JP2024516998A - Shp2阻害剤とegfrチロシンキナーゼ阻害剤とを含む併用療法 - Google Patents

Shp2阻害剤とegfrチロシンキナーゼ阻害剤とを含む併用療法 Download PDF

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Abstract

SHP2阻害剤とEGFR TKIとを含む組み合わせおよび医薬組成物、ならびに、治療有効量のSHP2阻害剤とEGFR TKIとを含む組み合わせを患者に投与することを含む癌を処置する方法を含む、非受容体プロテインチロシンホスファターゼ媒介性または依存性の疾患または症状を予防または処置する方法が本明細書で提供される。【選択図】なし

Description

相互参照
本出願は、2021年5月5日に出願された米国仮特許出願第63/184,697号および2022年3月17日に出願された米国仮特許出願第63/320,991号の利益を主張するものであり、それらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、SHP2およびEGFRチロシンキナーゼ阻害剤を含む組み合わせ、ならびに癌の処置におけるそのような組み合わせの使用に関する。
癌は、世界規模で罹患率および死亡率の主要因である。多くの種々の癌タイプに対する標準治療は長年にわたって大幅に改善されてはきているものの、現在の標準治療は、癌の処置を改善させる効果的な治療への必要性を依然として満たしていない。SH2含有タンパク質チロシンホスファターゼ2(SHP2)は、タンパク質チロシンホスファターゼファミリーに属しており、これは、細胞増殖、生存、分化、遊走およびアポトーシスの調節に関与している。近年、SHP2は腫瘍阻害において重要な役割を果たすことが示されており、特に腫瘍におけるSHP2の役割がますます明らかになってきている。したがって、SHP2の活性化は、実行可能な抗腫瘍戦略となっている。
タンパク質チロシンホスファターゼスーパーファミリーにおいて、SHP2は、初めて確認された真の癌原遺伝子であり、代謝、分化、増殖、遊走および生存などの様々なシグナル伝達経路において重要な役割を果たしている。SHP2は、Rasマイトジェン活性化プロテインキナーゼ、ヤヌスキナーゼ-シグナル伝達兼転写活性化因子(JAK-STAT)またはホスホイノシチド3-キナーゼ-AKTおよび核因子κB(NF-κB)ならびに他のシグナル伝達経路を調節し得る。SHP2はまた、プログラム細胞死タンパク質-1(PD-1)ならびにBおよびTリンパ球減弱因子(BTLA)の免疫チェックポイントシグナル伝達経路の主な調節因子であり、腫瘍免疫抑制に関連し得る。さらに、SHP2突然変異は、腫瘍ではまれにしか発生しない。
上皮成長因子受容体(EGFR)は、細胞外タンパク質リガンドの上皮成長因子ファミリー(EGFファミリー)のメンバーに対する受容体である膜貫通タンパク質である。多くの癌種において、EGFRの発現または活性に影響を及ぼす突然変異が癌をもたらす。EGFRを標的とする多くの薬物処置が開発されている。1つの方法は、受容体の細胞質側にあるEGFRチロシンキナーゼ(TK)を阻害するために小分子を使用することを含む。キナーゼ活性がなければ、EGFRはそれ自体を活性化することができず、これは下流アダプタータンパク質と結合するための必須条件である。明らかに、成長のためにこの経路に依存する細胞におけるシグナル伝達カスケードを停止することによって、腫瘍の増殖および遊走が減少する。しかしながら、多くの患者は耐性を示す。2つの主要な耐性源は、T790M突然変異およびMET癌遺伝子である。したがって、かなりの数の腫瘍が耐性を示すか難治性となるかのいずれかである。したがって、例えば、癌の処置のための併用療法を含む新しい療法が必要とされている。癌を処置する組み合わせおよび方法が本明細書で提供される。
とりわけ、SHP2阻害剤とEGFRチロシンキナーゼ(TK)阻害剤とを含む組み合わせが本明細書で提供される。
一態様では、式(Ia)

のSHP2阻害剤化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを含む組み合わせが本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、約5mg~約100mgの式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mgもしくは約50mgの式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む。
いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそれらの断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、タルロキソチニブ(tarloxotinib)、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤はオシメルチニブである。
別の態様では、本明細書に記載される組み合わせと、薬学的に許容され得る医薬品添加剤と、を含む医薬組成物が本明細書で提供される。
別の態様では、非受容体タンパク質チロシンホスファターゼ媒介性または依存性の疾患または症状を予防および/または処置する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、癌の処置を必要とする対象において癌を処置する方法であって、治療有効量の式(Ia)
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、治療的に許容され得る量のEGFR TK阻害剤と、を含む組み合わせを患者に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、必要とする当該患者に約5mg/kg~約25mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgを必要とする当該患者に投与される。
いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそれらのバリアントである。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、タルロキソチニブ(tarloxotinib)、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを同時にまたは連続的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とをレジメンとして患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを経口または腹腔内注射として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与は静脈内注射(I.V)によるものである。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを毎日患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とをQD、BIDまたはTIDで投与することを含む。
いくつかの実施形態では、患者は処置未経験である。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る溶媒和物の塩と、EGFR TK阻害剤とを第一選択療法として当該患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを処置の第二選択薬、第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを少なくとも1つの抗癌療法による処置後に当該患者に投与することを含み、抗癌療法は、化学療法、放射線療法、外科手術、標的療法、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、本方法は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とを少なくとも1つのEGFR TK療法に失敗した患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、癌は、少なくとも1種の抗癌剤に耐性がある。
いくつかの実施形態では、癌は、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)である。
いくつかの実施形態では、本方法は、処置を必要とする患者の癌の転移を阻害することを含む。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の当該癌の疾患進行までの時間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の生存期間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の無増悪生存期間を増大させる。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の腫瘍または腫瘍量を減少させる。いくつかの実施形態では、本方法は、原発腫瘍の転移の低減または防止を必要とする患者における原発腫瘍の転移を低減または防止する。
本明細書に記載される組み合わせおよび方法の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、特定の実施形態を示すものではあるが、この詳細な説明から本開示の趣旨および範囲内の様々な変更および修正が当業者に明らかになるため、例示のみを目的として与えられていることを理解されたい。
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の様々な態様は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および以下の添付の図面を参照することによって得られるであろう。
インビトロHCC827-ER1細胞モデルにおけるTNO-155およびRMC-4550と比較した、細胞増殖アッセイにおけるHBI-2376(式IAの化合物)の優れた効力を示す対数線形グラフである。これらの結果を実施例1の表1にまとめた。 インビトロNCI-H1975細胞モデルにおけるTNO-155およびRMC-4550と比較した、細胞増殖アッセイにおけるHBI-2376(式IAの化合物)の優れた効力を示す対数線形グラフである。これらの結果を実施例1の表1にまとめた。 オシメルチニブと組み合わせた式(Ia)の化合物が腫瘍体積を減少させるのに有効であることを実証する腫瘍体積グラフである。 オシメルチニブと組み合わせた式(Ia)の化合物が腫瘍体積を減少させるのに有効であることを実証する腫瘍体積グラフである。 相対的なERKおよびpERK発現の免疫組織化学研究である。 実施した免疫組織化学実験の代表的な組織画像である。 HBI-2376(式IAの化合物)、オシメルチニブおよびRMC-4550による処置後の腫瘍におけるERKおよびpERKの発現を表す免疫ブロットである。 HBI-2376(式IAの化合物)、オシメルチニブおよびRMC-4550による処置後のERKおよびpERKの発現を表す免疫ブロットである。 HBI-2376(式IAの化合物)、オシメルチニブおよびRMC-4550による処置後の腫瘍におけるERKおよびpERKの相対的発現を定量化した図である。 HBI-2376(式IAの化合物)、オシメルチニブおよびRMC-4550による処理後のDUSP6タンパク質の発現を表す免疫ブロットである。 HBI-2376(式IAの化合物)、オシメルチニブおよびRMC-4550による処置後の腫瘍におけるDUSP6の相対的発現を定量化した図である。 実施した免疫組織化学実験の代表的な組織画像である。 実施した免疫組織化学実験の代表的な組織画像である。 実施した免疫組織化学実験の代表的な組織画像である。 実施した免疫組織化学実験の代表的な組織画像である。
組み合わせ
一態様では、癌を処置するための組み合わせ(例えば、併用療法、例えば治療方法および使用、キット、ならびに組成物)が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組み合わせは、SHP2阻害剤とEGFR TK阻害剤とを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、第1の医薬組成物と第2の医薬組成物とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の医薬組成物はSHP2阻害剤を含み、第2の医薬組成物はEGFR TK阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の医薬組成物と第2の医薬組成物とはキットとして共包装され、これは第1および第2の医薬組成物の共投与のための説明書をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の組成物は、患者が第1の医薬組成物および第2の医薬組成物から同時に臨床的利益を得る時間枠内にそれらを患者に投与することによって、臨床現場での組み合わせのために別々に包装され得る。いくつかの実施形態では、組み合わせは、SHP2阻害剤とEGFR TK阻害剤とを含む医薬組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、組み合わせは、SHP2阻害剤とEGFR TK阻害剤とを含む医薬組成物の単位剤形を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、EGFR TK阻害剤を含む第2の医薬組成物と組み合わせた、癌の処置に使用するためのSHP2阻害剤を含む第1の医薬組成物を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、EGFR TK阻害剤を含む第2の医薬組成物と組み合わせた、癌の処置に使用するための第1の医薬組成物を調製するためのSHP2阻害剤の使用を含む。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、例えば、本明細書に記載される式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IIIa)、式(IV)、または式(IVa)のピラジン誘導体であり、EGFR TK阻害剤は、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルマチニブ、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)またはAC0010などの本明細書に記載される任意のそのような阻害剤である。
いくつかの実施形態では、(i)式(I)

の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物
(式中、
およびRは、各々同じもしくは異なり、RおよびRは、各々独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、および以下の置換されたもしくは非置換の基:-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、C-C12シクロアルキルオキシ、3~12員複素環基、C-C10アリール基、5~10員ヘテロアリール基から選択されるか、またはRおよびRは、3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基を形成し、必要に応じて3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基は、1~3個の-OH、-NH、-CN、NO、ハロゲン、C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールを有し、
は、H、Dまたは-NHから選択され、
Xは、結合、-NH-または-C(O)NH-から選択され、
Yは、NまたはCR13から選択され、ここで、R13は、H、D、-OH、-CN、ハロゲン、C-C10アルキル基、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルカンアミノ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、3~8員複素環基、ハロゲン化C-C10アルキルアミノ、またはC-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、複素環基もしくはヘテロアリール基は、必要に応じて1~4個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子は、S、O、NまたはNHから選択され、
各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、-C(O)NHR14または-NHC(O)R15から選択され、以下の基:-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C10アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで置換されているかもしくは非置換であり、ここで、R14およびR15は、各々独立して、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、置換は、C-C10アルキル、ハロゲン原子、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリール、5~10員ヘテロアリールまたは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、上述の置換基は、C-C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノまたはC-C12シクロアルキルから選択される1~3つの置換基で必要に応じて置換されており、

は、C-C10アリール、5~10員ヘテロアリール、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C14架橋環基もしくはスピロ環基、またはC-C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール、3~12員複素環基、C-C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基は、N、NH、O、S、C(O)、またはS(O)から選択される1~3個のヘテロ原子もしくは基を含み、
各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、アミノアシル、置換されたもしくは非置換の以下の基:C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、-NH、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、置換は、C-C10アルキル、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、5~10員複素芳香族基、C-C10アリール基もしくは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキルアミノ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、ハロゲン化C-C10アルキルアミノ、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールで置換されており、
、R、R、R、R10、R11、R12、およびR13は、各々独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NOから選択され、-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、C-C12シクロアルキルオキシ基、3~12員複素環基、C-C10アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択される置換されたもしくは非置換の基であり、置換は、C-C10アルキル、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、5~10員ヘテロアリールもしくはC-C10アリールから選択され、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1、2または3であり、
pは、0、1または2である)と、
(ii)治療有効量のEGFR TK阻害剤と
を含む組み合わせが本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)
の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物
(式中、
Xは、化学結合、-NH-、-CONH-から選択され、
は、H、D、ハロゲン原子、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、-C(O)NHR14または-NHC(O)R15から選択され、-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C10アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで置換されているかもしくは非置換であり、ここで、R14およびR15は、各々独立して、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリール、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、置換基は、C-C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C-C10アルコキシから選択され、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリール、5~10員ヘテロアリール、または3~12員複素環基のうちの1つ以上の置換基によって置換されており、置換基は、C-C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、またはC-C12シクロアルキルから必要に応じて置換されており、
は、C-C10アリール、5~10員ヘテロアリール、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C14架橋環基もしくはスピロ環基、またはC-C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール基、3~12員複素環基、C-C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基は、N、NH、O、S、C(O)、またはS(O)から選択される1~3個のヘテロ原子もしくは基を含み、
各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン原子、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、もしくはアミノアシルから選択され、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、-NH、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択される基で置換されているかもしくは非置換であり、置換基は、C-C10アルキル、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、5~10員複素芳香族基、1つ以上の置換基で置換されたC-C10アリールもしくは3~12員複素環基であるか、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキルアミノ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、ハロゲン化C-C10アルキルアミノ、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールを含み、
nは、0、1、2または3である)
を有する。
いくつかの実施形態では、Rは、H、D、ハロゲン、-CN、非置換またはハロゲン原子で置換されたC-C10アルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、
は、フェニル、ナフチル、5~10員ヘテロアリール基または3~12員複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール基および3~12員複素環基は、N、NH、
O、S、またはC(O)から必要に応じて選択される1~3個のヘテロ原子または基を含有する。
いくつかの実施形態では、5~10員ヘテロ芳香環は、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、インドール[1,2-a]ピラジニル、4,7-ジアザインドール、ピラゾロピリミジニル、イミダゾ-ピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、イソオキサゾピリミジニル、イミダゾピラジニル、ピラゾロピラジン、ピロロピラジニル、またはフランから選択される。いくつかの実施形態では、ピラジニル、チエノピラジニル、ピリドピリミジノン、ベンゾオキサゾリル、およびベンゾチアゾリルのいずれか1つ、3~12員複素環基は、アジリジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、1,1-ジオキシチオモルホリニル、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタム、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、スクシンイミドまたは

から選択される。
いくつかの実施形態では、3~12員複素環基は、ブチロラクタミル、ピロリジニル、スクシンイミド、または

から選択される。
いくつかの実施形態では、各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、またはアミノアシルから選択され、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、もしくは-NHで置換されているかもしくは非置換であり、置換は、C-C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-OH、-NOが1つ以上の置換基で置換されているものから選択されるか、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C-C10アルキルおよびC-C10アルコキシで置換されている。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)
の構造、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を有する。
いくつかの実施形態では、式(I)または(Ia)の化合物は、N-(3-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)チオ)-2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-3-カルボキサミド、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)もしくは(II)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩は、SHP2阻害剤である。式(I)、(Ia)および(II)の化合物は、2020年3月2日に出願された国際特許出願第PCT/CN2020/077391号によって実質的に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、
(i)式(III)
の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物
(式中、
は、NまたはCHであり、
は、NまたはCHであり、
は、NまたはCHであり、
、X、またはXの少なくとも1つがNであり、
は、Sまたは直接結合であり、
Aは、5~12員の単環式もしくは多環式シクロアルキル、単環式もしくは多環式ヘテロシクロアルキル、単環式もしくは多環式アリール、または多環式ヘテロアリールからなる群より選択され、
20は、独立して、各存在において、-H、-D、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cシクロアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、-OH、-OR25、ハロゲン、-NO、-CN、-NR2425、-SR24、-S(O)NR2425、-S(O)24、-NR24S(O)NR2425、-NR24S(O)25、-S(O)NR2425、-S(O)R24、-NR24S(O)NR2425、-NR24S(O)R25、-C(O)R24、-CO24、-C(O)NR2425、-NR24CO)R25、または3~12員の単環式もしくは多環式複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R24,-OR24、-NR2425、-SR24、-S(O)NR2425、-S(O)24、-NR24S(O)NR2425、-NR24S(O)25、-S(O)NR2425、-S(O)R、-NR24S(O)NR2425、-NR24S(O)R25、複素環、アリール、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されており、
21およびR22は、独立して、-H、-D、-OH、-C-Cアルキル、3~12員の単環式もしくは多環式複素環、5~12員のスピロ複素環、C-Cシクロアルキル、-(CH-R28、または-(CHC(O)NR2425からなる群より選択され、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つ以上の-C-Cアルキル、-OH、-NH、-OR28、-NHR28、-(CHOH、ヘテロシクリル、またはスピロヘテロシクリルで必要に応じて置換されているか、
またはR22は、R21と結合して、3~12員の単環式もしくは多環式複素環、または5~12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つ以上の-C-Cアルキル、ハロゲン、-OH、-OR、-NHR28、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、-(CHNH、-(CHOH、-COOR28、-CONHR28、-CONH(CHCOOR28、-NHCOOR28、-O-C(O)-NR2425、-CF、-CHF、-CHF、または=Oで必要に応じて置換され、ここで、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、-CNで必要に応じて置換されており、
23は、-C-Cアルキル、-C-Cハロアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル-CFOH、-CHFOH、
-NH-NHR24、-NH-OR24、-O-NR2425、-NHR24、-OR24、-NHC(O)R24、-NHC(O)NHR24、-NHS(O)24、-NHS(O)NHR24、-S(O)OH、-C(O)OR24、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、
-C(O)NH(CH28、-C(O)R28、-NH2、-OH、-CN、-C(O)NR2425、-S(O)NR2425、C-Cシクロアルキル、アリール、N、S、P、およびOからなる群より選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、P、およびOからなる群より選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルは、1つ以上の-OH、-NH、-OR、ハロゲンまたはオキソで必要に応じて置換され、各アリールまたはヘテロアリールは、1つ以上の-OH、-NH、またはハロゲンで必要に応じて置換されており、
24およびR25は、各々独立して、各存在において、-H、-D、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cシクロアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3~12員複素環、-OR26、-SR26、ハロゲン、-NR2627、-NO、および-CNからなる群より選択され、
26およびR27は、独立して、各存在において、-H、-D、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cシクロアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3~12員複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つ以上の-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで必要に応じて置換されており、
28は、独立して、-H、-D、-C-Cアルキル、-C-Cシクロアルキル、-C-Cアルケニル、-(CH-アリール、N、S、P、もしくはOからなる群より選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、P、およびOからなる群より選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニル、複素環、ヘテロアリール、または-(CH-アリールは、1つ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R24、-OR24、-NR2425、-SR24、-S(O)NR2425、-S(0)25、-NR24S(O)NR2425、-NR24S(O)25、-S(O)NR2425、-S(O)R24、-NR24S(O)NR2425、-NR24S(O)R25、-C(O)NR2425-、-NR2425C(O)-、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C-Cアルキル、CF、CHF、またはCHFで必要に応じて置換されており、
qは、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である)と、
(ii)治療有効量のEGFRチロシンキナーゼ(TK)阻害剤と
を含む組み合わせが本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、式(IIIa)
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
いくつかの実施形態では、式(IIIa)の化合物は、RMC-4550またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、2018年10月11日に出願されたPCT/US2018/055502号に記載されている化合物であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、
(i)式(IV)
の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物
(式中、
cは、0および1から選択され、
dは、0および1から選択され、
は、CHおよびNから選択され、
は、CR35およびNから選択され、
30は、-X30aであり、ここで、
30aは、C10アリール、Cシクロアルキル、CシクロアルケニルならびにN、C(O)、OおよびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子または基を含有する5~9員ヘテロアリール基から選択され、ここで、R30aの当該アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、アミノ、ヒドロキシ、N、Cアルキル、ジメチルアミノ、ヒドロキシ置換Cアルキル、ハロ置換Cアルキル、アミノ置換Cアルキル、-C(O)OR40および-NHC(O)R40から独立して選択される1~5個のR38基で置換されており、
は、結合、S(O)m1、O、C(O)、COR40、CR39a39b、NR40から選択され、ここで、
m1は0、1および2から選択され、
各R39aおよびR39bは、独立して、ハロおよびCアルキルから選択され、
40は、水素およびCアルキルから選択され、
31およびR31aは、独立して、水素、Cアルキル、Cアルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、CシクロアルキルおよびCアルキル-アミノから選択され、
32およびR32aは、独立して、ハロ、カルボニル、Cアルキル、Cアルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、CシクロアルキルおよびCアルキル-アミノから選択され、
33およびR33aは、独立して、水素、ハロ、カルボニル、Cアルキル、Ci-アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、CシクロアルキルおよびCアルキル-アミノから選択され、
34およびR34aは、独立して、水素、カルボニル、Cアルキル、Cアルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、CシクロアルキルおよびCアルキル-アミノから選択され、
ここでR31、R31a、R32、R32a、R33、R33a、R34、R34aおよびR36から選択される任意の2つの基は、5~6員の不飽和もしくは部分飽和環を形成することができ、
35は、水素、ハロ、シアノ、Cアルキル、Cアルコキシ、アミノ-カルボニル、ハロ置換Cアルキル、ハロ置換Cアルコキシ、ヒドロキシ置換Cアルキル、アミノ置換Cアルキル、-S(O)35a、-C(S)R35b、-C(O)NR35a35b
および-NR35aC(O)R35bから選択され、ここで、R35aおよびR35bは、独立して、水素およびCアルキルから選択され、
36およびR37は、それらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、N、C(O)、OおよびS(O)m1から独立して選択される1~3個のヘテロ原子または基を必要に応じて含有することができる3~7員の飽和もしくは部分不飽和環を形成し、ここで、m1は、0、1および2から選択され、R36およびR37によって形成される当該飽和環は、非置換であってもよく、またはアミノ、ヒドロキシ、メトキシ、ハロ、メチル、メチル-アミノおよびイソブチルオキシから独立して選択される1~3個の基で置換されていてもよい)と、
(ii)治療有効量のEGFR TK阻害剤と
を含む組み合わせが本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、式(IVa)
の構造、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を有する。
いくつかの実施形態では、式(IVa)の化合物は、TNO-155またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、2015年1月16日に出願されたPCT/IB2015/050345号に開示されている化合物のいずれかであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
様々な可変部について上述した基の任意の組み合わせが本明細書で企図される。本明細書を通して、それらの基および置換基は、安定な部分および化合物を提供するために当業者によって選択される。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg、または200mgを超える量で存在する本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia))を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、約5mgまたは約10mg超の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される化合物を約1mg~約500mgの量で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される化合物を、約1mg~約10mg、約1mg~約25mg、約1mg~約50mg、約5mg~約10mg、約5mg~約25mg、約5mg~約50mg、約10mg~約25mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mg、約100mg~約200mg、または約200mg~約500mgの量で含む。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、または10mgの本明細書に記載される化合物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、少なくとも約5mg、または約10mgの量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、組み合わせは、少なくとも約1mg~約10mg、約1mg~約25mg、約1mg~約50mg、約5mg~約10mg、約5mg~約25mg、約5mg~約50mg、約10mg~約25mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mg、または約100mg~約200mgの本明細書に記載される化合物を含む。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、約5mg~約500mg、または約5mg~約100mgの本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、または約200mgの本明細書に記載される化合物を含む。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、患者の体重に対する量(すなわち、mg/kg)で、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia))を含む。いくつかの例では、本明細書に記載される化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、約0.001mg/kg~約200mg/kg、約0.01mg/kg~約200mg/kg、約0.01mg/kg~約150mg/kg、約0.01mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約50mg/kg、約0.01mg/kg~約25mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、または約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約200mg/kg、約0.05mg/kg~約150mg/kg、約0.05mg/kg~約100mg/kg、約0.05mg/kg~約50mg/kg、約0.05mg/kg~約25mg/kg、約0.05mg/kg~約10mg/kg、または約0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約200mg/kg、約0.5mg/kg~約150mg/kg、約0.5mg/kg~約100mg/kg、約0.5mg/kg~約50mg/kg、約0.5mg/kg~約25mg/kg、約0.5mg/kg~約10mg/kg、または約0.5mg/kg~約5mg/kgに相当する量で存在する。他の例では、本明細書に記載される化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg、約1mg/kg~約150mg/kg、約1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/kg~約50mg/kg、約1mg/kg~約25mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、または約1mg/kg~約5mg/kgに相当する量で存在する。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、患者の体重当たり約5mg/kg~約25mg/kgの本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、体重当たり約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgの本明細書に記載される化合物を含む。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、EGFR TK(上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ)阻害剤を含む。上皮成長因子受容体(EGFR)は、癌の発症および進行に関与する。体細胞EGFR突然変異は、EGFRチロシンキナーゼ(TK)阻害剤(TKI)による処置に対する応答の予測因子である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、小分子化合物、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそれらの機能的断片もしくはバリアントであり得る。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、小分子化合物(例えば、約1000Da未満の分子量を有する化合物)である。いくつかの例では、本明細書に記載される組み合わせで有用なEGFR TK阻害剤は、核酸およびポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、ポリペプチド(例えば、大環状ポリペプチド)である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、ScFv、またはそれらの機能的断片である。
いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、小分子化合物である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ(olmatinib)、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、第1世代の阻害剤(例えば、エルロチニブまたはゲフィチニブ)である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、第2世代の阻害剤(例えば、アファチニブまたはビジンプロ(ダコミチニブ))である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、第3世代阻害剤(例えば、オシメルチニブ、ロシレチニブ、オルマチニブ、またはAC0010)である。
第1世代のEGFR-TKIは、ATP結合部位への結合を介してEGFRによって誘導される下流シグナル伝達の活性化を遮断するように機能する。いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、エルロチニブである。エルロチニブは、とりわけタルセバの商品名で販売されており、上皮成長因子受容体(EGFR)にエクソン19欠失(del19)またはエクソン21(L858R)置換突然変異のいずれかの突然変異を有する一部の非小細胞肺癌(NSCLC)を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、ゲフィチニブである。ゲフィチニブは、イレッサの商品名で販売されており、特定の乳癌、肺癌および他の癌に使用される薬剤である。ゲフィチニブは、エルロチニブと同様に、標的細胞において上皮成長因子受容体(EGFR)を介したシグナル伝達を中断する。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、第2世代のEGFR TKIを含む。いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、アファチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、ビジンプロ(ダコミチニブ)である。ビジンプロの商品名で販売されているダコミチニブは、EGFRの選択的かつ不可逆的な阻害剤である。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、第3世代のEGFR TKIを含む。いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、オシメルチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、またはAC0010である。
いくつかの実施形態では、EGFR TKIはオシメルチニブである。オシメルチニブは、タグリッソという名称で販売されており、T790M突然変異に対して陽性である局所進行癌または転移癌を処置するためにしばしば使用される。T790M突然変異は、de novoであり得るか、または他のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)、例えばゲフィチニブおよびアファチニブによる第一選択処置後に獲得され得る。
いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、オルマチニブ(HM61713)である。
いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、AC0010である。AC0010は、小分子の不可逆的チロシンキナーゼ阻害剤であり、野生型(WT)EGFRを温存ながらEGFRの突然変異型を選択的に標的とする。
いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、タルロキソチニブ(Tarlox)である。いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、TAK-788である。
いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。抗体は、例えばヒト抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体またはキメラヒト抗体などの本明細書に例示されるものを含むがこれらに限定されない、すべての既知の型の抗体およびそれらの機能的断片を含む。
いくつかの実施形態では、EGFR TKIは、アミバンタマブ(JNJ-6372)である。アミバンタマブは、免疫細胞指向活性を有する完全ヒトEGFRおよび間葉系上皮移行(MET)二重特異性抗体である。アミバンタマブは、NSCLCで3番目に多いEGFR突然変異であるエクソン20突然変異を標的とする。
EGFR TK阻害剤は、該阻害剤を必要とする患者の体重に関する尺度としての量で存在し得る。例えば、EGFR TK阻害剤は、約0.1mg/kg~約30mg/kg、約0.1mg/kg~約25mg/kg、約0.1mg/kg~約20mg/kg、約0.1mg/kg~約15mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約7.5mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約2.5mg/kg、または約0.1mg/kg~約1mg/kgの量で存在し得る。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、約0.5mg/kg~約30mg/kg、約0.5mg/kg~約25mg/kg、約0.5mg/kg~約20mg/kg、約0.5mg/kg~約15mg/kg、約0.5mg/kg~約10mg/kg、約0.5mg/kg~約7.5mg/kg、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約2.5mg/kg、または約0.5mg/kg~約1mg/kgの量で存在する。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、約0.5mg/kg~約5mg/kg、または約0.1mg/kg~約10mg/kgの量で存在する。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、約0.5mg/kg~約15mg/kg、または約0.1mg/kg~約20mg/kgの量で存在する。
いくつかの態様では、EGFR TK阻害剤は、約0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または30mg/kgの量で存在する。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、または5mg/kgの量で存在する。
いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、組み合わせ中に、約1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、1800mg、1900mg、または2000mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、組み合わせ中に、約1mg~約10mg、約10mg~約20mg、約25mg~約50mg、約30mg~約60mg、約40mg~約50mg、約50mg~約100mg、約75mg~約150mg、約100mg~約200mg、約200mg~約500mg、約500mg~約1000mg、約1000mg~約1200mg、約1000mg~約1500mg、約1200mg~約1500mg、または約1500mg~約2000mgの量で存在する。
いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、組み合わせ中に、約0.1mg/mL、0.5mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、150mg/mL、200mg/mL、250mg/mL、300mg/mL、400mg/mLまたは500mg/mLの量で存在し得る。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、組み合わせ中に、約1mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約15mg/mL、約10mg/mL~約25mg/mL、約20mg/mL~約30mg/mL、約25mg/mL~約50mg/mL、または約50mg/mL~約100mg/mLの量で存在する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような化合物は、EGFR TK阻害剤の量と相乗的である量で提供され得る。相乗的という用語は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、式(Ia)の化合物およびEGFR TK阻害剤(本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性薬剤との同時投与を含む))または各個々の治療もしくはレジメンの相加効果よりも有効なレジメンの組み合わせを指す。
本明細書に記載される組み合わせの相乗効果により、その組み合わせの1つ以上の成分(例えば、式(Ia)の化合物またはEGFR TK阻害剤)のより低い投薬量の使用が可能になり得る。相乗効果により、本明細書に記載される疾患、障害、または症状を有する対象への投与された治療薬(例えば、式(Ia)の化合物またはEGFR TK阻害剤)の少なくとも1つの低頻度の投与を可能にし得る。そのようなより低い投薬量および投与頻度の低下は、処置の有効性を低下させることなく、対象への治療薬の少なくとも1つの投与に関連する毒性を低下させることができる。相乗効果は、任意の処置の使用に関連する有害な望ましくない副作用を回避または低減する。
化合物の更なる形態
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1つ以上の立体中心を有し、各立体中心は、独立して、R配置またはS配置のいずれかで存在する。本明細書に提示される化合物は、すべてのジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、ならびにそれらの適切な混合物を含む。本明細書で提供される化合物および方法は、すべてのcis-、trans-、syn-、anti、entgegen(E)およびzusammen(Z)異性体、ならびにそれらの適切な混合物を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて一対のジアステレオ異性体化合物/塩を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによって、個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、エナンチオマーの分割は、本明細書に記載される化合物の共有結合性ジアステレオマー誘導体を使用して行われる。別の実施形態では、ジアステレオマーは、溶解度の差に基づく分離/分解技術によって分離される。他の実施形態では、立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマー塩の形成によって、および再結晶、またはクロマトグラフィー、またはそれらの任意の組み合わせによる分離によって行われる。Jean Jacques,Andre Collet,Samuel H.Wilen,「Enantiomers,Racemates and Resolutions,」John Wiley and Sons,Inc.,1981。一態様では、立体異性体は、立体選択的合成によって得られる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物はプロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物へと変換される薬剤を指す。状況によっては、プロドラッグは親薬物よりも容易に投与され得ることから、これらは多くの場合に有用である。例えば、プロドラッグは経口投与では生物学的に利用可能であり得るが、一方で親薬物は利用不可である。プロドラッグはまた、親薬物よりも医薬組成物への溶解度が向上していてもよい。いくつかの実施形態では、プロドラッグの設計は、有効な水溶性を増加させる。限定されないが、プロドラッグの例は、水溶性が移動性に不利な細胞膜を通過するのを容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、水溶性が有益である細胞内に入ると代謝的に加水分解されて活性実体であるカルボン酸になる、本明細書に記載される化合物である。プロドラッグの更なる例は、酸基に結合した短いペプチド(ポリアミノ酸)であり得、このペプチドが代謝されて活性部分が現れる。特定の実施形態では、インビボ投与時に、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に化学的に変換される。特定の実施形態では、プロドラッグは、1つ以上のステップまたはプロセスによって、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に酵素的に代謝される。
一態様では、プロドラッグは、薬物の代謝安定性または輸送特性を変化させ、副作用または毒性をマスクし、薬物の風味を改善し、または薬物の他の特性もしくは性質を変化させるように設計される。インビボでの薬物動態(PK)、薬力学(PD)プロセスおよび薬物代謝の知識により、一旦薬学的に活性な化合物が知られると、その化合物のプロドラッグの設計が可能である。(例えば、Nogrady(1985)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach,Oxford University Press,New York,pages 388-392;Silverman(1992),The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.,San Diego,pages 352-401,Rooseboom et al.,Pharmacological Reviews,56:53-102,2004;Aesop Cho,「Recent Advances in Oral Prodrug Discovery」,Annual Reports in Medicinal Chemistry,Vol.41,395-407,2006;T.Higuchi and V.Stella,Pro-drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Seriesを参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグであり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の芳香環部分の部位は、様々な代謝反応の影響を受けやすいので、芳香環構造上の適切な置換基の組み込みは、この代謝経路を減少させるか、最小化するか、または排除する。特定の実施形態では、芳香環の代謝反応に対する感受性を減少させるか、または排除するための適切な置換基は、単なる例として、ハロゲン、またはアルキル基である。
別の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、同位体標識(例えば、放射性同位元素)されるか、または発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識、または化学発光標識を含むがこれらに限定されない他の手段によって標識される。
本明細書に開示される化合物には、1つ以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を別にすれば、本明細書に列挙される化合物と同一である同位体標識された化合物が含まれる。本化合物に取り込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl、および125Iが挙げられる。一態様では、ある特定の同位体標識された化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体がその中に組み込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。一態様では、重水素などの同位体による置換は、より大きな代謝安定性、例えば増加したインビボ半減期または低下した必要投薬量などから生じる特定の治療上の利点をもたらす。
追加の実施形態または更なる実施形態では、本明細書に記載される化合物は、所望の治療効果を含む所望の効果をもたらすために使用される代謝産物を産生する必要がある生物への投与時に代謝される。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る」は担体または希釈剤などの物質を指し、これは化合物の生物学的活性または特性を抑制せず、比較的非毒性である。これはすなわち、物質は望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、または含有される組成物の構成成分のうちいずれかと有害な様式で相互作用することなく、個体に投与され得るということである。
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、投与される生物に対して有意な刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性および性質を無効にしない化合物の塩製剤を指す。いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、本明細書に開示される化合物を酸と反応させて塩を形成することによって得られる。薬学的に許容され得る塩はまた、本明細書に開示される化合物を塩基と反応させて塩を形成することによって得られる。
本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容され得る塩として形成され得、かつ/または薬学的に許容され得る塩として使用され得る。薬学的に許容され得る塩の種類としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。(1)化合物の遊離塩基形態を、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸など、または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、酢酸t-ブチル、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸などの薬学的に許容され得る無機酸または有機酸と反応させることによって形成される酸付加塩。(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えば、マグネシウム、カルシウム)、またはアルミニウムイオンで置き換えられて形成される塩。いくつかの場合、本明細書に記載される化合物は、有機塩基、例えば、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシル-アミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと配位し得る。他の場合では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩を形成し得る。酸性プロトンを含む化合物との塩を形成するために使用される許容され得る無機塩基としては、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
薬学的に許容され得る塩への言及は、溶媒付加形態、特に溶媒和物を含むことを理解されたい。溶媒和物は化学量論量または非化学量論量の溶媒のいずれかを含有し、水およびエタノールなどの薬学的に許容され得る溶媒を用いて結晶化のプロセス中に形成され得る。溶媒が水である場合には水和物が形成され、溶媒がアルコールである場合にはアルコラートが形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセス中に都合よく調製または形成することができる。さらに、本明細書で提供される化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態で存在し得る。一般に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法において、非溶媒和形態と等価であると考えられる。
医薬組成物
一態様では、本明細書に記載される化合物は、医薬組成物に製剤化される。医薬組成物は、活性化合物の薬学的に使用することができる調製物への加工を容易にする1つ以上の薬学的に許容され得る不活性成分を使用して従来の様式で製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存している。本明細書に記載される医薬組成物の概要は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins1999)に見出すことができ、かかる開示は参照により組み込まれる。
本明細書で使用される医薬組成物は、本明細書に開示される化合物と他の化学成分(すなわち、薬学的に許容され得る不活性成分)、例えば担体、医薬品添加剤、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、またはそれらの1つ以上の組み合わせとの混合物を指す。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。
本明細書に記載される医薬製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄内注射、髄腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内、鼻腔内注射)、鼻腔内、口腔内、局所または経皮投与経路を含むがこれらに限定されない複数の投与経路によって様々な方法で対象に投与可能である。本明細書に記載される医薬製剤には、水性液体分散液、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、粉末、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、拍動放出製剤、多粒子製剤、および混合即時および制御放出製剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は経口投与される。
いくつかの実施形態では、医薬製剤は錠剤の形態である。他の実施形態では、本明細書に開示される化合物の医薬製剤は、カプセル剤の形態である。
一態様では、経口投与用の液体製剤剤形は、水性経口分散液、エマルジョン、溶液、エリキシル、ゲル、およびシロップを含むがこれらに限定されない群から選択される水性懸濁液または溶液の形態である。
吸入による投与のために、本明細書に開示される化合物は、エアロゾル、ミストまたは粉末として使用するために製剤化される。
頬側または舌下投与の場合、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤、ロゼンジ、またはゲルの形態をとることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、経皮剤形として調製される。
一態様では、本明細書に開示される化合物は、筋肉内、皮下、または静脈内注射に適した医薬組成物に製剤化される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、局所投与され、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バーム、クリームまたは軟膏などの様々な局所投与可能な組成物に製剤化することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または保持浣腸などの直腸組成物に製剤化される。
本明細書に記載される医薬組成物および剤形は、典型的には1つ以上の医薬品添加剤を含む。適切な医薬品添加剤は、薬学の当業者に周知である。特定の医薬品添加剤が医薬組成物または剤形への組み込みに適切であるかどうかは、例えば意図された患者への投与経路といった種々の要因に依存している。本明細書に記載される医薬組成物は、特定の製剤中で活性成分が分解し得る速度を減少させることができる安定剤、滑剤、緩衝剤および崩壊剤などの他の薬剤を含むことができる。
本明細書に記載される医薬組成物は、ある特定の例では、本明細書に提供される量で、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、本明細書に記載されるような抗癌剤)中の活性剤以外の更なる活性剤を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、錠剤またはカプセル剤などの経口剤形で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、非経口投与に適した液体に再懸濁することができる粉末(例えば、凍結乾燥粉末)として供給される。
本明細書に記載されるEGFR TK阻害剤は、患者への投与に好都合な形態で、または患者への投与を容易にする形態で提供され得る。例えば、いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、経口投与用に、錠剤(table)、カプセル剤または丸剤として製剤化することができる。他の例では、EGFR TK阻害剤は、非経口投与のためのすぐに使用できる溶液として製剤化することができる。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、非経口投与に適した液体に再懸濁することができる粉末(例えば、凍結乾燥粉末)として製剤化することができる。いくつかの実施形態では、組み合わせは、静脈内投与用に製剤化されたEGFR TK阻害剤を含む。
いくつかの実施形態では、組み合わせは、経口剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)として製剤化された本明細書に記載される化合物と、経口剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)として製剤化されたEGFR TK阻害剤とを含む。
本明細書に記載される組み合わせは、非制御対応物によって獲得されるもの以上に薬物療法を改善するという目的を有する、放出制御医薬品として提供され得る。放出制御製剤は、薬物の活性を延長し、投薬回数を減少し、かつ対象のコンプライアンスを増大させることができる。加えて、放出制御製剤は、作用開始時間または薬物の血中レベルなどの他の特性に影響を与えるために使用され得、それによって副(例えば、有害)作用の発生に影響を与え得る
処置の方法
本明細書に記載される組み合わせおよび医薬組成物は、例えば癌などの疾患、障害の処置または疾患および障害の症状の軽減もしくは除去に有用である。
一態様では、癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法が本明細書に記載され、本方法は、本明細書に記載されるようなSHP2阻害剤化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)と、EGFR TK阻害剤とを含む組み合わせを患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、癌は腫瘍の形態である。いくつかの実施形態では、癌は、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は非扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、癌は小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2陰性またはHER2陽性乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は大腸癌である。いくつかの実施形態では、癌(care)は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌はリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は滑筋肉腫である。いくつかの実施形態では、癌は悪性末梢鞘腫瘍(MPNST)である。
いくつかの実施形態では、腫瘍は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の腫瘍体積または腫瘍量を減少させる。いくつかの実施形態では、腫瘍は、体積が5%~95%もしくは5%~50%またはその中の任意の値に減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、体積が約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍の体積は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、約10%~約99%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約99%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約99%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約99%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約99%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約99%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約99%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約99%、約80%~約90%、約80%~約99%、または約90%~約99%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、最大で約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%減少する。
いくつかの実施形態では、癌は血液癌である。いくつかの実施形態では、癌は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(骨髄性白血病(NHL)、リードスタンバーグ疾患、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される血液癌である。いくつかの実施形態では、癌はホジキンリンパ腫またはリードスタンバーグ疾患である。
いくつかの実施形態では、癌はリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、NHLは、低悪性度NHL(例えば、濾胞性リンパ腫(FL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)または原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫)または進行性NHL(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性大細胞リンパ腫ステージIII、未分化大細胞型リンパ腫、節外NK/T細胞リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、ホジキンリンパ腫(例えば、古典的または結節性リンパ球優位型)である。いくつかの実施形態では、ホジキンリンパ腫は、リード-シュテルンベルク細胞を含み、リード-シュテルンベルク疾患を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、癌は多発性骨髄腫(MM)である。いくつかの実施形態では、癌は急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、癌は慢性骨髄性白血病(CML)である。いくつかの実施形態では、癌は慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、BinetステージA癌またはBinetステージB癌)である。いくつかの実施形態では、癌は急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、T細胞またはB細胞リンパ芽球性白血病)である。
いくつかの実施形態では、癌は、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVの癌である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIの癌(例えば、ステージIA、IBまたはIC)である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIIの癌(例えば、ステージIIAまたはIIB)である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIIIの癌(例えば、ステージIIIA、IIIBまたはIIIC)である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIVの癌(例えば、ステージIVAまたはIVB)である。
本明細書に記載される組み合わせは、診断後の任意の時点で癌患者に投与され得る。例えば、癌患者は、処置を受けていない(例えば、診断された癌への癌治療を受けたことがない)場合があり得る。癌患者は、ある癌の処置が未経験であるか、例えば転移または悪性腫瘍によって生じる1つ以上の他の癌と診断されることがある。癌患者は、1つ以上の癌について免疫チェックポイントが未処置であり得る。癌患者は、難治性癌を有し得る。ある特定の例では、本明細書に記載される組み合わせは、投与の必要がある患者に第一選択療法(例えば、治療を受けていない癌患者に投与される一次療法)として投与される。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の癌の転移を阻害する。いくつかの実施形態では、転移は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%阻害される。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の既存の腫瘍転移を減少させる。いくつかの実施形態では、既存の腫瘍転移は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%減少される。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の癌の疾患進行(進行したステージ間の進行を含む。例えば、ステージIIIからステージIV癌への進行)までの時間を延長または増加させる。いくつかの実施形態では、増加は、処置ありの疾患進行までの時間と処置なしの疾患進行までの時間との比較である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年以上であってその中の値を含む、疾患進行までの時間を延長する。
いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の生存期間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の無増悪生存期間を増大させる。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の癌の疾患進行までの時間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の生存期間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の無増悪生存期間を増大させる。いくつかの実施形態では、生存期間は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年以上であってその中の値を含む期間延長される。
いくつかの実施形態では、患者は処置未経験である患者は処置未経験である。
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを第一選択療法として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを処置の第二選択薬、第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを処置の第二選択薬として投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを処置の第三選択薬として投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの抗癌療法による処置後に、本明細書に記載される組み合わせを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗癌療法は、化学療法、放射線療法、手術、標的療法、免疫療法またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、抗癌療法は化学療法である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は放射線療法である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は癌手術である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は腫瘍切除または摘出である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は免疫療法である。
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを、少なくとも1つのEGFR TK阻害剤療法に失敗した患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを、少なくとも1つのオシメルチニブ治療に失敗した患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを肺癌に罹患している患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを、NCI-H1975癌細胞を含む癌に罹患している患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、癌は、少なくとも1つの抗癌剤に耐性がある
投薬レジメンおよび処置レジメンの方法
別の態様では、本明細書に記載される組み合わせは、本明細書に記載される疾患または症状を処置するための医薬品の調製に使用される。
特定の実施形態では、本明細書に開示される組み合わせは、予防的処置および/または治療的処置のために投与される。治療的適用では、組み合わせは、疾患または症状を既に患っている患者に、少なくとも1つの疾患または症状の症候を治癒または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。こうした使用に有効な量は、疾患または病気の重症度および経過、投与前の治療、患者の健康状態、体重および薬物への応答ならびに処置する医師の判断に応じて変化させてもよい。治療有効量は、必要に応じて、限定されないが、用量漸増臨床試験を含む方法によって決定される。
予防的適用では、本明細書に記載される組み合わせは、特定の疾患、障害または症状に罹患しやすい、またはそれ以外の場合にはそうした疾患、障害または症状のリスクがある患者に投与される。
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを経口もしくは腹腔内方法(i.p.)またはそれらの組み合わせによって患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは経口投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせは経口投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせはi.p.法によって投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせは静脈内(I.V.)投与される。
成人の処置に用いられる用量は、典型的には、0.01mg~5000mg/日または約0.01mg~約1000mg/日の範囲である。一実施形態では、所望の用量は、単回用量または分割用量で都合よく提供される。
特定の実施形態では、投与される薬物の用量は、一定の期間、一時的に減少させるか、または一時的に中断することができる(すなわち、「休薬日」)。
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせを毎日、毎週または毎月患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは毎日投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせは毎週投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせは隔週で投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせは毎月投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせは、隔月で投与される。
本明細書に記載される組み合わせは、例えば、1日1回(QD)、1日2回(BID)、週1回(QW)、週2回(BID)、週3回(TIW)または月1回(QM)で投与され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組み合わせをQD、BIDまたはTIDで投与することを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせはQDで投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせはBIDで投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせはTIDで投与される。特定の例では、本明細書に記載される化合物は、1週間に2~3回投与される。別の実施形態では、本明細書に記載される化合物はQDで投与される。化合物は、約1日間~約7日間、1日間~約14日間、1日間~約21日間、1日間~約28日間にわたって1日1回、または疾患進行もしくは許容できない毒性が生じるまで毎日投与され得る。さらに大きな耐性によってさらに多くの、またはより頻繁な投与が可能となり得る場合には、本明細書に記載される化合物の投与は、患者の耐性に部分的には依存し得る。
本明細書で使用される「同時に投与される」という用語は、具体的に限定されず、本開示の化合物および追加の活性薬剤が、例えば混合物として、または直後の順序で実質的に同時に投与されることを意味する。
本明細書で使用される「連続的に投与される」という用語は、具体的に限定されず、本開示の化合物および追加の活性剤が同時に投与されるのではなく、投与間に特定の時間間隔を空けて交互に、またはグループで投与されることを意味する。時間間隔は、本開示の化合物および追加の活性薬剤のそれぞれの投与間で同じであっても異なっていてもよく、例えば、2分~96時間、1~7日間、または1、2もしくは3週間の範囲から選択されてもよい。一般に、投与間の時間間隔は、2分~72時間、30分~24時間、または1~12時間の範囲など、数分~数時間の範囲であり得る。更なる例には、24~96時間、12~36時間、8~24時間、および6~12時間の範囲の時間間隔が含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるSHP2阻害剤化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤とは、同時にまたは連続的に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるSHP2阻害剤化合物とEGFR TK阻害剤とは、連続的に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるSHP2阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)は、QD、BIDまたはTIDで投与され、EGFR TK阻害剤は、QD、BIDまたはTIDで投与される。
本明細書に記載される組み合わせは、各治療(例えば、式(Ia)の化合物およびEGFR TK阻害剤)の投与を含むことができ、この場合、投与は、同時または連続的に(いずれの順序でも)行われる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるSHP2阻害剤化合物とEGFR TK阻害剤とは、同時に投与される(例えば、互いに少なくとも1~5分以内)。他の実施形態では、式(I)の化合物とEGFR TK阻害剤とは、連続的に投与される(例えば、互いに少なくとも10分以内、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、1日以内、2日以内、5日以内、7日以内、14日以内、または21日以内)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるSHP2阻害剤化合物は、EGFR TK阻害剤と同時に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、EGFR TK阻害剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、EGFR TK阻害剤の後に投与される。
本明細書に記載される組み合わせは、レジメンで投与され得る。レジメンは、所定の期間(例えば、投与時間)にわたって治療有効量の本明細書に記載されるSHP2阻害剤化合物とEGFR TK阻害剤とを提供するように構成することができる。レジメンは、本明細書に記載される組み合わせの成分の各々による副作用または望ましくない合併症を制限または防止するように構成され得る。レジメンは、組み合わせの両方の治療の効果の増加(例えば、相乗効果)をもたらす様式で構成され得る。癌を処置するのに有用なレジメンは、必要に応じて繰り返され得る任意の投与日数を含み得る。投与期間は、少なくとも1つの治療の投与を一切含まない休薬期間で中断することができる。例えば、レジメンは、2日間、3日間、5日間、7日間、10日間、15日間、21日間、28日間以上を含む投与期間を含み得る。これらの期間は繰り返され得る。例えば、レジメンが1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回以上繰り返される場合には、レジメンは上記の一連の日数を含み得る。
レジメンは、少なくとも1つの治療が患者にそれ以上投与されない場合には、少なくとも1日間、2日間、3日間、5日間、7日間、10日間以上の休薬期間を含み得る。休薬期間は、例えば薬物に対する患者の反応を監視することによって、または処置の有効性を測定することによって決定され得る。休薬期間は、単回治療に適用可能であり、その結果、本明細書に記載される組み合わせの1つのみの治療が休薬期間に中断されるが、他の治療は依然として投与される。休薬期間は、対象が休薬期間中の一連の期間に治療を受けないようにするため、対象に投与される治療のすべてに適用され得る。
本明細書に記載される組み合わせを使用する癌処置向けの本明細書に記載されるレジメンは、疾患進行または許容できない毒性が生じるまで継続され得る。
バイオマーカー
別の態様では、処置を必要とする患者において処置前にベースラインレベルを超えて1つ以上のバイオマーカーを調節する方法であって、本明細書に記載されるSHP2阻害剤化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、EGFR TK阻害剤との組み合わせ(例えば、式(Ia)の化合物)を患者に投与することを含む方法が本明細書に提示される。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、処置前のベースラインレベルを超えて増加または減少する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、ベースラインレベルを超えて増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、ベースラインレベルを超えて減少する。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも150%増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも150%減少する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍減少する。
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、特段文脈で明確に規定しない限り、複数形の指示対象を含む。また、「または」という用語は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、「および/または」を含むその意味で一般的に使用されることに留意されたい。さらに、本明細書で提供される見出しは、便宜上のものにすぎず、特許請求される発明の範囲または意味を解釈するものではない。
本明細書で使用される以下の用語は、特に指示しない限り、以下の意味を有する。
「オキソ」とは、=O置換基を指す。
「アルキル」とは、1~20個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りに結合している直鎖または分岐状の炭化水素鎖ラジカルを指す。10個までの炭素原子を含むアルキルは、C-C10アルキルと呼ばれ、同様に、例えば、6個までの炭素原子を含むアルキルは、C-Cアルキルである。他の数の炭素原子を含むアルキル(および本明細書で定義される他の部分)も同様に表される。アルキル基としては、C-C10アルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-CアルキルおよびC-Cアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(i-プロピル)、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、1-エチル-プロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキルは、メチルまたはエチルである。好ましくは、C-C10アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、およびtert-ブチルのいずれか1つである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、アルキル基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。
「アルキレン」とは、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖または分岐状の二価炭化水素鎖を指す。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-である。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CH-である。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CHCH-である。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CHCHCH-である。
「アルコキシ」とは、式-ORのラジカルを指し、式中、Rは、定義されたとおりのアルキルラジカルである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシ基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルコキシはメトキシである。いくつかの実施形態では、アルコキシはエトキシである。「C-C10アルコキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、基C-C10アルキル-O-を意味し、「C-C10アルキル」は、メトキシ(-OCH)、エトキシ(-OCHCH)、n-プロポキシ(-OCHCHCH)、イソ-プロポキシ(-OCH(CH)、n-ブトキシ(-OCHCHCHCH)、sec-ブトキシ(-OCH(CH)CHCH)、イソ-ブトキシ(-OCHCH(CH)、tert-ブトキシ(-OC(CH)などを含むが、これらに限定されない上で定義したとおりを意味する。
「ヘテロアルキル」とは、アルキルの1つ以上の炭素原子がO、N(すなわち、NH、N-アルキル)またはS原子で置き換えられている上記のアルキルラジカルを指す。「ヘテロアルキレン」とは、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖または分岐状の二価ヘテロアルキル鎖を指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレン基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。代表的なヘテロアルキル基としては、-OCHOMe、-OCHCHOMe、または-OCHCHOCHCHNHが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なヘテロアルキレン基としては、-OCHCHO-、-OCHCHOCHCHO-、または-OCHCHOCHCHOCHCHO-が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルアミノ」とは、式-NHRまたは-NRRのラジカルを指し、式中、各Rは、独立して、上で定義したアルキルラジカルである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミノ基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。
「芳香族」という用語は、4n+2個のπ電子を含有する非局在化π電子系を有する平面環を指し、nは整数である。芳香族は必要に応じて置換されていてもよい。「芳香族」という用語は、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)およびヘテロアリール基(例えば、ピリジニル、キノリニル)の両方を含む。
「アリール」とは、環を形成する原子の各々が炭素原子である芳香環を指す。アリール基は必要に応じて置換されていてもよい。アリール基の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリールはフェニルである。構造に応じて、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アリーレン基)であり得る。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、「アリール」または接頭辞「ar-」(「アラルキル」など)は、必要に応じて置換されているアリールラジカルを含むことを意味する。
「カルボキシ」とは、-COHを指す。いくつかの実施形態では、カルボキシ部分は、「カルボン酸生物学的等価体」で置き換えられてもよく、これは、カルボン酸部分と同様の物理的および/または化学的特性を示す官能基または部分を指す。カルボン酸生物学的等価体は、カルボン酸基と同様の生物学的特性を有する。カルボン酸部分を有する化合物は、カルボン酸含有化合物と比較した場合、カルボン酸部分をカルボン酸生物学的等価体と交換し、同様の物理的および/または生物学的特性を有することができる。例えば、一実施形態では、カルボン酸生物学的等価体は、カルボン酸基とほぼ同程度に生理学的pHでイオン化する。カルボン酸の生物学的等価体の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
などである。
「シクロアルキル」とは、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)の各々が炭素原子である、単環式もしくは多環式非芳香族ラジカルを指す。シクロアルキルは、飽和、または部分的に不飽和であり得る。シクロアルキルは芳香環と縮合していてもよい(この場合、シクロアルキルは非芳香環炭素原子を介して結合している)。シクロアルキル基には、3~10個の環原子を有する基が含まれる。代表的なシクロアルキルには、3~10個の炭素原子、3~8個の炭素原子、3~6個の炭素原子または3~5個の炭素原子を有するシクロアルキルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、C-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、単環式、二環式または多環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[2.2]ペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ノルボルニル、デカリニルおよびアダマンチルの中から選択される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは単環式である。単環式シクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、単環式シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは二環式である。二環式シクロアルキル基には、縮合二環式シクロアルキル基、スピロ二環式シクロアルキル基、および架橋二環式シクロアルキル基が含まれる。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、スピロ[2.2]ペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ノルボルニル、3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンおよびデカリニルの中から選択される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは多環式である。多環式ラジカルには、例えば、アダマンチルおよびが含まれる。いくつかの実施形態では、多環式シクロアルキルはアダマンチルである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキル基は必要に応じて置換されていてもよい。
「縮合」とは、既存の環構造に融合された本明細書に記載される任意の環構造を指す。縮合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる既存の環構造上の炭素原子は、窒素原子で置換されていてもよい。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
「ハロアルキル」とは、上で定義した1つ以上のハロラジカルで置換された、上で定義したアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルキル基は必要に応じて置換されていてもよい。
「ハロアルコキシ」とは、上で定義した1つ以上のハロラジカルによって置換された、上で定義したアルコキシラジカル、例えば、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,2-ジフルオロエトキシ、3-ブロモ-2-フルオロプロポキシ、1,2-ジブロモエトキシなどを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルコキシ基は必要に応じて置換されていてもよい。
「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」または「複素環式環」とは、2~10個の炭素原子と、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1~4個のヘテロ原子とを含む安定な3~14員の非芳香族環ラジカルを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは、単環式、二環式環(これは、縮合二環式ヘテロシクロアルキル(アリール環またはヘテロアリール環と縮合している場合、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族環原子を介して結合している)、架橋ヘテロシクロアルキルまたはスピロ-ヘテロシクロアルキルを含み得る)または多環式であり得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは単環式または二環式である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは単環式である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは二環式である。ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は、必要に応じて酸化されていてもよい。窒素原子は、必要に応じて四級化されていてもよい。ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和している。そのようなヘテロシクリルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルという用語はまた、単糖、二糖およびオリゴ糖を含むがこれらに限定されない炭水化物のすべての環形態を含む。特に明記しない限り、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~10個の炭素を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~8個の炭素を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~8個の炭素と、1または2個のN原子とを有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~10個の炭素と、0~2個のN原子と、0~2個のO原子と、0~1個のS原子とを有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~10個の炭素と、1~2個のN原子と、0~1個のO原子と、0~1個のS原子とを有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数に言及する場合、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキルを構成する(ヘテロ原子を含む)原子(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)の総数と同じではないことが理解される。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクロアルキル基は必要に応じて置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、「3~12員複素環基」という用語は、3~12個、特に5~12個、より詳細には5~7個の炭素原子およびヘテロ原子またはヘテロ原子基を含む飽和もしくは部分不飽和の単環式環、または多環式複素環基を指し、ヘテロ原子またはヘテロ原子基は、N、NH、O、C(O)、S(O)((式中、mは0、1または2である))から選択される。いくつかの実施形態では、3~12員複素環基としては、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリン、テトラヒドロピラニル、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ブチロラクタミル、バレロラクタム、カプロラクタム、ブチロラクトン、バレロラクトン、またはカプロラクトンが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリールは、単環式または二環式である。単環式ヘテロアリールの具体例としては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8-ナフチリジンおよびプテリジンが挙げられる。単環式ヘテロアリールの具体例としては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびフラザニルが挙げられる。二環式ヘテロアリールの具体例としては、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8-ナフチリジン、およびプテリジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チエニル、チアジアゾリルまたはフリルである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に0~4個のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に1~4個のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に0~4個のN原子、0~1個のO原子および0~1個のS原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に1~4個のN原子、0~1個のO原子および0~1個のS原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、C-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式ヘテロアリールは、C-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式ヘテロアリールは、5員または6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、二環式ヘテロアリールは、C-Cヘテロアリールである。
「必要に応じて置換されている」または「置換されている」という用語は、言及された基が、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C-Cアルキルアルキン、ハロゲン、アシル、アシルオキシ、-COH、-COアルキル、ニトロ、およびアミノ(例えば、-NH、-NHR、-NR)、ならびにその保護された誘導体から個別にかつ独立して選択される1つ以上の追加の基で置換されていてもよいことを意味する。いくつかの実施形態では、任意の置換基は、独立して、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、-CN、-NH、-NH(CH、-N(CH、-OH、-COHおよび-COアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、-CHCH、-CF、-OCH、および-OCFから選択される。いくつかの実施形態では、置換された基は、先行する基の1つまたは2つで置換される。いくつかの実施形態では、脂肪族炭素原子(非環式または環式)上の任意の置換基は、オキソ(=O)を含む。
「互変異性体」とは、分子のある原子から同じ分子の別の原子へのプロトンシフトを指す。本明細書に提示される化合物は、互変異性体として存在し得る。互変異性体は、単結合および隣接する二重結合の切り替えを伴う水素原子の移動によって相互変換可能な化合物である。互変異性化が可能な結合配置では、互変異性体の化学平衡が存在する。本明細書に開示される化合物のすべての互変異性形態が企図される。互変異性体の正確な比は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの要因に依存する。互変異性相互変換のいくつかの例としては、以下のものが挙げられる。
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用される場合、単一の患者への選択された治療薬の投与を包含することを意味し、薬剤が同じもしくは異なる投与経路によって、または同じもしくは異なる時間に投与される処置レジメンを含むことを意図する。
本明細書で使用される「有効量」または「治療有効量」という用語は、処置される疾患または症状の症候の1つ以上をある程度軽減する、投与される薬剤または化合物の十分な量を指す。この結果は、疾患の徴候、症候、もしくは原因の低減および/もしくは軽減、または生物系の他の望ましい変化であり得る。例えば、治療的使用のための「有効量」は、疾患症候の臨床的に有意な減少を提供するために必要とされる本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。個々のいずれかの場合での適切な「有効量」は、用量漸増研究などの技術を使用して決定されてもよい。「有効量」は、化合物が存在しない場合と比較して、化合物が記載された目的を達成するのに十分な量である(例えば、それが投与される効果を達成する、疾患を処置する、酵素活性を低下させる、酵素活性を増加させる、シグナル伝達経路を減少させる、または疾患もしくは症状の1つ以上の症候を減少させる)。「有効量」の例は、疾患の1つ以上の症候の処置、予防、または低減に寄与するのに十分な量であり、「治療有効量」とも呼ばれ得る。1つ以上の症候(およびこの句の文法的等価物)の「低減」は、1つ以上の症候の重症度もしくは頻度の減少、または1つ以上の症候の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与すると、意図された予防効果、例えば、損傷、疾患、病態もしくは症状の発症(または再発)を予防もしくは遅延させる、または損傷、疾患、病態もしくは症状、またはそれらの症候の発症(または再発)の可能性を低下させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ生じることができる。したがって、予防有効量を1回以上の投与で投与することができる。本明細書で使用される「活性低下量」は、アンタゴニストが存在しない場合と比較して、酵素の活性を減少させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。本明細書で使用される「機能破壊量」は、アンタゴニストが存在しない場合と比較して、酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、処置の目的に依存し、公知の技術を使用して当業者によって確認可能であろう(例えば、ieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkins参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「薬学的な組み合わせ」という用語は、1つを超える活性成分を混合または組み合わせることで生じる生成物を意味し、活性成分の固定された組み合わせまたは固定されていない組み合わせの両方を含む。「固定された組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば、式(Ia)の化合物および助剤が両方とも単一の実体または投薬量の形態で患者に同時に投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば式(Ia)の化合物および助剤が、特定の時間制限を設けることなく、同時に、並行してまたは連続的に、別々の実体として患者に投与され、そのような投与により患者の体内で有効なレベルの2つの化合物が提供されることを意味する。後者は、例えば3つ以上の活性成分の投与といったカクテル療法にも適用される。
「対象」または「患者」という用語は哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、ヒトが挙げられるが、これに限定されない。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される「処置する(treat)」、「処置する(treating)」または「処置(treatment)」という用語は、疾患もしくは症状の少なくとも1つの症候を緩和、減弱または改善すること、更なる症候を予防すること、疾患もしくは症候を阻害すること、例えば、疾患もしくは症状の発症を停止すること、疾患もしくは症状を緩和すること、疾患もしくは症状の後退を引き起こすこと、疾患もしくは症状によって引き起こされる症状を緩和すること、または疾患もしくは症状の症候を予防的および/または治療的に停止することを含む。
「癌」という用語は、未制御の細胞成長を特徴とする哺乳動物のいずれかの生理学的症状を指す。本明細書に記載される癌は、固形腫瘍および血液(hematological)(血液(blood))癌を含む。「血液癌」とは任意の血液感染性癌を指し、例えば、骨髄腫、リンパ腫および白血病を含む。「固形腫瘍」または「腫瘍」は、病変、ならびに悪性か良性かにかかわらず腫瘍性の細胞成長および増殖、ならびに異常な組織成長で生じるすべての全癌性細胞および癌性細胞および組織を指す。本明細書で使用される「腫瘍性」は、悪性か良性かにかかわらず、異常な組織成長で生じる調節不全または未制御であるいずれかの型の細胞成長を指す。
「高める」という用語は、投与または接触前のタンパク質または細胞と比較して、本明細書に記載される組み合わせの投与または接触後のタンパク質または細胞の機能または活性における増大または改善を指す。
「抗癌剤」という用語は、平易で通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する組成物を指す。いくつかの実施形態では、抗癌剤は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、癌を処置する方法で有用性を有すると本明細書で明らかにされている薬剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、FDAまたはUSA以外の国の同様の規制当局によって承認された癌を処置するための薬剤である。
「化学療法剤」または「化学療法薬」という用語は、平易で通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する化学組成物または化合物を指す。「化学療法」は、本明細書に記載される化学療法剤または抗癌剤の投与を含む治療またはレジメンを指す。
「ポリペプチド」および「タンパク質」は本明細書に互換的に使用され、少なくとも2つ以上のアミノ酸を含む任意の分子を指す。
「レジメン」という用語は、本明細書に記載される疾患、障害または症状を処置するための1つ以上の治療(例えば、本明細書に記載される組み合わせまたは本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性剤)の投薬および投与のタイミングについてのプロトコルを指す。レジメンは、当該技術分野で公知である有効投与期間および休薬期間を含むことができる。
本明細書に記載される抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得、異種型、同種型または同系型およびそれらの修飾バーション(例えば、ヒト化またはキメラ)を含む。「抗体」は、特定の分子抗原に結合可能であり、ポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成される免疫グロブリンクラスであるB細胞のポリペプチド産物を意味することを意図している。この場合、ポリペプチド鎖の各対は、1つの重鎖(約50~70kDa)と1つの軽鎖(約25kDa)とを有し、各鎖の各アミノ末端部分は、約100~約130以上のアミノ酸の可変領域を含み、各鎖の各カルボキシ末端部分は定常領域を含む(Borrebaeck(ed.)(1995)Antibody Engineering,Second Edition,Oxford University Press.:Kuby(1997)Immunology,Third Edition,W.H.Freeman and Company,New Yorkを参照されたい)。本明細書に記載される抗体によって結合され得る具体的な分子抗原としては、EGFRチロシンキナーゼ(TK)およびそのエピトープが挙げられる。
「モノクローナル抗体」という用語は、抗原の特定のエピトープと免疫反応可能な1種の抗原結合部位を含有する抗体分子の集団を指すが、その一方で「ポリクローナル抗体」という用語は、特定の抗原と相互作用可能な複数種の抗原結合部位を含有する抗体分子の集団を指す。モノクローナル抗体は、これが免疫反応する特定の抗原の単一結合親和性を典型的には示す。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えばハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein.,Nature,256:495-97(1975);Hongo et al.,Hybridoma,14(3):253-260(1995)、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling et al.,in:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681(Elsevier,N.Y.,1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson et al.,Nature,352:624-628(1991);Marks et al.,J Mol.Biol.222:581-597(1992);Sidhu et al.,Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mal.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Set.USA 101(34):12467-12472(2004)、およびLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)を参照されたい)ならびにヒト免疫グロブリン遺伝子座またはヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子の一部またはすべてを有する動物でのヒトまたはヒト様抗体を産生するための技術(例えば、国際公開1998/24893号、同1996/34096号、同1996/33735号、同1991/10741号、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Set.USA 90:2551(1993);Jakobovits et al.,Nature 362:255-258(1993);Bruggemann et al.,Year in lmmunol.7:33(1993)、米国特許第5,545,807号、同5,545,806号、同5,569,825号、同5,625,126号、同5,633,425号および同5,661,016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992);Lon berg et al.,Nature 368:856-859(1994);Morrison,Nature 368:812-813(1994);Fishwild et al.,Nature Biotechnol.14:845-851(1996);Neuberger,Nature Biotechnol.14:826(1996)、およびLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を参照されたい)を含む、種々の技術によって作製されることができる。
本明細書のモノクローナル抗体はまた、重鎖および/もしくは軽鎖の一部分が特定種に由来する、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列に同一または相同であるが、一方で、1つ以上の鎖の残部は、これらが所望の生物学的活性を呈する限りは、別の種に由来する、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体およびかかる抗体の断片の対応する配列に同一または相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含む(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Set.USA,pp.6851-6855(1984))。「1つ以上のヒト化抗体」は、本明細書に記載されるキメラ抗体のサブセットと見なされ得る。
抗体またはその機能的断片に関連して使用される場合(例えば、「1つ以上のヒト化抗体」)、「ヒト」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に対応するヒト可変領域またはその一部分を有する抗体または機能的断片を指す。かかるヒト生殖系列免疫グロブリン配列は、Kabat et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242に記載されている。特定の実施形態では、ヒト抗体は、ヒトで産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体、および/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製するための技術のうちのいずれかを使用して作製された抗体である。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む、当該技術分野で公知である種々の技術を使用して産生され得る。Hoogenboom and Winter,Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,Mol.Biol.,222:581(1991)。Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boemer et al.,Immunol.,147(1):86-95(1991)に記載の方法は、ヒトモノクローナル抗体の調製にも利用可能である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,2:368-74(2001)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原性変化に応答してかかる抗体を産生するように修飾されているが、それらの内在遺伝子座は無効化されているトランスジェニック動物(例えば、免疫化ゼノマウス)に抗原を投与することで調製され得る(例えば、ゼノマウス技術に関する米国特許第6,075,181号および同6,150,584号を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して産生されたヒト抗体に関する、例えばLi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)も参照されたい。
「ヒト化抗体」は、ヒト細胞によって作製される抗体に非常に酷似するように変性された可変領域または可変領域と定常領域を有する非ヒト細胞によって作製された抗体を指す。例えば、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列で見出されたアミノ酸を組み込むために非ヒト抗体アミノ酸配列を変性することによる。本発明のヒト化抗体は、例えばCDRにヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基を含むことができる(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的変異原性によって、またはインビボでの体細胞突然変異によって導入される突然変異)。ヒト化抗体はまた、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植された抗体も含むことができる。
非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化型は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を有する抗体である。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性および/または能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長目などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域の残基に置換されるヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(「FR」)残基は、対応する非ヒト残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体では見出されない残基を含み得る。これらの修飾は、結合親和性などの抗体性能をさらに向上させるために行われ得る。一般には、ヒト化抗体は、超可変ループのうちのすべて、または実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリン配列の超可変ループに対応している少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインのうちの実質的にすべてを含み、FR領域は、結合親和性、異性化、免疫原性などの抗体性能を改善する1つ以上の個々のFR残基置換を含むことかできるものの、FR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリン配列のFR領域である。これらのFR中のアミノ酸置換の数は、典型的にはH鎖では6以下であり、L鎖では3以下である。ヒト化抗体は、必要に応じてヒト免疫グロブリンであり得る免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分もまた含み得る。例示的な方法およびヒト化抗体としては、Jones et al.Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.Nature 332:323-329(1988)、およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992);Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy.Asthma&Immunol.1:105-115(1998);Harris,Biochem.Soc.Transactions 23:1035-1038(1995);Burle and Gross,Curr.Op.Biotech.5:428-433(1994)、ならびに米国特許第6,982,321号および同7,087,409号に記載のものが挙げられる。
抗体に関連して使用される場合、「機能的断片」という用語は、断片が由来する抗体としての結合活性の一部分またはそのすべてを保持する重鎖または軽鎖ポリペプチドを含む抗体の一部を指す。かかる機能的断片としては、例えばFd、Fv、Fab、F(ab’)、F(ab)2、F(ab’)2、一本鎖Fv(ScFv)、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびミニボディが挙げられ得る。他の機能的断片としては、例えばかかる機能的断片が結合活性を保持する限りは、重鎖もしくは軽鎖ポリペプチド、可変領域ポリペプチドまたはCDRポリペプチドもしくはその部分が挙げられる。例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(1989);Myers(ed.),Molec.Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference,New York:VCH Publisher,Inc.;Huston et al.,Cell Biophysics,22:189-224(1993);Pluckthun and Skerra,Meth.Enzymol.,178:497-515(1989)およびDay,E.D.,Advanced Immunochemistry,Second Ed.,Wiley-Liss,Inc.,New York,NY(1990).Antibody Engineering,Second Edition,Oxford University Press,1995に記載されているかかる抗体結合断片が見出され得る。
抗体に関連して使用される場合、「重鎖」という用語は、約50~70kDaのポリペプチド鎖を指し、アミノ末端部分は約120~130以上のアミノ酸の可変領域を含み、定常領域を含むカルボキシ末端部分を含む。定常領域は、重鎖定常領域のアミノ酸配列に基づき、アルファ(a)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)およびミュー(μ)と称される5つの異なる型のうちの1つであり得る。異なる重鎖はサイズが異なっている。すなわち、α、δおよびγはおよそ450個のアミノ酸を含有するが、μおよびεはおよそ550個のアミノ酸を含有する。軽鎖と組み合わせられた場合、これらの重鎖の異なる型によって、5つの周知のクラスの抗体であるIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM(IgGの4つのサブクラスであるIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)がそれぞれ発生する。重鎖はヒト重鎖であり得る。
抗体に関連して使用される場合、「軽鎖」という用語は、約25kDaのポリペプチド鎖を指し、アミノ末端部分は約100~約110以上のアミノ酸の可変領域を含み、定常領域を含むカルボキシ末端部分を含む。軽鎖のおよその長さは211~217アミノ酸である。定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、ラムダ(λ)のカッパ(κ)と称される2つの異なる型が存在する。軽鎖アミノ酸配列は当該技術分野で周知である。軽鎖はヒト軽鎖であり得る。
「可変ドメイン」または「可変領域」という用語は、軽鎖または重鎖のアミノ末端に一般には配置されており、重鎖では約120~130個のアミノ酸長を有し、軽鎖では約100~110個のアミノ酸長を有する抗体の軽鎖または重鎖の一部分を指すが、これらはその特定の抗原にとっての各特定の抗体の結合および特異性で使用される。可変ドメインは、異なる抗体間の配列では広範囲にわたり異なり得る。配列の可変性はCDRに集中しているが、可変ドメインの可変性が小さい部分はフレームワーク領域(FR)と称される。軽鎖および重鎖のCDRは、主に抗体と抗原との相互作用を担う。本明細書で使用されるアミノ酸位置の番号付けは、Kabat et al.(1991)Sequences of proteins of immunological interest(U.S.Department of Health and Human Services,Washington,D.C.)5th ed.などのEUインデックスに従う。可変領域は、ヒト可変領域であり得る。
CDRは、免疫グロブリン(Igまたは抗体)VH β-シートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(H1、H2もしくはH3)のうちの1つ、または抗体VL β-シートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(L1、L2もしくはL3)を指す。したがって、CDRはフレームワーク領域配列内に分散されている可変領域配列である。CDR領域は当業者に周知であり、例えば抗体可変(V)ドメイン内で最も超可変性が高い領域としてKabatにより定義されている(Kabat et al.,Biol.Chem.252:6609-6616(1977);Kabat,Adv.Prot.Chem.32:1-75(1978))。CDR領域配列はまた、保存されているβ-シートフレームワークの一部ではないこれらの残基としてChothiaにより構造的に定義されており、したがって異なる立体構造に適合可能である(Chothia and Lesk,Mol.Biol.196:901-917(1987))。どちらの用語も当該技術分野にて認知されている。カノニカルな抗体可変ドメイン内のCDRの位置は、多数の構造を比較することで決定されている(Al-Lazikani et al.,Mol.Biol.273:927-948(1997);Morea et al.,Methods 20:267-279(2000))。超可変領域内の残基の数は、様々な抗体で異なっているため、カノニカルな位置に対する更なる残基は、標準的な可変ドメインのナンバリングスキームにおける残基番号の隣に、慣習的にはa、b、cなどで番号付けされる(上記Al-Lazikani et al.,(1997))。そのような命名法も同様に当業者である。
以下の実施例は、本開示を例示することを意図しているが、本開示を限定することを意図していないことが理解されよう。前述の説明および例の様々な他の例および修正は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本開示を読んだ後に当業者には明らかであり、そのような例または修正のすべてが添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本明細書で参照されるすべての刊行物および特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
実施例1:式(Ia)の化合物の合成およびインビトロ活性
式(I)、(Ia)および(II)の化合物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/CN2020/07791に提供される方法によって合成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の合成は、化学文献に記載される手段を使用して、本明細書に記載される方法を使用して、またはそれらの組み合わせによって達成される。
細胞株および維持:インビトロおよびインビボ研究に使用された両方の細胞株(HCC827-ER1およびNCI-H1975)は、Crown Biosciences細胞バンクによって供給された。HCC827-ER1細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清+42μMエルロチニブを補充したRPMI培地中、空気中5%CO2の雰囲気下、37℃で維持した。NCI-H1975細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清+100ug/mLハイグロマイオシンを補充したRPMI培地中、空気中5%CO2の雰囲気下、37℃で維持した。腫瘍細胞を週に2回日常的に継代培養した。指数増殖期に増殖する細胞をインビトロ細胞効力およびインビボ有効性研究に使用した。
細胞生存率アッセイ:細胞傷害性アッセイのために、細胞を96ウェルプレートに播種し、Crown Biosciences Cell line Databaseに基づいて播種密度を決定した。細胞を2000細胞/ウェルで播種した。播種の24時間後、細胞を示された化合物濃度の阻害剤で処理した。5日目に、細胞をCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay試薬(Promega)で溶解し、EnVision Multi-plateリーダーを用いて発光を読み取った。IC50を計算するために、シグモイド用量応答を有する非線形回帰モデルを使用して用量応答曲線を生成する。IC50は、GraphPad Prism 8.0によって自動的に生成された。生存率の式を以下に示す。
生存率(%)=((LumTest品-LumMedium対照)/(LumNone処理-LumMedium対照))×100
インビトロ試験結果を図1Aおよび図1Bの対数線形グラフに示し、表1に要約する。
実施例2:動物モデルおよびインビボ処置
この研究における動物の管理および使用を含む手順は、実施前にCrown Biosciencesの施設内動物管理使用委員会(IACUC)によって検討および承認された。研究中、動物の管理および使用は、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)の規制に従って行われた。動物(6~8週間)を、Shanghai Lingchang Biotechnology Co.,Ltd(中国上海)から入手し、腫瘍細胞接種前に順応させた。
GH21005(式(Ia)の化合物)は、Huyabio International,LLCによって供給された。RMC-4550は、中国のMCEから購入した。オシメルチニブは、中国のSelleckから購入した。
すべての細胞株を培養で維持し、指数増殖期の細胞を採取し、腫瘍接種前に細胞カウンターによって定量化した。雌Balb/C Nude動物に接種したマトリゲル(1:1)と混合した0.1mlのPBS中のHCC827-ER1腫瘍細胞(5×10個)は、処置開始時に平均腫瘍がおよそ325mmであった。
無作為化および処置開始の日付を0日目とした。腫瘍体積を、ノギスを使用して二次元で週に2回測定し、体積を、式:V=(L×W×W)/2を使用してmmで表し、式中、Vは腫瘍体積であり、Lは腫瘍長さ(最長腫瘍寸法)であり、Wは腫瘍幅(Lに垂直な最長腫瘍寸法)である。投薬量は10mL/kg/日であった。GH21005をHP-β-CDに溶解し、200mlの50mMクエン酸ナトリウム(pH=4.2)で溶解した。抗PD-1およびラットIgG2aをPBSで希釈した。RMC-4550を、50mMクエン酸ナトリウム(pH=5.0)中の1%Captisol(登録商標)で希釈し、オシメルチニブの0.5%投薬溶液を2%DMSO/30%PEG300で希釈した。
終了時に、最後の投与の2時間後に腫瘍を回収した。腫瘍の一部を切り刻み、タンパク質単離のために直ちに急速凍結した。腫瘍の別の部分を10%中性緩衝ホルマリンで固定した後、パラフィンブロックに加工した。
これらの実験の結果を図2A~図B(HCC827-ER1)に示す。結果は、式(Ia)の化合物のみによる処置が腫瘍体積の低減をもたらさなかったことを示している(図2Aの赤色の線を参照されたい)。さらに、オシメルチニブのみによる処置は、腫瘍体積のわずかかつ一時的な減少、続いて処置計画の終了前の腫瘍体積の成長をもたらした(図2Aの緑色の線を参照されたい)。しかしながら、式(Ia)の化合物とオシメルチニブとの組み合わせによる処置は、腫瘍体積の有意かつ持続的な低減をもたらした(図2Aのオレンジ色の線を参照されたい)。式(Ia)の化合物とオシメルチニブとの組み合わせを受けた処置群で観察された腫瘍体積のこの低減は、処置プログラムの中止後消失した。まとめると、これらの結果は、式(Ia)の化合物とオシメルチニブとの間の相乗効果を証明している。図2Aはまた、RMC-4550とオシメルチニブとの間の同じ相乗関係を示し、式(I)および式(II)の化合物が腫瘍に投与された場合にオシメルチニブとの相乗効果を示すことを証明した。
実施例3:免疫組織化学
新たに回収した腫瘍組織を10%NBFに入れ、室温で24時間固定した。腫瘍組織をトリミングし、流水ですすいだ。標本を脱水のために真空組織プロセッサー(Leica HistoCore PEARL)に移し、次いで、組織包埋センター(Leica HistoCore Arcadia Hot and Cold)を使用してFFPEブロックに包埋した。FFPEブロックを、手動回転式ミクロトーム(HistoCore MULTICUT,Leica)、厚さ4μm/切片で切片化した。Bond(商標)Epitope Retrieval Solution 1(Bond ER1)、Bond(商標)Epitope Retrieval Solution 2(Bond ER2)、Bond(商標)Dewax Solution、Bond(商標)Washを含むIHCおよび抗原賦活化のための試薬。一次抗体ホスホ-p44/42 MAPK(Erk1/2)(Thr202/Tyr204)、CST4370および44/42 MAPK(Erk1/2)(137F5)CST4695をそれぞれ1:400および1:1000希釈で使用した。トリス緩衝生理食塩水/0.09%ProClin(商標)950(即時使用型)Leica DS9800中10%(v/v)動物血清を含有する抗ウサギポリHRP-IgG(<25μg/mL)を二次検出に使用した。
すべての染色された切片を、NanoZoomer--HT 2.0 Image systemにより40倍の倍率でスキャンし、全切片の高解像度写真を作成し、さらに分析した。すべての画像をHALO(商標)プラットフォームで分析した。
IHCスコアリング方法:スライド画像全体を分析し、壊死および間質領域を除外した。特異的染色の強度を、0(陰性)、1+(弱い染色)、2+(中程度の染色)、3+(強い染色)の4つのレベルでスコア化した。異なる強度レベルでの腫瘍細胞のパーセンテージをHスコアで評価した。
H-Score=(0での%)×0+(1での%)×1+(2での%)×2+(3での%)×3(H-Scoreの範囲は0~300である)。
pERKとERKの比を図3のグラフに示す。代表的な画像については図4および図10A~Dも参照されたい。
実施例4:免疫ブロット分析
腫瘍を投与後のそれぞれの時点で採取し、液体窒素中で急速凍結した。組織を乳鉢および乳棒を使用して液体窒素中で粉砕し、秤量した。ホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤を含有する量のRIPA緩衝液を重量の3倍で添加し、試料を反転させ、氷上に30分間置いた。4℃で15分間、14,000gで遠心分離することによって細胞溶解物を得て、上清を新しいチューブに移した。Pierce BCAタンパク質アッセイキットを使用してタンパク質を定量化した。50μgのタンパク質を各ウェルにロードした。ゲルを予備活性化PVDFに移し、一次抗体および二次抗体を5%粉乳を含むTBSTで希釈した。標的タンパク質を、ECL法を使用するTanon 5200化学発光画像分析システムで検出した。pERK/ERKの比を測定し、相対発現を定量化する。図5、図6および図7を参照されたい。DUSP6/β-アクチン発現レベルを図8および図9に示す。一次抗体:DUSP6、Abcam ab76310、β-アクチンCST 3700S、p-ERK CST 4370s、ERK CST 4695s。
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例示目的のみとしており、当業者に示唆される様々な修正または変更は、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることを理解されたい。本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (35)

  1. 式(Ia)

    の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と
    EGFR TK阻害剤(上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤)と
    を含む組み合わせ。
  2. 前記組み合わせが、約5mg~約100mgの前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む、請求項1に記載の組み合わせ。
  3. 前記組み合わせが、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mgもしくは約50mgの前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む、請求項1に記載の組み合わせ。
  4. 前記EGFR TK阻害剤が、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそれらのバリアントである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組み合わせ。
  5. 前記EGFR TK阻害剤が、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルマチニブ、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組み合わせ。
  6. 前記EGFR TK阻害剤がオシメルチニブである、請求項5に記載の組成物。
  7. 癌の処置を必要とする患者の癌を処置する方法であって、前記方法が、治療有効量の式(Ia)

    の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と
    EGFR TK阻害剤と
    を含む組み合わせを前記患者に投与することを含む、方法。
  8. 前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が、前記癌の処置を必要とする患者に約5mg/kg~約25mg/kgで投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が、前記癌の処置を必要とする患者に約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgで投与される、請求項7に記載の方法。
  10. 前記EGFR TK阻害剤が、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそれらのバリアントである、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記EGFR TK阻害剤が、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルマチニブ、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される、請求項7~9のいずれか一項に記載の組み合わせ。
  12. 前記EGFR TK阻害剤がオシメルチニブである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とを同時にまたは連続的に投与することを含む、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記癌が、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)である、請求項7~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記患者が治療未経験である、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその溶媒和物の薬学的に許容され得る塩と、前記EGFR TK阻害剤とを第一選択療法として前記患者に投与することとを含む、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記方法が、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とを処置の第二選択薬、第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として患者に投与することを含む、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記方法が、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とを少なくとも1つの抗癌療法による処置後に前記患者に投与することを含み、前記抗癌療法は、化学療法、放射線療法、外科手術、標的療法、免疫療法、またはそれらの組み合わせである、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とを、別のEGFR TK阻害剤療法に失敗した前記患者に投与することを含む、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記癌が、少なくとも1つの抗癌剤に対して耐性がある、請求項7~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とをレジメンとして前記患者に投与することを含む、請求項7~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とを前記患者に経口または腹腔内注射によって投与することを含む、請求項7~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とを前記患者に毎日投与することとを含む、請求項7~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記方法が、前記式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、前記EGFR TK阻害剤とをQD、BIDまたはTIDで投与することを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 癌を処置する前記方法が、前記患者における前記癌の転移を阻害する、請求項7~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 癌を処置する前記方法が、前記患者における前記癌の疾患進行までの時間を延長する、請求項7~24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 癌を処置する前記方法が、前記患者の生存を延長する、請求項7~24のいずれか一項に記載の方法。
  28. 癌を処置する前記方法が、前記患者の無増悪生存期間を増大させる、請求項7~24のいずれか一項に記載の方法。
  29. 癌を処置する前記方法が、前記患者の腫瘍または腫瘍量を減少させる、請求項7~24のいずれか一項に記載の方法。
  30. 組み合わせであって、
    (i)式(I)

    の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物
    (式中、
    およびRは、各々同じもしくは異なり、RおよびRは、各々独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、および以下の置換されたもしくは非置換の基:-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、C-C12シクロアルキルオキシ、3~12員複素環基、C-C10アリール基、5~10員ヘテロアリール基から選択されるか、またはRおよびRは、3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基を形成し、必要に応じて前記3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基は、1~3個の-OH、-NH、-CN、NO、ハロゲン、C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールを有し、
    は、H、Dまたは-NHから選択され、
    Xは、結合、-NH-または-C(O)NH-から選択され、
    Yは、NまたはCR13から選択され、ここで、R13は、H、D、-OH、-CN、ハロゲン、C-C10アルキル基、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルカンアミノ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、3~8員複素環基、ハロゲン化C-C10アルキルアミノ、またはC-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記複素環基もしくはヘテロアリール基は、必要に応じて1~4個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、S、O、NまたはNHから選択され、
    各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、-C(O)NHR14または-NHC(O)R15から選択され、以下の基:-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C10アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで置換されているかもしくは非置換であり、ここで、R14およびR15は、各々独立して、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、置換は、C-C10アルキル、ハロゲン原子、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、C-C10アリール、5~10員ヘテロアリールまたは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、上述の置換基は、C-C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノまたはC-C12シクロアルキルから選択される1~3つの置換基で必要に応じて置換されており、
    は、C-C10アリール、5~10員ヘテロアリール、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C14架橋環基もしくはスピロ環基、またはC-C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール、3~12員複素環基、C-C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基は、N、NH、O、S、C(O)、またはS(O)から選択される1~3個のヘテロ原子もしくは基を含み、
    各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、アミノアシル、置換されたもしくは非置換の以下の基:C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、-NH、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、置換は、C-C10アルキル、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、5~10員複素芳香族基、C-C10アリール基もしくは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて前記3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキルアミノ、C-C10アルキルアミノ、C-C12シクロアルキル、ハロゲン化C-C10アルキルアミノ、C-C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールで置換されており、
    、R、R、R、R10、R11、R12、およびR13は、各々独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NOから選択され、-NH、C-C10アルキル、C-C10アルキルアミノ、C-C10アルコキシ、C-C12シクロアルキル、C-C12シクロアルキルオキシ基、3~12員複素環基、C-C10アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択される置換されたもしくは非置換の基であり、置換は、C-C10アルキル、C-C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C-C10アルキル、C-C10アルコキシ、C-C10アルキルアミノ、5~10員ヘテロアリールもしくはC-C10アリールから選択され、
    mは、0、1、2または3であり、
    nは、0、1、2または3であり、
    pは、0、1または2である)と、
    (ii)治療有効量のEGFR TK阻害剤と
    を含む組み合わせ。
  31. 前記組み合わせが、約5mg~約100mgの前記式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む、請求項30に記載の組み合わせ。
  32. 前記組み合わせが、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mgもしくは約50mgの前記式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む、請求項30または31のいずれか一項に記載の組み合わせ。
  33. 前記EGFR TK阻害剤が、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそれらのバリアントである、請求項30~32のいずれか一項に記載の組み合わせ。
  34. 前記EGFR TK阻害剤が、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルマチニブ、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される、請求項30~33のいずれか一項に記載の組み合わせ。
  35. 前記EGFR TK阻害剤がオシメルチニブである、請求項30~34のいずれか一項に記載の組成物。
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