JP2024517790A - 締め付け用スナップインファスナー装置 - Google Patents

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Abstract

【構成】本発明の2つの対象物を開放自在に相互接続するファスナー装置は上端部にリテーナを第1対象物に取り付ける手段、および底端部に開口を有する端壁を有する。底端部で第2対象物に固着するポストは弾性スナップ嵌めによってリテーナの中心キャビティ内に捕捉する。この場合、ポストまたはリテーナのいずれかがラジアル方向に偏向可能である。リテーナにスライド自在に接続したロック素子がロック位置と非ロック位置との間で軸方向に移行可能なため、ポストおよびリテーナの相対的なラジアル方向移動を制限でき、ポストの離脱を防止できる。ロック素子としては磁石によって移動するピンを使用することができ、このピンはバネによってポストのボア内に進入できる。あるいは、ロック素子としてリテーナの周囲に密嵌めするスリーブを使用することも可能である。【選択図】図1

Description

関連出願
本願は2021年5月6日に出願され、“磁気スナップインファスナー装置”を発明の名称とする米国仮特許出願第63/185,002号の優先権を主張する出願である。
発明の分野
本発明はスナップ嵌め(snap-fit)によって2つの部材を接合するファスナーシステムに関する。具体的には、本発明は磁気作動式ファスナー装置およびファスナーシステムに関する。
発明の背景
現在市場にはスナップで部材を着脱するファスナー装置が出回っている。本発明はこれらの製品に改良を加えるものである。即ち、ファスナー装置を所定位置にロックし、外れることを防止する。適正な解除ツールを使用しない限り、ロック機構によって偶発的な解除を防止する。
本明細書に開示する改良ファスナーシステムの一つの実施態様では、スロットを備えたバルブ付きポスト、およびこのポストにスナップ嵌めしかつロックするリテーナ(保持手段)を利用する取り付け方法を使用する。このリテーナはバネ負荷式であるため、簡単に偏倚してバルブ付きポストのスロットに圧入できる内部機構を有する。このファスナー装置は簡単に圧締できるが、ロック素子を外さない限り取り外しは不可能である。磁気ツールでロック素子を外すと、ファスナーが離間し、これを外すことができる。ファスナー装置の両セクションは各種の取り付け手段によってブラインドホールに装着できる。
図面に示し、かつ以下に記載するこのファスナーシステムについては少なくとも2つの構成が考えられる。いずれも同じ動作機能を利用する。即ち、2つの部材をスナップ嵌めしてから、ロック部材をバネによって所定位置に押し込む。次に、磁石ツールを使用して、ロック部材を後退させるまでファスナー装置を所定位置にロックする。こうすると、残留締め付け力に逆らって両部材を離間でき、労力は最小で済む。
より具体的には、本出願人は開放自在に2つの対象物を相互接続するファスナー装置であって、上端部および下端部を有するリテーナを有し、この上端部にリテーナを第1対象物に取り付ける手段および下端部に開口を備えた端壁を有するファスナー装置を発明した。内部のリテーナキャビティはリテーナの上端部および下端部の間に位置する。下端部において第2対象物に固着したポストを弾性的なスナップ嵌めによってリテーナによって捕捉することによって、ポストまたはリテーナがラジアル方向に偏向可能になる。ポストの捕捉された部分はリテーナ開口が弾性的に受け取る。
ポストは上端部にバルブを有し、内向きに変更可能な少なくとも一対の対向弾性アーム間に少なくとも一つの径方向スロットを有する。ポストはバルブの後端部に隣接する縮径ネック、およびこのネックの真下に位置するフランジも有する。実装時に、ポストフランジがリテーナの底端部に当接した状態でポストバルブの後端部がリテーナ端部の内部リムに隣接ないし整合する。
ロック素子は前進ロック位置と後退非ロック位置との間で軸方向に移行可能であり、ポストおよびリテーナの相対的なラジアル方向の動作を制限し、ロック素子が前進ロック位置にあるさいに捕捉されたポスト部分がリテーナから離脱することを十分に防止できる。バネがロック素子とリテーナとの間で動作し、ロック素子を前進位置に偏倚させる。ポストの捕捉部分はテーパーをもつ前端部および後端部を有するバルブであるのが好ましく、このバルブがラジアル方向に圧縮できるため、その側部がリテーナ開口に押し込められるさいに縮径が生じる。ロック素子はポストの軸方向ボア内に自由に受け取られるサイズのピンである。ロック素子は磁力によって吸引される材料で構成できるため、磁気吸引力によってロック素子をロック位置から非ロック位置に移すことができる。ピンはその底端部に引き込み面を有し、そしてポストはその上端部周囲に対応する凹状面を有し、これによってピンをポストのボアに案内できる。
別な実施態様では、ポストは固形で非圧縮性を示し、そしてリテーナの弾性側部は外向きに偏向可能である。この実施態様では、ロック素子はリテーナの外側周囲に密嵌めするスリーブであり、こうすると、ロック位置にある場合にはリテーナ側部が外向きに偏向することを防止でき、ポストがリテーナから離脱することを十分に防止できるが、非ロック位置にある場合にはリテーナ側部を外向きに偏向させることができるため、ポストをリテーナから十分取り外すことが可能になる。リテーナの側部内のスロットがこれらスロット間に弾性アームを形成する。このスリーブとポストとの間でバネが動作し、スリーブをロック位置に向けて上向きに偏倚する。
本発明のファスナー装置には多くの作用効果があり、2枚のパネルを接合するクラムシェル用途での外観の見栄えを許容可能なものにできる。このファスナー装置の場合、ファスナーが存在しない部分を可視化できる。内部機構を作動する磁気ツールを使用して各部を取り外すことができる。この磁気ツールは装置の外部から使用でき、ファスナー装置の内部にアクセスする必要はない。
当業者ならば、本発明の2つの実施可能な態様を示す添付図面およびその説明から他の実施態様や作用効果などを理解できるはずである。多くの他の実施態様も可能である。
図1は本発明の第1実施態様に係るファスナー装置を示す正面立面断面図である。 図2はポスト部材の上部左正面等側投影図である。 図3は保持部材の上面左正面等側投影図である。 図4はロックピン部材の上部等側投影図である。 図5は第2実施態様を示す正面立面断面図である。 図6は第2実施態様におけるリテーナ部材を示す底面右側等側投影図である。 図7は第2実施態様におけるリテーナ部材を示す上部正面等側投影図である。 図8は第2実施態様に係るロックスリーブ部材を示す上部正面等側投影図である。 図9A~図9Dは図1に示す第2実施態様の動作シーケンスを示す一連の正面立面断面図である。 図10A~図10Dは図5に示す第2実施態様の動作シーケンスを示す一連の正面立面断面図である。
好適な実施態様の説明
本発明のファスナーシステムには以下に記載する少なくとも2つの実施態様がある。いずれの実施態様でも、装置の2つの部分を解除自在にロックする同じ基本原理を使用する。それぞれをパネルなどの外部対象物に個別に固着した一対の係合ファスナーを解除自在に相互接続して、これら対象物を着脱する。各ファスナーシステムは雄型部材および雌型部材を使用し、一方を他方の内部に、一方の部材の弾性的な偏向によって生じるスナップ嵌めによって接合する。一つの実施態様では、雄型部分は内向きに偏向できる弾性アームを有し、そして第2実施態様では、雌型部分が外向きに偏向できる弾性アームを有する。以下に記載するように、各実施態様は取り付け状態をロック状態から非ロック状態に移行させる磁気によって制御できるロック機能を有する。いずれの実施態様でも、非ロック状態では、残留締め付け力を維持する。図示の実施態様は円形であり、中心軸線を中心にして対称的な形状を有するが、他の幾何学的形状も利用可能である。
図1を参照して説明すると、第1実施態様ではスロット付きポスト(11)を使用し、このポストのバルブ付き部分が以下の部材を有するリテーナ装置に接合する。内部に凹部(13)をもつリテーナ本体(12)、コイルバネ(15)、およびピン(14)。ポストおよびリテーナの端部は半田付けパッド(図示省略)によって対象物(5)および(6)に固着でき、リテーナ(12)にパネル(5)を接合でき、ポスト(11)をパネル(6)にブローチ接続できる。なおいずれの場合も、他の好適な取り付け手段を利用できる。
図2について説明すると、図1のポスト(11)を単独で示す図である。このポストは中心に長手方向スロット(17)をもつシャンク(9)を有し、これによってポストを内向きに曲げることができる2つの対向アーム(18および19)に分割する。このスロットが軸方向ボアを形成し、このボアはポスト(11)の上端部からスロットに下向きに延在する。ポストを曲げ、ポストの外径を小さくするため、図3に示すように、また図9A~図9Dを参照して詳述するように、リテーナ受け取り孔にこれを受け取ることができる。カウンターシンク(10、counter-sink)を使用して、ロックピンを適正な動作位置に軸方向に簡単に整合できる。上記シャンクもバルブ状領域(20)を有し、これがバルブ底部の周囲に縮径のネック(8)を有するバルブを形成する。このネック(8)の真下に拡大径のフランジ(4)が位置する。図1に示すようにクリンチング、表面実装半田付けやブローチングなどの各種の手段によってパネルなどの外部構造体にポストの対向端部にある拡大基部(3)を固着できる。なお、図示のフランジ(2)はポストを対象物に取り付けるためにポストの底部で行う半田付け、オーバーモールディングまたは回転式実装(rotary installation)を行うためである。
次に図3を参照して説明するが、この図は図1のリテーナを独立して示す図である。このリテーナの基本的特徴は本体(33)の上部における取り付け面(31)、中心キャビティ(13)、および図1に示すように、底面を貫通して、ポスト(11)を受け取る開口を形成する孔(37)である。底面は孔(37)の内部を取り囲むキャビティ(13)の内部リム(35)を有する。ポストと同様に、リテーナは上端部にフランジ(32)を有し、クリンチング、ブローチングや表面実装半田付けなどの各種手段によってパネルなどの外部対象物にこれを固着できる。図示のフランジはポストを対象物に取り付けるためにポストの底部で行う半田付け、オーバーモールディングまたは回転式実装を行うためである。
次に図4を参照して説明するが、この図は図1のロックピン(14)部材を独立して示す図である。この部材はヘッド(41)、拡大径のフランジ(43)およびこのフランジから遠位底端部まで下向きに延在する細長いシャンク(45)を有する。拡大径フランジ(43)が適正な実装深さを設定するもので、実装時にリテーナとの接触表面積が広がる。ヘッドが図1に示すコイルばね(15)をセンタリングする。このヘッド(41)は適宜使用するものであるが、これによってバネがリテーナボア内に正確に着座することになる。また、ヘッドを使用すると、バネがリテーナ内でスライドし、あるいは傾き、または整合から外れることがなくなる。ロック位置にある場合、ピンによってポストアームが内向きに曲がることがなくなる。さもなければ、リテーナが図9A~図9Dに示すように外れることになる。
上述したように、図1~図4に示すファスナー装置は開放自在ではあるが、緊密に2つの対象物を相互接続するデバイスであり、このデバイスは図9に示すように使用が簡単である。リテーナ部材およびポスト部材を個々に接続すべき対象物に固着した後、ポスト部材およびリテーナ部材が強制的に一体化し、スロット付ポストが内向きに曲がり、リテーナ孔がポストのバルブ付き領域を通りぬけ、リテーナ端部壁がポストのフランジに当接する。同時に、ロックピンがバネによってポストの中心ボアに強制貫入する。ロックピンが所定位置にある場合には、スロット付きポストがリテーナから外れることはない。ポストアームが内向きに偏向することがないため、ファスナー装置を所定位置にロックし、ファスナー装置の軸方向に装着した対象物を緊密に保持できるからである。リテーナより上に設けることによってバネを圧縮し、ピンをポストのスロットボアから上向きに移動させる磁石または磁性ツールを使用してスロット付きポストからバネを取り外すことができる。ポストとリテーナは分解されることができ、対象物は分離される。
図5~図8に本発明の第2実施態様を示す。この構成では、第1実施態様に示した雄型部分および雌型部分の弾性特性を逆に設定するが、結果はほぼ同じである。本構成では、底部にバルブ付き領域(54)およびフランジ(53)を備えた固形で剛性を示す非圧縮性ポスト(57)、スロット付弾性リテーナ(58)、バネ(59)、およびロックスリーブ(55)を有する。リテーナの底部は孔(52)および拡大径の内部キャビティ(51)を有する。リテーナおよびポスト(50、53)のフランジ付き端部は第1実施態様で使用したが、ここでは本実施態様の理解には必要がないため図示を省略した適正な取り付け手段をそれぞれ備える。第2実施態様と第1実施態様との主な相違点はスロット付き弾性部材がピンではなく、リテーナである点にある。この相違があるため、ロック機構ついては、内部機構から外部機構に変更する。ロックスリーブはスロット付きリテーナが外向きに曲がり、取り外されることがないため、同じ作用効果を発揮できる。ファスナー装置はロックスリーブ(55)をスロット付きリテーナ(58)に係合させるバネ(59)を有する。このバネ(59)およびロックスリーブ(55)の実装後に、バネ(59)によってロックスリーブ(55)がリテーナ周囲の所定位置に偏倚(bias)する。バネの力については、図10Dに示すように、ファスナー装置の下から磁石(100)によってスリーブ(55)に印加される磁力によってバネを圧縮できる。
次に図5および図6を参照して説明すると、図5のファスナー装置はこれら図面に独立して示すスロット付きリテーナを有する。リテーナ(58)は上記図5のバルブ付ポスト(57)と接合する。このリテーナは壁内に形成したアームを可撓性化する長手方向スロット(65)を有する。このように、受け取り孔(52)の内径部がポスト(57)のバルブ付き部分(54)を超えて拡大径のリテーナキャビティ(51)内に入り込むと、リテーナはバルブ付きポストに捕捉される。リテーナ(58)対向壁が実装時に曲がるが、降伏ないし屈することはない。キャビティ(51)の底部(52)は面取りするが、望みに応じて平坦であってもよい。図示のリテーナはフランジ(50)を有するため、回転クリンチング、成形、または表面実装によって実装する外部部材に装着できる。セルフクリンチング、ブローチング、または半田付けなどによる別なリテーナ構成も可能である。
図7を参照して説明すると、ファスナーシステムの本実施態様では、剛性のあるスリーブ(55)を使用して、組み立て後にファスナー部材をロックする。このスリーブは図6に示すスロット付きリテーナの外側周囲に密嵌めするサイズの内部ボア(70)を有する。ロック位置にある時には、スリーブの内壁によってスロット付きリテーナのアームが外側に拡張することがなくなり、従ってポストがリテーナから外れることはない。スリーブの端壁に孔(71)を形成するため、ポストを内向きに曲げてスリーブを後退させるさいにポストがスリーブを通過できる。スリーブの孔内壁はポストの円筒形側部に密嵌めできるサイズを有するが、これが軸方向に抵抗を受けずにスライドすることはない。リテーナボアの底部端壁(72)が図5に示すバネ(59)の平坦な接触エリアになる。
次に図8を参照して説明すると、第2のファスナー実施態様では、バルブ付き領域(54)を備えた剛性のあるポスト(57)を使用する。このバルブ付き領域が上記のようにリテーナを捕捉し、組み立てたファスナーの雄型部分および雌型部分を共に保持する。ポストシャンク(80)の平坦な上面(82)が組立時の正確な挿入深さを設定し、リテーナの組立時にポストの接触表面エリアを安定化する。ファスナーシステムの目的とする全長に応じて、ポストシャンク(80)の長さを変更できる。図示のポストは底部のフランジ(53)を有するため、回転装着や成形によってポストをシートメタル、プラスチックや他のシャシに取り付けることが容易になる。また、第1実施態様の場合と同様に、セルフクリンチング作用、ブローチング作用や他の取り付け方法も利用可能である。
図9A~図9Dに左から右に進む図1のファスナー装置の動作順を示す。この動作はポスト部材のプレス力をリテーナに印加することによって生じる。最も左側の図9Aに示す第1の脱接続(disconnected)位置では、ポストおよびリテーナはリテーナ孔の開口に対して位置するポストのバルブ領域に軸方向に整合している。
次の右手図9Bでは、ポストおよびリテーナを共にプレスすると、ポストのバルブ領域の上部にある面取り面がリテーナの端壁に作用し、ポストシャンクが内向きに曲がり、その直径が縮小し、このシャンクがリテーナの中心キャビティに入り込む。ポストのリテーナへの移動時、ピンが縮径のポスト端部によってバネに上向きに当接する。
図9Cに示すように、ポストフランジがリテーナの底部の端壁に当接することによってポストのリテーナ内への移動が停止する。この位置では、ポストのバルブがリテーナキャビティ内に完全に嵌り込み、ポストシャンクのネックがリテーナ端壁の内部リムに当接する。この結果、リテーナの端壁の内部リムおよびポストのバルブに重なって嵌る。ポストのアームについては、装着時にこれらアームが内向きに曲がり、リテーナを受け取るように設計する。ポストバルブがリテーナキャビティに入り込むと、ポストシャンクに対する内向きに圧縮する力が解除され、ポストのアームが開き、自由な状態になり、この状態ではバネの力によって、あるいはバネを使用しない場合には重力によってポストのアーム間にある中心ボアにピンが挿入する。ここがファスナー装置のロック位置である。ピンが介在しているため、ポストを逆方向に移動させて脱係合を行うことによってポストおよびリテーナを分離しようとしてもポストアームが内向きに曲がることはない。
図9Dに示すように、バネの圧力に逆らってポストボアからピンを上向きに移動させることによってファスナーをロック状態から非ロック状態に移す。このために本実施態様では、図示の装着対象物の両側などのリテーナの上端に対して磁石(90)を設ける。ピンがポストから離脱すると、ポストバルブがポストを保持する残留締め付け力をリテーナに印加するが、この力はポストをリテーナから引き離すことによって非破壊的に相殺できる。これが可能なのは、バルブがリテーナの端壁内の孔から外に出るさいにポストアームが自由に内向きに曲がるからである。この非ロック状態では、ファスナー装置の端部に装着した対象物が弾性的なスナップ嵌めによって装着されたままになっているが、装着解除は容易である。
次に図10A~図10Dを参照して説明すると、図5に示す本発明の第2実施態様の動作順は図9A~図9Dに示す第1実施態様と同じである。図10Aにおいて左から右に進むが、ポストおよびスリーブ装置は最初にリテーナに軸方向に整合する。
次に、図10Bではポストはリテーナに挿入している。リテーナの受け取り孔は直径がポストのバルブ部分よりも小さいが、リテーナ壁部が外向きに曲がることによってリテーナ内の進行は可能である。この状態では、ポストのバルブ部分がリテーナキャビティを占有する。ポストシャンクの上面がリテーナ壁の底部に当接することによって挿入深さはそこで止まる。
次に、図10Cに示すように、ポストの底部とスリーブとの間に動作するバネによって、あるいは場合にもよるが、バネを使用しないさいにはファスナー装置を逆にし、重力によってリテーナの外壁周囲に上向きに押し付ける。これが装置のロック位置であり、この位置ではスリーブによってリテーナ壁が外向きに曲がることはなく、ポストバルブがリテーナ孔を介して後退することになる。
図10Dにポストの底部に対して設けた磁石100を使用することによって装置のロックを解除する方法を示す。スリーブを磁石によって吸引すると、スリーブからリテーナから下向きに離間する。これによってリテーナ壁が外向きに曲がり、ポストのバルブ付き部分を膨張性リテーナ孔から引き出すことができる。
なお、具体的な実施態様を提示してきたが、本発明はこれら実施態様に限定されるものではない。例えば、本発明では異なる材料を使用でき、異なる幾何学的形状および寸法で構成することができる。各種の変更および応用については、特許請求の範囲およびこれらの法的な等価物によってのみ決定される発明の範囲から逸脱することなく可能である。
2 フランジ
3 拡大基部
4 フランジ
5 対象物、パネル
6 対象物、パネル
8 ネック
9 シャンク
10 カウンターシンク
11 ポスト、スロット付きポスト
12 リテーナ
13 凹部、キャビティ、中心キャビティ
14 ピン、ロックピン
15 コイルバネ、コイルばね
17 長手方向スロット
18 対向アーム
19 対向アーム
20 バルブ状領域
31 取り付け面
32 フランジ
33 本体
35 内部リム
37 孔
41 ヘッド
43 フランジ、拡大フランジ
45 シャンク
50 ポスト、フランジ
51 キャビティ、リテーナキャビティ、内部キャビティ
52 リテーナ、孔、受け取り孔、底部
53 フランジ
53 ポスト
54 バルブ付き領域、バルブ付き部分
55 ロックスリーブ、スリーブ
57 非圧縮性ポスト、ポスト
58 スロット付きリテーナ、リテーナ
59 バネ
65 スロット
70 内部ボア
71 孔
72 底部端壁
80 ポストシャンク
82 平坦な上面
90 磁石
100 磁石

Claims (19)

  1. 2つの対象物を解除自在に相互接続するファスナー装置であって、
    上端部および底端部を有し、前記上端部にリテーナを第1対象物の取り付ける手段を有し、前記底端部に開口を有する端壁を有するリテーナ、
    前記リテーナの前記上端部および前記底端部の間に位置するリテーナ内のキャビティ、
    前記ポストまたは前記リテーナが半径方向に偏向可能にする弾性的なスナップ嵌めによって前記リテーナに固着したポストであって、前記リテーナの開口を介して弾性的に受け取られる捕捉される部分を有し、かつ前記キャビティ内に着座し、そしてさらに前記ポストを第2対象物に取り付ける手段をもつ底端部を有するポスト、および、
    前記リテーナにスライド自在に接続し、前進ロック位置と後退非ロック位置との間に軸方向に移動可能で、前記ポストと前記リテーナとの間に生じる相対的な半径方向動作を制限し、ロック素子がロック位置にある場合に前記ポストの捕捉される部分が前記リテーナから離脱することを防止するロック素子、
    を有することを特徴とするファスナー装置。
  2. 前記ロック素子と前記リテーナとの間で作用し、前記ロック素子を前記ロック位置に偏倚させるバネをさらに有する請求項1に記載の装置。
  3. 第1対象物を前記リテーナに固着し、かつ第2対象物を前記ポストに固着する請求項1に記載の装置。
  4. 前記ロック素子が前記後退位置にある際に、残留締め付け力によって前記リテーナと前記ポストとの接続状態を維持する請求項1に記載の装置。
  5. 前記ポストの捕捉される部分がテーパー状前端部および後端部を有するバルブで、このバルブの直径が内向き力の印加時に縮小するようにバルブを半径方向に圧縮できる請求項1に記載の装置。
  6. 前記ポストが前記ロック素子を受け取る軸方向ボアを有する請求項5に記載の装置。
  7. 前記ポストのボア内に自由に受け取られるサイズの細長いピンを前記ロック素子が有する請求項6に記載の装置。
  8. 前記ポストが内向きに偏向可能な少なくとも一対の対向弾性アーム間に少なくとも一つの径方向スロットを有する請求項5に記載の装置。
  9. 前記ポストが前記バルブの後端部に隣接する縮径ネック、およびこのネックの真下に位置するフランジを有する請求項5に記載の装置。
  10. 前記ポストのフランジが前記リテーナの底端部に当接した状態で、前記ポストのバルブの後端部が前記リテーナの端壁の内部リムに隣接する請求項9に記載の装置。
  11. 前記ロック素子が磁気吸引力によって前記ロック位置から前記非ロック位置に移行できるように磁気吸引性材料から前記ロック素子を構成する請求項1に記載の装置。
  12. 前記ポストが固形で、非圧縮性である請求項1に記載の装置。
  13. 前記リテーナが半径方向外向きに偏向できる弾性側部を有する請求項12に記載の装置。
  14. 前記ロック素子は前記リテーナの外側周囲に密嵌めするスリーブであり、前記ロック位置にある場合に前記リテーナの側部が外向きに偏向することを防止し、前記ポストの前記リテーナからの離脱を十分に抑止するが、前記非ロック位置にある場合には前記リテーナの側部が外向きに偏向できるようにして、前記ポストを前記リテーナから十分取り外せるようにした請求項13に記載の装置。
  15. 前記リテーナの側部にスロットを有し、これらスロット間に弾性アームを有する請求項14に記載の装置。
  16. 前記スリーブと前記ポストとの間で作用するバネを有し、このスリーブを前記ロック位置に向けて上向きに偏倚させる請求項15に記載の装置。
  17. 前記ポストがその上端周囲に面取り部を有し、そして前記ピンがその底端に面取り部を有する請求項7に記載の装置。
  18. 前記対象物は、半田付け、ブローチング、オーバーモールディングまたはクリンチングの一つによって取り付けられる請求項3に記載の装置。
  19. 前記対象物は半田付けによって取り付けられる請求項18に記載の装置。
JP2023567070A 2021-05-06 2022-05-03 締め付け用スナップインファスナー装置 Pending JP2024517790A (ja)

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