JP2024516375A - 組合せライブラリ用分析装置 - Google Patents

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Abstract

自身の上に整列された高密度のウエルを含む分析装置が開示されている。

Description

本開示は大規模組合せライブラリ(combinatorial libraries)のための分析を行うための装置および方法を提供する。特に、本明細書で開示する装置および方法は一千万までの化合物のライブラリに関する同時分析の実施を可能にする。
組合せライブラリは文献ではよく知られ、しばしばビード(beads)を利用している。これらのビードのそれぞれはそのビードにリンカ(linker)によって結合された単一の化合物の多くのコピーを含んでいる。加えて、ビードは、典型的に、ビード上の単一の化合物の構造の評価を可能にするDNAなどのレポート要素を含んでいる。これらのライブラリの多くには試験を行っている化合物が分析中にビード上に残留することによって限界がある。そのため、分析が生み出した生物学的データは、結合した化合物が最適な標的(target)に効果的には結合できないという可能性によって潜在的に棄損されている。これは、ビードからの物理的干渉、ならびに、化合物をビードに接続しているリンカの装着による立体構造上の可能な干渉によるとすることができよう。後者に関しては、この連結が、あるいは有効であった化合物の能力を標的への適切な結合から抑止し得て、結果として、化合物の実際の有効性よりも低く見積もる分析結果をもたらすことになる。
この問題に対処するための1つの選択肢は、適切な刺激(例えば、光)のもとで開裂し、それによって、ビードから化合物を解放する開裂可能なリンカの使用を含む。一旦化合物が試験ウエル内などの溶液中に入れば、化合物は自由になり、分析において最大の有効性を提供する形で自身を配向させる。さらに、これらの化合物の放出は、意味のある用量依存データを提供するために、放出される化合物の量が制御されるようになる形で行われ得る。例えば、米国特許出願第2019―0358629号を参照されたい。
開裂可能なリンカの使用がビードおよび/またはリンカによって課された立体構造上の干渉問題の回避に役立ち得る一方、さらに大きなライブラリを収容するための分析装置上の個別ウエルの数の規模拡大はさらに別の問題を引き起こしている。隣接するウエルが互いに接近しすぎていれば、1つのウエル内の試験溶液の一部がこぼれ出すことがあり、隣接するウエル内の試験溶液を汚染することがある。いずれのそのようなこぼれ出しも、活性化合物の報告された活量に虚偽の肯定または希薄化のいずれかをもたらすことで結果を改変し得る。前者が発生し得るのは、溶液中の試験化合物が活性であり、その溶液の一部が不活性化合物を有する試験ウエルに「こぼれ出した」時である。このこぼれ出しの結果、不活性化合物を有するウエルはこの時点で活性化合物を有することとなり、この活性化合物はそのウエル内に活量があるという誤った報告をもたらす。後者が発生し得るのは、用量依存の形で報告された際に報告された活量が実際の活量より少なくなるように、不活性化合物を有するウエルからのこぼれ出しが活性化合物を有するウエルを汚染して、その活性化合物の濃度を低下させた時である。
このこぼれ出し問題は分析装置が互いに非常に接近した大量のウエルを備えた際に特に現実的なものとなる。装置にとって稼働可能なサイズを維持するために、1つのウエル内の水性溶液がこぼれ出し得て隣接ウエルを汚染し得るところまでウエル密度を高めている。この密度においては、ウエル密度が高まるにつれて低下する個々のウエルの信頼性によって分析結果の信頼性が低下する。このことは技術者たちに困難な状況をもたらしている。すなわち、分析装置が所望のウエル密度を最早収容できない距離によってウエルを分離した分析装置を使用するか、または、分析中に生み出されたデータの信頼性を低下させるこぼれ出しを許容するか、である。
さらに、分析装置内のそれぞれのウエルは試験化合物の意図された結合部位である標的を含んでいる。標的の位置は、好ましくはウエルの中心またはその近くにある。しかし、標的が生存可能な細胞であると、堆積後に、その細胞は細胞の可視化がより困難になるウエルの角部分に移動し得る。分析結果はしばしば細胞を可視化することで測定されるため、適切な可視化の不首尾は細胞の活量に関する信頼できる情報を伝える分析の能力にとって重大な欠点となる。
上記に鑑み、こぼれ出しを抑止し、適切な場合に、ウエル内に載置された際に標的の移動を妨げる分析装置を提供することが有益である。
一実施形態において、本開示は、第1のウエルから第2のウエルへの水性溶液の一部のこぼれ出しを抑止するように構成された、高密度のウエルを含む分析装置を提供する。一実施形態において、本開示は、ウエル内に位置する生存可能な細胞などの標的の移動を妨げる分析装置を提供する。例えば、標的の移動を妨げることは、セル内に吸収されている可溶性化合物の結果的な生物学的影響を信頼性高く検出することが困難であるウエル内の場所への標的の移動のリスクを低減し得る。
したがって、装置の実施形態の1つにおいて、自身の上に整列した高密度のウエル(2)を含む分析装置(1)が提供され、
前記ウエル(2)のそれぞれは、
a) 水性溶液(17)中に1つまたは複数のビード(6)および1つまたは複数の標的(16)を保持するように構成された床壁(8)および側壁(7)と、
b) 隣接するウエル(2)を互いから分離する間仕切り(3)であるが、前記間仕切りのそれぞれは、第1のウエル(2)の最も近い縁から第2のウエル(2′)の最も近い縁までが長さで少なくとも約10ミクロンであり、前記第2のウエル(2′)は第1のウエル(2)からの最も近い隣のウエルであり、前記間仕切り(3)の少なくとも表面部分は、これに組み込まれ、これの表面を含むか、または、これの表面から延在する疎水性撥水性層(4)を含む間仕切り(3)と、を含む。
各実施形態において、装置のウエル(2)は、用量依存の形で前記ビードに放出可能に結合した単一の化合物の多数のコピーをそれぞれが含む1つまたは複数のビード(6)を含む。各実施形態において、前記床壁(8)は、前記標的(16)を捕獲し、標的(16)の載置後のウエル(2)内での標的の動きを妨げることが可能である標的捕獲要素(5)を含む。
一実施形態において、前記ビードの1つまたは複数はmRNA捕獲コンポーネントをさらに含む。
装置の他の実施形態において、自身の上に整列した高密度のウエル(2)を含む分析装置(1)が提供され、
前記ウエル(2)のそれぞれは、
a) 水性溶液(17)中に1つまたは複数のビード(6)および1つまたは複数の標的(16)を含む床壁(8)および側壁(7)であって、個々のウエル(2)内の1つまたは複数のビード(6)は、用量依存の形で前記ビード(6)に放出可能に結合した単一の化合物の多数のコピーを含み、前記ビード(6)のそれぞれはmRNA捕獲コンポーネントを含む、床壁(8)および側壁(7)と、
b) 隣接するウエル(2)を互いから分離するが、それぞれは、第1のウエル(2)の最も近い縁から第2のウエル(2′)の最も近い縁までが長さで少なくとも約10ミクロンである間仕切り(3)であって、前記第2のウエル(2′)は第1のウエル(2)からの最も近い隣のウエルである、間仕切り(3)と、を含み、
前記床壁(8)は、前記標的(16)を捕獲し、標的(16)の載置後のウエル(2)内での標的の移動を妨げる標的捕獲要素(5)を含み、
前記間仕切り(3)の少なくとも表面部分は、これに組み込まれるか、または、これから上向きに延在し、前記水性溶液が実質的に存在しない疎水性撥水性層(4)を含む。
装置のさらに他の実施形態において、自身の上に整列した多数のウエル(2)を含む分析装置(1)が提供され、前記ウエル(2)のそれぞれは、
a) 水性溶液(17)中に1つまたは複数のビード(6)および1つまたは複数の標的(16)を含む床壁(8)および側壁(7)であって、個々のウエル(2)内の1つまたは複数のビード(6)は、用量依存の形で前記ビード(6)に放出可能に結合した単一の化合物の多数のコピーを含み、前記ビード(6)のそれぞれはRNA捕獲コンポーネントを含む、床壁(8)および側壁(7)と、
b) 隣接するウエル(2)を互いから分離するが、それぞれは、第1のウエル(2)の最も近い縁から第2のウエル(2′)の最も近い縁までが長さで少なくとも約10ミクロンであり、前記第2のウエル(2′)は第1のウエル(2)からの最も近い隣のウエルである、間仕切り(3)と、を含み、
前記床壁(8)は、哺乳類の細胞を捕獲し、細胞の載置後のウエル(2)内での細胞の動きを妨げる細胞捕獲要素(5)を含み、
前記間仕切り(3)の少なくとも表面部分は、これに組み込まれるか、または、これから上向きに延在し、前記水性溶液が実質的に存在しない疎水性撥水性層(4)を含み、
ウエル(2)のそれぞれ内の水性溶液(17)の上面は疎水性流体(18)で覆われている。
1つの好ましい実施形態において、装置は平方ミリメートル当たり少なくとも10個のウエル、および、好ましくは、装置当たり少なくとも約1,000から10,000,000個のウエルのウエル密度を含む。例えば、装置は少なくとも1,000個のウエル、または、少なくとも約100,000個のウエル、または、少なくとも約100,000個のウエル、または、少なくとも約1,000,000個のウエルを含んでよい。
他の好ましい実施形態において、前記間仕切り(3)のそれぞれは、第1のウエル(2)の最も近い縁から第2のウエル(2′)の最も近い縁までが長さで約20ミクロンであり、前記第2のウエル(2′)は第1のウエル(2)からの最も近い隣のウエルである。各実施形態において、間仕切り(3)の長さの好ましい範囲は、少なくとも約10ミクロンから約30ミクロン、および、好ましくは、約15ミクロンから約25ミクロンである。
一実施形態において、単一のウエル(2)は標的またはその標的(16)の多数のコピーを、任意で水性溶液(17)の存在下で、含む。一実施形態において、標的(16)は哺乳類の細胞であり、水性溶液(17)はその細胞用の成長培地であり、溶液中のその細胞の生存能力(viability)を維持する。一実施形態において、哺乳類の細胞はヒトの細胞である。
一実施形態において、標的(16)は哺乳類の細胞であり、標的捕獲要素(5)は、ウエル内での細胞の動きを妨げるために、その細胞に結合するか、または、これと錯体を作る(ポリマを含めた)化合物を含む。
一実施形態において、それぞれが水性溶液を含む高密度のウエルを有する分析装置におけるこぼれ出しを抑止するための方法が提供され、この方法は、
a) mm当たり少なくとも10個のウエルの前記装置上のウエルの密度を提供するステップであって、前記ウエルのそれぞれの縁が、最も近い隣のウエルの最も近い縁から少なくとも約10ミクロンで載置され、それによって、前記ウエル間の間仕切り(3)を提供するように前記ウエルを装置上に整列させるステップと、
b) 装置(1)をあるいは含む物質を載置することにより1つのウエル(2)内の水性溶液の一部の隣接するウエル(2)への移転を阻害する生体適合性疎水性撥水性の膜または層(4)を、前記間仕切り(3)の少なくとも一部に塗布する(applying)ステップと、を含む。
一実施形態において、ウエル(2)の底面の中央に近接して載置された標的(16)の移動を抑止する方法が提供され、前記方法は、標的(16)の移動が抑止されるように十分な量で標的捕獲要素(5)を適用するステップを含む。
組合せライブラリのための分析の実施に適した装置が提供される。この装置は分析装置を含んでよい。この分析装置は、分析装置の上面に少なくとも10,000個のウエルを含んでよい。この少なくとも10,000個のウエルのそれぞれは、水性溶液中に1つまたは複数のビードおよび1つまたは複数の標的を保持するように構成された床および側壁を含んでよい。分析装置は、少なくとも10,000個のウエルの第1のウエルを少なくとも10,000個のウエルの第2のウエルから分離する表面間仕切りを含んでよい。
第1のウエルの最も近い縁から第2のウエルの最も近い縁への分析装置の上面に沿った距離は、約10ミクロン(μm)から約50μmであってよい。
第2のウエルは第1のウエルに対して最も近い隣のウエルであってよい。
表面間仕切りのそれぞれの少なくとも一部は疎水性層を含んでよい。
疎水性層は第1のウエルから第2のウエルへの水性溶液のこぼれ出しを制限するように構成されていてよい。
分析装置は上面領域を有してよい。上面領域上の少なくとも10,000個のウエルの密度は平方ミリメートル(mm)当たり少なくとも10個のウエルであってよい。
ウエルのそれぞれは約30μmから約250μmのウエル径を有してよい。ウエルのそれぞれは約30μmから約400μmのウエル深さを有してよい。
密度はmm当たり少なくとも10個のウエルからmm当たり約400個のウエルであってよい。
密度はmm当たり約40個のウエルからmm当たり約150個のウエルであってよい。
第1のウエルの最も近い縁から第2のウエルの最も近い縁への上面に沿った距離は約10μmから約30μmであってよい。
装置は、哺乳類の細胞用の水性成長培地内に維持された哺乳類の細胞を、さらに含んでよい。水性成長培地は溶液中の哺乳類の細胞の生存能力を維持するように構成されていてよい。
水性成長培地は少なくとも10,000個のウエルの少なくとも1つ内に維持されていてよい。
哺乳類の細胞はヒトの細胞であってよい。
標的捕獲要素はポリ-D-リシンを含んでいてよい。
第1のウエルの最も近い縁から第2のウエルの最も近い縁への上面に沿った距離は、約15μmから約25μmであってよい。
分析装置は上面上に少なくとも約100,000個のウエルを有していてよい。
疎水性層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンのブロック共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、(トリクロロ)オクタデシルシラン(OTS)、非晶質フッ素ポリマ、および、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から選択された生体適合性疎水性物質を含んでいてよい。
少なくとも10,000個のウエルの少なくとも1つの床は、哺乳類の細胞を捕獲する標的捕獲要素をさらに含んでいてよい。
少なくとも10,000個のウエルの少なくとも1つの床の少なくとも一部は親水性であってよい。
本発明の各分析装置の特定の態様を示す図面が提供されている。これらの装置は、必要な構成要素ならびに任意の構成要素を含んでいる。これらの図面中のこれらの構成要素は参照の簡便さのために番号が付けられ、複数の図面で共通の構成要素は同じ番号を有する。本明細書で説明する各構成要素は非限定的なものであり、例示の目的のみのために提供されていることを理解されたい。個々の構成要素の均等物は本発明の範囲内に含まれている。
本発明の装置(1)の一実施形態の一部を示す断面概略図である。 本発明の装置(1)の一実施形態の一部を示す断面概略図である。 図1Aおよび図1Bで説明した装置(1)の一部を示す断面図である。 図1Aおよび図1Bで説明した装置(1)の一部を示す断面図である。 本明細書で説明する装置(1)の一部の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の任意の態様を示す図である。 本明細書で説明する分析装置の間仕切り(3)上に疎水性撥水性層(4)を形成するための1つの処理を示す図である。
装置(1)はウエル(2)と、前記ウエル(2)内のビード(6)と、ウエル(2)内の標的捕獲要素と、1つのウエルを他のウエルから区分している表面の一部を形成する疎水性撥水性層(4)と、を含む。図2Aは、内部にビード(6)が設置された最も左側のウエル(2)を示す一方、中央および最も右側の他の2つのウエル(2)は空である(明確にするため)。図2Bは図2Aの装置を示し、最も右側のウエルはビード(6)、標的(16)、および、溶液(17)で満たされている。図2Aにあるように、他のウエル(2)の内容物は明確さのみのために省かれている。
装置(1)は、ウエル(2)と、ウエル(2)内のビード(6)と、ウエル(2)内の標的捕獲要素(5)と、間仕切り(3)の少なくとも一部から上向きに延在する疎水性撥水性層(4)と、を含む。
装置上にわたって油層を設け、それによって、1つのウエルから隣接したウエルへのこぼれ出しをさらに妨げるために、シリコーン油などの疎水性液体(18)が装置(1)の頂部に塗布されている。図3は疎水性液体(18)を含むために上向きに延在する任意の壁(28)も示す。
大規模組合せライブラリのための分析を行うための装置および方法が開示されている。しかし、本発明の詳細な説明に先立ち、以下の用語を先ず定義する。定義がない場合、本明細書で使用する用語はそれらの一般的に認められている科学的な意味を有する。
本明細書で使用する専門用語は特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用するように、単数形「a」、「an」、および、「the」は、文脈が明確に他の場合を示していない限り、複数形も同じく含むことを意図されている。
「任意の(optional)」または「任意に(ontionally)」とは、これに続けて説明する事象または状況が発生し得るか、または、発生し得ないこと、および、その事象または状況が発生する事例および発生しない事例をその説明が含むことを意味する。
用語「約(about)」は、例えば、範囲を含めて、温度、時間、数量、濃度、その他の数値による指定の前で使用されると、(+)もしくは(-)10%、5%、1%、だけ変化してよい近似値、または、それらの間のいずれかの部分的範囲もしくは下位の値を示す。好ましくは、用語「約(about)」は用量が+/-10%だけ変化してよいことを意味する。
「含んでいる(comprising)」または「含む(comprises)」は、組成および方法が記載された要素を含むが、他の要素を排除しないことを意味することが意図されている。
「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、組成および方法を定義するために使用された際に、述べられた目的のための組合せに対する何らかの本質的な重要性を持つ他の要素を排除することを意味するものとする。したがって、本明細書で定義する要素から不可欠になる組成は、主張された発明の基本的かつ新規な特性には実質的に影響を及ぼさない他の物質または工程を排除しない。
「~からなる(consisting of)」とは、他の含有物の微量元素および方法の実体のある工程を超えるものを排除することを意味するものとする。これらの転換語のそれぞれによって定義された実施形態は本発明の範囲内にある。
用語「分析装置(assay device)」は、標的に対して多数の試験化合物を同時に分析可能な装置を指す。このような装置は多数のウエルを含み、それぞれの個別ウエルは、好ましくは、実質的に同じである化合物の多数のコピーを含む。装置はこれを介して発光する物質を含む。例えば、光は装置上に照射してもよく、または、光が装置内から発生させてもよい。一実施形態において、装置を透過した光は、ある濃度のその化合物を有する溶液をウエル内に創出するために、その実質的に同じ化合物の多数のコピーのそれぞれをビードに装着させている開裂可能な結合の少なくとも一部がビードぁら開裂する波長および強度のものである。一実施形態において、装置を介して透過する光は、特定のウエル内の分子から生じた蛍光であり、これらの分子は、好ましくはビードに結合していないものである。蛍光が装置を透過するため、このように生じた蛍光は装置の外で検出可能である。
一実施形態において、分析装置は1,000,000個を超えるウエル、および、好ましくは、約10,000,000個までのウエルを含む。一実施形態において、分析装置は約10,000から約10,000,000個のウエル、および、好ましくは、約50,000から約2,000,000個のウエルを含む。一実施形態において、装置のサイズは最大で約10,000平方ミリメートルである。
用語「標的(target)」とは、その標的への試験化合物の結合親和性および/またはその結合の生物学的影響について、評価を所望する生物学的物質などの物質を意味する。例示的な標的は、単クローン性または多クローン性の抗体、単クローン性または多クローン性の抗体の破片、哺乳類の細胞、DNA、RNA、siRNA、蛋白質(例えば、融合蛋白質、酵素、サイトカイン、ケモカインなど)、ウィルスなどを含む。好ましい一実施形態において、標的はヒトの細胞などの哺乳類の細胞である。
用語「標的捕獲要素(target capturing element)」とは、化合物または化合物の混合物の生体適合性の層または膜を意味する。一実施形態において、この層または膜は、ウエル内での標的の動きを妨げるために、十分な強さでウエルの底面上の標的に結合するか、または、これと錯体を作る。他の実施形態において、標的捕獲要素は、懸濁液または溶液中の標的の完全性に干渉しない生体適合性の層または膜である。他の実施形態において、標的と標的捕獲要素との錯体は、1×10-3μmol/μL未満の解離定数(K)によって定義される。一実施形態において、単一のウエル内に多数の細胞が採用されると、標的捕獲要素はさらに細胞の凝集も抑止する。
用語「放出可能に結合し(releasably bound)」とは、ビードに結合した化合物がその結合を破壊する刺激を与えることによって放出され得ることを意味する。このような結合は時に「開裂可能な」結合と称する。化合物を放出させるための適切な刺激は使用する結合に依存する。当技術分野には、そのような結合およびその結合を破壊する適切な刺激の例が豊富にある。開裂可能な結合の非限定的な例は、いくつか挙げると、pHの変化、酵素活性、酸化的変化、酸化還元、紫外線、赤外線、超音波、磁場の変化によって解除されるものを含む。そのような開裂可能な結合およびそれらの結合を開裂させるために必要な対応する刺激の包括的な概要は、Taresco他、”Self-Responsive Prodrug Chemistries for Drug Delivery”(「薬物送達のための自己応答性プロドラッグ化学」)、Wiley Online Library、2018、onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/adtp.201800030が提供している。
「試験化合物(test compound)」と相互交換可能である用語「化合物(compound)」とは、標的へのその化合物の結合親和性および/またはその結合の生物学的影響について評価を行っている化合物を意味する。このような化合物は、これが特定の標的に関連するため、典型的に、構造活性関係(SAR)分析の一部となっている。どのような化合物が標的と結合するか、結合しないかの分析は、その化合物の構造の変化の影響に関して当業者に意味のあるデータを提供する。同様に、そのような結合の生物学的影響(または活性)を評価することは、構造上のどのような差異がこれらの生物学的影響を変化させているのかに関して、さらなる情報を当業者に提供する。
化合物への言及において使用される用語「実質的に同じ(substantially the same)」とは、ビード上の化合物の大多数が同じであることを意味する。一実施形態において、化合物の少なくとも80%、および、好ましくは、少なくとも90%、ならびに、より好ましくは、少なくとも95%が同じである。同じでない化合物は、典型的に、これらの化合物が最終生産物に対する出発物質または中間体となるようなビード上での不完全な反応の結果である。このような化合物は、標的と意味のあるように相互作用するための十分な構造を欠いていると考えられる。
用語「流体(fluid)」とは液体または流動性粉末を意味する。
用語「用量依存的に前記ビード(6)に放出可能に結合した(releasably bound to said bead(s)(6) in a dose depedent manner)」とは、化合物が開裂可能なリンカを介してビードに結合していることを意味し、開裂は滴定可能であるので放出された化合物の量は制御可能である。一実施形態において、開裂可能なリンカによって放出された化合物の量は、同一の開裂可能なリンカによって同じまたは異なるビードに結合した蛍光化合物などの伴マーカーの多数のコピーの連結によって評価される。ビードに結合すると、その蛍光化合物の蛍光を低減又は排除するために、開裂不能な消光分子が蛍光化合物に近接して到着される。蛍光の強度に対する開裂因子(例えば、既定の波長および規定の強度の紫外線)によってビードから開裂された蛍光化合物の量の標準化プロットが、設定期間にわたって作成される。紫外線は開裂可能な試験化合物を有する試験ビード、および、開裂可能な蛍光化合物を有するビードに等しく照射される。蛍光の強度の標準化プロットによって証拠立てられたように、蛍光化合物の開裂の程度は放出された試験化合物の量に相関がある。このように、一旦、放出された試験化合物の量が制御でき、かつ、これを溶液中の試験化合物の量、濃度と相関できれば、試験ウエル当たりの溶液の量を知ることができる。
用語「生体適合性のある(biocompatible)」は、ビード、標的、標的捕獲要素、化合物、mRNA、採用された水性溶液などを限定せずに含む、装置内で使用されるコンポーネントのそれぞれと適合性を持つ物質を指す。標的が生存可能な細胞である場合、生体適合性物質は使用中に細胞の生存能力を維持しなければならない。同様に、蛋白質、ポリペプチド、抗体、DNA、mRNAに対して、生体適合性物質はこれらのコンポーネントの機能特性を保持しなければならない。
装置
化合物の非常に大きな組合せライブラリを分析する能力には、装置全体のサイズの制約および装置上のウエルの密度によって限界がある。ウエルのサイズが小さくなるにつれ、平方ミリメートル当たりを基準としてさらに多くのウエルを載置する能力は向上する。しかし、ウエルの完全性には隣接するウエル間の最短距離の存在が必要であるため、そのような向上には限界がある。例えば、ウエルがともに近すぎれば、1つのウエル内の水性溶液の一部が他のウエルにこぼれ出し、両ウエルの評価を疑わしいものにすることがある。一般に、ウエル間の最短距離は少なくとも約50ミクロンであり、これは、1つのウエルから他のウエルへのこぼれ出しが実質的に低減され/防止されることを確保する。しかし、そのような分離距離はウエルの高密度に反するものである。
本明細書で説明する装置において、ウエルの設計は、ウエル間の最短距離を約10ミクロンに、および、約5ミクロンほどの短さに短縮可能とする一方で、ウエル間の疎水性撥水性の表面または突起がこぼれ出しを抑止するため、ウエルの完全性を維持している。これは、平方ミリメートル当たりの著しくより多くのウエルを許容している。したがって、各実施形態において、ウエルの分離間隔は、それぞれが、約5ミクロン、または、約10ミクロン、または、約15ミクロンの分離の最短距離を伴って、記載された値間のいずれの値、または、範囲を、その部分も含めて、含め、50ミクロン未満、または、40ミクロン未満、または、30ミクロン未満、または、20ミクロン未満であってよい。
ウエルのそれぞれの直径も装置上のウエルの密度を制御する。例えば、約40ミクロンの直径を持つウエルを有する装置は、ウエルの直径が約150ミクロンである装置よりも著しく高い密度を許容可能である。実用に関しては、本明細書で説明する装置は、ウエルを含む装置表面の平方ミリメートル当たり少なくとも10個のウエルを有するものなど、高密度のウエルを有する。
最後に、本発明の装置は、当業者による簡便な使用のためのサイズとすべきである。例えば、従来の96個のウエルのプレートは約128mm×85mm(または約7.4インチ×3.3インチ)である。これらのプレートはmm当たり0.00885個のウエルのウエル密度を提供する。これに対して、本明細書で説明する装置は、mm当たり約400個までのウエル、および、好ましくは、mm当たり少なくとも10個のウエル、ならびに、より好ましくは、mm当たり約40個のウエルからmm当たり約150個のウエルのウエル密度を有すると考えられる。各実施形態において、ウエルは約60から150ミクロンのウエル径を有する。全体を見ると、mm当たり約200個のウエル密度は、従来の96個のウエルのプレートと適合するサイズにすると、2,100,000個を超えるウエルを提供する。しかし、約12インチ(300mm―X軸)を超えないものから約12インチ(300mm―Y軸)を超えないものまでの好ましい最大サイズを以て多くの異なった装置サイズが実現可能である。本明細書で説明する高ウエル密度装置は組合せライブラリの例外的に高い処理能力を提供する。
図1Aおよび図1Bに移ると、約1mmの厚さ(100)を有する装置1の表面の例示的な部分を示す概要が提供され、示されたウエル(2)のそれぞれは約150ミクロンの最大直径(105)(最長軸に沿って測定)、約150ミクロンのウエル(2)深さ(110)、および、1つのウエルの最も近い縁からその最も近い隣のウエルである第2のウエルの最も近い縁まで少なくとも20ミクロンの距離を有する。
より一般的には、図1Aおよび図1Bの装置1は少なくとも約0.1mmの上下の厚さ(100)を有し、その表面上に多数のウエル(2)を含んでいる。それぞれのウエル(2)は約30から約250ミクロン、および、好ましくは、約50から約150ミクロンの直径(105)を有する。それぞれのウエル(2)は約30から約400ミクロン、および、好ましくは、約150ミクロンの深さ(110)を有する。これは、ウエルの直径が約150ミクロンで深さが約150ミクロンである時に、2.65×10立法ミクロンまたは0.00265ミリリットルのウエル内の体積を提供する。
本明細書で説明する装置は、Zeon Specialty Materials,Inc.(San Jose,California,USA)から市販されている環状オレフィンポリマ(COP)、Polyplastics USA,Inc.(「Farmington Hills,Michigan,USA」などの多くの供給元から市販されている環状オレフィン共重合体(COC)、Putnam Plastics(Dayville,Connecticut,USA)などの多くの供給元から市販されているポリイミド、Forster Corporation(Punam,Connecticut,USA)などの多くの供給元から市販されているポリカーボネート、Edge Embossing(Medford,Massachusetts,USA)から市販されているポリジメチルシロキサン、および、Parchem Fine&Specialty Chemicals(New Rochelle,New York,USA)から市販されているポリメタクリル酸メチルなどのポリマを限定せずに含めた多くの生体適合性物質のいずれも含み得る。
本発明の装置は当技術分野ではよく知られ、ガラス転移温度をちょうど超えた温度まで加熱することで軟化させたポリマにパターンを押し付けるステップを含む熱エンボス加工法によって直ちに準備可能である。これに続くポリマの冷却ステップが、本明細書で説明する装置における高密度のウエルを提供する。代案として、射出成型技術が使用可能であり、これは当技術分野ではよく知られている。さらに、適切なサイズ、体積、および、形状を有し、ならびに、所望のウエル密度を備えた所望の数のウエルを導入するために、生体適合性ポリマの固形ブロックをレーザエッチングすることが可能である。
図1Aおよび図1Bは、多数のウエル(2)およびウエル(2)を互いから分離している間仕切り(3)を含む、部分的に形成された装置(1)の一部を示す(間仕切り(3)の拡大図については、図2AからCを参照)。一実施形態において、それぞれの間仕切り(3)は、第1のウエル(2)からその最も近い隣のウエル(2‘)に長さで少なくとも約10ミクロン離れている。ウエル間のこの最短距離が、それぞれのウエル(2)内に均一な水性溶液(こぼれ出しなし)が含まれるように、かつ、それぞれのウエル(2)が1つまたは複数のビードを含み、そのビードはこれに結合した同じ試験化合物の多数のコピーを含むように、ウエルの完全性を確保している。好ましい実施形態において、間仕切り(3)は、長さで約5、10、または、20ミクロン、および、より好ましくは、約29ミクロンから約50ミクロン未満までの最も近い隣のウエルから測定した長さを有する。
上記に従って長さで約10ミクロンの間仕切り(3)を有して熱エンボス加工法によってウエル(2)を作成する際は、上述のように熱可塑性ポリマのシートをガラス転移温度より僅かに高い温度まで加熱する。好ましくは所望の密度で表面上に均一に載置された、多くの円形プロングを含むスタンプを選択する。それぞれのプロングは、上述のウエル(2)のサイズに相関した直径および深さを有するサイズが取られている。いずれの2つの隣接プロング間の距離も少なくとも約10ミクロンである(すなわち、間仕切り(3)は厚さが少なくとも約10ミクロンである)。スタンプは、プロングを含む部分がシートの上面内に合うようにサイズが取られている。プロングの全長をシートに確実に沈ませるために、スタンプに十分な力をかける。必要な力はシートの柔らかさの程度に依存し、当業者によって直ちに確認可能である。シートが冷めると、図1Aおよび図1Bの通りにウエル(2)および間仕切り(3)をこの時点で含むシートを提供するために、プロングは除去される。
代案として、図1Aおよび図1Bの部分的に形成された装置(1)は、スタンプの突起に対応する突起を備えた一方(オス金型半体)と、装置の基礎部分を形成する他方(メス金型半体)と、の2つの金型半体を使用する従来の射出成型によって準備可能である。両金型反体は、図1Aおよび図1Bに示す装置(1)の形状になった空洞を形成するために、互いに向けて並置する。この空洞へのモノマまたは反応性オリゴマ組成物の注入とこれに続く重合は、図1Aおよび図1Bの通りにウエル(2)および間仕切り(3)をこの時点で含む装置(1)を提供する。
一実施形態において、熱エンボス加工または金型成型の後、二酸化ケイ素コーティングを従来のスパッタ技術によってウエル(2)の底面(すなわち、ウエル(2)の床壁、図2Aを参照)(8)を含めて装置(1)の上面に塗布してよい。好ましくは、二酸化ケイ素層の厚さは約0.5から約100ナノメータであり、および、より好ましくは、約10から50ナノメータである。二酸化ケイ素コーティングは、形成すべき撥水性生体適合性層(4)ならびに標的捕獲要素(5)の双方を結合する反応層を提供する。
図2A、図2B、および、図2Cは構築の異なる各段階での装置(1)の異なった態様を示す。例えば、図2Aは、側面(7)および底面(8)、ならびに、間仕切り(3)の上面を規定する生体適合性疎水性撥水性層(4)を備えたウエル(2)を有する装置(1)を示す。第1ウエル(2)内には標的捕獲層(5)およびビード(6)を示す。
図2Bはウエル(2)内の水性溶液(17)中の標的(16)をさらに含んでいる。図2Cは図2Aで開示したものからの生体適合性疎水性撥水性層(4)の代案形態を示す。図2Cにおいて、撥水性層(4)は間仕切り(3)の一部上にわたってのみ形成され、これは、前記間仕切り(4)の長さを短縮するために、形成後に撥水性層(4)をレーザエッチングすることで形成可能である。
装置(1)の構造の仕様に関して、ウエル(2)の底面(8)を含めた装置(1)の上面への二酸化ケイ素コーティングの塗布の後、それぞれの間仕切り(3)は、図4に示すように、1つのウエルから他のウエルへの水性溶液(17)のこぼれ出しを抑止する生体適合性疎水性撥水性層(4)を含むように修正される。この撥水性層(4)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンのブロック共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、(トリクロロ)オクタデシルシラン(OTS)、(CYTOP(登録商標)などの)非晶質フッ素ポリマ、および、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの生体適合性疎水性撥水性物質を含む。
生体適合性撥水性層(4)は従来のコーティング技術によって作成する。例えば、図4の処理のステップ1に示すように、1つのそのような技術は、装置に適合性を持つ適切な溶媒(例えば、エタノール)に溶解した生体適合性撥水性物質の溶液のディスク(24)への塗布を含む。約1から5ミクロンの溶液薄膜(23)を作成するためにディスク(24)を回転させる(図示せず)。回転を止め、図4のステップ2に示すように、装置(1)の上面を薄膜(23)上/中に載置する。ステップ3に示すように、約1から5分以内に装置(1)をディスク(24)から外し、乾燥させ、厚さが約1から5ミクロンの撥水性層(4)を形成する。
代案実施形態において、撥水性生体適合性層(4)の形成は、所望の厚さへの射出成型によって行う。撥水性生体適合性層(4)の追加がウエルのそれぞれの深さに加わるため、上述のウエルの合計深さが撥水性層(4)の形成後の深さを指すことを理解されよう。
ウエル(2)の底への標的捕獲(層)要素(5)の塗布は、図4のステップ4から5に従って達成する。ステップ4において、標的捕獲要素(5)は、例示の目的のみで使用しているが、ポリ-D-リシン(PDL)である。例えば、約0.1mg/mLの濃度を達成するために水性溶液に十分なPDLを溶解する。PDLは多くの供給元から市販されている。PDLの1つの好ましい供給元はカタログ番号A389040としてのThermoFisher Scientific,10010 Mesa Rim Road,San Diego,California,USAからである。標的捕獲要素(5)の他の例は、フィブロネクチン(ThermoFisher Scientific、カタログ番号33016015)、ビトロネクチン(Sigma Aldrich、カタログ番号5051)などを含む。
図4のステップ4に示すように、PDL標的捕獲要素(5)の無い部分的に形成された装置(1)を、PDL溶液を含む容器内に浸す。この浸漬は約1時間続ける。図4のステップEに示すように、装置(1)を取り除き、乾燥させる。装置(1)の上面上の疎水性コーティングはその表面上でのPDLの堆積を抑止し、それによって、ウエル(2)の底面(8)および、恐らくは、ウエル(2)の側壁(7)上に、標的捕獲要素をもたらす。
標的捕獲要素(5)はウエル(2)の底面(8)と生体適合性を持ち、一旦堆積すると標的の移動を妨げるために堆積の場所で標的(17)に付着するか、または、標的(1)が溶液中に存在するか懸濁液となっている際に標的(1)と生体適合性を持つかのいずれかである。好ましくは、標的捕獲要素(5)の全体的な特性は親水性であるが、疎水性を持つ領域は許容されている。一実施形態において、標的捕獲要素(5)はウエル(2)の底面(8)、および、そこに堆積した標的(17)に付着するように選択する。標的捕獲要素(5)は、ポリ(アミノ酸)、DNA、RNA、siRNA、抗体、抗体の破片、蛋白質、ポリペプチドなどの物質を含む。特定の標的捕獲要素(5)は、採用した標的(16)を基準として選択し、そのような選択は当業者にはよく知られている。一実施形態において、標的(16)はヒトHela細胞などの哺乳類の細胞であり、標的捕獲要素(5)はD―リシンのポリマ(PDL)である。約1×10から約1×1014個のリシン残基を有するD―リシンのポリマが好ましい。
撥水性生体適合性層(4)を標的捕獲要素(5)と組み合わせて使用すると、本明細書で説明する装置(1)は、平方ミリメートル当たりの非情に高いウエル密度、ならびに、電磁エネルギー検出手段(例えば、光)を使用したウエル(2)内に堆積した細胞の再現性のある検出の維持を可能にする。本明細書で説明する撥水性生体適合性層(4)の存在は、隣接するウエルからの水性溶液のこぼれ出しを抑止または排除する。
標的捕獲要素(5)の存在は、ウエル2の底の中央の近くまたは中央に堆積した標的のウエル2の底の角部分への移動に伴う問題を未然に防ぐ一助となる。このように移動すると、標的5に照射し、これから回収した電磁エネルギーの照射および読みは信頼性が低下する。
好ましくは、標的捕獲要素(5)は、静電気、親水性(例えば、水素結合)、疎水性、および、ファンデルワールス力を含めた非共有結合性相互作用によって表面(8)上に堆積する標的(1)に結合している。このような結合は、より小さな値がより強い結合相互作用に相関している平衡解離定数(Kd、時にKDとする)によって測定可能である。一実施形態において、標的捕獲要素(5)は、ウエル(2)内の標的(1)の移動を妨げるために、十分な解離定数で標的(1)に結合する。好ましくは、標的捕獲要素への標的の結合は約1×10-3を超えない、および、より好ましくは、約1×10―5μmol/μLを超えないKdを提供する。
上記の処理は分析装置(1)を形成するための方法を提供し、前記装置は多数のウエル(2)を含む。この方法は、
a) 生体適合性熱可塑性材料を、この材料を軟化させるためにガラス転移温度をちょうど超えた温度に加熱するステップと、
b) 前記加熱した材料の表面にスタンプを当てるステップであって、前記スタンプは多数のプロングを含み、それぞれのプロングは形成するウエルのサイズに相関した直径および深さを有するようにサイズを取り、いずれの2つの隣接したプロング間の距離も少なくとも10ミクロンであるステップと、
c) プロングの全長をシート内に確実に沈ませるためにスタンプに十分な圧力をかけ、続いて、それぞれのウエルを隣接するウエル(2)から分離する間仕切り(3)を有し、底面(8)および側面(7)を有するウエル(2)を提供するために、圧力を取り除くステップと、
d) 任意に、間仕切り(3)およびウエル(2)の露出した表面に二酸化ケイ素の層を塗布するステップと、
e) 間仕切り(3)に生体適合性撥水性疎水性材料(4)の層を塗布するステップと、
f) ウエル(2)の底面に標的捕獲要素(5)の層を塗布するステップと、を含み、
それによって、1つのウエル(2)から隣接するウエル(2)への水性溶液(17)のこぼれ出しを抑止可能である一方、ウエル(2)内に堆積した標的が前記ウエル(2)内で移動することを妨げる装置(1)を提供する。
図3に示す他の実施形態において、装置(1)の外縁(28)は、水より密度が低い疎水性流体(18)の層の追加を可能にするために、僅かに上向きに延在している。この層(18)は、こぼれ出しに対する付加的な保護を提供し、ならびに、試験結果に影響し得る埃、花粉などの汚染物質によるウエル(2)の汚染を防止する。疎水性流体18は生体適合性を持ち、この流体が水性溶液上にわたる層を形成するように25℃で立法センチ当たり0.99グラム未満の密度を有する。1つの好ましい疎水性流体18は、SigmaAldrich,Inc.、St.Louis,Missouri,USAなどの多くの販売業者から入手可能であるシリコーン油である。疎水性流体18は、装置(1)上にわたって据えられ、1つのウエル(2)から他のウエル(2)への水性溶液(17)のいかなるこぼれ出しも引き起こさない形でこの流体のミストを吹きかけるディスペンサーによるものを含めて、いずれの方法でも塗布可能である。疎水性流体層(18)を提供するための1つの手段は、”Caps for Assay Device(「分析装置用キャップ」)と題された米国出願第16-774875号(特許弁護士案件番号第057698-503F01US)に提供されている。図3によれば、任意の壁(28)を装置に設けるステップと、満たされたウエル(2)上にわたって疎水性液体(18)を載置するステップと、を含む、こぼれ出しおよび蒸発を防止する方法が提供される。
以下の例は例示の目的のみのために提供し、請求されている発明に対するいかなる限定にもならないものである。すべての温度は、他の場合が述べられていない限り摂氏であり、すべての条件は、他の場合が述べられていない限り大気圧におけるものである。この例において、以下の略語は以下の意味を有する。
mL = ミリリットル
mm = ミリメートル
mm = 平方ミリメートル
OTS = トリクロロ(オクタデシル)シラン
PMMA = ポリメタクリル酸メチル
rpm = 分当たり回転数
μL = マイクロリットル
μm = ミクロン
<例1 装置(1)の形成>
76mm(X軸)×50mm(Y軸)×1mm(Z軸)の大きさの熱可塑性PMMAのシート(Lucite International Cassel Works、Bilingham UKから入手可能)を、このプラスチックを軟化させるために約125℃のこれのガラス転移温度(Tg)より僅かに高い温度に加熱する。それぞれの列にmm当たり約40個のプロングの密度で表面上に4列に均一に載置された多くの円形プロングを含むスタンプを選択する。プロングのそれぞれの列は長さが約50mmで、幅が7mmである。
それぞれのプロングは約150μmの直径および約150μmのプロングの基部から端部への深さを有する。いずれの2つの隣接したプロング間の距離も約20μmである。スタンプは、プロングの列のそれぞれがシートの上面内に合うようにサイズが取られている。プロングの全長をシートの上面内に確実に沈ませるためにスタンプに十分な力をかける。必要な力はシートの柔らかさの程度に依存し、当業者によって直ちに確認可能である。シートが冷めると、図1で示したように、ウエル(2)および間仕切り(3)を有する部分的に形成された装置(1)を提供するために、プロングを除去する。
ウエル(2)および間仕切り(3)を有する装置(1)に二酸化ケイ素(SiO)の薄膜を当技術分野ではよく知られている従来のスパッタ技術によってコーティングする。スパッタ処理は、厚さが約30ナノメータの二酸化ケイ素膜が形成されるまで継続する。この膜を使用する目的は、撥水性疎水性層(4)および標的捕獲要素(5)の双方の装置(1)への付着を強化することである。
装置(1)を準備する次のステップを図4に示す。
図4は、二酸化ケイ素層を所定の位置に備えた部分的に形成された装置(1)の上面上での撥水性要素(3)の形成を示す。特に、回転可能なディスク(24)をスピナ上に載置し、約25マイクロモルの濃度のエタノール中でのOTSの溶液をこれに塗布する。スピナを起動し、約1,000rpmの速度で回転させる。スピンは溶液(23)がディスク上に均一に堆積するまで継続する。典型的に、スピンは約1分間未満にわたって継続し、停止し、溶液(23)の厚さは約0.1ミクロンから約2ミクロンとなる。
図4、ステップ2において、部分的に形成された装置(1)の上面をこの時点では静止しているディスク(24)上の溶液(23)内に載置し、そこで約5分間まで維持する。図4、ステップ3において、部分的に形成された装置(1)をディスクから外し、乾燥し、厚さが約1から2ミクロンである撥水性層(4)を形成する。
図4、ステップ4はウエル(2)の底面上の標的捕獲要素(6)の形成を示す。図4、ステップ4において、カタログ番号A389040としてThermoFisher Scientific,10010 Mesa Rim Road,San Diego,California,USAから入手したポリ-D-リシンの溶液(26)で容器(25)を満たす。例えば、約0.1mg/mLの濃度を達成するために、十分なPDLを水性溶液に溶解する。PDL標的捕獲要素(5)の無い部分的に形成された装置(1)を、PDL溶液(26)を含む容器内に浸す。この浸漬は約1時間続ける。図4、ステップ5の通りに、装置(1)を取り出し、乾燥させる。装置(1)の上面上の疎水性コーティングはその表面上でのPDLの堆積を抑止し、それによって、ウエル(2)の底面(8)および、恐らくは、ウエル(2)の側壁(7)上に、標的捕獲要素(4)を提供する。
上記の例は例示の目的のみのために提供され、非限定的なものである。装置(1)を形成するために他の技術を使用してもよい。

Claims (39)

  1. 自身の上に整列した高密度のウエル(2)を含む分析装置(1)であって、
    前記ウエル(2)のそれぞれは、
    a)水溶液(17)中に1つまたは複数のビード(6)および1つまたは複数の標的(16)を保持するように構成された床壁(8)および側壁(7)と、
    b)隣接するウエル(2)を互いから分離し、第1のウエル(2)の最も近い縁から第2のウエル(2′)の最も近い縁までの長さが少なくとも約10ミクロンである間仕切り(3)であって、前記第2のウエル(2′)は前記第1のウエル(2)から前記最も近い隣のウエルである、間仕切り(3)と、
    を備え、
    それぞれのウエル(2)は前記1つまたは複数のビード(6)を保持し、前記1つまたは複数のビード(6)のそれぞれは、用量依存的に前記1つまたは複数のビード(6)に放出可能に結合した単一の化合物の複数のコピーを含み、さらに、前記1つまたは複数のビード(6)のそれぞれは、mRNA捕獲コンポーネントを含み、
    前記床壁(8)は、前記標的(16)を捕獲し、かつ、前記標的(16)の配置後の前記ウエル(2)内での標的の移動を妨げることが可能である結合した標的捕獲要素(bound target capturing element)(5)をさらに含み、
    前記間仕切り(3)の少なくとも表面部分は、これに組み込まれ、これの前記表面を含むか、または、これの表面から延在する疎水性撥水性層(4)を有する、
    装置。
  2. 前記装置は平方ミリメートル当たり少なくとも10個のウエルのウエル密度を含む、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記装置は平方ミリメートル当たり約10個から400個のウエルのウエル密度を含む、
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記標的は水溶液中に維持されている、
    請求項1に記載の装置。
  5. 前記標的は哺乳類の細胞であり、前記水溶液は溶液中での前記細胞の生存能力を維持するための、前記細胞用の成長培地である、
    請求項4に記載の装置。
  6. 前記哺乳類の細胞はヒトの細胞である、
    請求項5に記載の装置。
  7. 前記標的捕獲要素はポリ-D-リシンを含む、
    請求項6に記載の装置。
  8. 自身の上に整列した高密度のウエル(2)を含む分析装置(1)であって、
    前記ウエル(2)のそれぞれは、
    a)水溶液(17)中に1つまたは複数のビード(6)および1つまたは複数の標的(16)を保持するように構成された床壁(8)および側壁(7)であって、個々のウエル(2)内の前記1つまたは複数のビード(6)は前記1つまたは複数のビード(6)に放出可能に結合した単一の化合物の複数のコピーを含み、前記単一の化合物は用量依存的に放出可能であり、さらに、前記1つまたは複数のビード(6)のそれぞれはmRNA捕獲コンポーネントを含む、床壁(8)および側壁(7)と、
    b)隣接するウエル(2)を互いから分離し、第1のウエル(2)の最も近い縁から第2のウエル(2′)の最も近い縁までの長さが少なくとも約10ミクロンである間仕切り(3)であって、前記第2のウエル(2′)は前記第1のウエル(2)からの前記最も近い隣のウエルである、間仕切り(3)と、
    を備え、
    前記床壁(8)は、前記標的(16)を捕獲し、かつ、前記標的(16)の配置後の前記ウエル(2)内での標的の移動を妨げる標的捕獲要素(5)を含み、
    前記間仕切り(3)の少なくとも表面部分は、これに組み込まれるか、または、これから上向きに延在し、前記水溶液を実質的に含まない疎水性撥水性層(4)を有する、
    装置。
  9. 前記装置は平方ミリメートル当たり少なくとも10個のウエルのウエル密度を含む、
    請求項8に記載の装置。
  10. 前記装置は平方ミリメートル当たり約10から400個のウエル密度を含む、
    請求項9に記載の装置。
  11. 前記標的は水溶液中に維持されている、
    請求項8に記載の装置。
  12. 前記標的は哺乳類の細胞であり、前記水溶液は溶液中での前記細胞の生存能力を維持するための、前記細胞用の成長培地である、
    請求項11に記載の装置。
  13. 前記哺乳類の細胞はヒトの細胞である、
    請求項12に記載の装置。
  14. 前記標的捕獲要素はポリ-D-リシンを含む、
    請求項13に記載の装置。
  15. 前記ビードはmRNA捕獲コンポーネントをさらに含む、
    請求項1に記載の装置。
  16. 前記装置は平方ミリメートル当たり少なくとも10個のウエルのウエル密度を含む、
    請求項1に記載の装置。
  17. 前記装置は平方ミリメートル当たり約10から400個のウエルのウエル密度を含む、
    請求項16に記載の装置。
  18. 前記標的は水溶液中に維持されている、
    請求項15に記載の装置。
  19. 前記標的は哺乳類の細胞であり、前記水溶液は溶液中での前記細胞の生存能力を維持するための、前記細胞用の成長培地である、
    請求項18に記載の装置。
  20. 前記哺乳類の細胞はヒトの細胞である、
    請求項19に記載の装置。
  21. 前記標的捕獲要素はポリ-D-リシンを含む、
    請求項20に記載の装置。
  22. それぞれが水溶液を含む高密度のウエルを有する分析装置内でのこぼれ出しを抑止する方法であって、
    a)前記装置上のウエルの密度をmm当たり少なくとも10個のウエルとし、前記ウエルのそれぞれの縁が、最も近い隣のウエルの最も近い縁から少なくとも20ミクロンで配置され、それによって、前記ウエル間の間仕切りを提供するように、前記ウエルを前記装置上に整列させるステップと、
    b)前記装置を構成する材料に重なる生体適合性疎水性撥水性の膜または層を、前記各間仕切りの少なくとも一部に塗布(applying)し、1つのウエル内の前記水溶液の一部の隣接するウエルへの移転を阻害するステップと、
    を含む
    方法。
  23. 前記ウエルの底は、標的の移動が阻害されるように十分な量の標的捕獲要素をさらに含む、
    請求項22に記載の方法。
  24. 1つまたは複数のビード(6)に放出可能に結合した単一の化合物の複数のコピーを含む1つまたは複数のビードを導入するステップ、をさらに含み、
    前記化合物は用量依存的に放出可能であり、
    前記1つまたは複数のビード(6)のそれぞれはRNA捕獲コンポーネントを含む、
    請求項22に記載の方法。
  25. 前記ウエルのそれぞれに標的を導入するステップ、をさらに含む、
    請求項22に記載の方法。
  26. 前記ウエルのそれぞれに前記1つまたは複数のビードおよび標的を導入した後に前記ウエルの上にわたって疎水性液体を塗布するステップ、をさらに含み、前記疎水性液体は水より小さな密度を有する、
    請求項24に記載の方法。
  27. 分析装置(1)を形成するための方法であって、前記装置は複数のウエル(2)を含み、この方法は、
    a)軟化させるために、ガラス転移温度をちょうど超えて生体適合性熱可塑性材料を加熱するステップと、
    b)加熱した前記材料の前記表面にスタンプを当てる(applying)ステップであって、前記スタンプは複数のプロング(prongs)を含み、それぞれのプロングは形成するウエル(2)のサイズに相関した直径および深さを有するサイズであり、任意の2つの隣接したプロング間の距離は少なくとも約10ミクロンである、ステップと、
    c)前記スタンプに十分な圧力をかけて、前記プロングの全長をシートに確実に沈ませ、続いて取り外して、それぞれのウエルを隣接するウエル(2)から分離する間仕切り(3)を有し、底面(8)および側面(7)を有するウエル(2)を提供するステップと、
    d)任意に、前記間仕切り(3)およびウエル(2)の前記露出した表面に二酸化ケイ素の層を塗布するステップと、
    e)前記間仕切り(3)に生体適合性撥水性疎水性材料(4)の層を塗布するステップと、
    f)ウエル(2)の前記底面に標的捕獲要素(5)の層を塗布するステップと、
    を含み、
    それによって、1つのウエル(2)から隣接するウエル(2)への水溶液(17)のこぼれ出しを抑止可能である一方、ウエル(2)内に堆積した標的が前記ウエル(2)内で移動することを妨げる装置(1)を提供する、
    方法。
  28. 組合せライブラリのための分析の実施に適した装置であって、
    前記装置は、
    分析装置の上面に少なくとも10,000個のウエルを含む分析装置であって、前記少なくとも10,000個のウエルのそれぞれは、水溶液中に1つまたは複数のビードおよび1つまたは複数の標的を保持するように構成された床および側壁を含む分析装置と、
    前記少なくとも10,000個のウエルの第1のウエルを前記少なくとも10,000個のウエルの第2のウエルから分離する表面間仕切りと、
    を備え、
    前記第1のウエルの最も近い縁から前記第2のウエルの最も近い縁への前記分析装置の前記上面に沿った距離は、約10ミクロン(μm)から約50μmであり、
    前記第2のウエルは、前記第1のウエルに対して最も近い隣のウエルであり、
    前記表面間仕切りのそれぞれの少なくとも一部は、疎水性層を含み、
    前記疎水性層は、前記第1のウエルから前記第2のウエルへの前記水溶液のこぼれ出しを制限するように構成され、
    前記分析装置は、上面領域を有し、前記上面領域上の前記少なくとも10,000個のウエルの密度は平方ミリメートル(mm)当たり少なくとも10個のウエルであり、
    前記ウエルのそれぞれは、約30μmから約250μmのウエル径および約30μmから約400μmのウエル深さを有する、
    装置。
  29. 前記密度は、mm当たり少なくとも10個のウエルからmm当たり約400個のウエルである、
    請求項28に記載の装置。
  30. 前記密度は、mm当たり約40個のウエルからmm当たり約150個のウエルである、
    請求項29に記載の装置。
  31. 前記第1のウエルの前記最も近い縁から前記第2のウエルの前記最も近い縁への前記上面に沿った距離は、約10μmから約30μmである、
    請求項28に記載の装置。
  32. 前記装置は、哺乳類の細胞用の水性成長培地内に維持された哺乳類の細胞を含み、
    前記水性成長培地は、溶液中の前記哺乳類の細胞の生存能力を維持するように構成され、
    前記水性成長培地は、前記少なくとも10,000個のウエルの少なくとも1つ内に維持されている、
    請求項28に記載の装置。
  33. 前記哺乳類の細胞は、ヒトの細胞である、
    請求項32に記載の装置。
  34. 標的捕獲要素は、ポリ-D-リシンを含む、
    請求項32に記載の装置。
  35. 前記第1のウエルの前記最も近い縁から前記第2のウエルの前記最も近い縁への前記上面に沿った距離は、約15μmから約25μmである、
    請求項31に記載の装置。
  36. 前記分析装置は、前記上面上に少なくとも約100,000個のウエルを有する、
    請求項28に記載の装置。
  37. 前記疎水性層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンのブロック共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、(トリクロロ)オクタデシルシラン(OTS)、非晶質フッ素重合体、および、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から選択された生体適合性疎水性材料を含む、
    請求項28に記載の装置。
  38. 前記少なくとも10,000個のウエルの少なくとも1つの前記床は、前記哺乳類の細胞を捕獲する標的捕獲要素をさらに含む、
    請求項32に記載の装置。
  39. 前記少なくとも10,000個のウエルの少なくとも1つの前記床の少なくとも一部は、親水性である、
    請求項28に記載の装置。
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