一対の電極に接続され電極間の電気抵
抗値を測定するとともに、測定された抵抗値の変化に基
づいて空調機へ送風ファン停止信号を発する制御器とか
らなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】排水管の緩み又は脱落が生じると、接続部の電
気抵抗値が増大又は無限大となり、変化した抵抗値が制
御器に測定され、制御器が送風ファン停止信号を発す
る。送風ファンが停止されることで、冷却器への室内空
気の供給が停止され、冷却器での凝縮水の発生がなくな
り、接続部からの漏水が停止する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明に係る空調機ドレン配管の好適
な一実施例を図面を参照して説明する。図１は本発明に
係る空調機ドレン配管を表した説明図である。冷却器
１、送風ファン３、及びドレンパン５が設けられた天井
埋込パッケージ型空調機（以下、空調機という）７には
ドレンポンプ９が備えられ、ドレンポンプ９の吸水管１
１はドレンパン５に配設されている。一方、ドレンポン
プ９の吐出管１３は空調機７の外部に突出され、先端が
管状の排水接続口１５となっている。ドレンパン５に溜
まった凝縮水は吸水管１１により吸い上げられ、ドレン
ポンプ９を介して排水接続口１５から空調機７の外部へ
排水されるようになっている。

【０００９】排水接続口１５の外周には電極１７が設け
られ、電極１７はメッキ、金属蒸着、又は金属薄板が張
り付けられる等して形成されている。排水接続口１５の
内周側には排水管（ドレン管）１９が挿入され、排水接
続口１５と排水管１９とは水密性が確保されている。ま
た、排水管１９の先端部内周にも電極２１が設けられ、
電極２１は上述同様、メッキ等により形成されている。
つまり、電極１７と２１は排水接続口１５と、排水管１
９を挟んだ状態で対向して設けられているのである。排
水接続口１５と排水管１９とは、一定の抵抗値を有する
導電性材料から形成されている。したがって、電極１７
と２１との間には、抵抗となる排水接続口１５、排水管
１９、及び排水接続口１５内周面と排水管１９外周面の
密着面が介在しているのである。そして、密着面は水密
状態の変化に伴って、接触面積が増減し、抵抗値が変化
するのである。密着面を挟み対向して設けられた電極１
７と２１により、水密状態検出手段が構成されることに
なる。

【００１０】電極２１には回路に所定の電流を流すため
の抵抗器２３が接続され、抵抗器２３は制御器２５へと
接続されている。そして、制御器２５は電源２７を介し
て電極１７へと接続されている。つまり、電極１７、２
１と、抵抗器２３と、制御器２５と、電源２７とは、一
つの電気回路Ａを構成しているのである。制御器２５
は、抵抗器２３の抵抗値Ｒを測定する電気抵抗測定回路
と、この電気抵抗測定値の変化を検出する演算回路と、
検出値に応じて送風ファン停止信号及び異状警報信号を
発生する制御回路等からなっている。また、制御器２５
は、通常時において抵抗器２３の抵抗値Ｒ、即ち結果的
には電極１７、２１間の抵抗値を測定するようになって
いる。制御器２５は、送風ファンマグネット２９に接続
されて送風ファン停止信号を伝えるようになっていると
ともに、空調機コントローラ３１に接続されて異状警報
信号を表示するようになっているのである。

【００１１】このように構成された空調機ドレン配管３
３において、排水管１９の緩み又は脱落が生じると、接
続部の電気抵抗値が増大又は無限大となり、制御器２５
における電気抵抗測定回路で測定される抵抗値は変化す
る。この抵抗値の変化は演算回路により検出され、制御
回路へと送られる。制御回路は、送られた検出値に基づ
いて送風ファン停止信号及び異状警報信号を発生し、送
風ファン３が送風ファンマグネット２９により停止され
るとともに、空調機コントローラ３１に異状警報信号が
表示される。そして、空調機では、送風ファン３が停止
されることで、冷却器１への室内空気の供給がなくな
り、冷却器１で凝縮水が発生しなくなり、接続部からの
漏水が停止する。

【００１２】なお、本実施例に係る空調機ドレン配管３
３は、天井埋込パッケージ型空調機を例に説明したが、
その他に、冷却器、送風ファンを有し、凝縮水、或いは
除霜時における融解水の排水が必要とされる冷却機器の
全てにも応用することはでき、更にいえば、水密状態検
出手段（密着面を挟み設けられた電極１７と２１）は、
永久固定が制約される排水管接続部の全てに応用できる
ものである。

【００１３】また、本実施例では排水接続口１５の内周
側に排水管１９を挿入し、水密性を確保したが、逆に排
水接続口１５の外周に排水管１９の内周側を挿入するも
のであってもよく、この場合には、当然に電極１７、２
１は、排水接続口１５の内周側、及び排水管１９の外周
側に設けられることになる。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る空調機ドレン配管によれば、接続部における排水接続
口と排水管とを挟む電極を設け、この電極に電極間の電
気抵抗値を測定するとともに、測定された抵抗値の変化
に基づいて送風ファン停止信号を発する制御器を接続し
たので、排水管の緩み又は脱落が生じた際には接続部の
抵抗値変化から送風ファン停止信号を発し、送風ファン
を停止することができる。この結果、室内空気の供給が
停止し、冷却器での凝縮水の発生がなくなり、接続部か
らの漏水が自動的に停止することで、漏水による内装部
材等への損失を予防することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空調機ドレン配管を表した説明図
である。

【符号の説明】

３ 送風ファン １５ 排水接
続口 １７、２１ 電極 １９ 排水管 ２５ 制御器 ３３ 空調機
ドレン配管

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排水接続口と排水管との接続部に設けら
   れ前記排水接続口と排水管とを挟む一対の電極と、 該一対の電極に接続され該一対の電極間の電気抵抗値を
   測定するとともに、該測定された抵抗値の変化に基づい
   て送風ファン停止信号を発する制御器とからなることを
   特徴とする空調機ドレン配管。