JP2025035243A - エッチング液、該エッチング液を用いた基板の処理方法、半導体デバイスの製造方法、及びエッチング速度調整剤 - Google Patents

エッチング液、該エッチング液を用いた基板の処理方法、半導体デバイスの製造方法、及びエッチング速度調整剤 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン及び酸化ケイ素に対する炭窒化ケイ素のエッチング選択比が高いエッチング液、該エッチング液を接触させる工程を含む基板の処理方法、及び該基板の処理方法を含む半導体デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】リン酸、水、セリウムイオン、及びSi源を含む、炭窒化ケイ素をエッチングするためのエッチング液を提供する。また、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板に前記エッチング液を接触させる工程を含む、基板の処理方法、及び、前記処理方法を含む半導体デバイスの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭窒化ケイ素をエッチングするエッチング液に関する。また、本発明は該エッチング液を用いた基板の処理方法に関する。また、本発明は該エッチング液を用いた半導体デバイスの製造方法に関する。なお、基板には、半導体ウエハ、又はシリコン基板などが含まれる。また、本発明はエッチング速度調整剤に関する。
半導体デバイスの製造工程では種々の材料が用いられているが、その中で窒化ケイ素や炭窒化ケイ素は、銅拡散バリア膜、パッシベーション膜、エッチストップ膜、表面保護膜、ガスバリア膜など様々な分野に有用であることが知られている。例えば、窒化ケイ素膜(SiN膜、シリコン窒化膜)や炭窒化ケイ素膜(SiCN膜、シリコン炭窒化膜)は、シリコンウエハやその加工体等の基材上に形成され、用いられている。ここで炭窒化ケイ素とは、例えば非特許文献1に示すようにケイ素、炭素、窒素の骨格からなる化合物にさらに水素や酸素を含む化合物も含む。
半導体のパターン形成においては、基板上に形成された窒化ケイ素膜や炭窒化ケイ素膜をエッチングする一方で、酸化ケイ素膜やシリコンウエハをエッチングしないようにする必要がある場合がある。
窒化ケイ素のエッチングには、一般的にリン酸水溶液が用いられている。しかしながら、炭窒化ケイ素は窒化ケイ素と異なりリン酸水溶液ではほとんどエッチングされない。
炭窒化ケイ素膜をエッチングする方法に関しては、酸化剤、フッ素化合物、水を含む組成物を用いる方法が提案されている(特許文献1)が、実施例に記載されている炭窒化ケイ素のエッチング速度は250Å/30min未満であり、十分な速度は出ていない。またこのような組成物は、酸化ケイ素膜(SiO膜、シリコン酸化膜)もエッチングしてしまう。
特開2007-049145号公報
ECS Journal of Solid State Science and Technology, 8 (6) P346-P350 (2019)
半導体デバイスの製造において、炭窒化ケイ素膜の使用はより優れた性能を与えるが、上述のようにシリコン及び酸化ケイ素に比べて炭窒化ケイ素を十分選択的にエッチングできるエッチング液が存在せず、その使用場面は極めて限られたものであった。したがって本発明の目的は、シリコン及び酸化ケイ素に対する炭窒化ケイ素のエッチング選択比が高いエッチング液、該エッチング液を接触させる工程を含む基板の処理方法、及び該基板の処理方法を含む半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み、炭窒化ケイ素を選択的にエッチングできる組成物について鋭意検討した。その結果、従来から窒化ケイ素の選択的エッチングに使用されていたリン酸水溶液に、さらにセリウムイオンを含有させることにより酸化ケイ素のエッチング速度をほとんど変化させることなく、炭窒化ケイ素のエッチング速度を大幅に向上させることができることを見出した。しかしながら、当該エッチング液を用いると、シリコンが炭窒化ケイ素と同程度エッチングされた。そこで当該エッチング液にさらにSi源を添加することで、シリコンのエッチング速度を抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下を要旨とする。
[1] リン酸、水、セリウムイオン及びSi源を含む、炭窒化ケイ素をエッチングするためのエッチング液。
[2] エッチング液に含まれるセリウムイオンの含有量が0.001モル/L以上0.2モル/L以下である、[1]に記載のエッチング液。
[3] さらに硫酸を含む[1]又は[2]に記載のエッチング液。
[4] 半導体デバイスの製造に用いられるエッチング液である、[1]~[3]のいずれかに記載のエッチング液。
[5] 二酸化セリウムを含まない、[1]~[4]のいずれかに記載のエッチング液。[6] 炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板に[1]~[5]のいずれかに記載のエッチング液を接触させる工程を含む、基板の処理方法。
[7] [6]に記載の基板の処理方法を含む半導体デバイスの製造方法。
[8] リン酸を含むエッチング液に添加するための、水、セリウムイオン、及びSi源を含む、エッチング速度調整剤。
[9] さらに硫酸を含む[8]に記載の調整剤。
[10] Si源及びリン酸を含むエッチング液に添加するための、水、及びセリウムイオンを含む、エッチング速度調整剤。
[11] さらに硫酸を含む[10]に記載の調整剤。
[12] 二酸化セリウムを含まない、[8]~[11]のいずれかに記載の調整剤。
本発明によれば、リン酸、水、セリウムイオン、及びSi源を含むエッチング液を使用することにより、シリコン及び酸化ケイ素に比べて炭窒化ケイ素を選択的にエッチングすることができる。
さらに本発明の一実施形態に係るエッチング液は、従来のリン酸水溶液とほぼ同様に窒化ケイ素もエッチングできるため、同一のエッチング液で炭窒化ケイ素の選択的エッチングを行う工程と、窒化ケイ素の選択的エッチングを行う工程の双方に対応することもでき、複数種のエッチング液をそれぞれ管理する手間を削減することも、必要に応じて行うことができる。
<第一の実施形態>
(エッチング液)
本発明の第一の実施形態に係るエッチング液は、リン酸、水、セリウムイオン、及びSi源を含み、炭窒化ケイ素のエッチングに用いるものである。
本実施形態のエッチング液におけるリン酸の含有量は、従来公知の窒化ケイ素のエッチング液と同様の範囲でよい。具体的には、50質量%以上98質量%以下が好ましく、55質量%以上96質量%以下がより好ましく、特に60質量%以上94質量%以下が好ましい。炭窒化ケイ素のエッチングは高温で行った方がエッチング速度が速くて有利であり
、リン酸の割合が多い方がより高温で安定して使用できる。一方、本実施形態のエッチング液には水やセリウムイオン、Si源が必須であり、リン酸の含有量を98質量%超とすることは現実的ではない。なお本明細書において、各成分の配合量が質量%で記載されている場合、該数値はエッチング液全体を100質量%とした場合の割合である。
なお本実施形態のエッチング液のようなリン酸の濃厚溶液において、リン酸は、液中でオルトリン酸(HPO)とポリリン酸の平衡状態にあるが、上記含有量は全量がオルトリン酸として存在するとした場合の量である。ピロリン酸等として存在する場合も同様である。
本実施形態のエッチング液は水を必須成分とする。水が少ないとシリコンのエッチング速度が上昇する傾向があり、多すぎると高温での使用が困難となる傾向がある。他の成分の種類や量にもよるが、水の含有量は0.5質量%以上49質量%以下であることが好ましく、1質量%以上29質量%以下であることがより好ましい。なおこの場合の水の量も、前記リン酸が全てオルトリン酸として存在するとした場合の量である。
本実施形態のエッチング液はセリウムイオンを必須成分とする。エッチング液中にセリウムイオンが存在することにより、炭窒化ケイ素のエッチング速度が大幅に上昇する。
炭窒化ケイ素はセリウムイオンを含まないリン酸水溶液ではほとんどエッチングされないが、これはSi-C結合とSi-N結合の極性の差に起因すると考えられる。Si原子との電気陰性度の差は、N原子よりもC原子のほうが小さい。よって、Si-C結合はSi-N結合と比較して分極が小さいため、酸による求電子付加反応が起こりにくく、炭窒化ケイ素のエッチングがほとんど進行しないと考えられる。一方、エッチング液がリン酸水溶液に加えてセリウムイオンを含むと、セリウムイオンがSi-C結合に作用して炭窒化ケイ素のエッチングが進行すると考えられる。
当該セリウムイオンは、エッチング液中で単原子イオンとして存在していても、錯イオン(多原子イオン)の構成原子として存在していてもよい。またその価数は問わないが、3価又は4価であることが好ましい。なお異なる価数のセリウムイオンが混在していてもよい。
本実施形態のエッチング液において、セリウムイオンの含有量は0.001モル/L以上0.25モル/L以下が好ましく、0.002モル/L以上0.2モル/L以下がより好ましく、0.01モル/L以上0.2モル/L以下がさらに好ましく、0.02モル/L以上0.2モル/L以下が特に好ましい。セリウムイオンの含有量が多い方が炭窒化ケイ素のエッチングの促進効果が高い。一方で、セリウムイオンの含有量が多くなりすぎるとエッチング後の基板表面に残存物が多く堆積する傾向があり、エッチング後に後述するリンス処理を行っても残存物を除去できない場合がある。
本実施形態のエッチング液に含まれるリン酸に対するセリウムイオンの質量比(セリウムイオン/リン酸)は、特に限定されないが、0.0001以上0.5以下が好ましく、0.001以上0.3以下がより好ましく、0.005以上0.2以下が特に好ましい。
本実施形態のエッチング液は、セリウムイオン源とした化合物(後述する)に由来するカウンターイオンを含有してもよい。当該カウンターイオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン等の無機イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン等の有機イオンが挙げられる。また、用いたセリウム化合物が複塩であった場合、それに由来するアンモニウムイオンなどが含まれていてもよい。
本実施形態のエッチング液は、二酸化セリウムを含まないことが好ましい。二酸化セリ
ウムはリン酸を含む水溶液に対して溶解性が極めて低く、溶解しないため、固形物が生じる。液中の不溶成分がパーティクル源となることにより、エッチングが不均一になったり、次工程で不良の発生原因になったりする恐れがある。また、酢酸セリウム、リン酸セリウム、炭酸セリウムのようなセリウム化合物も、リン酸を含む水溶液に対する溶解性が低い。このため、本実施形態のエッチング液は、酢酸セリウム、リン酸セリウム、炭酸セリウム、及び二酸化セリウムを含まないことがより好ましい。
本実施形態のエッチング液はSi源を必須成分とする。Si源とは、ケイ酸発生源であり、Si源として具体的には、ケイ素化合物、Si粉末、SiN粉末、Siウエハ、SiNウエハ等が挙げられる。ケイ素化合物としては、ケイ酸、ケイ酸塩、シリカ、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類等が挙げられる。これらの中でも、ケイ酸、ケイ酸塩、シリカ、Si粉末、SiN粉末、Siウエハ、又はSiNウエハが好ましい。ケイ酸塩としては、後述するように本発明のエッチング液には金属が含まれてない方が好ましいため、ケイ酸ナトリウムのような金属塩は避けることが好ましく、例えばケイ酸テトラメチルアンモニウムのような有機ケイ酸塩が好ましい。シリカとしては、エッチング液中で溶解又は分散するものであればよく、特にコロイダルシリカが好ましい。これらのSi源は、エッチング液中でオルトケイ酸、メタケイ酸、メタ二ケイ酸等のケイ酸を生じると考えられる。
ケイ酸は、プロトンがシラノール基部に付加してカチオンを形成し、このカチオンが別のケイ酸を求電子的に攻撃することで容易に重合する。これはシリコン基板上に存在すると考えられる水酸基終端についても同様と考えられ、エッチング液中に溶解しているケイ酸が平衡反応でシリコン基板上の水酸基と縮合すると考えられる。ケイ酸が縮合したシリコン基板上のSiはエッチングを受けにくいため、エッチング液にSi源を予め添加してケイ酸を存在させておくことで、シリコンのエッチングが抑制されると考えられる。
なお、炭窒化ケイ素はシリコンよりも表面のSi原子密度が低いため、上記のようなケイ酸の縮合による反応種の物理的な接近抑制効果は低いと考えられる。
本実施形態のエッチング液において、Si源の含有量は、特に限定されないが、Si濃度換算で0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.004質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.007質量%以上0.3質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態のエッチング液に含まれるリン酸に対するSi源の質量比(Si源/リン酸)は、特に限定されないが、0.00001以上0.02以下が好ましく、0.00003以上0.01以下がより好ましく、0.00005以上0.005以下が特に好ましい。
本実施形態のエッチング液は、さらに硫酸を含むことが好ましい。リン酸よりもpKaの低い酸である硫酸の存在により、炭窒化ケイ素のエッチング速度を損なわずにシリコン及び酸化ケイ素のエッチング速度を抑制することができ、高い選択性を得ることができる。硫酸の濃度としては0.1質量%以上45質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上40質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上35質量%以下が特に好ましい。また、リン酸よりもpKaの低い酸として、硫酸の代わりにメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硝酸、塩酸、シュウ酸等を含有してもよい。
本実施形態のエッチング液は、Si源の安定化剤として分散安定剤をさらに含有してもよい。分散安定剤として、例えば有機第4級アンモニウム塩、有機第4級ホスホニウム塩、界面活性剤等が挙げられる。具体的には、テトラメチルアンモニウム・クロライド、テトラエチルアンモニウム・クロライド、テトラブチルアンモニウム・クロライド、テトラブチルホスホニウム・クロライド、デシルトリメチルアンモニウム・クロライド等を挙げることができる。分散安定剤を添加してエッチング液中のカチオン濃度を高めることにより、ケイ酸のシラノール基がSi-Oとして安定し、ケイ酸の脱水縮合が抑制されると考えられる。
即ち本実施形態のエッチング液には、これらの化合物を添加することにより液中で生成するイオンなどが含まれていてもよい。
(エッチング液中の不純物)
本実施形態のエッチング液は、不純物として、パーティクルや微量の金属が含まれていてもよい。
パーティクルとしてはエッチング時の汚染を防ぐという意味で、200nm以上のパーティクルが100個/mL以下であることが好ましく、50個/mL以下であることがより好ましく、10個/mL以下であることがさらに好ましい。特に好ましくは、目開き50nmのフィルターにかけた際に、フィルターを通過しない粒子がなく全量が通過することであり、同10nmのフィルターを全量通過することが最も好ましい。
エッチング対象の汚染防止という観点からは、金属不純物も可能な限り少ない方が好ましい。ここで言う金属不純物とはセリウム以外の金属のことを指し、具体的には、Ag、Al、Ba、Ca、Cd、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mn、Na、Ni、Pb、Zn、Prがいずれも1ppm以下であることが好ましい。
(製造方法)
本実施形態のエッチング液の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば上述のリン酸、水、セリウム化合物、及びSi源を、所定の濃度となるよう混合すればよい。また、後述の第二の実施形態に係るエッチング速度調整剤とリン酸を含むエッチング液とを混合することで製造してもよい。また、後述の第三の実施形態に係るエッチング速度調整剤とリン酸及びSi源を含むエッチング液とを混合することで製造してもよい。
Si源としてウエハを用いる場合、リン酸、水、及びセリウム化合物を所定の濃度となるように混合した後、ウエハに接触させることで、Si源を含むエッチング液を得ることができる。
リン酸は、前記したような金属不純物や不溶性の不純物が可能な限り少ないものを用いることが好ましく、必要に応じて市販品を再結晶、カラム精製、イオン交換精製、蒸留、昇華、濾過処理等により精製して使用できる。またリン酸は半導体製造用として製造・販売されている高純度品を用いることが好ましい。
水もまた不純物が少ない高純度のものを使用することが好ましい。不純物の多寡は電気抵抗率で評価でき、具体的には、電気抵抗率が0.1MΩ・cm以上であることが好ましく、15MΩ・cm以上の水がさらに好ましく、18MΩ・cm以上が特に好ましい。このような不純物の少ない水は、半導体製造用の超純水として容易に製造・入手できる。さらに超純水であれば、電気抵抗率に影響を与えない(寄与が少ない)不純物も著しく少なく、適性が高い。
セリウムイオン源としては、リン酸を含む水溶液に対する溶解性が良好なセリウム化合物を用いることができる。例えば、セリウム水酸化物、セリウム塩、並びにセリウム及びセリウム以外の陽イオン(例えばアンモニウムイオン)を含む複塩の一種以上を使用することができる。
さらに溶解性が良好で、また高純度化が容易であるという点から、当該セリウム化合物としては、硝酸セリウム、硫酸セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、硫酸セリウムアンモニウム等を用いることが好ましい。なお、これらは水和物であってもよい。
他方、例えば二酸化セリウムのような、リン酸を含む水溶液に対して溶解性の極めて低いセリウム化合物を使用した場合、リン酸及び水を含む溶液中に溶解しないため、均一溶液にはならず固形物が生じる。液中の不溶成分がパーティクル源となることにより、エッチングが不均一になったり、次工程で不良の発生原因になったりする恐れがある。すなわち、本実施形態のエッチング液を製造する際に用いるセリウムイオン源としては、二酸化セリウムを除くセリウム化合物が好ましい。また、酢酸セリウム、リン酸セリウム、炭酸セリウムのようなセリウム化合物も、リン酸を含む水溶液に対する溶解性が低い。このため、酢酸セリウム、リン酸セリウム、炭酸セリウム、及び二酸化セリウムを除くセリウム化合物がセリウムイオン源として、より好ましい。
セリウム化合物もできるだけ純度の高いものを用いることが好ましく、必要に応じて市販品を再結晶、カラム精製、イオン交換精製、濾過処理等により精製して使用することができる。
Si源としては、本実施形態のエッチング液に添加した時にケイ酸を発生するものを用いることができる。例えば、ケイ素化合物、Si粉末、SiN粉末、Siウエハ、SiNウエハ等が挙げられる。ケイ素化合物としては、ケイ酸、ケイ酸塩、シリカ、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類等が挙げられる。ケイ酸塩としては、例えばケイ酸テトラメチルアンモニウムが挙げられる。シリカとしては、例えばコロイダルシリカが挙げられる。
Si源もまたできるだけ純度の高いものを用いることが好ましい。例えばSi源としてケイ酸テトラメチルアンモニウムを用いる場合、半導体製造用として製造・販売されているテトラメチルアンモニウム・ハイドロオキサイド(TMAH)水溶液に高純度Si粉末を溶解させる、又は同TMAH水溶液と高純度テトラエトキシシラン(TEOS)を混合してTEOSを加水分解させることで、不純物の少ない高純度品を得ることができ、このような高純度品を用いることが好ましい。また、後者のTEOSを用いた製法で発生するエタノールは取り除くことが望ましいが、エタノールを含む状態でSi源として本実施形態のエッチング液に添加してもよい。Si源としてコロイダルシリカを用いる場合は、半導体製造用として製造・販売されている高純度品で、金属不純物濃度が0.5ppm以下のものを用いることが好ましい。
本実施形態のエッチング液にSi源を添加する方法として、例えばSi源以外の成分を混合溶解させた後、撹拌しながら室温、又は加熱下で添加してもよい。
本実施形態のエッチング液の製造においては、各成分を混合溶解させたのち、数nm~数十nmのフィルターを通し、パーティクルを除去することも好ましい。必要に応じ、フィルター通過処理は複数回行ってもよい。またその他、半導体製造用薬液の製造方法として公知の種々の処理を施すことができる。
(用途及び使用方法)
本実施形態のエッチング液は、半導体デバイスの製造に際して、炭窒化ケイ素を含む基板のエッチング処理に用いることができる。なお基板上への炭窒化ケイ素膜の形成方法は限定されず、CVD法、PVD法等の公知の方法で形成された炭窒化ケイ素膜をエッチングすることができる。また半導体デバイスの製造に用いられる炭窒化ケイ素膜は、その製法によっては、ケイ素に対して最大で133原子%の量の水素を含む場合があるが、そのような水素を含んだものも本実施形態のエッチング液を用いたエッチングの対象とする炭窒化ケイ素に該当する。さらにエッチング対象とする炭窒化ケイ素には、通常含まれる範囲で各種の不純物元素(例えば酸素)が含まれていてもよい。
さらに、本実施形態のエッチング液は、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板の処理に用いることができる。また、当該基板はさらに酸化ケイ素膜を有してもよい。本実施形態のエッチング液を使用すれば、シリコン及び酸化ケイ素のエッチングを抑制しながら炭窒化ケイ素を選択的にエッチングすることができる。このような選択的なエッチングは、従来のエッチング液では実質的に不可能であった。
以下、基板の処理方法について、より具体的に述べる。
本実施形態のエッチング液を用いた基板の処理方法は、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板に本実施形態のエッチング液を接触させる工程を含む。好ましくは、基板を水平姿勢に保持し、前記基板の中央部を通る、鉛直な回転軸まわりに前記基板を回転させながら、前記基板の主面に本実施形態のエッチング液を供給する処理液供給工程を含む。
他の好ましい態様において、本実施形態のエッチング液を用いた基板の処理方法は、複数の基板を直立姿勢で保持し、処理槽に貯留された本実施形態のエッチング液に前記基板を直立姿勢で浸漬する工程を含む。本発明の好ましい実施形態では、エッチング液は、上記の処理方法を含む半導体デバイスの製造に用いられる。
本実施形態のエッチング液を用いたエッチングの際のエッチング液の温度は、所望のエッチング速度、エッチング後の表面状態、生産性等を考慮して100~200℃の範囲から適宜決定すればよいが、130~180℃の範囲とするのが好適である。200℃を超える温度では、炭窒化ケイ素以外の半導体材料に対してダメージが発生することがあり、100℃未満の温度では、工業的に満足できる速度で炭窒化ケイ素をエッチングすることが難しい。
本実施形態のエッチング液を用いたエッチングの際、超音波等を使用し、エッチングを促進してもよい。
本実施形態のエッチング液を用いた基板処理の後、基板の表面に残存する不純物がある場合、不純物を除去するために公知の種々の処理を施してもよい。例えば、リンス液を用いて基板にリンス処理を行う方法がある。リンス液としては公知のものが使用でき、塩酸、フッ酸、硫酸等の酸性水溶液、アンモニア水等のアルカリ水溶液、フッ酸と過酸化水素水との混合液(FPM)、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)、アンモニア水と過酸化水素水との混合液(APM)、塩酸と過酸化水素水との混合液(HPM)等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、複数のリンス液を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のエッチング液を用いた基板処理方法においては、ウエハに処理後のエッチング液を回収し、フィルターろ過やエッチング液の成分の濃度調整などの再生処理を行った後に別のウエハの処理に使用してもよい。成分の濃度調整としてリン酸や水分の濃度をモニターしながらフレッシュなリン酸や水を追添加する機構を備えてもよい。また、水分の調整には水や過酸化水素水、水で希釈した低濃度のリン酸を使用してもよい。
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態は、リン酸を含むエッチング液に添加するための、水、セリウムイオン、及びSi源を含む、エッチング速度調整剤である。
本実施形態の調整剤は、リン酸を含むエッチング液に添加して用いることができ、当該エッチング液を用いた場合のシリコンのエッチング速度を抑制しながら、炭窒化ケイ素のエッチング速度を向上することができる。これにより、炭窒化ケイ素と比べてシリコンのエッチング速度を抑制することができ、エッチング液の選択性を向上することができる。
本実施形態の調整剤を添加することができるリン酸を含むエッチング液は、窒化ケイ素及び/又は炭窒化ケイ素のエッチング液として公知のリン酸水溶液が挙げられるが、リン酸を含む限り特に限定されない。
本実施形態におけるリン酸を含むエッチング液は、本発明の一実施形態に係るエッチング液が含みうる硫酸、リン酸を主成分とするエッチング液に含まれる公知の成分、及び不純物を含有してもよい。
本実施形態の調整剤が含むセリウムイオン、Si源の種類は、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様のものが挙げられる。本実施形態における水、セリウムイオン、及びSi源の含有量は、本実施形態の調整剤を添加したエッチング液のリン酸、水、セリウムイオン、Si源の含有量が、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様となる限りにおいて、任意に変更し得る。
本実施形態の調整剤は、硫酸、リン酸を主成分とするエッチング液に含まれる公知の成分、及び不純物をさらに含有してもよい。
リン酸を主成分とするエッチング液に含まれる公知の成分、及び不純物は、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様のものが挙げられる。
本実施形態の調整剤の製造方法は、特に限定されず、リン酸を添加しない点を除いて、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様にして製造することができる。
本実施形態の調整剤を用いることで、シリコンのエッチング速度を抑制しながら、炭窒化ケイ素のエッチング速度を向上することができる。すなわち、本発明の別の実施形態は、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板の処理方法であって、リン酸を含むエッチング液に、水、セリウムイオン、及びSi源を含むエッチング速度調整剤を添加する工程と、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板に前記調整剤を添加したエッチング液を接触させる工程と、を含む方法である。
<第三の実施形態>
本発明の第三の実施形態は、リン酸及びSi源を含むエッチング液に添加するための、水及びセリウムイオンを含む、エッチング速度調整剤である。
本実施形態の調整剤は、リン酸及びSi源を含むエッチング液に添加して用いることができ、当該エッチング液を用いた場合のシリコンのエッチング速度の増加を抑制しながら、炭窒化ケイ素のエッチング速度を向上することができる。これにより、炭窒化ケイ素と比べてシリコンのエッチング速度を抑制することができ、エッチング液の選択性を向上することができる。
本実施形態の調整剤を添加することができるリン酸及びSi源を含むエッチング液は、窒化ケイ素及び/又は炭窒化ケイ素のエッチング液として公知のリン酸水溶液にSi源を添加したものが挙げられるが、リン酸及びSi源を含む限り特に限定されない。ここで、Si源は、本発明の一実施形態に記載されたものと同様である。
本実施形態におけるリン酸及びSi源を含むエッチング液は、本発明の一実施形態に係るエッチング液が含みうる硫酸、リン酸を主成分とするエッチング液に含まれる公知の成分、及び不純物を含有してもよい。
本実施形態の調整剤が含むセリウムイオンは、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様のものが挙げられる。本実施形態における水、セリウムイオンの含有量は、本実施形態の調整剤を添加したエッチング液のリン酸、水、セリウムイオン、Si源の含有量が、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様となる限りにおいて、任意に変更し得る
本実施形態の調整剤は、リン酸、硫酸、リン酸を主成分とするエッチング液に含まれる公知の成分、及び不純物をさらに含有してもよい。
リン酸を主成分とするエッチング液に含まれる公知の成分、及び不純物は、本発明の一実施形態に係るエッチング液と同様のものが挙げられる。
本実施形態の調整剤の製造方法は、特に限定されず、例えば上述の水及びセリウム化合物を、所定の濃度となるよう混合すればよい。
本実施形態の調整剤を用いることで、シリコンのエッチング速度の増加を抑制しながら、炭窒化ケイ素のエッチング速度を向上することができる。すなわち、本発明の別の実施形態は、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板の処理方法であって、リン酸及びSi源を含むエッチング液に、水及びセリウムイオンを含むエッチング速度調整剤を添加する工程と、炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板に前記調整剤を添加したエッチング液を接触させる工程と、を含む方法である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[比較例1]
(エッチング液の調製方法)
表1に記載の割合となるようにリン酸、水及びセリウム化合物として硝酸セリウムアンモニウムをフラスコに入れ、所定の液温となるよう温度を設定したオイルバスに浸けて600rpmで液を攪拌しながら30分間加熱した。なお、表1の硝酸セリウムアンモニウムの添加量からエッチング液中のセリウムイオンの含有量を算出し、表1に示した。
(エッチング速度の評価方法)
炭窒化ケイ素を成膜した2×1cmサイズのシリコンウエハ(炭窒化ケイ素膜)を用意し、分光エリプソメーターで初期の膜厚を測定した。165℃の液温に加熱したエッチング液200gに、炭窒化ケイ素膜を4分間浸漬した。リンス処理によりウエハを洗浄し乾燥させた後、分光エリプソメーターで膜厚を測定した。エッチング速度は、初期と処理後の膜厚差から炭窒化ケイ素のエッチング量を求め、エッチング時間で除することにより求めた。その結果を表2に示す。
結晶面が(100)のシリコンを成膜した2×1cmサイズのシリコンウエハ(シリコン膜)、酸化ケイ素を成膜した2×1cmサイズのシリコンウエハ(酸化ケイ素膜)についても、上記炭窒化ケイ素膜と同様にして、シリコンウエハは10分間、酸化ケイ素膜は10分間浸漬し、エッチング速度を算出した。その結果を表1に示す。
これらの測定結果から、炭窒化ケイ素膜とシリコンウエハとのエッチング選択比(SiCN/Si)を求めた。その結果を表2に示す。
[比較例2~7、実施例1~16]
エッチング液として表1に示す組成のエッチング液を用い、エッチングの絶対量が比較例1と同程度となるよう浸漬時間を変更してエッチングした以外、比較例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
なお、Si源として、実施例1~15はAldrich製ケイ酸テトラメチルアンモニウム溶液、実施例16は扶桑化学工業社製コロイダルシリカPL-1を用いた。
Figure 2025035243000001

Figure 2025035243000002
Si源としてケイ酸テトラメチルアンモニウムを含む実施例1、2は、Si源を含まない以外は同様の組成を有する比較例1と比較して、Si源の用量依存的にシリコンのエッチング速度が大きく低下した。一方、炭窒化ケイ素のエッチング速度はほとんど変化せず、炭窒化ケイ素膜とシリコンウエハとのエッチング選択比(SiCN/Si)が大きく向上した。同様に、ケイ酸テトラメチルアンモニウムを含む実施例3は、Si源を含まない以外は同様の組成を有する比較例4と比較して、シリコンのエッチング速度が大きく低下した。同様に、ケイ酸テトラメチルアンモニウムを含む実施例4~6は、Si源を含まない以外は同様の組成を有する比較例5と比較して、Si源の用量依存的にシリコンのエッチング速度が大きく低下した。
また、比較例1~3、5~7のように、セリウム化合物の含有量を増加させると、炭窒化ケイ素のエッチング速度は増加するが、シリコンのエッチング速度も増加し、SiCN/Siは十分に大きくならない。これに対し、Si源を含む実施例7~15では、シリコンウエハのエッチング速度が抑制されたまま、炭窒化ケイ素膜のエッチング速度が増加した。その結果、炭窒化ケイ素膜とシリコンウエハとのエッチング選択比(SiCN/Si)がさらに向上した。
また、Si源としてコロイダルシリカを含む実施例16も、Si源としてケイ酸テトラメチルアンモニウムを含む実施例1~15と同様、SiCN/Siが大きかった。
上記結果から、本発明の一実施形態に係るエッチング液は、炭窒化ケイ素のエッチング速度に優れ、かつシリコン及び酸化ケイ素に比べて炭窒化ケイ素の選択性が高いと言える。

Claims (12)

  1. リン酸、水、セリウムイオン、及びSi源を含む、炭窒化ケイ素をエッチングするためのエッチング液。
  2. エッチング液に含まれるセリウムイオンの含有量が0.001モル/L以上0.25モル/L以下である、請求項1に記載のエッチング液。
  3. さらに硫酸を含む請求項1又は2に記載のエッチング液。
  4. 半導体デバイスの製造に用いられるエッチング液である、請求項1又は2に記載のエッチング液。
  5. 二酸化セリウムを含まない、請求項1又は2に記載のエッチング液。
  6. 炭窒化ケイ素膜を有し、シリコンを含む基板に請求項1又は2に記載のエッチング液を接触させる工程を含む、基板の処理方法。
  7. 請求項6に記載の基板の処理方法を含む半導体デバイスの製造方法。
  8. リン酸を含むエッチング液に添加するための、水、セリウムイオン、及びSi源を含む、エッチング速度調整剤。
  9. さらに硫酸を含む請求項8に記載の調整剤。
  10. Si源及びリン酸を含むエッチング液に添加するための、水、及びセリウムイオンを含む、エッチング速度調整剤。
  11. さらに硫酸を含む請求項10に記載の調整剤。
  12. 二酸化セリウムを含まない、請求項8~11のいずれか一項に記載の調整剤。
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