JP2024519578A - 新規タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、外表面に外来ペプチドが融合し、ヒトトランスフェリン受容体への結合力が減少するように突然変異したフェリチンタンパク質に関し、様々な外来ペプチド由来の活性を示すことができるタンパク質に関する。【選択図】図7

Description

本発明は新規タンパク質に関する。
薬物送達システムとは、医薬品の副作用を最小限に抑え、効能及び効果を極大化し、必要な量の薬物、例えば、タンパク質、核酸又はその他の低分子などを効率よく送達する医薬技術を意味する。新薬開発に必要なコストと時間を低減する効果を有する前記技術は、最近になってナノテクノロジーと結合し、医薬系において新たな付加価値を創出する先端技術の一分野として位置づけている。米国と日本などの技術先進国では、去る80年代後半から、製薬会社などの企業を中心に新薬開発とともに薬物送達システムの開発に全力を注いでいる。
これまでは、ウイルス遺伝子、組換えタンパク質、リポソーム(liposome)、陽イオン性高分子、並びに様々な形態のナノ粒子とナノ物質が、動物細胞内への薬物送達に使用されてきた。しかし、多くの陽イオン性リポソームと陽イオン性高分子は、細胞に強い毒性を示すため、臨床に適用するには不適なことが判明した。また、核酸の安定な細胞膜透過のために、核酸の主鎖を化学的に変形する方法も試みられた。しかし、この方法は、高コストで長時間がかかり、労働集約的な工程を必要とするため、臨床への適用には適していない。意味のある試みとして、量子ドット、磁性粒子又は金ナノ粒子を含む様々な形態のナノ粒子を用いる薬物送達システム(drug delivery system、DDS)が開発されている。しかし、これらの粒子は、細胞に毒性を示し、核酸などの生体高分子を導入するのに容易でない構造を有し、また細胞内への導入効率も低いという欠点があった。
細胞内におけるタンパク質/ペプチドの機能の研究または細胞内送達のためには、効率いい送達システムが必要となる。しかしながら、広範なタンパク質/ペプチドを送達できる汎用的な送達システム、多量のタンパク質/ペプチドを収容及び送達できるシステムの開発は、まだ不十分な状況である。
本発明は、外表面に外来ペプチドが融合し、ヒトトランスフェリン受容体への結合力が減少するように突然変異した新規なタンパク質を提供することを目的とする。
本発明は、前記タンパク質を含む薬学組成物を提供することを目的とする。
本発明は、外表面に外来ペプチドが融合し、ヒトトランスフェリン受容体への結合力が減少するように突然変異した免疫チェックポイント分子と結合可能な分子が融合したフェリチンタンパク質を提供する。
前記外来ペプチドは、薬理活性ペプチドであってもよい。
前記外来ペプチドは、前記免疫チェックポイント分子と結合可能なリガンドまたはリガンドの断片、受容体または受容体の断片、抗体または抗原結合部位(CDR)を含む抗体の断片;または疾患抗原エピトープであってもよい。
前記免疫チェックポイント分子は、Her-2/neu、VISTA、4-1BBL、ガレクチン9(Galectin-9)、アデノシンA2a受容体(Adenosine A2a receptor)、CD80、CD86、ICOS、ICOSL、BTLA、OX-40L、CD155、BCL2、MYC、PP2A、BRD1、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT、CBP、E2F1、MDM2、MDMX、PPP2CA、PPM1D、STAT3、IDH1、PD1、CTLA4、PD-L1、PD-L2、LAG3、TIM3、TIGIT、BTLA、SLAMF7、4-1BB、OX-40、ICOS、GITR、ICAM-1、BAFFR、HVEM、LFA-1、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、LAIR1、2B4、CD2、CD3、CD16、CD20、CD27、CD28、CD40L、CD48、CD52、EGFRファミリー、AXL、CSF1R、DDR1、DDR2、EPH受容体ファミリー、FGFRファミリー、VEGFRファミリー、IGF1R、LTK、PDGFRファミリー、RET、KIT、KRAS、NTRK1およびNTRK2からなる群より選択されるいずれかであってもよい。
前記抗原結合部位は、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3からなる群より選択されるいずれかであってもよい。
前記疾患抗原エピトープは、gp100、MART-1、Melna-A、MAGE-A3、MAGE-C2、マンマグロビンA(Mammaglobin-A)、プロテイナーゼ3(proteinsase-3)、ムチン1(mucin-1)、HPV E6、LMP2、PSMA、GD2、hTERT、PAP、ERG、NA17、ALK、GM3、EPhA2、NA17-A、TRP-1、TRP-2、NY-ESO-1、CEA、CA 125、AFP、サバイビン (Survivin)、AH1、ras、G17DT、MUC1、Her-2/neu、E75、p53、PSA、HCG、PRAME、WT1、URLC10、VEGFR1、VEGFR2、E7、チロシナーゼ(Tyrosinase)ペプチド、B16F10、EL4、ネオアンチゲン(neoantigen)およびGV1001からなる群より選択されるものであってもよい。
本発明のフェリチンタンパク質は、前記外来ペプチドが融合したフェリチン単量体24個が自己集合してなる球状のタンパク質であってもよい。
本発明において、前記外来ペプチドは、フェリチン単量体の隣接するαヘリックスの間の少なくとも1つに融合することができる。
本発明において、前記外来ペプチドは、フェリチン単量体のN末端またはC末端に融合することができる。
本発明において、前記外来ペプチドは、フェリチン単量体のABループ、BCループ、CDループまたはDEループに融合することができる。
本発明において、前記外来ペプチドは、フェリチン単量体のN末端とAヘリックスの間、またはEヘリックスとC末端の間に融合することができる。
本発明のフェリチンタンパク質は、配列番号1の配列において、15番、16番、23番、82番、84番、117番、120番または124番のアミノ酸がアラニン、グリシン、バリンまたはロイシンで置換されたものであってもよい。
本発明のフェリチンタンパク質は、トランスフェリン受容体への結合力(K)が下記数学式1を満たすことができる。
(式中、K=[P][T]/[PT]であり、ここで、[P]は、フェリチンタンパク質とトランスフェリン受容体との結合反応の平衡状態におけるフェリチンタンパク質の濃度を示し、[T]は、前記平衡状態におけるトランスフェリン受容体の濃度を示し、[PT]は、前記平衡状態におけるフェリチンタンパク質とトランスフェリン受容体の複合体の濃度を示す。)
本発明における前記トランスフェリン受容体への結合力は、ヒトトランスフェリン受容体への結合力であってもよい。
本発明におけるフェリチンは、ヒトフェリチン重鎖であってもよい。
本発明のフェリチンタンパク質は、大腸菌生産システムにおいて40%以上が水溶性分画として存在してもよい。
本発明のタンパク質は、ヒトトランスフェリン受容体への結合力が低下し、外来ペプチド由来の活性を十分に示すことができる。
本発明のタンパク質は、外来ペプチドが多数融合することができ、その外来ペプチド自体と比較してより強化された活性を示すことができる。
本発明のタンパク質は、生体適合性と安全性に優れ、炎症反応または免疫原性誘発の可能性が非常に低い。
図1は、野生型(wild type)(native)のヒトフェリチン重鎖(huHF)およびミュータント(mutant)ヒトフェリチン重鎖タンパク質を製造する基本ベクターの模式図である。 図2は、huHF_Mutant1-dualを製造するベクターの模式図およびそのフェリチンタンパク質の製造を確認できる図である。 図3は、huHF_Mutant1-h_smPD1を製造するベクターの模式図およびそのフェリチンタンパク質の製造を確認できる図である。 図4は、huHF_native-h_smPD1のヒトトランスフェリン受容体に対する結合力の評価結果である。 図5は、huHF_Mutant-h_smPD1のヒトトランスフェリン受容体に対する結合力の評価結果である。 図6は、huHF_Mutant1-dualのヒトトランスフェリン受容体に対する結合力の評価結果である。 図7は、huHF_Mutant1-dual、huHF_Mutant2-dualのヒトトランスフェリン受容体に対する結合力の評価結果である。 図8は、huHF_mutant1-dual処理によるNK細胞と癌細胞との結合能の評価結果である。 図9は、huHF_mutant1-dual処理によるNK細胞と癌細胞との結合能の評価結果である。 図10は、huHF_mutant1-dual処理によるNK細胞と癌細胞との結合能の評価結果である。 図11は、huHF_mutant1-dual処理によるNK細胞の癌細胞死滅能の評価結果である。 図12は、LLC1肺癌動物モデルの製造および腫瘍抑制実験の概要図である。 図13は、huHF_mutant1-dual処理による腫瘍成長抑制の評価結果である。 図14は、huHF_mutant1-dual処理による腫瘍成長抑制の評価結果である。 図15は、huHF_mutant1-dualの肺癌細胞株A549に対するアビディティ(avidity)の評価結果である。 図16は、huHF_mutant1-dualの肺癌細胞株A549に対するアビディティ(avidity)の評価結果である。 図17は、huHF_mutant1-dualの肺癌細胞株A549に対するアビディティ(avidity)の評価結果である。 図18は、huHF_mutant1-dualまたはこれと抗癌剤の併用時のLLC1肺癌動物モデルにおける腫瘍成長抑制の評価結果である。
本発明は、外表面に外来ペプチドが融合し、ヒトトランスフェリン受容体への結合力が減少するように突然変異した免疫チェックポイント分子と結合可能な分子が融合されたフェリチンタンパク質に関する。
フェリチン(Ferritin)は、ヒト、動物および微生物に由来するフェリチンであってもよい。
ヒトフェリチンは、重鎖(heavy chain、21kDa)と軽鎖(light chain、19kDa)で構成され、前記フェリチンを成している単量体の自己集合能によって球状のナノ粒子を形成する特性を示す。フェリチンは、24個の単量体が集まって球状の立体構造を有する自己集合体を形成することができる。
ヒトフェリチンの場合は、外径が約12nm、内径が約8nmである。フェリチン単量体の構造は、5つのαヘリックス構造、すなわちAヘリックス、Bヘリックス、Cヘリックス、DヘリックスおよびEヘリックスが順次連結された形態であり、ループ(loop)と呼ばれる各々のαヘリックス構造のポリペプチドを連結する非定型ポリペプチド部分を含む。
ループは、フェリチンにペプチドまたは小さいタンパク質抗原などが挿入されても構造的に壊れない領域(region)である。ここにペプチドを、クローニングを用いて融合させることにより、フェリチンの単量体にエピトープなどのペプチドが位置するペプチド-フェリチン融合タンパク質単量体を製造することができる。AヘリックスとBヘリックスを連結するループをABループ、BヘリックスとCヘリックスを連結するループをBCループ、CヘリックスとDヘリックスを連結するループをCDループ、DヘリックスとEヘリックスを連結するループをDEループとする。
フェリチンの情報はNCBIに公知になっている(GenBank Accession No.NM_000146、NM_002032など)。
フェリチンはフェリチン重鎖であってもよく、具体的にはヒトフェリチン重鎖であってもよい。ヒトフェリチン重鎖は「huHF」と混用して用いられる。
フェリチンタンパク質はフェリチン単量体であってもよい。そのため、フェリチン重鎖単量体であってもよく、ヒトフェリチン重鎖単量体であってもよい。
フェリチンは、その単量体のいくつかが自己集合して、組織的な構造またはパターンを形成する。本発明のフェリチンタンパク質はナノスケールの粒子である。例えば、免疫チェックポイント分子と結合可能な分子が融合したフェリチン単量体24個が自己集合し、フェリチンタンパク質を形成することができる。
本発明のフェリチンタンパク質は球状であってもよい。球状の場合、例えばその粒径は8~50nmであってもよい。より具体的には、8nm~50nm、8nm~45nm、8nm~40nm、8nm~35nm、8nm~30nm、8nm~25nm、8nm~20nm、8nm~15nmであってもよい。
本発明のフェリチンタンパク質は、外表面に外来ペプチドが融合したものである。外来ペプチドは、フェリチンに対する外来ペプチドであってもよい。フェリチンタンパク質の外表面に外来ペプチドが融合していればよく、フェリチンタンパク質をなす全てのフェリチン単量体に外来ペプチドが融合している必要はない。
例えば、外来ペプチドが融合したフェリチン単量体24個が自己集合してフェリチンタンパク質を形成するとき、24個のフェリチン単量体のうちの少なくとも1個のフェリチン単量体に外来ペプチドが融合していればよい。フェリチンタンパク質の外表面の免疫チェックポイント分子と結合可能な分子の密度を高めるために、24個のフェリチン単量体のすべてに外来ペプチドを融合することができる。
フェリチンタンパク質をなす各フェリチン単量体には、免疫チェックポイント分子と外来ペプチドを1種または2種以上融合することができる。フェリチンタンパク質をなす各フェリチン単量体は、互いに異なる外来ペプチドが融合していてもよい。
外来ペプチドは、薬理活性ペプチドであってもよい。薬理活性を有するものであれば、いずれのペプチドでも制限なく使用することができ、例えば、免疫チェックポイント分子と結合可能なリガンドまたはリガンドの断片、受容体または受容体の断片、抗体または抗原結合部位(CDR)を含む抗体の断片;または疾患抗原エピトープであってもよい。
免疫チェックポイント分子(Immune checkpoint molecule)は、T細胞に結合してT細胞を不活性化する役割を果たす。この免疫チェックポイント分子は、例えば、Her-2/neu、VISTA、4-1BBL、ガレクチン9(Galectin-9)、アデノシンA2a受容体(Adenosine A2a receptor)、CD80、CD86、ICOS、ICOSL、BTLA、OX-40L、CD155、BCL2、MYC、PP2A、BRD1、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT、CBP、E2F1、MDM2、MDMX、PPP2CA、PPM1D、STAT3、IDH1、PD1、CTLA4、PD-L1、PD-L2、LAG3、TIM3、TIGIT、BTLA、SLAMF7、4-1BB、OX-40、ICOS、GITR、ICAM-1、BAFFR、HVEM、LFA-1、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、LAIR1、2B4、CD2、CD3、CD16、CD20、CD27、CD28、CD40L、CD48、CD52、EGFRファミリー、AXL、CSF1R、DDR1、DDR2、EPH受容体ファミリー、FGFRファミリー、VEGFRファミリー、IGF1R、LTK、PDGFRファミリー、RET、KIT、KRAS、NTRK1、NTRK2などであってもよい。
免疫チェックポイント分子と結合可能な分子は、免疫チェックポイント分子と結合可能なリガンドまたはリガンドの断片、受容体または受容体の断片、抗体または抗原結合部位(CDR)を含む抗体の断片であってもよい。
抗体は、CDR(complementarity-determining regions)を有する全ての抗体であってもよく、IgA、IGD、IgE、IgG、IgM、IgY、IgWクラス等に属する全ての抗体、その抗原結合断片、scFvなどを含むことができる。
例えば、抗体は、疾患抗原の抗体、免疫チェックポイント分子に対する抗体、診断、予測、評価などの目的で検出しようとする抗原に対する抗体、疾患の治療標的となる抗原の抗体などであってもよい。
疾患抗原は、免疫応答によって予防、治療、緩和または改善できる全ての疾患の抗原であってもよい。例えば、疾患抗原は、癌細胞、病原体細胞、または病原体に感染した細胞の細胞表面抗原であってもよい。疾患抗原の抗原特異性を決定する特定の部位が疾患抗原エピトープである。
疾患は、抗体によって治療できる全ての疾患を含み、例えば、感染性疾患、癌、炎症性疾患などであってもよい。
感染性疾患は、例えばウイルス、細菌、真菌、寄生虫またはプリオン感染症であってもよい。
炎症性疾患は、例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、自己免疫疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛症、痛風性関節炎、変形性関節症、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、関節リウマチ、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性強皮症(皮膚硬化症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、類天疱瘡、糖尿病(例えば、1型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー病、混合性結合組織病、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常型間質性肺炎、石綿肺症、珪肺症、気管支拡張症、ベリリウム肺症、滑石症、塵肺症、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、巨細胞性間質性肺炎、細胞性間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および関連形態の血管炎(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚病、肝炎、遅延型過敏反応(例えば、ツタウルシ過敏症)、肺炎、気道の炎症、成人呼吸窮迫症候群、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流障害、同種移植片拒絶、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸管炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、中耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、睾丸炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性腸炎を含む。
癌は、例えば、脳癌、頭頸部癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、白血病、肺癌、肝癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、血管腫瘍、扁平細胞癌種、腺癌種、小細胞癌種、黒色腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、肉腫、喉頭癌、耳下腺癌、胆道癌、甲状腺癌、日光角化症、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌、腺腫、腺扁平上皮癌腫、肛門管癌、肛門癌、肛門直腸癌、星細胞腫、バルトリン腺癌、基底細胞癌腫、胆汁癌、骨癌、骨髄癌、気管支癌、気管支腺癌腫、カルチノイド、胆管癌腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、淡明細胞癌腫、結合組織癌、嚢腺腫、消化器系癌、十二指腸癌、内分泌系癌、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜増殖症、子宮内膜様腺癌、内皮細胞癌、上衣腫、上皮細胞癌、眼窩癌、局所性結節性過形成、胆嚢癌、幽門洞癌、胃基底部癌、ガストリノーマ、膠芽腫、グルカゴノーマ、心臓癌、血管芽細胞腫、血管内皮腫、血管腫、肝腺腫、肝腺腫症、肝胆道癌、肝細胞癌腫、ホジキン病、回腸癌、インスリノーマ、上皮内新生物、上皮内扁平細胞新生物、肝内胆道癌、浸潤性扁平細胞癌腫、空腸癌、関節癌、骨盤癌、巨細胞癌腫、大腸癌、リンパ腫、悪性中皮腫、髄芽腫、髄質上皮腫、脳膜癌、中皮癌、転移性癌腫、口腔癌、粘表皮癌、多発性骨髄腫、筋肉癌、鼻腔癌、神経系癌、非上皮皮膚癌、非ホジキンリンパ腫、燕麦細胞癌、乏突起膠腫、口腔癌、骨肉腫、漿液性乳頭状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、下垂体腫瘍、形質細胞性腫瘍、偽肉腫、肺芽腫、直腸癌、腎細胞癌腫、呼吸器系癌、網膜芽細胞腫、漿液性癌、副鼻腔癌、皮膚癌、小細胞癌、小腸癌、平滑筋肉腫、軟部組織癌、ソマトスタチノーマ、脊椎癌、扁平細胞癌、線条筋肉癌、中皮細胞下層癌、T細胞白血病、舌癌、尿管癌、尿道癌、子宮頸癌、子宮体癌、膣癌、VIPoma、外陰部癌、高分化癌、およびウィルムス腫瘍からなる群より選択される癌であってもよい。
炎症性疾患抗原は、例えば、炎症性サイトカインであってもよい。例えば、ヒト成長ホルモン(human growth hormone)、N-メチオニルヒト成長ホルモン(N-methionyl human growth hormone)およびウシ成長ホルモン(bovine growth hormone)などの成長ホルモン;副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone);チロキシン(thyroxine);インシュリン(insulin);プロインシュリン(proinsulin);リラキシン(relaxin);プロリラキシン(prorelaxin);卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone、FSH)、甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone、TSH)および黄体形成ホルモン(luteinizing hormone、LH)などの糖タンパク質ホルモン;肝臓増殖因子(hepatic growth factor);線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor);プロラクチン(prolactin);胎盤性ラクトゲン(placental lactogen);腫瘍壊死因子-α(tumor necrosis factor such as tumor necrosis factor-alpha、TNF-α)および腫瘍壊死因子-β(tumor necrosis factor-beta、TNF-β)などの腫瘍壊死因子;ミュラー管(mullerian)抑制因子;マウスゴナドトロピン関連ペプチド(mouse gonadotropin-associated peptide);インヒビン(inhibin);アクチビン(activin);血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor);インテグリン(integrin);トロンボポエチン(thrombopoietin、TPO);NGF-α(NGF-α)などの神経成長因子(nerve growth factors);血小板成長因子(platelet-growth factor);胎盤増殖因子(placental growth factor);TGF-αおよびTGF-βなどのトランスフォーミング増殖因子(transforming growth factors、TGF);インスリン様増殖因子-1および-11(insulin-like growth factor-1 and -11);エリスロポエチン(erythropoietin、EPO);骨誘導因子(osteoinductive factors);インターフェロン-α (IFN-α)、インターフェロン-β(IFN-β)およびインターフェロン-γ(IFN-γ)などのインターフェロン;マクロファージ-CSF(macrophage-CSF、M-CSF)などのコロニー刺激因子(colony stimulating factors、CSF);顆粒球マクロファージ-CSF(granulocyte macrophage-CSF、GM-CSF);顆粒球-CSF(granulocyte-CSF、G-CSF);IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-21、IL-22、IL-23、IL-33などのインターロイキン;並びにLIFおよびキットリガンド(kit ligand、KL)を含むその他のポリペプチド因子を含む。
癌抗原は、例えば、gp100、MART-1、Melna-A、MAGE-A3、MAGE-C2、マンマグロビンA(Mammaglobin-A)、プロテイナーゼ3(proteinsase-3)、ムチン1(mucin-1)、HPV E6、LMP2、PSMA、GD2、hTERT、PAP、ERG、NA17、ALK、GM3、EPhA2、NA17-A、TRP-1、TRP-2、NY-ESO-1、CEA、CA 125、AFP、サバイビン (Survivin)、AH1、ras、G17DT、MUC1、Her-2/neu、E75、p53、PSA、HCG、PRAME、WT1、URLC10、VEGFR1、VEGFR2、E7、チロシナーゼ(Tyrosinase)ペプチド、B16F10、EL4ネオアンチゲン(neoantigen)であってもよい。前記ネオアンチゲンとは、腫瘍細胞内の体性突然変異によって誘導されて形成される免疫原性ペプチドを意味する。前記ネオアンチゲンは、MHC Iと複合体を形成し、腫瘍細胞の表面に移動して抗原エピトープとして表示され得るが、T細胞の受容体(T-cell receptor、TCR)がこのネオアンチゲン-MHC I複合体を認識することによって免疫応答を誘導することができる。
抗体は、例えば、癌細胞またはT細胞の表面の免疫チェックポイント分子に対する抗体であってもよい。例えば、PD-1、Her-2/neu、VISTA、4-1BBL、CD48、ガレクチン9(Galectin-9)、アデノシンA2a受容体(Adenosine A2a receptor)、CD80、CD86、ICOS、ICOSL、BTLA、OX-40L、CD155、BCL2、MYC、PP2A、BRD1、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT、CBP、E2F1、MDM2、MDMX、PPP2CA、PPM1D、STAT3、IDH1、PD-L1、PD-L2、CD40L、LAG3、TIM3、TIGIT、BTLA、CD52、SLAMF7、4-1BB、OX-40、ICOS、GITR、CD27、CD28、CD16、CD3、CD20、EGFRファミリー、AXL、CSF1R、DDR1、DDR2、EPH受容体ファミリー、FGFRファミリー、VEGFRファミリー、IGF1R、LTK、PDGFRファミリー、RET、KIT、KRAS、NTRK1またはNTRK2であってもよい。
検出しようとする抗原は、例えばバイオマーカーであってもよく、例えば、疾患診断用バイオマーカー、発症リスク予測用バイオマーカー、特定の医薬の予後診断用バイオマーカーなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。
CDRは、抗体の構成成分であるCDRであり、例えばHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3からなる群より選択される少なくともいずれか一つであってもよく、例えばHCDR3であってもよい。
1つまたは2つ以上のCDRをフェリチン単量体に融合することができる。
2つ以上のCDRが融合した場合、同一抗体の同一CDRを2つ以上含んでもよく、同一抗体の互いに異なるCDRを含んでもよく、互いに異なる抗体のCDRを含んでもよい。
また、本発明のタンパク質は、互いに異なるCDRが融合したフェリチン単量体を含んで自己集合したものであってもよい。
互いに異なるCDRは、同一抗体の互いに異なるCDRまたは互いに異なる抗体のCDRであってもよい。
疾患抗原エピトープは、gp100、MART-1、Melna-A、MAGE-A3、MAGE-C2、マンマグロビンA(Mammaglobin-A)、プロテイナーゼ3(proteinsase-3)、ムチン1(mucin-1)、HPV E6、LMP2、PSMA、GD2、hTERT、PAP、ERG、NA17、ALK、GM3、EPhA2、NA17-A、TRP-1、TRP-2、NY-ESO-1、CEA、CA 125、AFP、サバイビン (Survivin)、AH1、ras、G17DT、MUC1、Her-2/neu、E75、p53、PSA、HCG、PRAME、WT1、URLC10、VEGFR1、VEGFR2、E7、チロシナーゼ(Tyrosinase)ペプチド、B16F10、EL4、ネオアンチゲン(neoantigen)およびGV1001からなる群より選択されるものであってもよい。
外来ペプチドは、フェリチンタンパク質の外表面に露出することができれば、フェリチン単量体のどこに融合してもよい。外来ペプチドは、フェリチン単量体の自己集合を阻害しない位置に融合する。
外来ペプチドがフェリチン単量体の内部に融合し、フェリチンタンパク質の構造が変化し得る。フェリチン単量体の各構成部分のうち内側に入り込んだ部分は、外来ペプチドの融合によって外側に突出することができ、逆に、フェリチン単量体の各構成部分のうち外側に突出していた部分は、外来ペプチドの融合によって内側に入り込むことができる。
外来ペプチドは、フェリチンタンパク質のヒトトランスフェリン受容体との結合力を減少させるか、またはヒトトランスフェリン受容体との結合力を阻害する位置に融合することが好ましい。
外来ペプチドは、その構造、分子量およびアミノ酸の長さを特定の範囲に限定しない。
外来ペプチドは、例えば、そのアミノ酸の長さが25aa以下のリガンド、抗体、またはこれらの断片であってもよい。より具体的には、アミノ酸の長さが25aa以下、24aa以下、23aa以下、22aa以下、21aa以下、20aa以下、19aa以下、18aa以下、17aa以下、16aa以下、15aa以下、14aa以下、13aa以下、12aa以下、11aa以下、10aa以下、9aa以下、8aa以下、7aa以下、6aa以下、5aa以下であってもよい。また、例えば、そのアミノ酸の長さが3aa以上、4aa以上、5aa以上、6aa以上、7aa以上、8aa以上、9aa以上、10aa以上であってもよい。
外来ペプチドの融合位置は、特定の位置に限定されず、例えば、フェリチン単量体のαヘリックスの内部(Aヘリックス、Bヘリックス、Cヘリックス、Dヘリックス、またはEヘリックス)、隣接するαヘリックスの間、N末端、C末端、ABループ、BCループ、CDループ、DEループ、N末端とAヘリックスの間、EヘリックスとC末端の間、ヘリックスの内部などに融合することができる。
本発明のフェリチンタンパク質は、トランスフェリン受容体に対しては良好に結合しないように突然変異したものである。例えば、本発明のフェリチンタンパク質は、トランスフェリン受容体に対して下記数学式1を満たす。
(式中、K=[P][T]/[PT]であり、ここで、[P]は、フェリチンタンパク質とトランスフェリン受容体との結合反応の平衡状態におけるフェリチンタンパク質の濃度を示し、[T]は、前記平衡状態におけるトランスフェリン受容体の濃度を示し、[PT]は、前記平衡状態におけるフェリチンタンパク質とトランスフェリン受容体の複合体の濃度を示す。)
前記結合力は、例えば、ヒトトランスフェリン受容体への結合力であってもよい。
数学式1のKの値は、10nM以上、20nM以上、30nM以上、40nM以上、50nM以上、60nM以上、70nM以上、80nM以上、90nM以上、100nM以上、110nM以上、120nM以上、125nM以上、125nM超え、150nM以上、200nM以上、210nM以上、220nM以上、230nM以上、240nM以上、250nM以上、260nM以上、270nM以上、280nM以上、290nM以上、300nM以上、350nM以上、400nM以上、450nM以上、500nM以上、550nM以上、600nM以上、700nM以上、800nM以上、900nM以上、1000nM以上である。数学式1のKの値が大きいほど、トランスフェリン受容体への結合力が減少する。
トランスフェリン受容体への結合力(K)は、本発明のフェリチンタンパク質(A)とトランスフェリン受容体との結合反応の平衡状態で測定される。平衡状態におけるフェリチンタンパク質の濃度([P])、トランスフェリン受容体の濃度([T])、および本発明のタンパク質とトランスフェリン受容体の複合体の濃度([PT])は、公知の様々な方法で測定できる。
本発明のフェリチンタンパク質は、トランスフェリン受容体への結合力を低くするために、トランスフェリン受容体との結合に関与する部位に外来ペプチドを融合させることができる。例えば、本発明のフェリチンタンパク質のBCループおよびAヘリックスの部分に外来ペプチドが位置するように前記外来ペプチドを融合させることができる。
本発明のフェリチンタンパク質は、当該タンパク質をコードする配列を発現する微生物内で製造されるものであってもよい。
微生物は、当該分野で公知の微生物を制限なく使用することができる。例えば、大腸菌であってもよく、具体的にはBL21(DE3)であってもよいが、これに限定されるものではない。
微生物系でタンパク質を製造する場合には、得られるタンパク質が細胞質に溶解した状態で存在する場合に分離/精製が容易である。多くの場合、製造されたタンパク質が封入体(inclusion body)などで凝集した状態で存在する。本発明のフェリチンタンパク質は、微生物生産システムにおいて細胞質に溶解した割合が高く示される。そのため、分離/精製および活用が容易である。
本発明のフェリチンタンパク質は、例えば、それを製造する大腸菌システムにおいて、全タンパク質における水溶性分画の割合が40%以上の状態で製造できる。具体的には、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上であってもよい。その上限は、例えば100%、99%、98%、97%、96%などであってもよい。
本発明のフェリチンタンパク質は、その外来ペプチドの種類によって様々な用途に用いることができる。
例えば、外来ペプチドが薬理活性ペプチドである場合、そのような薬理活性を活用する薬学組成物として用いることができる。具体的には、外来ペプチドが免疫チェックポイント分子と結合可能なリガンドまたはリガンドの断片、受容体または受容体の断片、抗体または抗原結合部位(CDR)を含む抗体の断片;または疾患抗原エピトープである場合、前記薬学組成物は癌、感染性疾患、炎症性疾患などであってもよい。
本発明は、前記フェリチンタンパク質を含む薬学組成物を提供する。以上のフェリチンタンパク質に関する全ての説明は、本発明の薬学組成物の有効成分としてのフェリチンタンパク質にそのまま適用される。
本発明の薬学組成物は、薬学的に許容可能な担体を含むことができる。本発明で用語「薬学的に許容可能な担体」とは、生物体を非常に刺激せず、投与成分の生物学的活性および特性を阻害しない担体または希釈剤を指す。本発明における「薬学的に許容可能な担体」としては、生理食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝生理食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの成分のうちの1成分又は1成分以上を混合して使用することができる。必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液および静菌剤などの他の通常の添加剤を添加して、組織または臓器に注入するのに適した注射剤の形で製剤化することができる。また、等張性滅菌溶液、または場合によって滅菌水や生理食塩水を添加して注射可能な溶液となり得る乾燥剤(特に凍結乾燥剤)に製剤化することもできる。さらに、標的器官に特異的に作用できるように、標的器官特異的な抗体または他のリガンドを前記担体と結合して使用することができる。
また、本発明の組成物は、充填剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤をさらに含むことができる。さらに、本発明の組成物は、哺乳動物に投与された後に活性成分の迅速、持続または遅延放出を提供できるように当業界で公知の方法を使用して製剤化することができる。
一実施形態では、前記薬学組成物は注射製剤であってもよく、静脈内投与されるものであってもよいが、これに限定されるものではない。
本発明の用語「有効量」とは、目的とする治療すべき特定の疾患の発症または進行を遅らせるか、または完全に増進するのに必要な量を意味する。
本発明において、組成物は薬学的有効量で投与することができる。前記薬学組成物の適切な1日総使用量は、適切な医学的判断の範囲内で治療医によって決定され得ることは当業者にとって自明なことである。
本発明の目的のために、特定の患者に対する具体的な薬学的有効量は、達成しようとする反応の種類および程度、場合によっては他の製剤が使用されるかどうかを含む具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食物、投与時間、投与経路、組成物の分泌率、治療期間、具体的な組成物と併用または同時使用される薬物を含む様々な因子および医薬分野でよく知られている類似因子によって異なるように適用することが好ましい。
本発明において、前記薬学組成物は、必要に応じて薬物の製造、使用および販売を管轄する行政機関によって指定された方式での、容器に付帯する注意書きを添付してもよい。前記注意書きは、組成物の形またはヒトもしくは獣医的な投与に関する私益機関による認可を示し、例えば処方薬に関する米国食品医薬品局により認可された表示でもよい。
癌は、例えば、脳癌、頭頸部癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、白血病、肺癌、肝癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、血管腫瘍、扁平細胞癌種、腺癌種、小細胞癌種、黒色腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、肉腫、喉頭癌、耳下腺癌、胆道癌、甲状腺癌、日光角化症、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌、腺腫、腺扁平上皮癌腫、肛門管癌、肛門癌、肛門直腸癌、星細胞腫、バルトリン腺癌、基底細胞癌腫、胆汁癌、骨癌、骨髄癌、気管支癌、気管支腺癌腫、カルチノイド、胆管癌腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、淡明細胞癌腫、結合組織癌、嚢腺腫、消化器系癌、十二指腸癌、内分泌系癌、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜増殖症、子宮内膜様腺癌、内皮細胞癌、上衣腫、上皮細胞癌、眼窩癌、局所性結節性過形成、胆嚢癌、幽門洞癌、胃基底部癌、ガストリノーマ、膠芽腫、グルカゴノーマ、心臓癌、血管芽細胞腫、血管内皮腫、血管腫、肝腺腫、肝腺腫症、肝胆道癌、肝細胞癌腫、ホジキン病、回腸癌、インスリノーマ、上皮内新生物、上皮内扁平細胞新生物、肝内胆道癌、浸潤性扁平細胞癌腫、空腸癌、関節癌、骨盤癌、巨細胞癌腫、大腸癌、リンパ腫、悪性中皮腫、髄芽腫、髄質上皮腫、脳膜癌、中皮癌、転移性癌腫、口腔癌、粘表皮癌、多発性骨髄腫、筋肉癌、鼻腔癌、神経系癌、非上皮皮膚癌、非ホジキンリンパ腫、燕麦細胞癌、乏突起膠腫、口腔癌、骨肉腫、漿液性乳頭状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、下垂体腫瘍、形質細胞性腫瘍、偽肉腫、肺芽腫、直腸癌、腎細胞癌腫、呼吸器系癌、網膜芽細胞腫、漿液性癌、副鼻腔癌、皮膚癌、小細胞癌、小腸癌、平滑筋肉腫、軟部組織癌、ソマトスタチノーマ、脊椎癌、扁平細胞癌、線条筋肉癌、中皮細胞下層癌、T細胞白血病、舌癌、尿管癌、尿道癌、子宮頸癌、子宮体癌、膣癌、VIPoma、外陰部癌、高分化癌、およびウィルムス腫瘍からなる群より選択される癌であってもよい。
感染性疾患は、例えばウイルス、細菌、真菌、寄生虫またはプリオン感染症であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明することとする。
実施例
1.タンパク質製造用発現ベクターの構成
huHFは、24個の単量体で構成されている球状のタンパク質ナノ粒子(12nm)であり、各単量体は合計5個のαヘリックスで構成されている。本発明者らは、遺伝子クローニングにより、huHF単量体のトランスフェリン受容体と結合するアミノ酸配列に突然変異を誘導し、表1のhuHF_Mutant1(Q15A、D16A、R23A、F82A、Q84A)、huHF_Mutant2(Q15A、D16A、R23A、F82A、Q84A、E117A、K120A、D124A)を確保した。huHF_Mutant1と2のαヘリックスの間のループ(PDB 3AJOシーケンスを基準にhuHF 5T~176G中のBCループ;92D/93W)とC末端の中から選択される位置に抗体CDR3ペプチドおよびドメインを遺伝子クローニングにより挿入して送達体を確保した。
下記表2の配列を使用し、下記図1~3、表3のベクター模式図に従ってPCRを行い、huHF_Mutant1-dual(BCループ、C末端)、huHF_Mutant2-dual(BCループ、C末端)、huHF_Mutant1-h_smPD1(C末端)を製造した。製造された全てのプラスミド発現ベクターをアガロースゲルで精製し、完全なDNAシーケンシングによって配列を確認した。
2.タンパク質の生合成
大腸菌株BL21[(fhuA2[lon]ompTgal[dcm]ΔhsdS)]を前記で製造された発現ベクターでそれぞれ形質転換し、カナマイシン-抵抗性形質転換体を選択した。形質転換された大腸菌を、50mLのLB(Luria-Bertani)培地(100mgのL-1カナマイシンを含有)を含有するフラスコ(250mL三角フラスコ(Erlenmeyer flasks)、37℃、150rpm)で培養した。培地の濁度(O.D600)が約0.5~0.7に達したとき、IPTG(Isopropyl-β-Dthiogalactopyranosid)(1.0mM)を注入して組換え遺伝子の発現を誘導した。
20℃で16~18時間培養した後、培養した大腸菌を4,500rpmで10分間遠心分離して菌体沈殿物を回収し、5mlの破砕溶液(10mM Tris-HCl緩衝液、pH7.5、10mM EDTA)に懸濁し、超音波破砕機(Branson Ultrasonics Corp.、Danbury、CT、USA)を用いて破砕した。破砕後、13,000rpmで10分間遠心分離し、上澄み液と不溶性凝集体を分離した。分離した上澄み液を後の実験で使用した。
3.タンパク質の精製
前記実施例2で得られた上澄み液を3段階の過程を経て精製した。まず、1)組換えタンパク質に融合したヒスチジンとニッケルの結合を用いたNi2+-NTAアフィニティークロマトグラフィーを行った後、2)組換えタンパク質を濃縮し、バッファー交換によって蛍光物質を付着し、3)最後に、蛍光物質が付着した自己集合タンパク質ナノ粒子のみを分離するために、スクロース勾配超遠心分離(ultracentifugation)を行った。各段階の詳細は以下の通りである。
1)Ni2+-NTAアフィニティークロマトグラフィー
組換えタンパク質を精製するために、前記と同様の方法で培養された大腸菌を回収し、その細胞ペレットを5mLのライシスバッファー(pH8.0、50mMリン酸ナトリウム、300mM NaCl、20mMイミダゾール)に再浮遊し、超音波破砕機を用いて細胞を破砕した。破砕した細胞液を13,000rpmで10分間遠心分離してその上澄み液のみを分離した後、各組換えタンパク質をNi2+-NTAカラム(Qiagen, Hilden, Germany)を用いてそれぞれ分離した(洗浄バッファー:pH8.0、50mMリン酸ナトリウム、300mM NaCl、80mMイミダゾール/溶出バッファー:pH8.0、50mMリン酸ナトリウム、300mM NaCl、200mMイミダゾール)。
2)スクロース勾配超高速遠心分離
PBS(2.7mM KCl、137mM NaCl、2mM KHPO、10mM NaHPO、pH7.4)バッファーにスクロースを濃度別にそれぞれ添加し、40%、35%、30%、25%、20%のスクロースを含む溶液をそれぞれ準備した。その後、超高速遠心分離用チューブ(ultraclear 13.2ml tube、Beckman)に各濃度別(45~20%)のスクロース溶液を濃度の高い溶液から2mlずつ入れた後、準備した自己集合用バッファーに存在する組換えタンパク質溶液を1ml充填した後、35,000rpmにおいて4℃で16時間超高速遠心分離を行った(Ultracentrifuge L-90k、Beckman)。遠心分離後、慎重にパイペットを用いて上層(20-25%スクロース溶液部分)を、前記2)に記載されているように超遠心ろ過器(Ultracentrifugal filter)とPBSバッファーを用いて組換えタンパク質のバッファーを交換した。
4.タンパク質の水溶性分画の確認
pCM(Tac promoter)ベースの様々な発現ベクターでBL21コンピテントセル(competent cell)を形質転換(transformation)した。単一コロニーをカナマイシン100mg/Lが添加されたLB液体培地(50mL)に接種し、振とう培養器(shaking incubator)で37℃、130rpmの条件で培養した。濁度(turbidity/optical density at 600nm)が0.5に達すると、IPTGの1mMを投与して標的タンパク質の発現を誘導した。その後、20℃で12~16時間培養した後、培養液中の細胞を遠心分離(13,000rpm、10分)によってスピンダウン(spun-down)し、細胞ペレットを回収して10mM Tris-Hcl(pH7.4)バッファーに再浮遊させた。再浮遊された細胞は、ブランソンのソニファイアー(Branson Sonifier、Branson Ultrasonics Corp.、Danbury、CT)を用いて破裂した。音波処理後、溶解性タンパク質を含む上澄み液と不溶性タンパク質を含む凝集体は、遠心分離(13,000rpm、10分)で分離した。分離された溶解性、不溶性タンパク質分画のSDS-PAGE分析によって溶解度を確認した(図2、図3)。
5.タンパク質の集合の検証
実施例3で製造した各タンパク質の精製された組換えタンパク質ナノ粒子の構造を分析するために、透過電子顕微鏡(TEM)で組換えタンパク質を撮影した。まず、染色していない精製タンパク質のサンプルを、カーボンコートされた銅電子顕微鏡グリッド(grids)に載せて自然乾燥した。タンパク質の染色された画像を得るために、自然乾燥したサンプルを含む電子顕微鏡グリッドを2%(w/v)水性ウラニルアセテート溶液と共に10分間室温でインキュベートし、蒸留水で3~4回洗浄した。タンパク質の画像をフィリップスTechnai 120kV電子顕微鏡を用いて観察したところ、各々の粒子が球状のナノ粒子を形成することを確認した(図2、図3)。
6.タンパク質の抗原への結合力の測定
前記実施例で製造したタンパク質のNative型とMutant(huHF_mutant1-dual、huHF_mutant2-dual)とのヒトトランスフェリン受容体への結合力を比較した。
製造したタンパク質の抗原への結合力Aを以下の方法により測定した。
まず、ヒトトランスフェリン受容体-Fcタグスタンダードを高結合(high-binding)96ウェルプレートに2μg/mlで100μlずつ4℃において一晩(オーバーナイト)付着した。
そして、PBST(PBS+Tween0.05%)200μlで3回洗浄した。SuperBlcokTM(PBS)ブロッキングバッファー(thermo cat#37515)を100μlずつ1時間常温でブロッキングプロセスを行った。
そして、PBST(PBS+Tween0.05%)200μlで3回洗浄した。前記実施例で製造したタンパク質を濃度区間別に100μlずつ4℃で一晩(オーバーナイト)処理した。
そして、PBST(PBS+Tween0.05%)200μlで3回洗浄した。hexa-Hisタグに特異的に結合する抗体(mouse anti His tag antibody、Hisprobe)を1/1000でPBSTに希釈し、それを100μlずつ1時間常温で処理した。
そして、PBST(PBS+Tween0.05%)200μlで3回洗浄した。マウス抗体に特異的に結合する抗体(goat anti mouse igG antibody-HRP)を1/1000でPBSTに希釈し、それを100μlずつ1時間常温で処理した。
そして、PBST(PBS+Tween0.05%)200μlで3回洗浄した。HRPと反応して発色反応を示すTMB溶液を100μlずつ15分間常温で処理した。1M HSO溶液を50μlずつ処理した後、TECANで波長450nmにおける光学密度(optical density)を測定した。それをLangmuir equationを用いて計算した(表4、図4~図6)。
図7は、huHF_mutant1-dualとhuHF_mutant2-dualのhTfRへの結合力を評価・比較したものである。huHF_mutant2-dualの場合は、濃度を10000nMまで増加させても飽和しないことから、hTfRへの結合力がさらに減少したことを確認できる。予想飽和点を選定してその結合力Kdの値を計算すれば、約4400nMとなる。
8.huHF_mutant-dual処理によるNK細胞と癌細胞との結合能の評価
蛍光物質であるCFSEでヒト肺癌細胞株であるA549を標識した。10個の細胞にCFSEを5μMの濃度で20分間37℃のインキュベーターで反応させた。それをPBSで洗浄し、10細胞を2mlのセルプレート(cell plate)に2mlの培養培地(culture media)に希釈して1日間培養した。
その後、10個のNK細胞をCFSEで染色されたA549細胞株と反応させた。
このとき、対照群としてPBSの10μlを使用し、実験群としてCy5.5蛍光染料が標識されたhuHF_mutant-dual(dICB、dual immune checkpoint blocker)を3μM 10μl入れた。
インキュベーターで10分間反応させた後、NK 1.1 antibody-PE抗体を用いてNK細胞を標識した。
4%ホルムアルデヒド(formaldehyde)でサンプルを固定し、蛍光顕微鏡(fluorescence microscopy)を用いて蛍光画像を確認した。
対照群(PBS)と比較して、実験群(huHF_mutant-dual)の蛍光画像において、NK細胞がA549細胞にさらに付着していることを確認した(図8)。
9.huHF_mutant-dual処理によるNK細胞と癌細胞との結合能およびNK細胞の癌細胞死滅能の評価
蛍光物質であるCFSEでヒト肺癌細胞株であるA549を標識した。10個の細胞にCFSEを5μMの濃度で20分間37℃のインキュベーターで反応させた。それをPBSで洗浄し、10細胞を96ウェルプレートに200μlの培養培地(culture media)に希釈して1日間培養した。
その後、DAPIで標識された10~10個のNK細胞を、条件に従ってCFSEで染色されたA549細胞株と反応させた。
このとき、PBS 10μl、Abs(Tecentriq+mAb-mTIGIT(Bio X Cell, #BE0274)併用投与群)3μM 10μl(それぞれ3μM、合計6μM)、およびhuHF_mutant-dualを3μM 10μl入れた。
結合の測定は、前記反応液をインキュベーターで30分間反応させた後、FACS装置でCFSE蛍光(fluorescence)とDAPI蛍光(fluorescence)を同時に示す細胞の割合を分析した(図9)。これを参照すると、huHF_mutant-dual処理時にNK細胞のA549細胞への結合能が増加することを確認できる。
これに関し、蛍光顕微鏡(Fluorescence microscopy)を用いて蛍光画像を確認した(図10)。NK 1.1 antibody-PE抗体でNK細胞を標識した。
毒性の測定は、前記反応液をインキュベーター中で48時間反応させた後、FACS装置でサンプルによる毒性能力を検証した。7-AADで細胞が死滅する程度を分析した。
CFSE蛍光(fluorescence)および7-AAD蛍光(fluorescence)を同時に示す細胞の割合を分析し、NK細胞と癌細胞の割合およびサンプルによるNK細胞の毒性能力を分析した(図11)。これを参照すると、huHF_mutant-dualを処理した場合、NK細胞のA549細胞に対する死滅能が増加することを確認できる。
10.癌細胞成長抑制能の評価
次のサンプル群(PBS、Tecentriq、Tecentriq+mAb-mTIGIT、huHF_mutant-dual)に対して、各5匹ずつ、マウス肺癌細胞株であるLLC1に対する癌細胞成長抑制効果を検証した。テセントリク(Tecentriq)は、肺癌などの治療に使用されるPD-1またはPD-L1に結合するモノクローナル抗体であり、mAb-mTIGITは、murine TIGITに結合するモノクローナル抗体である。
LLC1を5×10個ずつC57BL/6に皮下移植して腫瘍モデルを形成した。
7日後、個体ごとに腫瘍サイズを測定および分類し、各群ごとに同じサイズに調整した。
7日目からサンプルを3日ごとに尾静脈を介して静脈注射し、各個体の腫瘍サイズを測定して腫瘍成長抑制効果を比較した(図12)。
図13には各実験群における日付別の腫瘍サイズを示し、図14には各実験群における22日目の腫瘍サイズを示す。これを参照すると、huHF_mutant-dualの場合は、より少ない用量で処理したにもかかわらず腫瘍サイズが最も小さく、その効果が優れていることを確認できる。
11.細胞アビディティ(Cell avidity)の評価
huHF_mutant-dualおよびmut-huHFのヒト肺癌細胞株A549に対するアビディティを分析した。
まず、標的細胞(immune cell、cancer cell)を培養して分注した。
(1×10個/10μl、1FACSカラム(5ml polystyrene round-bottom tube、Falcon(352052)))。
その後、サンプル(薬物(drug), 抗体(antibody)(抗マウスPD-L1抗体(anti-mouse PD-L1 antibody(BE0101))、抗マウスTIGIT抗体(anti-mouse TIGIT antibody(BE0274))、抗ヒトPD-L1(anti-human PD-L1(BE0285)))を100μl/FACSカラム(column)処理し、対照群には、100μlのFACSバッファー(0.1% BSA+0.01% sodium azide in PBS)を処理した(3hr、室温(room temperature))。
FACSバッファーを各1mlずつ前記FACSカラムに入れた後、1700rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を除去する工程を3回繰り返した。
その後、蛍光抗体(Fluorescence antibody)(抗His Tag抗体-PE(anti his tag antibody-PE(SC-8036PE))、抗IgG抗体-PE(anti-IgG antibody-PE)(PE goat F(ab')2 anti-rat(IgG)secondary antibody(ab7010)、PE F(ab')2-goat anti-mouse IgG(H+L)secondary antibody(12-4010-82)))を処理した(2hr, 室温(room temperature))。
FACSバッファーを各1mlずつ前記FACSカラムに入れた後、1700rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を除去する工程を3回繰り返した。
その後、各サンプルFACSカラムにFACSバッファーを100ul入れた後、7-AAD(BD Pharmigen(559925))の2μlを5分間処理した。
BD Biosciences、FACS装置により、各FACSカラムでのライブセルのうちPE蛍光を示す標的細胞の割合を用いて分析した(図15-17)。
これにより、huHF_mutant-dualの方が、細胞当たりに結合するサンプルの数が多く、結合した細胞の数にも優れていることを検証した。
12.腫瘍成長抑制能の評価
次のようなサンプル群(PBS、Ab-1、huHF_mutant-dual、huHF_mutant-dual+Vac)に対して、各5匹ずつ、マウス肺癌細胞株であるLLC1に対する癌細胞成長抑制効果を検証した。Ab-1はマウス抗PD-L1抗体を使用し(Bio X Cell、#BE0101)、ワクチン(Vac)としてはLLC-1 neo-antigen vaccine(配列番号10)を使用した。
LLC1を5×10個ずつC57BL/6に皮下移植して腫瘍モデルを形成した。
7日目からサンプルを3日ごとに尾静脈を介して静脈注射し(G2群の場合は、6日ごとに注射)、各個体の腫瘍サイズを測定して腫瘍成長抑制効果を比較した(図18)。
Ab-1は30nmol/kg、huHF_mutant-dualは30nmol/kg、Vacは10nmol/kgの濃度で注射した。
これを参照すると、huHF_mutant-dual処理群の腫瘍成長抑制能に優れており、ワクチンとの併用時にさらに優れた効果を示すことを確認できる。

Claims (14)

  1. 外表面に外来ペプチドが融合し、
    ヒトトランスフェリン受容体への結合力が減少するように突然変異したフェリチンタンパク質。
  2. 前記外来ペプチドは、薬理活性ペプチドである、請求項1に記載のフェリチンタンパク質。
  3. 前記外来ペプチドは、免疫チェックポイント分子と結合可能なリガンドまたはリガンドの断片、受容体または受容体の断片、抗体または抗原結合部位(CDR)を含む抗体の断片;または疾患抗原エピトープである、請求項1に記載のタンパク質。
  4. 前記免疫チェックポイント分子は、Her-2/neu、VISTA、4-1BBL、ガレクチン9(Galectin-9)、アデノシンA2a受容体(Adenosine A2a receptor)、CD80、CD86、ICOS、ICOSL、BTLA、OX-40L、CD155、BCL2、MYC、PP2A、BRD1、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT、CBP、E2F1、MDM2、MDMX、PPP2CA、PPM1D、STAT3、IDH1、PD1、CTLA4、PD-L1、PD-L2、LAG3、TIM3、TIGIT、BTLA、SLAMF7、4-1BB、OX-40、ICOS、GITR、ICAM-1、BAFFR、HVEM、LFA-1、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、LAIR1、2B4、CD2、CD3、CD16、CD20、CD27、CD28、CD40L、CD48、CD52、EGFRファミリー、AXL、CSF1R、DDR1、DDR2、EPH受容体ファミリー、FGFRファミリー、VEGFRファミリー、IGF1R、LTK、PDGFRファミリー、RET、KIT、KRAS、NTRK1およびNTRK2からなる群より選択されるいずれかである、請求項3に記載のタンパク質。
  5. 前記抗原結合部位は、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3からなる群より選択されるいずれかである、請求項3に記載のタンパク質。
  6. 前記疾患抗原エピトープは、gp100、MART-1、Melna-A、MAGE-A3、MAGE-C2、マンマグロビンA(Mammaglobin-A)、プロテイナーゼ3(proteinsase-3)、ムチン1(mucin-1)、HPV E6、LMP2、PSMA、GD2、hTERT、PAP、ERG、NA17、ALK、GM3、EPhA2、NA17-A、TRP-1、TRP-2、NY-ESO-1、CEA、CA 125、AFP、サバイビン (Survivin)、AH1、ras、G17DT、MUC1、Her-2/neu、E75、p53、PSA、HCG、PRAME、WT1、URLC10、VEGFR1、VEGFR2、E7、チロシナーゼ(Tyrosinase)ペプチド、B16F10、EL4、ネオアンチゲン(neoantigen)およびGV1001からなる群より選択される、請求項3に記載のタンパク質。
  7. 前記外来ペプチドは、フェリチン単量体の隣接するαヘリックスの間の少なくとも1つに融合する、請求項1に記載のタンパク質。
  8. 前記外来ペプチドは、フェリチン単量体のN末端またはC末端に融合する、請求項1に記載のタンパク質。
  9. 前記外来ペプチドは、フェリチン単量体のABループ、BCループ、CDループまたはDEループに融合する、請求項1に記載のタンパク質。
  10. 前記外来ペプチドは、フェリチン単量体のN末端とAヘリックスの間、またはEヘリックスとC末端の間に融合する、請求項1に記載のタンパク質。
  11. 突然変異した前記フェリチンタンパク質は、配列番号1の配列において、15番、16番、23番、82番、84番、117番、120番または124番のアミノ酸がアラニン、グリシン、バリンまたはロイシンで置換されたものである、請求項1に記載のタンパク質。
  12. トランスフェリン受容体への結合力(K)が下記数学式1を満たす、請求項1に記載のタンパク質。
    Figure 2024519578000008
    (式中、K=[P][T]/[PT]であり、ここで、[P]は、前記フェリチンタンパク質と前記トランスフェリン受容体との結合反応の平衡状態における前記フェリチンタンパク質の濃度を示し、[T]は、前記平衡状態における前記トランスフェリン受容体の濃度を示し、[PT]は、前記平衡状態における前記フェリチンタンパク質と前記トランスフェリン受容体の複合体の濃度を示す。)
  13. 前記トランスフェリン受容体は、ヒトトランスフェリン受容体である、請求項12に記載のタンパク質。
  14. 前記フェリチンは、ヒトフェリチン重鎖である、請求項1に記載のタンパク質。
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