JP2024520204A - 水素を製造するための水熱プロセス - Google Patents

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Abstract

有効量の促進剤の存在下でアルミニウム合金粉末を蒸気と反応させることからなる、水から水素を発生させるシステム及び方法が提供される。アルミニウム粉末は、高温蒸気にさらされる前に、乾燥した固体状態の促進剤混合物と事前に混合される。蒸気は反応器と呼ばれる容器に導入され、最適な比率の促進剤で事前混合されたアルミニウム粉末が圧力と温度条件で接触し、アルミニウム粉末と水の反応が完全に起こり、15分以内に100%の変換が起こる。高温条件で反応が起こるため、アルミニウムと水蒸気の発熱反応で発生する熱は「良質な」熱であり、余剰熱分離に寄与し、反応熱を有効利用して蒸気を製造する。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月10日に出願された米国仮出願第63/231,579号及び2021年5月20日に出願された米国仮出願第63/191,298号に対する優先権の利益を主張する国際出願で構成されており、その全体は援用により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本発明は、アルミニウム粉末、水蒸気及び促進剤から高純度の水素ガスを製造する方法、及び、その方法を実行するための反応器システムに関する。
特定の条件下では、アルミニウムが水と反応して水素ガスと熱とを発生することはよく知られている。しかし、この反応は周囲条件では「持続可能」ではないことも知られている。これは少なくとも部分的には、水と接触するアルミニウム表面に形成される保護酸化層が反応を妨げることによるものである。従って、アルミニウム金属上の保護酸化物層は、高温で連続的且つ効率的に除去する必要がある。
水素製造には、反応性金属と水とが激しく反応して水素ガスを製造するなど、さまざまな形式が存在する。このような方法の主な利点は、アルミニウム又は派生合金などの金属の遍在性と、水素圧縮、液化、直接輸送などの代替方法と比較して長期保管と輸送が容易であることと、である。オンデマンドの水素及び熱エネルギー製造のための固体燃料の利便性は、他の方法と比較した場合、客観的により経済的な解決策である。しかし、材料の反応の継続をブロックして阻害する凝集不動態層又は酸化物層が急速に形成されることが、経済的実行の障害となってきた。この層の切除は困難で、容器及び反応器システムを腐食させ、経済的に実行不可能であることが歴史的に証明されている。
従来、これらの反応は実験室規模で、周囲条件で、バッチ方式でのみ行われてきた。高温高圧などの化学反応が起こる熱力学的条件を改善すると、製造される水素1モル当たりの基準で測定して、発熱反応のエネルギー出力が5~10%増加することが示されている。これらの条件は、必要な活性化エネルギーを提供することで反応を改善するだけでなく、大量又は高濃度の塩基又は酸性促進剤の必要性を相殺し、反応容器自体の腐食を引き起こすが、より高いエネルギー出力とより効率的な潜熱交換も可能になる。本発明は、これらの懸念に対処し、熱エネルギー及び水素エネルギー生産のための固体燃料溶液の拡張を可能にする。
本発明は、アルミニウム粉末と蒸気との間の発熱反応から利用可能なエネルギーを効率的に抽出することと、新しい単体アルミニウムの製造に再利用できる高純度の塩基性酸化金属を同時に製造することと、において有利である。本発明のプロセス及び装置の有用性は、住宅及び商業環境に応用できる。本発明のプロセス及び反応器システムは、再生可能エネルギープラント、水素若しくは電気の燃料補給ステーション、火力発電所、又は、工業用ガス処理プラントなどの産業において有利な用途を見出すであろう。本発明によるプロセス及び装置は、水素ガス、熱及び電力を発生させるために家庭用又は産業用ユーザーが使用するのに実用的で、安全で、拡張可能である。さらに、本発明によるプロセス及び装置は、リサイクル及びエネルギー節約を促進するために、家庭のゴミ工場及び金属加工工場で容易に入手できる消費後のアルミニウム廃棄物、又は直接製造された元素状の新しいアルミニウムのいずれかを使用する。
本発明によれば、独特の促進剤系の存在下でアルミニウム粉末などの反応物を水蒸気と反応させることによって水素ガスを製造する方法が提供される。これにより、大量の「高品質」の熱、高純度の水素ガス、及び、高価値の副産物が製造される。本発明の方法は、促進剤と混合されたアルミニウム粉末を含有する反応器に、調整された圧力下で蒸気を連続的に充填することを含む。いくつかの実施形態では、反応は約15分で完了する。本発明の好ましい実施形態では、反応器は、燃料として蒸気及びアルミニウム粉末と、アルミニウム粒子上の酸化物層の形成を低減するために二重促進剤と、を使用する。二重促進剤混合物は、反応器内でアルミニウム粉末と蒸気が完全に反応するのを保証するのに十分な量で、固定比率(重量比)で事前混合される。この方法は、反応器から副産物を取り出すステップも含む。
本発明の一実施形態では、水素ガスを製造する方法は、二重促進剤の存在下でアルミニウム粉末を水蒸気と反応させることを含む。二重促進剤は、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムを含んでもよく、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムの量は、アルミニウム粉末の10重量%と30重量%との間である。水酸化ナトリウムとアルミン酸ナトリウムとの比は1:2から1:3の間である。
本発明の目的は、太陽光及び風力などの再生可能エネルギー源と競合する、再生可能資源として水素を発生させるための費用対効果の高いシステムを提供することである。
本発明の利点は、腐食性物質又は高価な物質を生じさせない、水素を発生させるための反応方法を使用することである。
本明細書で提供される解決策のさらなる目的、利点及び新規な特徴は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲、並びに、添付の図面に基づいて当業者によって認識され、並びに/又は、本明細書で提供される実施例の製造若しくは動作によって学習することができる。
図面は、本発明の概念に従った1つ又は複数の実装を示すものであり、限定としてではなく例としてのみ示されている。図面において、同様の参照番号は、同じ又は同様の要素を指す。
本発明の反応器システムのコアコンポーネントの概略図である。 本発明の反応器システムの制御原理の詳細である。 反応器の温度に対する運転時間のグラフ表示である。 接触表面積に対する水素の製造速度のグラフ表示である。 温度に対する水素の製造速度のグラフ表示である。 促進剤の濃度に対する水素の製造速度のグラフ表示である。 反応物と促進剤との混合時間に対する水素の製造速度のグラフ表示である。
本発明によれば、独特の促進剤系の存在下でアルミニウム粉末などの反応物を水蒸気と反応させることによって水素ガスを製造する方法が提供される。これにより、大量の「高品質」の熱、高純度の水素ガス、及び高価値の副産物が製造される。本発明の方法は、促進剤と混合されたアルミニウム粉末を含有する反応器に、調整された圧力下で蒸気を連続的に充填することを含む。いくつかの実施形態では、反応は約15分で完了する。本発明の好ましい実施形態では、反応器は、燃料として蒸気及びアルミニウム粉末を使用し、アルミニウム粒子上の酸化物層の形成を低減するために二重促進剤を使用する。二重促進剤混合物は、反応器内でアルミニウム粉末と蒸気が完全に反応するのを保証するのに十分な量で、固定比率(重量比)で事前混合される。この方法は、反応器から副産物を取り出すステップも含む。
水素の製造効率と純度は、科学界で十分に確立された方法によって測定される。アルミニウムの単位質量あたりに製造される水素は、アルミニウム1グラムあたり約1.243~1.3リットルである。製造された水素はシェル及びチューブ熱交換器を通過し、周囲温度(70°F)まで冷却され、凝縮物が除去される。そこから、水素は科学界で伝統的に使用されている水槽に移され、製造された水素を測定するために、水素によって置換された水の体積が測定される。水素の体積特性は、特定の温度及び圧力条件下で十分に確立されている。周囲条件では、移動した水によって水素製造量が正確に体積で測定される。本明細書に記載される水素発生システム100の水素製造効率は、一貫して95%~105%の間で測定され、100%のマークを超えているのは主に、促進剤自体が両方とも水素原子を含み、互いに相互作用して水素を製造するためである。さらに、これらの促進剤も、特定の運転条件下及び水の存在下で、異なる相でアルミナと相互作用する。二重促進剤溶液は、AlOH、AlOOH、AlOと相互作用し、アルミニウムの相変化を通じて水素を製造し続ける。従って、アルミニウム合金のみの質量と比較した場合、場合によっては105%の水素が製造される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される水素発生システム及び方法は、放出されるこの過剰エネルギーの少なくとも90%の総熱回収効率を達成することができ、その後、それを使用して、製造される水素1kg当たり少なくとも35kWを駆動することができる。
水素純度は2つの方法で測定される。観察による水素純度は、水素を燃焼させ、炎が燃える色を観察することによって経験的に記録される。純粋な水素は完全に透明に燃焼し、目には見えないが、汚染された水素はオレンジ、青、緑又はこれらの組み合わせの色で燃焼する。達成された水素の純度を検証するには、水素百万分率(ppm)計測器などの機器が使用される。水素ppm計は、製造される水素ガスの濃度を測定し、本明細書に記載される水素発生システム100の高純度製造が小数点以下2桁までの精度で99.99%を超えることを検証する。
(反応物)
本発明の好ましい実施形態では、反応物が提供される。アルミニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などの反応物金属及びそれらの派生合金を本発明の方法で使用することができる。本発明の好ましい実施形態では、アルミニウム又はその派生合金が本発明のプロセスに使用される。
他の実施形態では、一次反応物は、アルミニウム、マグネシウム、マンガンなどの酸化されたイオン元素の混合物から構成されてもよい。アルミニウムは水と相互作用し、アルミニウムの3+電荷とOHの-1が引き付けられ、平衡して水酸化アルミニウム(AlOH)と水素(H)を形成する。マンガンにはいくつかの酸化状態を持つが、最も安定な状態は2+であり、マグネシウムは2+の電荷を持つ。マンガンとマグネシウムも同様に反応するが、マグネシウムは反応を適時に行うために吸熱反応を必要とするが、それでも水と相互作用する。
Al+HO→Al(OH)+H
Mn+HO→Mn(OH)+H
Mg+HO→Mg(OH)+H
水酸化ナトリウム(NaOH)は、反応物の予備プロセスと同様に、これらの金属を脱酸素する。ナトリウムの1+電荷はAl及びOと結合し、電荷の平衡をとって水素を放出する。有用な濃度での脱酸素は人体に対して非常に腐食性が高く、反応器システムに対して腐食性を示すが、スズ酸ナトリウムの添加により高濃度の要件が大幅に軽減される。スズ酸ナトリウムの存在により、必要な水酸化ナトリウム濃度が低下し、その結果、システムの腐食性と腐食性が低下する。
また、スズ酸塩は、Al、Mn、及びMgの周囲にメカニカル層を形成し、OH(水酸化物)不動態化層の凝集を遅らせ、HOとの繰り返しの相互作用を可能にする。スズ(Sn)は、Alをコーティングし、アニオンOHを遅らせるのに十分な強い正電荷を形成することにより、水酸化物層の遅延にメカノケミカルな役割を果たす。このメカノケミカル層により、必要なNaOHの量が削減される。NaOHの脱酸プロセスと組み合わせると、アルミニウムは自由にH2Oと反応し続け、効率が大幅に向上する。
一実施形態では、Al:Mg:Mn:SnOH:NaSnOの反応物を1:0.01:0.008:0.2:0.1との比率で提供することは、この発熱反応における位置エネルギーの急速な放出において重要な役割を果たす。急速な運動エネルギー伝達により温度が212°F超に上昇し、蒸気の製造が促進される。反応物及び任意の促進剤は、ガスとしてHOと有利な方法で相互作用し、水酸化物を形成するのではなく金属を酸化するのみである。スズ酸ナトリウムは二重の役割を果たす。ナトリウムは二水素と酸素の間の分子間結合の強さを低下させ、その結果、共有結合の強さを低下させ、従ってそれらの結合を切断するのに必要なエネルギーを低下させることによって水の導電率を向上させる。スズ(Sn)はこのプロセス中に遊離し、メカノケミカルな役割を果たし、より大きな反応物金属に対してイオンバリアを形成する。このプロセスにより、OH(水酸化物)の付着が破壊され、反応物金属がHOと相互作用し続けることが可能になる。その結果、より短期間でより多くの処理を行うために必要な反応物が大幅に減る。効率の向上は以前のAl+NaOH法の15倍であるため、必要な反応物の量が15分の1に削減される。
選択された任意の反応物について、凝集不動態化層を掘削するための薬剤の必要性を最小限に抑えるために、反応物の表面積を最適化することができる。当業者であれば、表面積を最適化する方法を理解するであろう。例えば、反応物を粉砕、ガス噴霧又は篩分けして、約30~約125ミクロン、より具体的には約45~約100ミクロンの特定の粒度分布(PDS)を提供することができる。本発明のさらに他の実施形態では、反応物のPDSは約50~約80ミクロン又は約65~75ミクロンである。さらに他の実施形態では、反応物のPDSは、100ミクロンを超えるサイズ、例えば、1mm以下のサイズを含む。いくつかの好ましい実施形態では、反応物は、限定されないが、球状、小板状又は繊維状粒子などの最適化された表面積を有する粒子を含む粉末の形態である。
(促進剤)
いくつかの実施形態では、促進剤は強塩基とアルカリ金属アルミン酸塩の混合物を含み、反応の活性化エネルギーを低下させる。塩基又はアルミン酸塩は単独で使用できるが、2つの促進剤の混合物を使用すると、腐食の問題及び反応器壁上の塩スケールが軽減される。特に、2つの促進剤を併用することにより、製造コストの低減と経済性の向上に貢献する。
二重促進剤は、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムを含んでもよい。一実施形態では、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムの量は、反応物の約10重量%~約30重量%、好ましくは15重量%未満である。例えば、アルミニウム反応物、水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウムの質量混合比は20:1:2である。別の実施形態では、水酸化ナトリウムとアルミン酸ナトリウムとの比は、約1:2から約1:3の間の範囲であり得る。
圧力及び温度などの熱力学的活性化変数を調整して、反応システムを最適化することができる。例えば、高温及び高圧では、必要な促進剤の量が減少する。反応は周囲温度でも進行するが、温度及び/又は圧力を上げると反応時間が短縮され、必要な促進剤の量が減少する。
他の実施形態では、代替及び/又は追加の促進剤が使用され得る。
(温度)
本発明のいくつかの態様では、促進剤は、HOの存在下、好ましくは蒸気などの蒸気の形態で、容器内で反応物と混合される。反応は周囲温度で進行するが、より好ましくは140℃~600℃、より好ましくは約200℃~550℃の範囲の温度で進行する。
いくつかの実施形態では、二重促進剤の存在下でのアルミニウム粉末とHOの反応は、約50℃の温度で開始される。この実施形態では、HOは液体の形態で提供され得る。
(圧力)
本発明の方法は、発熱反応によって反応器内で発生する圧力及び/又は温度に応じて、蒸気とアルミニウム粉末などの反応物との間の反応の強度を制御する能力を提供するのに有利である。いくつかの好ましい実施形態では、反応器内の圧力は、290psi(20bar)~2400psiの圧力に維持される。いくつかの実施形態では、1500psiの圧力が維持される。
反応容器内の圧力は、当業者に知られている方法によって調節することができる。例えば、圧力は、反応容器への蒸気の流れ及び/又は反応物の流れを制御することによって調節することができる。圧力は、反応物の入力を制御するだけでなく、例えば制御バルブを使用して注入される蒸気を調整することによって制御される。本発明の他の態様では、反応器内への蒸気及び/又は反応物の流れを制御することに加えて、反応器から出る水素の量及び/又は速さを制御することによって、反応器内の圧力及び適切な混合も調節することができる。蒸気との相互作用のための反応物の体積が減少すると、水素の製造能力が制限される。場合によっては、単にシステム内にすでに存在する熱エネルギーを交換するためにさらに多くの蒸気を注入し、それを商業目的に使用し、さらにシステムの温度と圧力を制御することもある。圧力を制御し、反応器内での蒸気の分散が最大限にあることを保証するために、反応器からの水素の出力又は排出も調整することができる。この装置はまた、反応器に流入するアルミニウム粉末の量に応じて、反応器の圧力及び温度を上昇及び低下させるための手段を備えていてもよい。
アルミニウム粉末と促進剤の混合効率は、反応の収率に影響を与える可能性がある。本発明の好ましい実施形態では、アルミニウム粉末と蒸気との間の表面接触が最適化される。
(熱エネルギー)
好ましくは、熱エネルギーは、反応器を過飽和させる、すなわち、反応で消費されるHOを過剰にする直接低圧蒸気注入によって抽出され得る。高圧高温の蒸気と水素の形で抽出された熱エネルギーは同時に製造され、それに応じてエネルギー集約的なプロセスを駆動するために使用できる。
例えば、高温高圧の形の熱エネルギーは、あらゆる種類の工業用熱プロセスを推進するために使用でき、例えば、硬化、アニーリング、ジェットミリング又はビル暖房などの純粋なBTU駆動の熱集約プロセスにおいて天然ガスの代わりになる可能性がある。さらに、熱エネルギーを使用して蒸気タービンを駆動し、商業、産業、又は電力網で使用するための電力を発生させることができる。本発明のいくつかの態様では、タービン出口の低圧蒸気は、ランキンサイクルの廃熱回収システム(WHRS)を通過し、より低強度のBTUプロセス、モータを駆動するか、又はビル暖房を提供するために使用され得る。
この化学プロセスの発熱反応によって発生する熱エネルギーから得られるグリーン電力は、新しくてユニークなプロセスである。
発熱反応によって製造される潜熱は、歴史的にこれらの反応が促進されてきた周囲条件により、通常、熱交換効率が低くなる。高温高圧条件により、潜熱回収率が50~70%向上し、全体の交換効率が最大90%の熱回収率に達した。熱回収率が高いため、熱を大量に消費する産業プロセスにおける使用、又は、蒸気駆動の電化に使用するシステムの全体的なエネルギー出力が大幅に増加する。同じ入力からのより高いエネルギーの生産と抽出(効率の向上による)により、ソリューションの技術経済性が大幅に向上し、このシステムからのグリーンエネルギーが今日経済的に実行可能になるまで改善される。従って、本発明によれば、水は反応物と接触して、水素ガス、発熱エネルギー及び副産物を製造する。大規模な場合、反応はわずか約15分で完了する。
(反応器)
本発明による水素ガスの製造は、図1に示すように、促進剤の存在下でアルミニウム粉末などの反応物金属粉末と水蒸気とを反応させることによって得られる。化学反応により、大量の熱、水素ガス、及び貴重な副産物が製造される。システムによって放出される熱は、発電に使用される「高品質」熱源として捕捉される可能性がある。反応物を収容する反応容器には、蒸気ドラムと反応物供給システムという2つのシステムによって供給することができる。
一般に、蒸気ドラムは、立ち上げ期間中に外部から加熱され、その後、回収された廃熱から循環して戻る低圧蒸気によって蒸気ドラムに供給され得る。例えば、製造された水素は、ケトルリボイラー又はプレート熱交換器を通って流れ、水素を冷却して熱を回収することができる。この回収された熱は、蒸気ドラムシステムに供給される蒸気の製造に使用できる。熱回収の別の方法は、蒸気タービンの出口から低圧蒸気を捕捉することであり、ランキンサイクル原理に従って、蒸気は回収され、さらに加熱するために水素熱回収システムに送られるか、又は、蒸気ドラムに直接送られて反応器に戻される。このプロセスでは、製造された発熱エネルギーを、運転条件を維持するための独自のエネルギー源として利用するため、外部からエネルギーを入力する必要がない。事実上、エネルギー入力は固体燃料(反応物)の形で行われ、化学的に発生する。自己製造熱を使用する場合、放出される発熱エネルギーのおよそ9%は、熱質量平衡方程式で運転条件を維持するために消費される。
図1は、水素ガスを製造するための本発明の水熱システム100の例示的な実施形態を示す。システム100は、アルミニウム粉末の混合物、上部入口からの乾燥二重促進剤、及び、下部入口からの蒸気を受け取り、反応器の上部からは水素が、反応器の下部から副産物スラリーを、そして化学反応によって放出される熱を排出する化学反応器を有している。
図1を参照すると、反応器システム100は、断熱反応器101、アルミニウム粉末103aを混合するための回転粉末混合ドラム102、乾燥促進剤NaAlO103b、及び、乾燥促進剤NaOH103cを含む。中間ホッパー104は、乾燥粉末反応物を固体粉末供給システム105に提供する。乾燥粉末反応物の流れは、第1の入口107aを介して反応器101に到達する前に、計測器106によって定量化される。液体水源108は蒸気ドラム109内で加熱されるが、そこではシステムの起動期間中に初期熱110が供給されて、蒸気ドラム109内で液体水を飽和蒸気に変換し、その後、反応器の下部及び側部から第2の入口107bを介して反応器101内に水反応物を供給する加圧蒸気源となる。この流れは、反応器内部の発熱反応によって放出される熱を吸収するのに十分な追加量の水も供給する。反応器101内部の「相接触」を確実にするために、蒸気分配システム111を使用して、1つ又は複数の篩トレイ112上に分配された固体粉末層を通して蒸気流を噴霧する。
発生した水素は第1の出口113aから排出され、副産物スラリーは第2の出口113bから酸化アルミニウム容器114にポンプで送り出される。水素ガス113aと共に吸引された固体粉末は、まず、反応器101の上部に設置されたメッシュフィルタ115によって分離され、反応器内に保持され、一方、特定の設計の高圧スクリューコンベヤ116によって、反応器の下部からスラリー固体が引き出される。システムを過圧から保護するために、安全弁が反応器113cの第3の出口に接続されている。
乾燥粉末の質量混合比は次のとおりである。100アルミニウム:5NaOH:10NaAlO。これは、180℃、450psigの条件下で400HOに対する実用的な最大比を表する。NaOHとNaAlOとの比率を高くしたり、二元促進剤混合物の水溶液を使用したりすることもできるが、そうすると、特に高温条件下では腐食の問題により実用的ではなくなる。一方、大量のNaOH及びNaAlOの結晶化は低温で起こるため、スケールアップの目的には望ましくない、又は、非実用的である。
水素発生システム100はまた、ベーマイト及び/又はアルミナなどの副産物スラリーを製造することもできる。主に脱水アルミナ、すなわちベーマイトと酸化アルミニウム(AlOOH及びAlO)を製造するための水熱及び化学プロセスは、反応器のより狭い範囲の運転条件下で達成された。温度を300℃~550℃、圧力を100PSIに維持すると、アルミニウムが相変化するのに十分な条件が得られる。この範囲内の温度条件では、水酸化アルミニウム(AlOH)及び/又は少量の酸化水酸化アルミニウム(AlOOH)などの水和形態のアルミナが主に製造される。上述の温度及び圧力条件を変更して、例えばベーマイト及び/又はアルミナを含む副産物スラリーを発生させるための異なる条件を作り出すことができる。どの相のアルミナを製造するためにも、完全に粒子を変換するための酸化物層の切除が依然として必要である。このため、当社の二重促進剤溶液などの水酸化物促進剤溶液を伴う水熱プロセスが必要である。
発熱化学反応によって製造される熱108dは、単に化学反応速度を高め、反応時間を短縮するのに役立つだけでなく、追加の蒸気107bを介して反応器101に供給される追加の水流量によって捕捉することもできる。発熱化学反応によって放出された熱は吸収されて蒸気エネルギー流に変換され、水素ガス113aとともに反応器101から流出する。次に、113aからの水素ガスは、特定のフィルター遠心膜分離器117によって蒸気から分離される。分離器117は、水素ガス流113aを純粋な水素ガス118に分割し、これは貯蔵に送られる前に吸着プロセス(図示せず)によってさらに精製及び乾燥される一方、捕捉された蒸気119は追加の蒸気流を蒸気ドラム109に提供する。この蒸気119は、反応器101の運転を維持するのに十分な水量を提供し、また、システム120から捕捉された追加の蒸気流を供給し、さらなる目的のためのエネルギーを供給する。
水熱システム100の構成により、反応物としての3つの乾燥粉末、アルミニウム及び二重促進剤の組み合わせが可能になり、水が蒸気として気相で反応器101に供給される。反応物を混合し、反応物を反応器101内に連続的に供給するために、必要に応じて、様々なタイプの周知の機構が反応器101内で使用され得る。例えば、1つの手法では、すべての反応物が液体水と予め混合され、一度に1つずつ反応器101に供給されて化学反応を引き起こす。ただし、このプロセスの反応時間は完了までに30分超かかり、変換は完全には完了しない。別のアプローチでは、最初に乾燥反応物を反応器101に供給し、その後蒸気を加圧することができ、反応器への蒸気の導入速度はアルミニウム粉末の重量によって決定される。このアプローチは反応速度を加速し、15分未満で完全な変換に達するのに役立つ。しかし、反応速度と変換に影響を与える最も重要な要因の1つは相接触の問題である。いくつかの実施形態では、反応器は、十分な相接触を提供するために、1つ以上の篩又はトレイなどの追加の構成要素を含んでもよい。
理解されるように、圧力計とセンサ、温度計とセンサ、又は、その両方を設置して、通信及びシステム動作の制御を可能にすることもできる。これらの機器を使用すると、オペレータは反応器内で起こる発熱反応の進行を視覚的に監視できる。本発明によるプロセス及び装置は、水素ガスを製造するための工業規模の拡大目的にとって実用的且つ安全であり、さらに、この方法は、リサイクル及びエネルギー節約を促進するために、家庭のゴミ工場及び金属加工工場で容易に入手できるアルミニウム廃棄物も使用する。このプロセスは、アルミニウム廃棄物と蒸気の間の発熱化学反応から利用可能なエネルギーを抽出するのに有利であり、同時に新しいアルミニウムの製造に再利用できる塩基性金属を製造するのにも有利である。
反応器の圧力は、反応器から蒸気分離器システム117への流出物の流れを制御する圧力制御システムによって維持される。化学反応によって放出される熱は、蒸気のエネルギーを介して反応器の外に運び出される。このエネルギーは、プロセスの下流にある蒸気分離器117によって捕捉され、蒸気タービン又は発電目的の同様の機器120に役立つ高品質の蒸気を供給できるようになる。
典型的な反応で放出される水素ガスの体積を測定するために、いくつかの一連の実験が実施された。これらの実験では、平均サイズ74ミクロンのアルミニウム粉末を160mlの圧力セルに入れた。圧力セルから製造されたガスによって置換された水の体積を測定し、標準温度及び圧力でのガス体積に補正した。当日の気圧を社内機器より記録した。製造されたガスの修正体積は、次の方程式に従って得られる理論上の水素ガス量と比較された。
Al+HO→Al(OH)+H
これらの実験は、140℃から180℃の温度と対応する温度の飽和蒸気圧を維持する反応器内で実施された。いずれの場合も、反応の開始は圧力セル内の圧力の上昇によって検出された。反応は蒸気が乾燥粉末と接触した直後に始まり、反応物粉末が枯渇するまで数分間継続した。15分未満の典型的な反応は良好であると考えられる。これらの実験の結果を以下の表1に示す。
表1の結果は、反応に再現性があり、化学量論量の水素ガスが製造されることを示している。水素ガスの平均収率は103%であり、測定の不確かさの範囲内であると考えられる。理論上の水素収率よりわずかに高い収率に寄与した可能性のある要因が少なくとも2つある。まず、セルが真空ではなかった可能性があり、製造されるガスの体積の観測値が増加する可能性がある。最大で、測定された体積は約2%増加した可能性がある。第二に、使用された水は水道水であり、溶存空気が含まれていた可能性があり、それによって測定されるガスの体積が増加した可能性がある。これらが結果に与える影響は1%未満であろう。結果は測定誤差の範囲内であり、これらの誤差の原因を定量化しても結果に大きな影響を与えないであろうため、それ以上の実験は実施されなかった。
ここで図2を参照すると、水素製造制御システム200が示されている。制御システム200は、図1と同じコア要素を含むが、システムが継続的且つ安全に動作することを保証するための、制御哲学の基本的な考え方、及びいくつかの主要なプロセスパラメータ間のいくつかの基本的な制御関係及び相互接続を提供する。反応器の側部には、いくつかのサーモスセンサとゲージ201とがある。反応器内部の発熱化学反応により、温度が上昇する。温度センサにより、オペレータは反応器の温度を視覚化し、水素製造システムについてオペレータに報告することができる。アルミニウムと蒸気の間の化学反応を安定化及び維持するための取り組みとして、温度センサを使用することで、オペレータがシステムから放出される余分な熱による過剰な温度上昇を最小限に抑えることもできる。余分な熱は、反応器の材料に損傷を与える可能性がある。このような方法で温度を報告すると、オペレータに温度の上昇又は下降を警告し、反応器の冷却又は加熱が必要な場合はそれに応じて対応するように警告する。
温度の上昇と同様、反応器内で化学反応が起こると圧力の上昇が起こる。反応器を継続的且つ安全に運転するために、反応器の上部には安全弁又はリリーフ弁、破裂板(破裂-図示せず)などの安全装置と圧力制御装置が設置されている。この設備は反応器の安全性をさらに向上させるために設けられており、危険なレベルを超える圧力を解放する。圧力計又はコントローラは、反応容器内の圧力をオペレータに報告する。圧力コントローラ202は、流出物(水素)流量を調整し、反応器内部の必要な圧力を維持するために設置される。これにより、オペレータは、いつ反応器から水素ガスを放出するかを知ることができ、それにより、システムの適切且つ安全な動作のため。反応器の圧力を低下させることができる。温度信号と圧力信号は両方ともアラームの目的で使用したり、プロセスパラメータが臨界値に達したり制御不能になったりした場合に、システム全体をシャットダウンする緊急シャットダウンシステム(ESD)に接続することができる。通常運転の一定期間において高圧部から低圧部へのガスの逆流を防止するため、逆止弁を設置することが好ましい(図示せず)。
制御システム200はまた、アルミニウム粉末及びその中の二重促進剤の量を監視するための計測器206と、蒸気量205bを調整するための固体粉末流量センサ205aと、を含む。蒸気量205bは、(206で係数kを設定することによって)反応器に充填されるアルミニウムの量に比例する。温度コントローラ204は、反応器に供給される蒸気205bの流れを調節することによって、反応器の温度を監視する。安全のために、反応器の温度が維持すべき最優先事項であることを保証するために、高セレクタ207を設置することができるであろう。
反応器の下部には、ベーマイト又はアルミナなどの副産物の定期的な除去を容易にするために、反応器の下面(図示せず)を介してレベルコントローラも設置されることが好ましい。ドレン出口により、ドレンバルブ(図示せず)を介して反応器からスラリーを除去できる。ドレンの流れは、反応器内の必要なスラリーレベルと反応したスラリーの滞留時間を維持するために、固体ハンドリングバルブ(図示せず)によって実行される。スラリー流の温度が高いため、この貴重な副産物は、保管場所(図示せず)に送る前に冷却するか、又は化学反応によってアルミナに変換するために別の反応器システムに直接ポンプで送られる可能性がある。ドレン出口には、水素製造システム内で別の機能もある。蒸気流量コントローラの場合と同様、温度と圧力が臨界レベル又は制御不可能なレベルに達した場合、ドレン出口により反応器下部からスラリーを緊急排出することができる。
システムには、パージライン(図示せず)も取り付けられている。パージラインは、起動前にシステム内の空気を除去するために存在する。パージラインは真空ポンプに接続することができ、これにより清浄な真空空間が形成され、化学反応が起こったときに後で水素ガスを充填することができる。
反応器は、最初の起動時又は立ち上げ時にのみエネルギー入力を必要とする。その後の高温高圧などの運転条件は、反応の発熱性と水素の製造と蒸気の膨張による圧力によって維持される。立ち上げのための初期エネルギー入力は、反応器自体の周りの電気バンドヘッダ、又は、蒸気ドラムの周りのシステム内で、液体水を加熱及び蒸気化するために供給され得るが、これに限定されない。天然ガスは、熱と蒸気を発生させるために蒸気ドラム/ボイラーシステムでも使用される場合がある。アルミニウム、又は派生合金、又は反応性金属を、周囲条件において二重促進剤溶液とともに使用して、熱と蒸気を発生させることもできる。これらの方法は、反応器を運転条件まで立ち上げるための方法の一部であり、どちらを使用するかはプロジェクトのニーズによって異なる。
反応器には、運転条件で二重促進剤溶液及びHO(g)蒸気と事前に混合されたアルミニウム、派生合金、又は他の反応性金属の連続流が供給されるため、反応は連続的に進行する。反応中に放出されるエネルギーは、反応を望ましい運転温度に保つために必要な熱を提供し、反応物(アルミニウム、派生合金、又は反応性金属)が投入される体積と直接相関する。この圧力は、存在する熱、注入される低圧蒸気、製造される水素に直接相関する。製造される水素は、プロセス中に酸化される反応物(アルミニウム、派生合金、又は反応性金属)の量に直接相関する。これらの変数はすべて、反応器に望ましい条件を作り出すために制御される。
図3を参照すると、典型的な運転期間は、反応器及び蒸気ドラムの温度が上昇する起動段階(C)を有することが知られていることが理解されるだろう。反応器内部の温度が好ましくは300℃から550℃の範囲に保たれる通常運転段階(S)と、反応器の電源を切る停止段階(D)。通常運転段階(S)の約300℃の運転温度では、反応は自己持続し、製造された水素ガスには貯蔵タンクから供給される余分な水流からの蒸気が含まれていることが分かっている。反応器の温度は、通常の運転期間中に追加の熱を必要とせずに反応が継続的に起こることを保証するように、十分に高く維持される。起動段階(C)は、反応器内に燃料ペレットを導入することによって短縮できる。例えば、燃料ペレットは、非常に細かいアルミニウム粉末を含むことが好ましい。微細なアルミニウム粉末は、水又は蒸気との反応性が高く、熱により、反応器の温度が作動条件に急速に近づき、反応が加速すると、爆発が発生することが知られている。通常運転(S)では、反応器の温度と圧力に応じてアルミニウム粉末が調整され、反応器に供給される。
図4は、蒸気とアルミニウム粉末との間の接触表面積(気相-固相接触)に関連した、水素製造システム内の水素の製造速度のグラフ表示を示す。専用の試験と実験とにより、接触表面積が水素の製造速度と反応の変換に関する重要な制御要素であることが判明した。蒸気に曝露されたアルミニウム粉末の接触表面積は、水素の製造速度と直線関係があることが判明した。従って、多かれ少なかれアルミニウムと蒸気の接触表面積が露出すると、システム内の水素の製造速度が増加又は減少する。
図5は、温度に対する水素製造システム内の水素の製造速度のグラフ表示を示す。専用の試験と実験とにより、化学反応によって得られる温度が水素の製造速度と収率に関する重要な制御パラメータであることが判明した。反応器の温度が上昇すると、水素ガスの製造速度が指数関数的に増加することが分かった。従って、反応器システムを使用して水素ガスの製造を調整するには、反応器の温度を注意深く監視し、安定した一定の製造速度を維持するように調整する必要がある。従って、生産システムを安全に制御するために、熱流体を抽出する温度計又は温度センサなどの制御機構が反応器システムに追加されている。反応器の温度が制御されていないと、反応器の壊滅的な故障につながる可能性がある。
図6は、促進剤濃度に対する水素製造反応器内の水素の製造速度のグラフ表示を示す。専用の試験と実験とにより、アルミニウム重量に対する二重促進剤の重量パーセントが、水素の製造速度と収率に関する重要な制御パラメータであることが判明した。水素の製造と二重促進剤の割合との間のこの関係は、対数的であることが判明した。試験の結果、一定の比率を下回る生産レベルは一貫性がなく、自己持続的ではないことが分かった。従って、反応器システムを使用して水素を適切且つ自己持続的に製造するには、オペレータは二重促進剤の一定の割合を維持する必要がある。
図7は、乾燥粉末混合時間に対する反応器システム内の水素の製造速度のグラフ表示を示す。専用の試験と実験とにより、乾燥アルミニウムと二重促進剤の混合時間が、水素の製造速度と収率に関する重要な制御パラメータであることが判明した。乾燥アルミニウム粉末と二重促進剤の混合時間は、5分超、15分以内であることが判明した。混合時間が15分を超えると、アルミニウム粉末が空気中の水分と反応し始めて熱を放出し、水素ガスが発生する。これは、反応物の調製プロセスにおいて好ましい状況ではない。ただし、アルミニウム粉末が促進剤とよく混合しない場合、反応物の完全な変換は達成できない。
反応性金属のいずれも、水素と熱エネルギーを製造するこの方法に使用することができる。いくつかの実施形態では、反応物は主に技術経済的な理由から選択され得る。さらに、技術経済的な理由から二重促進剤が選択される場合もある。ただし、他にも使用できるものがある。促進剤溶液の主な要素は、いくつか例を挙げると、ナトリウム、アルミニウム、スズ、マグネシウム、マンガンなどの反応性金属と結合した水酸化物塩基(OH)の必要性である。水酸化物促進剤は、反応性金属と結合してイオン性化合物となり、容易にイオン化される。HOのイオン化、つまり結合を弱めて極性粒子H+及びOH-を作り出すことは、電子の動きに大きな影響を与え、酸化と還元のプロセスに対する化学メカニズムであることが分かった。上述したように、イオン化促進剤は反応を高めるための鍵であり、促進剤/触媒、温度、圧力など、必要な熱力学的活性化エネルギーを構成するいくつかのレバーの1つとして機能する。これらは、必要な最小レベル又は濃度の点で反比例の関係にある。別のセクションで説明するPDSなど、他の要因が速度と効率に影響する。
本明細書に記載の現時点で好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることに留意されたい。このような変更及び修正は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、またそれに付随スル利点を損なうことなく行うことができる。
(付記)
(付記1)
二重促進剤の存在下でアルミニウム粉末と蒸気とを反応させることを含む、
水素ガスの製造方法。
(付記2)
前記アルミニウム粉末と蒸気とを反応させるステップは、約50℃の温度で開始される、
付記1に記載の方法。
(付記3)
前記アルミニウム粉末と蒸気とを反応させるステップは、140℃を超える温度で行われる、
付記1に記載の方法。
(付記4)
前記二重促進剤は、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムを含み、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムは、アルミニウム粉末の10重量%~30重量%の量である、
付記1に記載の方法。
(付記5)
前記水酸化ナトリウム対前記アルミン酸ナトリウムの比は、1:2~1:3である、
付記4に記載の方法。
(付記6)
ベーマイト及び/又はアルミナを製造するステップをさらに含む、
付記4に記載の方法。
(付記7)
少なくとも95%の水素製造効率で水素ガスを発生させるステップと、
副産物スラリーを発生させるステップと、をさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記8)
99%を超える純度の水素ガスを発生させるステップをさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記9)
水素ガスを発生させるステップと、
製造される水素1kgあたり122,000Btu又は35kWhを超える熱量の熱エネルギーを発生させるステップと、
をさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記10)
反応器を提供するステップをさらに含み、二重促進剤の存在下で前記アルミニウムと蒸気とを反応させるステップは、前記反応器内で実行される、
付記1に記載の方法。
(付記11)
前記反応器内の圧力を制御するように構成された圧力システムを提供するステップをさらに含み、前記圧力システムは、第1の運転サイクル後に最大2400psiの最大圧力を維持する、
付記10に記載の方法。
(付記12)
前記反応器内の温度及び圧力に応じて、前記反応器への前記アルミニウム粉末の流量制御と、蒸気流量の比例比制御と、を行うステップをさらに含む、
付記10に記載の方法。
(付記13)
前記アルミニウム粉末及び前記二重促進剤が乾燥固体粉末として提供され、前記蒸気が蒸気相で提供される、
付記1に記載の方法。
(付記14)
アルミニウム粉末と乾燥二重促進剤とを含む事前混合反応をさせるステップと、
前記反応物を反応器に分配するステップと、
蒸気を前記反応器に供給するステップと、
前記反応器内の温度及び圧力を制御するために、前記反応器に分配される前記反応物を制御するステップと、
を含む、
水素ガス、熱、電力、及び高価値の副産物の製造方法。
(付記15)
主高圧高温反応器と、
アルミニウム粉末と二重促進剤を供給するために前記反応器に接続された供給システムと、
前記反応器に接続された蒸気分配システムと、
前記反応器から副産物を取り出すためのスラリー制御システムと、
前記反応器内の温度と圧力を維持するように構成された制御システムと、
蒸気分離システムと、
を含む、
水素ガス、貴重な副産物、熱及び電力を製造する水素発生システム。
(付記16)
圧力安全調整システムをさらに含む、
付記15に記載の水素発生システム。
(付記17)
約1:2~約1:3の比でNaOHとNaAlOとを含む、
アルミニウム粉末からの水素ガスの触媒作用のための二重促進剤。
(付記18)
NaOH対NaAlOの比が1:2である、
付記17に記載の二重促進剤。

Claims (18)

  1. 二重促進剤の存在下でアルミニウム粉末と蒸気とを反応させることを含む、
    水素ガスの製造方法。
  2. 前記アルミニウム粉末と蒸気とを反応させるステップは、約50℃の温度で開始される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記アルミニウム粉末と蒸気とを反応させるステップは、140℃を超える温度で行われる、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記二重促進剤は、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムを含み、水酸化ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムは、アルミニウム粉末の10重量%~30重量%の量である、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記水酸化ナトリウム対前記アルミン酸ナトリウムの比は、1:2~1:3である、
    請求項4に記載の方法。
  6. ベーマイト及び/又はアルミナを製造するステップをさらに含む、
    請求項4に記載の方法。
  7. 少なくとも95%の水素製造効率で水素ガスを発生させるステップと、
    副産物スラリーを発生させるステップと、をさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  8. 99%を超える純度の水素ガスを発生させるステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  9. 水素ガスを発生させるステップと、
    製造される水素1kgあたり122,000Btu又は35kWhを超える熱量の熱エネルギーを発生させるステップと、
    をさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  10. 反応器を提供するステップをさらに含み、二重促進剤の存在下で前記アルミニウムと蒸気とを反応させるステップは、前記反応器内で実行される、
    請求項1に記載の方法。
  11. 前記反応器内の圧力を制御するように構成された圧力システムを提供するステップをさらに含み、前記圧力システムは、第1の運転サイクル後に最大2400psiの最大圧力を維持する、
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記反応器内の温度及び圧力に応じて、前記反応器への前記アルミニウム粉末の流量制御と、蒸気流量の比例比制御と、を行うステップをさらに含む、
    請求項10に記載の方法。
  13. 前記アルミニウム粉末及び前記二重促進剤が乾燥固体粉末として提供され、前記蒸気が蒸気相で提供される、
    請求項1に記載の方法。
  14. アルミニウム粉末と乾燥二重促進剤とを含む事前混合反応をさせるステップと、
    前記反応物を反応器に分配するステップと、
    蒸気を前記反応器に供給するステップと、
    前記反応器内の温度及び圧力を制御するために、前記反応器に分配される前記反応物を制御するステップと、
    を含む、
    水素ガス、熱、電力、及び高価値の副産物の製造方法。
  15. 主高圧高温反応器と、
    アルミニウム粉末と二重促進剤を供給するために前記反応器に接続された供給システムと、
    前記反応器に接続された蒸気分配システムと、
    前記反応器から副産物を取り出すためのスラリー制御システムと、
    前記反応器内の温度と圧力を維持するように構成された制御システムと、
    蒸気分離システムと、
    を含む、
    水素ガス、貴重な副産物、熱及び電力を製造する水素発生システム。
  16. 圧力安全調整システムをさらに含む、
    請求項15に記載の水素発生システム。
  17. 約1:2~約1:3の比でNaOHとNaAlOとを含む、
    アルミニウム粉末からの水素ガスの触媒作用のための二重促進剤。
  18. NaOH対NaAlOの比が1:2である、
    請求項17に記載の二重促進剤。
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