JP6904316B2 - 電力供給方法、電力供給システム - Google Patents

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Description

本開示は、電力供給方法及び電力供給システムに関する。本開示は、具体的にはテトラヒドロほう酸塩と水との反応から安定的かつ高効率に電力を供給するための方法、及びその方法を用いて電力を供給するためのシステムに関する。
テトラヒドロほう酸塩は水素エネルギー貯蔵材料として古くより研究されている。その特徴は高い体積エネルギー貯蔵密度、すなわち水素貯蔵密度であり、液化水素の体積エネルギー密度をも凌ぐ。テトラヒドロほう酸塩は、水を加えられるとほう酸塩に分解されると同時に水素を発生する。なお、この反応は発熱反応である。
テトラヒドロほう酸塩から水素を取り出し、得られた水素を用いて電力供給を効率的に行う方法が種々検討されている。例えば、取り出した水素を燃料電池で電力に変換するとともに、その際に生成される水を水素発生プロセスに利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−122888号公報
しかしながら、発明者らの知見によると、特許文献1に記載された技術では、反応系内で得られるエネルギーを効率よく活用できているとは言えず、また電力を安定的に供給することが困難であることも分かった。そのため、テトラヒドロほう酸塩を用いた場合における、産業応用の観点から満足のいく電力供給方法が見出されていないのが現状である。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、テトラヒドロほう酸塩を原料として安定的かつ高効率に電力を供給することができる新規な電力供給方法を提供することを目的とする。本開示はまた、当該方法を用いた新規な電力供給システムを提供することを目的とする。
本開示は、テトラヒドロほう酸塩及びA温度の第1温水を含む水溶液を調製する原液調製工程と、前記水溶液をB温度に保温されたリアクタ内で反応させて、水素及びメタほう酸塩水溶液を得る水素生成工程と、前記水素及び前記メタほう酸塩水溶液を分離する分離工程と、分離された前記水素及び酸素の反応により電力を得ると電力変換工程と、前記反応(水素及び酸素の反応)により生じる熱を用いて前記反応(水素及び酸素の反応)により生じる水からC温度の第2温水を得る温水生成工程と、分離された前記メタほう酸塩水溶液をD温度に保温された濃縮槽内で加熱し、濃縮されたメタほう酸塩水溶液を得る濃縮工程と、を備え、前記第2温水は前記リアクタ内をB温度に保温した後に、E温度の第3温水となり、前記第3温水は前記濃縮槽内をD温度に保温した後に、A温度の第1温水となり、前記第1温水は、前記原液調製工程に供される、電力供給方法を提供する。
本開示はまた、テトラヒドロほう酸塩及びA温度の第1温水を含む水溶液を調製する混合槽と、B温度に保温されており、前記水溶液を反応させて水素及びメタほう酸塩水溶液を得るリアクタと、前記水素及び前記メタほう酸塩水溶液を分離する分離槽と、分離された前記水素及び酸素の反応により電力を得るエネルギー変換器と、前記反応(水素及び酸素の反応)により生じる水を取り出す復水器と、D温度に保温されており、分離された前記メタほう酸塩水溶液を加熱する濃縮槽と、前記エネルギー変換器における前記反応(水素及び酸素の反応)により生じる熱を用いて該反応により生じる水からC温度の第2温水を得る第1熱交換器と、前記第2温水を用いて前記リアクタ内を前記B温度に保温し、かつE温度の第3温水を得る第2熱交換器と、前記第3温水を用いて前記濃縮槽内を前記D温度に保温し、かつA温度の前記第1温水を得る第3熱交換器と、を備える、電力供給システムを提供する。
従来の技術においては、系内で生じる水をテトラヒドロほう酸塩との反応に再利用するという思想は認められるものの、当該反応の温度までを系内で生じる水で調整するという思想は認められない。なお、仮に水素の発生量を上げようとしてテトラヒドロほう酸塩の供給量を増加させるとリアクタの温度が上昇しすぎてしまう。逆に、水素の発生量を下げようとしてテトラヒドロほう酸塩の供給量を減少させるとリアクタの温度が下降してしまう。水素生成反応における反応温度をコントロールすることで、安定的に高効率な水素発生、ひいては電力供給を実現することができる。
本開示の一態様において、A温度は、30〜50℃とすることができる。
本開示の一態様において、C温度は、30〜100℃とすることができる。
本開示の一態様において、B温度は、110〜120℃とすることができる。
本開示の一態様において、E温度は、90〜120℃とすることができる。
本開示のシステムの一態様において、エネルギー変換器は、燃料電池であってもよい。
本開示のシステムの一態様において、エネルギー変換器は、ガスタービン発電機であってもよい。
本開示によれば、テトラヒドロほう酸塩から安定的かつ高効率に電力を供給することができる新規な電力供給方法を提供することができる。本開示によれば、当該方法を用いた新規な電力供給システムを提供することができる。したがって本開示によれば、産業応用に非常に適した電力供給方法及び電力供給システムが提供されると言える。
本実施形態の電力供給システムの一例を示すフロー図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
<電力供給方法>
本実施形態の電力供給方法は、テトラヒドロほう酸塩と水との反応や、当該反応により生じる水素と酸素との反応により生じる、未利用熱エネルギー及び未利用純水を活用することを特徴とする。これにより、例えば水素発生リアクタの温度を最適な温度に保温するための手段を系内でまかなうことができる。
具体的には、本実施形態の電力供給方法は、テトラヒドロほう酸塩及びA温度の第1温水を含む水溶液を調製する原液調製工程と、前記水溶液をB温度に保温されたリアクタ内で反応させて、水素及びメタほう酸塩水溶液を得る水素生成工程と、前記水素及び前記メタほう酸塩水溶液を分離する分離工程と、分離された前記水素及び酸素の反応により電力を得る電力変換工程と、該反応により生じる熱を用いて該反応により生じる水からC温度の第2温水を得る温水生成工程と、分離された前記メタほう酸塩水溶液をD温度に保温された濃縮槽内で加熱し、濃縮されたメタほう酸塩水溶液を得る濃縮工程と、を備える。
(原液調製工程)
テトラヒドロほう酸塩としては、以下に例示したほう酸塩に対応する水素化物が挙げられる。例えば、ほう酸塩としてメタほう酸塩を用いた場合、NaBH(水素化ほう素ナトリウム)、KBH、LiBH、Ca(BH、Mg(BH等が挙げられる。本実施形態の電力供給方法は、テトラヒドロほう酸塩として水素化ほう素ナトリウムを好適に用いることができる。水素化ほう素ナトリウムを用いた場合、水との反応により下記式(1)に従い水素が生じる。
NaBH(s)+2HO+aq→NaBO(aq)+4H (1)
ほう酸塩の例:例えばメタほう酸塩、四ほう酸塩、五ほう酸塩等のほう酸塩が挙げられる。メタほう酸塩としては、例えばNaBO、KBO、LiBO、Ca(BO、Mg(BO等が挙げられる。四ほう酸塩としては、例えばNa、NaO・2BO、KO・B、Li、Mg等が挙げられる。五ほう酸塩としては、例えばNaB、NaO・5B、KB、KO・5B、LiB等が挙げられる。また、天然のほう酸塩鉱物であるNa・10HO、Na・4HO、Ca11・5HO、CaNaB・6HO、MgCl1730等を用いることもできる。入手容易性、入手コスト、化学的安定性、水素脱着容易性、水素貯蔵密度等の観点からは、ほう酸塩としてメタほう酸ナトリウムを用いることができる。
テトラヒドロほう酸塩は、混合槽での溶解を好適に実施するという観点から粉末状とすることができる。その際、テトラヒドロほう酸塩の平均粒子径は、1mm以下とすることができ、500μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。下限は特に限定されないが、5μmとすることができる。
本工程では、テトラヒドロほう酸塩を水に素早く溶解し、生成した水溶液をリアクタに素早く投入することで、リアクタ以外(例えば、テトラヒドロほう酸塩と水との溶液を生成する混合槽や、水溶液を送液する配管内など)での水素発生を抑制することができる。本来水素が発生して欲しく無い箇所での水素発生を極力防ぐことで、水素漏出などによる安全性の低下を防ぐとともに、水素利用率の向上などのメリットが生まれる。
ここで、水溶液生成において水の温度が(例えば常温並みに)低過ぎると、テトラヒドロほう酸塩が水に溶けるのに時間がかかってしまい、テトラヒドロほう酸塩が完全に溶け終わる頃には、相当量の水素がリアクタ外で発生してしまう虞がある。
一方で、水溶液生成において水の温度が(例えば沸点並みに)高すぎると、テトラヒドロほう酸塩は素早く水に溶けるが、テトラヒドロほう酸塩と水との反応も急速に進むため、水溶液をリアクタに輸液するまでの間に相当量の水素がリアクタ外で発生してしまう虞がある。
これらの観点に鑑み、本工程では、テトラヒドロほう酸塩に対し、A温度の第1温水を加える。水溶液生成に適した水温とする観点から、A温度は30〜50℃とすることができる。
水溶液中のテトラヒドロほう酸塩の含有量は特に制限されないが、水溶液の全質量を基準として10〜50質量%とすることができる。テトラヒドロほう酸塩が潤沢な水によって水溶液化されることで、水素生成工程にてメタほう酸塩を水溶液として得ることができる。
(水素生成工程)
原液調製工程にて得られたテトラヒドロほう酸塩水溶液がリアクタへ送液される。本工程では、B温度に保温されたリアクタ内で両者を反応させて、水素及びメタほう酸塩水溶液を得る。後述のとおり、リアクタは触媒を備えることが好ましい。
水素生成反応は発熱反応であるため、反応熱を制御しなければリアクタ内の温度が際限なく上昇してしまう。リアクタ内の温度が高過ぎる場合、水が触媒表面で瞬時に蒸発してしまい、テトラヒドロほう酸塩と水との反応が起き難くなる虞がある。また、水が触媒表面で瞬時に蒸発してしまうことで、メタほう酸塩が触媒表面に析出し、触媒表面を覆ってしまうことで、テトラヒドロほう酸塩と水との反応が起き難くなる虞がある。
一方、システム始動時にはリアクタと触媒の温度が低い。リアクタ内の温度が低過ぎる場合、テトラヒドロほう酸塩と水との反応効率が低下する虞がある。
これらの観点に鑑み、本工程では、リアクタ内の温度がB温度に保温されている。水素生成を好適に行う観点から、B温度は110〜120℃とすることができる。
(分離工程)
本工程では水素生成工程にて得られた水素及びメタほう酸塩水溶液を分離する。分離されたメタほう酸塩水溶液は濃縮槽へ送液される。水素は水分除去器(コンデンサ)や圧力調整器(レギュレータ)を適宜介して、エネルギー変換器へ送られる。
(電力変換工程)
本工程では分離工程により分離された水素及び酸素の反応により電力を得る。具体的には、エネルギー変換器において、水素が保有するエネルギーは大気中の酸素との反応で電力と熱に変換される。
(温水生成工程)
電力変換工程での上記反応により水が生成される。この生成水は純水である。得られた生成水は、システム全体で活用するために、復水器によって取り出される。具体的には、本工程にて、水素及び酸素の反応により生じる熱を用いて、当該反応により生じる水からC温度の第2温水を得る。第2温水はリアクタ内の温度調整に用いられる。リアクタ内をB温度に保温し易いという観点から、C温度は30〜100℃とすることができる。システム内における温水の流れはまとめて後述する。
(濃縮工程)
本工程では、分離工程において分離されたメタほう酸塩水溶液を、D温度に保温された濃縮槽内で加熱する。これにより、一部の水が蒸発により除去された、濃縮されたメタほう酸塩水溶液が得られる。
本実施形態において、テトラヒドロほう酸塩は水素源として他所から輸送供給される。一方で、メタほう酸塩は上記のとおり残渣として回収され、他所へ搬出輸送される。このとき、メタほう酸塩水溶液の濃度が低いとメタほう酸塩の回収輸送効率が低下してコストアップ要因となるため、本工程にてメタほう酸塩水溶液の水分量を減少させて濃縮することは、産業上応用上非常に意味のあることである。
このような観点から、D温度は80〜100℃とすることができる。
(温水の流れ)
温水生成工程にて得られた第2温水は、水素生成工程に供され、リアクタ内をB温度に保温する。その後、C温度の第2温水は、E温度の第3温水となる。E温度は90〜120℃とすることができる。したがって、本実施形態では、第3温水は水蒸気であってもよい。
第3温水は、濃縮工程に供され、濃縮槽内をD温度に保温する。その後、E温度の第3温水は、A温度の第1温水となる。A温度は、上記のとおり30〜50℃とすることができる。
第1温水は再利用され、上記の原液調製工程に供される。
なお、第1温水を得るための純水源を別途用意すると、水道設備や純水製造設備が必要となり、設備コスト増となる問題がある。同じく、第1温水を得るための熱エネルギー源を別途用意すると、設備コスト増となる問題とともにランニングコスト増となる問題がある。一方、本実施形態では、純水源として水素と酸素との反応により生成される生成水を活用し、また熱エネルギー源としては当該反応やテトラヒドロほう酸塩と水との反応により生じる廃熱を活用することで、安定的にかつ効率よく電力供給をすることができる。
<電力供給システム>
本実施形態の電力供給システムは、テトラヒドロほう酸塩及びA温度の第1温水を含む水溶液を調製する混合槽と、B温度に保温されており、前記水溶液を反応させて水素及びメタほう酸塩水溶液を得るリアクタと、前記水素及び前記メタほう酸塩水溶液を分離する分離槽と、分離された前記水素及び酸素の反応により電力を得るエネルギー変換器と、前記反応により生じる水を取り出す復水器と、D温度に保温されており、分離された前記メタほう酸塩水溶液を加熱する濃縮槽と、前記エネルギー変換器における前記反応により生じる熱を用いて該反応により生じる水からC温度の第2温水を得る第1熱交換器と、前記第2温水を用いて前記リアクタ内を前記B温度に保温し、かつE温度の第3温水を得る第2熱交換器と、前記第3温水を用いて前記濃縮槽内を前記D温度に保温し、かつA温度の前記第1温水を得る第3熱交換器と、を備える。
図1は、本実施形態の電力供給システム100の一例を示すフロー図である。同図を用いて、本実施形態の電力供給システム100を概説する。
貯蔵タンク10には運搬可能なカートリッジタンク(図示せず)が複数内蔵されており、カートリッジタンクにはテトラヒドロほう酸塩が貯蔵されている。テトラヒドロほう酸塩は適量ずつ切り出され、混合槽20へ送り出される。
混合槽20には撹拌器が取り付けられている。混合槽20へは、配管で連結された貯蔵タンク10からテトラヒドロほう酸塩が送り出されてくる。また、混合槽20へは、配管で連結された第3熱交換器51から、A温度の第1温水W1が送り出されてくる。混合槽20ではテトラヒドロほう酸塩と第1温水W1が撹拌器で撹拌され、テトラヒドロほう酸塩水溶液が製造される。テトラヒドロほう酸塩水溶液は、その後リアクタ30へ送り出される。
リアクタ30には、第2熱交換器31と、好ましくはラネーニッケル触媒とが内蔵されている。リアクタ30へは、配管で連結された混合槽20からテトラヒドロほう酸塩水溶液が送り出されてくる。リアクタ30内では、テトラヒドロほう酸塩と水とがラネーニッケル触媒の作用により急速に反応し、メタほう酸塩水溶液及び水素が発生する。発生したメタほう酸塩水溶液及び水素は分離槽40に送り出される。
第2熱交換器31には隔壁によって隔離された流路が設けられており、流路には第2温水W2がテトラヒドロほう酸塩水溶液と混合しないように通水されている。第2熱交換器31と第2温水W2の作用により、リアクタ30内をB温度に保温することができる。第2熱交換器31を通った第2温水W2は、E温度の第3温水W3として第3熱交換器51に送り出される。
分離槽40へは、配管で連結されたリアクタ30からメタほう酸塩水溶液と水素が送り出されてくる。分離槽40では比重差によって、下方にメタほう酸塩水溶液が、上方に水素が分離滞留する。水素は水分除去器60へ送り出され、メタほう酸塩水溶液は濃縮槽50へ送り出される。なお、リアクタ30内で生成される水素量とエネルギー変換器70で消費される水素量がバランスしない場合、分離槽40は水素の需給調整をするバッファの役割を果たすことができる。
濃縮槽(残渣濃縮槽)50には第3熱交換器51が内蔵されている。濃縮槽50へは、配管で連結された分離槽40からメタほう酸塩水溶液が送り出されてくる。濃縮槽50では第3熱交換器51によってメタほう酸塩水溶液が加熱濃縮され、水蒸気は外部に排出される。濃縮されたメタほう酸塩水溶液は貯蔵タンク10内の空きカートリッジタンクに送り出され、回収される。
第3熱交換器51には隔壁によって隔離された流路が設けられており、流路には第3温水W3がメタほう酸塩水溶液と混合しないように通水されている。第3熱交換器51と第3温水W3の作用により、濃縮槽50内をD温度に保温することができる。これにより、濃縮槽50内のメタほう酸塩水溶液を加熱濃縮することができる。第3熱交換器51を通った第3温水W3は第1温水W1として再利用され、混合槽20に送り出される。
水分除去器60へは、配管で連結された分離槽40から水素が送り出されてくる。この水素は水分を大量に含んでいる。水分除去器60には放熱器が内蔵されており、この放熱器で水素を冷却することで水分を液化して、水素と水分とを分離する。水分が除去された水素はエネルギー変換器70に送り出され、分離された水分は外部に排出される。なお、システムの始動時にはリアクタ30内での水素生成が行われていないため、分離槽40に予め存在させておいた水素を水分除去器60へ送り出すことでシステムを始動する。
エネルギー変換器70へは、配管で連結された水分除去器60から水素が送り出されてくる。この際、水素の圧力は圧力調整器(図示せず)により調整されてもよい。この水素は水分除去器で水分が除去されており、燃料として適度な水分含有量となっている。エネルギー変換器70では水素と酸素との反応により発電と熱発生がなされるとともに水分が生成される。エネルギー変換器70には復水器71と第1熱交換器72が設けられており、エネルギー変換器70で生成される水分は復水器71で液化され生成水となり、第1熱交換器72に送られる。エネルギー変換器70で発生した熱を使って第1熱交換器72で生成水が加熱され、C温度の第2温水W2となる。第2温水W2は、第2熱交換器31に送り出される。
エネルギー変換器70としては、燃料電池、ガスタービン発電機等が挙げられる。
エネルギー変換器70で発電された直流電力はパワーコンディショナー80に送電される。このとき、需要側の電力要求量に対してエネルギー変換器70での発電量に過不足があれば、蓄電池90から電力の充放電が実施され、需要側の電力要求量を満たす。パワーコンディショナー80は直流電力を交流電力に変換して需要側に電力を送電する。蓄電池90としては、化学2次電池に限らず、キャパシタ、フライホイール等の電気エネルギーを何らかの形態で蓄えることができるものを利用することができる。
以下、実施例により本開示をさらに詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
図1に示すシステムを用いて電力の供給実験を行った。1.2kW燃料電池を運転して発電することを想定し、システムを構築した。各構成の詳細を以下に示す。
貯蔵タンク:合計30kgの水素化ほう素ナトリウム粉末(キシダ化学株式会社製、含量97重量%)を貯蔵した。水素化ほう素ナトリウムは貯蔵タンク内に設けられたカートリッジタンクに3kgずつ小分けにして準備した。
混合槽:SUS316製とし、内容積0.055Lの縦置円筒形状とした。
リアクタ:SUS316製とし、内径26mmの縦置円筒形状とした。リアクタにはラネーニッケル触媒(直径1.5〜4mm、密度2g/cm)を40g内蔵した。
分離槽:SUS316製とし、内容積10Lの横置円筒形状とした。
燃料電池:バラード社製固体高分子型燃料電池を用いた。
カートリッジタンクから水素化ほう素ナトリウムを8g/minの速度で切り出し、混合槽20へ送り出した。それと同時に、混合槽20へは32mL/minの速度で40℃の第1温水W1が送り出された。混合槽20にて40mL/minの速度で水素化ほう素ナトリウム水溶液が製造された。この水素化ほう素ナトリウム水溶液の濃度は約20質量%であった。混合槽20にて製造された水素化ほう素ナトリウム水溶液は配管を通じてリアクタ30へ送り出された。
リアクタ30へは40mL/minの速度で、20質量%の水素化ほう素ナトリウム水溶液が送り出された。リアクタ30内では水素化ほう素ナトリウムと水とが反応し、メタほう酸ナトリウム及び水素が生成した。メタほう酸ナトリウム水溶液の生成速度は32mL/minであり、水素の生成速度は21NL/minであった。水素とメタほう酸ナトリウムは配管を通じて全量が分離槽40へ送り出された。なお、リアクタ30及びリアクタ内部の触媒は、第2熱交換器31内を通水している90℃の第2温水W2によって110〜120℃の範囲内で常時保温された。
分離槽40へは32mL/minの速度でメタほう酸ナトリウム水溶液と、21NL/minの速度で水素が送り出された。分離槽40ではメタほう酸ナトリウムが下方に滞留し、水素が上方に滞留した。分離槽40内部の圧力は0.1〜0.9MPaの範囲で変動した。これは燃料電池での水素消費量(発電量)が一定でなかったため、リアクタ30内で生成される水素量と燃料電池で消費される水素量がバランスしなかったことで、分離槽40に水素が滞留することがあったためである。水素は分離槽40上部に設けられた配管を通じて水分除去器60へ送り出された。メタほう酸ナトリウム水溶液は分離槽40下部に設けられた配管を通じて濃縮槽50へ送り出された。
濃縮槽50へは32mL/minの速度でメタほう酸ナトリウム水溶液が送り出された。なお、濃縮槽50内部のメタほう酸ナトリウム水溶液は、第3熱交換器51を通水している115℃の第3温水W3によって95〜100℃の範囲内で常時保温された。これにより、メタほう酸ナトリウム水溶液に含まれる水分が蒸発し、水蒸気は濃縮槽50上部の排出口より排出された。メタほう酸ナトリウム水溶液は濃縮され、容積が約4分の1に減少した。濃縮されたメタほう酸ナトリウム水溶液は濃縮槽50下部に設けられた配管を通じて、空のカートリッジタンクへ送り出され、回収された。
水分除去器60へは平均して21NL/minの速度で水素が送り出されたが、この水素は飽和量の水蒸気を含んでいた。水分除去器60は空冷放熱器であり、冷却効果によって水素に含まれた水蒸気を結露させて水分を取り除いた。一定量の水がたまった時点で、水分除去器60の下方に設けられた排出口より水を排出した。水分除去器60で水分を取り除かれた水素は圧力調整器を介して燃料電池へ送り出された。
燃料電池へは、圧力調整器で減圧された0.1〜0.2MPaの水素が平均して21NL/minの速度で送り出された。燃料電池では平均して1.2kWの発電出力が得られた。
燃料電池には燃料電池で生成される水を液化する復水器71と、復水器で液化した水を燃料電池の排熱で加熱する第1熱交換器72を設けた。復水器71で生成され、第1熱交換器72で加熱された水は、90℃の第2温水W2として第2熱交換器31へ送り出され、再利用された。
このように、本開示によれば、テトラヒドロほう酸塩を原料として安定的かつ高効率に電力を供給することができる新規な電力供給方法及び電力供給システムが提供される。
10…貯蔵タンク、20…混合槽、30…リアクタ、31…第2熱交換器、40…分離槽(水素バッファ)、50…濃縮槽、51…第3熱交換器、60…水分除去器、70…エネルギー変換器、71…復水器、72…第1熱交換器、80…パワーコンディショナー(DC/AC変換器)、90…蓄電池(バッファ)、W1…第1温水、W2…第2温水、W3…第3温水。

Claims (12)

  1. テトラヒドロほう酸塩及びA温度の第1温水を含む水溶液を調製する原液調製工程と、
    前記水溶液をB温度に保温されたリアクタ内で反応させて、水素及びメタほう酸塩水溶液を得る水素生成工程と、
    前記水素及び前記メタほう酸塩水溶液を分離する分離工程と、
    分離された前記水素及び酸素の反応により電力を得ると電力変換工程と、
    前記反応により生じる熱を用いて前記反応により生じる水からC温度の第2温水を得る温水生成工程と、
    分離された前記メタほう酸塩水溶液をD温度に保温された濃縮槽内で加熱し、濃縮されたメタほう酸塩水溶液を得る濃縮工程と、を備え、
    前記第2温水は前記リアクタ内をB温度に保温した後に、E温度の第3温水となり、
    前記第3温水は前記濃縮槽内をD温度に保温した後に、A温度の第1温水となり、
    前記第1温水は、前記原液調製工程に供される、電力供給方法。
  2. 前記A温度は、30〜50℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記C温度は、30〜100℃である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記B温度は、110〜120℃である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記E温度は、90〜120℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. テトラヒドロほう酸塩及びA温度の第1温水を含む水溶液を調製する混合槽と、
    B温度に保温されており、前記水溶液を反応させて水素及びメタほう酸塩水溶液を得るリアクタと、
    前記水素及び前記メタほう酸塩水溶液を分離する分離槽と、
    分離された前記水素及び酸素の反応により電力を得るエネルギー変換器と、
    前記反応により生じる水を取り出す復水器と、
    D温度に保温されており、分離された前記メタほう酸塩水溶液を加熱する濃縮槽と、
    前記エネルギー変換器における前記反応により生じる熱を用いて該反応により生じる水からC温度の第2温水を得る第1熱交換器と、
    前記第2温水を用いて前記リアクタ内を前記B温度に保温し、かつE温度の第3温水を得る第2熱交換器と、
    前記第3温水を用いて前記濃縮槽内を前記D温度に保温し、かつA温度の前記第1温水を得る第3熱交換器と、を備える、電力供給システム。
  7. 前記エネルギー変換器は、燃料電池である、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記エネルギー変換器は、ガスタービン発電機である、請求項6に記載のシステム。
  9. 前記A温度は、30〜50℃である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記C温度は、30〜100℃である、請求項6〜9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 前記B温度は、110〜120℃である、請求項6〜10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記E温度は、90〜120℃である、請求項6〜11のいずれか一項に記載のシステム。
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