JP2024521183A - ヒドロキシアルキルアミドベースのコーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

本出願は、(A)120~500mgKOH/gの範囲の酸価を有する1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーであって、酸価がその1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーの中和されていない形態について計算されるものであり、その1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーが任意に少なくとも部分的に中和されている、1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー、及び(B)式(I)【化1】TIFF2024521183000010.tif36100で表され、平均して少なくとも2個のヒドロキシル基を有する1つ以上の化合物(式中、残基R1は、互いに独立して(CH2)n(n=2、3又は4)であり、残基R2は、互いに独立して、H又はCH3であり、そして残基R3は、互いに独立して、H及び(O=C)-R1-(C=O)-R4から選択され、残基R4は、互いに独立して、OH、ORaから選択され、Raは、1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基及びN(CHR2CHR2OH)2である)を含むコーティング組成物に関する。本発明はさらに、かかるコーティング組成物を調製する方法、及び自動車用コーティングにおけるベースコート組成物及び/又はクリアコート組成物としての該コーティング組成物の使用方法に関する。本発明の他の目的は、本発明のコーティング組成物で基材をコーティングする方法、及びそのようにしてコーティングされた基材である。

Description

本発明は、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキルアミドベースの架橋剤を含むコーティング組成物、このようなコーティング組成物の製造方法、及びそのコーティング組成物を使用してコーティングされた基材を製造するためのコーティング方法に関する。
一般に、市販のコーティング組成物は、物理的に乾燥するコーティング組成物及び化学的に架橋するコーティング組成物に包含される。化学的に架橋するコーティング組成物の中でも、放射線硬化性コーティング組成物と、熱硬化性コーティング組成物とが区別され、前者では、架橋がUV放射線などの放射線の手段によって開始され、後者では、架橋が典型的には、好ましくはポリマー性の実体の自己架橋により、及び官能基を有するポリマーと官能基を有するいわゆる架橋剤との架橋によって達成され、これらの架橋剤は、前述のポリマーの官能基と反応し、その結果、硬化した、すなわち架橋したコーティングが形成される。
本発明は、後者のタイプの熱架橋性コーティング組成物の分野に属し、本質的にポリマー性の実体を架橋剤で架橋させる。
ほとんどの先行技術の組成物では、ポリマーバインダーはヒドロキシル基を有する一方で、架橋剤は遊離又はブロック化ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートの群か、又はメラミン-ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹脂の群に属する。どちらのタイプの架橋剤にもいくつかの欠点があり、例えばブロック化ポリイソシアネート及びアミノプラスト樹脂の場合は比較的高い架橋温度が必要であり、又はより低い架橋温度を得るために、特定の、多くの場合環境的に問題のある触媒の使用が必要である。
いくつかの場合では、アミノプラスト樹脂は特に物理的に乾燥するコーティング組成物に使用される。しかし、そのような組成物において、アミノプラスト樹脂は軟化剤として作用するのみであり、化学架橋には特に関与しない。
さらに、ホルムアルデヒド樹脂をベースとするアミノプラスト樹脂は、ホルムアルデヒドから遊離する傾向があり、これは、遊離ホルムアルデヒドによる健康被害が懸念されることから、非常に好ましくない。
さらに、いくつかの架橋剤、特に遊離ジイソシアネート及び遊離ポリイソシアネートは、ほとんどの場合、水性系での使用には適さない。遊離イソシアネート基が二酸化炭素の形成下で水と反応する傾向があり、これはコーティング品質に有害な影響を伴うためである。さらに、同じ理由から、このようなコーティング組成物は、典型的には貯蔵安定性がない。さらに、多くの遊離ジイソシアネートは蒸気圧が低いことから、環境及び健康上の問題を引き起こす。
むしろ稀であるのは、ベータ-ヒドロキシアルキルアミドとカルボキシル官能性バインダーとの間の反応をベースとする機能性バインダーの熱架橋性の組み合わせである。
しかしながら、例えば、WO2019/078925A1は、酸性モノマー、マルチエチレン性不飽和モノマー、及び任意にスチレンを重合することによって作られた酸官能性アクリルバインダーをベースとする飲料及び食品缶コーティングを開示している。好ましくは、このようなバインダーは、かなり低い酸価を有する。架橋には窒素含有カルボキシル反応性架橋剤が使用され、その中でもベータ-ヒドロキシアルキルウレア及びベータ-ヒドロキシルアミドが挙げられている。しかしながら、WO2019/078925A1に開示された組成物は、むしろビスフェノールAベースのコーティング材料に代わる飲料及び食品に適合したコーティングを提供することを目的としている。よってこのようなコーティングに対する要求は、本発明により提供される、イソシアネート及びアミノプラスト架橋化学をベースとし、且つ一般的に自動車用コーティング又は自動車用多層コーティングの一部として用いられるコーティングとは大きく異なる。
WO2019/078925A1
本発明の主な目的は、カルボキシル官能性ポリマーを硬化させるためのイソシアネート及びアミノプラスト架橋剤の置き換え以外に、高い貯蔵安定性を好ましくは低い硬化温度と組み合わせて有し、そしてさらにより好ましくは環境的に問題のある触媒を使用しないコーティング組成物を提供することである。得られたコーティングは、高い光沢、硬度及び耐溶媒性を有することを目的とする。好ましくは、コーティングは自動車用コーティングに好適であり、コーティング対象の基材及び任意の後続のコーティング層(適用される場合)に対して優れた接着性を有する。さらに、架橋性バインダー/架橋剤系は、水をベースとするコーティング組成物及び有機溶媒をベースとするコーティング組成物の両方に好適であり、自動車用コーティングにおいて、特にベースコート及び/又はクリアコートとして、特に好適である。
上記の目的は、以下の成分、
(A) 120~500mgKOH/gの範囲の酸価を有する1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーであって、酸価がその1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーの中和されていない形態について計算されるものであり、その1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーが任意に少なくとも部分的に中和されている、1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー、及び
(B) 式(I)
Figure 2024521183000002
で表され、平均して少なくとも2個のヒドロキシル基を有する1つ以上の化合物(式中、
残基Rは、互いに独立して(CH(n=2、3又は4)であり、
残基Rは、互いに独立して、H又はCHであり、そして
残基Rは、互いに独立して、H及び(O=C)-R-(C=O)-Rから選択され、残基Rは、互いに独立して、OH、ORから選択され、Rは、1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基、好ましくは1個又は2個の炭素原子を有するアルキル基及びN(CHRCHROH)である)
を含むコーティング組成物を提供することによって達成された。
「(メタ)アクリル」という用語は、アクリル及びメタクリルを包含する。よってポリ(メタ)アクリルポリマーは、アクリルモノマー、メタクリルモノマー、又はその両方を重合した形態で含有し得る。しかしながら、「ポリ(メタ)アクリルポリマー」は、例えばスチレンモノマー又は他のビニル官能性モノマーなど、非アクリルモノマーを重合した形態でさらに含有し得る。
前述のコーティング組成物及びその任意の好ましい実施形態を、「本発明によるコーティング組成物」と表記する。
本発明のさらなる目的は、本発明による前記コーティング組成物の製造方法であって、本発明のコーティング組成物の構成成分を均質に混合する工程を含む方法である。
本発明のさらなる目的は、本発明によるコーティング組成物の、自動車用コーティングにおけるベースコート組成物及び/又はクリアコート組成物としての使用方法である。
この方法及びその任意の好ましい実施形態を、以下では「本発明によるコーティング組成物の製造方法」と表記する。
本発明の別の目的は、本発明のコーティング組成物で基材をコーティングする方法であって、以下の工程、
(i) 本発明によるコーティング組成物を基材上に適用してコーティング層を形成する工程、及び
(ii) このようにして形成されたコーティング層を130℃~180℃の範囲の温度で硬化させる工程
を含む方法である。
この方法及びその任意の好ましい実施形態を、以下では「本発明による基材のコーティング方法」と表記する。
本発明のなおさらなる目的は、本発明によるコーティング組成物でコーティングされた基材、又は本発明による基材をコーティングする方法によって得ることができる基材、多層コーティングされた基材、及び多層コーティングであり、少なくとも1つのコーティング層が、本発明によるコーティング組成物から形成される。
このようにして単層コーティング又は多層コーティングされた基材を、以下では「本発明によるコーティングされた基材」と表記する。
以下では、本発明をさらに説明し、好ましい特徴及び実施形態を開示する。
コーティング組成物
本発明のコーティング組成物の必須構成成分は、(A)1つ以上の特定のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー、及び(B)式(I)で表される1つ以上の化合物である。好ましくは、本発明のコーティング組成物は、水及び有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの液体キャリアを含有する。本発明のコーティング組成物のさらなる構成成分は、ジイソシアネート、ポリイソシアネート又はアミノプラスト樹脂の群からであり、それ故本発明のコーティング組成物には含有されない架橋剤を避けるという目的に反しない限りにおいて、許容される。さらなる構成成分は、追加的なポリマーバインダーでもよいが、着色剤、例えば染料及び/又は顔料、フィラー、典型的なコーティング添加剤及び触媒でもよい。
カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)
カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(ここでは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート又はバインダー(A)とも表記する)は、好ましくは直鎖状、非分岐のポリマーである。従って、これは好ましくは、モノエチレン性不飽和モノマーのみから製造される。好ましくは、そのようなモノマー中の唯一のエチレン性不飽和基は、(メタ)アクリレート基又はビニル基である。
カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーは、120~500mgKOH/gの酸価を有し、酸価は、本発明の実験部分に記載したように決定される。好ましくは、酸価は約125~400mgKOH/g、より好ましくは135~300mgKOH/g、及びさらにより好ましくは145~250mgKOH/g、例えば155~230mgKOH/g又は165~215mgKOH/gである。
酸価はポリマーのカルボン酸基含量に起因し、これもまた好ましくは、ポリマーの製造に使用されるモノマー混合物中のアクリル酸及び/又はメタクリル酸の組込みに起因する。
カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)は、ラジカル重合方法など、当業者に既知のエチレン性不飽和モノマーを使用する任意の重合方法によって調製することができる。
好ましくは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)の製造に使用されるモノマー混合物は、式(M)
C=CHR-R(M)
(式中、
はH又はCHを表し;そして
いくつかの残基Rは、6~12個の炭素原子、好ましくは6~10個の炭素原子を有するアリール基、好ましくはフェニル基又はメチル化フェニル基を表し、いくつかの残基Rは、残基COORを表し、いくつかの残基Rは、Hを表し、いくつかの残基Rは、1~12個の炭素原子を有するアルキル基、さらにより好ましくは1~10個又は1~8個の炭素原子を有するアルキル基を表す)
を有するモノマーを含む。
本発明において、「アルキル基」という用語は、直鎖状、分岐状及び環状のアルキル基を包含し、直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。
好ましくは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)の製造に使用されるモノマー混合物は、
25~70モル%、より好ましくは30~65モル%の、式(M)(式中、R=COOH)で表されるモノマーの1つ以上、
5~45モル%、より好ましくは8~40モル%の、式(M)(式中、R=アリール、好ましくはフェニル)で表されるモノマーの1つ以上、及び
20~65モル%、より好ましくは25~60モル%の、式(M)(式中、R=COOR、Rは1~12個の炭素原子、好ましくは1~10個又は1~8個の炭素原子を有するアルキル基を表す)で表されるモノマーの1つ以上
を含み、
あらゆるパーセンテージは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)中に存在する重合モノマーの総数に対するものである。
カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)は、ポリマー中に存在する上記モノマー(M)とは異なるさらなるモノエチレン性不飽和モノマーをさらに含んでよく、パーセンテージ値は、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)中に存在する重合モノマーの総数に対するものである。
モノマー(M)とは異なるこのようなモノマーは、好ましくは式(M’)
C=CHR-R(M’)
(式中、
は、H又はCHを表し、そして
は、COOR10又はCONR1112から選択される基を表し、
10は、2~8個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキル基、又は2~8個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子を含有するアミノアルキル基であり、そして
11及びR12は、互いに独立して、H、又は1~8個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子を含有するアルキル基を表す)
で表されるモノマーである。
しかしながら、モノマー(M)とは異なる他のカルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマーも、マレイン酸及び/又はその無水物などのカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)に組み込むことができる。しかしながら、カルボキシル基含有モノマーとして特に好ましいのは、やはりアクリル酸及びメタクリル酸であり、メタクリル酸がさらにより好ましい。
特に好ましくは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)は、0~100mgKOH/g、より好ましくは0~50mgKOH/gの範囲のヒドロキシル価を有し、そして最も好ましくは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)はヒドロキシル基を含有しない。
特に好ましいカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)は、アミノアルキル基含有モノマーを含有しない。
最も好ましくは、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)の製造に使用されるモノマー混合物には、式(M’)で表されるモノマーは含有されない。
モノマーが(メタ)アクリル基を含有する上記の式(M)及び(M’)のあらゆる場合において、アクリルモノマーよりもメタクリルモノマーが好ましい。
好ましくは、ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)のガラス転移温度(T)は、-30~150℃の範囲、より好ましくは0~140℃の範囲、さらにより好ましくは30~130℃の範囲である。ガラス転移温度は、本発明の方法のセクションに記載のように決定される。
ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)は、好ましくは、1,000~20,000ダルトンの範囲、より好ましくは3,000~12,000ダルトンの範囲の数平均分子量M、及び3,000~30,000ダルトンの範囲、より好ましくは8,000~25,000ダルトンの範囲の質量平均分子量Mを有し、各場合とも本発明の方法のセクションに記載のように測定される。
式(I)で表される化合物(B)
本発明のコーティング組成物は、式(I)
Figure 2024521183000003
で表され、平均して少なくとも2個のヒドロキシル基を有する1つ以上の化合物
(式中、
残基Rは、互いに独立して(CH(n=2、3又は4)であり、
残基Rは、互いに独立して、H又はCHであり、そして
残基Rは、互いに独立して、H及び(O=C)-R-(C=O)-Rから選択され、残基Rは、互いに独立して、OH、ORから選択され、Rは、1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基、好ましくは1個又は2個の炭素原子を有するアルキル基及びN(CHRCHROH)である)
を含有する。
ここでは、式(I)で表される化合物を、バインダー(B)とも呼ぶ。
COOH基(すなわち、RがOHである基(C=O)-R)が形式的にOH部分を含有しても、そのようなOH部分は、化学で使用されるヒドロキシル基の一般的な定義に従うヒドロキシル基とはみなされない。
好ましくは、式(I)で表される化合物は、平均して少なくとも3個、及びさらにより好ましくは少なくとも4個のヒドロキシル基、及び好ましくは最大10個、又はさらにより好ましくは8個のヒドロキシル基を含有する。
好ましくは、残基Rは、H、(O=C)-R-(C=O)-N(CHCHOH)及び(O=C)-R-(C=O)-N(CHCH(CH)OH)からなる残基の群から独立して選択され、さらにより好ましい残基Rは、H及び(O=C)-R-(C=O)-N(CHCHOH)からなる残基の群から選択される。
好ましくは、残基Rの少なくとも1つはHであり、そしてさらにより好ましくは、少なくとも2つの残基RはHである。
好ましくは、式(I)で表される化合物の混合物が本発明のコーティング組成物に用いられる。そのような混合物において、残基Rは、好ましくは、2、3及び4から選択される少なくとも2つ、好ましくは3つの異なる値のnを有する部分(CHを含む。
先の段落に記載した式(I)で表される化合物のそのような混合物は、好ましくは、二塩基性エステルをジエタノールアミンなどのそれぞれのジ(ヒドロキシアルキル)アミンと反応させることによって得られる。「二塩基性エステル」(DBE)という用語は、グルタル酸、コハク酸及びアジピン酸のジメチルエステルの混合物の化学において使用され、好ましくは、55~67質量%のグルタル酸のジメチルエステル、15~25質量%のコハク酸のジメチルエステル及び10~25質量%のアジピン酸のジメチルエステルを含む。
液体キャリア媒体/溶媒(S)
本発明のコーティング組成物は、水性コーティング組成物又は溶媒ベースのコーティング組成物とすることができる。
本発明のコーティング組成物が水性コーティング組成物である場合、組成物は、主要な液体キャリア媒体としての水に加えて、一般的な水性コーティング組成物に見られる典型的な量の有機溶媒を含んでもよい。水性コーティング組成物において、組成物の揮発分含量の質量に対する水の含量は、好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%、及び最も好ましくは少なくとも80質量%である。
本発明のコーティング組成物が溶媒ベースのコーティング組成物である場合、主要な液体キャリア媒体は有機溶媒又は好ましくは有機溶媒の混合物である。溶媒ベースのコーティング組成物において、組成物の揮発分含量の質量に対する水の含量は、好ましくは10質量%未満、より好ましくは5質量%未満、及びさらにより好ましくは2質量%未満である。最も好ましくは、溶媒ベースのコーティング組成物の水の含量は、コーティング組成物の揮発分含量の質量に対して0.5質量%未満である。
好ましい有機溶媒は、エステル、例えばブチルアセテート、エーテル、例えばブチルグリコール、ブチルジグリコール及びメトキシプロパノール、及びケトン、例えばメチルエチルケトンの群に属する。前述の溶媒の中でも、ヒドロキシ官能性溶媒、特にモノヒドロキシ官能性エーテル、例えばモノヒドロキシ官能性グリコールエーテルが好ましい。有機溶媒は、溶媒ベースのコーティング組成物だけでなく、水性コーティング組成物においても、組み合わせて、また水と組み合わせて使用することができる。
ここで使用される用語「揮発分含量」は、不揮発分含量(すなわち、固形分含量)とコーティング組成物の質量との差であり、これより、不揮発分含量は約1gのコーティング組成物を130℃の温度で60分間乾燥させることによって決定される。質量減少率を揮発分含量と定義する。
さらなる成分(C)
本発明のコーティング組成物は、さらなる構成成分、例えば1つ以上のさらなるポリマーバインダー(C1)及び/又は1つ以上の一般的に使用されるコーティング添加剤(C2)及び/又は1つ以上の着色剤(C3)を、さらなる成分(C)として、所望の用途に応じて含有してよい。顔料及びフィラー及び揮発性溶媒を除き、添加剤は硬化したコーティング中に残存するので、バインダー(A)及び(B)以外のコーティング組成物のバインダーにも属する。
従って、本発明の文脈で使用される「バインダー」という用語は、本発明のコーティング組成物の固形分含量から、用いられる顔料及びフィラーの任意含量を差し引いたものを包含する。よって顔料を含まない及びフィラーを含まないコーティング組成物のバインダー含量は、コーティング組成物の不揮発分含量に等しい。
さらなるポリマーバインダー(C1)
(A)カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーに包含されるバインダー、及び(B)式(I)で表される化合物に包含されるバインダー、及びコーティング添加剤(C2)(後述する)の他に、さらなるバインダー(C1)がコーティング組成物中に含有されてもよい。
さらなるバインダー(C1)は、好ましくは、物理的に乾燥するポリマーバインダー、自己架橋性ポリマーバインダー及び外部架橋性ポリマーバインダーの群から選択されるポリマーバインダーである。自己架橋性ポリマーバインダー及び外部架橋性ポリマーバインダーは架橋性官能基を有することが必須であるが、物理的に乾燥するバインダーでは任意である。自己架橋性ポリマーバインダーは、通常、高温で互いに反応する基を有する。外部架橋性ポリマーバインダーは、架橋剤の官能基に対して反応性である官能基を有する。このような官能基は、好ましくは、ヒドロキシル基、チオール基、第一級及び第二級アミノ基、カルボキシル基及びカルバメート基からなる群から選択される。
さらなるポリマーバインダー(C1)の種類は、好ましくは、ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)とは異なるポリ(メタ)アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル及びポリエーテル、及び前述のポリマーの混合ポリマーからなる群から選択される。混合ポリマーは、例えば、ポリエーテル-ポリエステル、又はポリウレタンなどを含むポリエーテル鎖及び/又はポリエステル鎖とすることができる。これらのポリマー又は混合ポリマーの任意が、前述の官能基の1つ以上を持つことができ、これは、さらなるバインダー(C1)が自己架橋性ポリマーバインダー又は外部架橋性ポリマーバインダーである場合に特に好ましい。
コーティング添加剤(C2)
コーティング組成物は、反応性希釈剤、光安定剤、酸化防止剤、本発明の水性酸化チタンスラリー中のものとは異なる消泡剤、乳化剤、スリップ添加剤、重合阻害剤、フリーラジカル重合開始剤、接着促進剤、膜形成助剤、分散剤、レベリング剤、レオロジー制御剤、垂れ制御剤(SCA)、難燃剤、腐食防止剤、乾燥剤、殺生物剤及び艶消し剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含んでもよい。好適なコーティング添加剤のさらなる例は、例えば、教本「Lackadditive」(Johan Bielemanによる「コーティング用の添加剤」、Wiley-VCH,Weinheim、1998年)に記載されている。添加剤は既知及び慣用の量で使用することができる。
好ましくは、それらの総含量は、本発明のコーティング組成物の総質量に対して0.01~10質量%、より好ましくは0.05~5質量%、特に好ましくは0.1~3.0質量%の範囲である。
着色料(C3)、例えば顔料、フィラー及び染料
本発明によるコーティング組成物は、顔料を含有してよい。このような顔料は、好ましくは着色顔料及び/又は効果顔料である。
「着色顔料」及び「色顔料」という用語は交換可能であり、色付顔料、黒色顔料及び白色顔料が含まれる。色顔料として、無機顔料及び/又は有機顔料を使用することができる。
白色顔料の例として、二酸化チタン、亜鉛白、硫化亜鉛及びリトポンが挙げられる。黒色顔料の例として、カーボンブラック、鉄マンガンブラック及びスピネルブラックが挙げられる。他の色の顔料の例として、酸化クロム、酸化クロム水和物グリーン、コバルトグリーン、ウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルー、マンガンブルー、ウルトラマリンバイオレット、コバルト及びマンガンバイオレット、酸化鉄レッド、カドミウムスルホセレニド、モリブデートレッド及びウルトラマリンレッド、酸化鉄ブラウン、混合ブラウン、スピネル及びコランダム相、及びクロムオレンジ、酸化鉄イエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、硫化カドミウム、硫化カドミウム亜鉛、クロムイエロー及びビスマスバナデートが挙げられる。
効果顔料の中でも、特に金属効果顔料、例えばアルミニウム顔料及び/又は真珠光沢効果顔料が、本発明によるコーティング組成物に含まれてよい。
「フィラー」という用語は、例えばDIN55943(日付:2001年10月)から当業者に公知である。本発明の目的のために、「フィラー」は、適用媒体、例えば本発明によるコーティング組成物中に本質的に不溶であり、特に体積を増加させるために使用される物質を意味すると理解される。本発明の文脈において、「フィラー」は、好ましくは、その屈折率によって「顔料」とは異なり、フィラーの屈折率は≦1.7であるが、顔料は>1.7である。好適なフィラーの例は、カオリン、ドロマイト、方解石、チョーク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、シリカ、特にパイロジェンシリカ、水酸化物、例えばアルミニウムヒドロキシド又はマグネシウムヒドロキシドである。さらに、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag、1998年、第250頁以降の「フィラー」を参照されたい。
染料は、コーティング組成物に可溶の着色剤である。
全固形分含量
あらゆる不揮発性成分の全固形分含量(すなわち、上記に開示した手順に従って定義及び決定される固形分含量;130℃、60分間、約1gの試料)は、本発明のコーティング組成物の総質量に対して、好ましくは15~60質量%、より好ましくは20~50質量%、及び最も好ましくは25~45質量%の範囲である。
コーティング組成物中の成分の量及び比
本発明のコーティング組成物において、
(A) 上記で定義した1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーの量は、好ましくは12~37質量%、より好ましくは15~30質量%、及び最も好ましくは20~26質量%の範囲であり、
(B) 上記で定義した式(I)で表される1つ以上の化合物の量は、好ましくは3~12質量%、より好ましくは4~10質量%、及び最も好ましくは5~8質量%の範囲であり、
質量パーセンテージ値は、コーティング組成物の総質量に対するものである。
(A)1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーに含有されるカルボキシル基対(B)式(I)で表される1つ以上の化合物中のヒドロキシル基のモル比は、好ましくは1.5:1~1:1.25、より好ましくは1.25:1~1:1.1、及び最も好ましくは1:1である。前述の比は、本発明のコーティング組成物においてさらなるポリマーバインダー(C1)が使用されない場合、又はさらなるポリマーバインダー(C1)の量が、コーティング組成物の総質量に対して約25質量%未満、より好ましくは約15質量%未満、及び最も好ましくは約10質量%未満である場合に、好ましい。
本発明によるコーティング組成物の製造方法
本発明によるコーティング組成物は、構成成分を単に混合することにより調製することができる。主要なバインダー(A)及び(B)の両方、しかし最も好ましくはバインダー(A)を、予め溶解した形態で、すなわち、水、溶媒又は両方の混合物中で用いる。任意のさらなる構成成分、例えば液体キャリア媒体中に存在する構成成分(C)又は追加の溶媒は、任意の段階で添加することができる。しかしながら、顔料及び/又はフィラーが用いられる場合には、あらゆる構成成分の均質な混合を確実にするために、これらをミルベース又は粉砕ペーストの形態で添加することが好ましい。コーティングの調製に典型的に使用されるミキサー及び溶解剤の任意の種類を使用してよい。
本発明によるコーティング組成物の使用方法
本発明によるコーティング組成物は、コーティングの多くの分野、特に、特別に高い品質基準を満たさなければならない自動車用コーティングにおける使用に好適である。本発明によるコーティング組成物は、自動車用コーティングにおけるベースコート組成物及びクリアコート組成物として特に好適である。従って、この組成物は、多層コーティングにおいて、好ましくは、未処理(すなわち、むき出し)の又は前処理された及び/又はプレコートされた金属基材上の多層コーティングにおいて、1つ以上の層を形成するために使用することができる。
基材をコーティングする方法及びこれによりコーティングされた基材
本発明のさらなる目的は、本発明によるコーティング組成物で基材をコーティングする方法であり、この方法は、本発明によるコーティング組成物を基材上に適用してコーティング層を形成し、そしてそのコーティング層を約130℃~約180℃の範囲の温度で、好ましくは約10~約40分硬化させることを含む。本発明のさらなる目的は、本発明によるコーティングする方法によって得ることができる、コーティングされた基材である。
本発明のコーティング組成物は、当技術分野で周知である複数の技術のうちの任意によってコーティングすることができる。これらには、例えば、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティング、散布、注入、浸漬、含浸、滴下(trickling)又は圧延等が含まれる。自動車用ボディパネルには、スプレーコーティングが典型的に用いられる。スプレー塗布法、例えば圧縮空気スプレー、エアレススプレー、高速回転、静電スプレー塗布を単独で、又は例えば熱風スプレーなどのホットスプレー塗布と併用して用いることが好ましい。
本発明のコーティング組成物及びコーティング系は、特に技術的及び審美的に特に要求の厳しい自動車OEM仕上げの分野で用いられる。コーティング組成物は、単一段階及び複数段階のコーティング方法の両方で使用することができる。
適用されたコーティング組成物は、或る一定の休止時間又は「フラッシュ」期間の後に硬化させることができる。休止時間は、例えば、コーティングフィルムのレベリング及び脱揮、又は溶媒などの揮発性構成成分の蒸発に役立つ。休止時間は、高温の適用又は湿度の低下によって補助又は短縮してよいが、これが例えば尚早な架橋など、コーティングフィルムの損傷又は変化を伴わないことが条件である。
熱硬化、すなわちコーティング組成物の熱架橋は、方法に関して特異性はないが、その代わりに典型的な既知の方法、例えば強制空気オーブンでの加熱又はIRランプを用いる照射などで行う。熱硬化は段階的に行ってもよい。別の好ましい硬化方法は、近赤外線(NIR)照射で硬化させる方法である。
一般に熱硬化は、コーティングされた物品を、主に放射熱源によって提供される高温に曝すことにより行う。適用後に、適用されたコーティング層を、例えば、130℃超~180℃、又は135~170℃、又は140~160℃の温度で、10分~40分以下、及びより好ましくは15分~30分以下の時間、熱で硬化させる。
基材上に形成される本発明によるコーティング組成物の硬化層の層厚は、好ましくは次の通りである。本発明によるコーティング組成物がベースコート層を形成するために使用される場合、層厚は好ましくは約8~約25μm、より好ましくは約9~約20μm、及び最も好ましくは約10~約15μmである。本発明によるコーティング組成物がクリアコート層を形成するために使用される場合、層厚は、好ましくは約20~約60μm、より好ましくは約30~約55μm、及び最も好ましくは約35~約50μmである。
好ましくは、基材材料は、金属、ポリマー、木材、ガラス、鉱物ベースの材料及び前述の材料の任意の複合物からなる群から選択される。
金属という用語は、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅のような金属元素、及び裸鋼、冷延鋼、亜鉛メッキ鋼等のような合金を含む。ポリマーは、熱可塑性ポリマー、デュロプラスチックポリマー又はエラストマーポリマーが可能であり、デュロプラスチックポリマー及び熱可塑性ポリマーが好ましい。鉱物ベースの材料は、例えば、硬化セメント及びコンクリートなどの材料を包含する。複合材料は、例えば、繊維強化ポリマー等である。
無論、前処理された基材を使用することも可能であり、ここで、前処理は基材の化学的性質に規則的に依存する。
好ましくは、基材は使用前に洗浄され、例えば、典型的にコーティングの良好な接着を妨げる埃、脂肪、油又は他の物質が除去される。基材は、後続のコーティングの接着性を高めるために接着促進剤でさらに処理することができる。
金属基材は、本発明によるコーティング組成物でコーティングされる前に、いわゆる化成コーティング層(例えばリン酸亜鉛処理層)及び/又は電着塗装層を含んでよい。これは特に、自動車OEM及び自動車再仕上コーティングなどの自動車用コーティング分野の基材の場合である。
電着塗装層の形成に使用される電着組成物は、自動車車両コーティング作業で使用される任意の電着組成物とすることができる。電着コート組成物の非限定的な例には、BASF社から販売されている電着コーティング組成物が含まれる。電着塗装浴は通常、水、又は水と有機共溶媒との混合物中でイオン安定化(例えば、アミン基の塩転化(salted amine group))されている主要フィルム形成エポキシ樹脂を含む水性分散体又はエマルジョンを含む。主要フィルム形成樹脂で乳化された架橋剤は、熱を加えるなどの適切な条件下で、主要樹脂上の官能基と反応してコーティングを硬化させることができる。架橋剤の好適な例には、限定するものではないが、ブロックされたポリイソシアネートが含まれる。電着塗装組成物には通常、1つ以上の顔料、触媒、可塑剤、合体助剤(coalescing aid)、消泡剤、流動制御剤、湿潤剤、界面活性剤、UV吸収剤、HALS化合物、酸化防止剤、及び他の添加剤が含まれる。
電着塗装組成物は、10~35μmの乾燥膜厚に適用することが好ましい。適用後に、コーティングされた車両本体を浴から取り出し、そして脱イオン水ですすぐ。コーティングは、適切な条件下、例えば約135℃~約190℃で、好ましくは約15~約60分間焼成することにより、硬化させてよい。
ポリマー基材の場合、前処理には、例えば、フッ素を用いる処理、又はプラズマ、コロナ又は火炎による処理が含まれてよい。多くの場合、表面は紙やすり処理(sanded)及び/又は研磨される。洗浄も、先の粉砕の有無にかかわらず溶媒で拭くことによって手動で行うことができ、又は二酸化炭素洗浄などの一般的な自動化手順によって行うことができる。
上記の基材の任意は、コーティング層の形成の前に、1つ以上のフィラーコーティング組成物及び/又は1つ以上のベースコート組成物でプレコートすることもできる。そのようなフィラーコーティング組成物及びベースコート組成物は、色顔料及び/又は効果顔料、例えば金属効果顔料、例えばアルミニウム顔料、又は真珠光沢顔料、例えばマイカ顔料を、含有してよい。これは特に、自動車OEM及び自動車再仕上コーティングなどの自動車用コーティング分野の基材の場合である。
選択された基材材料に応じて、コーティング組成物は、多種多様な異なる適用領域で適用することができる。多くの種類の基材をコーティングすることができる。従って本発明のコーティング組成物は、装飾及び保護コーティング系として、特に輸送手段の本体(特に自動車両、例えばオートバイ、バス、トラック又は自動車)又はその部品に使用するのに、傑出して好適である。基材は、好ましくは、自動車用コーティングで使用される多層コーティングを含む。
よって本発明のさらなる目的は、本発明のコーティングする方法によりコーティングされた基材である。基材上のコーティングは、硬化されるか、又は硬化されなくてもよく、好ましくは硬化される。
多層コーティング及び多層コーティングされた基材
本発明のなお別の目的は、少なくとも2つのコーティング層からなり、そのうちの少なくとも1つが本発明によるコーティング組成物から形成される、硬化されるか又は硬化されなくてもよい、好ましくは硬化される、多層コーティングである。典型的には、多層コーティングは、2つを超えるコーティング層を含む。
好ましい多層コーティングは、少なくとも1つの顔料及び/又はフィラー含有層、例えばプライマーコート層、フィラーコート層又はベースコート層、及び少なくとも1つのクリアコート層を含む。
本発明のコーティング組成物は、好ましくは、ベースコート及び/又はクリアコート層を形成し、クリアコート層は、好ましくは最も外側のコート層(すなわち、トップコート層)である。
さらにより好ましいのは、少なくとも1つのベースコート層でコーティングされた少なくとも1つのフィラーコート層を含む多層コーティングであり、該ベースコート層は少なくとも1つのクリアコート層でさらにコーティングされる。
特に、自動車用コーティングに限定するものではないが、多層コーティングは、好ましくは、電着コート層と、電着コート層の上にあり、少なくとも1つのベースコート層でコーティングされた少なくとも1つのフィラーコート層とを含み、該ベースコート層は少なくとも1つのクリアコート層でさらにコーティングされる。好ましくは、本発明のコーティング組成物から少なくとも1つのベースコート層及び/又は少なくとも1つのクリアコート層が形成される。
上記多層コーティングは、上記で名前を挙げた基材の任意、典型的には、限定するものではないが、前処理された基材に適用することができる。従って、本発明の別の目的は、上記多層コーティングのうちの任意でコーティングされた多層コーティングされた基材であり、多層コーティングは硬化されるか、又は硬化されず、好ましくは硬化される。基材は、好ましくは、上述の基材のうちの任意であり、好ましくは、未処理の、前処理された、プレコートされた又は前処理及びプレコートされた基材である。
実施形態1:(A)120~500mgKOH/gの範囲の酸価を有する1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーであって、酸価がその1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーの中和されていない形態について計算されるものであり、その1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーが任意に少なくとも部分的に中和されている、1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー、及び(B)式(I)
Figure 2024521183000004
で表され、平均して少なくとも2個のヒドロキシル基を有する1つ以上の化合物(式中、残基Rは、互いに独立して(CH(n=2、3又は4)であり、残基Rは、互いに独立して、H又はCHであり、そして残基Rは、互いに独立して、H及び(O=C)-R-(C=O)-Rから選択され、残基Rは、互いに独立して、OH、ORから選択され、Rは、1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基、及びN(CHRCHROH)である)を含む、コーティング組成物。
実施形態2:カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)の製造に使用されるモノマー混合物が、式(M)
C=CHR-R(M)
(式中、
はH又はCHを表し;そしていくつかの残基Rは、6~12個の炭素原子を有するアリール基を表し、いくつかの残基Rは、残基COORを表し、いくつかの残基Rは、Hを表し、いくつかの残基Rは、1~12個の炭素原子を有するアルキル基を表す)を有するモノマーを含む、実施形態1によるコーティング組成物。
実施形態3:式(I)における残基Rが、H、(O=C)-R-(C=O)-N(CHCHOH)及び(O=C)-R-(C=O)-N(CHCH(CH)OH)からなる残基の群から選択される、実施形態1又は2によるコーティング組成物。
実施形態4:水及び有機溶媒からなる群から選択される1つ以上の液体キャリア媒体をさらに含む、実施形態1から3の1つ以上によるコーティング組成物。
実施形態5:1つ以上のさらなるポリマーバインダー(C1)、1つ以上のコーティング添加剤(C2)及び1つ以上の着色剤(C3)からなる群から選択される1つ以上のさらなる成分(C)をさらに含む、実施形態1から4の1つ以上によるコーティング組成物。
実施形態6:(A)1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーの量が12~37質量%の範囲であり、そして(B)式(I)で表される1つ以上の化合物の量が3~12質量%の範囲であり、質量パーセンテージ値がコーティング組成物の総質量に対するものである、実施形態1から5の1つ以上によるコーティング組成物。
実施形態7:(A)1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーに含有されるカルボキシル基対(B)式(I)で表される1つ以上の化合物中のヒドロキシル基のモル比が、好ましくは1.5:1~1:1.25の範囲である、実施形態1から6の1つ以上によるコーティング組成物。
実施形態8:実施形態1から6の1つ以上に定義されるコーティング組成物を調製するための方法であって、(A)、(B)、水及び/又は有機溶媒、及び任意に1つ以上のさらなる成分(C)を混合する工程を含む、方法。
実施形態9:実施形態1から7の1つ以上に定義されるコーティング組成物の、自動車用コーティングにおけるベースコート組成物及び/又はクリアコート組成物としての使用方法。
実施形態10:基材をコーティングする方法であって、実施形態1から7の1つ以上に定義されるコーティング組成物を基材上に適用してコーティング層を形成し、そしてそのコーティング層を約130℃~約180℃の範囲の温度で約10~約40分間硬化させることを含む方法。
実施形態11:コーティング組成物が、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティング、散布、注入、浸漬、含浸、滴下又は圧延によって適用される、実施形態10による方法。
実施形態12:基材が、金属基材、ポリマー、木材、ガラス、鉱物ベースの材料及び前述の材料の任意の複合体からなる群から選択される、実施形態10又は11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13:基材が、任意に前処理された及び/又はプレコートされた金属基材である、実施形態10から12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14:実施形態10から13の方法のいずれか1つによって得ることができる少なくとも1つのコーティング層を含むことを特徴とする、コーティングされた基材。
実施形態15:コーティングされた基材が、少なくとも2つのコーティング層を含む多層コーティングされた基材であり、そのコーティング層の少なくとも1つが、実施形態1から7の1つによるコーティング組成物から形成されたものであることを特徴とする、実施形態14によるコーティングされた基材。
実施形態16:実施形態1から7の1つによるコーティング組成物から形成されたコーティング層が、ベースコート層又はクリアコート層であることを特徴とする、実施形態15によるコーティングされた基材。
以下に、実験データによって本発明を例示する。
以下に、ポリ(メタ)アクリレート(A)、二塩基酸エステルベースのベータ-ヒドロキシアルキルアミド架橋剤(B)、コーティング組成物及びコーティングの製造を、実施例及び比較例によって示す。特に断りのない限り、部は質量部であり、そしてパーセンテージは質量パーセンテージである。
ポリ(メタ)アクリレート(A)の調製
カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(A1)の調製
還流冷却器とオーバーヘッドスターラーを備えた5リットルのステンレス鋼製反応器に、515gのブチルアセテートを装入した。溶媒を125℃に加熱し、そして73gのブチルアセテート中の73gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを4.75時間かけて供給した。供給開始15分後に、スチレン(510g)、ブチルメタクリレート(190g)、アクリル酸(340g)、メチルメタクリレート(300g)及びブチルアクリレート(67g)の2回目の供給を4時間かけて開始した。温度は、供給物の添加完了後さらに1時間維持した。樹脂は室温まで冷却した。
得られたカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレートを表1に示し、A1と表記する。
水性カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(A2)の調製
還流冷却器とオーバーヘッドスターラーを備えた5リットルのステンレス鋼製反応器に、460gのブトキシエタノールを装入した。溶媒を120℃に加熱し、115gのブトキシエタノール中の115gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを4.5時間かけて供給した。供給開始15分後に、スチレン(230g)、2-エチルヘキシルアクリレート(462g)、メタクリル酸(670g)、メチルメタクリレート(440g)及びブチルメタクリレート(510g)の2回目の供給を4時間かけて開始した。温度は、供給物の添加完了後さらに1時間維持した。反応を100℃に冷却し、そして1.6kgの樹脂を除去した。残りの樹脂をさらに60℃に冷却し、そして水1575g中185gのN,N-ジメチルエタノールアミンの混合物を30分かけて反応器に添加し、撹拌をさらに30分続けた。
得られたカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレートを表1に示し、A2と表記する。
水性カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(A3)の調製
還流冷却器とオーバーヘッドスターラーを備えた5リットルのステンレス鋼製反応器に、450gの2-ブタノンを装入した。溶媒を75℃に加熱し、そして45gの2-ブタノン中の45gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを3.5時間かけて供給した。供給開始15分後に、スチレン(165g)、ブチルメタクリレート(62g)、アクリル酸(110g)、メチルメタクリレート(98g)及びブチルアクリレート(22g)の2回目の供給を3時間かけて開始した。温度は、供給物の添加完了後さらに5時間維持した。反応を60℃に冷却した。水1200g中46gのN,N-ジメチルエタノールアミンの混合物を30分かけて添加し、撹拌をさらに30分続けた。ガスクロマトグラフィー分析で2-ブタノンの残存率が0.3%未満になるまで、減圧下75℃で混合物から2-ブタノンを除去した。
得られたカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレートを表1に示し、A3と表記する。
水性カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(A4)の調製
還流冷却器とオーバーヘッドスターラーを備えた5リットルのステンレス鋼製反応器に、800gのブトキシエタノールを装入した。溶媒を120℃に加熱し、77gのブトキシエタノール中の77gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを4.5時間かけて供給した。供給開始15分後に、スチレン(150g)、2-エチルヘキシルメタクリレート(310g)、メタクリル酸(450g)、メチルメタクリレート(290g)及びブチルメタクリレート(340g)の2回目の供給を4時間かけて開始した。温度は、供給物の添加完了後さらに1時間維持した。反応を100℃に冷却し、そして1.6kgの樹脂を除去した。残りの樹脂をさらに60℃に冷却し、水1275g中120gのN,N-ジメチルエタノールアミンの混合物を60分かけて反応器に添加した。
得られたカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレートを表1に示し、A4と表記する。
溶媒ベース(従来型)のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレートA1Cの調製(比較例)
還流冷却器とオーバーヘッドスターラーを備えた5リットルのステンレス鋼製反応器に、600gの2-ブタノンを装入した。溶媒を75℃に加熱し、25gの2-ブタノン中の28gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを3.5時間かけて供給した。供給開始15分後に、スチレン(142g)、ブチルアクリレート(227g)、アクリル酸(43g)及びメチルメタクリレート(160g)の2回目の供給を3時間かけて開始した。温度は、供給物の添加完了後さらに5時間維持した。反応を60℃に冷却し、そして固形分が90%に達するまで、溶媒の大部分を減圧において除去した。
得られたカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレートを表1に示し、A1Cと表記する。
Figure 2024521183000005
本発明の文脈で使用される酸価は、実験的に決定された酸価(下記の詳細参照)であり、これはポリマーの製造に使用される製造プロセスのばらつき及び/又は他のプロセスパラメータのばらつきに依存し得るので、理論的に決定された酸価とは異なる場合があることを強調しておく。
固形分含量(固体、不揮発性画分)
不揮発性画分は、DIN EN ISO3251(日付:2008年6月)に準拠して測定した。この測定は、あらかじめ乾燥させておいたアルミニウム皿に1~2gの試料を量り取り、乾燥オーブン中130℃で60分間乾燥させ、その後デシケーター内で冷却してから再秤量することを伴う。使用した試料の総量に対する残渣は、不揮発性画分に相当する。不揮発性画分の体積は、必要であれば、任意にDIN53219(日付:2009年8月)に準拠して決定してよい。
ガラス転移温度
本発明の文脈におけるガラス転移温度Tは、DIN51005「熱分析(TA)-用語」及びDIN53765「熱分析-動的走査熱量測定(DSC)」に基づく方法で実験的に決定した。ここでは、5mgのサンプルをサンプルボートに秤量し、そしてDSC装置に挿入した。開始温度まで冷却した後、不活性ガスパージ(N)を50mL/分、加熱速度10K/分で1回目と2回目の測定を行い、測定と測定の間に開始温度まで冷却した。測定は通例、予想されるガラス転移温度より約50℃低い温度からガラス転移温度より約50℃高い温度の範囲で行われる。本発明の文脈におけるガラス転移温度は、DIN53765のセクション8.1に従い、2回目の測定における比熱容量の変化の半分に達する温度(0.5デルタc)である。これはDSCダイアグラム(温度に対する熱流量のプロット)から確認される。この温度は、ガラス転移の前後で外挿したベースラインと測定プロットとの中心線上の交点に対応する温度である。
酸価
酸価は、DIN EN ISO2114(日付:2002年6月)に準拠し、「方法A」を用いて決定した。酸価は、DIN EN ISO2114に規定された条件下で、試料1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの質量(mg)に対応する。記載の酸価は、DIN規格に記載の総酸価に相当し、固形分含量に対するものである。酸価は中和されていないポリマーについて決定され、従って常に最大の酸含量を示す。
ヒドロキシル価
ヒドロキシル価又はOH価は、DIN53240-2(日付:2007年11月)に準拠して決定した。この方法において、OH基を、過剰の無水酢酸を用いるアセチル化によって反応させた。その後過剰の無水酢酸を水の添加によって分解して酢酸を形成し、そして全酢酸をエタノール性KOHで逆滴定した。OH価は、mgで表すKOHの量を示し、これは試料1gのアセチル化で結合した酢酸の量と同等であり、ここでは固形分含量に対するものである。
数平均及び質量平均分子量の決定
数平均分子量(M)は、DIN55672-1(日付:2007年8月)に準拠してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定した。数平均分子量の他に、この方法は、質量平均分子量(M)、及び多分散性d(質量平均分子量(M)対数平均分子量(M)の比)の決定にも使用してよい。テトラヒドロフランを溶離剤として使用した。決定は、ポリメチルメタクリレート標準に対して行った。カラム材料は、スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーからなっていた。
二塩基性エステルベースのベータ-ヒドロキシアルキルアミド架橋剤(B)の調製
蒸留ブリッジと窒素注入口を備えた3つ口丸底フラスコに、172gの二塩基性エステル(DBE;すなわち、約23質量%のジメチルスクシネート、約60質量%のジメチルグルタレート及び約17質量%のジメチルアジペートを含む混合物)を装入した。混合物を90℃に加熱し、228gのN,N-ジエタノールアミンを窒素気流下で一度に加えた。温度を約110℃から約120℃の範囲で上昇させ、発生するメタノールを回収した。メタノールの蒸留が停止するまで温度を維持し、その後150℃まで昇温した。蒸留をさらに3.5時間維持した後、架橋剤B1を室温(23℃)まで冷却した。
この手順に続き、さらなる架橋剤を合成した(すなわち、比較架橋剤B2*及びB3*、及び本発明による架橋剤B4、B5及びB6)。
他の架橋剤を製造するために、DBEをエステル基の数に基づく等モル量で表2のジカルボン酸エステルに置き換えた。
Figure 2024521183000006
コーティング組成物の製造
本発明によるコーティング組成物を製造するために、成分A、B、S及びLAを、4つのブレードのプロペラ撹拌機(直径5cm)を備えたオーバーヘッド実験室用スターラーを使用し、1500rpmの速度で約30分間均質に混合した。
Figure 2024521183000007
コーティング組成物の適用
コーティング組成物は、構成成分の混合後30分以内に、150μmのドクターブレードを使用し、Zn-リン酸塩処理したスチール試験パネル(Gardobond(登録商標)26s/6800/OC、Chemetall GmbH社、フランクフルト、ドイツから入手可能)上に適用した。こうして適用したコーティング組成物を、表4に示す温度で20分間乾燥/硬化させた。
硬化したコーティング組成物の試験
光沢
光沢は表面の質感の初期印象を与える。光沢の感じ方は、光が指向的に反射されるほど顕著になる。透明で滑らかなコーティングフィルムは高い光沢レベルを示すが、ざらざらした乳白色の表面は光を乱反射させるため、光沢は低くなる。測定値は光沢単位[GU]で示され、この値は標準(100GUを示すと定義された黒色研磨ガラスパネル)に関連している。対応する測定装置(BYK Gardner マイクロ-TRI-グロス)は一連の測定の前に校正され、測定はDIN EN ISO2813:2015-02に準拠して実施した。
ブッフホルツ硬度
ブッフホルツ硬度は、DIN EN ISO2815:2003規格に基づき、以下の方法で測定した。コーティングされた試験パネルを、コーティングが上向きになるようにしっかりとした水平面に置いた。まず、試験装置(BYK Gardnerブッフホルツ圧子試験機)の足を試験パネル上に置いた。次に、圧子を傾けたり横に動かしたりすることなく、コーティングしたパネルに接触するまで慎重に下降させた。圧子をこの位置で30±1秒間放置した後、まず圧子を持ち上げ、次に足を持ち上げた。その後、光源と顕微鏡をセットし、圧子を取り除いてから35±5秒後に、圧子によって生じた影の長さをミリメートル単位で測定した。測定結果は、3回測定した平均値として0.1mm単位のミリメートル単位で示す。
二重摩擦試験
この試験により、フィルムの耐薬品性がわかる。布片をMEKハンマー(メチルエチルケトンハンマー「BASF Coatings」タイプ、1350g)に取り付けた。ハンマーの開口部をMEK(メチルエチルケトン)で完全に満たして、布片が浸り、且つコーティングフィルムが常に濡れるようにした。次に、硬化したコーティングフィルムが損傷を示すか、又は最大200回の二重ストローク(二重摩擦)に達するまで、硬化したコーティングフィルム上でハンマーを前後に引いた(常に同じ地点で、且つ圧力をかけずに)。損傷が見えなくなるまでの二重ストロークの数を示した。
Figure 2024521183000008
上記のデータは、本発明の主な目的、すなわち、アミノプラスト樹脂及びイソシアネートベースの架橋剤を使用することなく、低温で架橋可能なコーティング組成物(すなわち、140℃で既に十分な架橋を示すコーティング組成物)を提供することが、特許請求の範囲に記載のポリマー(A)及び架橋剤(B)の組み合わせを使用する場合にのみ解決されることを、明確に示している。
比較例コーティング組成物C1及びC2は、架橋剤の調製にマロン酸ジエステル及びシュウ酸ジエステルを使用した点で、本発明によるものとは異なる。マロン酸及びシュウ酸において、請求項1の定義の観点から、nはそれぞれ1及び0である。
比較例コーティング組成物C3では、本発明による架橋剤、すなわちB1を使用した。しかしながら、カルボン酸基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーの酸価は低すぎるものであった。

Claims (14)

  1. 以下の成分、
    (A)120~500mgKOH/gの範囲の酸価を有する1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーであって、前記酸価が該1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーの中和されていない形態について計算されるものであり、該1つ以上のポリ(メタ)アクリルポリマーが任意に少なくとも部分的に中和されている、1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー、及び
    (B)式(I)
    Figure 2024521183000009
    で表され、平均して少なくとも2個のヒドロキシル基を有する1つ以上の化合物
    (式中、
    残基Rは、互いに独立して(CH(n=2、3又は4)であり、
    残基Rは、互いに独立して、H又はCHであり、そして
    残基Rは、互いに独立して、H及び(O=C)-R-(C=O)-Rから選択され、残基Rは、互いに独立して、OH、ORから選択され、Rは、1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基、及びN(CHRCHROH)である)
    を含むコーティング組成物の、自動車用コーティングにおけるベースコート組成物及び/又はクリアコート組成物としての使用方法。
  2. カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマー(A)の製造に使用されるモノマー混合物が、式(M)
    C=CHR-R(M)
    (式中、
    はH又はCHを表し;そして
    いくつかの残基Rは、6~12個の炭素原子を有するアリール基を表し、いくつかの残基Rは、残基COORを表し、いくつかの残基Rは、Hを表し、いくつかの残基Rは、1~12個の炭素原子を有するアルキル基を表す)
    を有するモノマーを含む、請求項1に記載のコーティング組成物の使用方法。
  3. 式(I)における残基Rが、H、(O=C)-R-(C=O)-N(CHCHOH)及び(O=C)-R-(C=O)-N(CHCH(CH)OH)からなる残基の群から選択される、請求項1又は2に記載のコーティング組成物の使用方法。
  4. 水及び有機溶媒からなる群から選択される1つ以上の液体キャリア媒体をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング組成物の使用方法。
  5. 1つ以上のさらなるポリマーバインダー(C1)、1つ以上のコーティング添加剤(C2)及び1つ以上の着色剤(C3)からなる群から選択される1つ以上のさらなる成分(C)をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のコーティング組成物の使用方法。
  6. (A)1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーの量が12~37質量%の範囲であり、そして
    (B)式(I)で表される1つ以上の化合物の量が3~12質量%の範囲であり、質量パーセンテージ値がコーティング組成物の総質量に対するものである、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティング組成物の使用方法。
  7. (A)1つ以上のカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリルポリマーに含有されるカルボキシル基対(B)式(I)で表される1つ以上の化合物中のヒドロキシル基のモル比が、好ましくは1.5:1~1:1.25の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載のコーティング組成物の使用方法。
  8. 少なくとも2つのコーティング層からなり、該コーティング層のうちの少なくとも1つが請求項1から7のいずれか一項に定義されるコーティング組成物から形成されたものである、多層コーティング。
  9. プライマーコート層、フィラーコート層及びベースコート層からなる群から選択される少なくとも1つの顔料及び/又はフィラー含有層を含み、そして少なくとも1つのクリアコート層を含む、請求項8に記載の多層コーティング。
  10. 前記ベースコート層及び/又は前記クリアコート層が、請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング組成物から形成されたものである、請求項9に記載の多層コーティング。
  11. 少なくとも1つのフィラーコート層を含み、該フィラーコート層が少なくとも1つのベースコート層でコーティングされており、そして前記少なくとも1つのベースコート層が少なくとも1つのクリアコート層でコーティングされている、請求項9又は10に記載の多層コーティング。
  12. 電着コート層と、前記電着コート層の上にあり、少なくとも1つのベースコート層でコーティングされた少なくとも1つのフィラーコート層とを含み、前記少なくとも1つのベースコート層が少なくとも1つのクリアコート層でコーティングされており、前記少なくとも1つのベースコート層及び/又は前記少なくとも1つのクリアコート層が、請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング組成物から形成されたものである、請求項8から11のいずれか一項に記載の多層コーティング。
  13. 請求項8から12のいずれか一項に定義される多層コーティングを含む、多層コーティングされた基材。
  14. 前記基材が輸送手段の本体である、請求項13に記載の多層コーティングされた基材。
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