JP2024514282A - エアロゾル生成物品及びそれを製造する方法並びにエアロゾル生成システム - Google Patents

Abstract

エアロゾル生成装置（１０２）で使用するためのエアロゾル生成物品（１、２、３、４）は、実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）と、実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）に沿って延びる少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）と、実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）及び少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を囲む包装部材（２２）とを含む。エアロゾル生成基材（１４）は、エアロゾル生成装置（１０２）によって加熱されるときにエアロゾルを生成するエアロゾル生成材料を含む。少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）は、エアロゾル生成装置（１０２）によって加熱されたるときに溶融して空気流チャネル（１６）を形成するように構成される溶融性材料を含む。溶融性材料は、エアロゾル生成装置（１０２）によって溶融性材料が加熱されるとき、生成されたエアロゾル中に揮発成分を放出可能ないかなる活性剤も含まず、且つワックス等の無毒性材料を含み得る。

Description

本開示は、概して、エアロゾル生成物品に関し、より具体的には、エアロゾル生成物品を加熱して、使用者による吸入のためのエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置で使用するためのエアロゾル生成物品に関する。本開示の実施形態は、エアロゾル生成物品を製造する方法及び／又はエアロゾル生成物品とエアロゾル生成装置とを含むエアロゾル生成システムにも関する。本開示は、特に、可搬式（手持ち式）エアロゾル生成装置で使用するためのエアロゾル生成物品に適用可能である。

リスク低減又はリスク修正装置（エアロゾル生成装置又は蒸気生成装置としても知られる）は、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして近年人気及び使用が急速に高まっている。エアロゾル生成物質を加熱又は加温して、使用者による吸入のためのエアロゾルを生成する様々な装置及びシステムが利用可能である。

一般に入手可能なリスク低減又はリスク修正装置は、加熱基材エアロゾル生成装置又はいわゆる加熱不燃装置である。この種の装置は、エアロゾル生成基材を典型的には１５０℃～３００℃の範囲の温度に加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル生成基材を燃焼させることなく、これらの範囲内の温度にエアロゾル生成基材を加熱することで生成される蒸気が典型的には冷却及び結露することにより、装置の使用者による吸入のためのエアロゾルを形成する。

現在利用可能なエアロゾル生成装置は、抵抗加熱素子を利用する抵抗加熱及び誘導コイルと加熱素子とを誘導加熱可能なサセプタの形態で利用する誘導加熱を含む、エアロゾル生成基材に熱を供給する多くの異なるアプローチの１つを用いることができる。

エアロゾル生成基材の加熱にいずれのアプローチを用いるにせよ、エアロゾル生成装置により生成されるエアロゾルの特性は、エアロゾル生成装置で使用されるエアロゾル生成物品の構造を含む多くの要因に依存する。従って、物品の使用中に生成されるエアロゾルの特性を最適化することを可能にし、同時にエアロゾル生成装置と組み合わせて使い易いエアロゾル生成物品を提供することが望まれている。

本開示の第１の態様によれば、エアロゾル生成装置で使用するためのエアロゾル生成物品が提供され、エアロゾル生成物品は、
実質的に平坦なエアロゾル生成基材と、
実質的に平坦なエアロゾル生成基材に沿って延びる少なくとも１つのチャネル形成ストリップと、
実質的に平坦なエアロゾル生成基材及び少なくとも１つのチャネル形成ストリップを囲む包装部材と
を含み、少なくとも１つのチャネル形成ストリップは、エアロゾル生成装置によって加熱されるときに溶融して空気流チャネルを形成するように構成された溶融性材料を含む。

エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成基材を燃焼させることなく、エアロゾル生成基材を加熱して、エアロゾル生成基材の少なくとも１つの成分を揮発させることにより、エアロゾル生成装置の使用者が吸入するエアロゾルを形成するために冷却及び結露する加熱蒸気を生成するエアロゾル生成装置で使用するためのものである。エアロゾル生成装置は、手持ち式の可搬装置である。

一般に、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相にある物質であり、すなわち温度を下げることなく圧力を高めることにより蒸気を液体に結露できることを意味するのに対して、エアロゾルは、空気又は別の気体中の微細な固体粒子又は液滴の懸濁液である。しかし、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に使用者が吸入するために生成される吸入可能な媒体の形式に関して互換的に用いられ得ることに留意されたい。

本開示の第２の態様によれば、
第１の態様によるエアロゾル生成物品と、
エアロゾル生成物品を受け入れるように適合されたエアロゾル生成装置であって、実質的に平坦なエアロゾル生成基材及び少なくとも１つのチャネル形成ストリップを加熱するように構成された加熱素子を含むエアロゾル生成装置と
を含むエアロゾル生成システムであって、加熱素子は、使用中、少なくとも１つのチャネル形成ストリップを閾値温度以上の温度に加熱して、少なくとも１つのチャネル形成ストリップを溶融させ、且つそれにより空気流チャネルを形成するように制御される、エアロゾル生成システムが提供される。

本開示の第３の態様によれば、エアロゾル生成装置で使用するためのエアロゾル生成物品を製造する方法が提供され、方法は、
実質的に平坦なエアロゾル生成基材を提供することと、
実質的に平坦なエアロゾル生成基材に沿って延びるように少なくとも１つのチャネル形成ストリップを提供することと、
実質的に平坦なエアロゾル生成基材及び少なくとも１つのチャネル形成ストリップを包装部材で包むことと
を含み、少なくとも１つのチャネル形成ストリップは、エアロゾル生成装置によって加熱されたるときに溶融して空気流チャネルを形成するように構成された溶融性材料を含む。

溶融性材料を含むチャネル形成ストリップを提供することにより、エアロゾル生成物品がエアロゾル生成装置内に配置されて、エアロゾル生成装置によって加熱されるとき、使用時に空気流チャネルを容易に形成することができ、従って予め形成された空気流チャネル（すなわちエアロゾル生成物品の製造中に形成された空気流チャネル）が、例えば、エアロゾル生成物品の押潰又は圧縮の結果、エアロゾル生成物品の処理、及び／又は貯蔵、及び／又は取り扱い中に閉塞されるリスクが排除される。結果的に生じる空気流チャネルは、包装部材により囲まれるため、エアロゾル生成装置でのエアロゾル生成物品の使用中に生成された蒸気及び／又はエアロゾルは、使用者が吸入する前に空気流チャネルに沿って物品内に流れ込むことが保証される。これは、可能な最大量の蒸気及び／又はエアロゾルが使用者に送達され、送達された蒸気及び／又はエアロゾルが最適な特性を有することを保証するのに役立ち得る。

溶融性材料は、エアロゾル生成装置によって加熱されたるときに有毒な揮発成分を放出しない非毒性材料である。例えば、溶融性材料は、ワックスであり得る。溶融性材料は、溶融性材料がエアロゾル生成装置、より具体的にはエアロゾル生成装置の加熱素子によって加熱されたとき、空気流チャネル内を流れる生成されたエアロゾル中に揮発成分を放出可能ないかなる活性剤も含まない。用語「活性剤」は、溶融性材料が加熱されるとき、吸入可能なエアロゾルの形成に寄与し得る１種類以上の揮発成分、例えばニコチン、エアロゾル形成剤又は香料を放出し得る任意の材料、又は物質、又は成分を含む。従って、溶融性材料は、エアロゾル生成基材を形成し、エアロゾル生成装置によって加熱されるとき、ニコチン等の１種類以上の活性剤を含む吸入可能なエアロゾルを生成する１種類以上の揮発成分を放出するエアロゾル生成材料に加えて提供され、且つそれらと区別される。

エアロゾル生成物品は、遠位端、口側端及び口側端と遠位端との間に延びる長手軸を含み得る。口側端は、エアロゾル生成物品の遠位端部と反対側の端部に位置する。より具体的には、口側端は、例えば、エアロゾル生成装置でのエアロゾル生成物品の使用中にエアロゾル生成物品を通る気流方向に関して遠位端の下流に位置する。少なくとも１つのチャネル形成ストリップは、長手軸と実質的に平行な第１の方向に延び得る。従って、溶融性材料を溶融することによって形成された空気流チャネルは、第１の方向にも延びる。空気は、エアロゾル生成物品の使用中に遠位端から口側端まで空気流チャネルに沿って流れるため、空気が空気流チャネルに沿って流れるにつれて、加熱されたエアロゾル生成基材から最大量の揮発成分が空気中に放出されることが保証される。これは、従って、エアロゾル生成物品の使用中に可能な最大量の蒸気及び／又はエアロゾルが生成されて使用者に送達されることを保証する。

少なくとも１つのチャネル形成ストリップは、実質的に平坦なエアロゾル生成基材の表面内に形成された溝内に配置され得る。このように、溶融性材料を溶融させることにより形成された空気流チャネルは、実質的に平坦なエアロゾル生成基材の表面内に形成された溝を含み得る。少なくとも１つのチャネル形成ストリップは、実質的に平坦なエアロゾル生成基材の表面に容易に押し込むことができるため、エアロゾル生成物品の製造が容易になる。

エアロゾル生成基材は、溝付き面を形成するように横並びに配置され得る複数の前記溝を含み得、及びチャネル形成ストリップは、各溝内に配置され得る。このように、複数の空気流チャネルは、溶融性材料を溶融した後にエアロゾル生成基材の表面に設けられる。複数の空気流チャネルを設けることにより、エアロゾル生成物品の使用中、増大した量の蒸気及び／又はエアロゾルを生成して使用者に送達することができる。

少なくとも１つのチャネル形成ストリップは、エアロゾル生成基材内に内側に形成された通路内に配置され得る。従って、溶融性材料を溶融した後に形成された空気流チャネルは、エアロゾル生成基材内に内側に形成された少なくとも１つの空気流路を含み得る。空気流路は、エアロゾル生成基材によって完全に囲まれる。これにより、空気が空気流路に沿って流れるにつれて、加熱されたエアロゾル生成基材から最大量の揮発成分が空気中に放出することが保証され、従ってエアロゾル生成装置でのエアロゾル生成物品の使用中、可能な最大量の蒸気及び／又はエアロゾルが生成されて使用者に送達されることが保証される。

一例では、単一のチャネル形成ストリップは、エアロゾル生成基材内の内側において、例えばエアロゾル生成基材の断面内の実質的に中央位置に配置され得る。別の例では、複数のチャネル形成ストリップがエアロゾル生成基材内に配置され得、チャネル形成ストリップは、例えば、第１の方向（長手方向）に垂直な第２の方向に横並びに配置され得る。複数のチャネル形成ストリップ、従ってチャネル形成ストリップを形成するために使用される溶融性材料を溶融させることにより形成される空気流路を設けることにより、エアロゾル生成装置でのエアロゾル生成物品の使用中、増大した量の蒸気及び／又はエアロゾルを生成して使用者に送達することができる。

エアロゾル生成基材は、第１の方向、例えば長手軸に平行に延び、且つ第１の方向に実質的に垂直であり得る第２の方向に断続的に配置され得る複数のエアロゾル生成ストリップを含み得る。エアロゾル生成物品は、複数の前記チャネル形成ストリップを含み得、及び前記チャネル形成ストリップの１つは、断続的に配置されたエアロゾル生成ストリップの各対間に配置され得る。この配列により、チャネル形成ストリップは、例えば、チャネル形成ストリップを位置合わせするための空間を形成するようにエアロゾル生成ストリップを第２の方向に離間することにより、エアロゾル生成物品の製造中にエアロゾル生成基材内で容易に位置合わせすることができる。エアロゾル生成ストリップ間に形成された空間内でチャネル形成ストリップを位置合わせすることにより、エアロゾル生成物品の製造中におけるエアロゾル生成基材の変形を慎重に制御するか又は回避することもできる。エアロゾル生成物品は、効率的に製造し、且つ比較的容易に大量生産することもできる。

実質的に平坦なエアロゾル生成基材は、主面の対を有する平らな矩形形状を有し得る。包装部材は、主面の対にそれぞれ取り付けられ得る矩形シートの対を含み得る。エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成基材の平らな矩形形状に起因して好ましい美的外観を有し得る。エアロゾル生成基材は、包装部材により容易に覆うことができるため、エアロゾル生成物品の取り扱い中に使用者がエアロゾル生成基材に直接触れないことが保証される。平坦な長方形の形状は、複数のエアロゾル生成物品の包装及び貯蔵を容易にすることもできる。

エアロゾル生成物品は、物品の口側端部分を形成する支持部材を含み得る。支持部材は、エアロゾル生成基材及び少なくとも１つのチャネル形成ストリップの下流側端部を受け入れるために管状形態、例えば矩形管状形態を有し得る。支持部材は、自立可能であり得、例えば厚紙又はプラスチック材料を含み得る。支持部材は、物品の使用中に生成された蒸気及び／又はエアロゾルを使用者の口に有利に直接送達することができる。支持部材は、エアロゾル生成物品の使用中に生成された加熱された蒸気が冷却及び結露することにより、使用者による吸入に最適な特性を有するエアロゾルを形成可能にすることができる。

包装部材は、実質的に非導電性且つ非磁気透過性の材料を含み得、例えば包装紙を含み得る。包装紙の使用により、エアロゾル生成物品の製造及び取り扱いが容易になり、エアロゾル生成効率を高めることができる。

包装部材は、結露を吸収するための、エアロゾル生成基材の方を向き得る多孔内面を有し得る。多孔内面は、エアロゾル生成装置の内面での結露物質の形成を実質的に排除するか又は少なくとも最小限に抑えるのに役立ち得る。包装部材は、エアロゾル生成基材から離れる方を向き得る粘着防止外面を有し得る。例えば、包装部材は、外面上に粘着防止コーティングを含み得る。粘着防止外面は、包装部材が加熱された際にエアロゾル生成装置の表面に粘着しないことを保証するのに役立ち得る。多孔内面と粘着防止外面とは、共にエアロゾル生成装置内の残留物の堆積を低減させ、従って装置の使用者が実行しなければならない洗浄及び保守作業の回数を低減することができる。

エアロゾル生成基材は、エアロゾル生成装置によって加熱されるとき、より具体的にはエアロゾル生成装置の加熱素子によって加熱されるときにエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成材料を含み得る。エアロゾル生成基材は、非液体エアロゾル生成材料、例えば任意の種類の固体又は半固体材料を含み得る。エアロゾル生成固体の例示的な種類は、粉末、顆粒、ペレット、細片、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔材料、発泡材料又はシートを含む。エアロゾル生成基材は、植物由来の材料を含み得、特にタバコを含み得る。それは、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維及びＣａＣＯ３等の無機充填剤の任意の１種類以上とを含む再構成タバコを有利に含み得る。

その結果、エアロゾル生成物品の吸引での使用を意図されたエアロゾル生成装置は、「加熱式タバコ装置」、「加熱不燃タバコ装置」、「タバコ製品を気化させる装置」等と呼ばれ得、これらの効果の実現に適した装置と解釈される。本明細書に開示する特徴は、任意のエアロゾル生成基材を気化させるように設計された装置にも同様に適用可能である。

エアロゾル生成基材は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例は、グリセリン又はプロピレングリコール等の多価アルコール及びこれらの混合物を含む。典型的には、エアロゾル生成基材は、乾燥重量基準で約５％～約５０％のエアロゾル形成剤含量を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基材は、乾燥重量基準で約１０％～約２０％、場合により乾燥重量基準で約１５％のエアロゾル形成剤含量を含み得る。

エアロゾル生成装置の加熱素子は、抵抗加熱素子を含み得る。加熱素子は、代替的に、誘導加熱可能なサセプタを含み得、エアロゾル生成装置は、サセプタを誘導加熱するための例えば誘導コイルを含む電磁場生成器を更に含み得る。加熱素子によって加熱されると、エアロゾル生成基材は、揮発性化合物を放出することができる。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香料等の香料化合物を含み得る。

エアロゾル生成装置は、電源及びコントローラを含み得る。電源及びコントローラは、加熱素子に結合され得る。エアロゾル生成装置は、加熱素子の温度を測定するためにコントローラに結合された温度センサも含み得る。コントローラは、例えば、エアロゾル生成装置の起動フェーズにおいて、少なくとも１つのチャネル形成ストリップを閾値温度以上の温度に加熱するために、電源によって加熱素子に供給される電力を制御するように構成され得る。

複数のチャネル形成ストリップを有するエアロゾル生成物品の第１の例の概略縦断面図である。 図１の線Ａ－Ａに沿った概略断面図である。 チャネル形成ストリップが溶融した後の、図２と同様の概略断面図である。 複数のチャネル形成ストリップを有するエアロゾル生成物品の第２の例の図２と同様の概略断面図である。 エアロゾル生成物品の第３の例の概略縦断面図である。 複数のチャネル形成ストリップを有するエアロゾル生成物品の第４の例の概略縦断面図である。 図６の線Ｂ－Ｂに沿った概略断面図である。 チャネル形成ストリップが溶融した後の、図７と同様の概略断面図である。 本開示によるエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成物品を含むエアロゾル生成システムの概略断面図である。

本開示の複数の実施形態について、添付図面を参照して専ら例示的に記述する。

最初に、図１～３を参照すると、電気的に動作するエアロゾル生成装置１０２で使用するためのエアロゾル生成物品１の第１の例を示しており、その一例について本明細書中で図９を参照して後述する。エアロゾル生成物品１は、実質的に平坦であり、遠位端１０と、エアロゾル生成物品１の反対側の端に口側端１２（又は近位端）とを有する。口側端１２は、図１に３つの矢印で示すようにエアロゾル生成物品１を通る気流方向に関して遠位端１０の下流にある。図１に示すエアロゾル生成物品１を通る空気流は、以下により詳細に記述するように、チャネル形成ストリップ４０により最初に実質的に遮られることに留意されたい。長手軸は、遠位端１０と口側端１２との間に延びて、エアロゾル生成物品１の長手方向を画定する。

エアロゾル生成物品１は実質的に平坦なエアロゾル生成基材１４を含む。エアロゾル生成基材１４は、一嵩又は一塊のエアロゾル生成材料を含み、対向して配置された主面１４ａ、１４ｂの対を有する平らな矩形形状を有する。エアロゾル生成物品１は、エアロゾル生成基材１４がタバコ又はタバコ材料を含み得る消耗品又は使い捨て物品である。

エアロゾル生成物品１は、エアロゾル生成基材１４の主面１４ａに形成された複数の溝１８を含む。溝１８は、横並びに互いに平行に配置され、溝１８は、遠位端１０と口側端１２との間で長手軸と実質的に平行に長手方向に延びる。溝１８は、共に溝付き面２０を形成する。溝１８は、任意の適当な方法において、例えばエアロゾル生成基材１４の主面１４ａを、適切に整形された押圧具で押圧することにより形成され得る。

エアロゾル生成物品１は、エアロゾル生成基材１４に沿って延びて、溝１８内に配置された複数のチャネル形成ストリップ４０を含む。チャネル形成ストリップ４０は、溶融性材料、例えばワックス等の非毒性の溶融性材料を含む。上述のように、チャネル形成ストリップ４０は、最初に、溝１８を通る空気流を実質的に阻止する。溶融性材料は、以下で更に詳細に議論するように、エアロゾル生成装置１０２によって加熱されるときに溶融するように構成される。溶融性材料が溶融すると、溝１８は、図３に示すように、空気流チャネル１６として機能する。

図１～３の例に３つの溝１８を示しているが、例えばエアロゾル生成物品１の所望の引っ張り抵抗に依存して任意の適当な数の溝１８を設けられ得ることが理解されるであろう。溝１８は、図２及び３に示すような正方形、長方形、台形又は半円形を含むが、これらに限定されない任意の適当な断面形状を有し得ることにも留意されたい。

エアロゾル生成物品１は、エアロゾル生成基材１４及びチャネル形成ストリップ４０を囲む包装部材２２を更に含む。エアロゾル生成基材１４及びチャネル形成ストリップ４０（従って溝１８）は、従って、例えばタバコ紙又は同様の材料を含み得る包装部材２２により完全に囲まれる。包装部材２２は、エアロゾル生成基材１４の主面１４ａ、１４ｂにそれぞれ取り付けられた矩形シート２４、２６の対を含む。矩形シート２４、２６は、典型的には、エアロゾル生成基材１４の周囲に巻かれて、包装部材２２をエアロゾル生成基材１４及びチャネル形成ストリップ４０の周囲の所定位置に固定するために互いに接着された重なり合う縁部を有し得る材料の単一シートにより形成される。

例示的且つ非限定的な例では、エアロゾル生成基材１４の長さ（エアロゾル生成物品１の長手方向で）は、約１８．０ｍｍであり、幅は、約１１．８ｍｍであり、且つ厚さ（又は深さ）は、約１．２ｍｍであり得る。エアロゾル生成基材１４は、図１に示すように、エアロゾル生成物品１の遠位端１０から僅かな距離、例えば約３．０ｍｍだけ内側に離間され得る。エアロゾル生成物品１は、包装部材２２の内部にエアロゾル生成基材１４を収容するために幅が約１２．０ｍｍ及び厚さ（又は深さ）が約１．４ｍｍであり得る。エアロゾル生成物品１は、エアロゾル生成基材１４の下流端と口側端１２との間に延びる包装部材２２の部分の長さを変えることにより、遠位端１０と口側端１２との間が任意の適当な長さであり得る。エアロゾル生成装置１０２におけるエアロゾル生成物品１の使用中、蒸気が包装部材２２のこの部分を通して流れるにつれて、蒸気が冷却及び結露することにより、使用者が吸入するエアロゾルを形成することができる。従って、エアロゾル生成基材１４の下流端とエアロゾル生成物品１の口側端１２との間に延びる包装部材２２の部分の長さは、所望の特性を有するエアロゾルを提供するように製造時に選択され得る。

いくつかの実施形態では、包装部材２２は、エアロゾル生成基材１４の方を向き、且つ加熱処理中に形成され得る結露を吸収することができる多孔内面２２ａを含む。代替的又は追加的に、包装部材２２は、包装部材２２が加熱された際にエアロゾル生成装置１０２の表面に粘着するリスクを低減するために、エアロゾル生成基材１４から離れる方を向く粘着防止外面２２ｂを含み得る。粘着防止外面２２ｂは、包装部材２２の外面２２ｂ上に粘着防止コーティングを含み得る。

ここで、図４を参照すると、エアロゾル生成物品２の第２の例を示している。エアロゾル生成物品２は、図１～３を参照して上で述べたエアロゾル生成物品１と同様であり、対応する特徴は、同じ参照番号を用いて識別される。

エアロゾル生成物品２は、エアロゾル生成基材１４内に内側に形成された空気流路３０の形態の複数の空気流チャネル１６を含み、エアロゾル生成装置１０２内でエアロゾル生成物品２を使用する前にチャネル形成ストリップ４０が各空気流路３０に配置されることにより空気流が空気流路３０を通るのを防止する。溝１８と同様に、空気流路３０は、遠位端１０と口側端１２との間で長手方向に長手軸と実質的に平行に延びる。空気流路３０は、エアロゾル生成基材１４の主面１４ａ、１４ｂ間の略中間点に横並びに配置されるが、エアロゾル生成基材１４を形成するエアロゾル生成材料により各空気流路３０が完全に囲まれることを条件として、異なる位置を採用し得る。空気流路３０は、図４に示すような正方形、長方形、円形、楕円形又は三角形を含むが、これらに限定されない様々な断面形状を有し得ることにも留意されたい。図１～３に関連して上で述べたように、チャネル形成ストリップ４０を形成する溶融性材料は、エアロゾル生成装置１０２によって加熱されるときに溶融するように構成されるため、空気流路３０を通して空気が流れることができる。

ここで、図５を参照すると、エアロゾル生成物品３の第３の例を示している。エアロゾル生成物品３は、図１～３を参照して上で述べたエアロゾル生成物品１と同様であり、対応する特徴は、同じ参照番号を用いて識別される。

エアロゾル生成物品３は、エアロゾル生成物品３の口側端１２に配置されて、エアロゾル生成装置１０２内でエアロゾル生成物品３の使用中に使用者の唇に咥えられ得る口側端部分３４を形成する支持部材２８を含む。支持部材２８は、典型的には、厚紙又はプラスチック材料等の自己支持材料を含み、エアロゾル生成基材１４の下流端及び表面１４ａに形成されて、内部にチャネル形成ストリップ４０が配置された溝１８を受け入れるように断面が矩形の管状形態を有する。包装部材２２は、支持部材２８も囲む。

ここで、図６～８を参照すると、エアロゾル生成物品４の第４の例を示している。エアロゾル生成物品４は、図１～５を参照して上で述べたエアロゾル生成物品１、２、３と同様であり、対応する特徴は、同じ参照番号を用いて識別される。

エアロゾル生成物品４内において、エアロゾル生成基材１４は、遠位端１０と口側端１２との間でエアロゾル生成物品４の長手方向と実質的に平行な第１の方向に延びる複数のエアロゾル生成ストリップ３２を含む。エアロゾル生成ストリップ３２は、横方向に離間されて配置、換言すれば第１の方向に垂直な第２の方向に断続的且つ離間されて配置される。エアロゾル生成ストリップ３２のこの断続的配置（又は離間）により、チャネル形成ストリップ４０をエアロゾル生成ストリップ３２の隣接する各対間に配置することができる。図１～５に関連して上で述べたように、チャネル形成ストリップ４０を形成する溶融性材料は、エアロゾル生成装置１０２によって加熱されるときに溶融するように構成される。図８に示すように、空気流チャネル１６は、エアロゾル生成装置１０２内でエアロゾル生成物品４の使用中に溶融性材料が溶融した際に形成され、隣接するエアロゾル生成ストリップ３２の各対間に空気流チャネル１６が形成される。

エアロゾル生成物品４を、口側端１２の支持部材２８がない状態で示している。しかし、支持部材２８は、図５のエアロゾル生成物品３に関連して上で述べたように、エアロゾル生成物品４の口側端１２に設けることもできる。

ここで、図９を参照すると、図１～３を参照して上で述べたエアロゾル生成装置１０２及びエアロゾル生成物品１の第１の例を含むエアロゾル生成システム１００を示している。エアロゾル生成装置１０２は、図４～８を参照して上で述べたエアロゾル生成物品２、３、４の第２、第３又は第４の例等、本開示による代替的なエアロゾル生成物品と組み合わせて用いられ得ることが理解されるであろう。

エアロゾル生成装置１０２は、受け入れチャンバ１０６及び受け入れチャンバ１０６に熱を供給するために、装置本体１０８内に配置された加熱器１０４を含む。加熱器１０４は、抵抗加熱素子を含む抵抗加熱器又は代替的にサセプタと誘導コイルを含む電磁場生成器とを含む誘導加熱器であり得る。

使用に際して、使用者は、エアロゾル生成物品１を受け入れチャンバ１０６に挿入する。エアロゾル生成装置１０２は、カバー１１０と、カバー１１０を図９に示す閉位置と開位置（図示せず）との間を移動可能にする枢着部１１２を含み得る。当業者に理解されるように、使用者は、エアロゾル生成物品１の受け入れチャンバ１０６への挿入を可能にするためにカバー１１０を開位置に枢動させ、次いでエアロゾル生成物品１を受け入れチャンバ１０６内の所定位置に保持するために、カバーを、図９に示す閉位置に枢動させて戻さなければならない。

エアロゾル生成装置１０２は、電源１１４、例えば充電式電池及びコントローラ１１６を含み、これらは、共に加熱器１０４に接続される。加熱器１０４は、例えば、エアロゾル生成装置１０２のボタン等の使用者インターフェースを介して手動で起動されるか、又は使用者がエアロゾル生成装置１０２の吸い口１１８を吸ったことに応答して自動的に起動され得る。電源１１４から加熱器１０４に供給される電力は、コントローラ１１６により制御され、最初はチャネル形成ストリップ４０を形成する溶融性材料が溶融する閾値温度以上の温度までチャネル形成ストリップ４０を加熱する。これにより、空気流チャネル１６は、溶融性材料が溶融した後、上述のようにエアロゾル生成基材１４の表面の溝１８により形成される。チャネル形成ストリップ４０の溶融は、エアロゾル生成装置１０２の起動フェーズ中に生じる場合があり、エアロゾル生成装置１０２は加熱器１０４の温度、従ってチャネル形成ストリップ４０の概略温度をコントローラ１１６により判定可能にする温度センサー（図示せず）を含み得る。

エアロゾル生成装置１０２は、エアロゾル生成物品１内に且つエアロゾル生成基材１４の表面内に形成された溝１８を通して空気が流れるようにする１つ以上の空気流入口１２０を含む。空気流の方向を図９の矢印により示している。

電源１１４から加熱器１０４への電力供給が継続することにより、エアロゾル生成基材１４は、燃焼することなく、加熱されて１種類以上の揮発成分を放出する。揮発成分は、溝１８を通して流れる空気に巻き込まれ、それにより蒸気を形成する。蒸気は、溝１８を通して流れる際に冷却及び結露することによりエアロゾルを形成し、これを、使用者がエアロゾル生成装置１０２の吸い口１１８を通して吸入する。溶融性材料自体は、加熱器１０４により溶融性材料が加熱されるとき、生成されたエアロゾル中に揮発成分を放出可能ないかなる活性剤、例えばニコチン、エアロゾル形成剤、香料等も含まないことに留意することが重要である。

エアロゾル生成基材１４が枯渇し、許容できる品質のエアロゾルを生成するのに十分な揮発成分を放出しなくなった場合、エアロゾル生成物品１は、カバー１１０を開放位置に枢動させた後、受け入れチャンバ１０６から取り外すことができ、代替のエアロゾル生成物品１をその場所に挿入することができる。

エアロゾル生成装置１０２を、支持部材２８を有するエアロゾル生成物品、例えば図５を参照して上で述べたエアロゾル生成物品３の第３の例と組み合わせて用いる場合、支持部材２８は、受け入れチャンバ１０６の開放端１０６ａから突出することにより、使用者の唇が、支持部材２８により形成されたエアロゾル生成物品３の口側端部分３４を咥えられるようにすることができる。

例示的な実施形態について先の段落に記述してきたが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対する様々な変更形態がなされ得ることを理解されたい。従って、請求項の幅及び範囲を上述の例示的な実施形態に限定すべきでない。

上述の特徴のあらゆる可能な変形形態の組み合わせは、本明細書で別途示唆されない限り又は別途文脈から矛盾する場合を除いて本開示に含まれる。

文脈から別途要求されない限り、本明細書及び請求項を通して、「含む」、「含んでいる」等の単語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包摂的な意味、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるものとする。

Claims (12)

1. エアロゾル生成装置（１０２）で使用するためのエアロゾル生成物品（１、２、３、４）であって、
   前記エアロゾル生成装置（１０２）によって加熱されるときにエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成材料を含む、実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）と、
   前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）に沿って延びる少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）と、
   前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）及び前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を囲む包装部材（２２）と
   を含み、前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）は、前記エアロゾル生成装置（１０２）によって加熱されるときに溶融して空気流チャネル（１６）を形成するように構成された溶融性材料を含み、前記溶融性材料は、前記エアロゾル生成装置（１０２）によって前記溶融性材料が加熱されるとき、前記生成されたエアロゾル中に揮発成分を放出可能ないかなる活性剤も含まない、エアロゾル生成物品（１、２、３、４）。
2. 遠位端（１０）、口側端（１２）及び前記口側端（１２）と前記遠位端（１０）との間に延びる長手軸を含み、及び前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）は、前記長手軸と実質的に平行な第１の方向に延びる、請求項１に記載のエアロゾル生成物品。
3. 前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）は、前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）の表面（１４ａ）内に形成された溝（１８）内に配置される、請求項１又は２に記載のエアロゾル生成物品。
4. 前記エアロゾル生成基材（１４）は、溝付き面（２０）を形成するように横並びに配置された複数の前記溝（１８）を含み、及びチャネル形成ストリップ（４０）は、各溝（１８）内に配置される、請求項３に記載のエアロゾル生成物品。
5. 前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）は、前記エアロゾル生成基材（１４）内に内側に形成された通路（３０）内に配置される、請求項１又は２に記載のエアロゾル生成物品。
6. 前記エアロゾル生成基材（１４）は、第１の方向に延び、且つ前記第１の方向に垂直な第２の方向に断続的に配置された複数のエアロゾル生成ストリップ（３２）を含み、
   前記エアロゾル生成物品は、複数の前記チャネル形成ストリップ（４０）を含み、及び前記チャネル形成ストリップ（４０）の１つは、断続的に配置されたエアロゾル生成ストリップ（３２）の各対間に配置される、請求項１から５のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
7. 前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）は、主面（１４ａ、１４ｂ）の対を有する平らな矩形形状を有し、及び前記包装部材（２２）は、前記主面（１４ａ、１４ｂ）の対にそれぞれ取り付けられた矩形シート（２４、２６）の対を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
8. 前記物品の口側端部分（３４）を形成する支持部材（２８）を含み、及び前記支持部材（２８）は、前記エアロゾル生成基材（１４）の下流端及び前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を受け入れるために管状形態を有する、請求項１から７のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
9. 前記包装部材（２２）は、結露を吸収するための、前記エアロゾル生成基材（１４）の方を向く多孔内面（２２ａ）と、前記エアロゾル生成基材（１４）から離れる方を向く粘着防止外面（２２ｂ）とを有する、請求項１から８のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
10. 前記包装部材（２２）は、前記外面（２２ｂ）上に粘着防止コーティングを含む、請求項９に記載のエアロゾル生成物品。
11. エアロゾル生成システム（１００）であって、
    請求項１から１０のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品（１、２、３、４）と、
    前記エアロゾル生成物品を受け入れるように適合されたエアロゾル生成装置（１０２）であって、前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）及び前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を加熱するように構成された加熱素子（１０４）を含むエアロゾル生成装置（１０２）と
    を含み、前記加熱素子（１０４）は、使用中、前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を閾値温度以上の温度に加熱して、前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を溶融させ、且つそれにより空気流チャネル（１６）を形成するように制御される、エアロゾル生成システム（１００）。
12. エアロゾル生成装置（１０２）で使用するためのエアロゾル生成物品（１、２、３、４）を製造する方法であって、
    前記エアロゾル生成装置（１０２）によって加熱されるときにエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成材料を含む、実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）を提供することと、
    前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）に沿って延びるように少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を提供することと、
    前記実質的に平坦なエアロゾル生成基材（１４）及び前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）を包装部材（２２）で包むことと
    を含み、前記少なくとも１つのチャネル形成ストリップ（４０）は、前記エアロゾル生成装置（１０２）によって加熱されるときに溶融して空気流チャネル（１６）を形成するように構成された溶融性材料を含み、前記溶融性材料は、前記エアロゾル生成装置（１０２）によって前記溶融性材料が加熱されるとき、前記生成されたエアロゾル中に揮発成分を放出可能ないかなる活性剤も含まない、方法。

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