JP2024527599A - 新規のピリミジン-2,4-ジアミン誘導体、その調製方法、ならびにそれを癌の予防または処置のための有効成分として含有する医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体、その調製方法、ならびにそれを有効成分として含む、癌を予防または処置するための医薬組成物に関する。ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体は、EGFRおよびHER2変異に対して高い阻害能を示すため、EGFRおよびHER2変異が生じた癌の処置に有利に用いることができる。さらに、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体は、併用投与した場合に有意な相乗効果を示すため、併用療法に有利に用いることができる。

Description

本発明は、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体、その調製方法、ならびにそれを有効成分として含む、癌を予防または処置するための医薬組成物に関する。
癌の発症は、化学物質、放射線、およびウイルスを含む様々な環境因子、ならびに癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、およびアポトーシスおよびDNA修復に関連する遺伝子の変化に関連する。最近、癌のこれらの分子機構の理解により、新しい処置方法、標的化抗癌療法が可能になった。
標的化治療剤は、一般に、癌細胞が特徴的に有する分子を標的化することによってその効果を発揮するように作製される。分子標的には、癌細胞のシグナル伝達経路、血管新生、マトリックス、細胞周期調節因子、およびアポトーシスに関連する遺伝子が含まれる。現在、処置に使用される重要な標的治療剤には、チロシンキナーゼ阻害剤を含む「シグナル伝達経路阻害剤」および「血管新生阻害剤」が含まれる。
タンパク質チロシンキナーゼは、多くの悪性腫瘍において重要な役割を果たすことが見出されている。特に、erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼである上皮成長因子受容体(EGFR)は、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌、神経膠腫、頭頸部扁平上皮癌、大腸癌、直腸腺癌、頭頸部癌、胃癌、および前立腺癌を含む多くの上皮細胞腫瘍において異常活性化し、EGFR-チロシンキナーゼの活性化が持続的な細胞増殖、周囲組織への浸潤、遠隔転移、血管形成を引き起こし、細胞生存率を増加させることが知られている。
具体的には、EGFRは、ErbBチロシンキナーゼ受容体ファミリー(EGFR、HER2、ErbB3、ErbB4)の1つであり、細胞外リガンド結合ドメインを含む細胞内ドメインと、チロシンキナーゼドメインとを有する膜貫通型チロシンキナーゼである。ホモ二量体またはヘテロ二量体受容体にリガンドが結合すると、細胞内チロシンキナーゼが活性化され、EGFRにより刺激されたシグナルがホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)/AKT/mTOR、RAS/RAF/MAPK、JAK/STATのシグナル伝達経路を活性化する(Nat Rev Cancer 2007;7:169-81)。
特に、非小細胞肺癌(NSCLC)の半数を超えてEGFRが過剰発現しており、処置標的として多くの研究が行われている。EGFRチロシンキナーゼ活性を阻害するEGFR TKI(チロシンキナーゼ阻害剤)が開発されており、代表的な薬物には、ゲフィチニブ(IRESSA(商標))、エルロチニブ(TARCEVA(商標))、およびラパチニブ(TYKERB(商標)、TYVERB(商標))が含まれる。
一方、2004年には、EGFRの活性化変異が非小細胞肺癌(NSCLC)におけるゲフィチニブ治療に対する反応性と相関することが報告された(Science[2004]Vol.304,1497-500 and New England Journal of Medicine[2004]
Vol.350,2129-2139)。
具体的には、EGFR変異は、感作性変異と耐性変異とに大きく分けられる。エクソン19の欠失およびエクソン21におけるL858R点変異は、約85~90%を占める最も重要な感作性変異であり、エクソン19欠失変異は、TKIに対してより良好な感作性を有することが知られている。一方、エクソン20におけるT790M点変異は最も重要な耐性変異であり、後天性耐性患者の50%超に見られることが分かっている(Clin Cancer Res 2006;12:6494-6501)。
これまでに同定された体細胞変異には、発現されたタンパク質内で単一のヌクレオチド残基が修飾されている点変異(例えば、L858R、G719S、G719C、G719A、L861Q)、ならびにエクソン19におけるインフレーム欠失またはエクソン20における挿入が含まれる(Fukuokaら、JCO 2003;Krisら、JAMA 2003およびShepherdら、NEJM 2004)。
EGFR変異を有するNSCLC患者におけるゲフィチニブ/エルロチニブの初期臨床的有効性にもかかわらず、ほとんどの患者は、これらの薬剤による治療を受けている間に最終的に進行性癌を発症する。再発検体の初期研究により、ゲフィチニブおよびエルロチニブをEGFRキナーゼ活性の阻害剤として無効にする二次EGFR変異、T790Mが同定された(Kobayashiら、NEJM 2005およびPaoら、PLOS Medicine 2005)。その後の研究は、EGFR T790M変異が、ゲフィチニブまたはエルロチニブに対する耐性を獲得した患者に由来する腫瘍の約50%(24/48)において見出されたことを実証した(Kosakaら、CCR 2006;Balakら、CCR 2006およびEngelmanら、Science 2007)。これらの二次遺伝子改変は、キナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ耐性CMLにおけるABL中のT315I)で処置された患者において「ゲートキーパ」残基およびそれらに関連する二次耐性対立遺伝子に類似する位置で起こる。
EGFR変異であるEGFR_del19またはEGFR_L858Rは、非小細胞肺癌および頭頸部癌の主な原因であることが長い間知られており、それらを処置するための薬物であるイレッサおよびタルセバが開発され、現在臨床的に使用されている。しかしながら、これらの薬物を患者に使用した場合、薬物の構造に基づいてEGFRの二次変異が生じる獲得耐性が観察され、これが実際の薬物耐性の主因であることも明らかとなった。第1世代のEGFR阻害剤を平均10ヶ月間使用すると、EGFRキナーゼのゲートキーパに位置するT790M変異と呼ばれる獲得耐性が生じ、第1世代のEGFR阻害剤は無効になる。換言すれば、EGFR_del19_T790MまたはEGFR_L 858R_T790Mの二重変異が生じ、従来の治療剤を無効にする。
これらの事実に基づいて、優れた有効性および新しい構造を有する第2および第3世代薬物を開発する必要性が出てきた。
過去10年間にわたって、EGFR T790M二重変異に対する有効性が示されている様々な第3世代薬物には、多国籍製薬会社であるAstraZeneca社のAZD9291(オシメルチニブ、タグリッソ)が含まれる。しかしながら、AZD9291に対する耐性が約10ヶ月で再び発生し、AZD9291の有効性が失われることが報告されている。特に、C797Sを含む三重変異により耐性が生じることが報告されている(Thressら、Nature Medicine 2015)。
したがって、比較的低いWT EGFRに対する阻害を示すと同時に、EGFRの特異的活性化または様々な耐性変異形態に対するより高い阻害を示す阻害剤の開発が必要とされている。
EGFR TKI(チロシンキナーゼ阻害剤)であるゲフィチニブ、エルロチニブ、およびアファチニブは、EGFRキナーゼに活性化変異を有する非小細胞肺癌のための承認された治療剤である。しかしながら、これらの薬物に対する耐性が急速に発生し、受容体のATP部位のT790M変異が頻繁に起こるという問題がある。したがって、最近開発された不可逆的な変異選択的阻害剤は、T790M変異に対して高い活性を示すが、その有効性は、重要な共有結合を形成するシステイン残基であるC797の獲得変異によって無効にされる可能性がある。
HER2/neuまたはErbB2として知られる細胞内ヒトEGFR2は、ヒト上皮成長因子受容体(HER/EGFR/ERBB)ファミリーに属するチロシンキナーゼ受容体である。それは、通常、シグナル伝達経路に関与し、細胞の成長および分化を誘導する。HER2は、他の3つのEGFRファミリーメンバー(EGFR、HER3、およびHER4)と非常に高い構造類似性を示す。
しかしながら、他の抗癌標的とは異なり、HER2(ヒト上皮増殖因子2)の場合、それに結合するリガンドはまだ知られておらず、リガンドに結合する他のHER受容体と組んで、ヘテロ二量体を形成し、様々なシグナル経路を介して細胞周期の増加、細胞増殖調節、分化および生存に関与している。HER2を標的とする抗体の場合、IgG2型の抗体治療剤が開発されており、市販されている。主な治療作用は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)ではなく、抗体による中和活性である。
したがって、本発明者らは、EGFRの多重変異を阻害する癌治療剤の開発を試みているが、本発明に係るピリミジン-2,4-ジアミン誘導体は、野生型EGFRに対する阻害が比較的低く、EGFR変異およびHER2変異に対する阻害能が高いため、癌の予防または処置に有利に使用できることが分かった。以上のことから、本発明者らは、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体を提供することである。
本発明の別の目的は、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体の調製方法を提供することである。
本発明の別の目的は、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体を有効成分として含有する、癌を予防または処置するための医薬組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体を有効成分として含有する、癌を予防または改善するための健康機能食品を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、下記式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩が提供される:
Figure 2024527599000001
上記式1中、
nは、0~3の整数であり、
Xは、スルホニルまたはカルボニルであり、
は、水素、ハロゲン、ニトリル、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキル、カルボキシル、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルコキシカルボニルであり、
は、-ORまたは-NRb1b2であり、
は、-(CH-NRb1b2であり、式中、mは、1~3の整数であり、
b1およびRb2は、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであるか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルの置換基は、-NRc1c2であってもよく、置換された3~7員ヘテロシクロアルキルの置換基は、-NRc1c2または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであってもよく、
c1およびRc2は、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであるか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、置換された3~7員ヘテロシクロアルキルの置換基は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであってもよく、
、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルコキシ、または非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであり、
は、-NH、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキル、またはC3-7シクロアルキルであり、
およびRは、各々独立して、水素または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであり、
nは、0~3の整数であり、
pおよびqは、各々独立して、1~3の整数である。
さらに、本発明は、請求項1に記載の式1で表される化合物を調製する方法であって、下記反応スキーム1に示すように、式2で表される化合物と、式3で表される化合物とを反応させて、式1で表される化合物を調製することを含む方法を提供する:
Figure 2024527599000002
上記反応スキーム1において、X、R、R、R、R、R、R、R、R、n、pおよびqは、請求項1に記載の式1で定義されるとおりである。
本発明の別の態様によれば、式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または処置するための医薬組成物が提供される。
本発明の別の態様によれば、式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または改善するための健康機能食品が提供される。
本発明の別の態様によれば、式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物または健康機能食品を、癌の予防または処置を必要とする対象に投与することを含む、癌を予防または処置するための方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、式1で示される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物または健康機能食品の、癌の予防または処置のための使用が提供される。
本発明のピリミジン-2,4-ジアミン誘導体は、EGFRおよびHER2変異に対して高い阻害能を示すため、EGFRおよびHER2変異が生じた癌の処置に有利に用いることができる。さらに、ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体は、併用投与した場合に有意な相乗効果を示すため、併用療法に有利に用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一態様では、下記式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩が提供される:
Figure 2024527599000003
上記式1中、
Xは、スルホニルまたはカルボニルであり、
は、水素、ハロゲン、ニトリル、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキル、カルボキシル、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルコキシカルボニルであり、
は、-ORまたは-NRb1b2であり、
は、-(CH-NRb1b2であり、式中、mは、1~3の整数であり、
b1およびRb2は、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであるか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルの置換基は、-NRc1c2であってもよく、置換された3~7員ヘテロシクロアルキルの置換基は、-NRc1c2または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであってもよく、
c1およびRc2は、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであるか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくはは置換された3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、置換された3~7員ヘテロシクロアルキルの置換基は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであってもよく、
、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルコキシ、または非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであり、
は、-NH、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキル、またはC3-7シクロアルキルであり、
およびRは、各々独立して、水素または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであり、
nは、0~3の整数であり、
pおよびqは、各々独立して、1~3の整数である。
さらに、Rは、水素、ハロゲン、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキル、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-6アルコキシカルボニルであってもよく、
は、-NRb1b2であってもよく、
b1およびRb2は、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよいか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された5~6員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ここで、置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルの置換基は-NRc1c2であってもよく、置換された5~6員ヘテロシクロアルキルの置換基は-NRc1c2または直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよく、
c1およびRc2は、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよいか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された5~6員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ここで、置換された5~6員ヘテロシクロアルキルの置換基は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよく、
およびRは、各々独立して、水素、または非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよく、
は、-NH、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキル、またはC4-6シクロアルキルであってもよく、
は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルコキシであってもよく、
nは、1~3の整数であってもよい。
さらに、Rは、水素、ハロゲン、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-2アルキル、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルコキシカルボニルであってもよく、
は、-NRb1b2であってもよく、
b1およびRb2は、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換されたC1-2アルキルであってもよいか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された6員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ここで、置換されたC1-2アルキルの置換基は-NRc1c2であってもよく、置換された6員ヘテロシクロアルキルの置換基は-NRc1c2またはC1-2アルキルであってもよく、
c1およびRc2は、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよいか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された6員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ここで、置換された6員ヘテロシクロアルキルの置換基はC1-2アルキルであってもよく、
およびRは、各々独立して、水素またはC1-2アルキルであってもよく、
はC1-2アルキルであってもよく、
はメトキシであってもよく、
およびRは、各々独立して、水素またはC1-2アルキルであってもよく、
nは、1または2であってもよく、
pおよびqは、各々独立して、1~3の整数であってもよい。
さらに、Rは、メチル、F、Cl、CF
Figure 2024527599000004
であり、
は、
Figure 2024527599000005
であってもよく、
は水素であってもよく、
は、メチルまたはエチルであってもよく、
は水素であってもよく、
はメトキシであってもよく、
は水素であってもよく、
は水素であってもよく、
nは、1または2であってもよく、
pおよびqは、各々独立して、1~3の整数であってもよい。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、特に明記しない限り、N、OまたはSから選択される1、2、3または4つのヘテロ原子を含む1~3つの環からなる一価飽和部分を含む。2つまたは3つの環は、架橋、縮合またはスピロヘテロシクロアルキルを含んでもよく、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、またはモルホリンであってもよい。
本発明に係る式1で表される化合物の例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる:
<1>5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<2>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<3>5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<4>5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<5>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<6>5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<7>N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-5-メチル-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<8>5-フルオロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<9>N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<10>2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸イソプロピル;
<11>2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸メチル;
<12>1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オン;
<13>5-クロロ-N4-(1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
<14>1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)プロパン-1-オン;
<15>1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オン;
<16>1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オン;および
<17>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン。
本発明の式1で表される化合物は、薬学的に許容され得る塩の形態で使用することができ、薬学的に許容され得る遊離酸によって形成される酸付加塩が塩として有用である。酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、亜リン酸など、非毒性有機酸、例えば脂肪族モノおよびジカルボキシレート、フェニル置換アルカノエート、ヒドロキシアルカノエートおよびアルカンジオエート、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸、ならびに有機酸、トリフルオロ酢酸、酢酸塩、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸などから得られる。これらの薬学的に非毒性の塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1、4-ジオエート、ヘキサン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩などが含まれる。
本発明に係る酸付加塩は、従来の方法により調製することができる。本発明に係る酸付加塩は、例えば、式1の誘導体をメタノール、有機溶媒、例えばエタノール、アセトン、塩化メチレン、アセトニトリルなどに溶解し、有機酸または無機酸を添加し、得られた沈殿物を濾過および乾燥することにより調製してもよいし、溶媒および過剰の酸を減圧留去し、次いで乾燥し、有機溶媒中で結晶化することにより調製してもよい。
さらに、塩基を用いて、薬学的に許容され得る金属塩を調製してもよい。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩は、例えば、化合物を過剰のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液に溶解させ、未溶解の化合物塩を濾過し、濾液を蒸発乾燥させることにより得られる。この場合、金属塩としてナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩を調製することが薬学的に適している。さらに、対応する塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を適切な負の塩(例えば、硝酸銀)と反応させることによって得られる。
さらに、本発明には、式1で表される化合物およびその薬学的に許容され得る塩だけでなく、それらから調製され得る溶媒和物、立体異性体、水和物なども含まれる。
「水和物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論量または非化学量論量の水を含有する本発明の化合物またはその塩を指す。本発明の式1で表される化合物の水和物は、非共有結合性の分子間力によって結合した化学量論量または非化学量論量の水を含有していてもよい。水和物は、1当量を超える水、好ましくは1~5当量の水を含有していてよもい。水和物は、本発明の式1で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容され得る塩を、水または水を含む溶媒から結晶化させることにより調製することができる。
「溶媒和物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論量または非化学量論量の溶媒を含有する本発明の化合物またはその塩を指す。そのための好ましい溶媒には、揮発性、非毒性、および/またはヒトへの投与に適した溶媒が含まれる。
「異性体」という用語は、同じ化学式または分子式を有するが、構造的または立体的に異なる本発明の化合物またはその塩を指す。これらの異性体には、互変異性体などの構造異性体、不斉炭素中心を有するRまたはS異性体などの立体異性体、幾何異性体(トランス、シス)、および光学異性体(エナンチオマー)が含まれる。これらの異性体およびそれらの混合物もすべて本発明の範囲内に含まれる。
本発明の別の態様では、式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または処置するための医薬組成物が提供される。
この場合、癌は、偽粘液腫、肝内胆道癌、肝芽腫、肝臓癌、甲状腺癌、結腸癌、精巣癌、骨髄異形成症候群、神経膠芽腫、口腔癌、口唇癌、菌状息肉症、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、基底細胞癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、乳癌、脳腫瘍、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、胆嚢癌、胆道癌、大腸癌、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、ファーター膨大部癌、膀胱癌、腹膜癌、副甲状腺癌、副腎癌、副鼻腔癌、非小細胞肺癌、舌癌、星細胞腫、小細胞肺癌、小児脳癌、小児リンパ腫、小児白血病、小腸癌、髄膜腫、食道癌、神経膠腫、腎盂癌、腎臓癌、心臓癌、十二指腸癌、悪性軟組織癌、悪性骨癌、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、悪性黒色腫、眼癌、外陰癌、尿管癌、尿道癌、原発部位不明の癌、胃リンパ腫、胃癌、胃カルチノイド、消化管間質癌、ウィルムス癌、乳癌、肉腫、陰茎癌、咽頭癌、妊娠性絨毛疾患、子宮頸癌、子宮内膜癌、子宮肉腫、前立腺癌、転移性骨癌、転移性脳癌、縦隔癌、直腸癌、直腸カルチノイド、膣癌、脊髄癌、音響神経腫、膵癌、唾液腺癌、カポジ肉腫、パジェット病、扁桃腺癌、扁平上皮癌、肺腺癌、肺癌、肺の扁平上皮癌、皮膚癌、肛門癌、横紋筋肉腫、喉頭癌、胸膜癌、血液癌、および胸腺癌からなる群より選択される少なくとも1つであり、EGFR、HER2、ALK、FAK、FLT3、JAK3、KIT、およびPLK4からなる群より選択される少なくとも1つに変異を発現する癌であってもよい。
さらに、該化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容され得る塩は、EGFR(上皮成長因子受容体)変異を阻害し得、ここで、EGFR変異は、EGFR del19、EGFR T790M、EGFR C797S、EGFR L858RおよびEGFR Ex20挿入変異からなる群より選択される少なくとも1つであってもよく、好ましくは、EGFR del19、EGFR del19/T790M、EGFR del19/T790M/C797S、EGFR L858R、EGFR L858R/T790M、EGFR L858R/T790M/C797S、EGFR A763_Y764insFHEA、EGFR V769_D770insASVおよびEGFR D770_N771insSVDなどからなる群より選択される少なくとも1つであってもよい。
さらに、該化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容され得る塩は、HER2変異を阻害してもよく、HER2変異は、HER2 A775_G776insYVMA、HER2 G776_delinsVCなどからなる群より選択される少なくとも1つであってもよい。
さらに、式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または処置するための医薬組成物は、個々の治療剤として投与されてもよいし、使用される他の抗癌剤と組み合わせて投与されてもよい。
さらに、式1で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または処置するための医薬組成物は、抗癌剤と併用して投与することにより、抗癌効果を高めることができる。
本発明の式1で表される化合物は、野生型EGFRに対して比較的弱いEGFR活性阻害効果を示す一方、EGFRおよびHER2変異に対して高い選択的阻害効果を示し、特にEGFR del19/T790M/C797SまたはEGFR L858R/T790M/C797Sの三重変異、およびEGFR Ex20挿入変異、および/またはHER2変異に対して高い阻害能を示す。
本発明の式1で表される化合物は、単独で投与した場合、EGFR三重変異を有するBa/F3 Del19/T790M/C797S細胞株に対して、従来の薬物よりも細胞生存率が低いことが分かる。さらに、本発明の式1で表される化合物は、従来の薬物と併用して投与した場合、単独で投与した場合と比較して、細胞生存率が有意に低下する。したがって、本発明の式1で表される化合物は、単独で投与した場合、EGFR三重変異、EGFR Ex20挿入変異、HER2変異を有する細胞株に対して優れた癌細胞殺傷能を有するだけでなく、従来の薬物と併用して投与した場合、抗癌効果が有意に増大することが分かる。
したがって、本発明に係る式1で表される化合物は、野生型EGFRよりもEGFRおよびHER2変異に対して高い阻害能を示し、特に、EGFR L858R/T790M/C797SのEGFR変異に対して有意に優れた阻害効果を示し、EGFR del19、EGFR del19/T790M、EGFR del19/T790M/C797S、EGFR L858R、EGFR L858R/T790MS、EGFR L858R/T790M/C797S、EGFR A763_Y764insFHEA、EGFR V769_D770insASV、EGFR D770_N771insSVDなどのEGFR変異を発現する癌の処置に有利に用いることができる。特に、本発明に係る式1で表される化合物は、三重変異EGFR del19/T790M/C797SまたはEGFR L858R/T790M/C797Sに対する有意に優れた阻害能を有するため、EGFR del19/T790M/C797SまたはEGFR L858R/T790M/C797S、EGFR A763_Y764insFHEA、EGFR V769_D770insASVおよびEGFR D770_N771insSVDを発現する癌の処置にも有利に用いることができる。
さらに、本発明に係る式1で表される化合物は、従来の薬物と併用して投与した場合、相乗効果を示すため、従来の薬物と併用して有利に用いることができる。
式1によって表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、臨床投与中に様々な経口剤形および非経口剤形で投与され得る。製剤化される場合、それは、希釈剤または賦形剤、例えば一般的に使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤および界面活性剤を使用して調製される。経口投与用の固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれる。これらの固形製剤は、1つ以上の化合物を少なくとも1つ以上の賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどと混合することによって調製される。単純な賦形剤に加えて、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどの潤滑剤も用いられる。経口投与のための液体製剤には、懸濁液、内用液、乳剤、およびシロップ剤が含まれる。一般的に使用される水および流動パラフィンなどの単純な希釈剤に加えて、湿潤剤、甘味料、香料、および保存料などの様々な賦形剤が含まれてもよい。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶媒、懸濁液および乳剤が挙げられる。非水性溶媒および懸濁液は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油、および注射可能なエステル、例えばオレイン酸エチルを含み得る。
式1で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物は、非経口投与されてもよく、非経口投与は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、または胸腔内注射によるものである。
この場合、非経口投与のための製剤を製剤化するために、式1で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩を安定剤または緩衝剤と共に水と混合して、アンプルまたはバイアル単位剤形で調製され得る溶液または懸濁液を調製する。組成物は、滅菌されていてもよく、かつ/または補助剤、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化促進剤、浸透圧を調整するための塩および/または緩衝剤、ならびに他の治療的に有用な物質を含有していてもよく、混合、造粒またはコーティングなどの従来の方法に従って製剤化されてもよい。
経口投与用の製剤には、例えば、錠剤、丸剤、ハード/ソフトカプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤などが含まれる。有効成分に加えて、これらの製剤は、希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン)、潤滑剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール)を含有する。錠剤は、結合剤、例えばケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリジンを含有してもよく、場合によっては、崩壊剤または発泡性混合物、例えばデンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、および/または吸収剤、着色剤、香味剤、および甘味料を含有してもよい。
本発明の別の態様では、式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または改善するための健康機能食品が提供される。
癌は、偽粘液腫、肝内胆道癌、肝芽腫、肝臓癌、甲状腺癌、結腸癌、精巣癌、骨髄異形成症候群、神経膠芽腫、口腔癌、口唇癌、菌状息肉症、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、基底細胞癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、乳癌、脳腫瘍、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、胆嚢癌、胆道癌、大腸癌、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、ファーター膨大部癌、膀胱癌、腹膜癌、副甲状腺癌、副腎癌、副鼻腔癌、非小細胞肺癌、舌癌、星細胞腫、小細胞肺癌、小児脳癌、小児リンパ腫、小児白血病、小腸癌、髄膜腫、食道癌、神経膠腫、腎盂癌、腎臓癌、心臓癌、十二指腸癌、悪性軟組織癌、悪性骨癌、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、悪性黒色腫、眼癌、外陰癌、尿管癌、尿道癌、原発部位不明の癌、胃リンパ腫、胃癌、胃カルチノイド、消化管間質癌、ウィルムス癌、乳癌、肉腫、陰茎癌、咽頭癌、妊娠性絨毛疾患、子宮頸癌、子宮内膜癌、子宮肉腫、前立腺癌、転移性骨癌、転移性脳癌、縦隔癌、直腸癌、直腸カルチノイド、膣癌、脊髄癌、音響神経腫、膵癌、唾液腺癌、カポジ肉腫、パジェット病、扁桃腺癌、扁平上皮癌、肺腺癌、肺癌、肺の扁平上皮癌、皮膚癌、肛門癌、横紋筋肉腫、喉頭癌、胸膜癌、および胸腺癌からなる群より選択される少なくとも1つであってもよく、癌は、EGFRおよびHER2に変異を発現する癌であってもよい。
本発明に係る式1で表される化合物は、EGFRおよびHER2変異に対する高い阻害能を示すことから、癌を予防または改善するための健康機能食品組成物として、飲食品などの健康機能食品に添加してもよい。
本発明に係る式1で表される化合物は、そのまま食品に添加してもよいし、他の食品または食品成分とともに使用してもよく、従来の方法に従って適宜使用してもよい。有効成分の配合量は、使用目的(予防または改善)に応じて適宜決定してもよい。一般に、健康食品中の上記化合物の量は、食品の総重量に対して0.1~90重量部の量で添加してもよい。しかしながら、保健衛生または健康管理を目的とした長期間摂取の場合は上記範囲を下回ることがあり、安全性の面で問題ないことから上記範囲を上回る量で有効成分を使用してもよい。
さらに、本発明の健康機能性飲料組成物は、上記化合物を有効成分として表示割合で含有する以外の他の成分については特に制限はなく、通常の飲料と同様に、各種香味剤または天然糖質を添加成分として含有してもよい。上記天然糖質の例としては、単糖類、例えばグルコース、フルクトースなど;二糖類、例えばマルトース、スクロースなど;多糖類、例えばデキストリン、シクロデキストリンなどの一般的な糖、および糖アルコール、例えばキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどが挙げられる。上述のものに加えて、天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウディオサイドA、グリチルリチンなど))および合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を香味剤として有利に使用することができる。天然糖質の割合は、一般に、本発明の組成物100g当たり約1~20g、好ましくは約5~12gである。
さらに、本発明に係る式1で表される化合物は、上記以外にも、各種栄養素、ビタミン類、ミネラル類(電解質)、合成および天然香料などの香味剤、着色剤および増強剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調整剤、安定剤、保存剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有してもよい。さらに、本発明の式1で表される化合物は、天然果汁、果汁飲料、および野菜飲料を製造するためのパルプを含有してもよい。
本発明の別の態様では、式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物または健康機能食品を、癌の予防または処置を必要とする対象に投与することを含む、癌を予防または処置するための方法が提供される。
本発明の別の態様では、式1で示される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物または健康機能食品の、癌の予防または処置のための使用が提供される。
本発明の医薬組成物は、「薬学的有効量」で投与される。本明細書で使用される場合、「薬学的有効量」という用語は、医学的処置または改善に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比で疾患を処置するのに十分な量を指し、有効用量レベルは、対象の種類および重症度、年齢、性別、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路および排泄率、処置期間、同時に使用される薬物、ならびに医療分野で周知の他の要因を含む要因に基づいて決定することができる。例えば、0.001mg/kg~1000mg/kg、0.01mg/kg~100mg/kg、または0.1~20mg/kg、または0.1~500mg/kgの有効量が含まれる。本発明の医薬組成物の上限は、当業者によって適切な範囲内で選択され、実施され得る。
発明の詳細な説明
以下、実施例および実験例により本発明を詳細に説明する。
しかしながら、以下の実施例および実験例は本発明の例示に過ぎず、本発明の内容が以下の実施例および実験例に限定されるものではない。
Figure 2024527599000006
上記反応スキームAに従って、調製例1~3の化合物を得た。
<調製例1>1-(メチルスルホニル)-7-ニトロインドリンの調製
Figure 2024527599000007
7-ニトロインドリン(2.0g、1.21mmol)のDMF中撹拌溶液に、NaH(0.8g、3.6mmol)および塩化メシル(4.7ml、6.0mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を室温まで加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を冷水でクエンチした。析出した固体を濾過、水洗、乾燥して、1-(メチルスルホニル)-7-ニトロインドリン(87%)を純粋な黄色固体として得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ7.79(d,J=8.3Hz,1H),7.57-7.48(m,1H),7.22(t,J=7.8Hz,1H),4.29(t,J=7.8Hz,2H),3.26(s,3H),3.22(t,J=7.8Hz,2H);LCMS:243.0[M+H].
<調製例2>1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
Figure 2024527599000008
1-(メチルスルホニル)-7-ニトロインドリン(2.2g、9.0mmol)のメタノール中撹拌溶液に10% Pd/C(0.1g、0.9mmol)を添加した。得られた混合物を1atmの水素ガス下で室温にて4時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮して、1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミン(90%)を褐色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.00(td,J=7.8,2.3Hz,1H),6.70(d,J=7.5Hz,1H),6.61(dd,J=8.1,2.3Hz,1H),4.60(s,2H),4.11(td,J=7.8,2.3Hz,2H),3.03(td,J=7.6,2.3Hz,2H),2.87(s,3H);LCMS:213.0[M+H].
<調製例3>N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
Figure 2024527599000009
1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミン(500mg、2.35mmol)のn-BuOH(5ml)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.3ml、7.05mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(518mg、2.82mmol)を室温で添加した。反応混合物を90℃に14時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた物質を濾過し、n-BuOHで洗浄して、N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミンをオフホワイトの固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.35(s,1H),8.21(s,1H),8.01(d,J=8.4Hz,1H),7.42-7.26(m,2H),7.18(d,J=7.5Hz,1H),4.16(td,J=7.5,2.2Hz,2H),3.15(t,J=7.7Hz,2H),2.92(s,3H);LCMS:359.8[M+H].
Figure 2024527599000010
上記反応スキームBに従って、調製例4および5の化合物を得た。
<調製例4>(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-アミンの調製
Figure 2024527599000011
4-フルオロ-2-メトキシ-1-ニトロベンゼン(10g、58.4mmol)のDMF(150ml)中撹拌溶液に、N,N-ジメチルピペリジン-4-アミン(7.5g、58.4mmol)および炭酸セシウム(3.8g、116.8モル)を室温で添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を冷水でクエンチし、15分間撹拌した。析出した固体を濾過し、減圧下で濃縮して、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-アミン(14.0g、85%)を黄色固体として得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ8.01(d,J=9.4Hz,1H),6.44(dd,J=9.4,2.6Hz,1H),6.33(d,J=2.5Hz,1H),3.97(s,3H),3.97-3.86(m,2H),3.03-2.94(m,2H),2.50-2.36(m,1H),2.33(s,6H),2.04-1.89(m,2H),1.68-1.51(m,2H);LCMS:279.0[M+H].
<調製例5>1-(4-アミノ-3-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-アミンの調製
Figure 2024527599000012
1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-アミン(14.0g、50.1mmol)のメタノール(150ml)中撹拌溶液に10%Pd/C(1.0g、10.0mmol)を添加した。得られた混合物を1気圧の水素ガス下、室温で4時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮して、1-(4-アミノ-3-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-アミン(11.2g、90%)を褐色固体として得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ6.65(d,J=8.3Hz,1H),6.55(d,J=2.4Hz,1H),6.45(dd,J=8.4,2.5Hz,1H),3.86(s,3H),3.57-3.50(m,4H),2.67-2.60(m,2H),2.34(s,6H),2.89-2.19(m,1H),1.96-1.90(m,2H);LCMS:249.0[M+H].
Figure 2024527599000013
上記反応スキームCに従って、調製例6および7の化合物を得た。
<調製例6>N1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミンの調製
Figure 2024527599000014
調製例4と同様の方法を行って、N1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン(84%)を得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ8.03(d,J=9.3Hz,1H),6.25(dd,J=9.4,2.6Hz,1H),6.13(d,J=2.6Hz,1H),3.96(s,3H),3.59-3.53(m,2H),3.11(s,3H),2.53(t,J=7.3Hz,2H),2.32(s,6H);LCMS:253.0[M+H].
<調製例7>N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-3-メトキシ-N1-メチルベンゼン-1,4-ジアミンの調製
Figure 2024527599000015
調製例5と同様の方法を行って、N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-3-メトキシ-N1-メチルベンゼン-1,4-ジアミン(96%)を得た。
H NMR(400MHz,Methanol-d)δ7.23(d,J=8.7Hz,1H),6.61(d,J=2.6Hz,1H),6.52(dd,J=8.8,2.7Hz,1H),4.02(s,3H),3.84(t,J=7.3Hz,2H),3.43-3.35(m,5H),3.06(s,3H),2.98(s,6H);LCMS:223.0[M+H].
Figure 2024527599000016
上記反応スキームDに従って、調製例8~10の化合物を得た。
<調製例8>1-(メチルスルホニル)-8-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンの調製
Figure 2024527599000017
調製例1と同様の方法を行って、1-(メチルスルホニル)-8-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(69%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.80-7.73(m,1H),7.40(d,J=7.8Hz,1H),7.25(dq,J=7.4,3.5,2.5Hz,1H),3.72(s,2H),3.14(s,3H),2.95(td,J=7.3,2.2Hz,2H),2.23(s,2H),1.43-1.34(m,2H);LCMS:257.0[M+H].
<調製例9>1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-アミンの調製
Figure 2024527599000018
調製例2と同様の方法を行って、1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-アミン(92%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.03(td,J=7.8,2.2Hz,1H),6.66(d,J=8.1Hz,1H),6.59(d,J=7.5Hz,1H),4.44(s,2H),3.73(s,2H),2.94(s,3H),2.83-2.71(m,2H),2.17-2.00(m,2H);LCMS:227.0[M+H].
<調製例10>N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-アミンの調製
Figure 2024527599000019
調製例3と同様の方法を行って、N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-アミン(77%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.05(s,1H),8.21(s,1H),7.93(d,J=8.3Hz,1H),7.41-7.29(m,1H),7.09(d,J=7.7Hz,1H),3.89-3.59(m,2H),2.97(s,3H),2.89(t,J=7.5Hz,2H),2.18(d,J=9.8Hz,2H);LCMS:374.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、調製例11の化合物を得た。
Figure 2024527599000020
<調製例11>N-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
調製例3と同様の方法を行って、N-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミン(29%)を得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ8.86(s,1H),8.16(dd,J=8.4,1.1Hz,1H),8.02(s,1H),7.35-7.27(m,1H),7.13(dq,J=7.4,1.1Hz,1H),4.17(t,J=7.5Hz,2H),3.13(t,J=7.5Hz,2H),2.89(s,3H),2.22(d,J=0.9Hz,3H);LCMS:338.8[M+H].
以下の反応スキームに従って、調製例12の化合物を得た。
Figure 2024527599000021
<調製例12>N-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
調製例3と同様の方法を行って、N-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミン(82%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.28(s,1H),8.14(bs,2H),7.31(d,J=12.3Hz,1H),4.18(t,J=7.7Hz,2H),3.15(t,J=7.8Hz,2H),2.91(s,3H);LCMS:342.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、調製例13の化合物を得た。
Figure 2024527599000022
<調製例13>N-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
調製例3と同様の方法を行って、N-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミン(24%)を得て、これをHPLCを用いて分離した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.20(s,1H),8.44(cs,1H),7.80(dd,J=8.2,1.1Hz,1H),7.35-7.29(m,1H),7.22(dq,J=7.4,1.1Hz,1H),4.13(t,J=7.5Hz,2H),3.17(t,J=7.4Hz,2H),2.94(s,3H);LCMS:394.0[M+H2+].
以下の反応スキームに従って、調製例14の化合物を得た。
Figure 2024527599000023
<調製例14>2-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸イソプロピルの調製
調製例3と同様の方法を行って、2-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸イソプロピル(84%)を得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ10.71(s,1H),8.83(s,1H),7.94(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),7.31-7.27(m,2H),7.18(dq,J=7.4,1.1Hz,1H),5.41-5.29(m,1H),4.13(t,J=7.4Hz,2H),3.20-3.15(m,2H),3.00(s,3H),1.41(d,J=6.3Hz,6H);LCMS:411.8[M+H].
以下の反応スキームに従って、調製例15の化合物を得た。
Figure 2024527599000024
<調製例15>2-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸メチルの調製
調製例3と同様の方法を行って、2-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸メチル(88%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ10.44(s,1H),8.80(s,1H),7.72(dd,J=7.3,2.1Hz,1H),7.31-7.24(m,2H),4.05(t,J=7.4Hz,2H),3.90(s,3H),3.12(t,J=7.4Hz,2H),3.07(s,3H);LCMS:383.1[M+H].
Figure 2024527599000025
上記反応スキームEに従って、調製例16~18の化合物を得た。
<調製例16>1-(7-ニトロインドリン-1-イル)エタン-1-オンの調製
Figure 2024527599000026
調製例1と同様の方法を行って、1-(7-ニトロインドリン-1-イル)エタン-1-オンを得た。
H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ7.64(dd,J=8.2,1.1Hz,1H),7.46-7.39(m,1H),7.15(t,J=7.8Hz,1H),4.25(t,J=8.1Hz,2H),3.23(t,J=8.0Hz,2H),2.27(s3H)。LCMS:207.2[M+H].
<調製例17>1-(7-アミノインドリン-1-イル)-エタン-1-オンの調製
Figure 2024527599000027
1-(メチルスルホニル)-7-ニトロインドリン(1.0g、4.84mmol)のTHF/HO(1:1)20mL撹拌溶液に、鉄粉(1.3g、24.24mmol)およびNHCl(1.3g 24.24mmol)を室温で添加して、1-(7-アミノインドリン-1-イル)-エタン-1-オン(90%)を褐色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.97(t,J=7.6Hz,1H),6.66(dt,J=7.3,1.1Hz,1H),6.60(dd,J=8.1,1.0Hz,1H),4.82(s,2H),4.07(t,J=7.8Hz,2H),3.07(t,J=7.7Hz,2H),2.33(s,3H).LCMS:177.8[M+H+].
<調製例18>1-(7-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オンの調製
Figure 2024527599000028
1-(7-アミノインドリン-1-イル)-エタン-1-オン(1.0g、5.67mmol)の調製例3と同様の方法を行って、1-(7-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オン(80%)を濃緑色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),8.38(s,1H),7.64-7.57(m,1H),7.22(t,J=7.7Hz,1H),7.15(dd,J=7.3,1.3Hz,1H),4.16(t,J=7.8Hz,2H),3.11(t,J=7.7Hz,2H),2.32(s,3H).LCMS:324.8[M+H].
Figure 2024527599000029
上記反応スキームFに従って、調製例19~21の化合物を得た。
<調製例19>1-(エチルスルホニル)-7-ニトロインドリンの調製
Figure 2024527599000030
調製例1と同様の方法を行って、1-(エチルスルホニル)-7-ニトロインドリン(59%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.78(dd,J=8.3,1.1Hz,1H),7.49(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),7.21(dd,J=8.2,7.4Hz,1H),4.28(t,J=7.7Hz,2H),3.42(q,J=7.4Hz,2H),3.21(tt,J=7.7,1.0Hz,2H),1.52(t,J=7.4Hz,3H).LCMS:257.0[M+H].
<調製例20>1-(エチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
Figure 2024527599000031
調製例17と同様の方法を行って、1-(エチルスルホニル)インドリン-7-アミン(92%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.01-6.89(m,1H),6.69(t,J=8.2Hz,1H),6.60(t,J=8.7Hz,1H),4.61(s,2H),4.20-3.93(m,2H),3.16-2.76(m,4H),1.50-1.20(m,3H).LCMS:227.0[M+H].
<調製例21>N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(エチルスルホニル)インドリン-7-アミンの調製
Figure 2024527599000032
調製例3と同様の方法を行って、N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(エチルスルホニル)インドリン-7-アミン(71%)を得た。
H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ9.33(s,1H),8.21(s,1H),7.92(d,J=8.2Hz,1H),7.33-7.24(m,2H),7.16(d,J=7.4Hz,1H),4.13(t,J=7.4Hz,2H),3.16(t,J=7.5Hz,2H),3.11(q,J=7.4Hz,2H),1.50-1.40(m,3H).LCMS:374.0[M+2H].
Figure 2024527599000033
上記反応スキームGに従って、調製例22~24の化合物を得た。
<調製例22>1-(7-ニトロインドリン-1-イル)プロパン-1-オンの調製
Figure 2024527599000034
調製例1と同様の方法を行って、1-(7-ニトロインドリン-1-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ7.66-7.56(m,2H),7.23(t,J=7.8Hz,1H),4.24(t,J=8.1Hz,2H),3.21(t,J=8.2Hz,2H),2.54(dd,J=8.7,6.2Hz,2H),1.05(td,J=7.4,2.5Hz,3H).LCMS:220.0[M+H].
<調製例23>1-(7-アミノインドリン-1-イル)プロパン-1-オンの調製
Figure 2024527599000035
調製例2と同様の方法を行って、1-(7-アミノインドリン-1-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ6.86(t,J=7.6Hz,1H),6.61-6.50(m,7.6Hz,2H),5.42(s,2H),4.03(t,J=7.8Hz,2H),2.96(t,J=7.9Hz,2H),2.56(q,J=7.5Hz,2H),1.10(t,J=7.4Hz,3H).LCMS:190.2[M+H].
<調製例24>1-(7-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)プロパン-1-オンの調製
Figure 2024527599000036
調製例3と同様の方法を行って、1-(7-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ10.35(s,1H),8.38(d,J=2.4Hz,1H),7.62(d,J=8.2Hz,1H),7.22(d,J=7.8Hz,1H),7.17(d,J=7.5Hz,1H),4.16(s,2H),3.12(s,2H),2.64(d,J=7.4Hz,2H),1.11(t,J=7.4Hz,3H).LCMS:337.8[M+H].
Figure 2024527599000037
上記反応スキームHに従って、調製例25~27の化合物を得た。
<調製例25>1-(8-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-エタン-1-オンの調製
Figure 2024527599000038
8-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリンを用いて調製例16と同様の方法を行って、1-(8-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ7.76-7.65(m,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.30(t,J=7.9Hz,1H),3.82(s,2H),2.83(s,2H),2.19(d,J=2.2Hz,3H),1.98(s,2H).LCMS:220.4[M+H].
<調製例26>1-(8-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)-エタン-1-オンの調製
Figure 2024527599000039
調製例2と同様の方法を行って、1-(8-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ6.89(t,J=7.6Hz,1H),6.61(d,J=7.9Hz,1H),6.44(d,J=7.3Hz,1H),5.12(s,2H),4.63-4.48(m,2H),2.68-2.59(m,1H),2.58-2.53(m,1H),2.33-2.26(m,1H),2.15-2.04(m,1H),1.90(s,3H),1.61-1.49(m,1H).LCMS:190.2[M+H].
<調製例27>1-(8-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンの調製
Figure 2024527599000040
調製例3と同様の方法を行って、1-(8-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.72(s,1H),8.37(s,1H),7.52-7.08(m,3H),4.31-3.98(m,2H),3.12-2.69(m,2H),2.20(d,J=49.1Hz,3H),1.91-1.53(m,2H).LCMS:337.8[M+H].
Figure 2024527599000041
上記反応スキームIに従って、調製例28~30の化合物を得た。
<調製例28>1-(8-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンの調製
Figure 2024527599000042
調製例1と同様の方法を行って、1-(8-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ7.70(d,J=8.1Hz,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.29(t,J=8.0Hz,1H),3.83(bs,2H),2.82(s,2H),2.54(s,2H),2.12-1.79(m,2H),1.01(t,J=7.5Hz,3H).LCMS:234.4[M+H].
<調製例29>1-(8-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンの調製
Figure 2024527599000043
調製例2と同様の方法を行って、1-(8-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ6.89(t,J=7.7Hz,1H),6.60(d,J=8.1Hz,1H),6.44(d,J=7.5Hz,1H),5.10(s,2H),4.68-4.55(m,2H),2.70-2.59(m,1H),2.54(d,J=4.9Hz,1H),2.41(dq,J=15.4,7.6Hz,1H),2.24(q,J=12.2,11.0Hz,1H),2.10(s,1H),2.02(dt,J=15.9,7.6Hz,1H),1.53(s,1H),1.09(t,J=7.5Hz,1H),0.90(t,J=7.5Hz,3H).LCMS:204.4[M+H].
<調製例30>1-(8-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンの調製
Figure 2024527599000044
調製例3と同様の方法を行って、1-(8-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.69(s,1H),8.36(s,1H),7.44(s,1H),7.33-7.09(m,2H),4.17(d,J=78.3Hz,2H),3.28(s,1H),2.83(s,1H),2.74(s,1H),2.58(s,1H),2.33-1.52(m,2H),1.05(s,2H),0.83(s,1H).LCMS:351.8[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例1の化合物を得た。
Figure 2024527599000045
<実施例1>5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-1-(メチルスルホニル)インドリン-7-アミン(100mg、0.27mmol)の1N TFA中n-BuOH(3ml)中撹拌溶液に、1-(4-アミノ-3-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-アミン(81.3mg、0.27mmol)を室温で添加した。得られた混合物を90℃に14時間加熱した。反応混合物をDCMで希釈した。有機層を飽和NaHCO水溶液、続けて水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、次いで減圧下で蒸発させた。得られた物質を、カラムクロマトグラフィー(溶離液としてDCM中5~10%メタノール)を用いて精製して、5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(49%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.95(s,1H),8.14-8.03(m,2H),8.04-7.98(m,1H),7.36-7.24(m,3H),7.15(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),6.54(d,J=2.6Hz,1H),6.43(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),4.17(t,J=7.5Hz,2H),3.87(s,3H),3.66(d,J=11.9Hz,2H),3.16(t,J=7.5Hz,2H),2.94(s,3H),2.72(td,J=12.3,2.4Hz,2H),2.64-2.40(m,6H),2.08(d,J=12.3Hz,2H),1.79(qd,J=12.1,4.1Hz,2H);LCMS:572.8[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例2の化合物を得た。
Figure 2024527599000046
<実施例2>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(54%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.94(s,1H),8.10-7.99(m,3H),7.33-7.23(m,3H),7.17-7.12(m,1H),6.54(d,J=2.5Hz,1H),6.42(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),4.17(t,J=7.5Hz,2H),3.87(s,3H),3.65(d,J=12.1Hz,2H),3.15(t,J=7.5Hz,2H),2.94(s,3H),2.87-2.57(m,9H),2.47(m,1H),2.41(s,3H),1.99(d,J=12.1Hz,2H),1.82-1.67(m,2H);LCMS:627.9[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例3の化合物を得た。
Figure 2024527599000047
<実施例3>5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(43%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.93(s,1H),8.08-8.02(m,2H),7.97(d,J=8.9Hz,1H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),7.15-7.10(m,1H),6.39(d,J=2.6Hz,1H),6.26(dd,J=8.9,2.7Hz,1H),4.17(t,J=7.5Hz,2H),3.88(s,3H),3.53(t,J=7.5Hz,2H),3.15(t,J=7.4Hz,2H),2.96(s,3H),2.94(s,3H),2.68-2.60(m,2H),2.44(s,6H);LCMS:546.8[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例4の化合物を得た。
Figure 2024527599000048
<実施例4>5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(55%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.47(s,1H),8.06(s,1H),7.99(d,J=8.9Hz,1H),7.93(dd,J=8.2,1.4Hz,1H),7.33-7.28(m,3H),7.10-7.05(m,1H),6.54(d,J=2.6Hz,1H),6.39(dd,J=8.9,2.6Hz,1H),3.86(s,3H),3.76-3.60(m,4H),3.02(s,3H),2.89(t,J=7.2Hz,2H),2.71(td,J=12.2,2.4Hz,2H),2.50-2.37(m,6H),2.24-2.11(m,2H),2.03(d,J=12.5Hz,2H),1.75(qd,J=12.1,3.9Hz,2H);LCMS:586.9[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例5の化合物を得た。
Figure 2024527599000049
<実施例5>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(49%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.46(s,1H),8.05(s,1H),7.97(d,J=8.8Hz,1H),7.93(dd,J=8.2,1.4Hz,1H),7.34-7.29(m,2H),7.08(dd,J=7.4,1.4Hz,1H),6.53(d,J=2.6Hz,1H),6.38(dd,J=8.9,2.5Hz,1H),3.86(s,3H),3.75-3.60(m,4H),3.02(s,3H),2.89(t,J=7.2Hz,2H),2.84-2.52(m,11H),2.39(s,3H),2.23-2.11(m,2H),1.99(d,J=12.4Hz,2H),1.74(dd,J=12.0,3.9Hz,2H);LCMS:641.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例6の化合物を得た。
Figure 2024527599000050
<実施例6>5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(34%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.45(s,1H),8.05(s,1H),7.97(dd,J=8.2,1.4Hz,1H),7.92(d,J=8.9Hz,1H),7.31(d,J=7.8Hz,1H),7.19(s,1H),7.06(dd,J=7.5,1.4Hz,1H),6.40(d,J=2.6Hz,1H),6.23(dd,J=8.9,2.6Hz,1H),3.88(s,3H),3.77-3.64(bs,2H),3.62-3.51(bs,2H),3.02(s,3H),2.96(s,3H),2.89(t,J=7.1Hz,2H),2.69(s,2H),2.48(s,6H),2.23-2.12(m,2H);LCMS:561.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例7の化合物を得た。
Figure 2024527599000051
<実施例7>N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-5-メチル-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-5-メチル-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(54%)を得た。
H NMR(400MHz,Methanol-d)δ7.76(d,J=8.0Hz,1H),7.67(s,1H),7.40(d,J=8.8Hz,1H),7.37-7.32(m,1H),7.29(t,J=7.7Hz,1H),6.83(d,J=2.5Hz,1H),6.62(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),4.12(t,J=7.6Hz,2H),3.88(s,3H),3.83(d,J=2.5Hz,2H)3.27-3.06(m,6H),2.96(m,6H),2.88(s,3H),2.57-2.52(m,5H)2.21(s,3H),2.14(d,J=12.6Hz,2H),1.91-1.71(m,2H);LCMS:606.9[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例8の化合物を得た。
Figure 2024527599000052
<実施例8>5-フルオロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-フルオロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(45%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ8.92(d,J=2.5Hz,1H),8.06(d,J=3.3Hz,1H),7.98(d,J=8.0Hz,1H),7.69(s,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.22-7.12(m,2H),6.61(d,J=2.5Hz,1H),6.42(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),4.07(t,J=7.5Hz,2H),3.78(s,3H),3.68(d,J=12.1Hz,2H),3.12(t,J=7.5Hz,2H),3.05(s,3H),2.64(td,J=12.2,2.4Hz,2H),2.57-2.52(m,4H),2.46-2.27(m,4H)2.20(s,3H),1.86(d,J=12.5Hz,2H),1.52(dt,J=13.3,9.6Hz,2H);LCMS:610.8[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例9の化合物を得た。
Figure 2024527599000053
<実施例9>N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン(48%)を得た。
H NMR(400MHz,Methanol-d)δ8.35(s,1H),7.71(d,J=8.9Hz,1H),7.59(d,J=7.9Hz,1H),7.37(dd,J=7.4,1.4Hz,1H),7.32(d,J=7.8Hz,1H),6.99(d,J=2.5Hz,1H),6.72(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),4.10(t,J=7.6Hz,2H),3.93(s,3H),3.82(d,J=12.5Hz,2H),3.45-3.33(m,3H),3.26(d,J=12.0Hz,3H),3.24-3.08(m,6H),2.98(s,3H),2.92(s,3H),2.57-2.52(m,4H),2.20(d,J=13.0Hz,2H),2.06-1.89(m,2H);LCMS:661.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例10の化合物を得た。
Figure 2024527599000054
<実施例10>2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸イソプロピルの調製
実施例1と同様の方法を行って、2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸イソプロピル(52%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.35(s,1H),8.60(d,J=9.5Hz,2H),7.32(d,J=8.6Hz,1H),7.16-6.93(m,2H),6.62(d,J=2.5Hz,1H),6.43(dd,J=8.9,2.5Hz,1H),5.18-5.06(m,1H),4.00(t,J=7.1Hz,2H),3.75(s,5H),3.12-3.01(m,5H),2.76-2.62(m,2H),2.57-2.52(m,4H),2.42-2.23(m,5H),2.15(s,3H),1.91-1.80(m,2H),1.58-1.45(m,2H),1.32(d,J=6.2Hz,6H);LCMS:679.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例11の化合物を得た。
Figure 2024527599000055
<実施例11>2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸メチルの調製
実施例1と同様の方法を行って、2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸メチル(44%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.32(s,1H),8.62(d,J=10.4Hz,2H),7.87(s,1H),7.31(d,J=8.6Hz,1H),7.12-6.93(m,2H),6.61(d,J=2.5Hz,1H),6.50-6.38(m,1H),4.00(t,J=7.2Hz,2H),3.82(s,3H),3.78-3.68(m,5H),3.13-3.02(m,5H),2.69(t,J=11.7Hz,2H),2.57-2.52(m,4H),2.41-2.24(m,5H),2.15(s,3H),1.86(d,J=12.2Hz,2H),1.64-1.42(m,2H);LCMS:651.0[M+H].
以下の反応スキームに従って、実施例12の化合物を得た。
Figure 2024527599000056
<実施例12>1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オンの調製
実施例1と同様の方法を行って、1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オンを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.76(s,1H),8.03(s,1H),7.74-7.63(m,2H),7.54(d,J=8.7Hz,1H),7.13(t,J=7.7Hz,1H),7.06(d,J=7.2Hz,1H),6.58(d,J=2.5Hz,1H),6.37(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),4.13(t,J=7.7Hz,2H),3.77(s,3H),3.67(d,J=12.2Hz,2H),3.07(t,J=7.7Hz,2H),2.63(t,J=11.9Hz,2H),2.31(s,8H),2.14(s,3H),1.84(d,J=12.3Hz,2H),1.51(tt,J=12.7,6.4Hz,2H).
以下の反応スキームに従って、実施例13の化合物を得た。
Figure 2024527599000057
<実施例13>5-クロロ-N4-(1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、5-クロロ-N4-(1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミンを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.88(s,1H),8.08(s,1H),7.86(s,1H),7.82(t,J=4.7Hz,1H),7.44(d,J=8.7Hz,1H),7.19-7.10(m,2H),6.59(d,J=2.4Hz,1H),6.38(dd,J=8.7,2.4Hz,1H),4.03(t,J=7.4Hz,2H),3.76(s,3H),3.68(d,J=12.3Hz,2H),3.27(t,J=7.3Hz,2H),3.09(t,J=7.4Hz,2H),2.64(t,J=11.7Hz,2H),2.49(s,5H)2.30(t,J=11.6Hz,4H),2.15(s,3H),1.84(d,J=11.8Hz,2H),1.51(tt,J=13.6,6.9Hz,2H),1.20(t,J=7.3Hz,3H).
以下の反応スキームに従って、実施例14の化合物を得た。
Figure 2024527599000058
<実施例14>1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)プロパン-1-オンの調製
実施例1と同様の方法を行って、1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)プロパン-1-オンを得た。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ9.88(s,1H),8.31(s,1H),8.06(d,J=8.1Hz,1H),7.93(d,J=8.6Hz,1H),7.72(s,1H),7.43(d,J=7.3Hz,1H),7.38(d,J=7.5Hz,1H),6.89(d,J=2.7Hz,1H),6.70(dd,J=8.7,2.8Hz,1H),4.45(t,J=7.9Hz,2H),4.10(s,3H),3.95(d,J=12.3Hz,2H),3.41(t,J=7.8Hz,2H),3.05-2.97(m,2H),2.93(q,J=7.3Hz,2H),2.85(d,J=4.7Hz,4H),2.68(t,J=4.8Hz,4H),2.55(s,3H)2.17(d,J=11.8Hz,2H),1.93-1.80(m,2H),1.74(q,J=6.9Hz,1H),1.65(q,J=7.4Hz,1H),1.47(t,J=7.3Hz,3H).
以下の反応スキームに従って、実施例15の化合物を得た。
Figure 2024527599000059
<実施例15>1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンの調製
実施例1と同様の方法を行って、1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.02(s,1H),7.61(d,J=8.2Hz,1H),7.54(d,J=8.8Hz,1H),7.43(s,1H),7.21(t,J=7.8Hz,1H),7.08(d,J=7.6Hz,1H),6.57(d,J=2.6Hz,1H),6.34(d,J=8.4Hz,1H),3.79(s,3H),3.64(d,J=12.1Hz,2H),2.81-2.62(m,4H),2.57-2.52(m,4H),2.51-2.42(m,4H),2.39-2.26(m,5H),2.18(s,5H),1.95(s,2H),1.86(d,J=12.9Hz,2H),1.63-1.46(m,2H).
以下の反応スキームに従って、実施例16の化合物を得た。
Figure 2024527599000060
<実施例16>1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンの調製
実施例1と同様の方法を行って、1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オンを得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ7.99(d,J=7.7Hz,1H),7.92(s,1H),7.64-7.57(m,1H),7.55-7.48(m,1H),7.40(d,J=9.1Hz,1H),7.24-7.13(m,1H),7.07(d,J=8.2Hz,1H),6.55(d,J=8.6Hz,1H),6.32(d,J=8.9Hz,1H),3.78(s,3H),3.62(s,2H),2.68(t,J=11.1Hz,4H),2.37-2.26(m,6H),2.17(s,3H),1.92(s,2H),1.85(d,J=11.7Hz,2H),1.54(t,J=11.6Hz,2H),1.13-0.98(m,3H).
以下の反応スキームに従って、実施例17の化合物を得た。
Figure 2024527599000061
<実施例17>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの調製
実施例1と同様の方法を行って、中間体化合物4-(1-(4-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシフェニル)ピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得た。次に、4N HClを用いて脱保護反応を行って、表題化合物5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンを得た。
H NMR(500MHz,Methanol-d4)δ8.10(s,1H),7.71(d,J=7.9Hz,1H),7.48(d,J=8.6Hz,1H),7.36(d,J=7.6Hz,1H),7.30(t,J=7.8Hz,1H),6.88(s,1H),6.67(d,J=8.7Hz,1H),4.13(t,J=7.6Hz,2H),3.94-3.84(m,5H),3.56(d,J=5.1Hz,4H),3.50(s,4H),3.37(m,1H),3.20(t,J=7.5Hz,2H),3.09(t,J=12.5Hz,2H),2.98(s,3H),2.28(d,J=12.3Hz,2H),2.05-1.95(m,2H).
以下の表1は、実施例1~17で調製した化合物の構造式をまとめたものである。
Figure 2024527599000062
Figure 2024527599000063
<実験例1>本発明に係る式1で表される化合物の野生型EGFRおよびEGFR変異体に対する阻害能の測定
本発明に係る式1で表される化合物の種々のEGFR変異に対する阻害能を確認するため、以下の実験を行った。結果を下記の表2に示す。
EGFR変異体酵素に対する本発明の化合物の活性を測定するための実験を、Cisbio社が販売するHTRFシステムを用いて以下のように行った。EGFR del19/T790M変異体酵素は、Carna Biosciences社が提供する組換えタンパク質を購入して使用し、EGFR del19/T790M/C797S変異体酵素は、SignalChem社が提供するタンパク質を購入し、酵素源として使用した。
活性測定に用いたアッセイバッファーの組成は、50mM Tris-HCl pH7.5、100mM NaCl、7.5mM MgCl、3mM KCl、0.01%TweeN20、0.1%BSA、1mM DTTであった。ここでは、50mM濃度のATPと、0.5mM濃度のビオチンで標識したペプチド基質とを用いて酵素反応を行った。以下の分析反応レシピに従って、EGFR活性に対する化合物の阻害効果の分析を行った。
成分1:4μLのEGFR変異酵素
成分2:2μLの化合物溶液
成分3:4μLのATPおよびビオチンで標識したペプチド
まず成分1と成分2とを混合し、次いで成分3を添加して酵素反応を開始した。37℃で2時間反応させた後、ストレプトアビジン-XL665およびCisbio社が提供するユウロピウム標識抗ホスホチロシン抗体からなる測定溶液10mLを酵素反応液に添加し、室温で1時間反応させた。最後に、Perkin-Elmer社製Envision装置を用いて615nmおよび665nmの蛍光値の比を求めて酵素活性を定量的に測定し、化合物の阻害能を確認した。7つの化合物濃度で測定した測定値をPrismプログラム(バージョン5.01、Graphpad Software,Inc.社)を用いて解析し、化合物の阻害能の指標であるIC50値を算出した。
Figure 2024527599000064
上記の表2に示されるように、本発明の例示化合物は、EGFR二重および三重変異であるEGFR del19/T790MおよびEGFR del19/T790M/C797Sに対する高い阻害能を示すことが分かる。
したがって、本発明の式1で表される化合物は、EGFR二重変異および三重変異であるEGFR del19/T790MおよびEGFR del19/T790M/C797Sに対して優れた阻害効果を有するため、EGFR変異に関連する疾患である癌の処置に有利に使用することができ、特に、それはEGFR del19/T790M/C797Sを発現する癌の処置に有利に使用することができる。
<実験例2>本発明に係る式1で表される化合物のBa/F3細胞株におけるEGFR変異阻害能の測定
本発明に係る式1で表される化合物のBa/F3細胞株におけるEGFR変異に対する阻害能を確認するため、以下の実験を行った。結果を下記の表3に示す。
Promega社が販売するCellTiter-Gloシステムを用いて、変異体Ba/F3 EGFR細胞株に対する本発明の化合物の活性を測定する実験を以下のように行った。CellTiter-Gloアッセイは、細胞培養中の細胞に存在するATPを測定することによって細胞生存率を確認する方法である。Ba/F3 EGFR del19、Ba/F3 EGFR del19/T790M、Ba/F3 del19/T790M/C797S変異細胞株は、Crown Bioscience社が提供する細胞株を購入し、使用した。Ba/F3 EGFR del19、Ba/F3 EGFR del19/T790M、Ba/F3 del19/T790M/C797S変異細胞株を、1μgのピューロマイシンを含む10%FBSおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含有するRPMI中、37℃および5%COのインキュベーターにおいて培養した。
以下の分析反応レシピに従って、EGFRに対する化合物の阻害能効果の分析を行った。
96ウェル細胞培養プレートにおいて2500細胞/90μLを継代培養し、24時間後に、式1で表される化合物を0、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、および10(μM)の濃度で処理した。72時間反応させた後、化合物で処理したプレートを室温で30分間放置し、次いで、さらに試薬100μlで処理し、室温で10分間振とうした。最後に、装置を用いて570nmでの蛍光値の比を求め、化合物の阻害能を定量的に測定し、確認した。8つの化合物濃度で測定した測定値をPrismプログラム(バージョン5.01、Graphpad Software,Inc.社)を用いて解析し、化合物の阻害能の指標であるIC50値を算出した。
Figure 2024527599000065
表3に示されるように、本発明に係る例示化合物は、三重変異EGFR del19/T790M/C797Sを含む種々のEGFR変異に対して高い阻害能を示すことが確認された。
<実験例3>本発明に係る式1で表される化合物のBa/F3細胞株におけるEGFR変異阻害能の測定2
本発明に係る式1で表される化合物のBa/F3細胞株におけるEGFR変異に対する阻害能を確認するために、さらに以下の実験を行った。結果を下記の表4に示す。
Promega社が販売するCellTiter-Gloシステムを用いて、変異体Ba/F3 EGFR細胞株に対する本発明の化合物の活性を測定する実験を以下のように行った。CellTiter-Gloアッセイは、細胞培養中の細胞に存在するATPを測定することによって細胞生存率を確認する方法である。Ba/F3 EGFR L858R、Ba/F3 EGFR L858R/T790M、Ba/F3 EGFR L858R/T790M/C797S変異細胞株を使用した。Ba/F3 EGFR L858R、Ba/F3 EGFR L858R/T790M、およびBa/F3 EGFR L858R/T790M/C797S変異細胞株を、1μgのピューロマイシンを含む10%FBSおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含有するRPMI中、37℃および5% COのインキュベーターにおいて培養した。
以下の分析反応レシピに従って、EGFRに対する化合物の阻害能効果の分析を行った。
96ウェル細胞培養プレートにおいて2500細胞/90μlを継代培養し、24時間後に、式1で表される化合物を0、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、および10(μM)の濃度で処理した。72時間反応させた後、化合物で処理したプレートを室温で30分間放置し、次いで、さらに試薬100μlで処理し、室温で10分間振とうした。最後に、装置を用いて570nmでの蛍光値の比を求め、化合物の阻害能を定量的に測定し、確認した。8つの化合物濃度で測定した測定値をPrismプログラム(バージョン5.01、Graphpad Software,Inc.社)を用いて解析し、化合物の阻害能の指標であるIC50値を算出した。
Figure 2024527599000066
表4に示されるように、本発明に係る例示化合物は、三重変異Ba/F3 EGFR L858R/T790M/C797Sを含む種々のEGFR変異に対して高い阻害能を示すことが確認された。
したがって、本発明に係る式1で表される化合物は、EGFR変異に対して高い阻害能を示すため、EGFR del19、EGFR del19/T790M、EGFR del19/T790M/C797S、EGFR L858R、EGFR L858R/T790MS、およびEGFR L858R/T790M/C797SなどのEGFR変異を発現する癌の処置に有利に使用することができる。特に、これらの化合物は、三重変異EGFR del19/T790M/C797SまたはEGFR L858R/T790M/C797Sに対して有意に優れた阻害能を示す。したがって、本発明に係る式1によって表される化合物は、EGFR del19/T790M/C797SまたはEGFR L858R/T790M/C797Sを発現する癌の処置にも有利に使用することができる。
さらに、本発明に係る式1で表される化合物は、従来の薬物と併用して投与した場合、相乗効果を示すため、従来の薬物と併用して有利に用いることができる。
<実験例4>本発明に係る式1で表される化合物のEGFR Ex20挿入変異酵素に対する阻害能の測定
本発明に係る式1で示される化合物のEGFR Ex20挿入変異体に対する阻害能を確認するため、以下の実験を行った。結果を表5に示す。
EGFR変異体酵素に対する本発明の化合物の活性を測定するための実験を、Cisbio社が販売するHTRFシステムを用いて以下のように行った。EGFR変異酵素であるEGFR A763_Y764insFHEA酵素は、SignalChem社が提供する組換えタンパク質を購入し、使用した。
活性測定に用いたアッセイバッファーの組成は、50mM Tris-HCl pH7.5、100mM NaCl、7.5mM MgCl、3mM KCl、0.01%TweeN20、0.1%BSA、1mM DTTであった。ここでは、50mM濃度のATPと、0.5mM濃度のビオチンで標識したペプチド基質とを用いて酵素反応を行った。以下の分析反応レシピに従って、EGFR活性に対する化合物の阻害効果の分析を行った。
成分1:4μLのEGFR変異酵素
成分2:2μLの化合物溶液
成分3:4μLのATPおよびビオチンで標識したペプチド
まず成分1と成分2とを混合し、次いで成分3を添加して酵素反応を開始した。37℃で2時間反応させた後、ストレプトアビジン-XL665およびCisbio社が提供するユウロピウム標識抗ホスホチロシン抗体からなる測定溶液10mLを酵素反応液に添加し、室温で1時間反応させた。最後に、Perkin-Elmer社製Envision装置を用いて615nmおよび665nmの蛍光値の比を求めて酵素活性を定量的に測定し、化合物の阻害能を確認した。7つの化合物濃度で測定した測定値をPrismプログラム(バージョン5.01、Graphpad Software,Inc.社)を用いて解析し、化合物の阻害能の指標であるIC50値を算出した。
Figure 2024527599000067
表5に示されるように、本発明に係る例示化合物は、EGFR Ex20挿入変異であるEGFR A763_Y764insFHEA変異に対して高い阻害能を示すことが確認された。
<実験例5>本発明に係る式1で表される化合物のBa/F3 EGFR Ex20挿入変異体細胞成長に対する阻害能の測定
本発明に係る式1で表される化合物のBa/F3 EGFR Ex20挿入変異体細胞成長に対する阻害能を確認するため、以下の実験を行った。結果を下記の表6に示す。
Promega社が販売するCellTiter-Gloシステムを用いて、Ba/F3 EGFR V769_D770insASV変異体細胞株に対する本発明の化合物の活性を測定する実験を以下のように行った。CellTiter-Gloアッセイは、細胞培養中の細胞に存在するATPを測定することによって細胞生存率を確認する方法である。Ba/F3 EGFR V769_D770insASV変異細胞株は、Crown Bioscience社が提供する細胞株を購入し、使用した。Ba/F3 EGFR V769_D770insASV変異細胞株を、1μg/mlのピューロマイシンを含む10%FBSおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含有するRPMI中、37℃および5%COのインキュベーターにおいて培養した。
以下の分析反応レシピに従って、EGFR変異細胞成長に対する化合物の阻害能効果の分析を行った。
96ウェル細胞培養プレートにおいて1000細胞/100μLを継代培養し、24時間後に、式1で表される化合物を0、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、および10(μM)の濃度で処理した。72時間反応させた後、化合物で処理したプレートを室温で30分間放置し、次いで、さらに試薬100μLで処理し、室温で10分間振とうした。最後に、装置を用いて570nmでの蛍光値の比を求め、化合物の細胞成長阻害能を定量的に測定し、確認した。8つの化合物濃度で測定した測定値をPrismプログラム(バージョン5.01、Graphpad Software,Inc.社)を用いて解析し、化合物の細胞成長阻害能の指標であるIC50値を算出した。
Figure 2024527599000068
表6に示されるように、本発明に係る例示化合物は、Ba/F3 EGFR V769_D770insASV変異細胞成長に対して高い阻害能を示すことが確認された。
<実験例6>本発明に係る式1で表される化合物のHER2変異に対する阻害能の測定
本発明に係る式1で表される化合物のHER2変異に対する阻害能を確認するため、以下の実験を行った。結果を下記の表7に示す。
HER変異体酵素に対する本発明の化合物の活性を測定するための実験を、Cisbio社が販売するHTRFシステムを用いて以下のように行った。HER2変異体酵素であるHER2 A775_G776insYVMA変異体酵素は、Carna Biosciences社の組換えタンパク質を購入し、使用した。
活性測定に用いたアッセイバッファーの組成は、50mM Tris-HCl pH7.5、100mM NaCl、7.5mM MgCl、3mM KCl、0.01%TweeN20、0.1%BSA、1mM DTTであった。ここでは、50mM濃度のATPと、0.5mM濃度のビオチンで標識したペプチド基質とを用いて酵素反応を行った。以下の分析反応レシピに従って、HER2 A775_G776insYVMA変異体活性に対する化合物の阻害効果の分析を行った。
成分1:4μLのHER2 A775_G776insYVMA変異酵素
成分2:2μLの化合物溶液
成分3:4μLのATPおよびビオチンで標識したペプチド
まず成分1と成分2とを混合し、次いで成分3を添加して酵素反応を開始した。37℃で2時間反応させた後、ストレプトアビジン-XL665およびCisbio社が提供するユウロピウム標識抗ホスホチロシン抗体からなる測定溶液10mLを酵素反応液に添加し、室温で1時間反応させた。最後に、Perkin-Elmer社製Envision装置を用いて615nmおよび665nmの蛍光値の比を求めて酵素活性を定量的に測定し、化合物の阻害能を確認した。7つの化合物濃度で測定した測定値をPrismプログラム(バージョン5.01、Graphpad Software,Inc.社)を用いて解析し、化合物の阻害能の指標であるIC50値を算出した。
Figure 2024527599000069
表7に示されるように、本発明に係る例示化合物は、HER2 A775_G776insYVMA変異に対して高い阻害能を示すことが確認された。したがって、本発明に係る式1で表される化合物は、EGFR変異に対して高い阻害能を示すため、EGFR del19/T790M、EGFR del19/T790M/C797SおよびEGFR A763_Y764insFHEA、Ba/F3 EGFR del19、Ba/F3 EGFR del19/T790M、Ba/F3 EGFR del19/T790M/C797S、Ba/F3 EGFR L858R、Ba/F3 EGFR L858R/T790M、Ba/F3 EGFR L858R/T790M/C797S、Ba/F3 EGFR A763_Y764insFHEA、Ba/F3 EGFR V769_D770insASVおよびBa/F3 EGFR D770_N771insSVDなどのEGFR変異を発現する癌の処置に有利に用いることができる。
さらに、本発明に係る式1で表される化合物は、HER2変異に対して高い阻害能を示すため、HER2 A775_G776insYVMA、Ba/F3HER2 A775_G776insYVMA、Ba/F3HER2 G776_delinsVCなどのHER2変異を発現する癌の処置にも有利に用いることができる。
以上の結果から、本発明に係るピリミジン-2,4-ジアミン誘導体化合物は、EGFRおよびHER2変異を効果的に阻害することができるため、癌を予防または処置するための医薬組成物として有利に使用できることが分かる。

Claims (12)

  1. 下記式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩:
    Figure 2024527599000070
    (上記式1中、
    Xは、スルホニルまたはカルボニルであり、
    は、水素、ハロゲン、ニトリル、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキル、カルボキシル、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルコキシカルボニルであり、
    は、-ORまたは-NRb1b2であり、
    は、-(CH-NRb1b2であり、式中、mは、1~3の整数であり、
    b1およびRb2は、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであるか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルの置換基は、-NRc1c2であってもよく、前記置換された3~7員ヘテロシクロアルキルの置換基は、-NRc1c2または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであってもよく、
    c1およびRc2は、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであるか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記置換された3~7員ヘテロシクロアルキルの置換基は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであってもよく、
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルコキシ、または非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであり、
    は、-NH、直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキル、またはC3-7シクロアルキルであり、
    およびRは、各々独立して、水素または直鎖もしくは分枝鎖のC1-10アルキルであり、
    nは、0~3の整数であり、
    pおよびqは、各々独立して、1~3の整数である)。
  2. が、水素、ハロゲン、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキル、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルコキシカルボニルであり、
    が、-NRb1b2であり、
    b1およびRb2が、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであるか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された5~6員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルの置換基は-NRc1c2であってもよく、前記置換された5~6員ヘテロシクロアルキルの置換基は-NRc1c2または直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよく、
    c1およびRc2が、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよいか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された5~6員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記置換された5~6員ヘテロシクロアルキルの置換基は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであってもよく、
    およびRが、各々独立して、水素、または非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキルであり、
    が、-NH、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルキル、またはC4-6シクロアルキルであり、
    が、直鎖もしくは分枝鎖のC1-3アルコキシであり、
    nが、1~3の整数である、
    請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  3. が、水素、ハロゲン、非置換であるかもしくは1つ以上のハロゲンで置換されたC1-2アルキル、またはC1-3アルコキシカルボニルであり、
    が、-NRb1b2であり、
    b1およびRb2が、各々独立して、水素、非置換であるかもしくは置換されたC1-2アルキルであるか、またはRb1とRb2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された6員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記置換されたC1-2アルキルの置換基は-NRc1c2であってもよく、前記置換された6員ヘテロシクロアルキルの置換基は-NRc1c2またはC1-2アルキルであってもよく、
    c1およびRc2が、各々独立して、水素、C1-2アルキルであるか、またはRc1とRc2とは、それらが結合している窒素と一緒になって、非置換であるかもしくは置換された6員ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記置換された6員ヘテロシクロアルキルの置換基はC1-2アルキルであってもよく、
    およびRが、各々独立して、水素またはC1-2アルキルであってもよく、
    がC1-2アルキルであり、
    がメトキシであり、
    およびRが、各々独立して、水素またはC1-2アルキルであり、
    nが、1または2である、
    請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  4. が、メチル、F、Cl、CF
    Figure 2024527599000071
    であり、
    が、
    Figure 2024527599000072
    であり、
    が水素であり、
    が、メチルまたはエチルであり、
    が水素であり、
    がメトキシであり、
    が水素であり、
    が水素であり、
    nが、1または2である、
    請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容され得る塩。
  5. 式1で表される前記化合物が、以下の化合物からなる群より選択されるいずれか1つの化合物である、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩:
    <1>5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <2>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <3>5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <4>5-クロロ-N2-(4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <5>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <6>5-クロロ-N2-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <7>N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-5-メチル-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <8>5-フルオロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <9>N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <10>2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸イソプロピル;
    <11>2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸メチル;
    <12>1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オン;
    <13>5-クロロ-N4-(1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
    <14>1-(7-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)プロパン-1-オン;
    <15>1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オン;
    <16>1-(8-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オン;および
    <17>5-クロロ-N2-(2-メトキシ-4-(4-(ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)-N4-(1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン。
  6. 請求項1に記載の式1で表される化合物を調製する方法であって、下記反応式1に示すように、式2で表される化合物と、式3で表される化合物とを反応させて、式1で表される化合物を調製することを含む方法:
    Figure 2024527599000073
    (上記反応スキーム1において、X、R、R、R、R、R、R、R、R、n、pおよびqは、請求項1に記載の式1で定義されるとおりである)。
  7. 請求項1に記載の式1で表される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩を有効成分として含有する、癌を予防または処置するための医薬組成物。
  8. 請求項1に記載の式1で示される化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容され得る塩がEGFR(上皮成長因子受容体)またはHER2変異を阻害する、医薬組成物。
  9. 前記EGFR変異が、EGFR del19、EGFR T790M、EGFR C797S、EGFR L858R、EGFR Ex20挿入変異、EGFR A763_Y764insFHEA、EGFR V769_D770insASVおよびEGFR D770_N771insSVDなどからなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記HER2変異が、HER2 A775_G776insYVMA、HER2 G776_delinsVCなどからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記癌が、偽粘液腫、肝内胆道癌、肝芽腫、肝臓癌、甲状腺癌、結腸癌、精巣癌、骨髄異形成症候群、神経膠芽腫、口腔癌、口唇癌、菌状息肉症、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、基底細胞癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、乳癌、脳腫瘍、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、胆嚢癌、胆道癌、大腸癌、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、ファーター膨大部癌、膀胱癌、腹膜癌、副甲状腺癌、副腎癌、副鼻腔癌、非小細胞肺癌、舌癌、星細胞腫、小細胞肺癌、小児脳癌、小児リンパ腫、小児白血病、小腸癌、髄膜腫、食道癌、神経膠腫、腎盂癌、腎臓癌、心臓癌、十二指腸癌、悪性軟組織癌、悪性骨癌、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、悪性黒色腫、眼癌、外陰癌、尿管癌、尿道癌、原発部位不明の癌、胃リンパ腫、胃癌、胃カルチノイド、消化管間質癌、ウィルムス癌、乳癌、肉腫、陰茎癌、咽頭癌、妊娠性絨毛疾患、子宮頸癌、子宮内膜癌、子宮肉腫、前立腺癌、転移性骨癌、転移性脳癌、縦隔癌、直腸癌、直腸カルチノイド、膣癌、脊髄癌、音響神経腫、膵癌、唾液腺癌、カポジ肉腫、パジェット病、扁桃腺癌、扁平上皮癌、肺腺癌、肺癌、肺の扁平上皮癌、皮膚癌、肛門癌、横紋筋肉腫、喉頭癌、胸膜癌、および胸腺癌からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項7に記載の医薬組成物。
  11. 前記化合物がEGFR(上皮成長因子受容体)およびHER2変異を阻害する、請求項7に記載の医薬組成物。
  12. 前記医薬組成物を抗癌剤と併用して投与することにより、抗癌効果が増強される、請求項7に記載の医薬組成物。
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